JPH08298595A - 電子写真装置、電子写真方法およびトナー画像つきシートの製造方法 - Google Patents

電子写真装置、電子写真方法およびトナー画像つきシートの製造方法

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JPH08298595A
JPH08298595A JP8036282A JP3628296A JPH08298595A JP H08298595 A JPH08298595 A JP H08298595A JP 8036282 A JP8036282 A JP 8036282A JP 3628296 A JP3628296 A JP 3628296A JP H08298595 A JPH08298595 A JP H08298595A
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toner
developing
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JP8036282A
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Inventor
Hiroyoshi Asada
浩義 浅田
Yoshihiro Tamura
佳弘 田村
Masahiro Okita
昌弘 沖田
Hidetoshi Hara
英俊 原
Jun Inagaki
潤 稲垣
Junichi Matsumura
淳一 松村
Michio Yamazaki
道男 山崎
Sukeyuki Tanaka
祐之 田中
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドットゲインの影響が小さく滑らかな階調
表現を実現し、階調再現力が高く、かつ、モアレが発生
しにくい電子写真装置および電子写真方法を提供するこ
と。 【構成】 連続階調画像を2値化するに際し、周波数
変調スクリーニング法を用いて、モアレが発生せず、か
つ、高い相対解像度を有する潜像を形成する。こうして
形成された潜像を液体現像剤を用いて現像することによ
り、厚みの薄いトナー層を形成し、機械的および光学的
ドットゲインの発生の少ないトナー画像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体現像剤または
微粒子トナーを含む現像剤を用いる電子写真装置、電子
写真法およびトナー画像つきシートの製造方法に関する
ものであり、特に、かかる電子写真装置において再現し
ようとする連続的階調画像にもとづいて高品質の画質を
有する2値化画像として再現しうる装置、方法およびト
ナー画像つきシートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置および方法において銀塩写
真のような連続的階調画像を再現する場合には、通常上
記連続階調画像を紙などの印画対象シート上の非常に狭
い領域内におけるトナーの付着部位(絵柄部)と非付着
部位(非絵柄部)との面積比の大小により表現する(上
記狭い領域の面積に対する絵柄部の面積の割合を絵柄面
積率という)。そのために、連続階調画像のデータを潜
像担持媒体上に2つのレベル(たとえば、ON/OF
F)に置き換えて画像を二次元的に記録する手法を画像
2値化手法と呼ぶ。
【0003】このような連続階調画像の階調再現の画像
2値化手法として多くの方法が提案されている。画像2
値化手法は、またハーフトーン化法とも呼ばれ、連続階
調濃度値をたとえば2値ドットの幾何学的分布に変換す
る。
【0004】ハーフトーン化法として、大きく別けて二
種類の方法が提案されている。「振幅変調スクリーニン
グ法」と「周波数変調スクリーニング法」である。
【0005】振幅変調スクリーニング法によれば、通常
ハーフトーンドットは、固定され規則正しく配置された
幾何学的グリッドに形成される。すなわちこの方法で
は、有限の濃度値を有する部位において、ハーフトーン
ドットの数を一定としたままでハーフトーンのドットサ
イズを変調することによって、異なる階調を再現する。
代表的な方式としてドット集中型と呼ばれるFattening
型組織的ディザ法がある。図3(a)にその2値化モデル
例を示す。
【0006】一方、周波数変調スクリーニング法では、
主としてハーフトーンドット間の距離または単位面積あ
たりの形成ハーフトーンドット数を変調することにより
階調画像を表現する。代表的な方式として誤差拡散法が
ある。図3(b)にその2値化モデル例を示す。
【0007】最小ドット形成間隔が1/12mm以上の
低解像度プリンタ、特にインクジェットプリンタでは、
周波数変調スクリーニング法が利用されるのが一般的で
ある。振幅変調スクリーニング法、例えばFattening型
組織的ディザ法では、入力された濃度値をm×mマトリ
ックスからなるしきい値と比較して、ハーフトーンドッ
トを形成する多数のドットのうちの個別のドット位置の
ON/OFF(すなわち対応するマトリクスのドット位
置に絵柄部を形成するか否か)を決定する。このため、
階調表現能力すなわち階調のレベル数を上げるとしきい
値マトリックスが大きくなる。これは階調表現の単位と
なる幾何学的グリッドの間隔が大きくなることに対応
し、細部の表現力の低下を意味する。すなわち、相対的
解像度(ここで相対的解像度が高いとは、独立して形成
されるハーフトーンドットの最小間隔が狭いことを指
す。振幅変調スクリーニングにおいては、幾何学的グリ
ッドの間隔が狭い場合をいう。)と階調表現力とはトレ
ードオフの関係となっている。低解像度プリンタでは、
特にこのトレードオフによって細部の再現を向上するこ
とができない。それゆえ低解像度プリンタでは、見掛け
上の相対解像度(周波数変調スクリーニング法において
相対解像度は、形成される単一ドットの最大間隔にほぼ
対応して評価される。)をより高くなしうる誤差拡散法
などの周波数変調スクリーニング法が利用されている。
【0008】一方最小ドット形成間隔が1/15mm以
下の中解像度プリンタ、特に電子写真方式のプリンタで
は、むしろ「ドットゲイン」と呼ばれる現象のため、振
幅変調スクリーニング法が用いられてきた。ドットゲイ
ンとは、解像度から計算される画素、すなわち理想的な
サイズのハーフトーンドットが紙などの印画対象シート
に形成された場合に得られるべき理想的な光学濃度値に
比較し、実際に得られる光学濃度値が高くなる現象であ
る。たとえば、ある領域で2値化画像データ上の絵柄面
積率が50%の場合、ドットがまったく形成されていな
い場合(絵柄面積率0%)とその領域全体でドットが形
成されている場合(同100%)とのちょうど中間の光
学濃度値となるのが理想的であるが(厳密にはその領域
の平均光反射率または透過率が中間になるのが理想であ
る)、実際にはこれよりもやや高い光学濃度を得ること
があり、これをドットゲインという。これは、主として
以下のような原理によって発生する。
【0009】電子写真プリンタにおけるドットゲイン
は、大別して(1)機械的ドットゲインと(2)光学的ドット
ゲインおよび(3)単一ドット形状に起因するドットゲイ
ンに分類される。
【0010】(1)機械的ドットゲインとは、トナーを潜
像担持媒体から紙などの印画対象シートや中間転写媒
体、あるいは中間転写媒体から印画対象シートへ転写す
る際に、圧力を印加する、あるいは圧力を補助的な手段
として加える場合に、トナー層に対してトナー層の厚み
方向に押し潰そうとする圧力が印加されるため、トナー
層が潰れてハーフトーンドットが広がる現象をいう。
【0011】一方、(2)光学的ドットゲインとは、紙に
転写されたトナー層が、有限な厚みを有するために、紙
面の法線に対して傾いた方向から入射する光の一部がト
ナー層に遮られて影ができ、本来光が照射されるべき紙
面の一部に光が到達せず、光の平均反射率が低下して観
測される光学濃度値が上昇する現象をいう。
【0012】また、(3)単一ドット形状に起因するドッ
トゲインとは、たとえば、レーザビームによる光照射等
により潜像担持媒体上に潜像を形成するタイプの電子写
真装置であってビームの照射部位に絵柄部を形成するも
の(反転現像型)に多くみられる現象で、2値化画像デ
ータでの論理的な単一ドットの形状と実際に潜像担持媒
体上に形成される単一ドットの形状が一致しないことに
よりハーフトーンドットの面積が増大する現象をいう。
これは、2値化画像データが潜像担持媒体の面の各部を
矩形マトリクス状に分割するために上記データ上は矩形
のドット位置のトナー付着部位形成の有無等を表わすも
のであるのに対して、実際に潜像を形成する際にはレー
ザビームスポット等の形状がこの矩形のドット位置をカ
バーするように上記矩形を含む図形(たとえば、上記矩
形が内接する円形など)となるように構成されることが
多いためである(ビームスポット等の形状が矩形でない
場合、このように構成しないと絵柄面積率100%の領
域を形成できない)。したがって、たとえば、単一ドッ
トとして上記矩形ドット位置(正方形とする)をカバー
する最小の円形ドットとした場合、2値化データ上の絵
柄面積率に対して、実際の潜像の絵柄面積率は1.5倍
程度となる。
【0013】このようなドットゲインは、上述した原理
から明らかなようにトナーの付着した絵柄部とトナーの
付着していない非絵柄部との境界領域で発生する。従っ
て、図3に示すように、振幅変調スクリーニング法に比
較して、境界領域の大きい周波数変調スクリーニング法
では、ドットゲインが大きくなり、特に中濃度領域から
高濃度領域にかけて階調再現力が低下する傾向がある。
この傾向はErwin Widmerらの論文、TAG
A、28-43(1992) でも指摘されている。
【0014】乾式電子写真法では多くの場合平均粒径の
大きなトナー粒子を用いて現像するためトナー画像のト
ナー層の厚みが厚く、特にドットゲインの現象が強調さ
れる。また周波数変調スクリーニングでは絵柄面積率が
低い部位においては、ドット間の距離が極端に大きくな
るためグレイニネスと呼ばれるざらつき感がさけられな
いとされている。こうしたことから、これまで中以上の
解像度を有する電子写真装置には振幅変調スクリーニン
グが用いられてきた。
【0015】しかしながら、振幅変調スクリーニング法
には「モアレ」と呼ばれる重大な欠点がある。これは、
ハーフトーン化された画像内に規則正しく配置された幾
何学的なグリッド上にハーフトーンドットを形成するこ
とにより望ましくないパターンが生じるものである。モ
アレは、その原因によって原モアレあるいはカラーモア
レなどに分類される。
【0016】原モアレは、繊維テキスタイル構造を表わ
す画像などの元の画像内の周期的な絵柄面積率と上記幾
何学的グリッドのパターンとの幾何学的相互作用が原因
である。
【0017】また、カラーモアレは、カラー画像を各色
ごとに2値化画像に変換し、それを同一の印画対象シー
トに重ねたときに、それぞれ上述のとおり周期性を有す
る各色の2値化画像間で干渉するのが原因である。特
に、異なる3つ以上の2値化画像を重ねることで発生す
るカラーモアレを、ロゼッタ模様と呼ぶ。
【0018】同時に、振幅変調スクリーニングでは階調
レベル数を増大させると相対解像度がやはり低下するた
め、かなり高解像度の電子写真装置でも階調レベル数が
多く、かつ相対解像度の高いトナー画像を得ることは困
難であった。しかも上述のようなモアレの問題を根本的
に解決することがほとんどできなかった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、ドットゲインの影響が小さく滑らかな階調表現を実
現し、階調再現力が高く、相対解像度が高く、かつ、モ
アレが発生しにくい電子写真装置および電子写真方法を
提供することにある。
【0020】本発明の第2の目的は、上記電子写真装置
および電子写真方法を用いたトナー画像つきシートの製
造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、連続
階調画像データを周波数変調スクリーニング法により2
値化画像データに変換する画像2値化手段と、該画像2
値化手段により変換された2値化画像データに基づいて
潜像担持媒体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜
像形成手段により形成された潜像を液体現像剤により現
像してトナー画像を形成する現像手段とを備えてなるこ
とを特徴とする電子写真装置を提供する。
【0022】また、本発明はその好ましい態様として、
前記画像2値化手段は、絵柄面積率の低い場合には絵柄
面積率が高い場合よりも単一ドットの大きさを小さくし
て連続階調画像データを2値化画像データに変換するも
のであることを特徴とする電子写真装置を提供する。
【0023】また、本発明は、連続階調画像データを、
絵柄面積率が低い場合には振幅変調スクリーニング法に
より2値化画像データに変換し、一方、絵柄面積率が高
い場合には周波数変調スクリーニング法により2値化画
像データに変換する画像2値化手段と、該画像2値化手
段により変換された2値化画像データに基づいて潜像担
持媒体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像形成
手段により形成された潜像を液体現像剤により現像して
トナー画像を形成する現像手段とを備えてなることを特
徴とする電子写真装置を提供する。
【0024】また、本発明はその好ましい態様として、
前記画像2値化手段は、最小ドット形成間隔を1/15
mm以下となしうるものであることを特徴とする電子写
真装置を提供する。
【0025】また、本発明はその好ましい態様として、
前記現像手段は複数色の液体現像剤により現像しうるも
のであることを特徴とする電子写真装置を提供する。
【0026】また、本発明はその好ましい態様として、
前記現像手段により形成されたトナー画像の一時的な転
写を受ける中間転写媒体を備えてなる電子写真装置を提
供する。
【0027】また、本発明は、連続階調画像データを周
波数変調スクリーニング法により2値化画像データに変
換し、変換された該2値化画像データに基づいて潜像担
持媒体上に潜像を形成し、形成された該潜像を液体現像
剤により現像することを特徴とする電子写真方法を提供
する。
【0028】また、本発明はその好ましい態様として、
絵柄面積率の低い場合には絵柄面積率が高い場合よりも
単一ドットの大きさを小さくして連続階調画像データを
2値化画像データに変換することを特徴とする電子写真
方法を提供する。
【0029】また、本発明は、連続階調画像データを、
絵柄面積率が低い場合には振幅変調スクリーニング法に
より2値化画像データに変換し、一方、絵柄面積率が高
い場合には周波数変調スクリーニング法により2値化画
像データに変換し、変換された該2値化画像データに基
づいて潜像担持媒体上に潜像を形成し、形成された該潜
像を液体現像剤により現像することを特徴とする電子写
真方法を提供する。
【0030】また、本発明はその好ましい態様として、
連続階調画像データの2値化画像データへの変換に際
し、最小ドット形成間隔を1/15mm以下とすること
を特徴とする記載の電子写真方法を提供する。
【0031】また、本発明は、連続階調画像データを周
波数変調スクリーニング法により2値化画像データに変
換し、変換された該2値化画像データに基づいて潜像を
形成し、形成された該潜像を液体現像剤により現像して
トナー画像を形成し、該トナー画像を印画対象シート上
に定着することを特徴とするトナー画像つきシートの製
造方法を提供する。
【0032】また、本発明は、連続階調画像データを周
波数変調スクリーニング法により2値化画像データに変
換し、変換された該2値化画像データに基づいて潜像担
持媒体上に潜像を形成し、形成された該潜像を液体現像
剤により現像してトナー画像を形成し、形成された該ト
ナー画像を印画対象シートに転写し、該トナー画像を該
印画対象シートに定着することを特徴とするトナー画像
つきシートの製造方法を提供する。
【0033】また、本発明はその好ましい態様として、
絵柄面積率の低い場合には絵柄面積率が高い場合よりも
単一ドットの大きさを小さくして連続階調画像データを
2値化画像データに変換することを特徴とするトナー画
像つきシートの製造方法を提供する。
【0034】また、本発明は、連続階調画像データを、
絵柄面積率が低い場合には振幅変調スクリーニング法に
より2値化画像データに変換し、一方、絵柄面積率が高
い場合には周波数変調スクリーニング法により2値化画
像データに変換し、変換された該2値化画像データに基
づいて潜像担持媒体上に潜像を形成し、形成された該潜
像を液体現像剤により現像してトナー画像を形成し、該
トナー画像を該印画対象シートに定着することを特徴と
するトナー画像つきシートの製造方法を提供する。
【0035】また、本発明は、連続階調画像データを、
絵柄面積率が低い場合には振幅変調スクリーニング法に
より2値化画像データに変換し、一方、絵柄面積率が高
い場合には周波数変調スクリーニング法により2値化画
像データに変換し、変換された該2値化画像データに基
づいて潜像担持媒体上に潜像を形成し、形成された該潜
像を液体現像剤により現像してトナー画像を形成し、形
成された該トナー画像を印画対象シートに転写し、該ト
ナー画像を該印画対象シートに定着することを特徴とす
るトナー画像つきシートの製造方法を提供する。
【0036】また、本発明は、連続階調画像データを周
波数変調スクリーニング法により2値化画像データに変
換し、変換された該2値化画像データに基づいて潜像担
持媒体上に潜像を形成し、形成された潜像を液体現像剤
により現像してトナー画像を形成し、形成された該トナ
ー画像を中間転写媒体に転写し、転写された該トナー画
像を印画対象シートに転写し、該トナー画像を印画対象
シートに定着することを特徴とするトナー画像つきシー
トの製造方法を提供する。
【0037】また、本発明は、連続階調画像データを周
波数変調スクリーニング法により2値化画像データに変
換する画像2値化手段と、該画像2値化手段により変換
された2値化画像データに基づいて潜像担持媒体上に潜
像を形成する潜像形成手段と、該潜像形成手段により形
成された潜像を平均粒径7μm以下のトナー粒子を含む
現像剤により現像してトナー画像を形成する現像手段と
を備えてなることを特徴とする電子写真装置を提供す
る。
【0038】また、本発明はその好ましい態様として、
前記画像2値化手段は、絵柄面積率の低い場合には絵柄
面積率が高い場合よりも単一ドットの大きさを小さくし
て連続階調画像データを2値化画像データに変換するも
のであることを特徴とする電子写真装置を提供する。
【0039】また、本発明は、連続階調画像データを、
絵柄面積率が低い場合には振幅変調スクリーニング法に
より2値化画像データに変換し、一方、絵柄面積率が高
い場合には周波数変調スクリーニング法により2値化画
像データに変換する画像2値化手段と、該画像2値化手
段により変換された2値化画像データに基づいて潜像担
持媒体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像形成
手段により形成された潜像を平均粒径7μm以下のトナ
ー粒子を含む現像剤により現像してトナー画像を形成す
る現像手段とを備えてなることを特徴とする電子写真装
置を提供する。
【0040】また、本発明はその好ましい態様として、
前記画像2値化手段は、最小ドット形成間隔を1/15
mm以下となしうるものであることを特徴とする電子写
真装置を提供する。
【0041】また、本発明はその好ましい態様として、
前記現像手段は複数色の現像剤により現像しうるもので
あることを特徴とする電子写真装置を提供する。
【0042】また、本発明はその好ましい態様として、
前記画像2値化手段は、各色の2値化画像データを、少
なくとも前色の潜像形成後、または前色の潜像形成と並
行して変換するものであることを特徴とする電子写真装
置を提供する。
【0043】また、本発明はその好ましい態様として、
前記現像手段は、各現像剤毎に設定可能な現像バイアス
電圧を印加しながら現像するものであることを特徴とす
る電子写真装置を提供する。
【0044】また、本発明はその好ましい態様として、
前記現像手段は、前記液体現像剤の濃度または導電度を
各現像剤毎に設定可能なものであることを特徴とする電
子写真装置を提供する。
【0045】また、本発明はその好ましい態様として、
定着前の前記トナー画像を圧縮するトナー画像圧縮手段
を備えてなる電子写真装置を提供する。
【0046】また、本発明はその好ましい態様として、
定着前の前記トナー画像から余剰の液体現像剤を除去す
る余剰現像剤除去手段を備えてなる電子写真装置を提供
する。
【0047】また、本発明はその好ましい態様として、
前記現像手段は現像バイアス電圧を印加しながら対応す
る色の現像剤で現像するものであり、かつ、前記余剰現
像剤除去手段は、前記潜像担持媒体の非絵柄部電位と絵
柄部電位との中間の電位であって前記非絵柄部との電位
差が前記現像バイアス電圧と前記非絵柄部電位との差よ
りも小さくなるよう安定化された電位の面を有するもの
である電子写真装置を提供する。
【0048】また、本発明はその好ましい態様として、
前記現像手段は現像バイアス電圧を印加しながら対応す
る色の現像剤で現像するものであり、かつ、前記余剰現
像剤除去手段は、前記潜像担持媒体の非絵柄部電位と絵
柄部電位との中間の電位であって前記非絵柄部との電位
差が前記現像バイアス電圧と前記非絵柄部電位との差よ
りも大きくなるよう安定化された電位の面を有するもの
である電子写真装置を提供する。
【0049】また、本発明はその好ましい態様として、
前記潜像担持媒体の非絵柄部に付着したトナーを除去す
る非絵柄部トナー除去手段を備えてなる電子写真装置を
提供する。
【0050】また、本発明はその好ましい態様として、
前記余剰現像剤除去手段は前記潜像担持媒体との間に間
隙を形成しつつ余剰液体現像剤を除去するものであり、
さらに、前記潜像担持媒体と離接可能に構成されかつ前
記潜像担持媒体からトナー画像の転写を受ける転写媒体
と、前記現像手段が前記潜像担持媒体への液体現像剤の
供給を開始した後に前記間隙が液体現像剤で満たされて
から前記転写媒体を前記潜像担持媒体に当接または近接
せしめる制御手段とを備えてなる電子写真装置を提供す
る。
【0051】また、本発明はその好ましい態様として、
印画対象シートを搬送しつつトナー画像を該印画対象シ
ートに対して押圧しながら定着する複数の定着手段を有
し、かつ、該複数の定着手段のうち前記印画対象シート
の搬送方向上流側に位置するものの押圧力が下流側に位
置するものよりも大きいことを特徴とする電子写真装置
を提供する。
【0052】また、本発明はその好ましい態様として、
前記現像手段は相対移動しながら順次前記潜像に近接し
て液体現像剤を前記潜像に供給してトナー画像を形成す
る複数の現像ユニットを有するものであり、かつ、前記
余剰現像剤除去手段は、各現像ユニットの切替時に前記
トナー画像が前記余剰現像剤除去手段の近傍に達する前
に余剰現像剤の除去動作を開始するものである電子写真
装置を提供する。
【0053】また、本発明はその好ましい態様として、
前記現像手段により形成されたトナー画像の一次転写を
受ける中間転写媒体と、該中間転写媒体から前記トナー
画像を印画対象シートに二次転写するトナー画像二次転
写手段と、二次転写後に前記中間転写媒体に対して相対
移動しながら前記中間転写媒体をクリーニングするクリ
ーニング手段と、クリーニング時には前記一次転写時よ
りも前記相対移動の速度を低下させるクリーニング手段
の相対移動制御手段とを備えてなる電子写真装置を提供
する。
【0054】また、本発明はその好ましい態様として、
前記現像手段は、待機位置から現像位置に移動して液体
現像剤を前記潜像に供給することによりトナー画像を形
成する現像ローラを有するものであり、かつ、該現像ロ
ーラは、現像中には少なくとも一部が液体現像剤に浸漬
されており、トナー画像の形成後現像位置から待機位置
に復帰する際には液体現像剤に浸漬されないものである
電子写真装置を提供する。
【0055】また、本発明はその好ましい態様として、
前記現像手段は相対移動しながら順次前記潜像担持媒体
に近接して液体現像剤を前記潜像に供給しトナー画像を
形成する複数の現像ユニットを有するものであり、さら
に、形成されたトナー画像を前記潜像担持媒体から次段
階の記録媒体に転写するトナー画像転写手段と、前記潜
像担持媒体の切替領域が転写領域に到来する際に次段階
の転写媒体の非プリント領域が前記転写領域に到来する
よう前記トナー画像転写手段を制御する転写制御手段と
を備えてなる電子写真装置を提供する。
【0056】また、本発明はその好ましい態様として、
装置内部で発生した液剤のミストの一部を回収するミス
トセパレータと、該ミストセパレータで回収されなかっ
た残余のミストを回収する吸液フィルタとを備えてなる
電子写真装置を提供する。
【0057】本発明の電子写真装置、電子写真方法およ
びトナーつきシートの製造方法によれば、連続階調画像
を2値化するに際し、周波数変調スクリーニング法を用
いて、モアレが発生せず、かつ、高い相対解像度を有す
る潜像を形成する。こうして形成された潜像を液体現像
剤または平均粒径7μm以下のトナー粒子を含む現像剤
を用いて現像することにより、厚みの薄いトナー層を形
成し、機械的および光学的ドットゲインの発生の少ない
トナー画像を形成する。液体現像剤または平均粒径7μ
m以下のトナー粒子を含む現像剤を用いればトナー層の
厚みが薄くなりドットゲインの発生を抑制する。特に液
体現像剤の場合には、トナー粉の散乱を防止して、これ
によるドットゲインの発生をも抑制する。
【0058】また、本発明の好ましい態様においては、
絵柄面積率の低い部位において絵柄面積率が高い部位よ
りも単一ドットの大きさを小さくして連続階調画像を2
値化画像に変換する。これにより、絵柄面積率の低い部
位におけるドットの間隔を小さくし、グレイニネスの問
題を軽減する。
【0059】さらに本発明の別の態様においては、絵柄
面積率の低い部位においては振幅変調スクリーニング法
により連続階調画像を2値化し、絵柄面積率の高い部位
においては上記と同様に周波数変調スクリーニング法を
用いて2値化する。これにより、モアレが目立ちにくい
絵柄面積率の低い部位においては形成するハーフトーン
ドットの間隔を一定以下の範囲にとどめ、グレイニネス
の問題を軽減する。
【0060】本発明でいう周波数変調スクリーニング
は、画像の濃度値をハーフトーンドットのサイズではな
く、基本的にハーフトーンドット間の距離が変調される
ものであって、下記のサブクラスに分類されるものなど
がある。
【0061】(1)二点間しきい値化に基づいた方法。
【0062】(2)行から行、列から列への走査(およ
び変形)による誤差拡散法 (3)ヒルバートの走査(および変形)による誤差の伝
搬法 (4)特殊な方法(西独特許第2931092号、米国
特許4485397号に開示されているスクリーニング
手法)。
【0063】以下、上記各サブクラスにつき詳細に説明
する。
【0064】(1)最も代表的な二点間しきい値化法
は、“Bayer”のディザマトリックスによるハーフ
トーン化法である。ドットの空間周波数がなるべく高周
波になるようにしたもので、全てのハーフトーンドット
は低濃度レベルを表現するに使用されるハーフトーンド
ットからできるだけ離れさせるような方式で配列された
しきい値を持っており、ドット分散型とも呼ばれる。B
ayerディザマトリックスがつくるハーフトーンドッ
トパターンは、周期的な成分を含有し、振幅変調スクリ
ーニング法に類似したモアレの問題を起こす可能性があ
るが、周期的な成分のほとんどが比較的高い周波数を有
するので、振幅変調スクリーニング法に比較し、原モア
レあるいはカラーモアレの発生はかなり抑制される。デ
ィザマトリックス内のしきい値の順序についてはいくつ
もの変化があるが、この手法を限定するものではない。
【0065】他の二点間しきい値化法は、Bayerデ
ィザマトリックスの代わりに“Blue Noise
Mask”を用いる。これは米国特許5111310号
明細書に記載されている。このBlue Noise
Maskは、しきい値マトリックスのフーリエ変換時に
反復して行われる最適化によって得られる。すなわちB
lue Noise Maskしきい値マトリックス
は、ハーフトーンドットを分布させ、その二次元パワー
スペクトルは空間周波数の高い領域で、連続的である。
それゆえ、この方法では、Bayerディザマトリック
スに比較して、振幅変調スクリーニング法に見られるモ
アレの発生をさらに抑えることが可能である。
【0066】(2)周波数変調スクリーニング法で最も
よく知られているのが誤差拡散方法である。入力信号
(濃度値)Iijとこれに対する画素の記録信号Pijとの
誤差Eij=Iij−Pijを平均的に小さくしようとするも
ので、画像が行から行へ、列から列へと処理され、連続
階調画像の2値化の結果として起こる誤差を一つ以上の
未処理の画素へ拡散する。この誤差がどのように拡散さ
れるかによって、通常その発明者の名前をつけたいくつ
かの手法が提案されている。FloydとSteinb
ergの手法が最も有名であるが、各種の変形が提案さ
れている。簡単な変形は、“ジグザグ”シーケンスによ
って画素を処理することで構成される。すなわち、誤差
拡散の方向は、偶数行の左から右へおよび奇数行の右か
ら左へ (またはその逆)の方向である。
【0067】典型的な誤差拡散アルゴリズムについて以
下に簡単に説明する。たとえば、一つ一つの画素が0
(白)から255(黒)のいづれかの値で示される濃度
値を有する連続階調画像に対して、設定されているしき
い値との比較でドットを発生するかしないかを決定す
る。仮に113の濃度値を有するn番目の画素をしきい
値(127)と比較すると、濃度値<しきい値の関係と
なるので、黒ドットは発生しない。この時、誤差は11
3−0(ドットなし)=113となる。n+1番目の画
素の濃度値が120とすると、前記の誤差113が加え
られ、120+113=233としきい値、127を比
較する。この場合には、誤差を加算された濃度値>しき
い値となるので、黒ドットは発生される。n+2番目の
画素には、255(ドット有り)−233=22の誤差
が持ち越される。この例は、最も単純なケースで、発生
した誤差を唯一つの次の画素に配分しているが、たとえ
ば、図2に示すように発生した誤差を近接する4つの画
素に、重み付けして分配して処理してもよい。すなわ
ち、Xで示した画素の誤差を右、左下、下、右下の4つ
の画素に7/16、3/16、5/16、1/16づつ
分配する。このように複数の画素に誤差を分配した場合
には、発生した誤差を唯一つの次の画素に配分した場合
に比較し、誤差拡散法に特有のテクスチャーの発生を抑
制できるので好ましい。
【0068】さらに誤差拡散法に特有の約50%の濃度
レベルで起こる“虫状”テクスチャを減らす方法とし
て、Ulichneyは、ランダム摂動ウエイトを組合
せた誤差拡散法の変形を提案している(Ulichney Rober
t, "Digital Halftoning", MIT PressCambridge Massac
husetts, 1987, ISBN0-262-21009-6)。これはランダム
に選択された一つのウエイトを有する誤差の拡散であ
り、すなわち、誤差は処理される画素の近傍でランダム
に選択される一つの未処理画素にだけ分配される。更に
また、ウエイトを摂動する代わりに、2値化のために比
較されるしきい値を摂動することもできる。更にまた、
米国特許5130819号明細書に示されるがごとく、
拡散される誤差が、一つだけの画素の位置における局部
的な誤差の代わりに、既に処理された画素の小領域につ
いて平均化された誤差であっても構わない。
【0069】(3)上記の誤差拡散法では、画素を処理
する順序が直線的である点が共通している。すなわち、
左から右へまたはその逆、および上から下へまたはその
逆の処理順序である。これに対し、例えば、Witte
nとNealは、画素処理の順序を変更したものであっ
て、ペアノ曲線の経路に従って処理する方法を提案して
いる(WittenIan H., and Radford M. Neal, "Using Pea
no Curves for Bilevel Display of Continuous-Tone I
mages", IEEE CG&A,47-52p,1982.) 。さらに"Digital H
alftoning with Space Filling Curves", Luiz Velho,
Jonas de Miranda Gomes, ACM Computer Graphics, vo
l.25(4),1991.に示唆されているように、ヒルバート曲
線のような他の曲線に沿って処理を進めることも可能で
ある。これらの曲線はすべて“空間充填確定フラクタル
曲線”であるという特性を有している。さらには特開平
6−70144号公報に示されるがごとく、無作為空間
充填二次曲線に従って、無作為に処理する画像の順序を
選択することも可能である。この方法によれば、濃度値
50%近傍でのテクスチャーの発生を抑制できる。上記
のごとく、連続階調の画像画素を処理する順序を工夫し
たものは、本発明においては周波数変調スクリーニング
法の一種である。
【0070】(4)非常に特殊な手法として、一つの連
続階調再現マトリックスを不規則な形状の小領域に分割
し、それぞれの小領域で均等にドットの数が増加するよ
うなスクリーニング手法が、米国特許4485397号
明細書で開示されており、これも本発明においては、周
波数変調スクリーニング法の一種である。
【0071】また、本発明において、絵柄面積率が低い
場合に形成されるドットの間隔が非常に広くなることに
基づくグレイニネスの発生の問題を軽減するために、以
下に述べる2種類の方法もしくはその組合わせを用いて
もよい。
【0072】第1の方法は、絵柄面積率が低い部位にお
いて単一ドットの大きさを小さくしてゆく方法である。
具体的には、誤差拡散法における単一の画素(図2に例
示した画素など)の大きさを、絵柄面積率に応じて段階
的に小さくし、それぞれの段階の内部では誤差拡散法に
よる2値化を行なったり、Bayerのディザマトリク
スの各画素を同様に段階的に小さくしてゆく方法があ
る。Bayerのディザマトリクスの各画素の大きさを
変化させる場合には、この変化に対応して1個のマトリ
クスを構成する画素数を増大させてもよく、同一のまま
であってもよい。
【0073】第2の方法は、絵柄面積率が低い部位にお
いて振幅変調スクリーニング法により連続階調画像を2
値化し、絵柄面積率が高い場合に周波数変調スクリーニ
ング法により2値化する方法である。これは上記第1の
方法において画素の大きさを絵柄面積率に応じて連続的
に変換させることと近似している。この場合には、特定
の絵柄面積率(たとえば、5%あるいは3%)よりもそ
の部位の絵柄面積率が高いか低いかによって変調方法を
変更してもよい。また、周波数変調スクリーニングによ
ってハーフトーンドットの位置を決定してゆく過程で、
隣り合うハーフトーンドットの間隔が特定の長さ(たと
えば、0.05mm、0.1mmあるいは0.3mm)
以上となる場合に、ハーフトーンドット間隔ではなくド
ットサイズを変更し、それ以上のハーフトーンドット間
隔になることによるグレイニネスの発生を抑制するもの
であってもよい。また、特定の境界の前後で明確に変調
方式を変更するのではなく、周波数変調スクリーニング
法と振幅変調スクリーニング法との両方の考え方を組み
合わせたスクリーニング法を用いてもよい。たとえば、
絵柄面積率が低い部位では振幅変調に近い方法で変調さ
れる場合が多く、絵柄面積率の高い部位では周波数変調
に近い方法で変調される場合が多いスクリーニング法を
用いてもよい。また、絵柄面積率の高い領域においては
周波数変調スクリーニングにより2値化し、絵柄面積率
の低い領域ではドット間隔を変更せず、潜像形成の際に
潜像のドットの大きさを制御するような2値化データを
形成するものであってもよい。潜像形成の際には、たと
えば、レーザ等を用いて潜像を形成する方式の電子写真
装置ではレーザのビームスポットの大きさや露光時間を
変化させることなどにより、単一ドットの大きさを変調
する、いわゆるドットモジュレーションの手法を用いて
もよい。これは第1の方法においても同様である。
【0074】なお、上記いずれの方法を用いる場合にお
いても、潜像形成手段は使用される最小の単一ドットが
再現できるものであるべきである。したがって、絵柄面
積率が比較的高い部位についても上記最小の単一ドット
の間隔等に基づく周波数変調スクリーニングで画像2値
化を行なうこともできるはずである。ところが、そのよ
うな潜像形成手段を用いても、以下のように上記いずれ
かの方法により2値化するメリットがある場合がある。
すなわち、比較的絵柄面積率の高い部位におけるドット
ゲインを単一ドットの大きさを大きくすることにより軽
減でき、2値化画像データ形成の際に要する記憶容量を
低減することができる。
【0075】また、上記のような潜像形成手段を用いた
場合、絵柄面積率が高い場合での単一ドットの形状は、
2値化画像データ上の理想的なドット形状(すなわち矩
形)に近いものとなり、この場合の単一ドット形状に起
因するドットゲインの発生を抑えることができる。この
理由を反転現像型の電子写真装置において潜像を形成す
るレーザビームスポット等の形状が円形で、単一ドット
の形状が正方形の場合を例にとって説明する。たとえ
ば、絵柄面積率の高い部位での正方形の単一ドットが、
絵柄面積率の低い部位の正方形の単一ドットを2×2の
マトリクスにして一辺の長さが2倍の正方形であったと
する。この場合通常潜像形成手段のレーザビームスポッ
ト等の形状は絵柄面積率が低い部位の正方形の単一ドッ
トが内接もしくは包含するような円形である。この場
合、絵柄面積率が高い部位の単一ドットを形成するとき
は、レーザビームスポット等を4個2×2のマトリクス
に配置して潜像を形成する。この場合、絵柄面積率が高
い部位の正方形の単一ドットが内接するような円形のレ
ーザビームスポット等でこの単一ドットの潜像を形成す
るよりも形成される潜像の形状は正方形に近い。したが
って、単一ドットの形状に起因するドットゲインが少な
い。現像方式が反転式でない場合でも、単一ドットの形
状が理想に近づき、好ましい。
【0076】一方、粉末現像剤を利用した乾式電子写真
法と液体現像剤を利用した湿式電子写真法を比較する
と、湿式電子写真法で得られる画像は、解像度が高く階
調再現性が良い。これは、一般的に以下の2つの要因で
説明される。
【0077】(1)トナー粒子径が乾式トナーに比較して
概して小さい。
【0078】(2)トナーの帯電電荷量が大きく、トナー
画像の乱れが起きにくい。
【0079】通常、利用されている乾式トナーの平均粒
径が約10μmであるのに対し、湿式トナーでは、0.
1μmから5μm程度と非常に小さい。感光体などの潜
像担持媒体に形成した潜像を現像する際、上記のトナー
粒径の差が現像トナー画像の精細度を大きく左右する。
すなわち、トナー粒径が小さい方が、形成された静電潜
像を忠実に現像できる。さらに、同じ電荷密度の静電潜
像を現像する場合、トナーの帯電電荷量が大きいため湿
式トナーが乾式トナーに比較してトナーの付着量が少な
い。またトナー粒子径からも容易に推察されるように、
湿式トナー画像のトナー厚みは非常に薄く、転写あるい
は定着時にトナー層が機械的に押しつぶされることが少
なく、トナー画像の乱れを抑制できる。同時に機械的ド
ットゲインをも抑制することもできる。また、紙などの
印画対象シートに転写されたときのトナー画像のトナー
層の厚みも薄いため、光学的ドットゲインも抑制するこ
とができる。上記のような特性を特によく得るためには
トナーの平均粒径は3μm以下であることが好ましい。
【0080】また、乾式の電子写真プロセスの場合は、
2値化画像データが単一のドットを形成するように変換
されていても、現像のプロセスにおいて多数のトナー粉
がドットの周囲に飛散した状態で印画対象シートに転写
され定着されるのが普通である(図4(a))。したがっ
て、こうして飛散したトナー粉が機械的および光学的な
ドットゲインに加えて別なドットゲインの原因となるこ
ともある。湿式のプロセスの場合は、かかるトナー粉の
飛散が少なく、この原因によるドットゲインの発生が少
ない(図4(b))。
【0081】ただし、乾式の電子写真プロセスであって
も、使用する現像剤に含まれるトナーの平均粒径が7μ
m以下である場合には、上記の問題点が軽減され、周波
数変調スクリーニングとの組合わせの効果を発揮するこ
とができる。平均トナー粒径は6μm以下であればかな
り改善され、より好ましくは湿式の場合と同様に3μm
以下とするのがよい。
【0082】なお、本発明において、トナー粒子の平均
粒径は当業界において一般的な測定方法として周知の小
孔通過法を用いるコールターカウンタ(コールター社)
を用いまたは遠心沈降法を用いる測定器(たとえば、島
津製作所SA-CP3)を用いる、液中に分散したトナー粒子
の体積平均粒径により評価する。
【0083】本発明では、上記の湿式電子写真法や微粒
子トナーを含む現像剤による現像法と、周波数変調スク
リーニング法を組合せることで、ドット振幅変調スクリ
ーニング法に特有の各種モアレを除外し、さらに非常に
滑らかな階調表現を可能としたものである。
【0084】本発明において電子写真装置とは、静電気
または磁気等で潜像を形成し、平均粒径が20μm以下
のトナーを用いて現像してトナー画像を形成し、最終的
に印画対象シートにトナー画像を定着せしめる装置をい
う。また、電子写真方法として、各種の変形が提案され
ているが、たとえば、潜像をトナー粒子で現像する工程
を含むものであれば、いずれの方式であってもよい。前
記潜像は物理的状態の異なる領域が二次元的に存在する
もので、たとえば、静電潜像、磁気潜像などがある。
【0085】また、本発明において、潜像担持媒体と
は、上記潜像を担持し、トナーを含む現像剤による現像
をうける面を有するものであり、光を受けたときに導電
性を示す材料からなる光導電層を表面に形成したベルト
などのシート状物やドラム、あるいは表面に絶縁性材料
からなる絶縁層を表面に形成したシート状物やドラムな
どが用いられる。光導電性層を有する潜像担持媒体では
レーザやLEDなどにより光を照射した部位とそうでない
部位とで絵柄部と非絵柄部を形成する。非照射部位が絵
柄部になる方式を正規現像方式、照射部が絵柄部となる
方式を反転現像方式と呼ぶ。また、絶縁層を有する潜像
担持媒体の場合には、静電気放電を絶縁層近傍にて発生
させて潜像を形成する。光導電層の材料として、セレン
(Se)系、有機(OPC:Organic Phot
oconductor)系、アモルファスシリコン(a
−Si)系が代表的である。また、潜像担持媒体として
は、イオノグラフィーなどに用いられる誘電体、マグネ
トグラフィーなど磁気プリンタ装置に用いられる磁気記
録媒体であっても良い。
【0086】また、本発明において、中間転写媒体と
は、トナー画像の形成する部材と、最終的にこのトナー
画像の定着を受ける印画対象シートの中間のいずれかの
部位にあって、トナー画像を一時的に保持するものを指
す。
【0087】ここで、「潜像担持媒体の切替領域」と
は、現像ユニット移動中に、この現像ユニットと対向し
ている静電潜像担持媒体の表面部分の一部の領域を指す
もので、更に詳しくは静電潜像担持媒体表面で現像ユニ
ット切替開始直前、現像ローラが当接していた部分から
切替終了後、次の現像ユニットが停止した時点で次の現
像ユニットの現像ローラが静電潜像担持媒体に近接する
までの領域をいう。
【0088】また、本発明において、次段階の転写媒体
とは潜像担持媒体から直接像の転写を受ける転写媒体で
あり、中間転写媒体や印画対象シートなどの記録媒体を
装着する転写媒体等をさす。
【0089】また、転写媒体の非プリント領域とは、静
電潜像担持媒体に現像された像が転写されない、あるい
は転写媒体が中間転写媒体である場合、転写媒体上の像
が記録紙等の記録媒体上に転写されない領域、あるいは
また転写媒体に記録媒体(印画対象シート)を巻き付け
る場合、転写媒体上にて記録媒体が巻かれていない領域
などを指す。たとえば、転写媒体に記録媒体(印画対象
シート)を巻き付ける場合、転写ドラム周長を記録媒体
長さよりも長く設定することにより、転写ドラム上に生
じる記録媒体の巻きつかないマージンに相当する領域を
いう。さらに次の段階の転写媒体の非プリント領域に対
応する領域もここでいう非プリント領域に含まれる。
【0090】また、転写領域とは、潜像担持媒体から次
段階の転写媒体への像の転写が行われる部位の近傍を指
す。潜像担持媒体と次段階の転写媒体とが当接している
場合には、両者の接線の近傍、近接している場合にはそ
の隙間の近傍を指し、トナー画像の転写が発生しうる領
域を意味する。
【0091】また、本発明において、2値化画像データ
とは、潜像形成手段を制御するためのデータであって、
潜像担持媒体上の二次元的な位置に潜像を形成するか否
かの情報を有するデータを指す。たとえば、1ビットの
ビットマップメモリの各アドレスに1または0といった
2値のデータを単純に書き込んだものでもよい。また、
本発明の各実施態様のうち、周波数変調スクリーニング
法と振幅変調スクリーニング法とを組み合わせる態様や
単一ドットの大きさが絵柄面積率に応じて変化する態様
においては、潜像担持媒体の特定の画素内部の絵柄部の
面積率をたとえば2〜8ビットを単位として保有するも
のであっても良い。
【0092】本発明において、最小ドット形成間隔と
は、隣り合って形成されるドットが配置されうる最小の
間隔を指し、潜像形成プロセスの空間分解能または2値
化画像データの隣り合う最小単位画素の間隔のうち、い
ずれか小さい方により規定される。
【0093】本発明において、単一ドットとは、2値化
画像データの最小単位画素に対応して形成されるドット
を指す。
【0094】本発明でいう「中解像度以上」の電子写真
装置とは、最小ドット形成間隔が1/15mm以下のも
のを指す。この最小ドット形成間隔は、いわゆる381
dpi(dot per inch: 1インチ当りのドット数)に対
応する。本発明の効果がさらに顕著に現われるのは、最
小ドット形成間隔が1/23mm以下の場合である。す
なわち、解像度が高い程、1ドットのサイズが小さく、
本来再現したい理想的1ドット面積に対するドットゲイ
ンによるドット面積の拡大の比率が大きくなる傾向にあ
るため、周波数変調方式と微粒子トナーや液体現像剤を
用いる電子写真プロセス組み合わせの有効性がさらに強
調される。
【0095】また、複数色のトナーを用いるカラー電子
写真装置において、ドット振幅変調スクリーニング法を
活用する場合には、原モアレに加えて、異なったスクリ
ーン角のハーフトーンドットのグリッドパターン間の干
渉に起因するカラーモアレが発生する。すなわち、本発
明は、カラー電子写真装置において、さらにその効果が
明確になるものである。
【0096】なお、本発明でいう湿式電子写真法とは、
液体現像剤、絶縁性液体にトナー粒子を分散した現像剤
を利用するものであれば、その形態、方式を限定するも
のではない。ドラム状、ベルト状の中間転写媒体を利用
し、感光体ドラムやベルトなどの潜像担持媒体上に形成
したトナー画像を、一旦中間転写媒体に転写し、その
後、印画対象シートである紙、あるいはフィルム等に転
写すると、絶縁性液体による印画対象シートのぬれを抑
制でき、定着時の熱エネルギーや圧力エネルギーを低減
できて、さらに好適である。なお、ぬれの問題がなけれ
ば、印画対象シートとして潜像を保持しうるもの(酸化
亜鉛等の感光層を表面にコーティングしたものなど)を
用い、この上で直接液体現像剤により現像しトナー画像
を形成し、そのまま定着するものであってもよい。この
場合、像の転写が行われないため、転写に伴う圧力によ
るトナー層のつぶれによるドットゲインの発生を最小限
にすることができる。また、中間転写媒体から最終記録
媒体への転写と同時に定着されても構わない。
【0097】なお、湿式電子写真法は、上述のとおり乾
式タイプに比べてドットゲインが発生しにくいものの、
この方式に特有のドットゲインの原因もある。たとえ
ば、トナーによる潜像の現像の後に余剰の液体現像剤が
トナー画像上に残っているために発生する像流れやさま
ざまな白地汚れ(非絵柄領域にトナー粒子が付着して汚
れる現象)によ、中間転写媒体を使用する場合にはこれ
への転写に際する像の乱れ、印画対象シートへの転写に
際する像の乱れなどがある。このほかに、乾式電子写真
法と共通の課題として、潜像担持媒体や中間転写媒体の
クリーニング不良などもある。これらの課題についての
いくつかの解決手段はこの明細書の後半で明らかになろ
う。
【0098】本発明において印画対象シートとしては、
紙、プラスティックフィルム、金属板、直接製版用版
材、ディスプレイシートなどトナー画像を転写されるシ
ート状物ならばなんでもよい。上記シート状物が潜像担
持媒体から直接または中間転写媒体を介してトナー画像
の転写を受けるのが多いが、印画対象シート上で現像す
るものの例として、酸化亜鉛などの感光層をコーティン
グされたシート状物がある。このような印画対象シート
はトナー画像を定着後、印刷用の刷版として利用される
ことがあり、直接製版用の「酸化亜鉛オフセットマスタ
感光紙」として当業界で知られている。
【0099】また、このほかに、直接製版用版材の例と
して、特開昭57−178893号公報等で開示されて
いるもののような、シリコーンゴム等のインキ反発層を
有して湿し水なしで印刷することができるものであっ
て、水なし平版印刷に用いることができるものがある。
印刷用刷版に用いる直接製版用版材の場合、通常印刷の
際に湿し水とよばれる水溶液を非絵柄部に与え、インキ
と親和性の高い材料で形成された絵柄部にインキを与え
ることにより印刷するが、この場合も、絵柄部と非絵柄
部との境界領域でインキと湿し水とのエマルジョンが形
成され、このエマルジョン部にインキに含まれる顔料等
がしみ出すことによりドットゲインが発生する。これ
は、機械的ドットゲイン、光学的ドットゲインに加えて
発生するものであるが、水なし平版印刷においては湿し
水のかわりにシリコーンゴムなどを用いてインキを反発
させるため、上記エマルジョンが形成されることがな
く、本発明の効果を印刷においても維持することができ
る。トナーは多くの場合顔料等が樹脂等に混合されたも
のが多く用いられるが、上記直接製版用版材等のよう
に、印画対象シート自身の表面の光の反射率等の違いに
より絵柄を視覚で認識しないものでは、トナー自身が着
色されたものである必要はない。
【0100】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の一実
施態様例をさらに詳細に説明する。
【0101】電子写真プリンタ装置1は、図1に示すよ
うに、潜像形成手段10、現像手段20、中間転写媒体
30、クリーニング手段40、転写・定着手段50、転
写前帯電器60及び補助スクイズ手段70、ミスト回収
装置80および図示しない連続階調画像の画像2値化手
段を備えており、潜像形成手段10には図示しない露光
手段から露光用の光が照射される。前記露光手段は、た
とえば、解像度800dpi(最小ドット形成間隔約1
/32mm)のレーザ走査露光系である。露光系として
はLEDのアレイを用いたものであってもよい。
【0102】潜像形成手段10は、感光ドラム11、除
電ランプ12および一次帯電器13を有しており、感光
ドラム11は残留電荷の除去に先立ってクリーニング手
段40によって表面を清掃される。
【0103】感光ドラム11は、円筒形のドラムの表面
に有機光導電材料からなる感光層が形成され、前記露光
手段から照射される光によって静電潜像が形成される。
除電ランプ12は、小型の白熱ランプで感光ドラム11
の表面に光を照射して残留電荷を除去する。一次帯電器
13は、コロナ放電で発生させたイオンにより感光ドラ
ム11の表面を一様に帯電させるコロナ帯電器である。
【0104】現像手段20は、第一現像ユニット21〜
第四現像ユニット24を有し、これらは図示しない駆動
手段によって感光ドラム11の接線方向となる図中矢印
で示す水平方向に一体に移動される。また、各現像ユニ
ットには、たとえばそれぞれイエロー、マゼンタ、シア
ンおよび黒の各液体現像剤を収容した図示しないトナー
カートリッジが着脱自在に装着される。液体現像剤は、
炭化水素系溶剤、たとえば、アイソパーGあるいはH
(エクソン化学(株)の商標名)などの液体キャリア中
にそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒などの顔料
が樹脂中に混合されたトナー粒子を分散させたものが使
用される。
【0105】ところで、多色トナー画像をプリントする
電子写真プリンタにおいては、複数の現像液を使用する
ことから、これら現像液相互間の混色を防ぐのが好まし
いことは言うまでもない。本実施態様例においては、次
に説明するように、主スクイズローラが各現像手段毎に
配置され、除去した液体現像剤は再使用される。しか
し、補助スクイズローラ71は、感光ドラム上に現像され
た各色のトナー像から余剰の現像液を1つのローラで除
去するため、除去された液体現像剤は各色のものが混ざ
り合っており、再使用することができないので廃棄処分
される。このため、液体現像剤の無駄を省いて経済を図
る上からは、補助スクイズローラ71による液体現像剤除
去の前段階で、感光ドラムから余剰な液体現像剤を可能
な限り除去することが望ましい。
【0106】本実施態様例によれば、感光ドラム11表面
の余剰液体現像剤を最小限にすることにより、液体現像
剤の混色やドットゲインの発生を極小化するようにして
いる。すなわち、各現像ユニットの切換時に、感光体表
面上の現像された像の感光体回転方向の先端近傍もしく
はこの部位よりも前方の位置において余剰の液体現像剤
の除去を開始する。すなわち、トナー画像がスクイズ手
段近傍に達する前に余剰現像剤の除去動作を開始する。
また、余剰液体現像剤の除去を像の感光体回転方向の後
端の後方で終了するようにする。別の方法として、主ス
クイズローラの回転軸が現像ローラのそれよりも上方に
位置させたり、主スクイズローラの外径を現像ローラの
それよりも大きくしてもよい。
【0107】すなわち、現像手段20の第一現像ユニッ
ト21においては、液体現像剤の液槽21aに、それぞ
れ現像ローラ21bと主スクイズローラ21cとが平行
に配置されている。液槽21aには、第一現像ユニット
21に配置した前記トナーカートリッジから液体現像剤
が供給される。図5に示すとおり、現像ローラ2lb及
び主スクイズローラ21cは、現像手段20が感光ドラ
ム11右方の待機位置にあるときには、上下及び水平方
向に所定距離(図のhおよびD)をおいて感光ドラム11
の回転軸に対して平行に対向配置されている。両ローラ
21b、21cは、現像手段20の水平方向の移動を可
能とするため、液槽21aに上下動自在に配置され、図
示しないばねにより上方に付勢されている。現像手段2
0の切替時に現像ローラ21bは感光ドラム10に近接
し、現像手段20の水平方向の移動に伴って下方に押し
下げられる。従って、主スクイズローラ21cは、現像
ユニットの切替時に移動方向前方の現像ローラ21bよ
りも所定距離上方で感光ドラム11に近接する。また、
感光ドラム11の現像位置に第一現像ユニット21を切
り替えると、両ローラ21b,21cが僅かな隙間を存
して感光ドラム11に近接する。各ローラのローラ軸方
向外側に設けられた図示しないスペーサが感光ドラム1
1に当接するよう構成されているため、各ローラと感光
ドラム11との隙間は一定値(たとえば、50〜200μ
m)に保たれる。このように所定の狭い隙間を保って位
置することをここでは「近接」と呼ぶ。
【0108】ここで、図5に示すように、現像ローラ2
1bと主スクイズローラ21cの上下方向における中心
間距離をh、現像手段20の切替に伴う移動速度をv
(t)、感光ドラム11の回転に伴う周速度をV、感光
ドラム11の半径をR、現像ローラ21bの半径をr
d、スクイズローラ21cの半径をrs、両ローラ21
b,21cの水平方向の中心間距離をD、待機位置にお
ける現像ローラ21bの中心軸と感光ドラム11の下端
との上下方向の距離をhd、ローラ21b,21cのそ
れぞれが感光ドラム11に近接したときの感光ドラム1
1の中心を通る鉛直軸に対する近接角をωd,ωsとす
る。
【0109】このとき、両ローラ21b.21cの近接
角ωd,ωsは、それぞれ次式で与えられる。
【0110】 ωd=cos-1{(R−hd)/(R+rd)}………………(1) ωs=cos-1{(R−hd−h)/(R+rs)}…………(2) また、現像ローラ21bが感光ドラム11に近接した
後、主スクイズローラ21cが近接するまでの時間をT
とすると、その間における感光ドラム11の回転角度を
θ(ラジアン)とすると、VT=Rθよりθ=VT/R
となる。但し、T=D/v(t)である。
【0111】この時、ωs−ωd>0を満たすことによ
り余剰液体現像剤の除去開始を早めて除去効率を上げる
ことが可能であり、更に望ましくは余剰液体現像剤を可
能な限り除去するために、ωs−ωd≧θの条件を満た
すのがよい。すなわち、中心間距離hは、次式を満たす
ように設定するのがよい。
【0112】 cos-1{(R−hd−h)/(R+rs)}> VT/R+cos-1{(R−hd)/(R+rd)}……………(3) なお、他の現像ユニット22〜24は、第一現像ユニッ
ト21と同様に構成されているので、図中対応する構成
部材に対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0113】ここで、現像手段20は、現像開始前の初
期位置においては、感光ドラム11右方の待機位置に配
置されている。そして、現像ユニット21〜24は、現
像の際、前記駆動手段によってこの順で潜像形成手段1
0側へと順次移動され、後述のとおり、色分解されたプ
リント情報に基づいて形成された各静電潜像が順次現像
され、4色の現像終了後は待機位置へと復帰される。
【0114】また、各液体現像剤は、電子写真プリンタ
装置1を使用する場合だけ、各トナーカートリッジから
各現像ユニットに供拾され、通常は、現像ユニットの液
槽内には液体現像剤は入っていない。
【0115】ここで、主スクイズローラ21cは、金属
ローラあるいは金属ローラ表面に絶縁性の合成樹脂、セ
ラミック等からなる薄膜が形成され、図示のように、後
述する補助スクイズ手段70の補助スクイズローラ71
と電気的に接続されると共に、電気的にフロートの状態
に保持され、更にコンデンサ25を介してアースされて
いる。
【0116】なお、主スクイズローラ21cや補助スクイ
ズローラ71には、別途電源類によりスクイズバイアスを
印加してもよい。スクイズバイアス電圧は、余剰現像剤
の除去に際し、得られる画像に白地汚れが生じず、か
つ、画像領域のトナーを奪うことのない値とするのが好
ましい。すなわち、非絵柄領域の電位と画像領域の電位
との中間の値とするが好ましい。スクイズローラがフロ
ートの場合でも、電位が上記範囲内にある限り、非絵柄
領域に付着している場合にはトナー粒子を電界の引力に
より引き付ける作用を有し、逆に、画像領域のトナー粒
子に対しては電界の斥力によりさらに画像領域に押し付
けて圧縮しうる。白地汚れは他のドットゲインと同様
に、理想よりも光学濃度を高める作用を有するため特に
有害であり、周波数変調スクリーニングを用いる場合に
は、かかる白地汚れを極力低減することが好ましい結果
を与える。
【0117】ところで、上記白地汚れの除去作用は、ス
クイズローラの電位と非絵柄領域の電位との差が、現像
ローラのバイアス電位と非絵柄領域の電位の差よりも大
きいときに、より効果的である。すなわち、スクイズロ
ーラの電位が絵柄領域の電位に近いということであり、
トナー粒子をより引き付けやすいからである。
【0118】具体的な電位としては、たとえば、反転現
像方式による電子写真では、感光ドラムにおける非絵柄
領域の表面電位が-600V、印字領域の表面電位が-100Vと
なるように設定した場合、現像ローラに-400Vのバイア
ス電圧を印加するときには、主または補助スクイズロー
ラには-400Vあるいは絶対値でそれ以下の値のバイアス
電圧を印加するか、スクイズローラの電位が大半の場合
にその範囲に含まれるようにする。スクイズローラと現
像ローラとを同電位にする場合には、両者の電源類を共
通にしてもよい。また、両者の電位差を一定とするとき
には、両者間に電圧安定化手段を挿入するのでもよい。
【0119】一方で、上記トナー画像の圧縮作用は、ス
クイズローラの電位と非絵柄領域の電位との差が、現像
ローラのバイアス電位と非絵柄領域の電位の差よりも小
さいときに、より効果的である。すなわち、スクイズロ
ーラの電位が非絵柄領域の電位に近いということであ
り、トナー粒子に対しより強い斥力を及ぼしうるからで
ある。このように、白地汚れの除去作用とトナー画像の
圧縮作用の何れを重視するかによってスクイズローラの
電位を現像ローラの電位に対して定める必要があるが、
本実施態様のようにスクイズローラが2組(主スクイズ
ローラおよび補助スクイズローラ)設けられている場合
には、上流側のスクイズローラで十分に白地汚れを除去
した上、下流側のスクイズローラでトナー画像を圧縮す
るといったこともできる。また、現像ローラの現像バイ
アスが絵柄領域と非絵柄領域との間の電位にあるときに
は、白地汚れが全く発生しない場合もあり、この場合に
単一のスクイズローラを有する場合にも、スクイズロー
ラの電位を非絵柄領域の電位に近づけて、トナー画像の
圧縮効果をより大きくしてもよい。なお、上記白地汚れ
除去あるいはトナー画像の圧縮は、スクイズローラによ
り実施する必要はなく、スクイズ効果を有しないが電位
を安定化されたローラや静止面を有する電極を別途設け
ることにより実現してもよい。圧縮効果については、後
述するとおり、転写前帯電器60によっても達成されう
る。
【0120】また、本実施態様例では、余剰現像液を除
去する手段として専らスクイズローラを用いたが、この
ほかに、感光ドラム面への空気のブロー等のエアナイフ
効果を用いてもよく、熱風による加熱手段によってもよ
い。余剰現像液が多く残っている部位においては、後述
の転写前帯電器60のようなコロナ放電器による「コロ
ナスクイズ効果」を利用して余剰現像液を堰きとめるも
のであってもよい。
【0121】なお、他の現像ユニット22〜24は、第
一現像ユニット21と同様に構成されているので、詳細
な説明を省略する。
【0122】ここで、前述のとおり、現像手段20は、
現像開始前の初期状態においては、感光ドラム11の右
方に配置されている。そして、現像ユニット21〜24
は、現像の際、前記駆動手段によってこの順で潜像形成
手段10側へと順次移動され、図示しない画像2値化手
段により色分解され、変換された2値化画像データに基
づいて形成された各静電潜像が順次現像される。
【0123】画像2値化手段は、スキャナなどにより撮
像された連続階調画像をトナー画像として表現できるよ
うに2値化する手段で、具体的にはたとえば、画像処理
用コンピュータに、上述したスクリーニング法による変
換を実現するソフトウェアが組み込まれたものや、これ
をディジタル信号プロセッサ等によりハードウェア的に
構成したものなどが用いられる。
【0124】ところで、現状のカラー電子写真プリンタ
はトナー粒子の電気的特性をできる限り正確にコントロ
ールするため、画像形成時間を極力短くすることが必要
で、具体的には全色の画像データが作成され、全てのデ
ータが準備された後、画像形成を開始する。すなわち全
色の画像データが記憶できるメモリサイズを必要とする
とされている。
【0125】また、高解像度に対応するためには、画像
データを格納する画像メモリが非常に大きくなる。すな
わち、例えば、A4サイズのモノクロプリンタでも、解像
度が400dpi程度の場合には、2.0MB程度のメモリが必要
であり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック4色の
トナーでカラー画像を形成する場合には、さらに前記の
メモリサイズに色数を掛けた容量が必要とされ、メモリ
サイズは一層増大する。
【0126】しかも、ドットモジュレーション技術を利
用したフルカラー電子写真プリンタでは、さらに画像メ
モリの増加が必要である。すなわち、例えば、解像度が
600dpiで、1ドット当たり256階調データが入力されるプ
リンタの場合、ON/OFFのみの2階調プリンタに比較し
て、8倍の35MBのメモリサイズが必要となり、4色の場合
には約140MBという莫大なメモリサイズが要求される。
【0127】このようなメモリサイズの増大は、結果と
して記録装置のコストを非常に増大させることになる。
【0128】周波数変調スクリーニングでは、既述のと
おり、相対的解像度を振幅変調スクリーニングに比べて
大きくすることができるので、一般に、スキャナ等によ
る画像の読取の際の空間分解能を低めとして画像データ
量を小さくすることができる。たとえば、振幅変調スク
リーニングで400dpiの分解能が必要な場合でも、同一の
相対解像度を周波数変調スクリーニングではたとえば20
0dpiで実現できる。
【0129】さらに、複数の色別画像データに基づいて
順次・色別に画像を形成し、これら各色の画像を色重ね
してカラー画像を形成するに際し、各色の画像データ
を、少なくとも前色の潜像形成後、あるいは前色の潜像
形成と並行して作成する(すなわち、ある色の潜像形成
過程で、潜像形成が完了した部位に対応するメモリ領域
への次の色の画像データの書込を開始する。この場合、
たとえば、前の色の後半の潜像形成中と次の色の前半の
潜像形成とが同時進行する)とよい。また、本実施態様
のように、潜像担持媒体上の静電潜像を現像し、現像し
た像を中間転写媒体に転写し、その中間転写媒体上で色
重ねして記録媒体に記録するのが好ましい。また、前色
の潜像形成後、画像データ作成の待機時に、潜像担持媒
体と中間転写媒体とを離しておくのがよい。メモリとし
ては、前記各画像データを、次式のメモリサイズMYを満
足する画像メモリに記憶することで足りる。すなわち、 MX≦MY≦MX×(n−1) (4) ここで、MXは最大の印字領域をカバーする1色分のメモ
リサイズであり、nは画像データの色数である。
【0130】この場合、各色の画像データを、少なくと
も前色の画像形成後、あるいは前色の画像形成と並行し
て作成すると、各画像データを記憶させておくのに必要
な画像メモリのメモリサイズが小さくなる。またこのと
き、中間転写媒体を利用すると、これを中間メモリとし
てトナー像が保持され、液体現像剤を使用する場合に
は、印画対象シートのヌレ(溶媒との接触)が最小限に抑
えられ、画像形成時に色ごとに待機時間があっても、色
ズレのない良好な画像が得られる。
【0131】また、前色の画像形成後、画像データ作成
の待機時に、感光ドラムと中間転写ドラムとを離してお
くと、すでに中間転写ドラム上に形成されているトナー
像を乱すことなく中間転写媒体が待機される。さらに、
帯電器32を用いることで、より正確にトナー粒子の電気
特性をコントロールできて、色間でより長い待機時間を
設定しても色重ねを良好に行うことができる。
【0132】さらに、各画像データを、式MX≦MY≦MX×
(n−1)のメモリサイズMYを満足する画像メモリに記憶さ
せると、画像メモリのメモリサイズの範囲で、色別の画
像データの作成と画像形成とに関する任意の組み合わせ
が可能となる。
【0133】2値化画像データは、本実施態様例におい
ては、連続階調画像を上述したいずれかの周波数変調ス
クリーニング法により変換されたもの、または絵柄面積
率が低い部位においては振幅変調スクリーニング法によ
り変換され、高い部位においては周波数変調スクリーニ
ング法により変換されたものである。
【0134】なお、本来2値の情報しか持っていない文
字情報などは、必ずしも上記のような変換をする必要は
ない。
【0135】中間転写媒体30は、中間転写ドラム3
1、帯電器32及びヒータ33を備えている。中間転写
ドラム31は、感光ドラム11に圧接され、現像手段2
0の現像ユニット21〜24で各色相のトナー画像が現
像される度に、各トナー画像が順次積層転写される。
【0136】また、本実施態様例においては、感光ドラ
ム11の切替領域を中間転写ドラム31の非プリント領域と
一致させて、現像された各トナー像を中間転写ドラム31
に転写する。このためには、たとえば、原稿サイズに応
じた感光ドラム11と中間転写ドラム31の回転方向におけ
るプリント領域の長さに所定の非プリント領域の長さを
足して、感光ドラム11と中間転写ドラム31との直径を所
定値に設定する。更に好ましくは、感光ドラム11と中間
転写ドラムの径の比を1:1または1:2といった整数比とす
る。
【0137】ここでいうプリント領域および非プリント
領域とは、潜像担持媒体や中間転写媒体などの面の移動
方向にみて部位を少なくとも2分し、絵柄が形成される
可能性のある領域をプリント領域、どのような絵柄でも
絵柄が形成される可能性のない領域を非プリント領域と
呼ぶ。意図的でないトナー粒子の付着の可能性のみがあ
る領域は非プリント領域に属する。
【0138】なお、中間転写ドラム31と感光ドラム11
とは離接可能な構成となっており、感光ドラム11から
中間転写ドラム31にトナー画像を転写する際にのみ両
者が接触し、それ以外では離間できるようになってい
る。
【0139】また、本実施態様例では、感光ドラムのよ
うな潜像担持媒体から中間転写ドラムなどの次の段階の
記録媒体にトナー像を転写するに際し、潜像担持媒体の
切替領域が転写領域に到来するときに次段階の転写媒体
の非プリント領域が前記転写領域に到来するようにして
ある。そうすると、余剰現像剤が潜像担持媒体の切替領
域に付着したとしても、それが次段階の転写媒体のプリ
ント領域へ転写されることや現像液の混色を抑制するこ
とができる。上記構成による白地汚れ防止の作用は湿式
に限らず、乾式現像法においても発揮できる。
【0140】帯電器32は、潜像形成手段10の一次帯
電器13と同様の原理で中間転写ドラム31に帯電を施
し、感光ドラム11から転写される色相の異なる次のト
ナー画像が転写され易いように、前のトナー画像の影響
を打ち消すと同時に、すでに中間転写ドラム31上に転
写されたトナー画像が感光ドラム11上に戻ることを防
ぐ。
【0141】ヒータ33は、ハロゲンランプ、赤外線ラ
ンプ等を使用した中間転写ドラム31を加熱するヒータ
である。
【0142】そして、中間転写媒体30においては、感
光ドラム11に現像されたトナー画像が、帯電器32に
より帯電されながら中間転写ドラム31に順次積層転写
される。この転写に際し、感光ドラム11には中間転写
ドラム31に転写されなかった僅かなトナー画像や現像
液が残るが、これらはクリーニング手段40により清掃
される。
【0143】クリーニング手段40は、中間転写ドラム
31へトナー画像を転写した後に感光ドラム11に残っ
たトナー画像や現像液の残滓を集めるもので、感光ドラ
ム11に当接した2本のクリーニングローラ41及び感
光ドラム11に当接自在なスクイズブレード42を有し
ている。
【0144】転写・定着手段50は、熱ローラ51、5
2を有している。熱ローラ51、52は、ヒータ(図示
せず)が内蔵されたローラで、図1に示すように、印画
対象シートSの搬送方向上流側に熱ローラ51が、同じ
く下流側に熱ローラ52が、それぞれ中間転写ドラム3
1の近傍に配置されている。熱ローラ51、52は、多
色トナー画像の印画対象シートSへの加熱定着の際に、
図示しない押圧機構により一体に駆動されて中間転写ド
ラム31に圧接され、中間転写ドラム31に積層転写さ
れた多色トナー画像を加熱・加圧して印画対象シートS
上に定着する。
【0145】このようにトナー粒子を用紙へ加熱定着さ
せる際に、トナー粒子と共に用紙へ付着した液体キャリ
アが加熱されて蒸気となり、空気中に分散する。本発明
においては、この加熱されて蒸気となった液体キャリア
などの液剤またはこれが霧状化したものをミストと呼
ぶ。
【0146】また、両加熱ローラ51,52によって印画対
象シートSへ転写されずに中間転写ドラム31に残った多
色トナー像の残滓は、クリーニングローラ55によってク
リーニングされる。
【0147】クリーニングローラ55の表層は、たとえ
ば、鏡面処理されたクロームメッキ等のようにトナーに
対し比較的離型性の高い材料で構成されているが、中間
転写ドラム31の表層がシリコーンゴムのようにこれより
さらに離型性の高いものを用いると、中間転写ドラムに
トナーの残滓が残りにくい。
【0148】クリーニングローラ55は、ヒータ(図示せ
ず)が内蔵され、表面が鏡面処理された金属ローラであ
り、表面温度は185℃にコントロールされている。この
ローラ55は、中間転写ドラム31との圧接部分において同
じ周方向に回転し、周速度が同じである。またローラ55
は、図示しない離接機構によって図中矢印で示す方向に
離接駆動され、中間転写ドラム31に所定の線圧(ローラ
の軸方向の単位長さ当たりの押圧力)で圧接される。こ
こで、クリーニングローラ55は、表面温度が80〜200℃
で中間転写ドラム31をクリーニング可能であるが、クリ
ーニングローラ55へのトナーの焼き付き、クリーニング
ローラ55からのトナーの除去が容易な温度である100〜1
90℃程度が好ましい。
【0149】トナー画像の印画対象シートSへの加熱定
着の際に発生したミストを回収するために、本実施態様
例では、ミストセパレータでミストを回収した後に残余
のミストを吸油フィルタなどの吸液フィルタにより回収
する。
【0150】ミストセパレータは、ミスト流路に設けた
金網、壁等の流動抵抗部材にミストを当てて液化、凝集
させて回収するものである。金網を用いた場合を例にと
って説明する。一般にミストを構成する粒子(ミスト粒
子)の質量が大きいか速度が高ければ、大部分のミスト
粒子は、その慣性力のために金網の線を避けきれずに衝
突して液化され、小さな粒子の多くは、流れに沿って網
目を通過するため液化しない。
【0151】すなわち、ミストセパレータとして、例え
ば金網を折り曲げたものを用いる。ミストの流速が大き
いと粒径の大きなミストは特に慣性力が大きくなるた
め、障害物である金網を避けられずに衝突し、衝突した
ミストは液化、凝集して回収される。一方、粒径が小さ
なミストは金網を通過していく。ミストセパレータで回
収されなかった主に粒径の小さなミストは、その下流部
にある、例えば連続気泡あるいは独立気泡の発泡体中に
吸油ポリマーを分散させて、流路断面を不織布、織物、
編物等の布帛で覆った吸油フィルタ等の吸液フィルタで
回収される。さらに、吸液フィルタとしてフィルタ中に
吸油ポリマーを分散させたものを用いると、この吸油ポ
リマーが立体的に分散しているため、ミストが吸着でき
る面積が大きくなり、ミスト回収効率が向上する。
【0152】さらに、ミストセパレータのミスト流路に
おけるミスト流速を高くし、逆に、吸液フィルタのミス
ト流路におけるミスト流速を低くすると、上述のように
それぞれのミスト回収手段におけるミスト回収効率の高
い状態を実現し、その状態の両者を用いて全体として効
率的にミストを回収することができる。しかも、ミスト
セパレータで大きなミスト粒子を捕捉するので、吸液フ
ィルタの目詰まり等によるミスト回収効率の経時変化を
抑制することができる。
【0153】このようにミストセパレータのミスト流路
のミスト流速を高くし、吸液フィルタにおけるミスト流
速を低くするには、たとえば、ミストセパレータのミス
ト流路の断面積を吸液フィルタのミスト流路の断面積よ
りも小さくすればよい。また、ミストセパレータの流路
をセパレータ通過後に分岐し、分岐した複数の流路に吸
液フィルタを設けてもよい。この場合は、複数の吸液フ
ィルタの流路の断面積の総和がミストセパレータの流路
の断面積よりも大きくなるようにすればよい。
【0154】吸液フィルタとしては、吸油フィルタや吸
水フィルタが好ましく用いられる。吸油フィルタとして
は、吸油ポリマーが連続気泡の発泡体中に分散されてな
り、かつ、少なくともミスト流路の一断面が不織布で覆
われたものが好ましい。吸水フィルタの場合は、吸水性
ポリマー等を用いるとよい。
【0155】また、「液剤」とは、湿式電子写真装置に
用いる現像液など、電子写真装置において用いる液体材
料等を指し、常温で固体であっても使用状態ですくなく
ともいったんミストとなりうるものを含む。
【0156】また、ミストセパレータにおけるミスト流
速は3m/s以上であるのが好ましい。この速度で、ミス
トセパレータでの比較的大きなミスト粒子の回収効率が
高まる。
【0157】また、ミストセパレータにおけるミスト流
速は、吸液フィルタにおけるそれの2倍以上であること
が好ましく、6倍以上であるのが更に好ましい。これに
より、ミストセパレータでのミスト回収効率と吸液フィ
ルタでのミスト回収効率とのバランスがとれて吸液フィ
ルタでのミスト回収率の経時変化を十分小さくできる。
【0158】図8および9に本実施態様例のミスト回収
装置80の詳細を示す。
【0159】図8において装置にはブロア87が取り付け
られ、発生した液剤のミストは吸気口81よりダクト82内
に吸い込まれる。吸い込まれたミストを、ミストセパレ
ータ84にさしかかる前に冷却手段83、例えばファン等を
用いて冷却するのが好ましい。これにより液剤は液化さ
れてミスト回収装置により回収されやすくなる。ミスト
セパレータ84では流路の断面積が小さくなってミストの
流速が上がり、吸油フィルタ84では流路断面積が大きい
ためミストの流速が落ちる。
【0160】本実施態様例の装置ではミストセパレータ
として線径0.050m/m、目の開き0.077m/mの金網を6層に
折り曲げて用いているが、液体キャリアが炭化水素系溶
剤の場合、ミストの流速が大きいと粒径が主として1μ
m以上の大きなミストは特に慣性力が大きくなるため、
障害物である金網を避けられずに衝突し、衝突したミス
トは液化、凝集して回収される。一方、粒径が主として
1μm以下の小さなミストは金網を通過していく。ミス
トセパレータで回収されなかった主に粒径の小さなミス
トは、その下流部にある、連続気泡の発泡体中に吸油ポ
リマーを分散させて全体を不織布で覆った吸油フィルタ
で回収される。本実施態様例の装置では連続気泡の発泡
体としてウレタンフォームを、吸油ポリマーとしては3
0μmの平均粒子径をもつオレオソーブをフロック化し
た顆粒状タイプの、(株)日本触媒製高級油性樹脂オレ
オソーブPW―170を用いている。
【0161】本実施態様例の装置では、ミストを約18
0℃で加熱し、ブロアの出力を約30Wとした場合、ミ
ストセパレータでの温度を冷却手段を用いて30℃以下
とし、ミストセパレータでのミストの流速が3m/s以
上、さらに吸油フィルタでのミストの流速がミストセパ
レータでのミストの流速に比べ6分の1以下に抑えられ
ると、ミスト回収率が80%以上となる。
【0162】また、本実施態様例の装置ではミストの吸
引にブロアを用いているため、騒音や省電力化の面から
ミストが発生する定着動作時及びその前後の所定の時間
のみ動作させることがより好ましい。
【0163】なお、上述の熱ローラ51、52の押圧機構
は、感光ドラム11から中間転写ドラム31にトナー画
像を転写するときには、熱ローラ51、52を中間転写
ドラム31から離間させておく。そして、中間転写ドラ
ム31の4種類のトナー画像のうち最後のトナー画像が
転写された部分が到達するまでに、押圧機構により熱ロ
ーラ51、52が中間転写ドラム31に所定の押圧力で
押し付けられる。これにより、熱ローラ51、52は、
中間転写ドラム31に積層転写された多色トナー画像を
加圧・加熱して印画対象シートS上に転写、定着する。
【0164】転写前帯電器60は、感光ドラム11の現
像後の表面をトナー画像、即ち、トナー粒子と同極性に
一様に帯電させるコロナ帯電器である。これによりトナ
ー画像表面とトナー粒子との間に斥力を作用させて感光
ドラム11の表面にトナー粒子を凝集・硬化させる。ま
た、もしスクイズローラでの余剰現像剤除去が十分でな
く、転写前帯電器60近傍でもかなりの液体キャリアが
残っている場合には、いわゆる「コロナスクイズ効果」
により余剰液体現像剤を堰きとめる作用も発揮しうる。
本発明において、この転写前帯電器60による転写時の
トナー画像の乱れ抑制効果は、ドットゲイン抑制の観点
からも好ましい。
【0165】補助スクイズ手段70は、補助スクイズロ
ーラ71と受け皿72とを有している。補助スクイズロ
ーラ71は、感光ドラム11と近接部の接線方向で逆方
向に回転して、トナー像が現像された感光ドラム11の
表面から過剰の現像液、特に液体キャリアを除去する。
補助スクイズローラ71に付着した現像液はスクレーパ
によって除去され、下方の受け皿72を介して廃液タン
クに回収される。
【0166】本実施態様例においては、上記現像手段2
0の主スクイズローラ21c、補助スクイズ手段70の
補助スクイズローラ71による余剰現像液の除去、転写
前帯電器60によるトナー粒子の凝集が転写時の像流れ
(これもドットゲインの原因となりうる)等の像劣化を
さらに抑制する効果があり、ドットゲインの少ない好適
なドット形成の一助としている。
【0167】本発明の電子写真プリンタ1は、以上のよ
うに構成され、以下のようにしてカラー画像を作成す
る。
【0168】まず、クリーニング手段40で清掃された
感光ドラム11の表面から除電ランプ12で残留電荷を
除去し、一次帯電器13で一様に帯電させる。
【0169】つぎに、図示しない露光手段からレーザ光
を照射し、色分解されたプリント情報に基づく静電潜像
を感光ドラム11の表面に順次形成する。このレーザ光
の照射による静電潜像は、イエロー、マゼンタ、シアン
および黒の色相に対応して合計4回形成される。
【0170】図中感光ドラム11の右方に配置されてい
た現像手段20が、図示しない駆動手段によって感光ド
ラム11側へ水平に移動され、第一現像ユニット21で
イエローのトナー画像が、第二現像ユニット22でマゼ
ンタのトナー画像が、以下同様にして、シアンおよび黒
のトナー画像が順次現像される。
【0171】なお、各色ごとに現像剤の濃度を個別に設
定可能にしておくと、高い色再現性を得ることができ
る。たとえば、各現像液は、キャリアに対するトナー粒
子の割合を示す固形分濃度(wt%)と、トナー粒子を構成
する合成樹脂重量に対する顔料重量の割合を示す顔料濃
度(wt%)の2種類の濃度がそれぞれ所定値に規定されて
いる。たとえば、固形分濃度(wt%)は、イエローを2
%、マゼンタを2.3%、シアンを1.8%及び黒を3%に、
それぞれ設定する。また、顔料濃度(wt%)は、シアンを
15%とし、他は20%に設定する。この例では、前記2種
類の濃度を色ごとに変更しているが、もちろん、どちら
か1種類の濃度のみを色ごとに規定してもかまわない。
ここで、顔料濃度は、5〜30wt%の範囲にあることが好
ましく、更に好ましくは9〜25Wt%の範囲、固形分濃度
は、0.5〜5Wt%の範囲、さらに好ましくは1〜4wt%の範
囲で、それぞれ色ごとに最適値を選ぶとよい。
【0172】あるいは、液体現像剤の平均トナー粒子
径、あるいは一般的に用いられる荷電制御剤の濃度を色
ごとに別々に設定することで、色ごとに現像剤の導電度
を変更できる。これを利用して、トナー粒子の電気特
性、いわゆる現像特性を制御できることになり、色再現
性を向上させることも可能である。この観点からは、平
均トナー粒子径は0.2〜5μmの範囲にあることが好まし
く、さらに好ましくは、0.3〜4μmの範囲で、それぞれ
色ごとに最適値を選ぶ現像剤の導電度の測定方法として
は、たとえば、測定電極間に交流電開を印加して測定す
る交流導電度による方法、測定電極間に直流電圧を印加
して測定する直流導電度による方法が挙げられる。いず
れの測定方法による導電度も現像特性の指標となりうる
が、具体的には、たとえば、交流導電度による測定方法
として、米国Scientifica社のModel 627を用いる方法、
直流導電度による測定方法として、日本の東京都のKawa
guchi Electrics WorksのModel P518セル電極とTakeda
Riken(現Advantest)の高抵抗メータModel PR8601等との
組合わせを用いた装置を用いる方法などがある。直流導
電度のパラーメータとしては、電圧印加直後のピーク電
流値と安定後のベース電流値があるが、いずれが変わっ
ても現像特性は変化する。交流導電度、直流導電度のピ
ーク値あるいはベース値、いずれか一つの変更であって
も、現像特性を制御でき、色の再現性を向上できる。
【0173】また、各色の現像ローラに個別に現像バイ
アスを設定可能にしておくのが好ましい。
【0174】本実施態様においては、現像ローラ21b
は、図示しない電極からあらかじめ所定値に設定した現
像バイアス電圧が印加されている。たとえば、イエロー
を現像する現像ユニット21では-410Vに、マゼンタの現
像ユニット22では-350Vに、シアンの現像ユニット23で
は-380Vに、黒の現像ユニット23では-400Vに、それぞれ
設定する。上記バイアス電圧の設定は、電源またはツェ
ナーダイオード、バリスタ等を利用した受動型の電圧安
定化手段等の電源類によりおこなうことができる。各色
ごとに設定可能にするためには、各色個別の電源類を用
いてもよく、同一の電源類より分圧して各色ごとに個別
設定できるようにしてもよく、動的に電圧設定可能な各
色共通の電源を各色の電極板に接続し、各色の現像手段
が感光体と対向するときにその色に対応した電圧を発生
させることでも設定できる。
【0175】現像バイアス電圧は、現像領域での感光ド
ラム11の画像露光した明部面電位と露光されていない暗
部面電位の間に設定されるもので、たとえば、暗部(こ
の場合、非絵柄部)表電位−700V、明部(この場合、絵
柄部)表電位-100Vの場合、現像バイアス電圧は、-600
〜−300Vの範囲が好ましい。さらに好ましくは、-550〜
-250Vの範囲である。この範囲内でほぼ同等な濃度が達
成できるよう、色ごとに現像バイアス電圧を変えて設定
するのがよい。もちろん、問題なければ、同一にしても
よい。
【0176】さて、現像ユニットの切替時、たとえば、
第一現像ユニット21から第二現像ユニット22に切替える
とき、図6(a)に示すように、感光ドラム11には、ま
ず、第二現像ユニット22の現像ローラ22bが当接する。
【0177】次に、現像手段20がさらに図の左方に移動
すると、現像ローラ22bが感光ドラム11の周面に沿って
移動しながら、前記バネ力に抗しつつ下方へ押し下げら
れる。この結果、第一現像手段21から第二現像ユニット
22に切り替わると、現像ローラ22bは図6(b)に示すよう
に、感光ドラム11をはさんで主スクイズローラ22cと反
対側に位置する。
【0178】この切替時、現像ローラ22bによって感光
ドラム11に供給された液体現像剤で現像されたトナー像
は、感光ドラム11の回転によって反時計方向に移動す
る。このとき、図6(a)に示したように、現像ローラ22b
と主スクイズローラ22cとは、ωs−ωd>0の条件のもと
に上下方向に所定距離をおいて配置されている。
【0179】このため、主スクイズローラ22cは、現像
されたトナー像の先端近傍またはその部位の感光体回転
方向の前方で感光ドラム11に当接し、余剰液体現像剤の
除去を開始する。また、第二現像ユニットから第三現像
ユニットへの切替時には、第二現像ユニットの主スクイ
ズローラ22cは現像ローラ22bが感光ドラム11から離間さ
れた後、離間される。すなわち、現像されたトナー像の
終端後方で余剰液体現像剤の除去を終了する。したがっ
て、主スクイズローラ22cは、感光ドラム11上に現像さ
れたトナー像から余剰液体現像剤を除去し、トナー像は
余剰液体現像剤を全く除去されない状態で補助スクイズ
ローラ71側へ移動してくことはない。この現像は、他の
現像ユニットにおいても成立する。
【0180】また、主スクイズローラ22cで余剰の液体
現像剤を除去されたトナー像は、補助スクイズローラ71
によって補助的に液体現像剤が除去された後、中間転写
ドラム31に転写されてゆく。
【0181】このようにして、各現像ユニットで現像さ
れたトナー像は、補助スクイズローラ71による液体現像
剤除去の前段階において可能な限り余剰液体現像剤が除
去された中間転写ドラム31へと順次転写され、中間転写
ドラム31には4色のトナー像を積層した多色トナー像が
形成される。
【0182】この構成の効果は次のようにして実証され
た。本実施態様のプリンタにおいて、現像ユニット20の
移動速度v(t)mm/secを v(t)=352×t+42 (0≦t≦0.25秒) =-352×t+218 (0.25<t≦0.5秒) とし、感光ドラム11の周速度V=160mm/sec、感光ドラ
ム11の半径R=40mm、現像ローラ21bの半径rd=7.5m
m、主スクイズローラ21cの半径rs=7.5mm、現像ローラ
21bと主スクイズローラ21cとの水平方向の中心間距離D
=20mm、上下方向の中心間距離h=3mm、現像ローラ21bの
中心軸と感光ドラム11下端との上下方向の距離hd=6.5m
m、主スクイズローラ21cと感光ドラム11との間の隙間を
40μmとして白地パターン(全面非絵柄部のパターン)
の印字を行い、中間転写ドラム31に用紙を巻き付けてこ
の用紙に吸収される余剰液体現像剤量を測定したとこ
ろ、上記距離hを0mmとした場合に比べて約40%少ないこ
とが判明している。
【0183】ここで、各現像ユニットの現像ローラおよ
び主スクイズローラは、ωs−ωd>0の条件を満たせば、
本実施態様の場合に限定されるものでないことは言うま
でもない。たとえば、図7に示すように、両ローラ21bお
よび21cの上下方向における中心間距離hが0の場合に
は、現像ユニット21における主スクイズローラ21cの半
径rsを現像ローラ21bの半径rd(<rs)よりも大
きく設定する。
【0184】このとき、スクイズローラにバイアス電圧
を印加するならば、各現像ユニットにおいて現像ローラ
とスクイズローラとが共通の電源25に接続され、等しい
極性のバイアス電圧が印加されている。そうすれば、電
子写真プリンタ1においては、単一の電源25により現像
バイアス電圧やスクイズバイアス電圧を容易に制御する
ことができる。両者に電位差を与えたいときにはツェナ
ーダイオードなどを両者間に接続してもよい。
【0185】しかも、トナー像が現像された感光ドラム
11においては、主スクイズローラ21cによる余剰現像液
の除去に際して、スクイズバイアス電圧によってトナー
像中のトナー粒子が静電的な斥力によって表面に押し付
けられ、硬化されうる。このため、電子写真プリンタ1
においては、感光ドラム11からの余剰現像液の除去に際
し、現像されたトナー像が感光ドラム11上に保持され、
スクイズローラ21c側へ移動することがないので、像流
れなどによるドットゲインの発生を抑制し、画像品質が
向上する。これは周波数変調スクリーニング、なかんず
く、振幅変調スクリーニングとの組合わせの態様におい
て顕著である。
【0186】ところで、上記態様では、現像ユニットを
感光ドラムの接線方向に移動させて現像ユニットを切り
替えることから、プリント終了時等には現像ユニットを
感光ドラムから離れた待機位置に待機させている。
【0187】このため、使用開始に伴う電源没入直後や
長時間待機状態にあった後の場合等には感光ドラム11
の表面が乾燥し、感光ドラム11と補助スクイズローラ
71との間も乾燥状態にある。この状態でたとえば第一
現像ユニット21を感光ドラム11の位置に移勤させ
て、現像を開始すると、最初に感光ドラム11に供給さ
れた薄膜状の現像剤が補助スクイズローラ71との間の
隙間を通過して中間転写ドラム31に転写されるおそれ
がある。この結果、得られるプリント画像にはこの現像
剤に起因する白地汚れが発生する可能性がある。
【0188】さらに、湿式電子写真方法において感光体
から中間転写体への転写率は、転写する像の液体キャリ
ア量、すなわち、スクイズ条件に大きく左右されるた
め、プリント開始直後の上記現象により、印字濃度・画
質の不安定な領域が発生するという問題が発生しうる。
【0189】そこで本実施態様例では、現像ユニット21
〜24においては、現像ローラ及び主スクイズローラが回
転している。従って、現像ユニット21では、現像ローラ
21bの回転によって感光ドラム11に現像剤が供給され、
感光ドラム11の現像剤で濡れた部分は、補助スクイズ手
段70側へと回転してゆく。これにより、感光ドラム11と
補助スクイズローラ71との間の間隙に少しずつ現像剤が
溜まってゆく。なお、このとき現像剤の供給において
は、現像剤中のトナー粒子が感光ドラム11に移動するの
を防ぐため、現像ローラにはトナーに対して静電引力が
働くように電位を印加することが望ましい。
【0190】そして、現像ローラ21bによる感光ドラム1
1への現像剤の供給開始後、感光ドラム11が回転し、感
光ドラム11と補助スクイズローラ71との間の間隙が現像
剤で満たされてから、前記駆動手段によって中間転写ド
ラム31を感光ドラム11に当接させる(感光ドラム11〜
中間転写ドラム31への転写の際以外には基本的に両者
は離間している)。
【0191】なお、感光ドラム11と補助スクイズローラ
71との間の間隙への現像剤の供給方法として本実施態様
の方法の他、第一現像ユニット21からではなくスポンジ
ローラなど別途供給手段を設け、この供給手段より現像
剤を供給する方法、並びに同様な手段を用いて補助スク
イズローラ71を現像剤の供給先とする方法でも構わな
い。また、これらの方法にて供給する現像剤は、感光ド
ラム11や補助スクイズローラ71、ひいては中間転写ドラ
ム31にトナーが付着することのないよう液体キャリアの
みである方が望ましい。
【0192】このとき、感光ドラム11と補助スクイズロ
ーラ71との間の間隙が現像剤で満たされるまでの間に感
光ドラム11に供給され、補助スクイズローラ71との間の
間隙を通過した現像剤は、クリーニング手段40で清掃さ
れる。従って、現像ユニット21においては、感光ドラム
11への静電潜像の形成開始に先立って、現像ローラ21b
を空転させることで、白地汚れの原因となる現像剤の中
間転写ドラム31への転写を防止しているのである。
【0193】感光ドラム11から中間転写ドラム31への
トナー画像の一次転写が完了すると、両ドラムが離間
し、中間転写ドラム31の回転速度が約1/5にまで低下す
る。
【0194】その後、前述の押圧機構により熱ローラ5
1、52が中間転写ドラム31に圧接される。これによ
り、中間転写ドラム31上に積層形成された多色トナー
画像が、加熱・加圧されて搬送されてくる印画対象シー
トS上へ一括して転写・定着され、カラー像を記録する
工程が終了する(二次転写)。ここで、中間転写ドラム
31から印画対象シートSへのトナー画像の転写・定着
時、熱による感光ドラム11の特性劣化を抑制するた
め、中間転写ドラム31と感光ドラム11の圧接状態が
解除され、印画対象シートSへの転写・定着を充分に行
うため、中間転写ドラム31の回転速度を、感光ドラム
11上のトナー画像を中間転写ドラム31に転写する時
の中間転写ドラム31の回転速度に比較し、低速として
いる。
【0195】また、上記のような感光ドラム11から中間
転写ドラム31へのトナー画像の転写に際し、感光ドラム
11の切替領域を中間転写ドラム31の非プリント領域と一
致させて、現像された各トナー像を中間転写ドラム31に
転写する。このため、現像ユニット21〜24の切替に際
し、現像ローラやスクイズローラから感光ドラム11の切
替領域に現像液が付着しても、この現像液は中間転写ド
ラム31の非プリント領域に転写され、プリント領域への
転写が抑制される。さらに、非プリント領域に転写され
た現像液は、印画対象シートに転写・定着されないた
め、印画対象シート上に自地汚れの発生を抑制できる。
したがって、中間転写ドラム31に積層形成される多色ト
ナー像、ひいては得られるプリント画像が汚れることは
ない。
【0196】ところで、記録材Sが加熱ローラに近づく
とミスト回収装置80の電源が入る。この時、定着に際
し熱ローラ51及び52に加熱され、記録材Sに付着した現
像剤の液体キャリアの大半がミスト化し、既に動作して
いるミスト回収装置によって回収される。
【0197】このとき、クリーニングローラ55は、図示
しない離接機構によって中間転写ドラム31の回転速度が
低下した後、中間転写ドラム31に線圧11N/cmで圧接さ
れ、多色トナー像の印画対象シートS上への転写が終了
しても、クリーニングローラ55と中間転写ドラム31の圧
接部に印字領域の終端部が来るまで中間転写ドラム31へ
圧接されている。クリーニングローラ55の中間転写ドラ
ム31への押圧力は、線圧で6N/cm以上、より好ましく
は、11N/cm以上であり、本実施例では11N/cmに設定し
た。これにより、クリーニングローラ55は、回転速度が
低下した中間転写ドラム31との圧接時間を十分に確保
し、転写されずに中間転写ドラム31の表面に残った多色
トナー像の残滓を溶融させる。この結果、溶融した多色
トナー像の残滓は、中間転写ドラム31からクリーニング
ローラ55へと移され、表面がクリーニングされる。
【0198】このようにして多色トナー像の残滓が付着
したクリーニングローラ55からは、スクイズプレード,
ブラシ,ローラあるいはフリース等の除去手段によっ
て、付着した多色トナー像の残滓をクリーニングすれば
よい。
【0199】上記構成によれば、中間転写ドラムの回転
速度(表面線速度)を一次転写の際に比べて低下させて
クリーニングするので、中間転写ドラムのクリーニング
効率を高めるとともに、中間転写ドラムの損傷を低減す
ることができる。加えて、上記のように中間転写ドラム
から次段階の記録媒体への像の転写とクリーニングを並
行して行うので、中間転写ドラムを加熱するのと同等の
効果が得られ、クリーニングがさらに効率的になる。ま
た、同時に別途中間転写ドラムを加熱してもよい効果が
得られる。
【0200】このように中間転写ドラムのトナー残滓の
クリーニングを確実に行なうことにより、トナー残滓に
よる白地汚れの影響をも抑えられる。
【0201】また、クリーニングローラ55は、回転の周
速度が中間転写ドラム31の周速度と等しく設定されてい
るので、常に回転方向における滑りが発生せず、クリー
ニング不良が起こることはない。しかも、周速度が同じ
であることから、クリーニングローラ55は、中間転写ド
ラム31との間に回転方向に沿った無理な応力がかからな
いので、中間転写ドラム31の劣化も抑制される。
【0202】ところで、中間転写ドラム31から記録媒体
Sに転写するとき、下流側に尾を引いたように像がつぶ
れる、像流れ現象(一種のドットゲイン)を発生するこ
とがある。この像流れは、湿式だけでなく乾式タイプの
電子写真装置でも発生する。この像流れの原因は、未定
着のトナー画像に加熱加圧定着する際に像にかかる過大
な機械的ストレスとみられ、転写と熱定着を同時に行な
う装置だけでなく、転写プロセスの後に未定着のトナー
画像を加圧手段で圧縮するプロセスを有する装置に共通
に発生しうるものである。かかる像流れは、周波数変調
スクリーニングを用いる場合には特に有害である。
【0203】そこで、本実施態様例では、複数の加熱ロ
ーラの中間転写ドラム(トナー画像担持体)への押圧力
を、記録媒体Sの搬送方向に沿って増大させるようにし
た。すると、最初の加熱ローラ51では小さな押圧力でト
ナー像に課題なストレスをかけずに記録媒体Sにわずか
に転写・定着させることができる。引き続く加熱ローラ
52では、トナー画像はすでにわずかに記録媒体S定着さ
れているため、より大きな押圧力で記録媒体Sに転写、
定着させても像流れが発生しにくく、未定着のトナー像
に過大なストレスをかけることが少なくなる。これによ
り、定着段階で発生する像流れによるドットゲインを抑
制することができる。
【0204】具体的には、最初の加熱ローラ51の押圧力
として、たとえば、ローラ軸方向の単位長さ当たり押圧
力P1を3〜15N/cmとし、次の加熱ローラ52の押圧力P2をP
1を超え、かつ、5〜25N/cmの範囲とするのが好ましい。
両者の差としては4〜20N/cmの範囲が好ましい。
【0205】以上のようにして記録媒体Sへの多色トナ
ー像の記録が終了すると、前記押圧機構による加熱ロー
ラ51,52の中間転写ドラム31ヘの圧接が解除されると共
に、前記離接機構によりクリーニングローラ55も中間転
写ドラム31への圧接が解除され、現像手段20が前記駆動
手段によって感光ドラム11右方の初期位置へ移動され
る。
【0206】このとき、各現像ユニットの現像液槽に液
体現像剤を供給している図示しない各ポンプが停止し、
現像ユニット21〜24のそれぞれの液槽への現像液の供給
が止まる。これにより、現像ユニット21〜24において
は、各液槽内の現像液が液槽下部の流通口より重力の作
用で各トナーカートリッジへ逆流してゆき、液面が徐々
に下がってゆく。この逆流は別途ポンプ等によって行な
ってもよい。
【0207】そして、ポンプ停止後所定時間経過し、現
像液の液面が各現像ローラ下端よりも下方に下がった時
点で、現像ユニット21〜24の現像ローラ及びスクイズロ
ーラを停止する。このように、現像ローラやスクイズロ
ーラを所定時間回転させ続けることで、これらのローラ
表面に残留した現像液が前記ブレードによって除去され
る。
【0208】このように、現像後に現像ユニットを待機
位置に復帰させるに際し、現像ローラが液体現像剤に浸
らない状態にしておくことにより、現像ユニット21〜24
の現像ローラやスクイズローラに液体現像剤が残留して
いても、液体現像剤がバイアス電圧によってこれらのロ
ーラ側に静電的に引き寄せられ、液体現像剤の付着によ
る感光ドラム11の汚れや、現像ユニット相互間での混入
による液体現像剤の汚染が防止される。また、中間転写
ドラム31の感光ドラム11への圧接を解除することによ
り、仮に感光ドラム11が液体現像剤で汚れたとしても、
感光ドラム11の汚れが中間転写ドラム31にまで及ぶこと
を抑制できる。
【0209】
【実施例】
実施例1 上記の電子写真プリンタ装置1で、連続階調の画像を印
画対象シートに印刷した。平均粒径が0.5、1、2お
よび3μm(島津製作所SA-CP3により遠心沈降法で測
定)でいずれも粒度分布範囲が0.05〜10μmのト
ナーを含む3種類の液体現像剤を用いてそれぞれ現像を
おこなった。また印画対象シートとして紙、プラスティ
ックフィルム、および上述の直接製版用版材を用いた。
画像2値化手段としてはBayerディザマトリックス
を用いたものと図2に示した誤差拡散法とを用いた。最
小ドット形成間隔としては、画像2値化過程でコントロ
ールして、1/15mm、1/23mm、1/30mm
のデータを作成し、それぞれ印刷した。
【0210】いずれの場合も原モアレ、カラーモアレが
なく、非常に滑らかな階調再現を実現でき、ドットゲイ
ンの影響が小さいことがわかった。定着後のトナー層の
厚みは、トナーの平均粒径が2μm以下の場合は、単層
で平均しておよそ3μm程度となり、平均粒径が3μm
の場合は5μm程度となった。この結果、平均粒径が2
μm以下の場合のほうがドットゲインの影響が少なかっ
た。
【0211】単一のドットは図4(a)に示すようにまわ
りに飛散するトナー粉がほとんど認められなかった。最
小ドット形成間隔が1/30mmの場合、印画対象シー
トの面に垂直な方向から見た単一ドットのサイズは、理
想的には直径約45μmとなるが、本実施例の場合は5
0μmとなり、約10%程度の機械的ドットゲインにと
どまった。上述のようにトナー層の厚みも薄いため、光
学的ドットゲインを含めた総合的なドットゲインも非常
に小さかった。
【0212】実施例2 上記実施例1のうち、最小ドット形成間隔が狭い方が形
成されたトナー画像へのドットゲインの影響がほかの場
合より大きかった。一方、最小ドット形成間隔を1/1
5mmとした場合は若干のグレイニネスが認められた。
そこで、絵柄面積率の高い部位については最小ドット間
隔を1/15mmとした誤差拡散法を用いて2値化し、
この方法で0.1mmを超えるドット形成間隔となる部
位については、最小ドット形成間隔を1/30mmとし
て2値化した。これによりグレイニネスが目立たなくな
り、かつ、絵柄面積率に関係なく最小ドット形成間隔を
1/30mmとした場合に比べてドットゲインが減少し
た。
【0213】比較例 乾式電子写真装置に、乾式用として得られるものとして
比較的小さな粒径を有するトナー(平均粒径8μm、コ
ールターカウンタにより小孔通過法で測定)を使用した
乾式現像剤を用いて現像し、印画対象シート(紙)に印
刷した。画像の2値化手段は誤差拡散法を用い、最小ド
ット形成間隔は1/24mmとした。
【0214】定着後の印画対象シート上のトナー層の厚
みは単層で15μmとなり、形成された単一ドットは図
4(b)のように周囲にトナー粉が飛散した状態となっ
た。印画対象シートの面に垂直な方向から見た単一ドッ
トのサイズは、理想的には直径約60μmとなるが、本
比較例の場合は、図4(b)のように形成されるドットが
円形に程遠いため評価しにくいが、およそ80μm以上
となり、30数%を超える機械的ドットゲインが発生し
た。したがって、光学的ドットゲイン等を含む総合的な
ドットゲインは非常に大きく、絵柄面積率の低い部位で
光学濃度が急峻に立ち上がり、絵柄面積率が50%前後
以上の部位で光学濃度が理想よりかなり高くなり、80
%を越える領域ではほぼ飽和してしまった。
【0215】
【発明の効果】本発明の電子写真装置、電子写真方法お
よびトナーつきシートの製造方法によれば、連続階調画
像を2値化するに際し、周波数変調スクリーニング法を
用い、液体現像剤により現像するので、モアレが発生せ
ず、高い相対解像度を有し、かつ、滑らかな階調再現力
を有するトナー画像を形成し、あるいはトナー画像つき
シートを製造することができる。
【0216】また、本発明の電子写真装置、電子写真方
法およびトナーつきシートの製造方法の別の態様によれ
ば、絵柄面積率が低い場合には振幅変調スクリーニング
法により2値化画像データに変換し、絵柄面積率が高い
場合には周波数変調スクリーニング法により2値化画像
データに変換するため、絵柄面積率の高い領域では、モ
アレおよびドットゲインに起因する階調再現力の低下が
小さく絵柄面積率の低い領域ではグレイニネスの影響が
小さいトナー画像を形成し、あるいはトナー画像つきシ
ートを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置の一実施態様例の装置構
成を示す図である。
【図2】本発明の電子写真装置で用いる周波数変調スク
リーニング法の一例の原理を説明する図である。
【図3】振幅変調スクリーニング法と周波数変調スクリ
ーニング法のそれぞれの例を比較するためのモデル図で
ある。
【図4】本発明の電子写真装置の一実施態様例において
形成される単一ドットの様子と、従来の電子写真装置
(乾式)において形成される単一ドットの様子とを比較
するためのモデル図である。
【図5】本発明の電子写真装置の一実施態様例において
用いられる現像ユニットの現像ローラと主スクイズロー
ラとの上下方向における配置間隔を説明する図である。
【図6】本発明の電子写真装置の一実施態様例において
用いられる現像ユニットの切替に伴う感光ドラムと現像
ローラおよび主スクイズローラとの位置関係を示す説明
図である。
【図7】本発明の電子写真装置の別の実施態様例で用い
られる現像ユニットの切替に伴う感光ドラムと現像ロー
ラおよび主スクイズローラとの位置関係を示す説明図で
ある。
【図8】本発明の電子写真装置の一実施態様例において
用いられるミスト回収装置の一実施態様の正面図であ
る。
【図9】本発明の電子写真装置の一実施態様例において
用いられるミスト回収装置の一実施態様の平面図であ
る。
【符号の説明】
1:電子写真プリンタ装置 10:潜像形成手段 11:感光ドラム 12:除電ランプ 13:一次帯電器 20:現像手段 21:第一現像ユニット 21a:液槽 21b:現像ローラ 21c:主スクイズローラ 22:第二現像ユニット 23:第三現像ユニット 24:第四現像ユニット 25:コンデンサ 30:中間転写媒体 31:中間転写ドラム 32:帯電器 33:ヒータ 40:クリーニング手段 41:クリーニングローラ 42:スクイズブレード 50:転写・定着手段 51:熱ローラ 52:熱ローラ 60:転写前帯電器 70:補助スクイズ手段 71:補助スクイズローラ 72:受け皿 80:ミスト回収装置 81:吸気口 82:ダクト 83:ファン 84:ミストセパレータ 85:フィルタ 86:排気口 87:ブロア S:印画対象シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 英俊 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 稲垣 潤 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 松村 淳一 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 山崎 道男 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 田中 祐之 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続階調画像データを周波数変調スクリー
    ニング法により2値化画像データに変換する画像2値化
    手段と、該画像2値化手段により変換された2値化画像
    データに基づいて潜像担持媒体上に潜像を形成する潜像
    形成手段と、該潜像形成手段により形成された潜像を液
    体現像剤により現像してトナー画像を形成する現像手段
    とを備えてなることを特徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】前記画像2値化手段は、絵柄面積率の低い
    場合には絵柄面積率が高い場合よりも単一ドットの大き
    さを小さくして連続階調画像データを2値化画像データ
    に変換するものであることを特徴とする請求項1に記載
    の電子写真装置。
  3. 【請求項3】連続階調画像データを、絵柄面積率が低い
    場合には振幅変調スクリーニング法により2値化画像デ
    ータに変換し、一方、絵柄面積率が高い場合には周波数
    変調スクリーニング法により2値化画像データに変換す
    る画像2値化手段と、該画像2値化手段により変換され
    た2値化画像データに基づいて潜像担持媒体上に潜像を
    形成する潜像形成手段と、該潜像形成手段により形成さ
    れた潜像を液体現像剤により現像してトナー画像を形成
    する現像手段とを備えてなることを特徴とする電子写真
    装置。
  4. 【請求項4】前記画像2値化手段は、最小ドット形成間
    隔を1/15mm以下となしうるものであることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真装置。
  5. 【請求項5】前記現像手段は複数色の液体現像剤により
    現像しうるものであることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の電子写真装置。
  6. 【請求項6】前記現像手段により形成されたトナー画像
    の一時的な転写を受ける中間転写媒体を備えてなる請求
    項1〜5のいずれかに記載の電子写真装置。
  7. 【請求項7】連続階調画像データを周波数変調スクリー
    ニング法により2値化画像データに変換し、変換された
    該2値化画像データに基づいて潜像担持媒体上に潜像を
    形成し、形成された該潜像を液体現像剤により現像する
    ことを特徴とする電子写真方法。
  8. 【請求項8】絵柄面積率の低い場合には絵柄面積率が高
    い場合よりも単一ドットの大きさを小さくして連続階調
    画像データを2値化画像データに変換することを特徴と
    する請求項7に記載の電子写真方法。
  9. 【請求項9】連続階調画像データを、絵柄面積率が低い
    場合には振幅変調スクリーニング法により2値化画像デ
    ータに変換し、一方、絵柄面積率が高い場合には周波数
    変調スクリーニング法により2値化画像データに変換
    し、変換された該2値化画像データに基づいて潜像担持
    媒体上に潜像を形成し、形成された該潜像を液体現像剤
    により現像することを特徴とする電子写真方法。
  10. 【請求項10】連続階調画像データの2値化画像データ
    への変換に際し、最小ドット形成間隔を1/15mm以
    下とすることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記
    載の電子写真方法。
  11. 【請求項11】連続階調画像データを周波数変調スクリ
    ーニング法により2値化画像データに変換し、変換され
    た該2値化画像データに基づいて潜像を形成し、形成さ
    れた該潜像を液体現像剤により現像してトナー画像を形
    成し、該トナー画像を印画対象シート上に定着すること
    を特徴とするトナー画像つきシートの製造方法。
  12. 【請求項12】連続階調画像データを周波数変調スクリ
    ーニング法により2値化画像データに変換し、変換され
    た該2値化画像データに基づいて潜像担持媒体上に潜像
    を形成し、形成された該潜像を液体現像剤により現像し
    てトナー画像を形成し、形成された該トナー画像を印画
    対象シートに転写し、該トナー画像を該印画対象シート
    に定着することを特徴とするトナー画像つきシートの製
    造方法。
  13. 【請求項13】絵柄面積率の低い場合には絵柄面積率が
    高い場合よりも単一ドットの大きさを小さくして連続階
    調画像データを2値化画像データに変換することを特徴
    とする請求項11または12に記載のトナー画像つきシ
    ートの製造方法。
  14. 【請求項14】連続階調画像データを、絵柄面積率が低
    い場合には振幅変調スクリーニング法により2値化画像
    データに変換し、一方、絵柄面積率が高い場合には周波
    数変調スクリーニング法により2値化画像データに変換
    し、変換された該2値化画像データに基づいて潜像担持
    媒体上に潜像を形成し、形成された該潜像を液体現像剤
    により現像してトナー画像を形成し、該トナー画像を該
    印画対象シートに定着することを特徴とするトナー画像
    つきシートの製造方法。
  15. 【請求項15】連続階調画像データを、絵柄面積率が低
    い場合には振幅変調スクリーニング法により2値化画像
    データに変換し、一方、絵柄面積率が高い場合には周波
    数変調スクリーニング法により2値化画像データに変換
    し、変換された該2値化画像データに基づいて潜像担持
    媒体上に潜像を形成し、形成された該潜像を液体現像剤
    により現像してトナー画像を形成し、形成された該トナ
    ー画像を印画対象シートに転写し、該トナー画像を該印
    画対象シートに定着することを特徴とするトナー画像つ
    きシートの製造方法。
  16. 【請求項16】連続階調画像データを周波数変調スクリ
    ーニング法により2値化画像データに変換し、変換され
    た該2値化画像データに基づいて潜像担持媒体上に潜像
    を形成し、形成された潜像を液体現像剤により現像して
    トナー画像を形成し、形成された該トナー画像を中間転
    写媒体に転写し、転写された該トナー画像を印画対象シ
    ートに転写し、該トナー画像を印画対象シートに定着す
    ることを特徴とするトナー画像つきシートの製造方法。
  17. 【請求項17】連続階調画像データを周波数変調スクリ
    ーニング法により2値化画像データに変換する画像2値
    化手段と、該画像2値化手段により変換された2値化画
    像データに基づいて潜像担持媒体上に潜像を形成する潜
    像形成手段と、該潜像形成手段により形成された潜像を
    平均粒径7μm以下のトナー粒子を含む現像剤により現
    像してトナー画像を形成する現像手段とを備えてなるこ
    とを特徴とする電子写真装置。
  18. 【請求項18】前記画像2値化手段は、絵柄面積率の低
    い場合には絵柄面積率が高い場合よりも単一ドットの大
    きさを小さくして連続階調画像データを2値化画像デー
    タに変換するものであることを特徴とする請求項17に
    記載の電子写真装置。
  19. 【請求項19】連続階調画像データを、絵柄面積率が低
    い場合には振幅変調スクリーニング法により2値化画像
    データに変換し、一方、絵柄面積率が高い場合には周波
    数変調スクリーニング法により2値化画像データに変換
    する画像2値化手段と、該画像2値化手段により変換さ
    れた2値化画像データに基づいて潜像担持媒体上に潜像
    を形成する潜像形成手段と、該潜像形成手段により形成
    された潜像を平均粒径7μm以下のトナー粒子を含む現
    像剤により現像してトナー画像を形成する現像手段とを
    備えてなることを特徴とする電子写真装置。
  20. 【請求項20】前記画像2値化手段は、最小ドット形成
    間隔を1/15mm以下となしうるものであることを特
    徴とする請求項17〜19のいずれかに記載の電子写真
    装置。
  21. 【請求項21】前記現像手段は複数色の現像剤により現
    像しうるものであることを特徴とする請求項17〜20
    のいずれかに記載の電子写真装置。
  22. 【請求項22】前記画像2値化手段は、各色の2値化画
    像データを、少なくとも前色の潜像形成後、または前色
    の潜像形成と並行して変換するものであることを特徴と
    する請求項5または21に記載の電子写真装置。
  23. 【請求項23】前記現像手段は、各現像剤毎に設定可能
    な現像バイアス電圧を印加しながら現像するものである
    ことを特徴とする請求項5または21に記載の電子写真
    装置。
  24. 【請求項24】前記現像手段は、前記液体現像剤の濃度
    または導電度を各現像剤毎に設定可能なものであること
    を特徴とする請求項5に記載の電子写真装置。
  25. 【請求項25】定着前の前記トナー画像を圧縮するトナ
    ー画像圧縮手段を備えてなる請求項1、3、17または
    19に記載の電子写真装置。
  26. 【請求項26】定着前の前記トナー画像から余剰の液体
    現像剤を除去する余剰現像剤除去手段を備えてなる請求
    項1または3に記載の電子写真装置。
  27. 【請求項27】前記現像手段は現像バイアス電圧を印加
    しながら対応する色の現像剤で現像するものであり、か
    つ、前記余剰現像剤除去手段は、前記潜像担持媒体の非
    絵柄部電位と絵柄部電位との中間の電位であって前記非
    絵柄部との電位差が前記現像バイアス電圧と前記非絵柄
    部電位との差よりも小さくなるよう安定化された電位の
    面を有するものである請求項26に記載の電子写真装
    置。
  28. 【請求項28】前記現像手段は現像バイアス電圧を印加
    しながら対応する色の現像剤で現像するものであり、か
    つ、前記余剰現像剤除去手段は、前記潜像担持媒体の非
    絵柄部電位と絵柄部電位との中間の電位であって前記非
    絵柄部との電位差が前記現像バイアス電圧と前記非絵柄
    部電位との差よりも大きくなるよう安定化された電位の
    面を有するものである請求項26に記載の電子写真装
    置。
  29. 【請求項29】前記潜像担持媒体の非絵柄部に付着した
    トナーを除去する非絵柄部トナー除去手段を備えてなる
    請求項1、3、17または19に記載の電子写真装置。
  30. 【請求項30】前記余剰現像剤除去手段は前記潜像担持
    媒体との間に間隙を形成しつつ余剰液体現像剤を除去す
    るものであり、さらに、前記潜像担持媒体と離接可能に
    構成されかつ前記潜像担持媒体からトナー画像の転写を
    受ける転写媒体と、前記現像手段が前記潜像担持媒体へ
    の液体現像剤の供給を開始した後に前記間隙が液体現像
    剤で満たされてから前記転写媒体を前記潜像担持媒体に
    当接または近接せしめる制御手段とを備えてなる請求項
    26に記載の電子写真装置。
  31. 【請求項31】印画対象シートを搬送しつつトナー画像
    を該印画対象シートに対して押圧しながら定着する複数
    の定着手段を有し、かつ、該複数の定着手段のうち前記
    印画対象シートの搬送方向上流側に位置するものの押圧
    力が下流側に位置するものよりも大きいことを特徴とす
    る請求項1、3、17または19に記載の電子写真装
    置。
  32. 【請求項32】前記現像手段は相対移動しながら順次前
    記潜像に近接して液体現像剤を前記潜像に供給してトナ
    ー画像を形成する複数の現像ユニットを有するものであ
    り、かつ、前記余剰現像剤除去手段は、各現像ユニット
    の切替時に前記トナー画像が前記余剰現像剤除去手段の
    近傍に達する前に余剰現像剤の除去動作を開始するもの
    である請求項26に記載の電子写真装置。
  33. 【請求項33】前記現像手段により形成されたトナー画
    像の一次転写を受ける中間転写媒体と、該中間転写媒体
    から前記トナー画像を印画対象シートに二次転写するト
    ナー画像二次転写手段と、二次転写後に前記中間転写媒
    体に対して相対移動しながら前記中間転写媒体をクリー
    ニングするクリーニング手段と、クリーニング時には前
    記一次転写時よりも前記相対移動の速度を低下させるク
    リーニング手段の相対移動制御手段とを備えてなる請求
    項1、3、17または19に記載の電子写真装置。
  34. 【請求項34】前記現像手段は、待機位置から現像位置
    に移動して液体現像剤を前記潜像に供給することにより
    トナー画像を形成する現像ローラを有するものであり、
    かつ、該現像ローラは、現像中には少なくとも一部が液
    体現像剤に浸漬されており、トナー画像の形成後現像位
    置から待機位置に復帰する際には液体現像剤に浸漬され
    ないものである請求項1または3に記載の電子写真装
    置。
  35. 【請求項35】前記現像手段は相対移動しながら順次前
    記潜像担持媒体に近接して現像剤を前記潜像に供給しト
    ナー画像を形成する複数の現像ユニットを有するもので
    あり、さらに、形成されたトナー画像を前記潜像担持媒
    体から次段階の記録媒体に転写するトナー画像転写手段
    と、前記潜像担持媒体の切替領域が転写領域に到来する
    際に次段階の転写媒体の非プリント領域が前記転写領域
    に到来するよう前記トナー画像転写手段を制御する転写
    制御手段とを備えてなる請求項1、3、17または19
    に記載の電子写真装置。
  36. 【請求項36】装置内部で発生した液剤のミストの一部
    を回収するミストセパレータと、該ミストセパレータで
    回収されなかった残余のミストを回収する吸液フィルタ
    とを備えてなる請求項1または3記載の電子写真装置。
JP8036282A 1995-02-27 1996-02-23 電子写真装置、電子写真方法およびトナー画像つきシートの製造方法 Pending JPH08298595A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6342910B1 (en) 1999-05-27 2002-01-29 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus to form smooth image with inconspicuous granularity
US6437877B1 (en) 1998-01-19 2002-08-20 Nec Corporation Print data processing method and apparatus
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US10951777B2 (en) 2019-03-07 2021-03-16 Kyocera Document Solutions Inc. Image forming apparatus and non-transitory computer-readable recording medium storing image forming program

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