JPH08298418A - 音質調整装置 - Google Patents

音質調整装置

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JPH08298418A
JPH08298418A JP12597795A JP12597795A JPH08298418A JP H08298418 A JPH08298418 A JP H08298418A JP 12597795 A JP12597795 A JP 12597795A JP 12597795 A JP12597795 A JP 12597795A JP H08298418 A JPH08298418 A JP H08298418A
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亮 田上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音響再生機器の音質を、物理量と心理量との
定量的対応モデルに基づいて調整することにより、受聴
者が希望する音質を正確にかつ短時間で設定すること。 【構成】 音響再生機器の音質を受聴者の感じる心理量
に基づいて制御するため、モデル構築手段10を用いて
音の物理量(周波数特性)と心理量との定量的な対応関
係モデルを構築する。補正特性抽出手段20はこのモデ
ルに基づいて、目標となる音質を実現するための補正特
性を抽出する。オーディオ信号入力手段1で入力された
オーディオ信号は、信号処理手段2で所定の補正特性で
信号処理され、増幅器3を通じてスピーカ4より音が出
力される。こうすると例えば「艶の有る音」と受聴者が
指示するだけで、周波数特性が自動調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音響再生機器の音質を
調整するための音質調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、トーンコントロール(バス/
トレブル等の音質調整)や、グラフィックイコライザと
呼ばれる音質制御装置が内蔵された音響再生機器が利用
されている。また、近年では特定のプログラムソースに
適したプリセット型のイコライザを内蔵した音響再生機
器も開発されている。
【0003】ここで従来の音質調整装置について図面を
参照しながら説明する。図11は従来の音質調整装置の
構成例を示したブロック図である。この音質調整装置は
オーディオ信号入力手段71、グラフィックイコライザ
72、増幅器73、スピーカ74を含んで構成される。
オーディオ信号入力手段71で入力されたオーディオ信
号は、例えば10素子のグラフィックイコライザ72で
各周波数帯域のゲインが調整され、増幅器73を通じて
スピーカ14により音が再生される。この場合受聴者
(試視者)は、再生音が希望の音質となるようにグラフ
ィックイコライザ72で各周波数帯域のゲインをマニュ
アルで調整することになる。グラフィックイコライザ7
2は、アナログ回路で構成されるものが一般的である
が、ディジタル回路を用いたものもあり、例えばIIR
型フィルタやFIR型フィルタでも同様の特性を実現す
ることができる。
【0004】このように受聴者は、音響再生機器に内蔵
されたグラフィックイコライザを用いて各周波数帯域の
ゲインを補正し、好みの音質になるよう調整することが
できる。また、グラフィックイコライザの代わりにトー
ンコントロールと呼ばれる音質調整装置を用いても音質
を簡易的に調整することができる。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の
構成では、グラフィックイコライザやトーンコントロー
ルを用いて再生音の音質を変化させることはできるが、
希望する音質を実現しようとしたときに、どのように調
整すれば良いか分からない場合が多かった。例えば、柔
らかい音質にしたいときには、どの周波数帯域をどの程
度ゲイン調整すれば良いか分からず、またその調整にか
なりの時間を費やしていた。これは、受聴者が要求する
ものは心理的な表現(例えば、柔らかい音、迫力のある
音、鮮明な音等)であるのに対して、従来のグラフィッ
クイコライザ等では、物理的な表現(例えば、500H
zを3dB強調、4KHzを4dB減衰等)であった。
これは両者の間の対応関係が明確化されていなかったた
めである。
【0006】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、受聴者が希望する音質を正確に
設定でき、かつ受聴者の心理量を用いることにより音質
調整を簡単にできる音質調整装置を実現することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、音響再生機器の再生音を受聴したとき、受聴者の感
じる音質を心理的表現語で表現したとき、心理的表現語
を音の心理特性とし、音響再生機器の周波数特性を物理
特性とするとき、音響再生機器の音質を心理特性により
調整する音質調整装置であって、心理特性と物理特性と
の定量的対応モデルを構築するモデル構築手段と、モデ
ル構築手段で構築された定量的対応モデルを基に、受聴
者の希望する心理特性で表現された音質となるように、
入力されたオーディオ信号の音質を補正するための補正
特性を抽出する補正特性抽出手段と、入力されたオーデ
ィオ信号を補正特性抽出手段で抽出された補正特性で補
正処理する信号処理手段と、を具備することを特徴とす
るものである。
【0008】本願の請求項2の発明では、モデル構築手
段は、音響再生機器の物理特性を入力する物理量入力手
段と、物理量入力手段で入力された物理特性で音響再生
機器の再生音を受聴したとき、受聴者が感じる心理特性
を入力する心理量入力手段と、物理特性と心理特性との
相関係数を演算する相関係数演算手段と、相関係数演算
手段で演算された相関係数を基に、物理特性と心理特性
との定量的対応関係を示す定量的対応モデルを算出し、
物理特性を補正特性抽出手段を与える対応モデル演算手
段と、を具備することを特徴とするものである。
【0009】本願の請求項3の発明では、物理量入力手
段は、音響再生機器の持つ再生周波数範囲をn個の周波
数帯域に分割し、各周波数帯域の音圧の総和をnで除算
した値を平均音圧レベルとし、各周波数帯域の平均音圧
レベルからの差を偏差レベルとしたとき、偏差レベル及
び偏差レベルの絶対値のうち少なくとも一方を物理特性
として入力することを特徴とするものである。
【0010】本願の請求項4の発明では、心理量入力手
段は、心理的表現語における正の表現語と正の表現語と
逆の内容である負の表現語との間を複数段階の尺度で順
位付けし、順位付け順序に対して重みづけをしたものを
評価尺度としたとき、評価尺度を心理特性として入力す
ることを特徴とするものである。
【0011】本願の請求項5の発明では、対応モデル演
算手段は、心理特性の評価尺度を、複数の物理特性の偏
差レベル又は絶対値で線形一次結合し、これによって得
られる重回帰式を定量的対応モデルとすることを特徴と
するものである。
【0012】本願の請求項6の発明では、補正特性抽出
手段は、受聴者の希望する音質を心理特性で入力する音
質入力手段と、音質入力手段で入力された音質を実現す
るための補正特性を物理特性と心理特性との定量的対応
モデルに基づいて演算する補正特性演算手段と、を具備
することを特徴とするものである。
【0013】本願の請求項7の発明では、補正特性演算
手段は、重回帰式における物理特性を各周波数帯域に渡
って同じ割合で変化させることを特徴とするものであ
る。
【0014】本願の請求項8の発明では、補正特性演算
手段は、重回帰式における物理特性を重回帰係数の値で
重み付けして変化させることを特徴とするものである。
【0015】本願の請求項9の発明では、補正特性演算
手段は、物理特性における各制御量を心理特性における
評価尺度との相関係数の値で重み付けして変化させるこ
とを特徴とするものである。
【0016】本願の請求項10の発明では、補正特性抽
出手段は、受聴者の希望する音質を心理特性で入力する
音質入力手段と、音質入力手段で入力された音質を実現
するための補正特性を物理特性と心理特性の定量的対応
モデルに基づいて演算する補正特性演算手段と、音質入
力手段で入力された音質を実現するための補正特性を設
定する補正特性設定手段と、を具備することを特徴とす
るものである。
【0017】本願の請求項11の発明では、補正特性演
算手段は、重回帰式における物理特性を各周波数帯域に
渡って同じ割合で変化させることを特徴とするものであ
る。
【0018】本願の請求項12の発明では、補正特性演
算手段は、重回帰式における物理特性を重回帰係数の値
で重み付けして変化させることを特徴とするものであ
る。
【0019】本願の請求項13の発明では、補正特性演
算手段は、物理特性における各制御量を心理特性におけ
る評価尺度との相関係数の値で重み付けして変化させる
ことを特徴とするものである。
【0020】本願の請求項14の発明では、補正特性設
定手段は、複数の補正特性とそれらに対応した音質とを
記憶する記憶部と、記憶部から1つの特性を選択する選
択手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0021】本願の請求項15の発明では、補正特性設
定手段は、複数の補正特性とそれらに対応した音質とを
記憶する記憶部と、記憶部から少なくとも2つ以上の特
性を選択する選択手段と、選択手段で選択された複数の
補正特性を用いて補間処理を施し、音質入力手段で設定
された音質を得るための補正特性を演算する補間処理手
段と、を具備することを特徴とするものである。
【0022】
【作用】このような特徴を有する本願の請求項1〜13
の発明によれば、音響再生機器の物理特性である音圧周
波数特性と、それらに対応した受聴者が感じる心理特性
との定量的対応モデルに基づいて、信号処理手段で周波
数特性の補正を行うことによって、入力されたオーディ
オ信号を受聴者が希望する音質に制御される。
【0023】又本願の請求項14、15の発明によれ
ば、受聴者が希望する様々な音質を実現するための補正
特性を、予め記憶部に記録しておく。こうすると受聴者
が希望する音質を選択手段から即座に設定することがで
きる。
【0024】
【実施例】本発明の一実施例における音質調整装置につ
いて、図面を参照しながら説明する。図1は本実施例に
おける音質調整装置の基本構成を示すブロック図であ
る。音質調整装置はオーディオ信号入力手段1、信号処
理手段2、増幅器3、モデル構築手段10、補正特性抽
出手段20を含んで構成される。モデル構築手段10
は、音響再生機器の物理特性と、その音を受聴したとき
の複数の心理量(印象)との関係を定量的対応モデルと
して構築する手段である。この定量的対応モデルは、心
理量と物理量との関係を数式で表現するものであり、各
心理量毎に構築される。補正特性抽出手段20はモデル
構築手段で構築された定量的対応モデルに基づいて、受
聴者が希望する音質を実現するため、所望の補正特性を
抽出する手段である。
【0025】さてオーディオ信号がオーディオ信号入力
手段1を介して信号処理手段2に入力されると、補正特
性抽出手段20により抽出された補正特性で信号処理さ
れ、増幅器3を通じてスピーカ4より音が再生される。
なお、信号処理手段2はアナログ回路によるグラフィッ
クイコライザを用いるが、ディジタル回路によるIIR
型フィルタ、FIR型フィルタでも同様に音質調整する
ことができる。このように、物理量と心理量との定量的
な定量的対応モデルに基づいた補正特性を用いて音質を
調整することによって、受聴者が希望する音質を正確に
再生することができる。
【0026】次に、モデル構築手段10についてより詳
細に説明する。図2はモデル構築手段10の基本構成を
示すブロック図であり、物理量入力手段11、心理量入
力手段12、相関係数演算手段13、対応モデル演算手
段14により構成される。物理量入力手段11は音響再
生機器の音圧の周波数特性を入力又は設定する手段であ
る。ここでは20Hzから20KHzまでの周波数帯域
を複数の帯域、例えば10帯域に分割する。そしてスピ
ーカ4を含む音響再生機器の全周波数帯域の平均音圧レ
ベルを求める。次にこの平均音圧レベルから各帯域毎の
レベル差を偏差レベルとして設定し、且つ各帯域毎の音
圧の偏差レベルの絶対値も設定してそれらの値を入力す
る。具体的には、中心周波数が32Hz、64Hz、1
25Hz、250Hz、500Hz、1KHz、2KH
z、4KHz、8KHz、16KHzの計10個に分割
した各周波数帯域において、前述の偏差レベルと絶対値
との合計である20種類の物理量(物理特性)を入力す
る。
【0027】一方、心理量入力手段12は、物理量入力
手段11で入力された物理特性を持つオーディオ信号
を、調整すべき音響再生機器を用いて受聴評価したと
き、受聴者が感じる心理量(心理特性)を入力又は設定
する手段である。この場合の心理量とは、評価用オーデ
ィオ信号としてオーケストラサウンドや環境音などのよ
うに周波数帯域の広い成分を持つ音を受聴したとき、受
聴者が感じる心理量のことである。具体的には少なくと
も1種類以上の音質表現語対でデータ入力を行う。
【0028】図3は音質表現語を用いて心理量を設定す
るための評価シートの一例であり、リファレンス特性に
対する一対比較用の入力データを示し、ここでは16種
類の音質表現語を設定している。例えば図3の(3)に
示す音質表現語では、ポジティブな表現として「豊か
な」が、ネガティブな表現として「貧弱な」という表現
が設定されている。これらの相反する表現を音質表現語
対とし、これらに関して図示のように7段階のSD(Se
mantic Differencial)法で音質の評価を行う。このた
め7段階の評価結果に夫々1点から7点までの得点を与
え、その得点を心理量入力手段12に入力する。また、
評価者が複数人の場合は、その平均値を入力するのが一
般的である。
【0029】なお、ここでは入力する心理量は16種類
としたが、例えば図3の(5)の「低域が出ている」、
「出ていない」と、図3の(14)の「薄っぺらな」、
「厚みのある」のように、意味内容に共通性のある心理
量の場合、複数種類の音質表現語対で評価した結果に因
子分析を施して、独立した音質因子を抽出し、その音質
因子で評価した結果を心理量入力手段12に入力しても
良い。このように、因子分析による音質因子を用いるこ
とによって、少ない音質表現語対で心理量の全空間を網
羅することができる。
【0030】さて図2の相関係数演算手段13は、物理
量入力手段11及び心理量入力手段12で入力された複
数の物理量と心理量に対して、両者の相関係数を演算す
る手段である。ここでは、夫々の音質表現語対に関し
て、各周波数帯域の物理量との相関係数が演算される。
この結果より、ある音質表現語対に影響を与える周波数
帯域とその大きさが分かり、大まかな対応関係はこの相
関係数で表現することができる。
【0031】図4、図5は各音質表現語対における相関
係数を各周波数帯について測定したデータである。横軸
に示す数字1〜10と、11〜20は周波数帯域を示
し、数字1、2、3、4、5、6、7、8、9、10に
おける縦軸の値は、夫々中心周波数が32Hz、64H
z、125Hz、250Hz、500Hz、1KHz、
2KHz、4KHz、8KHz、16KHzにおける偏
差レベルを基にしてテストした相関係数を示している。
ここで偏差レベルとは設定又は調整すべき音圧から平均
レベルを減算した値である。同様にして数字11、1
2、13、14、15、16、17、18、19、20
における縦軸の値は、夫々中心周波数が32Hz、64
Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1KH
z、2KHz、4KHz、8KHz、16KHzにおけ
る偏差レベルの絶対値を基にしてテストした相関係数を
示している。
【0032】図2の対応モデル演算手段14はこのよう
な相関係数を用いて、物理量と心理量との定量的対応モ
デルを演算する手段である。この定量的対応モデルは、
心理量をZとし、各周波数帯の偏差レベル又はその絶対
値を物理量Xとすると、心理量Zは物理量Xの線形一次
結合として表現した重回帰式となる。この重回帰式の一
般式は次の(1)式のように表わされる。
【数1】
【0033】対応モデル演算手段14では、(1)式に
おける重回帰の定数項a0 と、帯域iの物理量に対する
重回帰係数ai とを演算する。但しiは周波数帯域の番
号に対応する。このように入力された複数の物理量と心
理量より、(1)式の重回帰式で表現されるような定量
的対応モデルを構築する。
【0034】図6は重回帰式に用いる係数の一覧表であ
る。本図の各段に音質表現語対が記載され、各段の夫々
の列に定数項と各周波数帯における重回帰係数が記載さ
れている。例えば(5)の「低域が出ている−出ていな
い」の項を見ると、125Hz帯の係数値が負で大き
く、63Hz〜250Hzの各係数が負であることが判
る。これは「低域が出ていない」という心理量において
63Hz〜250Hzの成分が負の相関を持つことを意
味する。また1KHz〜8KHzの各係数が正であり、
その値が高域にかけて大きくなるということは、「低域
が出ていない」という心理量の裏である「高域が強すぎ
る」を意味し、その相関は正となる。
【0035】以上のように物理特性の中でも最も音質を
左右する音圧周波数特性を用いているため、非常に精度
の高い定量的対応モデルを構築することができる。ま
た、本実施例は各周波数帯域を1oct 間隔の10帯域に
分割したが、音圧周波数特性のサンプル数が多ければ、
1/3oct 間隔等に細かくすることが可能である。こう
すると定量的対応モデルの精度を更に向上させることが
できる。また、人間の聴覚メカニズムに近い臨界帯域幅
を用いても良い。
【0036】次に、補正特性抽出手段20をより具体化
した実施例について説明する。図7は第1の補正特性抽
出手段20Aの基本構成を示すブロック図である。本図
に示すように補正特性抽出手段20Aは補正特性演算手
段21と音質入力手段22とにより構成される。音質入
力手段22は希望する音質を心理量を用いて入力する手
段である。補正特性演算手段21は、モデル構築手段1
0により構築された定量的対応モデルを用いて、所望の
音質を実現するための補正特性を演算する手段である。
ここでの演算方法には、重回帰式で用いる物理量を同じ
割合で変化させる方法や、重回帰式の重回帰係数で重み
付けして変化させる方法、又は物理量と心理量との相関
係数で重み付けして変化させる方法がある。
【0037】例えば、「迫力感」に関する重回帰式が次
の(2)式で表現されているとする。
【数2】 まず、物理量を同じ割合で変化させる場合を考える。迫
力感Zを正の方向へ6移動させるためには、現在の特性
から125Hz及び250Hzの帯域を1dB持ち上
げ、かつ4KHzの帯域を1dB減衰させれば良い。こ
のように3つの周波数帯域を同じレベル(1dB)で制
御することによって、目標とする値の迫力感を実現して
いる。
【0038】次に、重回帰係数で重み付けして変化させ
る場合を考える。これは、調整すべき音質に影響を与え
る大きさの順番に周波数帯域を制御するものである。こ
こでは(2)式で示すように、125Hz、250H
z、4kHzの周波数帯域にかかる重回帰係数の比が
2:1:3であるため、物理量もその割合で変化させ
る。迫力感Zを正の方向へ2.8移動させるためには、
現在の特性から125Hzの帯域を0.4dB、250
Hzを0.2dB夫々持ち上げ、4kHzを0.6dB
減衰させれば良い。
【0039】また、相関係数で重み付けする場合も同様
の考え方で実現できる。例えば迫力感に関する重回帰式
が(2)式であり、且つ夫々の周波数帯域と迫力感との
相関係数が次のような値とする。(−1<相関係数R<
1) 125Hzに対する相関係数 R125 =0.4 250Hzに対する相関係数 R125 =0.3 4kHzに対する相関係数 R125 =−0.5 この場合、125Hz、250Hz、4kHzにおける
相関係数Rの比が0.4 :0.3 :0.5 であるため、物理量
もその割合で変化させる。
【0040】例えば迫力感Zを正の方向に5.2移動さ
せるためには、現在の周波数特性を125Hzで0.8
dB持ち上げ、250Hzで0.6dB持ち上げ、4k
Hzで1.0dB減衰させればよい。その計算過程は次
のようになる。 Z=2.0 ×0.8 +1.0 ×0.6 −3.0 ×(-1.0)=5.2
【0041】以上のように、補正特性は物理量と心理量
との定量的対応モデルに基づいて演算されているため、
希望する音質を実現するための補正特性を正確に設定す
ることができる。
【0042】次に、第2の補正特性抽出手段20Bにつ
いて説明する。図8は補正特性抽出手段20Bの基本構
成を示すブロック図である。本図に示すように補正特性
抽出手段20Bは補正特性演算手段21、音質入力手段
22、記憶部23と選択手段24を有する補正特性設定
手段25Bにより構成される。
【0043】補正特性演算手段21は図7のものと同様
に、様々な音質を実現するための補正特性を演算する手
段である。記憶部23は補正特性演算手段21での演算
結果の補正特性と、音質とを対にして記憶するメモリで
ある。補正特性の演算方法については、前述した方法と
同じである。
【0044】選択手段24は、希望する音質が音質入力
手段22より入力されると、その音質を実現するための
補正特性を記憶部23から選択する手段である。そして
図1の信号処理手段2は補正特性抽出手段20Bにより
選択された補正特性を用いて音質を調整する。
【0045】このようにあらかじめ物理量と心理量との
定量的対応モデルに基づいて演算された補正特性と、そ
れに対応した音質とが対となって記憶部23に記憶され
ているため、希望する音質を出力する補正特性を短時間
で、かつ正確に設定することができる。
【0046】次に、第3の補正特性抽出手段20Cにつ
いて説明する。図9は補正特性抽出手段20Cの基本構
成を示すブロック図である。本図に示すように補正特性
抽出手段20Cは補正特性演算手段21、音質入力手段
22、補正特性設定手段25Cにより構成される。補正
特性設定手段25Cは記憶部23、選択手段24、補間
処理手段26を有している。
【0047】第3の補正特性抽出手段20Cは第2の補
正特性抽出手段20Bと同様に、予め補正特性演算手段
21で様々な音質を実現するための補正特性が演算さ
れ、その音質と補正特性とを対にして記憶部23に記録
されている。ここでの補正特性の演算方法については、
第1の補正特性抽出手段20Aと同様である。
【0048】さて希望する音質が音質入力手段22で入
力されると、その音質を実現するための補正特性が選択
手段24と記憶部23により選ばれる。しかし入力され
た音質が記憶部23に登録されていない場合は、例えば
その音質の値より大きい値のものから一番近い値のもの
と、小さい値のものから一番近い値のものの2種類が選
択手段24で選ばれる。そして補間処理手段26は、こ
の2種類の補正特性を用いて最終的な補正特性を補間に
より計算する。補間の計算方法は、直線補間が一般的で
あるが、他の補間計算方法を用いても良い。そして、信
号処理手段2は補間計算された最終的な補正特性を用い
て音質を調整する。
【0049】このように、あらかじめ物理量と心理量と
の定量的対応モデルに基づいて演算された補正特性と、
それに対応した音質とが対となって記憶されており、か
つ補正特性は簡単な補間処理にて演算されるため、入力
された音質を出力するための補正特性を、より正確にか
つ短時間で設定することができる。
【0050】以上のように構築した重回帰式を用いて演
算した音質予測値と、心理評価試験の結果とを対比した
ものを図10に示す。図10(a)は心理評価実験によ
る実測値と重回帰式による音質予測値との相関関係を示
す。又図10(b)は実測値の95%信頼区間に音質予
測値が納まるサンプル数の割合を示したものである。サ
ンプル数は50種である。これらの結果、相関係数では
全ての音質表現語で0.6以上となって危険率1%で有
意であると言える。又95%信頼区間に納まる割合は図
10(b)に示すように、例えば図3の(11)で示す
「f特バランスが良い−悪い」の項目では70%となっ
た。又その他の音質表現語では、84%以上の高い精度
が得られた。
【0051】
【発明の効果】以上のように本願の請求項1〜13記載
の発明によれば、音響再生機器の音質調整を物理特性と
心理特性との定量的な定量的対応モデルに基づいて行う
ため、受聴者の希望する音質を心理的表現語を用いて正
確に設定できる。また定量的対応モデルで用いる物理特
性は、音質を最も左右する音圧周波数特性であるため、
非常に精度の高い定量的対応モデルを構築することがで
きる。
【0052】又本願の請求項14の発明によれば、定量
的対応モデルに基づいた補正特性とそれに対応した心理
量を、記憶部に対として記録することによって、希望す
る音質を正確に、かつ短時間で実現することができる。
【0053】又本願の請求項15の発明によれば、複数
の補正特性を用いて補間処理を行うことによって、希望
する音質をより正確に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における音質調整装置の基本
構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例の音質調整装置に設けられたモデル構
築手段の基本構成図である。
【図3】各種の音質表現語を一覧にした音質評価シート
の説明図である。
【図4】各音質表現語に対する物理量の相関を示す説明
図(その1)である。
【図5】各音質表現語に対する物理量の相関を示す説明
図(その2)である。
【図6】各音質表現語に対する物理量の関係を示す重回
帰係数の一例を示す図である。
【図7】本実施例の音質調整装置に設けられる第1の補
正特性抽出手段の基本構成図である。
【図8】本実施例の音質調整装置に設けられる第2の補
正特性抽出手段の基本構成図である。
【図9】本実施例の音質調整装置に設けられる第3の補
正特性抽出手段の基本構成図である。
【図10】本実施例の補正特性抽出手段の評価結果を示
すデータである。
【図11】従来の音質調整装置の基本構成例を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 オーディオ信号入力手段 2 信号処理手段 3 増幅器 4 スピーカ 10 モデル構築手段 11 物理量入力手段 12 心理量入力手段 13 相関係数演算手段 14 対応モデル演算手段 20,20A,20B,20C 補正特性抽出手段 21 補正特性演算手段 22 音質入力手段 23 記憶部 24 選択手段 25 補正特性設定手段 26 補間処理手段

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音響再生機器の再生音を受聴したとき、
    受聴者の感じる音質を心理的表現語で表現したとき、前
    記心理的表現語を音の心理特性とし、前記音響再生機器
    の周波数特性を物理特性とするとき、前記音響再生機器
    の音質を前記心理特性により調整する音質調整装置であ
    って、 前記心理特性と前記物理特性との定量的対応モデルを構
    築するモデル構築手段と、 前記モデル構築手段で構築された定量的対応モデルを基
    に、受聴者の希望する心理特性で表現された音質となる
    ように、入力されたオーディオ信号の音質を補正するた
    めの補正特性を抽出する補正特性抽出手段と、 入力されたオーディオ信号を前記補正特性抽出手段で抽
    出された補正特性で補正処理する信号処理手段と、を具
    備することを特徴とする音質調整装置。
  2. 【請求項2】 前記モデル構築手段は、 音響再生機器の物理特性を入力する物理量入力手段と、 前記物理量入力手段で入力された物理特性で前記音響再
    生機器の再生音を受聴したとき、受聴者が感じる心理特
    性を入力する心理量入力手段と、 前記物理特性と前記心理特性との相関係数を演算する相
    関係数演算手段と、 前記相関係数演算手段で演算された相関係数を基に、前
    記物理特性と前記心理特性との定量的対応関係を示す定
    量的対応モデルを算出し、物理特性を前記補正特性抽出
    手段を与える対応モデル演算手段と、を具備することを
    特徴とする請求項1記載の音質調整装置。
  3. 【請求項3】 前記物理量入力手段は、 音響再生機器の持つ再生周波数範囲をn個の周波数帯域
    に分割し、各周波数帯域の音圧の総和をnで除算した値
    を平均音圧レベルとし、各周波数帯域の前記平均音圧レ
    ベルからの差を偏差レベルとしたとき、前記偏差レベル
    及び前記偏差レベルの絶対値のうち少なくとも一方を前
    記物理特性として入力するものであることを特徴とする
    請求項2記載の音質調整装置。
  4. 【請求項4】 前記心理量入力手段は、 前記心理的表現語における正の表現語と前記正の表現語
    と逆の内容である負の表現語との間を複数段階の尺度で
    順位付けし、前記順位付け順序に対して重みづけをした
    ものを評価尺度としたとき、前記評価尺度を前記心理特
    性として入力するものであることを特徴とする請求項2
    記載の音質調整装置。
  5. 【請求項5】 前記対応モデル演算手段は、 前記心理特性の評価尺度を、前記複数の物理特性の偏差
    レベル又は絶対値で線形一次結合し、これによって得ら
    れる重回帰式を前記定量的対応モデルとするものである
    ことを特徴とする請求項2記載の音質調整装置。
  6. 【請求項6】 前記補正特性抽出手段は、 受聴者の希望する音質を前記心理特性で入力する音質入
    力手段と、 前記音質入力手段で入力された音質を実現するための補
    正特性を前記物理特性と前記心理特性との定量的対応モ
    デルに基づいて演算する補正特性演算手段と、を具備す
    るものであることを特徴とする請求項1記載の音質調整
    装置。
  7. 【請求項7】 前記補正特性演算手段は、 前記重回帰式における物理特性を各周波数帯域に渡って
    同じ割合で変化させることを特徴とする請求項6記載の
    音質調整装置。
  8. 【請求項8】 前記補正特性演算手段は、 前記重回帰式における物理特性を重回帰係数の値で重み
    付けして変化させることを特徴とする請求項6記載の音
    質調整装置。
  9. 【請求項9】 前記補正特性演算手段は、 物理特性における各制御量を心理特性における評価尺度
    との相関係数の値で重み付けして変化させることを特徴
    とする請求項6記載の音質調整装置。
  10. 【請求項10】 前記補正特性抽出手段は、 受聴者の希望する音質を前記心理特性で入力する音質入
    力手段と、 前記音質入力手段で入力された音質を実現するための補
    正特性を前記物理特性と前記心理特性の定量的対応モデ
    ルに基づいて演算する補正特性演算手段と、 前記音質入力手段で入力された音質を実現するための補
    正特性を設定する補正特性設定手段と、を具備するもの
    であることを特徴とする請求項1記載の音質調整装置。
  11. 【請求項11】 前記補正特性演算手段は、 前記重回帰式における物理特性を各周波数帯域に渡って
    同じ割合で変化させることを特徴とする請求項10記載
    の音質調整装置。
  12. 【請求項12】 前記補正特性演算手段は、 前記重回帰式における物理特性を重回帰係数の値で重み
    付けして変化させることを特徴とする請求項10記載の
    音質調整装置。
  13. 【請求項13】 前記補正特性演算手段は、 物理特性における各制御量を心理特性における評価尺度
    との相関係数の値で重み付けして変化させることを特徴
    とする請求項10記載の音質調整装置。
  14. 【請求項14】 前記補正特性設定手段は、 複数の補正特性とそれらに対応した音質とを記憶する記
    憶部と、 前記記憶部から1つの特性を選択する選択手段と、を具
    備するものであることを特徴とする請求項10記載の音
    質調整装置。
  15. 【請求項15】 前記補正特性設定手段は、 複数の補正特性とそれらに対応した音質とを記憶する記
    憶部と、 前記記憶部から少なくとも2つ以上の特性を選択する選
    択手段と、 前記選択手段で選択された複数の補正特性を用いて補間
    処理を施し、前記音質入力手段で設定された音質を得る
    ための補正特性を演算する補間処理手段と、を具備する
    ものであることを特徴とする請求項10記載の音質調整
    装置。
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