JPH0829758A - 表示パネルおよびそれを用いた投写型表示装置 - Google Patents

表示パネルおよびそれを用いた投写型表示装置

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JPH0829758A
JPH0829758A JP16206894A JP16206894A JPH0829758A JP H0829758 A JPH0829758 A JP H0829758A JP 16206894 A JP16206894 A JP 16206894A JP 16206894 A JP16206894 A JP 16206894A JP H0829758 A JPH0829758 A JP H0829758A
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transparent
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JP16206894A
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Inventor
Hiroshi Takahara
博司 高原
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】画素電極の周辺で発生する横電界が原因となる
不必要な光抜けを阻止できる表示パネルを提供するこ
と。 【構成】光変調層4を備えるサンドイッチ構造のPD表
示パネル1において、第2基板3の内面において第1基
板2にマトリックス状に設けられる画素電極5それぞれ
の間の位置に対応して、マイクロレンズ9が設けられて
いる。 【効果】これにより、画素電極5間で発生するいわゆる
横電界が原因となる入射光はマイクロレンズ9により屈
折されるので、真っすぐに出射されなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サンドイッチ構造の表
示パネルおよびそれをライトバルブとして用いて画像を
スクリーン上に拡大投映する投写型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば液晶表示パネルは、軽量、薄型な
ど数多くの特徴を有するため、研究開発が盛んである。
しかし、大画面化が困難であるなどの問題点も多い。こ
れに対して、近年では、小型の液晶表示パネルの表示画
像を投写レンズなどによりスクリーンに拡大投映し、大
画面の表示画像を得る投写型表示装置が注目をあつめて
いる。現在、商品化されている投写型表示装置に備える
液晶表示パネルは、光変調層として液晶の旋光特性を利
用したツイストネマティック(以後、TNと称する)モ
ード液晶を用いている。
【0003】このTNモード液晶を用いた表示パネル
(以下、TN液晶表示パネルと称する)を図13および
図14に示して説明する。図13は、TN液晶表示パネ
ルの縦断面図、図14は、第1基板の平面図である。図
例のTN液晶表示パネル50は、主として、透明なガラ
ス基板からなる第1基板51と、透明なガラス基板から
なる第2基板52と、TNモード液晶からなる光変調層
53とを具備している。第1基板51と第2基板52と
は、互いに平行に非接触例えば4〜6μmの隙間を介し
て対向されており、この対向隙間に光変調層53が介装
されている。
【0004】第1基板51の内面には、ITOなどから
なる透明な画素電極54がマトリックス状に形成されて
おり、これら各画素電極54間には金属薄膜からなるソ
ース信号線55、ゲート信号線56が画素電極54に対
して非接触に形成され、画素電極54の個々と両信号線
55,56との間にそれぞれ信号印加用のスイッチング
素子(TFTと称する薄膜トランジスタ)57が形成さ
れている。
【0005】第2基板52の内面全面には、ITOなど
からなる透明な対向電極58が形成されており、この対
向電極58上において第1基板51の画素電極54それ
ぞれの離間領域に対応した位置にはクロムなどで形成さ
れた遮光性を有するブラックマトリックス(以下、BM
と称する)59が形成されている。
【0006】これら、第1基板51の内面の最外表面お
よび第2基板52の内面の最外表面は、配向膜60,6
1で被覆されている。
【0007】このようなTN液晶表示パネル50を備え
る従来の投写型表示装置70を図15に示して説明す
る。図15は、投写型表示装置の概略構成図である。図
中、71は集光光学系、72は赤外線および紫外線を反
射させるUVIRカットフィルタ、73Aは青色光を反
射し緑色光および赤色光を透過するダイクロイックミラ
ー(以下、第1DMと称する)、73Bは緑色光を反射
し赤色光および青色光を透過するダイクロイックミラー
(以下、第2DMと称する)、73Cは赤色光を反射し
緑色光および青色光を透過するダイクロイックミラー
(以下、第3DMと称する)、74A〜74Cは入射光
を直線偏光にするための偏光板、75A〜75CはTN
表示パネル50で変調された光を検出するための検光用
偏光板、76A〜76Cは入射光を図示省略のスクリー
ンの同一位置に重ね合わせるように拡大投映する投写レ
ンズである。
【0008】ここでTN液晶表示パネル50は、偏光板
74A〜74Cと検光用偏光板75A〜75Cとの間に
それぞれ配置されており、その第2基板52を光入射側
つまり偏光板74A〜74C側に向けた状態とされる
が、その反対の状態とする場合もある。
【0009】次に、動作を説明する。まず、集光光学系
71から出射された白色光は第1DM73Aにより青色
光が反射され、この青色光は偏光板74Aに入射され
る。第1DM73Aを透過した光は第2DM73Bによ
り緑色光が反射され偏光板74Bに入射する。また、第
3DM73Cにより赤色光が反射され偏光板74Cに入
射する。偏光板74A〜74Cでは各色光の縦波成分ま
たは横波成分の一方の光のみを透過させ、光の偏光方向
を揃えて各TN液晶表示パネル50の第2基板52側か
ら照射させる。この際、50%以上の光は偏光板74A
〜74Cで吸収され、透過光は入射光の半分以下となっ
てしまう。各TN液晶表示パネル50では、入射光を映
像信号に基づいて変調する。この変調された光はその変
調度合により検光用偏光板75A〜75Cを透過し、投
写レンズ76A〜76Cに入射して、この投写レンズ7
6A〜76Cにより図示省略のスクリーンの同一位置に
重ね合わせるようにして拡大投映される。
【0010】このように、TN液晶表示パネル50を用
いる投写型表示装置70では、TN液晶表示パネル50
の前後に、偏光板(74A〜74C)および検光用偏光
板(75A〜75C)の2枚の偏光板を配置する必要が
あり、これら全体の光の透過率が低減されるために、高
輝度表示ができなくなる。なぜなら、TN液晶表示パネ
ル50の画素開口率を100%とし、偏光板(74A〜
74C)に入射する光量を1とすると、偏光板(74A
〜74C)より出射する光量が40%となり、TN液晶
表示パネル50の透過率が80%となり、検光用偏光板
(75A〜75C)の透過率は80%となるから、全体
としての透過率は0.4×0.8×0.8=約25%と
なる。
【0011】なお、偏光板(74A〜74C、75A〜
75C)で損失した光は、ほとんどが偏光板(74A〜
74C、75A〜75C)に吸収されて熱に変換される
ために、この熱によって偏光板自身が加熱されだけでな
く、輻射熱等によりTN液晶表示パネル50も加熱され
るようになる。特に、前述の投写型表示装置70の場
合、一般的に、偏光板に入射する光量が数万ルクス以上
となるため、偏光板およびTN液晶表示パネル等が高温
状態となり、短期間で著しい性能劣化を引き起こしやす
くなる。
【0012】このような理由から、TN液晶表示パネル
50に代わるものとして、高分子分散液晶表示パネルが
考えられている。この高分子分散液晶表示パネルでは、
TN液晶表示パネル50では必要不可欠な偏光板を用い
ずに済むため、高輝度表示を実現できるようになる。
【0013】従来の高分子分散液晶表示パネルの構成
は、図13および図14に示したTN液晶表示パネル5
0の構成とほぼ同じである。差異としては、高分子分散
液晶表示パネルの場合、配向膜60,61が不要である
ことと、光変調層53を高分子分散液晶としていること
である。
【0014】この高分子分散液晶は、大きく分けて、水
滴状の液晶が高分子中に不連続な状態で分散しているタ
イプ(PDLCタイプと称する)と、液晶中に高分子の
ネットワークを張り巡らせてあたかもスポンジに液晶を
含ませたようなタイプ(PNLCタイプと称する)とが
ある。そして、前者のタイプを用いたものをPD表示パ
ネルと称し、後者のタイプを用いたものをPN表示パネ
ルと称する。これらPDLCタイプおよびPNLCタイ
プを総称して高分子分散液晶と称し、PD表示パネルお
よびPN表示パネルを総称して高分子分散液晶表示パネ
ルと称する。
【0015】これらの高分子分散液晶表示パネルで画像
を表示するためには、光の散乱・透過を制御することに
より行う。つまり、PDLCタイプは、液晶が配向して
いる方向で屈折率が異なる性質を利用する。電圧を印加
していない状態では、それぞれの水滴状液晶は不規則な
方向に配向している。この状態では、高分子と液晶に屈
折率の差が生じ、入射光は散乱する。ここで電圧を印加
すると液晶の配向方向が揃う。液晶が一定方向に配向し
たときの屈折率を予め高分子の屈折率と合わせておく
と、入射光は散乱せずに透過する。一方のPNLCタイ
プは、液晶分子の配向の不規則さそのものを使う。電圧
を印加していない状態つまり不規則な配向状態では入射
した光は散乱する。一方、電圧を印加し配列状態を規則
的にすると光は透過する。
【0016】なお、前述のPDLCタイプやPNLCタ
イプの液晶の動きの説明はあくまでもモデル的な考え方
である。そこで、高分子分散液晶の具体的な動作につい
て、PD表示パネルを例に挙げて説明する。図16およ
び図17は、PD表示パネルでの動作説明図である。図
示するように、光変調層53は、ポリマー531中に水
滴状液晶532を分散させた構成であり、図示省略のス
イッチング素子のオン、オフにより画素電極54に電圧
を印加させて、画素電極54上の水滴状液晶532の液
晶配向方向を可変させて光を変調するようになってい
る。つまり、電圧を印加していない状態では、図16に
示すように、それぞれの水滴状液晶42の液晶分子が不
規則な方向に配向している。この状態ではポリマー53
1と水滴状液晶532とに屈折率差が生じ、入射光は散
乱する。ここで画素電極54に電圧を印加すると、図1
7に示すように、水滴状液晶532の液晶分子が規則的
な一定方向に配向される。この状態での水滴状液晶53
2の屈折率をあらかじめポリマー531の屈折率と合わ
せておくと、入射光は散乱せずに第1基板51側から出
射する。
【0017】このようなPD表示パネルの製造方法とし
ては、第1基板51と第2基板52との間の隙間に、紫
外線硬化樹脂と水滴状液晶42を混合させた溶液を注入
してから、第2基板52または第1基板51側より紫外
線光を照射する。紫外線光が照射されると、紫外線硬化
樹脂はその樹脂成分が硬化してポリマー531となり、
水滴状液晶532それぞれが分散されるようになる。
【0018】なお、PN表示パネルの場合も、製造時に
紫外線光が照射される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した高
分子分散液晶表示パネルの場合、下記するような不都合
がある。
【0020】つまり、高分子分散液晶表示パネルにおい
て、TN液晶表示パネル50と同様に、第2基板52の
対向電極58にBM59を形成していると、第2基板5
2側から紫外線光を照射したときは、BM59の下の領
域の高分子分散液晶の溶液に対して紫外線光が照射され
なくなる。一方、第1基板51側から紫外線光を照射し
たときは、金属薄膜からなるソース信号線55およびゲ
ート信号線56の上の領域の高分子分散液晶の溶液に対
して紫外線光が照射されなくなる。この紫外線光が照射
されない領域の前記溶液中の樹脂は硬化されないので、
硬化しない部分周辺での水滴状液晶532の大きさが大
きくなるなど、表示パネルの安定性を悪化させるととも
に経時変化を引き起こす。そのため、光変調層53の散
乱特性が低下して光透過時においてBM59周辺から光
もれが発生することになる。
【0021】これに対して、BM59を形成せずに、紫
外線光の照射を第2基板52側から行うようにすれば、
高分子分散液晶の溶液の樹脂硬化を均一に行えるように
なるけれども、この場合、下記するような理由により発
生する画素電極54とソース信号線55およびゲート信
号線56との間の離間領域からの光抜けを遮断すること
ができない。この光抜けは、表示コントラストの低下に
直結するので、好ましくない。また、入射光や光変調層
53で散乱された光がスイッチング素子57に入射し
て、誤動作を誘発することも懸念される。
【0022】つまり、必要に応じて電圧が印加される画
素電極54と、スイッチング素子57への信号電圧が常
時印加されるソース信号線55およびゲート信号線56
との間に電位差が生じていると、図18に示すような電
気力線Eが発生する。このように光変調層53内を第1
基板51と平行に発生する電界を横電界と呼ぶ。この電
気力線Eの強度が所定値以上の時(例えば画素電極54
に電圧を印加していない光遮断状態の時)、水滴状液晶
532の液晶分子533が、図19に示すように、電気
力線Eに沿うa−a’方向に配向する。
【0023】ここで、液晶分子533の長軸方向の屈折
率はneであり、短軸方向の屈折率はnoであり、ne
oなる関係がある。ポリマー531の屈折率npと前述
の屈折率noとは略一致させている。今、液晶分子53
3の長軸がa−a’方向に配向しているとすると、光の
成分のうちb−b’方向はno≒npとなるから、入射光
はほぼそのまま透過する。a−a’方向は液晶分子の屈
折率はneでポリマー531の屈折率はnpであるから、
p≠neであるから、入射光は散乱する。要するに、横
電界が発生してそれに沿って液晶分子533が配向すれ
ば理論上は50%の光が透過する。実際は、液晶分子5
33は横電界に完全に配向するものではないから、それ
よりは小さくなる。いずれにせよ、横電界が発生した箇
所に入射した光は偏光依存性をもって出射される。
【0024】以上説明したように、高分子分散液晶表示
パネルにおいて、BM59を形成していると、BM59
の下方に高分子分散液晶の未硬化部分が残って散乱特性
が低下するためにBM59の周辺から光もれが発生する
ことになり、また、BM59を形成していないと、画素
電極54とソース信号線55およびゲート信号線56と
の間に発生する横電界が原因となる画素電極54の周辺
からの光抜けを遮断できなくなる。このような従来の高
分子分散液晶表示パネルを投写型表示装置に用いると、
高分子分散液晶表示パネルからの不必要な光抜け(正規
の映像信号で変調した光でない)が画像ノイズとなり、
鮮明な画像表示ができなくなる。このような理由から、
現状では、投写型表示装置には、TN液晶表示パネル5
0を使用せざるを得ず、高輝度表示が実現できない。
【0025】なお、TN液晶表示パネル50の場合で
も、BM59を形成していないと、やはり、前述した高
分子分散液晶表示パネルと同様、画素電極と信号線との
間に発生する横電界が原因となる画素電極54の周辺か
らの光抜けを遮断できなくなるので、このBM59は必
要不可欠となっている。また、このBM59は、表示パ
ネルの開口面積を狭めることにもなっている。
【0026】したがって、本発明は、画素電極の周辺で
発生する横電界が原因となる不必要な光抜けを阻止でき
る表示パネルを提供することを課題としている。また、
本発明は、画素電極の周辺で横電界を発生させないよう
にして、画素電極周辺からの不必要な光抜けを阻止でき
る表示パネルを提供することを課題としている。さら
に、本発明は、鮮明な画像表示を実現できる投写型表示
装置を提供することを課題としている。さらにまた、本
発明は、高輝度表示を実現できる投写型表示装置を提供
することを課題としている。
【0027】
【発明を解決するための手段】本発明の第1の表示パネ
ルは、片面に透明な画素電極がマトリックス状に設けら
れた透明な第1基板と、第1基板とほぼ平行に離間して
対向配置されかつ第1基板の画素電極形成面と対向する
片面のほぼ全面に透明な対向電極が設けられた透明な第
2基板と、前記両基板間の対向隙間に介装される光変調
層とを具備し、前記第1基板の各画素電極の間または前
記第2基板において第1基板の各画素電極の間に対応し
た位置に光屈折手段が設けられている。なお、前述の光
屈折手段はマイクロレンズとすることができ、この光屈
折手段は第2基板の対向電極形成面側に埋設することが
できる。
【0028】本発明の第2の表示パネルは、片面に透明
な画素電極がマトリックス状に設けられた透明な第1基
板と、第1基板とほぼ平行に離間して対向配置されかつ
第1基板の画素電極形成面と対向する片面のほぼ全面に
透明な対向電極が設けられた透明な第2基板と、前記両
基板間の対向隙間に介装される光変調層とを具備し、前
記第2基板において第1基板の各画素電極の間に対応し
た位置に光回折手段が設けられている。なお、前述の光
回折手段は回折格子とすることができる。
【0029】本発明の第3の表示パネルは、片面に透明
な画素電極がマトリックス状に設けられるとともに各画
素電極間に信号線が非接触に設けられた透明な第1基板
と、第1基板とほぼ平行に離間して対向配置されかつ第
1基板の画素電極形成面と対向する片面のほぼ全面に透
明な対向電極が設けられた透明な第2基板と、前記両基
板間の対向隙間に介装される光変調層とを具備し、少な
くとも前記信号線に前記光変調層の比誘電率よりも低い
比誘電率を有する低誘電体膜が被覆されている。
【0030】本発明の第4の表示パネルは、片面に透明
な画素電極がマトリックス状に設けられるとともに各画
素電極間に信号線が非接触に設けられかつ信号線と前記
画素電極個々との間にそれぞれ信号印加用のスイッチン
グ素子が設けられた透明な第1基板と、第1基板とほぼ
平行に離間して対向配置されかつ第1基板の画素電極形
成面と対向する片面のほぼ全面に透明な対向電極が設け
られた透明な第2基板と、前記両基板間の対向隙間に介
装される光変調層とを具備し、少なくとも信号線および
スイッチング素子に、前記光変調層の比誘電率よりも低
い比誘電率を有する低誘電体膜が被覆されている。
【0031】なお、前述の第3、第4の表示パネルでの
低誘電体膜は、光変調層で変調する光を遮光する性質を
有するものとすることができる。
【0032】本発明の第5の表示パネルは、片面に透明
な画素電極がマトリックス状に設けられるとともに各画
素電極間に信号線が非接触に設けられかつ信号線と前記
画素電極個々との間にそれぞれ信号印加用のスイッチン
グ素子が設けられた透明な第1基板と、第1基板とほぼ
平行に離間して対向配置されかつ第1基板の画素電極形
成面と対向する片面のほぼ全面に透明な対向電極が設け
られた透明な第2基板と、前記両基板間の対向隙間に介
装される光変調層とを具備し、少なくとも前記信号線お
よびスイッチング素子に、前記光変調層の比誘電率より
も低い比誘電率を有する低誘電体膜が被覆されていると
ともに、前記スイッチング素子の上方に、当該素子への
光入射を遮断する遮光膜が被覆されている。
【0033】本発明の第6の表示パネルは、片面に透明
な画素電極がマトリックス状に設けられるとともに各画
素電極間に信号線が非接触に設けられかつ信号線と前記
画素電極個々との間にそれぞれ信号印加用のスイッチン
グ素子が設けられた透明な第1基板と、第1基板とほぼ
平行に離間して対向配置されかつ第1基板の画素電極形
成面と対向する片面のほぼ全面に透明な対向電極が設け
られた透明な第2基板と、前記両基板間の対向隙間に介
装される光変調層とを具備し、前記第1基板において少
なくとも前記画素電極と信号線との間の離間領域に、光
を遮断する遮光膜が被覆されている。
【0034】本発明の第7の表示パネルは、片面に透明
な画素電極がマトリックス状に設けられるとともに各画
素電極間に信号線が非接触に設けられかつ信号線と前記
画素電極個々との間にそれぞれ信号印加用のスイッチン
グ素子が設けられた透明な第1基板と、第1基板とほぼ
平行に離間して対向配置されかつ第1基板の画素電極形
成面と対向する片面のほぼ全面に透明な対向電極が設け
られた透明な第2基板と、前記両基板間の対向隙間に介
装される光変調層とを具備し、前記第1基板において前
記画素電極と信号線との間の離間領域および前記スイッ
チング素子に、光を遮断する遮光膜が被覆されている。
【0035】なお、第5、第6、第7の表示パネルの遮
光膜は、光を反射または散乱する性質を有するものとす
るのが好ましい。また、上記第1ないし第7の表示パネ
ルでの光変調層は、PDLC、PNLCなどの高分子分
散液晶とするのが好ましいが、当該高分子分散液晶と同
様の性質の動的散乱モード(DSM)の液晶あるいは一
種の強誘電液晶などとしたり、TNモードやSTNモー
ドの液晶とすることもできる。これら液晶の他、PLZ
Tと称するセラミックスからなる光変調層を用いること
ができる。さらに、光変調層を高分子分散液晶とする場
合、第1基板と第2基板との離間間隔を確保しかつ黒色
または光変調層で変調する光色の補色に着色されている
保持手段を備えるのが好ましい。
【0036】本発明の第1の投写型表示装置は、第1な
いし第7のいずれかの表示パネルと、光発生手段と、前
記光発生手段が発生した光を前記表示パネルに導く光学
手段と、前記表示パネルで変調した光を投映する投写手
段とを具備する。
【0037】本発明の第2の投写型表示装置は、一つの
光発生手段と、前記光発生手段が放射する光を、青色、
緑色および赤色の3つの光路に分離する色分離手段と、
前記3つの光路のそれぞれに配置された第1ないし第7
のいずれかの表示パネルと、前記表示パネルが変調した
光を投映する投写手段を具備する。
【0038】
【作用】本発明では、要するに、第2基板にBMを形成
しない構造として、表示パネルとしての開口面積を大き
くできるようにしながら、画素電極周辺からの不必要な
光抜けを無くせるようにしている。特に、光変調層を高
分子分散液晶とする場合においては、製造時において紫
外線をむらなく照射できて均一に硬化できるようにな
る。
【0039】本発明の第1、第2の表示パネルでは、画
素電極と信号線との間に横電界が発生するのを許容する
が、垂直方向に入射する光を屈折または回折させるか
ら、例えば光の入射方向を第2基板側からとする場合、
光が前記横電界発生部位へ到達しなくなって画素電極周
辺から第1基板側へ通り抜けできなくなる一方、光の入
射方向を第1基板側からとする場合には、第2基板から
の光の出射方向が垂直方向にならずに所定角度を持つよ
うになり、光変調層で散乱される。
【0040】本発明の第3、第4の表示パネルでは、低
誘電体膜により画素電極と信号線との間に横電界を発生
させないようにしているから、例えば光の入射方向を第
2基板側からとする場合、垂直方向に入射する光が画素
電極周辺から第1基板側へ通り抜けできなくなる一方、
光の入射方向を第1基板側からとする場合には、光が画
素電極周辺から光変調層へ入射されなくなる。
【0041】本発明の第5の表示パネルでは、第4の表
示パネルの作用に加えて、光変調層で散乱された光がス
イッチング素子上の遮光膜で遮断されるようになるか
ら、スイッチング素子に対して誤動作を誘発しうる光が
照射されなくなる。
【0042】本発明の第6の表示パネルでは、画素電極
周辺で光が遮断されるようになるから、例えば光の入射
方向を第2基板側からとする場合、入射する光が画素電
極周周辺から第1基板側へ通り抜けできなくなる一方、
光の入射方向を第1基板側からとする場合には、画素電
極周辺から光が光変調層へ入射されなくなる。
【0043】本発明の第7の表示パネルでは、第6の表
示パネルの作用に加えて、光変調層で散乱された光がス
イッチング素子上の遮光膜で遮断されるようになるか
ら、スイッチング素子に対して誤動作を誘発しうる光が
照射されなくなる。
【0044】第5ないし第7の表示パネルの遮光膜とし
て、入射光を散乱もしくは反射する性質のものとすれ
ば、光を吸収する性質のもののような熱変換作用がない
から、表示パネルが内部から加熱されずに済む。
【0045】本発明の第1、第2の投写型表示装置で
は、前述したように不必要な光抜け(正規の映像信号で
変調した光でないもの)のない表示パネルを用いるか
ら、画像ノイズがなくなる。また、表示パネルの光変調
層を高分子分散液晶とした場合には、高輝度表示が行え
るようになる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の詳細を図1ないし図12に示
す実施例に基づいて説明する。ここでは、表示パネルと
して、PDLCタイプの高分子分散液晶からなる光変調
層を用いたいわゆるPD表示パネルを例に挙げる。
【0047】図1ないし図3は、本発明の請求項1,
2,3に対応する第1実施例にかかり、図1は、PD表
示パネルの縦断面図、図2は、第1基板の平面図、図3
は、動作説明に用いる図1の要部拡大図である。
【0048】図例のPD表示パネル1は、主として、透
明なガラス基板などからなる第1基板2と、透明なガラ
ス基板などからなる第2基板3と、高分子分散液晶から
なる光変調層4とを具備している。第1基板2と第2基
板3とは、互いに平行に非接触例えば4〜6μmの隙間
を介して対向されており、この対向隙間に光変調層4が
介装されている。なお、PD表示パネル1は、従来の図
13および図14に示すTN液晶表示パネル50と異な
り、第1基板2の内面の最外表面および第2基板3の内
面の最外表面に配向膜60,61が設けられていない。
【0049】第1基板2の内面には、ITOなどからな
る透明な画素電極5がマトリックス状に形成されてお
り、これら各画素電極5間の格子状の離間領域には金属
薄膜からなる帯状のソース信号線6、ゲート信号線7が
画素電極5に対して非接触に形成され、画素電極5の個
々と両信号線6,7との間にそれぞれ信号印加用のスイ
ッチング素子(TFTと称する薄膜トランジスタ)8が
形成されている。
【0050】第2基板3の内面において第1基板2の画
素電極5それぞれの離間領域に対応した位置(図2の仮
想線参照)には、光屈折手段としてのマイクロレンズ9
が埋設されており、この第2基板3の内面全面には、I
TOなどからなる透明な対向電極10が形成されてい
る。このマイクロレンズ9は、平面的に見ると、従来の
TN液晶表示パネル50でのBM59の形成位置とほぼ
同じ位置に形成されている。このマイクロレンズ9は、
図示するように断面半球状に形成されており、その屈折
率の分布がシリンドリカル状になっている。これはマイ
クロレンズ9の製造方法に起因している。つまり、第2
基板3のもとになるソーダガラス基板にマスクとしての
Ti膜を蒸着してから、このTi膜においてマイクロレ
ンズ9を形成する箇所にフォトリソグラフィ技術により
窓を開け、1価イオンの硝酸塩の溶融液に浸し、400
度以上に加熱処理を行なう。加熱時、溶融中の陽イオン
が前記窓からガラス基板内に等方拡散しイオン交換が行
われる。イオン交換された部分は屈折率分布を生じ、こ
こがマイクロレンズ9となる。屈折率は1.5〜1.7
である。こうしてから前記Ti膜をエッチングにより除
去する。この後、前述の対向電極10が形成される。
【0051】光変調層4は、従来例の項目で詳細に説明
したPDLCタイプの高分子分散液晶が用いられてい
る。このPDLCタイプの高分子分散液晶は、従来例の
説明に用いた図16および図17に示すように、高分子
マトリックスとしてのポリマー41中に水滴状液晶42
を分散させた構成であり、水滴状液晶42は、電圧印加
時に透明状態となり、非電圧印加時に散乱(白濁)状態
となる。もちろん、印加電圧に応じて中間状態にもでき
る。
【0052】水滴状液晶42の材料としては、ネマティ
ック液晶、スメクティック液晶、コレステリック液晶が
好ましく、単一もしくは2種類以上の液晶性化合物や液
晶性化合物以外の物質も含んだ混合物であってもよい。
なお、先に述べた液晶材料のうち、異常光屈折率ne
常光屈折率noの差の比較的大きいシアノビフェニル系
もしくはクロル系のネマティック液晶を選定するのが好
ましい。中でも、クロル系のネマティック液晶は耐光性
等が良好で最も好ましい。本実施例ではクロル系の液晶
が採用されている。
【0053】一方、ポリマー41の材料としては、透明
なポリマーが好ましく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
光硬化性樹脂のいずれであってもよいが、製造工程の容
易さ、液晶相との分離等の点より紫外線硬化タイプの樹
脂を用いるのが好ましい。具体的には、紫外線硬化性ア
クリル系樹脂が挙げられ、特に紫外線照射によって重合
硬化するアクリルモノマー、アクリルオリゴマーを含有
するものが好ましい。中でも、フッ素系の樹脂が好まし
い。
【0054】このような高分子形成モノマーとしては、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールドアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールアクリレートなどが挙げられる。また、オリゴ
マーもしくはプレポリマーとしては、ポリエステルアク
リレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリ
レートなどが挙げられる。
【0055】また、ポリマー41の重合を速やかに行な
う為に重合開始剤を用いてもよく、この重合開始剤の例
として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア117
3」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1116」)、1−ビドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン(チバガイキー社製「イルガキュア
184」)、ベンジルメチルケタール(チバガイギー社
製「イルガキュア651」)などが挙げられる。その他
に任意成分として連鎖移動剤、光増感剤、染料、架橋剤
などを適宜併用することができる。
【0056】そして、光変調層4中の液晶材料の割合は
ここで規定してないが、一般には20重量%〜90重量
%程度が良く、好ましくは50重量%〜80重量%程度
が良い。20重量%以下であると液晶滴の量が少なく、
屈折率変化の効果が乏しくなる。また、90重量%以上
となるとポリマー41と水滴状液晶42が上下2層に相
分離する傾向が強まり、界面の割合は小さくなり液晶の
散乱性能が低下する。光変調層4の構造は液晶比率によ
って変わり、ほぼ50重量%以下では液晶は独立したド
ロップレット状つまり水滴状液晶42として存在し、5
0重量%以上となるとポリマー41と水滴状液晶42が
互いに入り組んだ連続相となる。
【0057】このような構成の光変調層4では、紫外線
硬化性化合物中に液晶材料を均一に溶解させた液状ない
しは粘稠物を、第1、第2基板2,3の間の対向隙間に
注入した後に、紫外線照射を行って紫外線硬化性化合物
のみを硬化させ、その際に液晶材料のみ相分離させるこ
とにより、光変調層4を形成する。この紫外線照射時に
は、特に第2基板3側から行うことにより、従来のよう
なBM59が原因となる照射漏れがないから、樹脂硬化
を均一に行えるようになる。
【0058】以上説明した構成のPD表示パネル1にお
いて、第1基板2および第2基板3の屈折率n2は1.
5程度、光変調層4の屈折率n3は1.5程度、画素電
極5および対向電極10の屈折率n1は2.0程度、マ
イクロレンズ9の屈折率は1.5〜1.7であり、この
ように屈折率が異なるとその界面で反射が生じる。屈折
率nxと屈折率nyの材料での界面の反射率Rは下記数式
1で示される。
【0059】
【数1】
【0060】数式1にn1、n2、およびn1、n3の値を
代入すれば、それぞれ2%程度となる。界面は4箇所あ
るから、全体として2×4=8%の反射光が生じる。反
射光は光損失となる。また、反射光はハレーションの原
因にもなり好ましくない。
【0061】反射光を防止するためには画素電極5およ
び対向電極10となるITOの光学的膜厚をλ/2にす
ればよい。λは設計主波長である。通常は設計主波長は
表示パネルで変調する光の中心波長である。もしくは、
エネルギー分布の平均値に値する波長である。光学的膜
厚をλ/2にすれば干渉が生じ、反射率を低減できる。
このときの波長と反射率との関係はV字カーブとなる。
つまり、設計主波長で最も反射率が低減し、設計主波長
をはなれるにしたがって反射率は上昇する。
【0062】投写型表示装置に3枚の表示パネルをライ
トバルブとして用いる場合、各表示パネルが分担する光
の帯域幅は狭い。したがって、波長と反射率との関係が
V字カーブであっても、谷の部分を使用するため、低反
射率を実現できる。
【0063】次に、動作を説明する。ここでのPD表示
パネル1では、画素電極5とソース信号線6およびゲー
ト信号線7との間に従来例で説明したような横電界が発
生するのを回避するものではなく、この横電界の発生が
原因となって画素電極5周辺で不必要な光抜けが起こる
のを阻止するものである。つまり、このような光抜けは
光線が光変調層4内を直進することにより生じるのであ
るが、光入射方向を第2基板3側からとする場合、マイ
クロレンズ9のない位置では光が光変調層4に対して垂
直方向から入射するけれども、マイクロレンズ9の存在
する位置では入射光がマイクロレンズ9によって屈折さ
れるため、光変調層4で散乱されて画素電極5とソース
信号線6およびゲート信号線7との間の離間領域へ向け
て真っすぐ進行することがなくなり、したがって、この
離間領域から光が出射されなくなる。仮に、散乱光が前
記離間領域から出射されたとしても、この光は第1基板
2に対して垂直方向でないから、有効光として扱われ
ず、光変調層4で光が散乱されたのと同じになる。一
方、光入射方向を第1基板2側からとする場合、画素電
極5とソース信号線6との間の離間領域から光が入射し
て光変調層4を真っすぐに進行すると、マイクロレンズ
9のない位置では必要な光が第2基板3から出射するけ
れども、マイクロレンズ9の存在する位置ではマイクロ
レンズ9によって光が屈折されて出射される。この出射
光は、有効光として扱われないので、光変調層4で光が
散乱されたのと同じになる。
【0064】特にこの効果は、本発明にかかるPD表示
パネル1を後述する投写型表示装置のライトバルブとし
て用いたときに特に発揮する。つまり、投写型表示装置
の投写レンズは光変調層4から所定角度以内で出射した
光のみをスクリーンに投映するように構成されており、
前述のようにマイクロレンズ9で角度を所定角度以上に
曲げられた光は投写レンズに入射しないから、スクリー
ンに到達しなくなり、したがって、画像ノイズが発生し
なくなって良好な画像表示を実現できるようになる。
【0065】ところで、第1実施例でのPD表示パネル
1のように、従来のTN液晶表示パネル50において必
要不可欠な配向膜60,61を形成しない構造であれ
ば、次のような利点がある。つまり、従来のTN液晶表
示パネル50において必要不可欠な配向膜60,61の
膜厚としては、光学的干渉の効果により反射率を低減さ
せるために10Åの精度で膜厚制御して形成する必要が
あるが、そのような制御は実質的に困難であるので、T
N液晶表示パネル50では良好な光学的干渉を生じさせ
ることができず、反射率を低減できないとされる。これ
に対して、本実施例のPD表示パネル1では、画素電極
5および対向電極10とするITOの膜厚を設計主波長
にすることにより光学的干渉効果を発揮することができ
て、低反射率化を実現できる。反射率の低減は光変調層
4内でのハレーション低減につながり画素のにじみなど
も防止でき、表示品位も向上する。
【0066】なお、上記第1実施例では、マイクロレン
ズ9を第2基板3に形成しているけれども、マイクロレ
ンズ9を第1基板2に形成してもよいし、また、第1基
板2と第2基板3の両方に形成してもよい。マイクロレ
ンズ9を第1基板2に形成する場合、第1基板2におい
てソース信号線6やゲート信号線7の下方に形成するの
がよい。また、第1基板2と第2基板3との対向隙間
は、図示しないが透明ビーズやファイバーなどの封止部
材(請求項14の保持手段に相当)により確保されるよ
うになっており、この封止部材により光変調層4が密封
されるようになっている。この封止部材は光変調層4の
層厚に応じた寸法に設定される。この封止部材として
は、黒色または光変調層4に入射する光の色と補色の関
係を持つ色(例えば入射光が青色の場合、黄色)に着色
するのが好ましい。この封止部材が透明であれば、光変
調層4が白濁の散乱状態であっても、封止部材から光抜
けが生じるけれども、前述のような着色がされていれば
前述の光抜けは無くなり、表示コントラストが良好に維
持されるようになる。黒色の着色をすれば、光変調層4
で変調する光(入射光)を吸収する。これらの事項は、
本発明の表示パネルを投写型表示装置のライトバルブと
して用いる場合に特に有効である。この投写型表示装置
は後で詳細に説明するが、青色、緑色および赤色を変調
する三つの表示パネルを具備しており、三つの表示パネ
ルは青色、緑色または赤色の対応する一色を変調するよ
うになっているから、封止部材の着色としては入射光に
対して補色の関係にある色に設定される。
【0067】図4ないし図6は、本発明の請求項4,5
に対応する第2実施例にかかり、図4は、PD表示パネ
ルの縦断面図、図5は、回折格子の斜視図、図6は、動
作説明に用いる図4の要部拡大図である。第2実施例の
図において第1実施例の図1ないし図3と同じ符号は対
応する部分を指している。
【0068】第2実施例では、第2基板3の対向電極1
0の表面において第1基板2の画素電極5それぞれの離
間領域に対応した位置(図2の仮想線参照)には、光回
折手段としての回折格子11が形成されている。
【0069】この回折格子11は、図5(a)に示すよ
うなストライプ状や、図5(b)に示すようなドットマ
トリックス状のものが考えられる。なお、回折格子11
の断面形状は、矩形に限定されるものではなく、サイン
カーブ状、ノコギリ歯状、三角状等のいずれであっても
よい。また、回折格子11は、対向電極10の下方に形
成してもよい。これはつまり、第2基板3上に前述のよ
うな回折格子11を形成し、その上に対向電極10を形
成する構成を言う。
【0070】また、回折格子11の材料としては、光変
調層4の屈折率と差異がある方が好ましい。差がある方
が回折格子11の高さを低くでき、形成が容易だからで
ある。例えば、ITO、TiO2、ZrO2、Y23、M
gF2などが挙げられ、また、SiO2なども用いること
ができるであろう。また、通常の半導体の製造に用いる
レジスト材料なども用いることができる。このレジスト
材料を用いた回折格子11の形成方法としては、ロール
クォーターあるいはスピンナー等で基板上に塗布し、パ
ターンマスクを用いて必要な部分のみ重合するなどすれ
ばよい。また、ポリマー+ドーパントからからなる感光
性樹脂を基板にスピンコートし、パターンマスクを介し
て露光したのち、減圧加熱によりドーパントを昇華させ
る方式でドライ現像する方法もある。
【0071】さらに、回折格子11のピッチp、高さd
は、変調する光の波長λ、光変調層4の屈折率、回折格
子11の凹凸の屈折率および光学系の光の指向性および
必要とする回折効率などによりかなり異なる。電圧無印
加の状態で、出射光線は散乱及び回折の影響を受けてい
る。図例のように、回折格子11の断面形状が矩形の場
合は回折角度θおよび0次回折光の効率η0は以下のよ
うに与えられる。
【0072】
【数2】
【0073】
【数3】
【0074】したがって、回折格子11のピッチp、高
さdは、光学系の光の指向性、回折角度θ、波長λによ
り決定すべきである。しかし、回折格子11形成上のプ
ロセス条件などに左右されることも多い。およそ回折格
子11のピッチpは2μm〜60μmであり、中でも4
μm〜20μmが最適である。回折格子11の高さd
は、回折効率に大きく依存する。△nが0.1であれ
ば、回折格子11の断面形状が矩形の場合、高さdは0
次光を0にしようとすると3〜5μm必要である。しか
し、通常、0次光を完全に0にする必要はなく、回折効
率が40〜70%よいならば高さdは2〜3μmでよ
い。△nが大きければ回折格子11の高さdも低くて済
み、形成も容易である。
【0075】このような第2実施例のPD表示パネル1
では、回折格子11が第1実施例でのマイクロレンズ9
と同様に入射した光を屈折させるので、第1実施例と同
様の作用、効果を奏する。
【0076】図7および図8は、本発明の請求項6,7
に対応する第3実施例にかかり、図7は、PD表示パネ
ルの縦断面図、図8は、動作説明に用いる図7の要部拡
大図である。第3実施例の図において第1実施例の図1
ないし図3と同じ符号は対応する部分を指している。
【0077】第3実施例では、横電界が発生しうる箇所
つまり画素電極5それぞれの間の離間領域(図2の仮想
線参照)上に低誘電体膜12を被覆形成している。この
低誘電体膜12は、光変調層4の比誘電率よりも低い比
誘電率の材料で形成されており、光変調層4との対比に
より低誘電体と表現されている。具体的に、光変調層4
は、前述しているようにポリマー41と水滴状液晶42
の混合物からなり、ポリマー41の比誘電率は5前後
で、水滴状液晶42の比誘電率は15〜30であるか
ら、光変調層4の比誘電率としては5以上30以下とな
る。つまり、低誘電体膜12は、通常の光変調層4の比
誘電率が15〜40程度であることを考慮して、例えば
比誘電率10以下の材料で形成するのが好ましい。
【0078】低誘電体膜12の材料としては、例えばポ
リマー41と同じ材料、SiO2などの無機材料、ある
いは半導体プロセスに用いるレジスト材料が挙げられ
る。なお、低誘電体膜12は、比較的厚く形成する必要
があるため、ポリマー41あるいはレジストなどの有機
材料を用いることが好ましい。
【0079】次に、動作を説明する。つまり、低誘電体
膜12が無ければ、従来例で説明したように、画素電極
5とソース信号線6およびゲート信号線7との間に所定
以上の電位差が生じたときに横電界が生じるのである
が、低誘電体膜12の内部では、ソース信号線6および
ゲート信号線7から発生する電気力線Eが減衰されるた
め、光変調層4におよばない。したがって、横電界が原
因となる画素電極5周辺での光抜けは発生しなくなる。
また、一部の電気力線Eが低誘電体膜12の上方の光変
調層4の水滴状液晶42を通過するようになっても、ご
く弱くなり水滴状液晶42の液晶分子43は配向しな
い。
【0080】ところで、低誘電体膜12の膜厚を厚く設
定すればする程、横電界の発生を防止する効果が大とな
り、直進光抜けを防止する効果が大きくなる。したがっ
て、低誘電体膜12は、第1基板2と第2基板3との間
の対向隙間全体を埋めるような膜厚に設定してもよい。
このように低誘電体膜12の膜厚を厚く形成することに
よって第1基板2などに凹凸が生じても、PD表示パネ
ル1はラビング等の配向処理が必要ないので、さしたる
支障はない。しかし、TN液晶表示パネル50の場合で
は、第1基板2などに凹凸が生じると、機能的な支障が
あるので、TN液晶表示パネル50に第3実施例を適用
する場合には、低誘電体膜12の膜厚を比較的小さく設
定するか、あるいは第1基板2と第2基板3との間の対
向隙間全体を埋めるような膜厚に設定するのが好まし
い。また、低誘電体膜12は、画素電極5の外周縁上に
またがるように形成するほうが光抜け防止を図る上で効
果的である。
【0081】なお、この第3実施例での低誘電体膜12
は、光変調層4内で乱反射する光を吸収する性質を有す
るものとすることができる。この場合には、画像品位の
向上に貢献できる。具体的に、例えば、低誘電体膜12
の材料として、黒色の色素あるいは顔料を樹脂中に分散
したものを用いても良いし、カラーフィルターの様に、
ゼラチンやカゼインを黒色の酸性染料で染色してもよ
い。黒色色素の例としては、単一で黒色となるフルオラ
ン系色素を発色させて用いてもよいし、緑色系色素と赤
色系色素とを混合した配色ブラックを用いることもでき
る。また、この実施例のPD表示パネル1を投写型表示
装置のライトバルブとして用いる場合は、光が赤色、緑
色、青色となるから、それぞれの光を吸収できるように
低誘電体膜12を設定すれば良い。つまり、光の色に対
して、補色の関係にある色素を低誘電体膜12に含有さ
せればよい。また、低誘電体膜12としては、特定波長
を吸収できるように、例えば、カラーフィルタ用の光吸
収材料を望ましい光吸収特性が得られるように改良して
用いれば良い。基本的には前記した黒色吸収材料と同様
に、色素を用いて天然樹脂を染色したり、色素を合成樹
脂中に分散した材料を用いることができる。色素の選択
の範囲は黒色色素よりもむしろ幅広く、アゾ染料、アン
トラキノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメ
タン染料などから適切な1種、もしくはそれらのうち2
種類以上の組み合わせでも良い。但し、黒色色素は光変
調層4に悪影響を与える材料が多いので、前述のように
特定波長を吸収できる色素を光吸収薄膜の含有色素とし
て採用するほうが好ましい。
【0082】図9は、本発明の請求項10に対応する第
4実施例にかかり、図9は、PD表示パネルの縦断面図
である。第4実施例の図において第1実施例の図1ない
し図3と同じ符号は対応する部分を指している。
【0083】第4実施例では、画素電極5とソース信号
線6およびゲート信号線7との間の離間領域に光を遮断
する遮光膜13を被覆形成している。この遮光膜13
は、入射光を反射または散乱する性質を持つものが好ま
しく、光を吸収する性質を持つものは光吸収によって熱
変換されるために昇温するなど好ましくない。
【0084】具体的に、遮光膜13の材料としては、例
えばアクリル樹脂に、このアクリル樹脂と屈折率が異な
るガラスの微粉末またはTiO2の微粉末などを拡散混
合させたものなどが挙げられる。
【0085】このような第4実施例では、光入射方向が
第1基板2側や第2基板側のいずれであっても、画素電
極5とソース信号線6およびゲート信号線7との間に横
電界が発生したときでも、画素電極5とソース信号線6
およびゲート信号線7との間の離間領域つまり画素電極
5周辺での不必要な光抜けを阻止することができる。な
お、本発明は上記実施例のみに限定されない。つまり、
第1実施例ないし第4実施例を相互に組み合わせること
ができる。
【0086】具体的に、例えば第1実施例や第2実施例
に対して、それぞれ第3、第4実施例のいずれか一方ま
たは両方の構成を付加することができる。また、第3実
施例での低誘電体膜12上に第4実施例での遮光膜13
を被覆形成することができる。この場合、低誘電体膜1
2を通過する光を完全に防止することができる。さら
に、第3実施例での低誘電体膜12の材料に遮光膜13
での分散剤を混合するなどして、第4実施例での遮光膜
13の性質を持つようにすることができる。さらに、第
1実施例ないし第4実施例において、図10に示すよう
に、スイッチング素子8の上に遮光膜14を被覆形成し
てもよい。この遮光膜14は、光変調層4で散乱した光
を吸収または反射して、スイッチング素子8を構成する
半導体層への光入射を阻止するものである。これは、ス
イッチング素子8の半導体層への光入射によりホトコン
ダクタ現象が発生してスイッチング素子8のオフ特性が
悪くなることを考慮したものであり、このようなスイッ
チング素子8の誤動作を阻止する上で有利となる。この
遮光膜14の材料としては、例えばアクリル樹脂にカー
ボンを分散させたものが挙げられる。試作した結果によ
れば、遮光膜14の膜厚が2μmのときの光透過率は
0.3%以下であった。なお、遮光膜14としては、S
iO2などの無機薄膜などと、この無機薄膜上に積層さ
れる金属薄膜(Cr、Alなど)とで構成することもで
きる。金属薄膜としてCrを用いる場合、十分な遮光性
能を発揮させるには遮光膜14としての膜厚を1000
Å程度に設定するのがよい。一方、金属薄膜としてAl
を用いる場合、十分な遮光性能を発揮させるには遮光膜
14としての膜厚を5000Å以上に設定する必要があ
る。また、上記実施例では、光変調層4を高分子分散液
晶を用いた構成としたが、これに限定されず、高分子分
散液晶と同様の性質の動的散乱モード(DSM)の液
晶、あるいは一種の強誘電液晶などとしたり、TNモー
ドやSTNモードの液晶などとすることができる。した
がって、本発明は、上記各実施例で例示したPD表示パ
ネル1のみに限定されるものではない。
【0087】そして、上記各実施例のPD表示パネル1
は、投写型表示装置のライトバルブとして用いることが
できる。その例を図11および図12に示して説明す
る。
【0088】図11は、本発明の請求項15,16に対
応する第1の投写型表示装置の実施例にかかり、概略構
成図を示している。第1の投写型表示装置20は、3つ
の投写レンズによりスクリーンに拡大投映する方式であ
る。
【0089】図中、21は集光光学系、22は赤外線お
よび紫外線を反射させるUVIRカットフィルタ、23
Aは青色光を反射し赤色光および緑色光を透過するダイ
クロイックミラー(以下、第1DMと称する)、23B
は緑色光を反射し赤色光および青色光を透過するダイク
ロイックミラー(以下、第2DMと称する)、23Cは
赤色光を反射し緑色光および青色光を透過するダイクロ
イックミラー(以下、第3DMと称する)、24A〜2
4Cはレンズ、25A〜25Cはしぼりとしてのアパー
チャ、26A〜26Cは入射光を図示省略のスクリーン
の同一位置に重ね合わせるように拡大投映する投写レン
ズである。なお、24A〜24C、25A〜25Cおよ
び26A〜26Cで投写光学系を構成している。
【0090】ここでPD表示パネル1は、第1DM23
A〜第3DM23Cとレンズ24A〜24Cとの間に配
置されており、第2基板23を光入射側である第1DM
23A〜第3DM23Cに向けた状態とされるが、反対
の状態とする場合もある。
【0091】なお、集光光学系21は、内部に凹面鏡お
よび光発生手段としてのメタルハライドランプあるいは
キセノンランプを配置している。前記ランプはアーク長
が3mm以上6mm以下のものを用いる。メタルハライ
ドランプは250Wクラスのものでアーク長は略6.5
mm、150Wクラスのものでアーク長は略5mmのも
のが販売されている。凹面鏡はランプのアーク長にあわ
せて適正値に設計する。凹面鏡は楕円面鏡あるいは放物
面鏡を用いる。
【0092】集光光学系21からの出射された白色光は
UVIRカットフィルタ22により不要な青色光および
赤色光成分はカットされる。フィルタ22の帯域は半値
の値で430nm〜690nmである。以後、光の帯域
を記述する際は半値で表現する。緑色光の帯域は510
〜570nm、青色光の帯域は430nm〜490n
m、赤色光の帯域は600nm〜690nmである。こ
れらの光の帯域は本発明の投写型表示装置20の第2実
施例についても同様である。各PD表示パネル1はそれ
ぞれの映像信号に応じて散乱状態の変化として光学像を
形成する。
【0093】なお、第1DM23A〜第3DM23Cの
配置は、同図の順序に限定するものではなく、第3DM
23Cは全反射ミラーで代用してもよい。また、第1D
M23A〜第3DM23Cに代わりに、ダイクロイック
フィルタ、ダイクロイックプリズム等を用いてもよい。
【0094】三つのPD表示パネル1において、赤色光
を変調するPD表示パネル1の光変調層4の膜厚を他の
緑色光および青色光を変調するPD表示パネル1の光変
調層4の膜厚に比較して厚めに設定している。また、変
調する光の波長に応じて、光変調層4の水滴状液晶42
の液晶分子43の平均粒子径またはポリマーネットワー
ク41の平均孔径を変化させている。これは光が長波長
になるほど散乱特性が低下しコントラストが低くなる傾
向があるからである。
【0095】アパーチャ25A〜25Cは、投写レンズ
の集光角を規定するものであるから、投写レンズの機能
に含まれるものとして考えることができる。つまりF値
が大きければアパーチャ25A〜25Cの穴径は小さい
と考えることができる。高コントラスト表示を得るため
には投写レンズのF値は大きいほどよい。しかし、大き
くなると白表示の輝度は低下する。通常はアパーチャは
なく、図示例のようにアパーチャ25A〜25Cと投写
レンズ26A〜26Cで1つの投写レンズを構成する。
【0096】次に、動作を説明する。なお、R、G、B
光のそれぞれの変調系については、ほぼ同一動作である
ので青色光の変調系について例にあげて説明する。
【0097】集光光学系21から白色光が照射され、こ
の白色光の青色光成分は第1DM23Aにより反射され
る。この青色光はPD表示パネル1に入射する。PD表
示パネル1は、従来例の説明で用いた図16および図1
7に示すように、画素電極に印加された信号により入射
した光の散乱と透過状態とを制御し光を変調する。散乱
した光はアパーチャ25Aで遮光され、逆に平行光また
は所定角度内の光はアパーチャ25Aを通過する。変調
された光は投写レンズ26Aによりスクリーン(図示せ
ず)に拡大投映される。以上のようにして、スクリーン
には画像の青色光成分が表示される。なお、緑色光成分
および赤色光成分の光も同様にPD表示パネル1で変調
されて、スクリーン上に三つの光成分が重なるように拡
大投映されて、カラー画像が表示される。
【0098】このような第1の投写型表示装置20で
は、PD表示パネル1の画素電極5周辺からの不必要な
光抜けがないので、非常に良好な画像表示を実現でき
る。
【0099】図12は、本発明の請求項15,16に対
応する第2の投写型表示装置の実施例にかかり、概略構
成図を示している。第2の投写型表示装置30は、一つ
の投写レンズでスクリーンに拡大投映する方式である。
【0100】図中、31は光発生手段としてのランプ、
32A〜32Cは全反射ミラー、33は赤外線および紫
外線を反射させるUVIRカットフィルタ、34Aは赤
色光を反射し緑色光と青色光を透過するダイクロイック
ミラー(以下、第1DMと称する)、34Bは緑色光を
反射し赤色光を透過するダイクロイックミラー(以下、
第2DMと称する)、34Cは緑色光を反射し青色光を
透過するダイクロイックミラー(以下、第3DMと称す
る)、34Dは青色光を反射し緑色光および赤色光を透
過するダイクロイックミラー(以下、第4DMと称す
る)、35A〜35Cはフィールドレンズ、36は入射
光を図示省略のスクリーンの同一位置に重ね合わせるよ
うに拡大投映する投写レンズである。
【0101】ここで、PD表示パネル1は、R・G・B
光の3原色の光路に個別にそれぞれ配置されており、第
2基板23を光入射側であるフィールドレンズ35A〜
35Cに向けた状態とされるが、反対の状態とする場合
もある。
【0102】次に、動作を説明する。ランプ31から出
射された光は、全反射ミラー32Aにより反射され、光
の方向を変化させられる。この光は、UVIRカットフ
ィルタ33により紫外線領域および赤外線領域の波長の
光がカットされる。紫外線および赤外線をカットされた
光は、第1DM34A、第2DM34BによりR・G・
B光の3原色の光路に分離され、赤色光はフィールドレ
ンズ35Aに、緑色光はフィールドレンズ35Bに、青
色光はフィールドレンズ35Cに入射する。各フィール
ドレンズ35A〜35Cは各光を集光し、各PD表示パ
ネル1はそれぞれ映像信号に対応して液晶の配向を変化
させ、光を変調する。このように変調されたR・G・B
光は、第3DM34C、第4DM34Dにより合成さ
れ、投写レンズ36によりスクリーン(図示せず)に拡
大投映されて、カラー画像が表示される。
【0103】ところで、PD表示パネル1をライトバル
ブとして用いる場合、光発生手段としてのランプ31
は、アーク長ができるだけ短いものを使用することが望
ましい。このことから、キセノンランプ(アーク長は2
mm以下)を用いればよいのであるが、寿命が短いとい
う欠点がある。また、メタルハライドランプは250W
クラスのもので、アーク長は6mm程度である。これは
アーク長が長すぎ、好ましくない。アーク長は5mm以
下が好ましく、さらには4mm以下がさらに好ましい。
アーク長が長いと光の指向性を狭くすることができな
い。また、無理に狭くすると光集光能力が低下する。メ
タルハライドランプは、消費電力が小さいものであれば
短アーク長3mm強のものがある。一例として岩崎電気
株式会社より121Wでアーク長3mm強のものが製作
されている。そしてアーク長が4mmであれば、投写レ
ンズ36のF値は8程度にし、3mmであればF値はF
10程度に設定する。したがって、ランプ31として、
4mm以下のメタルハライドランプを採用するのがよ
い。
【0104】このような投写型表示装置30では、PD
表示パネル1の画素電極5周辺からの光抜けがないの
で、非常に良好な画像表示を実現できる。
【0105】なお、本発明は、上述した投写型表示装置
20、30のように三枚の表示パネルを用いてカラー表
示を実現するものに限定されず、一枚の表示パネルを用
いてカラー表示を実現する投写型表示装置にも適用する
ことができる。この場合は、表示パネルにモザイク状の
カラーフィルタを取り付ければよい。これだと、スクリ
ーン輝度や解像度が低下するけれども、低コスト及びコ
ンパクト化を実現できる。
【0106】
【発明の効果】本発明の表示パネルでは、BM等の遮光
物を形成せずに表示パネルとしての開口面積を大きくで
きるようにしながら、画素電極周辺からの不必要な光抜
けを無くすことができる。したがって、表示パネルの光
変調層を高分子分散液晶とする場合、その製造過程で必
要な紫外線照射時において紫外線を全樹脂成分に対して
むらなく照射できて樹脂成分を均一に硬化させることが
できるので、安定性および信頼性を良好にできる。
【0107】特に、本発明の第1、第2、第6の表示パ
ネルでは、横電界の発生を許容するものの、この横電界
が原因となる不必要な光抜けを無くすことができる。本
発明の第3、第4の表示パネルでは、横電界の発生を阻
止して、横電界が原因となる不必要な光抜けを無くすこ
とができる。本発明の第5の表示パネルでは、第4の表
示パネルの作用に加えて、光変調層で散乱された光によ
ってスイッチング素子が誤動作するのを阻止することが
できる。本発明の第7の表示パネルでは、第6の表示パ
ネルの作用に加えて、光変調層で散乱された光によって
スイッチング素子が誤動作するのを阻止することができ
る。
【0108】第5ないし第7の表示パネルの遮光膜とし
て、入射光を散乱もしくは反射する性質のものとすれ
ば、光を吸収する性質のもののような熱変換作用がない
から、表示パネルの昇温を回避できるようになる。
【0109】そして、本発明の第1、第2の投写型表示
装置では、前述のような不必要な光抜け(正規の映像信
号で変調した光でないもの)のない表示パネルをライト
バルブとして用いるから、画像ノイズを無くして良好な
表示コントラストを実現できる。また、高分子分散液晶
からなる光変調層を有する表示パネルを用いた投写型表
示装置では、従来のTN液晶表示パネルを用いた投写型
表示装置に比べて高輝度表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のPD表示パネルの縦断面
図。
【図2】第1実施例の第1基板の平面図。
【図3】第1実施例の動作説明に用いる図1の要部拡大
図。
【図4】本発明の第2実施例のPD表示パネルの縦断面
図。
【図5】第2実施例の回折格子の斜視図。
【図6】第2実施例の動作説明に用いる図4の要部拡大
図。
【図7】本発明の第3実施例のPD表示パネルの縦断面
図。
【図8】第3実施例の動作説明に用いる図7の要部拡大
図。
【図9】本発明の第4実施例のPD表示パネルの縦断面
図。
【図10】本発明の他の実施例のPD表示パネルの縦断
面図。
【図11】本発明の第1実施例の投写型表示装置の概略
構成図。
【図12】本発明の第2実施例の投写型表示装置の概略
構成図。
【図13】従来のTN液晶表示パネルの縦断面図。
【図14】図13の第1基板の平面図。
【図15】従来の投写型表示装置の構成図。
【図16】従来のPD表示パネルの光遮断状態を示す要
部の縦断面図。
【図17】従来のPD表示パネルの光透過状態を示す要
部の縦断面図。
【図18】従来のPD表示パネルでの横電界発生状態を
示す要部の縦断面図。
【図19】図18において第2基板を省略した平面図。
【符号の説明】
1 PD表示パネル 2 第1基板 3 第2基板 4 光変調層 5 画素電極 6 ソース信号線 7 ゲート信号線 8 スイッチング素子 9 マイクロレンズ 10 対向電極 41 光変調層のポリマー 42 光変調層の水滴状液晶 43 光変調層の液晶分子

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面に透明な画素電極がマトリックス状
    に設けられた透明な第1基板と、 第1基板とほぼ平行に離間して対向配置されかつ第1基
    板の画素電極形成面と対向する片面のほぼ全面に透明な
    対向電極が設けられた透明な第2基板と、 前記両基板間の対向隙間に介装される光変調層とを具備
    し、 前記第1基板の各画素電極の間または前記第2基板にお
    いて第1基板の各画素電極の間に対応した位置に光屈折
    手段が設けられている、ことを特徴とする表示パネル。
  2. 【請求項2】 前記光屈折手段がマイクロレンズからな
    る、ことを特徴とする請求項1の表示パネル。
  3. 【請求項3】 前記光屈折手段が第2基板の対向電極形
    成面側に埋設されている、ことを特徴とする請求項1ま
    たは2の表示パネル。
  4. 【請求項4】 片面に透明な画素電極がマトリックス状
    に設けられた透明な第1基板と、 第1基板とほぼ平行に離間して対向配置されかつ第1基
    板の画素電極形成面と対向する片面のほぼ全面に透明な
    対向電極が設けられた透明な第2基板と、 前記両基板間の対向隙間に介装される光変調層とを具備
    し、 前記第2基板において第1基板の各画素電極の間に対応
    した位置に光回折手段が設けられている、ことを特徴と
    する表示パネル。
  5. 【請求項5】 光回折手段が回折格子からなる、ことを
    特徴とする請求項4の表示パネル。
  6. 【請求項6】 片面に透明な画素電極がマトリックス状
    に設けられるとともに各画素電極間に信号線が非接触に
    設けられた透明な第1基板と、 第1基板とほぼ平行に離間して対向配置されかつ第1基
    板の画素電極形成面と対向する片面のほぼ全面に透明な
    対向電極が設けられた透明な第2基板と、 前記両基板間の対向隙間に介装される光変調層とを具備
    し、 少なくとも前記信号線に前記光変調層の比誘電率よりも
    低い比誘電率を有する低誘電体膜が被覆されている、こ
    とを特徴とする表示パネル。
  7. 【請求項7】 片面に透明な画素電極がマトリックス状
    に設けられるとともに各画素電極間に信号線が非接触に
    設けられかつ信号線と前記画素電極個々との間にそれぞ
    れ信号印加用のスイッチング素子が設けられた透明な第
    1基板と、 第1基板とほぼ平行に離間して対向配置されかつ第1基
    板の画素電極形成面と対向する片面のほぼ全面に透明な
    対向電極が設けられた透明な第2基板と、 前記両基板間の対向隙間に介装される光変調層とを具備
    し、 少なくとも前記信号線およびスイッチング素子に、前記
    光変調層の比誘電率よりも低い比誘電率を有する低誘電
    体膜が被覆されている、ことを特徴とする表示パネル。
  8. 【請求項8】 前記低誘電体膜が、光変調層で変調する
    光を遮光する性質を有するものである、ことを特徴とす
    る請求項6または7の表示パネル。
  9. 【請求項9】 片面に透明な画素電極がマトリックス状
    に設けられるとともに各画素電極間に信号線が非接触に
    設けられかつ信号線と前記画素電極個々との間にそれぞ
    れ信号印加用のスイッチング素子が設けられた透明な第
    1基板と、 第1基板とほぼ平行に離間して対向配置されかつ第1基
    板の画素電極形成面と対向する片面のほぼ全面に透明な
    対向電極が設けられた透明な第2基板と、 前記両基板間の対向隙間に介装される光変調層とを具備
    し、 少なくとも前記信号線およびスイッチング素子に、前記
    光変調層の比誘電率よりも低い比誘電率を有する低誘電
    体膜が被覆されているとともに、前記スイッチング素子
    の上方に、当該素子への光入射を遮断する遮光膜が被覆
    されている、ことを特徴とする表示パネル。
  10. 【請求項10】 片面に透明な画素電極がマトリックス
    状に設けられるとともに各画素電極間に信号線が非接触
    に設けられかつ信号線と前記画素電極個々との間にそれ
    ぞれ信号印加用のスイッチング素子が設けられた透明な
    第1基板と、 第1基板とほぼ平行に離間して対向配置されかつ第1基
    板の画素電極形成面と対向する片面のほぼ全面に透明な
    対向電極が設けられた透明な第2基板と、 前記両基板間の対向隙間に介装される光変調層とを具備
    し、 前記第1基板において少なくとも前記画素電極と信号線
    との間の離間領域に、光を遮断する遮光膜が被覆されて
    いる、ことを特徴とする表示パネル。
  11. 【請求項11】 片面に透明な画素電極がマトリックス
    状に設けられるとともに各画素電極間に信号線が非接触
    に設けられかつ信号線と前記画素電極個々との間にそれ
    ぞれ信号印加用のスイッチング素子が設けられた透明な
    第1基板と、 第1基板とほぼ平行に離間して対向配置されかつ第1基
    板の画素電極形成面と対向する片面のほぼ全面に透明な
    対向電極が設けられた透明な第2基板と、 前記両基板間の対向隙間に介装される光変調層とを具備
    し、 前記第1基板において前記画素電極と信号線との間の離
    間領域および前記スイッチング素子に、光を遮断する遮
    光膜が被覆されている、ことを特徴とする表示パネル。
  12. 【請求項12】 前記遮光膜が、光を反射または散乱す
    る性質を有するものである、ことを特徴とする請求項9
    ないし11のいずれかの表示パネル。
  13. 【請求項13】 前記光変調層が、高分子分散液晶から
    なる、ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか
    の表示パネル。
  14. 【請求項14】 前記第1基板と第2基板との離間間隔
    を確保しかつ黒色または光変調層で変調する光色の補色
    に着色されている保持手段を備えている、ことを特徴と
    する請求項13の表示パネル。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし14のいずれかの表示
    パネルと、 光発生手段と、 前記光発生手段が発生した光を前記表示パネルに導く光
    学手段と、 前記表示パネルで変調した光を投映する投写手段とを具
    備する、ことを特徴とする投写型表示装置。
  16. 【請求項16】 一つの光発生手段と、 前記光発生手段が放射する光を、青色、緑色および赤色
    の3つの光路に分離する色分離手段と、 前記3つの光路のそれぞれに配置された請求項1ないし
    14のいずれかの表示パネルと、 前記表示パネルが変調した光を投映する投写手段を具備
    する、ことを特徴とする投写型表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010531468A (ja) * 2007-06-25 2010-09-24 ヴライト イノヴェーションズ リミテッド 高分子分散液晶構造
CN109932846A (zh) * 2017-12-15 2019-06-25 三星显示有限公司 显示设备

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