JPH0829492A - 故障シミュレーション方法 - Google Patents
故障シミュレーション方法Info
- Publication number
- JPH0829492A JPH0829492A JP6162204A JP16220494A JPH0829492A JP H0829492 A JPH0829492 A JP H0829492A JP 6162204 A JP6162204 A JP 6162204A JP 16220494 A JP16220494 A JP 16220494A JP H0829492 A JPH0829492 A JP H0829492A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- signal line
- value
- failure
- circuit
- fault
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 87
- 239000013598 vector Substances 0.000 claims abstract description 109
- 238000004088 simulation Methods 0.000 claims description 96
- 230000000644 propagated effect Effects 0.000 claims description 60
- 230000001902 propagating effect Effects 0.000 claims description 29
- 230000004913 activation Effects 0.000 claims description 2
- 238000001514 detection method Methods 0.000 abstract description 9
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 24
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 6
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 5
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 2
- 229910017435 S2 In Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000015556 catabolic process Effects 0.000 description 1
- 230000002950 deficient Effects 0.000 description 1
- 238000007689 inspection Methods 0.000 description 1
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R31/00—Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
- G01R31/28—Testing of electronic circuits, e.g. by signal tracer
- G01R31/317—Testing of digital circuits
- G01R31/3181—Functional testing
- G01R31/3183—Generation of test inputs, e.g. test vectors, patterns or sequences
- G01R31/318342—Generation of test inputs, e.g. test vectors, patterns or sequences by preliminary fault modelling, e.g. analysis, simulation
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Test And Diagnosis Of Digital Computers (AREA)
- Tests Of Electronic Circuits (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 回路における故障をテストベクタが検出可能
か否かを判定する。 【構成】 故障を仮定しない正常回路及び故障を仮定し
た故障回路の両方において、信号線に固有値X1 〜Xn
を設定する(ステップS11)。そしてテストベクタF
を与え(ステップS13)、信号を伝搬させるシミュレ
ーションを行う(ステップS14)。 【効果】 未定値が伝搬すること無く、固有値若しくは
その反転した値が伝搬するので、正常回路のシミュレー
ション結果と故障回路のシミュレーション結果とを比較
して、テストベクタがその検出に適しているか否かを判
定することができるところの故障の種類が広げられる。
か否かを判定する。 【構成】 故障を仮定しない正常回路及び故障を仮定し
た故障回路の両方において、信号線に固有値X1 〜Xn
を設定する(ステップS11)。そしてテストベクタF
を与え(ステップS13)、信号を伝搬させるシミュレ
ーションを行う(ステップS14)。 【効果】 未定値が伝搬すること無く、固有値若しくは
その反転した値が伝搬するので、正常回路のシミュレー
ション結果と故障回路のシミュレーション結果とを比較
して、テストベクタがその検出に適しているか否かを判
定することができるところの故障の種類が広げられる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は故障シミュレーション
方法に関し、特にテストベクタが集積回路内において仮
定された故障を検出しうるか否かを判定する技術に関す
る。
方法に関し、特にテストベクタが集積回路内において仮
定された故障を検出しうるか否かを判定する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図24乃至図26は、従来の故障シミュ
レーション方法の説明に用いられる回路図である。図2
4乃至図26は全て同一の回路を示しており、ORゲー
ト5の入力端5a,5bにはそれぞれ信号線1,4が接
続され、出力端には信号線3が接続されている。フリッ
プフロップ7の入力端Dには信号線3が接続され、反転
出力端QCには信号線4,6が共通して接続されてい
る。フリップフロップ7のクロック端CLKには信号線
2が接続されており、クロック信号が与えられる。この
回路において信号線1に入力した信号が処理され、信号
線6に与えられた信号が出力される。
レーション方法の説明に用いられる回路図である。図2
4乃至図26は全て同一の回路を示しており、ORゲー
ト5の入力端5a,5bにはそれぞれ信号線1,4が接
続され、出力端には信号線3が接続されている。フリッ
プフロップ7の入力端Dには信号線3が接続され、反転
出力端QCには信号線4,6が共通して接続されてい
る。フリップフロップ7のクロック端CLKには信号線
2が接続されており、クロック信号が与えられる。この
回路において信号線1に入力した信号が処理され、信号
線6に与えられた信号が出力される。
【0003】信号線1が1縮退する故障を検出する場合
を例に採って従来の故障シミュレーション方法を説明す
る。
を例に採って従来の故障シミュレーション方法を説明す
る。
【0004】まず図24に示されるように、テストベク
タの第1の値として信号線に値“1”が与えられる。信
号線1が1縮退している故障(SA1:stack at 1)が
生じている場合でも、正常である場合であっても、何れ
の場合にもORゲート5の入力端5aには値“1”が伝
搬してくる。従ってORゲート5は信号線4に与えられ
る論理値に拘らず“1”を出力し、信号線3には値
“1”が与えられる。このためフリップフロップ7の入
力端には値“1”が伝搬する。
タの第1の値として信号線に値“1”が与えられる。信
号線1が1縮退している故障(SA1:stack at 1)が
生じている場合でも、正常である場合であっても、何れ
の場合にもORゲート5の入力端5aには値“1”が伝
搬してくる。従ってORゲート5は信号線4に与えられ
る論理値に拘らず“1”を出力し、信号線3には値
“1”が与えられる。このためフリップフロップ7の入
力端には値“1”が伝搬する。
【0005】信号線2において、活性化したクロック信
号が伝搬すると(以下、活性化したクロックが伝搬する
ことを「値“P”が伝搬する」という)、反転出力端Q
Cには値“0”が出力され、信号線4,6には値“0”
が伝搬する。信号線4を伝搬した値“0”はORゲート
5の入力端5bに与えられるが、ORゲート5は依然と
して値“1”を出力するので信号線3には値“1”が伝
搬したままである。
号が伝搬すると(以下、活性化したクロックが伝搬する
ことを「値“P”が伝搬する」という)、反転出力端Q
Cには値“0”が出力され、信号線4,6には値“0”
が伝搬する。信号線4を伝搬した値“0”はORゲート
5の入力端5bに与えられるが、ORゲート5は依然と
して値“1”を出力するので信号線3には値“1”が伝
搬したままである。
【0006】次にテストベクタの第2の値として信号線
に値“0”が与えられる。図25に示されるように、信
号線1が正常である場合には、当初信号線4に値“0”
が伝搬しているのでORゲート5は値“0”を信号線3
に伝搬させる。ここで信号線2に値“P”が伝搬する
と、フリップフロップ7の反転出力端QCは値“1”を
信号線6に伝搬させる。
に値“0”が与えられる。図25に示されるように、信
号線1が正常である場合には、当初信号線4に値“0”
が伝搬しているのでORゲート5は値“0”を信号線3
に伝搬させる。ここで信号線2に値“P”が伝搬する
と、フリップフロップ7の反転出力端QCは値“1”を
信号線6に伝搬させる。
【0007】従って回路が正常である場合には、テスト
ベクタの第1の値“1”が与えられた後に値“P”が伝
搬し、次いで第2の値“0”が与えられた後に値“P”
が伝搬することによって、信号線6には順次値“0”,
“1”が伝搬する。
ベクタの第1の値“1”が与えられた後に値“P”が伝
搬し、次いで第2の値“0”が与えられた後に値“P”
が伝搬することによって、信号線6には順次値“0”,
“1”が伝搬する。
【0008】一方、テストベクタの第2の値として信号
線に値“0”を与えた場合であっても、図26に示され
るように信号線1が1縮退している故障が生じている場
合には、ORゲート5の入力端5aには値“1”が与え
られることになる。従って、信号線3に値“1”が伝搬
し、信号線2に値“P”が伝搬することによってフリッ
プフロップ7の反転出力端QCには値“0”が出力され
る。
線に値“0”を与えた場合であっても、図26に示され
るように信号線1が1縮退している故障が生じている場
合には、ORゲート5の入力端5aには値“1”が与え
られることになる。従って、信号線3に値“1”が伝搬
し、信号線2に値“P”が伝搬することによってフリッ
プフロップ7の反転出力端QCには値“0”が出力され
る。
【0009】従って信号線1が1縮退している故障が生
じている場合には、テストベクタの第1の値“1”が与
えられた後に値“P”が伝搬し、次いで第2の値“0”
が与えられた後に値“P”が伝搬することによって、信
号線6には順次値“0”,“0”が伝搬する。
じている場合には、テストベクタの第1の値“1”が与
えられた後に値“P”が伝搬し、次いで第2の値“0”
が与えられた後に値“P”が伝搬することによって、信
号線6には順次値“0”,“0”が伝搬する。
【0010】換言すれば、信号線1が1縮退している故
障が生じているか否かは、信号線2に値“P”が伝搬す
るタイミングに合わせてテストベクタの値として
“1”,“0”を順次入力し、信号線6に伝搬する出力
を吟味すればよい。そして出力が順次“0”,“1”で
あれば回路は正常であり、“0”,“0”であれば信号
線1が1縮退している故障が生じていることが検出でき
る。
障が生じているか否かは、信号線2に値“P”が伝搬す
るタイミングに合わせてテストベクタの値として
“1”,“0”を順次入力し、信号線6に伝搬する出力
を吟味すればよい。そして出力が順次“0”,“1”で
あれば回路は正常であり、“0”,“0”であれば信号
線1が1縮退している故障が生じていることが検出でき
る。
【0011】従って、信号線1に対して順次“1”,
“0”を与えるテストベクタは、図24乃至図26に示
された回路において信号線1が1縮退している故障が生
じているか否かを検出しうるものであると判定される。
“0”を与えるテストベクタは、図24乃至図26に示
された回路において信号線1が1縮退している故障が生
じているか否かを検出しうるものであると判定される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の故障シ
ミュレーション方式では、信号線1が0縮退している故
障(SA0:stack at 0)が生じている場合、これを検
出することができない。図27は図26と同一の回路を
示しており、信号線1において0縮退している故障が生
じている様子を示している。
ミュレーション方式では、信号線1が0縮退している故
障(SA0:stack at 0)が生じている場合、これを検
出することができない。図27は図26と同一の回路を
示しており、信号線1において0縮退している故障が生
じている様子を示している。
【0013】この場合には信号線1に与えるテストベク
タの値が“1”であれ“0”であれ、ORゲート5の入
力端5aには値“0”が与えられる。そのためORゲー
ト5の入力端5bに与えられた値が信号線3に伝搬する
ことになるが、フリップフロップ7の反転出力端QCの
値が不明であり、信号線4に如何なる値が伝搬している
か不明である。これは未定値“X”が信号線4に伝搬す
ると表現されてシミュレーションが進められるが、信号
線3にも未定値“X”が伝搬するため、信号線2に値
“P”が伝搬しても依然として信号線4に伝搬する値は
不明である。即ち信号線4に伝搬する値は“X”のまま
となる。
タの値が“1”であれ“0”であれ、ORゲート5の入
力端5aには値“0”が与えられる。そのためORゲー
ト5の入力端5bに与えられた値が信号線3に伝搬する
ことになるが、フリップフロップ7の反転出力端QCの
値が不明であり、信号線4に如何なる値が伝搬している
か不明である。これは未定値“X”が信号線4に伝搬す
ると表現されてシミュレーションが進められるが、信号
線3にも未定値“X”が伝搬するため、信号線2に値
“P”が伝搬しても依然として信号線4に伝搬する値は
不明である。即ち信号線4に伝搬する値は“X”のまま
となる。
【0014】信号線1が1縮退している故障が生じてい
るか否かを検出する場合には、フリップフロップ7の反
転出力端QCの値が“0”に初期化されるので、故障検
出を可能とするテストベクタの生成は可能であった。し
かし信号線1が0縮退している故障が生じている場合に
は、信号線1に如何なる値を与えても、また値“P”が
何回伝搬しようとも、フリップフロップ7を初期化する
ことができないために信号線3,4の値を決定できな
い。
るか否かを検出する場合には、フリップフロップ7の反
転出力端QCの値が“0”に初期化されるので、故障検
出を可能とするテストベクタの生成は可能であった。し
かし信号線1が0縮退している故障が生じている場合に
は、信号線1に如何なる値を与えても、また値“P”が
何回伝搬しようとも、フリップフロップ7を初期化する
ことができないために信号線3,4の値を決定できな
い。
【0015】換言すれば、如何なるテストベクタに対し
ても、図24乃至図27に示された回路における信号線
1の0縮退故障の検出が可能か否かを判定する事が困難
である、という問題点があった。
ても、図24乃至図27に示された回路における信号線
1の0縮退故障の検出が可能か否かを判定する事が困難
である、という問題点があった。
【0016】この発明は上記の問題点を解消するために
為されたもので、より多くの種類の故障の検出に関して
も、テストベクタがかかる故障の検出に用いることがで
きるか否かを判定することができる故障シミュレーショ
ン方法を提供することを目的としている。
為されたもので、より多くの種類の故障の検出に関して
も、テストベクタがかかる故障の検出に用いることがで
きるか否かを判定することができる故障シミュレーショ
ン方法を提供することを目的としている。
【0017】即ち生成されたテストベクタによる故障検
出の可能性を大きくすることを目的としており、これは
見方を変えれば故障検出を行うテストベクタの生成可能
性を大きくすることでもある。
出の可能性を大きくすることを目的としており、これは
見方を変えれば故障検出を行うテストベクタの生成可能
性を大きくすることでもある。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明のうち請求項1
にかかるものは、複数の信号線及び少なくとも一つの論
理素子を含む被測定回路における少なくとも一種の故障
を、前記信号線の少なくとも一つに2値論理を与える少
なくとも一つのテストベクタが、検出することができる
か否かを判定する故障シミュレーション方法である。そ
して(a)前記故障を前記被測定回路に仮に与えて故障
回路を求める工程と、(b)前記故障回路に対して、そ
の前記信号線に一意に対応する固有値を少なくとも一つ
設定する工程と、(c)前記テストベクタを前記被測定
回路に故障が全く存在しない正常回路及び前記故障回路
の何れに対しても与える工程と、(d)前記正常回路及
び前記故障回路において、前記信号線に論理値を伝搬さ
せる工程と、(e)前記正常回路の特定の前記信号線に
伝搬する正常結果値と、前記特定信号線に対応する前記
故障回路の前記信号線に伝搬する故障結果値とを求める
工程と、(f)前記正常結果値と前記故障結果値とを比
較して、前記テストベクタが前記故障を検出できるか否
かを判定する工程とを備える。ここで前記固有値は、論
理値“1”,“0”のいずれか一方であることを、
“1”,“0”のいずれであるかを問わずに総括的に表
すものである。
にかかるものは、複数の信号線及び少なくとも一つの論
理素子を含む被測定回路における少なくとも一種の故障
を、前記信号線の少なくとも一つに2値論理を与える少
なくとも一つのテストベクタが、検出することができる
か否かを判定する故障シミュレーション方法である。そ
して(a)前記故障を前記被測定回路に仮に与えて故障
回路を求める工程と、(b)前記故障回路に対して、そ
の前記信号線に一意に対応する固有値を少なくとも一つ
設定する工程と、(c)前記テストベクタを前記被測定
回路に故障が全く存在しない正常回路及び前記故障回路
の何れに対しても与える工程と、(d)前記正常回路及
び前記故障回路において、前記信号線に論理値を伝搬さ
せる工程と、(e)前記正常回路の特定の前記信号線に
伝搬する正常結果値と、前記特定信号線に対応する前記
故障回路の前記信号線に伝搬する故障結果値とを求める
工程と、(f)前記正常結果値と前記故障結果値とを比
較して、前記テストベクタが前記故障を検出できるか否
かを判定する工程とを備える。ここで前記固有値は、論
理値“1”,“0”のいずれか一方であることを、
“1”,“0”のいずれであるかを問わずに総括的に表
すものである。
【0019】この発明のうち請求項2にかかるものは、
請求項1記載の故障シミュレーション方法であって、前
記故障は複数種であり、前記工程(a)に先立ち(x)
前記故障のうち、前記固有値の設定を必要とするものを
第1グループに、必要としないものを第2グループに、
それぞれ分類する工程を更に備える。そして前記工程
(b)は前記第1グループに分類された前記故障に対応
する場合においてのみ実行され、前記工程(a)乃至
(f)が複数種の前記故障に対応して実行される。
請求項1記載の故障シミュレーション方法であって、前
記故障は複数種であり、前記工程(a)に先立ち(x)
前記故障のうち、前記固有値の設定を必要とするものを
第1グループに、必要としないものを第2グループに、
それぞれ分類する工程を更に備える。そして前記工程
(b)は前記第1グループに分類された前記故障に対応
する場合においてのみ実行され、前記工程(a)乃至
(f)が複数種の前記故障に対応して実行される。
【0020】この発明のうち請求項3にかかるものは、
請求項2記載の故障シミュレーション方法であって、前
記工程(x)は(x−1)前記故障回路において論理値
を伝搬させる工程と、(x−2)論理値がそれ以上伝搬
できなくなった箇所の前記論理素子を最先端信号入力素
子として特定する工程と、(x−3)故障伝搬フラグを
前記最先端信号入力素子から伝搬させる工程と、(x−
4)前記故障伝搬フラグの伝搬がループを形成した場合
に、前記ループのリセット可能性の有無を判定し、前記
リセット可能性が有る場合には前記故障を前記第2グル
ープに、無い場合には前記故障を前記第1グループに、
それぞれ分類する工程とを有する。
請求項2記載の故障シミュレーション方法であって、前
記工程(x)は(x−1)前記故障回路において論理値
を伝搬させる工程と、(x−2)論理値がそれ以上伝搬
できなくなった箇所の前記論理素子を最先端信号入力素
子として特定する工程と、(x−3)故障伝搬フラグを
前記最先端信号入力素子から伝搬させる工程と、(x−
4)前記故障伝搬フラグの伝搬がループを形成した場合
に、前記ループのリセット可能性の有無を判定し、前記
リセット可能性が有る場合には前記故障を前記第2グル
ープに、無い場合には前記故障を前記第1グループに、
それぞれ分類する工程とを有する。
【0021】この発明のうち請求項4にかかるものは、
請求項3記載の故障シミュレーション方法であって、前
記工程(a)に先立ち、前記工程(x)に続いて、前記
第1グループに属する前記故障に対して実行される
(y)前記固有値の設定が必要な前記信号線のみを検出
する工程を更に備える。そして前記工程(b)において
は、前記工程(y)において検出された前記信号線に対
してのみ前記固有値が設定され、前記工程(a)乃至
(f)が複数種の前記故障に対応して実行される。
請求項3記載の故障シミュレーション方法であって、前
記工程(a)に先立ち、前記工程(x)に続いて、前記
第1グループに属する前記故障に対して実行される
(y)前記固有値の設定が必要な前記信号線のみを検出
する工程を更に備える。そして前記工程(b)において
は、前記工程(y)において検出された前記信号線に対
してのみ前記固有値が設定され、前記工程(a)乃至
(f)が複数種の前記故障に対応して実行される。
【0022】この発明のうち請求項5にかかるものは、
請求項4記載の故障シミュレーション方法であって、
(y−1)前記ループの前記ループ起因素子から前記故
障伝搬フラグに沿って後方トレースを行い、前記ループ
起因素子に戻るまでに存在する前記論理素子であって、
クロック信号の活性化するタイミングでの出力が決定す
るものを検出する工程と、(y−2)前記工程(y−
1)において検出された前記論理素子の出力端に接続さ
れた前記信号線を、前記固有値の設定が必要な前記信号
線であるとして検出する工程とを有する。
請求項4記載の故障シミュレーション方法であって、
(y−1)前記ループの前記ループ起因素子から前記故
障伝搬フラグに沿って後方トレースを行い、前記ループ
起因素子に戻るまでに存在する前記論理素子であって、
クロック信号の活性化するタイミングでの出力が決定す
るものを検出する工程と、(y−2)前記工程(y−
1)において検出された前記論理素子の出力端に接続さ
れた前記信号線を、前記固有値の設定が必要な前記信号
線であるとして検出する工程とを有する。
【0023】この発明のうち請求項6にかかるものは請
求項1記載の故障シミュレーション方法であって、前記
テストベクタは第1番目から第n番目(n≧2)までの
複数与えられる。そして前記工程(b)は(b−1)前
記故障回路の信号線の全てに前記固有値を設定する工程
と、(b−2)前記第1番目のテストベクタを前記正常
回路及び前記故障回路の何れに対しても与える工程と、
(b−3)前記正常回路において、前記第1番目のテス
トベクタの値を伝搬させる工程と、(b−4)前記故障
回路において、前記第1番目のテストベクタの値及び前
記固有値を伝搬させる工程と、(b−5)前記工程(b
−4)によって前記固有値及び前記固有値の反転した値
のいずれかが伝搬する前記信号線を記憶する工程と、
(b−6)前記工程(b−3),(b−4)によって得
られた前記正常結果値と、前記故障結果値とを求める工
程と、(b−7)前記工程(b−6)で得られた前記正
常結果値と前記故障結果値とを比較して、前記第1番目
のテストベクタが前記故障を検出できるか否かを判定す
る工程と、(b−8)前記工程(b−6)で記憶された
信号線のみに前記固有値を設定する工程とを有する。そ
して、前記工程(c)乃至(f)は前記第2番目から前
記第n番目の前記テストベクタに対して行われる。
求項1記載の故障シミュレーション方法であって、前記
テストベクタは第1番目から第n番目(n≧2)までの
複数与えられる。そして前記工程(b)は(b−1)前
記故障回路の信号線の全てに前記固有値を設定する工程
と、(b−2)前記第1番目のテストベクタを前記正常
回路及び前記故障回路の何れに対しても与える工程と、
(b−3)前記正常回路において、前記第1番目のテス
トベクタの値を伝搬させる工程と、(b−4)前記故障
回路において、前記第1番目のテストベクタの値及び前
記固有値を伝搬させる工程と、(b−5)前記工程(b
−4)によって前記固有値及び前記固有値の反転した値
のいずれかが伝搬する前記信号線を記憶する工程と、
(b−6)前記工程(b−3),(b−4)によって得
られた前記正常結果値と、前記故障結果値とを求める工
程と、(b−7)前記工程(b−6)で得られた前記正
常結果値と前記故障結果値とを比較して、前記第1番目
のテストベクタが前記故障を検出できるか否かを判定す
る工程と、(b−8)前記工程(b−6)で記憶された
信号線のみに前記固有値を設定する工程とを有する。そ
して、前記工程(c)乃至(f)は前記第2番目から前
記第n番目の前記テストベクタに対して行われる。
【0024】
【作用】この発明のうち請求項1にかかる故障シミュレ
ーション方法においては、論理値“1”,“0”のいず
れか一方であることを、“1”,“0”のいずれである
かを問わずに総括的に表す固有値が信号線に与えられ
る。従って、論理値が未定のまま信号線を伝搬するので
はなく、固有値若しくは固有値の反転した値が信号線を
伝搬する。
ーション方法においては、論理値“1”,“0”のいず
れか一方であることを、“1”,“0”のいずれである
かを問わずに総括的に表す固有値が信号線に与えられ
る。従って、論理値が未定のまま信号線を伝搬するので
はなく、固有値若しくは固有値の反転した値が信号線を
伝搬する。
【0025】この発明のうち請求項2にかかる故障シミ
ュレーション方法においては、固有値の設定を必要とす
る故障のみに固有値の設定を行う。
ュレーション方法においては、固有値の設定を必要とす
る故障のみに固有値の設定を行う。
【0026】この発明のうち請求項3にかかる故障シミ
ュレーション方法においては、故障伝搬フラグの伝搬が
ループを形成した場合に、ループのリセット可能性の有
無によって、故障が固有値の設定を必要とするものか否
かを判定する。
ュレーション方法においては、故障伝搬フラグの伝搬が
ループを形成した場合に、ループのリセット可能性の有
無によって、故障が固有値の設定を必要とするものか否
かを判定する。
【0027】この発明のうち請求項4にかかる故障シミ
ュレーション方法においては、固有値の設定が必要な信
号線のみに固有値の設定を行う。
ュレーション方法においては、固有値の設定が必要な信
号線のみに固有値の設定を行う。
【0028】この発明のうち請求項5にかかる故障シミ
ュレーション方法においては、クロック信号の伝搬に依
存して出力する素子の出力端に接続された信号線に対し
て固有値を設定する。但しクロック信号の伝搬に依存し
て出力する素子の出力端に接続される全ての信号線に対
して固有値を設定する必要はない。未定値が伝搬するこ
とのない素子には、もともとその必要がない。従って故
障伝搬フラグの伝搬が行われるループのうちリセット可
能性のないものにおいて、クロック信号の伝搬に依存し
て出力する素子の出力端が存在するならば、その出力端
に接続された信号線に固有値を設定する。
ュレーション方法においては、クロック信号の伝搬に依
存して出力する素子の出力端に接続された信号線に対し
て固有値を設定する。但しクロック信号の伝搬に依存し
て出力する素子の出力端に接続される全ての信号線に対
して固有値を設定する必要はない。未定値が伝搬するこ
とのない素子には、もともとその必要がない。従って故
障伝搬フラグの伝搬が行われるループのうちリセット可
能性のないものにおいて、クロック信号の伝搬に依存し
て出力する素子の出力端が存在するならば、その出力端
に接続された信号線に固有値を設定する。
【0029】この発明のうち請求項6にかかる故障シミ
ュレーション方法においては、或る故障に対して第1番
目のテストベクタがその検出に適しているか否かを判定
する際に全ての信号線に対して固有値が設定される。そ
して故障回路シミュレーションにおいて結果的に固有値
又はその反転した値が伝搬しなくなった信号線に対して
は、固有値を設定する必要がないと判断する。
ュレーション方法においては、或る故障に対して第1番
目のテストベクタがその検出に適しているか否かを判定
する際に全ての信号線に対して固有値が設定される。そ
して故障回路シミュレーションにおいて結果的に固有値
又はその反転した値が伝搬しなくなった信号線に対して
は、固有値を設定する必要がないと判断する。
【0030】
第1実施例:図1及び図2は両者相まってこの発明の第
1実施例にかかる故障シミュレーション方法の手順を示
すフローチャートであり、接続子J1で連続する。ま
た、図3乃至図5は第1実施例にかかる故障シミュレー
ション方法の動作を説明するのに用いられる回路図であ
り、図24乃至図27に示された回路とは素子及びその
接続関係が同一である。
1実施例にかかる故障シミュレーション方法の手順を示
すフローチャートであり、接続子J1で連続する。ま
た、図3乃至図5は第1実施例にかかる故障シミュレー
ション方法の動作を説明するのに用いられる回路図であ
り、図24乃至図27に示された回路とは素子及びその
接続関係が同一である。
【0031】まずステップS11により、被測定回路M
に対して、故障Cを仮定した回路M’を求める。図3及
び図4にそれぞれ回路M,M’を示す。ここでは故障C
として、従来の故障シミュレーション方法で対応できな
かった信号線1の0縮退故障を考慮している。
に対して、故障Cを仮定した回路M’を求める。図3及
び図4にそれぞれ回路M,M’を示す。ここでは故障C
として、従来の故障シミュレーション方法で対応できな
かった信号線1の0縮退故障を考慮している。
【0032】次にステップS12により、回路M’、或
いは更に回路Mにおいて、全ての信号線L1 〜Ln に対
し、それぞれ固有値X1 〜Xn を設定する。ここではま
ず、回路M,M’の何れに対しても固有値を設定する場
合について説明し、その後、回路Mに対して固有値を設
定しなくても良いことを示す。
いは更に回路Mにおいて、全ての信号線L1 〜Ln に対
し、それぞれ固有値X1 〜Xn を設定する。ここではま
ず、回路M,M’の何れに対しても固有値を設定する場
合について説明し、その後、回路Mに対して固有値を設
定しなくても良いことを示す。
【0033】図3及び図4の何れにおいても信号線1〜
4に対して固有値X1 〜X4 を設定する。信号線6は常
に信号線4と同一の値が伝搬するので、ここでは固有値
の設定が省略されている。
4に対して固有値X1 〜X4 を設定する。信号線6は常
に信号線4と同一の値が伝搬するので、ここでは固有値
の設定が省略されている。
【0034】従来の故障シミュレーション方法で用いら
れた未定値“X”は、論理が未定であって“0”と
“1”との中間的な値を採る可能性を払拭することがで
きないのに対し、固有値X1 〜Xn は“1”または
“0”のいずれか一方の値を採っていることを総括的に
示す論理値である。かかる固有値を設定する工程を有す
る点で、本発明の第1実施例は従来の故障シミュレーシ
ョン方法と大きく異なっている。
れた未定値“X”は、論理が未定であって“0”と
“1”との中間的な値を採る可能性を払拭することがで
きないのに対し、固有値X1 〜Xn は“1”または
“0”のいずれか一方の値を採っていることを総括的に
示す論理値である。かかる固有値を設定する工程を有す
る点で、本発明の第1実施例は従来の故障シミュレーシ
ョン方法と大きく異なっている。
【0035】次にステップS13において、特定の信号
線Lj (1≦j≦n)に対し、回路M,M’の何れにお
いても同一のテストベクタFを与える。ここで示される
例ではその要素数が1であり、1回目に信号線2に値
“P”が伝搬するのに先だって値“1”を、2回目に信
号線2に値“P”が伝搬するのに先だって値“1”を、
それぞれ信号線1に与える。即ち、ここでは特定の信号
線Lj として信号線1が選択される。
線Lj (1≦j≦n)に対し、回路M,M’の何れにお
いても同一のテストベクタFを与える。ここで示される
例ではその要素数が1であり、1回目に信号線2に値
“P”が伝搬するのに先だって値“1”を、2回目に信
号線2に値“P”が伝搬するのに先だって値“1”を、
それぞれ信号線1に与える。即ち、ここでは特定の信号
線Lj として信号線1が選択される。
【0036】そしてステップS14において、回路M,
M’のそれぞれにおいてテストベクタFの値及び固有値
X1 〜Xn を伝搬させる。まず図3に基づいて回路Mに
おけるこれらの値の伝搬について説明する。信号線1に
伝搬する値はテストベクタを与えることにより値“1”
に遷移する。よってORゲート5によって信号線3には
値“1”が伝搬する。そして信号線2に値“P”が伝搬
すると、フリップフロップ7の反転出力端は値“0”を
信号線4に伝搬させる。これによってORゲート5の出
力が変化することはないので信号線3には値“1”が伝
搬したままとなる。
M’のそれぞれにおいてテストベクタFの値及び固有値
X1 〜Xn を伝搬させる。まず図3に基づいて回路Mに
おけるこれらの値の伝搬について説明する。信号線1に
伝搬する値はテストベクタを与えることにより値“1”
に遷移する。よってORゲート5によって信号線3には
値“1”が伝搬する。そして信号線2に値“P”が伝搬
すると、フリップフロップ7の反転出力端は値“0”を
信号線4に伝搬させる。これによってORゲート5の出
力が変化することはないので信号線3には値“1”が伝
搬したままとなる。
【0037】この後、テストベクタは再び値“1”を信
号線1に与える。これによってORゲート5の出力が変
化することはないので信号線3には値“1”が伝搬した
ままとなる。そして信号線2に値“P”が伝搬すると、
フリップフロップ7の反転出力端は値“0”を信号線4
に伝搬させる。
号線1に与える。これによってORゲート5の出力が変
化することはないので信号線3には値“1”が伝搬した
ままとなる。そして信号線2に値“P”が伝搬すると、
フリップフロップ7の反転出力端は値“0”を信号線4
に伝搬させる。
【0038】この伝搬の様子から、正常回路Mに対して
は固有値を設定してもしなくても同一の結果が得られる
ことが解り、ステップS12においては必ずしも回路M
に対する固有値の設定を行う必要がない。
は固有値を設定してもしなくても同一の結果が得られる
ことが解り、ステップS12においては必ずしも回路M
に対する固有値の設定を行う必要がない。
【0039】次に図4に基づいて回路M’における値の
伝搬について説明する。信号線1にテストベクタの値
“1”が与えられても、信号線1は0縮退故障が仮定さ
れているので、これに伝搬する値は“X1 ”から“0”
へ遷移する。よってORゲート5によって信号線3には
値“X4 ”が伝搬する。信号線2に値“P”が伝搬する
と、フリップフロップ7の反転出力端は値“^X4 ”を
信号線4に伝搬させる。記号“^”は、これに続いて記
載される固有値の論理を反転する事を意味する。
伝搬について説明する。信号線1にテストベクタの値
“1”が与えられても、信号線1は0縮退故障が仮定さ
れているので、これに伝搬する値は“X1 ”から“0”
へ遷移する。よってORゲート5によって信号線3には
値“X4 ”が伝搬する。信号線2に値“P”が伝搬する
と、フリップフロップ7の反転出力端は値“^X4 ”を
信号線4に伝搬させる。記号“^”は、これに続いて記
載される固有値の論理を反転する事を意味する。
【0040】従来の故障シミュレーション方法では信号
線4に与えられていた値が不明なため、未定値“X”と
して取り扱われていた。そのため信号線3に如何なる値
が伝搬するかも不明のままであり、信号線4に与えられ
る値も不明となる堂々めぐりを招来していた。しかしこ
の発明においては信号線4に与えられていた値を不明で
あるとするのではなく、“1”,“0”を総括的に表現
する固有値“X4 ”を初期値として与えているので、信
号線3に伝搬する値は“X4 ”という総括的な値で取り
扱うことができ、信号線2に値“P”が伝搬した時にフ
リップフロップ7が出力する値は“^X4 ”として取り
扱うことができる。
線4に与えられていた値が不明なため、未定値“X”と
して取り扱われていた。そのため信号線3に如何なる値
が伝搬するかも不明のままであり、信号線4に与えられ
る値も不明となる堂々めぐりを招来していた。しかしこ
の発明においては信号線4に与えられていた値を不明で
あるとするのではなく、“1”,“0”を総括的に表現
する固有値“X4 ”を初期値として与えているので、信
号線3に伝搬する値は“X4 ”という総括的な値で取り
扱うことができ、信号線2に値“P”が伝搬した時にフ
リップフロップ7が出力する値は“^X4 ”として取り
扱うことができる。
【0041】信号線4に値“^X4 ”が伝搬することに
より、信号線3にも値“^X4 ”が伝搬する。そして信
号線1に0縮退故障が仮定されているので、信号線3に
伝搬する値は、テストベクタの値を入力しても変化しな
い。よって次に信号線2に値“P”が伝搬することによ
り、信号線4には値“X4 ”が伝搬する。
より、信号線3にも値“^X4 ”が伝搬する。そして信
号線1に0縮退故障が仮定されているので、信号線3に
伝搬する値は、テストベクタの値を入力しても変化しな
い。よって次に信号線2に値“P”が伝搬することによ
り、信号線4には値“X4 ”が伝搬する。
【0042】以上の伝搬が終了すると、ステップS15
において、回路Mの特定の信号線Lk (1≦k≦n)に
伝搬する値Vk (正常結果値)と、回路M’における信
号線Lk に伝搬する値Vk ’(故障結果値)とを求め
る。図3及び図4においては信号線Lk として信号線6
が選定される。信号線6に伝搬する値は信号線4に伝搬
する値と同一である。
において、回路Mの特定の信号線Lk (1≦k≦n)に
伝搬する値Vk (正常結果値)と、回路M’における信
号線Lk に伝搬する値Vk ’(故障結果値)とを求め
る。図3及び図4においては信号線Lk として信号線6
が選定される。信号線6に伝搬する値は信号線4に伝搬
する値と同一である。
【0043】図3に示された回路Mにおいては値Vk は
順次“0”,“0”となる。また、図4に示された回路
M’においては値Vk ’は順次“^X4 ”,“X4 ”と
なる。
順次“0”,“0”となる。また、図4に示された回路
M’においては値Vk ’は順次“^X4 ”,“X4 ”と
なる。
【0044】次にステップS16において値Vk ,
Vk ’が一致しているか否かを判断する。一致していれ
ば故障Cによって値が異ならないのであるから、テスト
ベクタFによる故障Cの検出は不可能である(ステップ
S17)。しかし、一致しないのであれば故障Cの検出
は可能である(ステップS18)。つまりテストベクタ
Fは故障Cの検出に適していると判定することができ
る。
Vk ’が一致しているか否かを判断する。一致していれ
ば故障Cによって値が異ならないのであるから、テスト
ベクタFによる故障Cの検出は不可能である(ステップ
S17)。しかし、一致しないのであれば故障Cの検出
は可能である(ステップS18)。つまりテストベクタ
Fは故障Cの検出に適していると判定することができ
る。
【0045】これを図3及び図4に即して考えれば、回
路MにおいてはテストベクタFによって互いに等しく
“0”である2つの値が得られるのに対し、回路M’に
おいては互いに異なる(論理が反対である)値が得られ
ている。既述のように、固有値“X4 ”は“1”,
“0”の何れか一方の値を総括的に示すのであるから、
“^X4 ”,“X4 ”は必ず互いに論理が異なっている
ことになる。
路MにおいてはテストベクタFによって互いに等しく
“0”である2つの値が得られるのに対し、回路M’に
おいては互いに異なる(論理が反対である)値が得られ
ている。既述のように、固有値“X4 ”は“1”,
“0”の何れか一方の値を総括的に示すのであるから、
“^X4 ”,“X4 ”は必ず互いに論理が異なっている
ことになる。
【0046】勿論、従来の故障シミュレーション方法に
おいて、テストベクタがその検出を行うことができるか
否かの判定を下せるところの故障である、信号線1の1
縮退故障に関しても、第1実施例の故障シミュレーショ
ン方法によって、テストベクタの適否を判定することが
できる。以下これについて説明する。
おいて、テストベクタがその検出を行うことができるか
否かの判定を下せるところの故障である、信号線1の1
縮退故障に関しても、第1実施例の故障シミュレーショ
ン方法によって、テストベクタの適否を判定することが
できる。以下これについて説明する。
【0047】従来の故障シミュレーション方法で説明さ
れたように、順次値“1”,“0”を採るテストベクタ
がかかる故障を検出することができることが分かってい
る。従って、ここではかかるテストベクタが第1実施例
にかかる故障シミュレーション方法によっても、信号線
1の1縮退故障を検出することができると判定されるこ
とを示す。
れたように、順次値“1”,“0”を採るテストベクタ
がかかる故障を検出することができることが分かってい
る。従って、ここではかかるテストベクタが第1実施例
にかかる故障シミュレーション方法によっても、信号線
1の1縮退故障を検出することができると判定されるこ
とを示す。
【0048】図5は故障のない回路Mにおいてテストベ
クタとして信号線1に順次値“1”,“0”を与える場
合の信号の伝搬の様子を示す回路図である。信号線1の
値が“X1 ”から“1”になることにより、信号線4に
伝搬する値に拘らずORゲート5は信号線3に値“1”
を伝搬させる。そして信号線2に値“P”が伝搬すると
フリップフロップ7はその反転出力端QCに値“0”を
出力し、信号線4には値“0”が伝搬する。
クタとして信号線1に順次値“1”,“0”を与える場
合の信号の伝搬の様子を示す回路図である。信号線1の
値が“X1 ”から“1”になることにより、信号線4に
伝搬する値に拘らずORゲート5は信号線3に値“1”
を伝搬させる。そして信号線2に値“P”が伝搬すると
フリップフロップ7はその反転出力端QCに値“0”を
出力し、信号線4には値“0”が伝搬する。
【0049】次にテストベクタの値は“0”となるの
で、信号線3には値“0”が伝搬する。そして信号線2
に値“P”が伝搬するとフリップフロップ7はその反転
出力端QCに値“1”を出力し、信号線4には値“1”
が伝搬する。従って値Vk は順次に値“0”,“1”を
採る。
で、信号線3には値“0”が伝搬する。そして信号線2
に値“P”が伝搬するとフリップフロップ7はその反転
出力端QCに値“1”を出力し、信号線4には値“1”
が伝搬する。従って値Vk は順次に値“0”,“1”を
採る。
【0050】図6は回路M’として、図3に示された回
路Mに対して信号線1の1縮退故障を仮定した回路図で
ある。信号線1の1縮退故障が仮定されているので、テ
ストベクタの値及び信号線4に伝搬する値によらず、信
号線3には値“1”が伝搬する。よって信号線2に値
“P”が伝搬すると信号線4には値“0”が伝搬する。
更に、ORゲート5はテストベクタの値及び信号線4に
伝搬する値によらず、信号線3に値“1”を伝搬させる
ので、値Vk ’は順次“0”,“0”を採ることにな
る。
路Mに対して信号線1の1縮退故障を仮定した回路図で
ある。信号線1の1縮退故障が仮定されているので、テ
ストベクタの値及び信号線4に伝搬する値によらず、信
号線3には値“1”が伝搬する。よって信号線2に値
“P”が伝搬すると信号線4には値“0”が伝搬する。
更に、ORゲート5はテストベクタの値及び信号線4に
伝搬する値によらず、信号線3に値“1”を伝搬させる
ので、値Vk ’は順次“0”,“0”を採ることにな
る。
【0051】従って、値Vk と値Vk ’とは一致せず、
これらの値を信号線6にもたらしたテストベクタ
(“1”,“0”)は回路Mにおける信号線1の1縮退
故障の存否を検出することができると判定される。
これらの値を信号線6にもたらしたテストベクタ
(“1”,“0”)は回路Mにおける信号線1の1縮退
故障の存否を検出することができると判定される。
【0052】以上に示されたように、第1実施例によれ
ば、各信号線に対して初期値として“0”,“1”を総
括的に表現する固有値を与えておき、テストベクタと固
有値を伝搬させるので、従来の故障シミュレーション方
法において判定が可能であったテストベクタの適否のみ
ならず、従来の故障シミュレーション方法では判定がで
きないようなテストベクタの適否をも判定することがで
きる。
ば、各信号線に対して初期値として“0”,“1”を総
括的に表現する固有値を与えておき、テストベクタと固
有値を伝搬させるので、従来の故障シミュレーション方
法において判定が可能であったテストベクタの適否のみ
ならず、従来の故障シミュレーション方法では判定がで
きないようなテストベクタの適否をも判定することがで
きる。
【0053】第2実施例:第1実施例で示された故障シ
ミュレーション方法によれば、従来の故障シミュレーシ
ョン方法において判定が不可能であったテストベクタの
適否をも判定することができる。しかし見方を変えれ
ば、第1実施例で示された故障シミュレーション方法を
用いなくても、特定の回路の特定の故障を仮定した場合
には従来の故障シミュレーション方法を用いてテストベ
クタの適否を判定することができる、といえる。
ミュレーション方法によれば、従来の故障シミュレーシ
ョン方法において判定が不可能であったテストベクタの
適否をも判定することができる。しかし見方を変えれ
ば、第1実施例で示された故障シミュレーション方法を
用いなくても、特定の回路の特定の故障を仮定した場合
には従来の故障シミュレーション方法を用いてテストベ
クタの適否を判定することができる、といえる。
【0054】従って、第1実施例に示されたように固有
値を設定する必要のある故障なのか、あるいは従来の故
障シミュレーション方法のように固有値を設定する必要
のない故障なのか、を予め判断し、この判断に基づいて
固有値の設定の要/不要を決定し、シミュレーションを
進めることができる。このようにすることにより、テス
トベクタの適否を簡単に判定する事ができる。
値を設定する必要のある故障なのか、あるいは従来の故
障シミュレーション方法のように固有値を設定する必要
のない故障なのか、を予め判断し、この判断に基づいて
固有値の設定の要/不要を決定し、シミュレーションを
進めることができる。このようにすることにより、テス
トベクタの適否を簡単に判定する事ができる。
【0055】図7及び図8は両者相まって第2実施例に
かかる故障シミュレーション方法の手順を示すフローチ
ャートであり、接続子J2,J3で連続する。
かかる故障シミュレーション方法の手順を示すフローチ
ャートであり、接続子J2,J3で連続する。
【0056】まずステップS20において、回路Mに仮
定すべき故障を、固有値の設定を必要とするものと、そ
うでないものとに、それぞれグループA,Bへ分類す
る。例えば図6に示された信号線1の1縮退故障(ここ
では故障C1 に対応するとする)はグループBに、図4
に示された信号線1の0縮退故障(ここでは故障C2 に
対応するとする)はグループAに、それぞれ分類され
る。
定すべき故障を、固有値の設定を必要とするものと、そ
うでないものとに、それぞれグループA,Bへ分類す
る。例えば図6に示された信号線1の1縮退故障(ここ
では故障C1 に対応するとする)はグループBに、図4
に示された信号線1の0縮退故障(ここでは故障C2 に
対応するとする)はグループAに、それぞれ分類され
る。
【0057】次に全ての故障に関して故障シミュレーシ
ョン(後述する)が行われたか否かを判断する(ステッ
プS21)。当初は故障シミュレーションは行われてい
ないのでステップS22に進む。
ョン(後述する)が行われたか否かを判断する(ステッ
プS21)。当初は故障シミュレーションは行われてい
ないのでステップS22に進む。
【0058】ステップS22においては、仮定すべき故
障が更新される。当初は故障C1 が選択される。そして
ステップS23においては全てのテストベクタについて
故障検出の適否が判定されたか否かが判断される。そし
てステップS24においてテストベクタの内の一つが選
択される。
障が更新される。当初は故障C1 が選択される。そして
ステップS23においては全てのテストベクタについて
故障検出の適否が判定されたか否かが判断される。そし
てステップS24においてテストベクタの内の一つが選
択される。
【0059】その後、まず正常回路シミュレーションが
行われる。これは回路Mに故障を仮定せずに、テストベ
クタを与えて信号の伝搬をシミュレーションするもので
ある。例えばテストベクタが順次に値“1”,“0”を
採るものである場合(ここではテストベクタF1 に対応
するとする)、正常回路シミュレーションは従来の技術
において説明された図24及び図25に示されたように
行われる。その結果、信号線2に値“P”が伝搬する毎
に、信号線6には順次に値“0”,“1”が伝搬する。
行われる。これは回路Mに故障を仮定せずに、テストベ
クタを与えて信号の伝搬をシミュレーションするもので
ある。例えばテストベクタが順次に値“1”,“0”を
採るものである場合(ここではテストベクタF1 に対応
するとする)、正常回路シミュレーションは従来の技術
において説明された図24及び図25に示されたように
行われる。その結果、信号線2に値“P”が伝搬する毎
に、信号線6には順次に値“0”,“1”が伝搬する。
【0060】次にステップS26において故障がグルー
プA,Bのいずれに属していたのかが判断される。グル
ープAに属しているのであれば、ステップS27におい
て各信号線に固有値を設定する。グループBに属してい
るのであれば固有値を設定する必要はない。今、故障C
1 として信号線1の1縮退故障を考えているので、固有
値を設定する必要はない。
プA,Bのいずれに属していたのかが判断される。グル
ープAに属しているのであれば、ステップS27におい
て各信号線に固有値を設定する。グループBに属してい
るのであれば固有値を設定する必要はない。今、故障C
1 として信号線1の1縮退故障を考えているので、固有
値を設定する必要はない。
【0061】ステップS28においてはステップS21
で言及された故障回路シミュレーションが行われる。故
障回路シミュレーションは、回路Mに故障を仮定して回
路M’を求め、この回路M’にテストベクタを与えて信
号を伝搬させるシミュレーションを行うものである。例
えば故障C1 を仮定した回路M’としては図26に示さ
れた回路が相当する。そして信号の伝搬の様子は図24
と図26に示される通りであり、信号線6には順次に値
“0”,“0”が伝搬する。
で言及された故障回路シミュレーションが行われる。故
障回路シミュレーションは、回路Mに故障を仮定して回
路M’を求め、この回路M’にテストベクタを与えて信
号を伝搬させるシミュレーションを行うものである。例
えば故障C1 を仮定した回路M’としては図26に示さ
れた回路が相当する。そして信号の伝搬の様子は図24
と図26に示される通りであり、信号線6には順次に値
“0”,“0”が伝搬する。
【0062】そしてステップS29に進み、正常回路シ
ミュレーションと故障回路シミュレーションとの結果か
ら、現在判断対象となっているテストベクタが、現在着
目している故障の検出に適しているか否かが判定され
る。今、ここで説明している例ではテストベクタF1 を
用いて正常回路シミュレーションにおいて得られた結果
(“0”,“1”)と、故障回路シミュレーションにお
いて得られた結果(“0”,“0”)とは異なっている
ので、第1実施例のステップS16,S18と同様にし
て「テストベクタF1 は回路Mの故障C1 を検出するの
に適している」と判定される。
ミュレーションと故障回路シミュレーションとの結果か
ら、現在判断対象となっているテストベクタが、現在着
目している故障の検出に適しているか否かが判定され
る。今、ここで説明している例ではテストベクタF1 を
用いて正常回路シミュレーションにおいて得られた結果
(“0”,“1”)と、故障回路シミュレーションにお
いて得られた結果(“0”,“0”)とは異なっている
ので、第1実施例のステップS16,S18と同様にし
て「テストベクタF1 は回路Mの故障C1 を検出するの
に適している」と判定される。
【0063】この後、ステップS23に戻り、他のテス
トベクタについても故障C1 の検出の適否が判定され
る。例えばステップS24においてテストベクタF2 と
して順次に値“1”,“1”を採るものが選択されたと
すると、ステップS25において得られる結果は
“0”,“0”であり、またステップS28において得
られる結果も“0”,“0”である。従って、ステップ
S29において「テストベクタF2 は回路Mの故障C1
を検出するのに適していない」と判定される。
トベクタについても故障C1 の検出の適否が判定され
る。例えばステップS24においてテストベクタF2 と
して順次に値“1”,“1”を採るものが選択されたと
すると、ステップS25において得られる結果は
“0”,“0”であり、またステップS28において得
られる結果も“0”,“0”である。従って、ステップ
S29において「テストベクタF2 は回路Mの故障C1
を検出するのに適していない」と判定される。
【0064】このようにして一つの故障に関して全ての
テストベクタが吟味されると、ステップS23からステ
ップS21,S22に進む。そして他の故障について、
テストベクタがその故障の検出に適しているか否かが判
定される。
テストベクタが吟味されると、ステップS23からステ
ップS21,S22に進む。そして他の故障について、
テストベクタがその故障の検出に適しているか否かが判
定される。
【0065】例えばステップS22において故障C2 が
選択される。ステップS25においてテストベクタF1
を用いた正常回路シミュレーションが行われる。これに
より信号線6には順次に値“0”,“1”が伝搬するこ
とが解る。次にステップS26において故障C2 はグル
ープAに属しているので、ステップS27において固有
値が設定される。そしてステップS28において、故障
C2 が仮定された回路M’にテストベクタF1 を用いた
故障回路シミュレーションが行われる。故障C2 は信号
線1の0縮退故障であったので、テストベクタの値によ
らず、第1実施例において図4を用いて説明されたよう
に、信号線6には順次“^X4 ”,“X4 ”が伝搬す
る。
選択される。ステップS25においてテストベクタF1
を用いた正常回路シミュレーションが行われる。これに
より信号線6には順次に値“0”,“1”が伝搬するこ
とが解る。次にステップS26において故障C2 はグル
ープAに属しているので、ステップS27において固有
値が設定される。そしてステップS28において、故障
C2 が仮定された回路M’にテストベクタF1 を用いた
故障回路シミュレーションが行われる。故障C2 は信号
線1の0縮退故障であったので、テストベクタの値によ
らず、第1実施例において図4を用いて説明されたよう
に、信号線6には順次“^X4 ”,“X4 ”が伝搬す
る。
【0066】次にステップS29においてテストベクタ
F1 が故障C2 の検出に適しているか否か判定される。
正常回路シミュレーションにおいても、故障回路シミュ
レーションにおいても、互いに異なる論理が順次に信号
線6に伝搬しているので、「テストベクタF1 は故障C
2 の検出に適していない」と判定される。
F1 が故障C2 の検出に適しているか否か判定される。
正常回路シミュレーションにおいても、故障回路シミュ
レーションにおいても、互いに異なる論理が順次に信号
線6に伝搬しているので、「テストベクタF1 は故障C
2 の検出に適していない」と判定される。
【0067】再度ステップS23に戻り、ステップS2
4においてテストベクタF2 が選択され、ステップS2
5においてテストベクタF2 を用いた正常回路シミュレ
ーションが行われる。信号線1に順次に値“1”,
“1”を伝搬させることにより、信号線6には順次に値
“0”,“0”が伝搬する。
4においてテストベクタF2 が選択され、ステップS2
5においてテストベクタF2 を用いた正常回路シミュレ
ーションが行われる。信号線1に順次に値“1”,
“1”を伝搬させることにより、信号線6には順次に値
“0”,“0”が伝搬する。
【0068】次にステップS26において故障C2 はグ
ループAに属していると判断されるので、ステップS2
7において固有値が設定される。そしてステップS28
において、故障C2 が仮定された回路M’にテストベク
タF2 を用いた故障回路シミュレーションが行われる。
第1実施例において図4を用いて説明されたように、信
号線6には順次“^X4 ”,“X4 ”が伝搬する。
ループAに属していると判断されるので、ステップS2
7において固有値が設定される。そしてステップS28
において、故障C2 が仮定された回路M’にテストベク
タF2 を用いた故障回路シミュレーションが行われる。
第1実施例において図4を用いて説明されたように、信
号線6には順次“^X4 ”,“X4 ”が伝搬する。
【0069】正常回路シミュレーションにおいては互い
に等しい論理が順次信号線6に伝搬するのに対し、故障
シミュレーションにおいては互いに異なる論理が伝搬す
るので、ステップS29においては「テストベクタF2
は故障C2 の検出に適している」と判定される。
に等しい論理が順次信号線6に伝搬するのに対し、故障
シミュレーションにおいては互いに異なる論理が伝搬す
るので、ステップS29においては「テストベクタF2
は故障C2 の検出に適している」と判定される。
【0070】以上のように、第2実施例によれば、固有
値を設定する必要のある故障に関してのみ固有値を設定
し、設定する必要のない故障に関しては固有値を設定し
ない。従ってテストベクタが、故障の検出に適している
か否かを容易に判定することができる。
値を設定する必要のある故障に関してのみ固有値を設定
し、設定する必要のない故障に関しては固有値を設定し
ない。従ってテストベクタが、故障の検出に適している
か否かを容易に判定することができる。
【0071】第3実施例:第3実施例は第2実施例で示
されたステップS20の好適な具体例を示すものであ
る。図9はステップS20の詳細を例示するフローチャ
ートである。又、図10はステップS20の手順の説明
に用いられる回路Mの構成を例示する回路図である。説
明の容易のため、第3実施例において回路Mとして採用
される回路は、第1及び第2実施例において回路Mとし
て採用されたものとは異なっている。
されたステップS20の好適な具体例を示すものであ
る。図9はステップS20の詳細を例示するフローチャ
ートである。又、図10はステップS20の手順の説明
に用いられる回路Mの構成を例示する回路図である。説
明の容易のため、第3実施例において回路Mとして採用
される回路は、第1及び第2実施例において回路Mとし
て採用されたものとは異なっている。
【0072】図10において、回路MはORゲート5,
22と、フリップフロップ7,21と、ANDゲート2
0とを備えている。そしてORゲート5は信号線1,4
に伝搬された値の論理和を信号線3に伝搬させる。ま
た、ANDゲート20は信号線16,23に伝搬された
値の論理積を信号線17に伝搬させる。そしてORゲー
ト22は信号線18,19に伝搬された値の論理和を信
号線6に与える。フリップフロップ7の入力端Dには信
号線3が、反転出力端QCには信号線18が、それぞれ
接続されている。またフリップフロップ21の入力端D
には信号線17が、非反転出力端Qには信号線19が、
それぞれ接続されている。フリップフロップ7,21の
いずれのクロック端CLKに対しても共通に信号線2が
接続されている。信号線1,23は共通して接続されて
おり、信号線4,6も共通に接続されている。
22と、フリップフロップ7,21と、ANDゲート2
0とを備えている。そしてORゲート5は信号線1,4
に伝搬された値の論理和を信号線3に伝搬させる。ま
た、ANDゲート20は信号線16,23に伝搬された
値の論理積を信号線17に伝搬させる。そしてORゲー
ト22は信号線18,19に伝搬された値の論理和を信
号線6に与える。フリップフロップ7の入力端Dには信
号線3が、反転出力端QCには信号線18が、それぞれ
接続されている。またフリップフロップ21の入力端D
には信号線17が、非反転出力端Qには信号線19が、
それぞれ接続されている。フリップフロップ7,21の
いずれのクロック端CLKに対しても共通に信号線2が
接続されている。信号線1,23は共通して接続されて
おり、信号線4,6も共通に接続されている。
【0073】まずステップS201において、全ての故
障C1 〜Cn に関して後述するリセット可能性が判定さ
れたか否かが判断される。最初にステップS201を実
行する場合には当然ながらリセット可能性は判断されて
いないので、ステップS202に進む。そして故障C1
〜Cn が順次更新され、それぞれに関してリセット可能
性が判定されて行く。ここではまず故障C1 として信号
線1の0縮退故障を選択する。
障C1 〜Cn に関して後述するリセット可能性が判定さ
れたか否かが判断される。最初にステップS201を実
行する場合には当然ながらリセット可能性は判断されて
いないので、ステップS202に進む。そして故障C1
〜Cn が順次更新され、それぞれに関してリセット可能
性が判定されて行く。ここではまず故障C1 として信号
線1の0縮退故障を選択する。
【0074】次にステップS203において回路Mの信
号値テーブルを初期化する。信号値テーブルとは各信号
線において伝搬する値を保持するテーブルであり、これ
を初期化する事は全ての信号線を伝搬する値を初期化す
る事を意味する。具体的には各信号線に如何なる論理を
も(固有値をも)設定しない。
号値テーブルを初期化する。信号値テーブルとは各信号
線において伝搬する値を保持するテーブルであり、これ
を初期化する事は全ての信号線を伝搬する値を初期化す
る事を意味する。具体的には各信号線に如何なる論理を
も(固有値をも)設定しない。
【0075】次にステップS204において故障値シミ
ュレーションを行う。故障値シミュレーションとは、現
在着目している故障に基づいた信号のみを伝搬させるシ
ミュレーションである。但し、クロック信号に関しては
値“P”が伝搬すると仮定する。
ュレーションを行う。故障値シミュレーションとは、現
在着目している故障に基づいた信号のみを伝搬させるシ
ミュレーションである。但し、クロック信号に関しては
値“P”が伝搬すると仮定する。
【0076】故障C1 を例に採って具体的に説明する
と、まず信号線1が0縮退故障しているのであるから、
これに共通して接続された信号線23に“0”が伝搬す
る。
と、まず信号線1が0縮退故障しているのであるから、
これに共通して接続された信号線23に“0”が伝搬す
る。
【0077】ANDゲート20は信号線16に伝搬する
値に拘らずに値“0”を信号線17に伝搬させるので、
信号線2に値“P”が伝搬するとフリップフロップ21
の動作によって信号線19に値“0”が伝搬する。そし
て信号の伝搬のシミュレーションはこれ以上行われな
い。
値に拘らずに値“0”を信号線17に伝搬させるので、
信号線2に値“P”が伝搬するとフリップフロップ21
の動作によって信号線19に値“0”が伝搬する。そし
て信号の伝搬のシミュレーションはこれ以上行われな
い。
【0078】その理由は以下の通りである。ORゲート
5が信号線3に如何なる値を伝搬させるかは信号線4に
伝搬する値に依存するが、ステップS203において信
号線4に対しては値が与えられていないので、信号線3
に伝搬する値は決定できない。従ってフリップフロップ
7が反転出力端QCを介して信号線18に伝搬させる値
も決定できない。このためORゲート22が信号線4,
6に伝搬させる値も決定できないのである。
5が信号線3に如何なる値を伝搬させるかは信号線4に
伝搬する値に依存するが、ステップS203において信
号線4に対しては値が与えられていないので、信号線3
に伝搬する値は決定できない。従ってフリップフロップ
7が反転出力端QCを介して信号線18に伝搬させる値
も決定できない。このためORゲート22が信号線4,
6に伝搬させる値も決定できないのである。
【0079】このようにして信号を伝搬させた後、信号
がそれ以上伝搬しない素子が最先端信号入力素子として
記憶される(ステップS205)。上記の例では信号線
1に伝搬する値を入力するORゲート5と、信号線19
に伝搬する値を入力するORゲート22が最先端信号入
力素子に該当する。
がそれ以上伝搬しない素子が最先端信号入力素子として
記憶される(ステップS205)。上記の例では信号線
1に伝搬する値を入力するORゲート5と、信号線19
に伝搬する値を入力するORゲート22が最先端信号入
力素子に該当する。
【0080】次に、ステップS206において故障伝搬
フラグのセットと伝搬のシミュレーションを行う。図1
1は回路Mにおいて、故障伝搬フラグのセットを行う様
子を示す回路図であり、図12及び図13は両者相まっ
てステップS206の詳細を示すフローチャートであ
り、接続子J5,J6,J7において連続する。
フラグのセットと伝搬のシミュレーションを行う。図1
1は回路Mにおいて、故障伝搬フラグのセットを行う様
子を示す回路図であり、図12及び図13は両者相まっ
てステップS206の詳細を示すフローチャートであ
り、接続子J5,J6,J7において連続する。
【0081】まずステップS2061において、故障伝
搬フラグflgが与えられていない出力端を有する最先
端信号入力素子が存在するか否か判断される。もし既に
全ての最先端信号入力素子の出力端に故障伝搬フラグf
lgが与えられていれば、ステップS207へ進む。最
初にステップS2061に進んだ場合には未だ故障伝搬
フラグflgは与えられていないので、ステップS20
62へ進む。
搬フラグflgが与えられていない出力端を有する最先
端信号入力素子が存在するか否か判断される。もし既に
全ての最先端信号入力素子の出力端に故障伝搬フラグf
lgが与えられていれば、ステップS207へ進む。最
初にステップS2061に進んだ場合には未だ故障伝搬
フラグflgは与えられていないので、ステップS20
62へ進む。
【0082】次にステップS2062において最先端信
号入力素子の出力端に接続された信号線(上記の例で言
えばORゲート5,22に対してそれぞれ信号線3,6
が対応している)に故障伝搬フラグflgを与える。ス
テップS2062ではまず一つの最先端信号入力素子に
対応して故障伝搬フラグflgを与える。ここでは信号
線3に故障伝搬フラグflgを与える。
号入力素子の出力端に接続された信号線(上記の例で言
えばORゲート5,22に対してそれぞれ信号線3,6
が対応している)に故障伝搬フラグflgを与える。ス
テップS2062ではまず一つの最先端信号入力素子に
対応して故障伝搬フラグflgを与える。ここでは信号
線3に故障伝搬フラグflgを与える。
【0083】素子の入力端の内、故障伝搬フラグflg
が与えられた入力端を除く全てに関して、以下の何れか
に該当している場合には故障伝搬フラグflgがその素
子を介して伝搬する(ステップS2063)。
が与えられた入力端を除く全てに関して、以下の何れか
に該当している場合には故障伝搬フラグflgがその素
子を介して伝搬する(ステップS2063)。
【0084】値が決まってない。
【0085】既に故障伝搬フラグflgが与えられて
いる。
いる。
【0086】非制御値(その値により素子の出力する
値を一意に決定できない値)が伝搬している。
値を一意に決定できない値)が伝搬している。
【0087】そして、もはや故障伝搬フラグflgが回
路M内を伝搬しなくなった場合のみならず、故障伝搬フ
ラグflgがループ状に伝搬した場合にも伝搬が終了す
る(ステップS2066,S2067)。
路M内を伝搬しなくなった場合のみならず、故障伝搬フ
ラグflgがループ状に伝搬した場合にも伝搬が終了す
る(ステップS2066,S2067)。
【0088】上記の例で言えば、まず信号線3に故障伝
搬フラグflgが与えられる。これはフリップフロップ
7の入力端Dに伝搬するが、信号線2を介してフリップ
フロップ7のクロック端CLKには値“P”が伝搬す
る。よって入力端Dに関しては上記条件が該当し、ク
ロック端CLKに関しては上記条件が該当する。その
ためフリップフロップ7を介して信号線18にも故障伝
搬フラグflgが伝搬する。
搬フラグflgが与えられる。これはフリップフロップ
7の入力端Dに伝搬するが、信号線2を介してフリップ
フロップ7のクロック端CLKには値“P”が伝搬す
る。よって入力端Dに関しては上記条件が該当し、ク
ロック端CLKに関しては上記条件が該当する。その
ためフリップフロップ7を介して信号線18にも故障伝
搬フラグflgが伝搬する。
【0089】信号線18はORゲート22の一方の入力
端に故障伝搬フラグflgを与える。ORゲート22の
他方の入力端にはステップS204によって信号線19
を介して値“0”が与えられている。しかし、ORゲー
ト22に対して入力する値“0”は、ORゲート22の
出力を一意に決定できない。即ち値“0”はORゲート
22に関して非制御値であり、他方の入力端は上記条件
のに該当する。そのため、ORゲート22を介して故
障伝搬フラグflgが信号線4,6に伝搬する。
端に故障伝搬フラグflgを与える。ORゲート22の
他方の入力端にはステップS204によって信号線19
を介して値“0”が与えられている。しかし、ORゲー
ト22に対して入力する値“0”は、ORゲート22の
出力を一意に決定できない。即ち値“0”はORゲート
22に関して非制御値であり、他方の入力端は上記条件
のに該当する。そのため、ORゲート22を介して故
障伝搬フラグflgが信号線4,6に伝搬する。
【0090】更にORゲート5の入力端には信号線1が
値“0”を伝搬させるが、上記条件に該当するので、
故障伝搬フラグflgはORゲート5を介して信号線3
に伝搬する。
値“0”を伝搬させるが、上記条件に該当するので、
故障伝搬フラグflgはORゲート5を介して信号線3
に伝搬する。
【0091】以上のようにして故障伝搬フラグflgが
ループ状に伝搬したので、信号線3に故障伝搬フラグf
lgをセットしたことに起因する伝搬は終了する。な
お、ORゲート22も最先端信号入力素子であるが、既
に信号線6に故障伝搬フラグflgが与えられているの
で、もはやORゲート22に基づいての故障伝搬フラグ
flgのセット及び伝搬は行われない。
ループ状に伝搬したので、信号線3に故障伝搬フラグf
lgをセットしたことに起因する伝搬は終了する。な
お、ORゲート22も最先端信号入力素子であるが、既
に信号線6に故障伝搬フラグflgが与えられているの
で、もはやORゲート22に基づいての故障伝搬フラグ
flgのセット及び伝搬は行われない。
【0092】条件,,からわかるように、故障伝
搬フラグflgがループ状に伝搬する部分は、未定値
“X”が伝搬する可能性のある部分である。そして従来
の技術において解決すべき問題点は、この未定値“X”
が伝搬する部分を初期化できなかったことに起因する。
従って第1実施例に示された手法、即ち固有値を用いた
故障シミュレーションを用いる必要があるか否かは、故
障伝搬フラグflgがループ状に伝搬する部分に対し、
その初期化の可能性を吟味すればよい。
搬フラグflgがループ状に伝搬する部分は、未定値
“X”が伝搬する可能性のある部分である。そして従来
の技術において解決すべき問題点は、この未定値“X”
が伝搬する部分を初期化できなかったことに起因する。
従って第1実施例に示された手法、即ち固有値を用いた
故障シミュレーションを用いる必要があるか否かは、故
障伝搬フラグflgがループ状に伝搬する部分に対し、
その初期化の可能性を吟味すればよい。
【0093】ステップS2068において、故障伝搬フ
ラグflgのループの原因となっているゲートのみをス
タックし、それ以外の最先端信号入力素子をスタックか
ら外す。即ち一つのループに対して一つの最先端信号入
力素子(ループ起因素子)のみがスタックされる。ここ
ではループ状に伝搬した故障伝搬フラグflgの伝搬の
起点はORゲート5であったので、ORゲート22はス
タックから排除される。
ラグflgのループの原因となっているゲートのみをス
タックし、それ以外の最先端信号入力素子をスタックか
ら外す。即ち一つのループに対して一つの最先端信号入
力素子(ループ起因素子)のみがスタックされる。ここ
ではループ状に伝搬した故障伝搬フラグflgの伝搬の
起点はORゲート5であったので、ORゲート22はス
タックから排除される。
【0094】このようなループ起因素子の出力が初期化
(リセット)されてしまえば、そのループにおける信号
線には順次に値が定まって伝搬するために固有値の設定
を行わなくても良いが、初期化ができなければこのルー
プ状の故障伝搬フラグflgがなくなることがないので
未定値“X”が伝搬する可能性が残る。従ってそのよう
な場合には固有値の設定を行わなければならない。
(リセット)されてしまえば、そのループにおける信号
線には順次に値が定まって伝搬するために固有値の設定
を行わなくても良いが、初期化ができなければこのルー
プ状の故障伝搬フラグflgがなくなることがないので
未定値“X”が伝搬する可能性が残る。従ってそのよう
な場合には固有値の設定を行わなければならない。
【0095】ステップS207に進み、ループ状に伝搬
した故障伝搬フラグflgのリセット可能性を吟味す
る。図14はステップS207の詳細を示すフローチャ
ートである。まずステップS2071において特定素子
の検出を行う。ここで特定素子とは、故障伝搬フラグf
lgが伝搬することなく、しかも論理値も決定されてい
ない信号線が接続された入力端を有する素子をいう。こ
の特定素子は故障箇所である信号線1から前方トレース
されることにより検出される。信号線1はORゲート5
及び、信号線23を介してANDゲート20に接続され
ているが、ORゲート5の入力端は値“0”に決定して
いたり、故障伝搬フラグflgが与えられていたりして
いるので、特定素子足り得ない。一方、ANDゲート2
0の入力端に接続された信号線16は未だ値も与えられ
ておらず、しかも論理値も決定されていない。従って、
ANDゲート20は信号線16が接続された入力端を有
する特定素子であるとして検出される。
した故障伝搬フラグflgのリセット可能性を吟味す
る。図14はステップS207の詳細を示すフローチャ
ートである。まずステップS2071において特定素子
の検出を行う。ここで特定素子とは、故障伝搬フラグf
lgが伝搬することなく、しかも論理値も決定されてい
ない信号線が接続された入力端を有する素子をいう。こ
の特定素子は故障箇所である信号線1から前方トレース
されることにより検出される。信号線1はORゲート5
及び、信号線23を介してANDゲート20に接続され
ているが、ORゲート5の入力端は値“0”に決定して
いたり、故障伝搬フラグflgが与えられていたりして
いるので、特定素子足り得ない。一方、ANDゲート2
0の入力端に接続された信号線16は未だ値も与えられ
ておらず、しかも論理値も決定されていない。従って、
ANDゲート20は信号線16が接続された入力端を有
する特定素子であるとして検出される。
【0096】次にステップS2072において、特定素
子の有する入力端のうち、論理値が未決定の入力端に
“0”,“1”の値をそれぞれ設定する。そしてこれら
の値を伝搬させる。図15は図11の回路において信号
線16に値“0”,“1”を与えた場合を示す回路図で
ある。この回路においては既に信号線23の値が“0”
に決定しているので、信号線16に値“0”,“1”の
何れが与えられても、ANDゲート20の出力端は信号
線17に常に“0”を与える。
子の有する入力端のうち、論理値が未決定の入力端に
“0”,“1”の値をそれぞれ設定する。そしてこれら
の値を伝搬させる。図15は図11の回路において信号
線16に値“0”,“1”を与えた場合を示す回路図で
ある。この回路においては既に信号線23の値が“0”
に決定しているので、信号線16に値“0”,“1”の
何れが与えられても、ANDゲート20の出力端は信号
線17に常に“0”を与える。
【0097】そしてステップS2073において、値が
決定された範囲において存在する出力端を有するループ
起因素子が記憶から排除される。図15に示された回路
ではループ起因素子であるORゲート5の出力端はステ
ップS2072においても値が決定されなかったので、
記憶から削除されることなく残る。
決定された範囲において存在する出力端を有するループ
起因素子が記憶から排除される。図15に示された回路
ではループ起因素子であるORゲート5の出力端はステ
ップS2072においても値が決定されなかったので、
記憶から削除されることなく残る。
【0098】このようにして、ループ起因素子がステッ
プS2073によっても排除されない場合には、このル
ープはリセット可能性が無いと判断され(ステップS2
075)、ステップS208へと進む。一方、ループ起
因素子の全てがステップS2073によって排除された
場合には、ループのリセット可能性が有ると判断され
(ステップS2076)、ステップS209へと進む
(ステップS2074)。
プS2073によっても排除されない場合には、このル
ープはリセット可能性が無いと判断され(ステップS2
075)、ステップS208へと進む。一方、ループ起
因素子の全てがステップS2073によって排除された
場合には、ループのリセット可能性が有ると判断され
(ステップS2076)、ステップS209へと進む
(ステップS2074)。
【0099】ループ起因素子に関するステップS207
4の判断でリセット可能性の有無を判断し、ステップS
208,S209に進めるのは次の理由による。既述の
ように、故障伝搬フラグflgがループ状に伝搬してい
る部分には未定値“X”が伝搬する可能性がある。しか
し、テストベクタを適切に選択することにより、故障伝
搬フラグflgがループ状に伝搬する原因となった素子
(ここではORゲート5)の出力端の値を決定できるの
であれば、かかる故障伝搬フラグflgのループをリセ
ットする可能性が存在する。
4の判断でリセット可能性の有無を判断し、ステップS
208,S209に進めるのは次の理由による。既述の
ように、故障伝搬フラグflgがループ状に伝搬してい
る部分には未定値“X”が伝搬する可能性がある。しか
し、テストベクタを適切に選択することにより、故障伝
搬フラグflgがループ状に伝搬する原因となった素子
(ここではORゲート5)の出力端の値を決定できるの
であれば、かかる故障伝搬フラグflgのループをリセ
ットする可能性が存在する。
【0100】換言すれば、値を自由に設定することが許
されている信号線(ここでは信号線16)に対して与え
られる、ある値が故障伝搬フラグflgのループをリセ
ットするのであれば、そのような値を採るテストベクタ
は故障Ci を検出すると判定されるのである。従ってリ
セット可能性があるのであれば、固有値を設定すること
がなくても、テストベクタさえ適切であれば正常回路と
故障回路の判別ができるのであり、逆にリセット可能性
があるのに正常回路と故障回路の判別ができないのであ
れば、それはそのテストベクタが故障Ci の検出には不
適当であることを表している。
されている信号線(ここでは信号線16)に対して与え
られる、ある値が故障伝搬フラグflgのループをリセ
ットするのであれば、そのような値を採るテストベクタ
は故障Ci を検出すると判定されるのである。従ってリ
セット可能性があるのであれば、固有値を設定すること
がなくても、テストベクタさえ適切であれば正常回路と
故障回路の判別ができるのであり、逆にリセット可能性
があるのに正常回路と故障回路の判別ができないのであ
れば、それはそのテストベクタが故障Ci の検出には不
適当であることを表している。
【0101】図16及び図17はステップS2073に
おいて、ループ起因素子が記憶から排除される場合に該
当する回路を示す回路図である。いずれも図3に示され
た回路に対してANDゲート30を信号線3の間に挿入
した回路である。信号線3はANDゲート30の前後で
それぞれ信号線31,32に分割されており、ANDゲ
ート30の一方の入力端には信号線31が接続され、他
方の入力端には信号線33が接続されている。そしてそ
の出力端には信号線32が接続されている。
おいて、ループ起因素子が記憶から排除される場合に該
当する回路を示す回路図である。いずれも図3に示され
た回路に対してANDゲート30を信号線3の間に挿入
した回路である。信号線3はANDゲート30の前後で
それぞれ信号線31,32に分割されており、ANDゲ
ート30の一方の入力端には信号線31が接続され、他
方の入力端には信号線33が接続されている。そしてそ
の出力端には信号線32が接続されている。
【0102】図16はステップS206が終了した様子
を示す回路図であり、ステップS2068によってOR
ゲート5がループ起因素子としてスタックに残置してい
る。この場合にはステップS2071においてANDゲ
ート30が特定素子として検出される。そしてステップ
S2072において信号線33には“0”,“1”の値
が設定される。
を示す回路図であり、ステップS2068によってOR
ゲート5がループ起因素子としてスタックに残置してい
る。この場合にはステップS2071においてANDゲ
ート30が特定素子として検出される。そしてステップ
S2072において信号線33には“0”,“1”の値
が設定される。
【0103】信号線33に値“1”が設定されても、特
定素子たるANDゲート30の出力端は故障伝搬フラグ
flgが伝搬したままであり、値は決定されない。しか
し、図17に示されるように信号線33に値“0”が設
定された場合には特定素子たるANDゲート30の出力
端は信号線32に値“0”を伝搬させるので、信号線2
に値“P”が伝搬することによってフリップフロップ7
の反転出力端QCは信号線4,6に伝搬する値を“1”
に決定する。このためループ起因素子であるORゲート
5の出力端が信号線31に値“1”を伝搬させる。
定素子たるANDゲート30の出力端は故障伝搬フラグ
flgが伝搬したままであり、値は決定されない。しか
し、図17に示されるように信号線33に値“0”が設
定された場合には特定素子たるANDゲート30の出力
端は信号線32に値“0”を伝搬させるので、信号線2
に値“P”が伝搬することによってフリップフロップ7
の反転出力端QCは信号線4,6に伝搬する値を“1”
に決定する。このためループ起因素子であるORゲート
5の出力端が信号線31に値“1”を伝搬させる。
【0104】このようにしてステップS2072におい
て信号線を伝搬する値が全て決定され、ループ起因素子
であったORゲート5はスタックから排除される。その
ため、図16及び図17に示された回路はリセット可能
性が有るとしてステップS2076を経由してステップ
S209に進む。
て信号線を伝搬する値が全て決定され、ループ起因素子
であったORゲート5はスタックから排除される。その
ため、図16及び図17に示された回路はリセット可能
性が有るとしてステップS2076を経由してステップ
S209に進む。
【0105】この様に第3実施例によれば、第2実施例
において示されたステップS20の好適な具体的ステッ
プを構成することができる。
において示されたステップS20の好適な具体的ステッ
プを構成することができる。
【0106】第4実施例:第2及び第3実施例では、固
有値を設定する必要のある故障なのか、あるいは従来の
故障シミュレーション方法のように固有値を設定する必
要のない故障なのか、を予め判断する技術が示された。
しかし固有値を設定する必要のある故障であっても、固
有値を設定する必要が有る信号線と無い信号線とが存在
する。
有値を設定する必要のある故障なのか、あるいは従来の
故障シミュレーション方法のように固有値を設定する必
要のない故障なのか、を予め判断する技術が示された。
しかし固有値を設定する必要のある故障であっても、固
有値を設定する必要が有る信号線と無い信号線とが存在
する。
【0107】図18及び図19は両者相まって第4実施
例にかかる故障シミュレーション方法の手順を示すフロ
ーチャートであり、接続子J8,J9で連続する。
例にかかる故障シミュレーション方法の手順を示すフロ
ーチャートであり、接続子J8,J9で連続する。
【0108】ステップS30において、回路Mに仮定す
べき故障に対して、固有値の設定を必要とする信号線を
記憶する。その後、第2実施例のステップS21乃至S
25と同様にしてステップS31乃至S35の処理が進
み、ステップS36において信号線のうち固有値を設定
すべきものが存在するか否かが判断される。もし、現在
着目している故障Ci に関して、ステップS30におい
て信号線が記憶されていたならば、ステップS37に進
んでその信号線のみに固有値が設定され、ステップS3
8に進む。ステップS36において信号線が記憶されて
いないと判断されれば固有値を設定する必要がないので
あるから、ステップS38に進む。
べき故障に対して、固有値の設定を必要とする信号線を
記憶する。その後、第2実施例のステップS21乃至S
25と同様にしてステップS31乃至S35の処理が進
み、ステップS36において信号線のうち固有値を設定
すべきものが存在するか否かが判断される。もし、現在
着目している故障Ci に関して、ステップS30におい
て信号線が記憶されていたならば、ステップS37に進
んでその信号線のみに固有値が設定され、ステップS3
8に進む。ステップS36において信号線が記憶されて
いないと判断されれば固有値を設定する必要がないので
あるから、ステップS38に進む。
【0109】その後はステップS28,S29と同様の
処理がステップS38,39において行われる。
処理がステップS38,39において行われる。
【0110】以上のように、第4実施例によれば、固有
値を設定する必要のある信号線に関してのみ固有値を設
定し、設定する必要のない信号線に関しては固有値を設
定しない。従ってテストベクタが、故障の検出に適して
いるか否かを容易に判定することができる。
値を設定する必要のある信号線に関してのみ固有値を設
定し、設定する必要のない信号線に関しては固有値を設
定しない。従ってテストベクタが、故障の検出に適して
いるか否かを容易に判定することができる。
【0111】第5実施例:一旦全ての固有値を設定して
も、その信号線に接続される出力端を有する素子がその
出力線に決定された値を与える可能性がある。この場合
には、当該信号線には固有値を設定する必要がない。こ
のような状態が生じるか否かは、一つの故障に対して最
初のテストベクタを与えたときに、実際に固有値が他の
値に決定される様子を調べればわかる。よってステップ
S30において信号線の吟味をおこなわなくても、一旦
正常回路及び故障回路についてシミュレーションを行っ
て固有値の設定の有無を確認することができる。
も、その信号線に接続される出力端を有する素子がその
出力線に決定された値を与える可能性がある。この場合
には、当該信号線には固有値を設定する必要がない。こ
のような状態が生じるか否かは、一つの故障に対して最
初のテストベクタを与えたときに、実際に固有値が他の
値に決定される様子を調べればわかる。よってステップ
S30において信号線の吟味をおこなわなくても、一旦
正常回路及び故障回路についてシミュレーションを行っ
て固有値の設定の有無を確認することができる。
【0112】図20及び図21は両者相まって第5実施
例にかかる故障シミュレーション方法の手順を示すフロ
ーチャートであり、接続子J10,J11で連続する。
例にかかる故障シミュレーション方法の手順を示すフロ
ーチャートであり、接続子J10,J11で連続する。
【0113】まずステップS40において、ステップS
21と同様にして全ての故障について故障シミュレーシ
ョンが行われたか否かを判断する。そしてステップS4
1においてステップS22と同様にして故障Ci の更新
を順次に行う。
21と同様にして全ての故障について故障シミュレーシ
ョンが行われたか否かを判断する。そしてステップS4
1においてステップS22と同様にして故障Ci の更新
を順次に行う。
【0114】その後第1実施例と同様にしてステップS
43において最初のテストベクタF1 による正常回路シ
ミュレーションを行う。またステップS44において最
初のテストベクタF1 による故障回路シミュレーション
を行う。従って、この2つのステップにおける手順は第
1実施例と同様である。これらのステップS43,44
に先だって、ステップS42において全ての信号線に関
して固有値が設定されるが、既に述べたように正常回路
Mには固有値を設定してもしなくても良いので、ステッ
プS42の対象となる回路は回路M’のみとしても良
い。
43において最初のテストベクタF1 による正常回路シ
ミュレーションを行う。またステップS44において最
初のテストベクタF1 による故障回路シミュレーション
を行う。従って、この2つのステップにおける手順は第
1実施例と同様である。これらのステップS43,44
に先だって、ステップS42において全ての信号線に関
して固有値が設定されるが、既に述べたように正常回路
Mには固有値を設定してもしなくても良いので、ステッ
プS42の対象となる回路は回路M’のみとしても良
い。
【0115】この後、故障回路シミュレーションにおい
て結果的に固有値若しくはその反転した値を有する信号
線を記憶する(ステップS45)。これに対し、ステッ
プS44の結果、固有値が現れない信号線には固有値を
設定する必要がない。正常回路シミュレーションの場合
と同様に、他の信号線に伝搬する値によって伝搬する値
が決定されるためである。
て結果的に固有値若しくはその反転した値を有する信号
線を記憶する(ステップS45)。これに対し、ステッ
プS44の結果、固有値が現れない信号線には固有値を
設定する必要がない。正常回路シミュレーションの場合
と同様に、他の信号線に伝搬する値によって伝搬する値
が決定されるためである。
【0116】その後ステップS46において、故障Ci
の検出に関するテストベクタF1 の適否を判定する。
の検出に関するテストベクタF1 の適否を判定する。
【0117】ステップS47乃至ステップS52は、残
りのテストベクタF2 〜Fm の適否を判定する。ステッ
プS47において残りのテストベクタの全てについて適
否が判定されたか否かが判断され、ステップS48にお
いて順次テストベクタFj が更新される。
りのテストベクタF2 〜Fm の適否を判定する。ステッ
プS47において残りのテストベクタの全てについて適
否が判定されたか否かが判断され、ステップS48にお
いて順次テストベクタFj が更新される。
【0118】ステップS49においては固有値の設定が
行われる。但し、結果的に固有値若しくはその反転した
値の伝搬する信号線、即ちステップS45において記憶
された信号線のみに対して固有値が設定される。
行われる。但し、結果的に固有値若しくはその反転した
値の伝搬する信号線、即ちステップS45において記憶
された信号線のみに対して固有値が設定される。
【0119】そしてステップS50,S51においてそ
れぞれ正常回路シミュレーション及び故障回路シミュレ
ーションを行い、S52において故障Ci の検出に関す
るテストベクタFj の適否を判定する。
れぞれ正常回路シミュレーション及び故障回路シミュレ
ーションを行い、S52において故障Ci の検出に関す
るテストベクタFj の適否を判定する。
【0120】上記のような手順においては、一つの故障
に関して一回は全ての信号線に対して固有値を設定する
が、最初のテストベクタによる正常回路シミュレーショ
ン及び故障シミュレーションによって固有値を設定すべ
き信号線を特定できるので、2つ目以後のテストベクタ
の適否の判定を行うに際しては、不要な固有値の設定を
行う必要がない。但し、故障の種類が異なれば固有値を
設定すべき信号線も異なるので、ステップS42はステ
ップS41よりも後にステップS43よりも前に設ける
必要がある。
に関して一回は全ての信号線に対して固有値を設定する
が、最初のテストベクタによる正常回路シミュレーショ
ン及び故障シミュレーションによって固有値を設定すべ
き信号線を特定できるので、2つ目以後のテストベクタ
の適否の判定を行うに際しては、不要な固有値の設定を
行う必要がない。但し、故障の種類が異なれば固有値を
設定すべき信号線も異なるので、ステップS42はステ
ップS41よりも後にステップS43よりも前に設ける
必要がある。
【0121】以上のようにして第5実施例においても第
4実施例と同様の効果を得ることができる。
4実施例と同様の効果を得ることができる。
【0122】第6実施例:第6実施例は第4実施例で示
されたステップS30の好適な具体例を示すものであ
る。
されたステップS30の好適な具体例を示すものであ
る。
【0123】例えば、第1実施例において図6に示され
た信号線1,3には固有値を設定する必要がない。信号
線1に1縮退の故障が仮定されているのであるから、信
号線1に固有値を設定しても直ちに値が“1”に決定し
てしまう。そして信号線1に伝搬する値が“1”である
ために、ORゲート5は信号線3に伝搬する値を“1”
に固定してしまう。従って信号線3に固有値を設定する
必要がない。
た信号線1,3には固有値を設定する必要がない。信号
線1に1縮退の故障が仮定されているのであるから、信
号線1に固有値を設定しても直ちに値が“1”に決定し
てしまう。そして信号線1に伝搬する値が“1”である
ために、ORゲート5は信号線3に伝搬する値を“1”
に固定してしまう。従って信号線3に固有値を設定する
必要がない。
【0124】更に、図4に示されたように信号線1に0
縮退の故障を仮定した場合においても、ORゲート5は
信号線4を伝搬する値を信号線3に伝搬させることにな
る。従って、信号線4にさえ固有値が設定されていれ
ば、信号線3に伝搬する値は信号線4に伝搬する固有値
の反転した論理値を有することになる。
縮退の故障を仮定した場合においても、ORゲート5は
信号線4を伝搬する値を信号線3に伝搬させることにな
る。従って、信号線4にさえ固有値が設定されていれ
ば、信号線3に伝搬する値は信号線4に伝搬する固有値
の反転した論理値を有することになる。
【0125】以上のことから解るように、値“P”の伝
搬に依存せずに出力が決定される素子の出力端に接続さ
れた信号線には固定値を設定する必要がない。換言すれ
ば値“P”の伝搬に依存して出力する素子(図4、図6
で言えばフリップフロップ7)の出力端に接続された信
号線に対して固有値を設定する必要がある。
搬に依存せずに出力が決定される素子の出力端に接続さ
れた信号線には固定値を設定する必要がない。換言すれ
ば値“P”の伝搬に依存して出力する素子(図4、図6
で言えばフリップフロップ7)の出力端に接続された信
号線に対して固有値を設定する必要がある。
【0126】しかし、値“P”が伝搬する素子の出力端
に接続される全ての信号線に対して固有値を設定する必
要もない。未定値“X”が伝搬することのない素子に
は、もともとその必要がない。従って第3実施例で示さ
れた、故障伝搬フラグflgの伝搬が行われるループの
うちリセット可能性のないものにおいて、値“P”が伝
搬することで出力する素子の出力端が存在するならば、
その出力端に接続された信号線にさえ固有値を設定すれ
ば良いことになる。
に接続される全ての信号線に対して固有値を設定する必
要もない。未定値“X”が伝搬することのない素子に
は、もともとその必要がない。従って第3実施例で示さ
れた、故障伝搬フラグflgの伝搬が行われるループの
うちリセット可能性のないものにおいて、値“P”が伝
搬することで出力する素子の出力端が存在するならば、
その出力端に接続された信号線にさえ固有値を設定すれ
ば良いことになる。
【0127】図22はステップS30の詳細を例示する
フローチャートである。又、図23はステップS30の
手順の説明に用いられる回路Mの構成を例示する回路図
である。ステップS30は、その当初はステップS20
において示されたステップS201乃至ステップS20
7と同一の手順を含んでいる。即ち故障Ci に関しての
リセット可能性の有無が判断される。
フローチャートである。又、図23はステップS30の
手順の説明に用いられる回路Mの構成を例示する回路図
である。ステップS30は、その当初はステップS20
において示されたステップS201乃至ステップS20
7と同一の手順を含んでいる。即ち故障Ci に関しての
リセット可能性の有無が判断される。
【0128】リセット可能性がなければステップS30
1に進み、ループのループ起因素子から故障伝搬フラグ
flgに沿って後方トレースを行う。そしてループ起因
素子に戻るまでに存在するフリップフロップを検出す
る。そしてステップS302においてこの検出されたフ
リップフロップの出力端に接続された信号線を、固有値
の設定が必要な信号線として記憶する。その後ステップ
S201に戻って全ての故障に関して同様の処理を行
う。
1に進み、ループのループ起因素子から故障伝搬フラグ
flgに沿って後方トレースを行う。そしてループ起因
素子に戻るまでに存在するフリップフロップを検出す
る。そしてステップS302においてこの検出されたフ
リップフロップの出力端に接続された信号線を、固有値
の設定が必要な信号線として記憶する。その後ステップ
S201に戻って全ての故障に関して同様の処理を行
う。
【0129】ステップS207においてリセット可能性
があると判断された場合にも、如何なる信号線に対して
も固有値を設定する必要がないので、ステップS201
に戻る。
があると判断された場合にも、如何なる信号線に対して
も固有値を設定する必要がないので、ステップS201
に戻る。
【0130】図23においては、ORゲート5がループ
起因素子であったので、ここから後方トレースを行う。
ORゲート22はフリップフロップではないので、ステ
ップS301においてはフリップフロップ7が検出され
る。そしてその出力端に接続される信号線18が、固有
値を設定する必要のある信号線として記憶される(ステ
ップS302)。
起因素子であったので、ここから後方トレースを行う。
ORゲート22はフリップフロップではないので、ステ
ップS301においてはフリップフロップ7が検出され
る。そしてその出力端に接続される信号線18が、固有
値を設定する必要のある信号線として記憶される(ステ
ップS302)。
【0131】この様に第6実施例によれば、第4実施例
において示されたステップS30の好適な具体的ステッ
プを構成することができる。
において示されたステップS30の好適な具体的ステッ
プを構成することができる。
【0132】
【発明の効果】以上のようにこの発明により、これまで
テストベクタが検出できるか否かを判定できなかった故
障に対しても、テストベクタの適否の判定をすることが
可能となり、より正確な故障シミュレーションが実行で
きる。
テストベクタが検出できるか否かを判定できなかった故
障に対しても、テストベクタの適否の判定をすることが
可能となり、より正確な故障シミュレーションが実行で
きる。
【0133】この発明のうち請求項1にかかる故障シミ
ュレーション方法においては、正常結果値と故障結果値
の何れにおいても、2値論理又は固有値若しくは固有値
の反転した値が得られるので、両者の一致/不一致を判
断することができる故障の種類が多くなる。従って、テ
ストベクタとしての適否を従来の故障シミュレーション
方法において判定が可能であったテストベクタの適否の
みならず、従来の故障シミュレーション方法では判定が
できないようなテストベクタの適否をも判定することが
できる。
ュレーション方法においては、正常結果値と故障結果値
の何れにおいても、2値論理又は固有値若しくは固有値
の反転した値が得られるので、両者の一致/不一致を判
断することができる故障の種類が多くなる。従って、テ
ストベクタとしての適否を従来の故障シミュレーション
方法において判定が可能であったテストベクタの適否の
みならず、従来の故障シミュレーション方法では判定が
できないようなテストベクタの適否をも判定することが
できる。
【0134】この発明のうち請求項2にかかる故障シミ
ュレーション方法においては、不要な固有値の設定を省
略するので、簡易に請求項1にかかる故障シミュレーシ
ョン方法の効果を得ることができる。
ュレーション方法においては、不要な固有値の設定を省
略するので、簡易に請求項1にかかる故障シミュレーシ
ョン方法の効果を得ることができる。
【0135】この発明のうち請求項3にかかる故障シミ
ュレーション方法においては、ループが未定値の伝搬し
得る範囲として把握され、このループがリセットされる
可能性が存在するのであれば、かかるリセットを行うこ
とのできるテストベクタが存在し得ることになる。従っ
て、ループのリセット可能性が有るものに関しては固有
値を設定する必要がないので、請求項2にかかる故障シ
ミュレーション方法の効果を得ることができる。
ュレーション方法においては、ループが未定値の伝搬し
得る範囲として把握され、このループがリセットされる
可能性が存在するのであれば、かかるリセットを行うこ
とのできるテストベクタが存在し得ることになる。従っ
て、ループのリセット可能性が有るものに関しては固有
値を設定する必要がないので、請求項2にかかる故障シ
ミュレーション方法の効果を得ることができる。
【0136】この発明のうち請求項4にかかる故障シミ
ュレーション方法においては、不要な固有値の設定を省
略するので、簡易に請求項1にかかる故障シミュレーシ
ョン方法の効果を得ることができる。
ュレーション方法においては、不要な固有値の設定を省
略するので、簡易に請求項1にかかる故障シミュレーシ
ョン方法の効果を得ることができる。
【0137】この発明のうち請求項5にかかる故障シミ
ュレーション方法においては、未定値の伝搬し得る範囲
として把握されるループに対して、クロック信号の伝搬
に依存して出力する素子が論理値を与える場合におい
て、その素子の出力端に接続された信号線を検出するの
で、この検出線にのみ固有値を設定することにより請求
項4にかかる故障シミュレーション方法の効果を得るこ
とができる。
ュレーション方法においては、未定値の伝搬し得る範囲
として把握されるループに対して、クロック信号の伝搬
に依存して出力する素子が論理値を与える場合におい
て、その素子の出力端に接続された信号線を検出するの
で、この検出線にのみ固有値を設定することにより請求
項4にかかる故障シミュレーション方法の効果を得るこ
とができる。
【0138】この発明のうち請求項6にかかる故障シミ
ュレーション方法においては、論理素子に論理値が伝搬
することによって固有値又はその反転した値が伝搬しな
くなった信号線には、固有値を設定しなくても後に論理
値が決定される。従って、かかる信号線に対しては固有
値を設定する必要が無いと判断されるので、第2番目以
降のテストベクタの検査において容易に請求項1にかか
るものの効果を得ることができる。
ュレーション方法においては、論理素子に論理値が伝搬
することによって固有値又はその反転した値が伝搬しな
くなった信号線には、固有値を設定しなくても後に論理
値が決定される。従って、かかる信号線に対しては固有
値を設定する必要が無いと判断されるので、第2番目以
降のテストベクタの検査において容易に請求項1にかか
るものの効果を得ることができる。
【図1】 図2と相まってこの発明の第1実施例を示す
フローチャートである。
フローチャートである。
【図2】 図1と相まってこの発明の第1実施例を示す
フローチャートである。
フローチャートである。
【図3】 この発明の第1実施例を説明する回路図であ
る。
る。
【図4】 この発明の第1実施例を説明する回路図であ
る。
る。
【図5】 この発明の第1実施例を説明する回路図であ
る。
る。
【図6】 この発明の第1実施例を説明する回路図であ
る。
る。
【図7】 図8と相まってこの発明の第2実施例を示す
フローチャートである。
フローチャートである。
【図8】 図7と相まってこの発明の第2実施例を示す
フローチャートである。
フローチャートである。
【図9】 この発明の第3実施例を示すフローチャート
である。
である。
【図10】 この発明の第3実施例を説明する回路図で
ある。
ある。
【図11】 この発明の第3実施例を説明する回路図で
ある。
ある。
【図12】 図13と相まってこの発明の第3実施例を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図13】 図12と相まってこの発明の第3実施例を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図14】 この発明の第3実施例を示すフローチャー
トである。
トである。
【図15】 この発明の第3実施例を説明する回路図で
ある。
ある。
【図16】 この発明の第3実施例を説明する回路図で
ある。
ある。
【図17】 この発明の第3実施例を説明する回路図で
ある。
ある。
【図18】 図19と相まってこの発明の第4実施例を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図19】 図18と相まってこの発明の第4実施例を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図20】 図21と相まってこの発明の第5実施例を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図21】 図20と相まってこの発明の第5実施例を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図22】 この発明の第6実施例を示すフローチャー
トである。
トである。
【図23】 この発明の第6実施例を説明する回路図で
ある。
ある。
【図24】 従来の技術を説明する回路図である。
【図25】 従来の技術を説明する回路図である。
【図26】 従来の技術を説明する回路図である。
【図27】 従来の技術を説明する回路図である。
1,2,3,4,6,16,17,18,19,23,
31〜33 信号線、X1 〜X4 固有値。
31〜33 信号線、X1 〜X4 固有値。
Claims (6)
- 【請求項1】複数の信号線及び少なくとも一つの論理素
子を含む被測定回路における少なくとも一種の故障を、
前記信号線の少なくとも一つに2値論理を与える少なく
とも一つのテストベクタが、検出することができるか否
かを判定する故障シミュレーション方法であって、 (a)前記故障を前記被測定回路に仮に与えて故障回路
を求める工程と、 (b)前記故障回路に対し、その前記信号線に一意に対
応する固有値を少なくとも一つ設定する工程と、 (c)前記テストベクタを前記被測定回路に故障が全く
存在しない正常回路及び前記故障回路の何れに対しても
与える工程と、 (d)前記正常回路及び前記故障回路において、前記信
号線に論理値を伝搬させる工程と、 (e)前記正常回路の特定の前記信号線に伝搬する正常
結果値と、前記特定信号線に対応する前記故障回路の前
記信号線に伝搬する故障結果値とを求める工程と、 (f)前記正常結果値と前記故障結果値とを比較して、
前記テストベクタが前記故障を検出できるか否かを判定
する工程とを備え、 前記固有値は、論理値“1”,“0”のいずれか一方で
あることを、“1”,“0”のいずれであるかを問わず
に総括的に表す、故障シミュレーション方法。 - 【請求項2】前記故障は複数種であり、 前記工程(a)に先立ち(x)前記故障のうち、前記固
有値の設定を必要とするものを第1グループに、必要と
しないものを第2グループに、それぞれ分類する工程を
更に備え、 前記工程(b)は前記第1グループに分類された前記故
障に対応する場合においてのみ実行され、 前記工程(a)乃至(f)が複数種の前記故障に対応し
て実行される、請求項1記載の故障シミュレーション方
法。 - 【請求項3】前記工程(x)は (x−1)前記故障回路において論理値を伝搬させる工
程と、 (x−2)論理値がそれ以上伝搬できなくなった箇所の
前記論理素子を最先端信号入力素子として特定する工程
と、 (x−3)故障伝搬フラグを前記最先端信号入力素子か
ら伝搬させる工程と、 (x−4)前記故障伝搬フラグの伝搬がループを形成し
た場合に、前記ループのリセット可能性の有無を判定
し、前記リセット可能性が有る場合には前記故障を前記
第2グループに、無い場合には前記故障を前記第1グル
ープに、それぞれ分類する工程とを有する、請求項2記
載の故障シミュレーション方法。 - 【請求項4】 前記工程(a)に先立ち、前記工程
(x)に続いて、前記第1グループに属する前記故障に
対して実行される(y)前記固有値の設定が必要な前記
信号線のみを検出する工程を更に備え、 前記工程(b)においては前記工程(y)において検出
された前記信号線に対してのみ前記固有値が設定され、 前記工程(a)乃至(f)が複数種の前記故障に対応し
て実行される、請求項3記載の故障シミュレーション方
法。 - 【請求項5】 前記工程(y)は (y−1)前記ループの前記ループ起因素子から前記故
障伝搬フラグに沿って後方トレースを行い、前記ループ
起因素子に戻るまでに存在する前記論理素子であって、
クロック信号の活性化するタイミングでその出力が決定
するものを検出する工程と、 (y−2)前記工程(y−1)において検出された前記
論理素子の出力端に接続された前記信号線を、前記固有
値の設定が必要な前記信号線であるとして検出する工程
とを有する、請求項4記載の故障シミュレーション方
法。 - 【請求項6】 前記テストベクタは第1番目から第n番
目(n≧2)までの複数与えられ、 前記工程(b)は(b−1)前記故障回路の信号線の全
てに前記固有値を設定する工程と、 (b−2)前記第1番目のテストベクタを前記正常回路
及び前記故障回路の何れに対しても与える工程と、 (b−3)前記正常回路において、前記第1番目のテス
トベクタの値を伝搬させる工程と、 (b−4)前記故障回路において、前記第1番目のテス
トベクタの値及び前記固有値を伝搬させる工程と、 (b−5)前記工程(b−4)によって前記固有値及び
前記固有値の反転した値のいずれかが伝搬する前記信号
線を記憶する工程と、 (b−6)前記工程(b−3),(b−4)によって得
られた前記正常結果値と、前記故障結果値とを求める工
程と、 (b−7)前記工程(b−6)で得られた前記正常結果
値と前記故障結果値とを比較して、前記第1番目のテス
トベクタが前記故障を検出できるか否かを判定する工程
と、 (b−8)前記工程(b−6)で記憶された信号線のみ
に前記固有値を設定する工程とを有し、 前記工程(c)乃至(f)は前記第2番目から前記第n
番目の前記テストベクタに対して行われる、請求項1記
載の故障シミュレーション方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6162204A JPH0829492A (ja) | 1994-07-14 | 1994-07-14 | 故障シミュレーション方法 |
US08/448,663 US5596586A (en) | 1994-07-14 | 1995-05-24 | Failure simulation method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6162204A JPH0829492A (ja) | 1994-07-14 | 1994-07-14 | 故障シミュレーション方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0829492A true JPH0829492A (ja) | 1996-02-02 |
Family
ID=15749957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6162204A Pending JPH0829492A (ja) | 1994-07-14 | 1994-07-14 | 故障シミュレーション方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5596586A (ja) |
JP (1) | JPH0829492A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09311879A (ja) * | 1996-05-22 | 1997-12-02 | Nec Corp | 故障シミュレーション用故障モデル |
EP2619912A4 (en) | 2010-09-21 | 2015-07-08 | Ansaldo Sts Usa Inc | METHOD FOR ANALYZING THE SECURITY OF A DEVICE FOR INSPECTION OF A HARDWARE DESCRIPTION LANGUAGE TO ERROR |
CN111934618B (zh) * | 2020-08-13 | 2021-06-29 | 合肥工业大学 | 光伏电站中光伏支路和逆变器效能损失评估方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4773028A (en) * | 1984-10-01 | 1988-09-20 | Tektronix, Inc. | Method and apparatus for improved monitoring and detection of improper device operation |
JPH0718912B2 (ja) * | 1986-06-18 | 1995-03-06 | 三菱電機株式会社 | 集積回路の故障検出方式 |
JPH0752215B2 (ja) * | 1986-09-18 | 1995-06-05 | 三菱電機株式会社 | 集積回路の故障検出装置 |
JPH04148882A (ja) * | 1990-10-12 | 1992-05-21 | Hitachi Ltd | 論理集積回路の故障位置指摘方法 |
-
1994
- 1994-07-14 JP JP6162204A patent/JPH0829492A/ja active Pending
-
1995
- 1995-05-24 US US08/448,663 patent/US5596586A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5596586A (en) | 1997-01-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5291495A (en) | Method for designing a scan path for a logic circuit and testing of the same | |
US6631344B1 (en) | Method and system for performing deterministic analysis and speculative analysis for more efficient automatic test pattern generation | |
US4542509A (en) | Fault testing a clock distribution network | |
US10768231B2 (en) | Diagnosing failing scan chains in a semiconductor integrated circuit | |
US10746794B2 (en) | Logic built in self test circuitry for use in an integrated circuit with scan chains | |
US5841788A (en) | Methods for backplane interconnect testing | |
US7392448B2 (en) | Method and apparatus for determining stuck-at fault locations in cell chains using scan chains | |
CA2152694C (en) | Method for identifying untestable faults in logic circuits | |
US6941498B2 (en) | Technique for debugging an integrated circuit having a parallel scan-chain architecture | |
US7202688B2 (en) | Output buffer circuit having signal path used for testing and integrated circuit and test method including the same | |
Chakraborty et al. | Effective path selection for delay fault testing of sequential circuits | |
JPH0829492A (ja) | 故障シミュレーション方法 | |
Huang et al. | Using fault model relaxation to diagnose real scan chain defects | |
JP3339479B2 (ja) | クロック制御回路および方法 | |
WO2008010648A1 (en) | Matching method for multiple stuck-at faults diagnosis | |
US20040034495A1 (en) | Method for determining fault coverage from RTL description | |
US6182255B1 (en) | IC tester | |
JPH05119122A (ja) | スキヤン回路のテストパターン生成方法 | |
US10545190B2 (en) | Circuit structures to resolve random testability | |
EP0139516B1 (en) | Test generation system for digital circuits | |
JPH10247208A (ja) | 集積回路の試験方法および試験装置 | |
JP2000155156A (ja) | 半導体集積回路の故障診断装置 | |
Cheng | Test generation for delay faults in non-scan and partial scan sequential circuits | |
US20030018937A1 (en) | Method and apparatus for efficient self-test of voltage and current level testing | |
Samala | Test Pattern Generation for Double Transition Faults |