JPH08294878A - ボルト・ナット締結における締付け軸力の測定方法およびインパクト式ねじ締め装置 - Google Patents

ボルト・ナット締結における締付け軸力の測定方法およびインパクト式ねじ締め装置

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JPH08294878A
JPH08294878A JP10146795A JP10146795A JPH08294878A JP H08294878 A JPH08294878 A JP H08294878A JP 10146795 A JP10146795 A JP 10146795A JP 10146795 A JP10146795 A JP 10146795A JP H08294878 A JPH08294878 A JP H08294878A
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JP
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axial force
impact
tightening
rotation angle
nut
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JP10146795A
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Junichi Maruyama
山 旬 一 丸
Tatsumi Nabekura
倉 立 身 鍋
Teruo Fukumura
村 輝 雄 福
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ねじ締結の進行に伴って被締結体のみかけの
剛性が変化する場合であっても、締付け軸力を従来技術
以上に高精度で測定できる方法および装置を提供する。 【構成】 インパクト式ねじ締め装置の出力軸4、また
は該出力軸4に発生するパルス状のトルクを締結部6の
ボルトまたはナットNに伝えるソケット部分に回転角検
出器2を取付けてインパクトごとのボルトまたはナット
Nの回転角を検出し、予め求めてある「インパクトによ
るボルトまたはナットの回転角と締付け軸力との関係」
に基づいてインパクトごとに締付け軸力を求めるように
した、インパクト式ねじ締め装置を用いるボルト・ナッ
ト締結における締付け軸力の測定方法および装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衝撃力を利用してねじ
締め作業を行うねじ締め装置、例えば、インパクト・レ
ンチやインパクト式ナット・ランナーなど、を用いてね
じ締めを行う際に、ボルトに発生する締付け軸力(以
下、「軸力」と記す)を測定する技術に関し、特に、ボ
ルトやナットの回転角から軸力を測定するのに利用され
るボルト・ナット締結における締付け軸力の測定方法お
よびインパクト式ねじ締め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のインパクトねじ締めの際にボルト
の回転角を検出することによりボルトの軸力を測定する
方法および装置としては、特願平6−099464号明
細書および図面に記載のものがある。
【0003】図25および図26は、上記方法および装
置の構成図である。
【0004】図25は、全体の構成を示すブロック図で
あり、回転角検出器101は、インパクト式ねじ締め機
本体102と、締結部103との間に配置されている。
また、インパクト式ねじ締め機本体102は、電気また
は圧縮空気を動力源とするモータ104と、該モータ1
04の回転力をパルス状のトルクに変換するインパクト
・トルク発生器105と、出力軸106とからなり、締
結部103は、被締結体107とボルトBおよびナット
Nからなる。
【0005】また、回転角検出器101と電気的に接続
された演算装置110は、回転角検出器101から発せ
られる信号を入力として回転角信号をつくる回転角信号
処理部110Aと、「ボルトまたはナットの着座以降の
回転角θFと締付け軸力Fとの関係についてのテーブ
ル」が記録されており、かつ、後述のように上記のテー
ブルを補正する機能をもつ軸力データ・メモリ部110
Bと、軸力演算部110Cとからなる。
【0006】図27は、演算装置110の軸力データ・
メモリ部110Bに記録されているテーブル(関数)の
一例図である。なお、このテーブルの具体的な値は、ボ
ルトBと被締結体107の組合せでそれぞれ異なる。し
たがって、このようなテーブルが使用対象であるボルト
Bと被締結体107の組合せごとに関数として用意され
る。そして、軸力演算部110Cでは後述するようにこ
のテーブルに基づいて締付け軸力が演算される。
【0007】また、図26は、回転角検出器101の構
成を示す断面図である。
【0008】図26において、ソケット111は、イン
パクト・トルク発生器105の出力軸106に発生した
パルス状のトルクをナットNに伝える部材であり、この
ソケット111には、ロータリ・エンコーダのコード・
ホイール112が固定されている。また、ソケット11
1を軸受113を介して回転自在に支持する第1のハウ
ジング114と、この第1のハウジング114が固定さ
れ、かつ図示されていない支持体に固定されている第2
のハウジング115と、この第2のハウジング115に
固定されたロータリ・エンコーダの検出ヘッド116と
が設けられている。
【0009】次に、図28および図29に示すフローチ
ャートに基づいて作用を説明する。なお、図28および
図29において、○はその箇所が接続されていることを
示す。
【0010】まず、図28のステップS201およびス
テップS202において着座判定上限回転角sθMAX
および着座判定下限回転角sθMINの値を、また、ス
テップS203において領域判定しきい値回転角sθ
IRの値をそれぞれ設定する。
【0011】次に、ステップS204でインパクト数の
カウンタをリセットする<カウントi=0>。
【0012】次いで、ステップS205では、ねじ締め
を開始する。
【0013】また、ステップS206〜ステップS20
8はループを形成しており、着座まではインパクトごと
に着座判定を行う。
【0014】このループにおいて、まず、ステップS2
06でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS2
07でインパクトごとのナットの回転角θI(i)を計
算して記憶する。
【0015】次に、ステップS208では、インパクト
ごとのボルトの回転角θI(i)が着座判定上限回転角
sθMAX以下か否かを判断し、NOすなわち未着座で
あれば、ステップS206に戻ってステップS208ま
でを繰返す。
【0016】一方、ステップS208でYESになる
と、すなわち、着座と判断すると、ステップS209に
進み、着座時点における着座以降のナットの回転角θ
FLを下記の数式により計算し、
【0017】
【数式1】 このθFLの値を着座以降のナットの回転角θF(i)
として記憶する<θF( i)=θFL>。
【0018】次に、ステップS210〜ステップS21
2、ステップS213およびステップS214よりなる
ループに進み、領域1(部材の座面同士が接触していな
い状態)における締付け軸力の計算、および領域1から
領域2(部材の座面同士が部分的に接触している状態)
への移行タイミングの判定を行う。
【0019】このループにおいて、まず、ステップS2
10でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS2
11でインパクトごとのナットの回転角θI(i)を計
算して記憶する。
【0020】次に、ステップS212では、インパクト
ごとのナットの回転角θI(i)が領域判定しきい値回
転角sθIR以下か否かを判断し、NOであれば、すな
わち、締結の進行状態が領域1にあれば、ステップS2
13に進み、着座以降のナットの回転角θF(i)を計
算して記憶する。ただし、
【0021】
【数式2】 次いで、ステップS214では、軸力データ・メモリ部
に記録されている「ナットの着座以降の回転角θと締
付け軸力Fとの関係についてのテーブル」の領域1にお
ける傾きを用いて締付け軸力F(i)を求めて記憶した
後、ステップS210に戻ってステップS212までを
繰返す。
【0022】一方、ステップS212でYESになる
と、図29のステップS215に進み(○→○)、軸力
データ・メモリ部に記録されている「ナットの着座以降
の回転角θと締付け軸力Fとの関係についてのテーブ
ル」を補正する。具体的には、図30に示すように、こ
の時点における着座以降のナットの回転角θF(i)を
領域移行回転角sθFRとして、領域2および領域3
(部材の座面同士が完全に接触している状態)の特性線
を平行移動することによってテーブルの補正を行う。
【0023】次に、ステップS216では、着座以降の
ナットの回転角θF(i)を計算して記憶する。ただ
し、
【0024】
【数式3】 次いで、ステップS217で、ステップS215におい
て補正したテーブルに基づいて締付け軸力F(i)を求
めて記憶した後、ステップS218〜ステップS222
のループに進み、領域2および領域3における締付け軸
力の計算を行う。
【0025】このループにおいて、まず、ステップS2
18でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS2
19でインパクトごとのナットの回転角θI(i)を計
算して記憶する。
【0026】次に、ステップS220では、着座以降の
ナットの回転角θF(i)を計算して記憶する。ただ
し、
【0027】
【数式4】 次いで、ステップS221で、ステップS215におい
て補正したテーブルに基づいて締付け軸力F(i)を求
めて記憶する。
【0028】次に、ステップS222では、終了するか
否かを判断し、YESであれば、すなわち、終了条件を
満足していれば、そのまま終了し、NOであれば軸力測
定を継続する。すなわち、ステップS218に戻ってス
テップS222までを繰返す。
【0029】したがって、インパクトごとのボルトまた
はナットの回転角から、締結部の複数の部材の座面同士
の接触状態、すなわち、部材の座面同士が接触していな
い領域1の状態か、部材の座面同士が部分的に接触して
いる領域2の状態か、部材の座面同士が完全に接触して
いる領域3の状態かを判定し、上記の「ボルトまたはナ
ットの着座以降の回転角と締付け軸力との関係について
のテーブル」を補正するようにしている。
【0030】そのため、被締結部の部材の寸法バラツキ
によって、上記の座面同士の接触状態の移行タイミン
グ、特に、座面同士が接触していない状態から部分的に
接触している状態への移行タイミングが、標準テーブル
で設定されているボルトまたはナットの着座以降の回転
角からずれてしまった場合でも、締付け軸力を精度良く
測定できる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】このように、図25お
よび図26に示した従来の装置においては、締結の進行
にともなって前記の比例定数、すなわち、被締結体のみ
かけの剛性、が変化する場合であっても、軸力が発生し
始めてから締結を終了するまでの全範囲について、精度
の良い軸力測定が可能であるが、「ボルトまたはナット
の着座以降の回転角と締付け軸力との関係についてのテ
ーブル」に基づいて締付け軸力を求めており、しかも、
例えば、図27に示した標準テーブルにおいて領域1か
ら領域2への領域移行を、インパクトごとのボルトまた
はナットの回転角と領域判定しきい値回転角との比較に
より判定して標準テーブルを補正しているため、領域2
において標準テーブルからのズレが発生した場合には、
それによる軸力測定誤差を補正する手段がなく、領域3
における軸力測定精度をさらに高めることが難しい、と
いう問題があったことから、このような問題を解決する
ことが課題としてあった。
【0032】
【発明の目的】本発明は上記のごとき従来技術のもつ課
題を解決するためになされたものであり、「インパクト
によるボルトまたはナットの回転角と該インパクト後の
締付け軸力との関係」に基づいて締付け軸力を求めるこ
とにより、あるいは、「インパクトによるボルトまたは
ナットの回転角と該インパクト直前の締付け軸力との関
係」に基づいて締付け軸力を求めることにより、ねじ締
結の進行に伴って被締結体のみかけの剛性が変化する場
合であっても、締付け軸力を従来技術以上に高精度で測
定できる方法および装置を提供することを目的としてい
る。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。
【0034】すなわち、本発明に係わるボルト・ナット
締結における締付け軸力の測定方法は、請求項1に記載
しているように、インパクト式ねじ締め装置の出力軸、
または該出力軸に発生するパルス状のトルクを締結部の
ボルトまたはナットに伝えるソケット部分に回転角検出
器を取付けてインパクトごとのボルトまたはナットの回
転角を検出し、予め求めてある「インパクトによるボル
トまたはナットの回転角と締付け軸力との関係」に基づ
いてインパクトごとに締付け軸力を求めるようにしたこ
とを特徴としている。
【0035】そして、実施態様においては、請求項2に
記載しているように、インパクト式ねじ締め装置の出力
軸、または該出力軸に発生するパルス状のトルクを締結
部のボルトまたはナットに伝えるためのソケット部分に
回転角検出器を取付けてインパクトごとのボルトまたは
ナットの回転角を検出し、予め求めてある「インパクト
によるボルトまたはナットの回転角と該インパクト後の
締付け軸力との関係」に基づいてインパクトごとに締付
け軸力を求めるようになすことができ、このための演算
手段を備えているものとすることができる。
【0036】なお、上記の回転角検出器は、例えば後記
図1の実施例における回転角検出器に相当し、上記の演
算手段は、例えば、後記図1の実施例における演算装置
に相当するものとすることができる。
【0037】また、請求項3に記載しているように、イ
ンパクト式ねじ締め装置の出力軸、または該出力軸に発
生するパルス状のトルクを締結部のボルトまたはナット
に伝えるためのソケット部分に回転角検出器を取付けて
インパクトごとのボルトまたはナットの回転角を検出
し、インパクトごとのボルトまたはナットの回転角が
「軸力計算開始判定しきい値回転角」以下の値となった
時点における締付け軸力を、予め求めてある「インパク
トによるボルトまたはナットの回転角と該インパクト後
の締付け軸力との関係」に基づいて求め、以降はインパ
クトごとのボルトまたはナットの回転角に相当する締付
け軸力の増加量を順次加算していくことにより、インパ
クトごとに締付け軸力を求めるようになすことができ、
このための演算手段を備えているものとすることができ
る。
【0038】なお、上記の回転角検出器は、例えば、後
記図4の実施例における回転角検出器に相当し、上記の
演算手段は、例えば、後記図4の実施例における演算装
置に相当するものとすることができる。
【0039】さらに、請求項4に記載しているように、
請求項3に記載の締付け軸力の測定方法において、イン
パクトごとのボルトまたはナットの回転角と締付け軸力
の増加量との比例定数、すなわち、被締結体のみかけの
剛性、が締結の進行に伴って変化し、かつ、この締結の
進行プロセスを前記被締結体のみかけの剛性が一定と見
なすことのできる複数個の領域に分割できる場合に、目
標の締付け軸力が含まれる領域まで締結が進行した時点
で締付け軸力の計算を開始するように、「軸力計算開始
判定しきい値回転角」を設定するようになすことがで
き、このための演算手段を備えているものとすることが
できる。
【0040】同じく、本発明に係わるボルト・ナット締
結における締付け軸力の測定方法の実施態様において
は、請求項5に記載しているように、インパクト式ねじ
締め装置の出力軸、または該出力軸に発生するパルス状
のトルクを締結部のボルトまたはナットに伝えるための
ソケット部分に回転角検出器を取付けてインパクトごと
のボルトまたはナットの回転角を検出し、予め求めてあ
る「インパクトによるボルトまたはナットの回転角と該
インパクト直前の締付け軸力との関係」に基づいて求め
た該インパクト直前の締付け軸力に、該インパクトにお
けるボルトまたはナットの回転角に相当する締付け軸力
の増加量を加算することにより、インパクトごとに締付
け軸力を求めるようになすことができ、このための演算
手段を備えているものとすることができる。
【0041】なお、上記の回転角検出器は、例えば、後
記図14の実施例における回転角検出器に相当し、上記
の演算手段は、例えば、後記図14の実施例における演
算装置に相当するものとすることができる。
【0042】また、請求項6に記載しているように、イ
ンパクト式ねじ締め装置の出力軸、または該出力軸に発
生するパルス状のトルクを締結部のボルトまたはナット
に伝えるためのソケット部分に回転角検出器を取付けて
インパクトごとのボルトまたはナットの回転角を検出
し、インパクトごとのボルトまたはナットの回転角が
「軸力計算開始判定しきい値回転角」以下の値となった
時点における締付け軸力を、予め求めてある「インパク
トによるボルトまたはナットの回転角と該インパクト直
前の締付け軸力との関係」に基づいて求めた該インパク
ト直前の締付け軸力に、該インパクトにおけるボルトま
たはナットの回転角に相当する締付け軸力の増加量を加
算して求め、以降はインパクトごとのボルトまたはナッ
トの回転角に相当する締付け軸力の増加量を順次加算し
ていくことにより、インパクトごとに締付け軸力を求め
るようになすことができ、このための演算手段を備えて
いるものとすることができる。
【0043】なお、上記の回転角検出器は、例えば、後
記図18の実施例における回転角検出器に相当し、上記
の演算手段は、例えば、後記図18の実施例における演
算装置に相当するものとすることができる。
【0044】さらに、請求項7に記載しているように、
請求項6に記載の締付け軸力の測定方法において、イン
パクトごとのボルトまたはナットの回転角と締付け軸力
の増加量との比例定数、すなわち、被締結体のみかけの
剛性、が締結の進行に伴って変化し、かつ、この締結の
進行プロセスを前記被締結体のみかけの剛性が一定と見
なすことのできる複数個の領域に分割できる場合に、目
標の締付け軸力が含まれる領域まで締結が進行した時点
で締付け軸力の計算を開始するように、「軸力計算開始
判定しきい値回転角」を設定するようになすことがで
き、このための演算手段を備えているものとすることが
できる。
【0045】なお、上記の演算手段は、例えば、後記図
18の実施例における演算装置に相当するものとするこ
とができる。
【0046】さらに、本発明に係わるインパクト式ねじ
締め装置は、請求項8に記載しているように、駆動出力
にパルス成分を有する駆動手段と、一端にねじとの継手
部を有しかつ前記駆動手段により駆動されることによっ
てねじを締付ける主軸と、前記主軸の回転角を検出する
回転角検出手段をそなえるインパクト式ねじ締め機本体
と、前記回転角検出手段の検出結果に基づいて請求項2
または5に記載の測定方法により締付け軸力を測定する
演算手段を具備したことを特徴としており、請求項9に
記載に記載しているように、請求項8に記載の内容に加
えて、目標とする締付け軸力を実現するように前記駆動
手段へ供給される動力源を制御する制御手段を備えてい
るものとすることができる。
【0047】また、請求項10に記載しているように、
駆動出力にパルス成分を有する駆動手段と、一端にねじ
との継手部を有しかつ前記駆動手段により駆動されるこ
とによってねじを締付ける主軸と、上記主軸の回転角を
検出する回転角検出手段をそなえるインパクト式ねじ締
め機本体と、前記回転角検出手段の検出結果に基づいて
請求項3,4または請求項6,7のいずれかに記載の測
定方法により締付け軸力を測定する演算手段を具備した
ものとすることが可能であり、請求項11に記載してい
るように、請求項10に記載の内容に加えて、目標とす
る締付け軸力を実現するように前記駆動手段へ供給され
る動力源を制御する制御手段を備えているものとするこ
とができる。
【0048】
【発明の作用】本発明に係わるボルト・ナット締結にお
ける締付け軸力の測定方法は、請求項1に記載している
ように、インパクト式ねじ締め装置の出力軸、または該
出力軸に発生するパルス状のトルクを締結部のボルトま
たはナットに伝えるソケット部分に回転角検出器を取付
けてインパクトごとのボルトまたはナットの回転角を検
出し、予め求めてある「インパクトによるボルトまたは
ナットの回転角と締付け軸力との関係」に基づいてイン
パクトごとに締付け軸力を求めるようにしたから、締結
の進行に伴って被締結体のみかけの剛性が変化する場合
であっても、締付け軸力は従来技術以上に高精度で測定
されることとなり、目標とする締結力まで精密にねじ締
めが行えることとなる。
【0049】そして、本発明に係わるボルト・ナット締
結における締付け軸力の測定方法の実施態様において
は、請求項2に記載しているように、インパクトごとの
ボルトまたはナットの回転角を検出し、予め求めてある
「インパクトによるボルトまたはナットの回転角と該イ
ンパクト後の締付け軸力との関係」に基づいてインパク
トごとに締付け軸力を求めるようになすことによって、
締付け軸力は精度良く測定されることとなる。
【0050】また、請求項3に記載しているように、イ
ンパクトごとのボルトまたはナットの回転角が「軸力計
算開始判定しきい値回転角」以下の値となった時点にお
ける締付け軸力を、予め求めてある「インパクトによる
ボルトまたはナットの回転角と該インパクト後の締付け
軸力との関係」に基づいて求め、以降はインパクトごと
のボルトまたはナットの回転角に相当する締付け軸力の
増加量を順次加算していくことにより、インパクトごと
に締付け軸力を求めるようになすことによって、締付け
軸力の測定開始点における軸力およびそれ以降の軸力が
精度良く測定されることとなる。
【0051】さらに、請求項4に記載しているように、
被締結体のみかけの剛性が締結の進行に伴って変化し、
かつ、この締結の進行プロセスを前記被締結体のみかけ
の剛性が一定と見なすことのできる複数個の領域に分割
できる場合に、目標の締付け軸力が含まれる領域まで締
結が進行した時点で締付け軸力の計算を開始するよう
に、「軸力計算開始判定しきい値回転角」を設定するよ
うになすことによって、特に目標の締付け軸力が含まれ
る領域において締付け軸力が高精度で測定されることと
なる。
【0052】ここで、請求項2〜4に記載されたボルト
・ナット締結における締付け軸力の測定方法において、
締付け軸力およびインパクトごとのボルトまたはナット
の回転角の締結の進行に伴う変化について説明する。
【0053】図12は、ボルトに発生する締付け軸力F
およびインパクトごとのナットの回転角θとナットの
着座以降の回転角θとの関係について、図13に示し
たブッシュBS・ブラケットBK・タイプのボルトBお
よびナットNによる締結部位を例にとって、模式的に説
明した図である。
【0054】図12に示したように、締結プロセスは、
締結部の部材の座面の接触状態によって3領域に分けら
れる。すなわち、領域1では、ボルトBおよびナットN
とブラケットBKとはそれぞれ座面同士が接触している
が、ブッシュBSとブラケットBKとは座面が接触して
いないため、締付け軸力FはブラケットBKの曲げ変形
によって増加する。そのため、ナットNの着座以降の回
転角θと締付け軸力Fとの比例係数、すなわち、被締
結体のみかけの剛性は小さく、また、締付け軸力Fが小
さいためにねじ面あるいは座面に発生する摩擦力が小さ
いので、インパクトごとのナットNの回転角θは大き
い。
【0055】これに対し、領域3では、ボルトB、ナッ
トN、ブッシュBSおよびブラケットBKはそれぞれ座
面同士が完全に接触しているため、ボルトに発生する締
付け軸力Fは被締結体の圧縮変形によって増加する。そ
のため、被締結体のみかけの剛性は大きく、また、締付
け軸力Fが大きいためにねじ面あるいは座面に発生する
摩擦力が大きいので、インパクトごとのナットNの回転
角θは小さい。
【0056】そして、領域2は領域1から領域3への遷
移過程であり、領域1から領域2、領域3と締結が進行
していくにつれて被締結体のみかけの剛性は急激に増加
する。このことから、各領域において締付け軸力を高精
度で測定するためには、それぞれの領域への移行タイミ
ングを正確に判定することと、このときの締付け軸力を
正確に求めることが不可欠となる。
【0057】ここでさらに、インパクトごとのボルトB
またはナットNの回転角と締付け軸力との関係につい
て、インパクトねじ締めにおける力学的挙動に基づいて
説明する。
【0058】ツールからワークへインパクトのエネルギ
ーが与えられると、ボルトまたはナットはねじ面および
座面に発生する摩擦力を受けながら回転し、ボルトBの
首下部がねじれながら伸びて締付け軸力が増加する。
【0059】したがって、i番目のインパクトにおける
締付け弾性エネルギーUE(i)、摩擦損失エネルギー
F(i)、残留ねじれエネルギーUT(i)およびツ
ールの供給エネルギーA(一定値とみなす。)の間には
【0060】
【数式5】 の関係が成立つ。ここで、締付け弾性エネルギーU
E(i)は、i番目のインパクトによってボルトBの張
力および被締結体の圧縮力の形で締結部に蓄えられる弾
性エネルギーであり、i番目のインパクトによる締付け
軸力の増加量、i番目のインパクト後の締付け軸力およ
び締付け弾性エネルギー定数を、それぞれΔF(i)
(i)およびKとすれば
【0061】
【数式6】 で表される。なお、締付け弾性エネルギー定数Kは、
縦弾性係数E、ボルト首下部の有効断面積S、被締結
体の弾性変形部を中空円筒と見なしたときの軸垂直断面
積Sおよび被締結体の厚さLに対して
【0062】
【数式7】 で与えられる。また、摩擦損失エネルギーE
F(i)は、i番目のインパクトでボルトBまたはナッ
トNが回転するとき、ねじ面および座面で発生する摩擦
力に打勝つために費やされるエネルギーであり、摩擦損
失エネルギー定数をKとすれば
【0063】
【数式8】 で表される。なお、摩擦損失エネルギー定数Kは、領
域3におけるボルトBまたはナットNの回転角と締付け
軸力との比例定数KAF、平均動摩擦係数μD(一定値
と見なす。)および座面の平均回転半径Rに対して
【0064】
【数式9】 で与えられる。また、残留ねじれエネルギーET(i)
は、i番目のインパクトにおいてボルトの首下部に締付
けトルクに釣合うねじれが発生するために蓄えられるね
じれ弾性エネルギーであり(締付け弾性エネルギーとは
異なり締付け軸力としては寄与しない。)、残留ねじれ
エネルギー定数をKとすれば
【0065】
【数式10】 で表される。なお、残留ねじれエネルギー定数Kは、
トルク係数K、ねじの呼び径d、横弾性係数G、被締結
体の厚さLおよびボルト首下部の有効半径Rに対し
【0066】
【数式11】 で与えられる。したがって、式(6)、(8)および
(10)を式(5)に代入すると
【0067】
【数式12】 となり、さらに、i番目のインパクトによるボルトBま
たはナットNの回転角をθI(i)とすれば、それぞれ
の領域において
【0068】
【数式13】 の関係が成り立つから、式(13)を式(12)に代入
すると
【0069】
【数式14】 となる。この二次方程式からF(i)>0を満たす解と
して
【0070】
【数式15】 が得られる。これにより、i番目のインパクトによるボ
ルトBまたはナットNの回転角θI(i)からインパク
ト後の締付け軸力F(i)が求まることになる。したが
って、請求項2〜4のように構成することにより、締付
け軸力は精度良く測定されることとなる。
【0071】さらに、本発明に係わるボルト・ナット締
結における締付け軸力の測定方法の他の実施態様におい
ては、請求項5に記載しているように、インパクトごと
のボルトまたはナットの回転角を検出し、予め求めてあ
る「インパクトによるボルトまたはナットの回転角と該
インパクト直前の締付け軸力との関係」に基づいて求め
た該インパクト直前の締付け軸力に、該インパクトにお
けるボルトまたはナットの回転角に相当する締付け軸力
の増加量を加算することにより、インパクトごとに締付
け軸力を求めるようになすことによって、締付け軸力は
精度良く測定されることとなる。
【0072】また、請求項6に記載しているように、イ
ンパクトごとのボルトまたはナットの回転角が「軸力計
算開始判定しきい値回転角」以下の値となった時点にお
ける締付け軸力を、予め求めてある「インパクトによる
ボルトまたはナットの回転角と該インパクト直前の締付
け軸力との関係」に基づいて求めた該インパクト直前の
締付け軸力に、該インパクトにおけるボルトまたはナッ
トの回転角に相当する締付け軸力の増加量を加算して求
め、以降はインパクトごとのボルトまたはナットの回転
角に相当する締付け軸力の増加量を順次加算していくこ
とにより、インパクトごとに締付け軸力を求めるような
すことによって、締付け軸力の測定開始点における軸力
およびそれ以降の軸力が精度良く測定されることとな
る。
【0073】さらに、請求項7に記載しているように、
被締結体のみかけの剛性が締結の進行に伴って変化し、
かつ、この締結の進行プロセスを前記被締結体のみかけ
の剛性が一定と見なすことのできる複数個の領域に分割
できる場合に、目標の締付け軸力が含まれる領域まで締
結が進行した時点で締付け軸力の計算を開始するよう
に、「軸力計算開始判定しきい値回転角」を設定するよ
うなすことによって、特に目標の締付け軸力が含まれる
領域において締付け軸力が高精度で測定されることとな
る。
【0074】ここで、請求項2〜4に記載された場合と
同様に、請求項5〜7に記載されたボルト・ナット締結
における締付け軸力の測定方法においても、締付け軸力
およびインパクトごとのボルトまたはナットの回転角の
締結の進行に伴う変化について説明する。
【0075】この場合にも、ボルトに発生する締付け軸
力Fおよびインパクトごとのナットの回転角θとナッ
トの着座以降の回転角θとの関係について説明した図
12、およびブッシュBS・ブラケットBK・タイプの
ボルトBおよびナットNによる締結部位を示した図13
を例にとって説明する。
【0076】図12に示したように、締結プロセスは、
締結部の部材の座面の接触状態によって3領域に分けら
れる。すなわち、領域1では、ボルトBおよびナットN
とブラケットBKとはそれぞれ座面同士が接触している
が、ブッシュBSとブラケットBKとは座面が接触して
いないため、締付け軸力FはブラケットBKの曲げ変形
によって増加する。そのため、ナットNの着座以降の回
転角θと締付け軸力Fとの比例係数、すなわち、被締
結体のみかけの剛性は小さく、また、締付け軸力Fが小
さいためにねじ面あるいは座面に発生する摩擦力が小さ
いので、インパクトごとのナットNの回転角θは大き
い。
【0077】これに対し、領域3では、ボルトB、ナッ
トN、ブッシュBSおよびブラケットBKはそれぞれ座
面同士が完全に接触しているため、ボルトに発生する締
付け軸力Fは被締結体の圧縮変形によって増加する。そ
のため、被締結体のみかけの剛性は大きく、また、締付
け軸力Fが大きいためにねじ面あるいは座面に発生する
摩擦力が大きいので、インパクトごとのナットNの回転
角θは小さい。
【0078】そして、領域2は領域1から領域3への遷
移過程であり、領域1から領域2、領域3と締結が進行
していくにつれて被締結体のみかけの剛性は急激に増加
する。このことから、各領域において締付け軸力を高精
度で測定するためには、それぞれの領域への移行タイミ
ングを正確に判定することと、このときの締付け軸力を
正確に求めることが不可欠となる。
【0079】ここでさらに、インパクトごとのボルトB
またはナットNの回転角と締付け軸力との関係につい
て、インパクトねじ締めにおける力学的挙動に基づいて
説明する。
【0080】ツールからワークへインパクトのエネルギ
ーが与えられると、ボルトまたはナットはねじ面および
座面に発生する摩擦力を受けながら回転し、ボルトBの
首下部がねじれながら伸びて締付け軸力が増加する。
【0081】したがって、i番目のインパクトにおける
締付け弾性エネルギーUE(i)、摩擦損失エネルギー
F(i)、残留ねじれエネルギーUT(i)およびツ
ールの供給エネルギーA(一定値とみなす。)の間には
【0082】
【数式16】 の関係が成立つ。ここで、締付け弾性エネルギーU
E(i)は、i番目のインパクトによってボルトBの張
力および被締結体の圧縮力の形で締結部に蓄えられる弾
性エネルギーであり、i番目のインパクトによる締付け
軸力の増加量、i番目のインパクトの直前の締付け軸
力、すなわちi−1番目のインパクト後の締付け軸力、
および締付け弾性エネルギー定数を、それぞれΔF
(i)、F(i−1)およびKとすれば
【0083】
【数式17】 で表される。なお、締付け弾性エネルギー定数Kは、
縦弾性係数E、ボルト首下部の有効断面積S、被締結
体の弾性変形部を中空円筒と見なしたときの軸垂直断面
積Sおよび被締結体の厚さLに対して
【0084】
【数式18】 で与えられる。また、摩擦損失エネルギーE
F(i)は、i番目のインパクトでボルトBまたはナッ
トNが回転するとき、ねじ面および座面で発生する摩擦
力に打勝つために費やされるエネルギーであり、摩擦損
失エネルギー定数をKとすれば
【0085】
【数式19】 で表される。なお、摩擦損失エネルギー定数Kは、領
域3におけるボルトBまたはナットNの回転角と締付け
軸力との比例定数KAF、平均動摩擦係数μD(一定値
と見なす。)および座面の平均回転半径Rに対して
【0086】
【数式20】 で与えられる。また、残留ねじれエネルギーET(i)
は、i番目のインパクトにおいてボルトの首下部に締付
けトルクに釣合うねじれが発生するために蓄えられるね
じれ弾性エネルギーであり(締付け弾性エネルギーとは
異なり締付け軸力としては寄与しない。)、残留ねじれ
エネルギー定数をKとすれば
【0087】
【数式21】 で表される。なお、残留ねじれエネルギー定数Kは、
トルク係数K、ねじの呼び径d、横弾性係数G、被締結
体の厚さLおよびボルト首下部の有効半径Rに対し
【0088】
【数式22】 で与えられる。したがって、式(17)、(19)およ
び(21)を式(16)に代入すると
【0089】
【数式23】 となり、さらに、i番目のインパクトによるボルトBま
たはナットNの回転角をθI(i)とすれば、それぞれ
の領域において
【0090】
【数式24】 の関係が成り立つから、式(24)を式(23)に代入
すると
【0091】
【数式25】 となる。この二次方程式からF(i−1)>0を満たす
解として
【0092】
【数式26】 が得られる。これにより、i番目のインパクトによるボ
ルトBまたはナットNの回転角θI(i)からインパク
トの直前の締付け軸力F(i−1)が求まることにな
る。したがって、請求項5〜7のように構成することに
より、締付け軸力は精度良く測定されることとなる。
【0093】さらにまた、本発明に係わるインパクト式
ねじ締め装置は、請求項8に記載しているように、駆動
出力にパルス成分を有する駆動手段と、一端にねじとの
継手部を有しかつ前記駆動手段により駆動されてねじを
締付ける主軸と、前記主軸の回転角を検出する回転角検
出手段をそなえるインパクト式ねじ締め機本体と、前記
回転角検出手段の検出結果に基づいて請求項2または5
に記載の測定方法により締付け軸力を測定する演算手
段、を具備した構成としており、インパクト式ねじ締め
機本体の主軸の回転角を検出し、その検出結果に基づい
て、請求項2または5に記載の測定方法により締付け軸
力を演算手段によって測定するようにしているので、イ
ンパクトねじ締めの際にボルトに発生する締付け軸力が
インパクトごとに精度良く測定されることとなる。
【0094】また、請求項9に記載しているように、請
求項8に記載のインパクト式ねじ締め装置において、目
標とする締付け軸力を実現するように駆動手段へ供給さ
れる動力源を制御する制御手段を備えたものとすること
によって、締付け軸力をインパクトごとに精度良く測定
しながら、目標とする締結力まで精密にねじ締めが行え
ることとなる。
【0095】さらに、請求項10に記載しているよう
に、インパクト式ねじ締め機本体の主軸の回転角を検出
し、その検出結果に基づいて、請求項3,4または請求
項6,7のいずれかに記載の測定方法により締付け軸力
を測定するようになすことによって、被締結体のみかけ
の剛性が締結の進行に伴って変化し、かつ、この締結の
進行プロセスを前記被締結体のみかけの剛性が一定と見
なすことのできる複数個の領域に分割できる場合に、特
に目標締付け軸力が含まれる領域において締付け軸力が
インパクトごとに精度良く測定されることとなる。
【0096】さらにまた、請求項11に記載しているよ
うに、請求項10に記載のインパクト式ねじ締め装置に
おいて、目標とする締付け軸力を実現するように駆動手
段へ供給される動力源を制御するようになすことによっ
て、特に目標締付け軸力が含まれる領域において締付け
軸力をインパクトごとに精度良く測定しながら、目標と
する締結力まで精密にねじ締めが行えることとなる。
【0097】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0098】実施例1 第1の実施例は、インパクトごとのボルトまたはナット
の回転角を検出し、予め求めてある「インパクトによる
ボルトまたはナットの回転角と該インパクト後の締付け
軸力との関係」に基づいてインパクトごとに締付け軸力
を求めるようにした例である。
【0099】図1は本発明によるインパクト式ねじ締め
装置における第1の実施例のブロック図であり、このイ
ンパクト式ねじ締め装置1に用いられる回転角検出器2
は、図25および図26に示した先行例(従来例)と同
様の構成のものであり、略記したインパクト式ねじ締め
機本体(インパクト・トルク発生器3、出力軸4)5と
締結部(ナットN)6との間に配置されている。
【0100】また、上記回転角検出器2と電気的に接続
された演算装置7は、回転角検出器2から発せられる信
号を入力として回転角信号をつくる回転角信号処理部7
Aと、「インパクトによるボルトまたはナットの回転角
θと該インパクト後の締付け軸力Fとの関係について
のテーブル」が記録されている軸力データ・メモリ部7
Bと、軸力演算部7Cとからなる。
【0101】図2は、軸力データ・メモリ部7Bに記録
されているテーブル(関数)の一例を示す説明図であ
り、上述の式(15)の関係を各領域に対して数値化し
たものである。なお、このテーブルの具体的な値は、ボ
ルトと被締結体の組合せでそれぞれ異なる。したがっ
て、このようなテーブルが使用対象であるボルトと被締
結体の組合せごとに関数として用意される。そして、軸
力演算部7Cではこのテーブルに基づいて締付け軸力が
演算される。
【0102】図3は、第1の実施例と比較例(先行例)
との軸力測定精度についての比較図であり、○印は本実
施例の特性、●印は比較例(先行例)の特性を示す。
【0103】ここで示す例は、目標締付け軸力を50k
NとしてM12のボルトおよびナットを用いて着座時の
座面間距離が40mmの被締結体を締結した場合の結果
を示すものであり、実施例では、図2に示した「インパ
クトによるナットの回転角θと該インパクト後の締付
け軸力Fとの関係についてのテーブル」に基づいてイン
パクトごとに締付け軸力F(i)を求めている。
【0104】一方、比較例では、先行技術(従来技術)
の方式においてsθMiN=120deg、sθMAX
=180degとし、「ナットの着座以降の回転角θ
と締付け軸力Fとの関係についてのテーブル」について
は図27に示したものを用い、さらに、領域1から領域
2への移行時に上記のテーブルの領域2および領域3に
おける特性を補正している。
【0105】図3の特性から明らかなように、本実施例
における測定精度は、領域1では比較例(先行例)と同
等であるが、比較例(先行例)の領域2および領域3で
見られる精度低下が起きず、全領域において良好に保た
れている。
【0106】上記のように、本実施例においては、イン
パクトごとのボルトまたはナットの回転角を検出し、予
め求めてある「インパクトによるボルトまたはナットの
回転角と該インパクト後の締付け軸力との関係」に基づ
いてインパクトごとに締付け軸力を求めるようにしてい
るため、締付け軸力が発生し始めてから締結を終了する
までの全範囲について、締付け軸力を精度良く測定でき
る。
【0107】実施例2 次に、図4は本発明の第2の実施例のブロック図であ
る。
【0108】この実施例は、インパクトごとのボルトま
たはナットの回転角を検出し、被締結体のみかけの剛性
が締結の進行に伴って変化し、かつ、この締結の進行プ
ロセスを上記の被締結体のみかけの剛性が一定と見なす
ことのできる複数個の領域に分割できる場合に、インパ
クトごとのボルトまたはナットの回転角が、目標締付け
軸力が含まれる領域まで締結が進行した時点で締付け軸
力の計算を開始するように設定された「軸力計算開始判
定しきい値回転角」以下の値となった時点における締付
け軸力を、予め求めてある「インパクトによるボルトま
たはナットの回転角と該インパクト後の締付け軸力との
関係」に基づいて求め、以降はインパクトごとのボルト
またはナットの回転角に相当する締付け軸力の増加量を
順次加算していくことにより、インパクトごとに締付け
軸力を求めるようにした例である。
【0109】まず、図4に基づいて構成を説明する。
【0110】図4において、回転角検出器2は、図25
および図26に示した先行例(従来例)と同様の構成の
ものであり、略記したインパクト式ねじ締め機本体(イ
ンパクト・トルク発生器3、出力軸4)5と締結部(ナ
ットN)6との間に配置されている。
【0111】また、上記回転角検出器2と電気的に接続
された演算装置7は、回転角検出器2から発せられる信
号を入力として回転角信号をつくる、第1の実施例と同
様の回転角信号処理部7Aと、領域3についての「イン
パクトによるボルトまたはナットの回転角θと該イン
パクト後の締付け軸力Fとの関係についてのテーブル」
が記録されている軸力データ・メモリ部7Bと、第1の
実施例とは少し異なる軸力演算部7Cとからなる。
【0112】図5は、軸力データ・メモリ部7Bに記録
されているテーブル(関数)の一例を示す説明図であ
り、上述の式(15)の関係を目標軸力が含まれる領域
3に対して数値化したものである。そして、軸力演算部
7Cではこのテーブルに基づいて締付け軸力が演算され
る。
【0113】図6は、第2の実施例と比較例(先行例)
との軸力測定精度についての比較図であり、○印は本実
施例の特性、●印は比較例(先行例)の特性を示す。
【0114】ここで示す例は、第1の実施例と同一の締
結部位についての結果を示すものであり、この実施例で
は、軸力計算開始判定しきい値回転角をsθIC=6.
7degとし、図5に示した「インパクトによるナット
の回転角θと該インパクト後の締付け軸力Fとの関係
についてのテーブル」に基づいてインパクトごとに締付
け軸力を求めている。
【0115】一方、比較例では、先行技術の方式におい
てsθMIN=120deg、sθMAX=180de
gとし、「ナットの着座以降の回転角θと締付け軸力
Fとの関係についてのテーブル」については図27に示
したものを用い、さらに、領域1から領域2への移行時
に上記のテーブルの領域2および領域3における特性を
補正している。
【0116】図6の特性から明らかなように、本実施例
における測定精度は、目標締付け軸力の50kNが含ま
れる領域3において、比較例(先行例)と比較して向上
している。
【0117】上記のように、本実施例においては、イン
パクトごとのボルトまたはナットの回転角を検出し、被
締結体のみかけの剛性が締結の進行に伴って変化し、か
つ、この締結の進行プロセスを上記の被締結体のみかけ
の剛性が一定と見なすことのできる複数個の領域に分割
できる場合に、インパクトごとのボルトまたはナットの
回転角が、目標締付け軸力が含まれる領域まで締結が進
行した時点で締付け軸力の計算を開始するように設定さ
れた「 軸力計算開始判定しきい値回転角」 以下の値とな
った時点における締付け軸力を、予め求めてある「イン
パクトによるボルトまたはナットの回転角と該インパク
ト後の締付け軸力との関係」に基づいて求め、以降はイ
ンパクトごとのボルトまたはナットの回転角に相当する
締付け軸力の増加量を順次加算していくことにより、イ
ンパクトごとに締付け軸力を求めるようにしているた
め、特に目標締付け軸力が含まれる領域において、締付
け軸力の測定開始点における軸力およびそれ以降の軸力
を精度良く測定できる。
【0118】実施例3 次に、図7〜図9は、本発明の第3の実施例であり、図
7は本発明実施例のブロック図、図8は圧縮空気を動力
源とするインパクト・レンチ本体の断面図、図9は演算
処理を示すフローチャートである。
【0119】この実施例は、インパクト式ねじ締め機本
体の主軸の回転角を検出し、その検出結果に基づいて、
第1の実施例に示した測定方法により締付け軸力を測定
し、目標とする締付け軸力を実現するように駆動手段へ
供給される動力源を制御するようにした例である。
【0120】まず、図7において、インパクト式ねじ締
め機本体15は、モータ18と、該モータ18の出力軸
18aに接続され、該モータ18の連続的な回転力をイ
ンパクト・トルクに変換するインパクト・トルク発生器
13と、該インパクト・トルク発生器13の出力軸すな
わち主軸14の回転角を検出する回転角検出部12と、
上記主軸14に取付けられた締付けソケット(継手部)
19とからなる。なお、モータ18は電動モータ、エア
・モータなどのように駆動力を発生するものであればい
ずれの形式のものでもよい。
【0121】上記のインパクト式ねじ締め機本体15に
は制御装置17が接続されている。この制御装置17
は、上記回転角検出部12からの信号を回転角信号に変
換する、第1の実施例と同様の回転角信号処理部17
A、軸力データ・メモリ部17Bおよび軸力演算部(締
結力演算部)17Cのほかに、動力制御部17Dを備え
ている。
【0122】次に、図8は、本発明の第3の実施例の具
体的な構造例を示すものであり、圧縮空気を動力源とす
るインパクト・レンチとして構成した場合の断面図を示
す。
【0123】図8において、21はインパクト・レンチ
本体(図7のインパクト式ねじ締め機本体15に相当)
であり、このインパクト・レンチ本体21内には、給気
部22、エア.モータ部23、油圧パルス発生部13お
よび回転角検出部12が設けられている。そして、給気
部22には、エア・モータ部23に連通するエア通路2
6が形成され、その途中にはメイン・バルブ27および
切替えバルブ28がこの順に設けられている。
【0124】メイン・バルブ27は、バルブ操作レバー
31を引くことによって開き、切替えバルブ28は回転
切替えレバー32を所定の回転位置まで回すことによっ
て開くようになっている。エア・モータ部23は偏心し
たシリンダ内に配置された回転駆動軸33を備えてお
り、この回転駆動軸33は、ベーン34に圧縮空気が作
用することによって回転するようになっている。
【0125】油圧パルス発生部13は、エア・モータ部
23の回転駆動軸33に直結されたライナ・ケース36
内に設けられた主軸14と、この主軸14に外装された
ドライビング・ブレード37とからなり、ライナ・ケー
ス36内には油液が充満されている。
【0126】主軸14は、一定以上の負荷がないときは
ライナ・ケース36内面とドライビング・ブレード37
の抵抗によってエア・モータ部23の回転駆動軸33と
ともに回り、一定以上の負荷があるときはリリーフ・バ
ルブ38を介してドライビング・ブレード37の内面に
作用する油圧が変動することによって衝撃的に回るよう
になっている。この主軸14の先端部は、ソケット(ボ
ックス・レンチ)を介してねじに接続するような形状に
なっており、この先端部を所望のねじに合わせることに
よって、ねじ締めを行うことができる。
【0127】回転角検出部12は、主軸14に固定され
て該主軸12とともに回転するロータリ・エンコーダの
コード・ホイール12Aと、該コード・ホイール12A
を鋏込むように設けられたロータリ・エンコーダの検出
ヘッド12Bとで構成されており、上記主軸14の回転
角を検出する。
【0128】圧縮空気の遮断機構の構成については、エ
ア・モータ部23へ送られる圧縮空気を供給・遮断する
ためのシャット・オフ・バルブ39が、切替えバルブ2
8とエア・モータ部23とを連絡するエア通路26の途
中に設けられている。
【0129】また、インパクト・レンチ本体21と電気
的に接続された制御装置17は図7の制御装置17に相
当する部分であり、回転角検出部12から発せられる信
号を入力として回転角信号をつくる回転角信号処理部1
7Aと、「インパクトによるボルトまたはナットの回転
角θと該インパクト後の締付け軸力Fとの関係につい
てのテーブル」が記録されている軸力データ・メモリ部
17Bと、軸力演算部17Cと、締付け軸力が適正範囲
にあるか否かを判定して、シャット・オフ・バルブ39
への開閉制御信号を送出する動力制御部17Dとからな
る。
【0130】次に、図9に示すフローチャートに基づい
て第3の実施例の作用を説明する。
【0131】図8に示したインパクト・レンチ本体21
のバルブ操作レバー31が引かれることによって給気部
22から矢印A方向にシャット・オフ・バルブ39を介
してエア・モータ部23に送られた圧縮空気により、エ
ア・モータ部23の回転駆動軸33が回転し、その回転
力は油圧パルス発生部13において衝撃的な回転力に変
換され、主軸14に伝達されて、ねじ締め作業が行われ
る。
【0132】まず、ステップS1において目標締結力c
Fcの値を設定した後、ステップS2でインパクト数の
カウンタをリセットする<カウントi=0>。
【0133】次に、ステップS3では、ねじ締めを開始
する。
【0134】ステップS4〜ステップS8において、ス
テップS5は回転角信号処理部17Aにおける処理内
容、ステップS7およびステップS8は動力制御部17
Dにおける処理内容であり、その他は軸力演算部17C
における処理内容である。
【0135】また、ステップS4〜ステップS7はルー
プを形成しており、インパクトごとに締付け軸力を求め
る。
【0136】このループにおいて、まず、ステップS4
でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS5でイ
ンパクトごとのナットの回転角θI(i)を計算して記
憶する。次に、ステップS6では、軸力データ・メモリ
部17Bに記録されている「インパクトによるナットの
回転角θと該インパクト後の締付け軸力Fとの関係に
ついてのテーブル」に基づいてインパクト直後の締付け
軸力F(i)を求める。
【0137】次いで、ステップS7では、締付け軸力F
(i)が目標締付け軸力cFc以上か否かを判断し、N
Oであれば、ステップS4に戻ってステップS7までを
繰返す。
【0138】一方、ステップS7でYESになると、ス
テップS8に進み、カット・オフ命令が出される。これ
によって圧縮空気のバルブが閉じられる。
【0139】次に、ステップS9では、終了するか否か
を判断し、YESであればそのまま終了し、NOであれ
ばステップS2に戻って次のねじ締めを行う。
【0140】これにより、図3と同様の結果が得られ
る。
【0141】上記のように、本実施例においては、イン
パクト式ねじ締め機本体15の主軸14の回転角を検出
し、その検出結果に基づいて、実施例1に示した測定方
法により締付け軸力を測定し、目標とする締付け軸力を
実現するように駆動手段へ供給される動力源を制御する
ようにしているため、インパクトねじ締めの際にボルト
に発生する締付け軸力をインパクトごとに精度良く測定
することができるので、目標とする締結力まで精密にね
じ締めを行うことができる。
【0142】実施例4 次に、図10および図11は、本発明の第4の実施例で
あり、図10は本発明のブロック図、図11は演算処理
を示すフローチャートである。
【0143】この実施例は、インパクト式ねじ締め機本
体の主軸の回転角を検出し、その検出結果に基づいて、
実施例2に示した測定方法により締付け軸力を測定し、
目標とする締付け軸力を実現するように駆動手段へ供給
される動力源を制御するようにした例である。
【0144】まず、図10において、インパクト式ねじ
締め機本体15は、本発明の第3の実施例と同様の構成
となっている。また、上記のインパクト式ねじ締め機本
体15には制御装置17が接続されている。この制御装
置17は、上記回転角検出部12からの信号を回転角信
号に変換する、第1の実施例と同様の回転角信号処理部
17A、第2の実施例と同様の軸力データ・メモリ部1
7Bおよび軸力演算部(締結力演算部)17Cのほか
に、動力制御部17Dを備えている。
【0145】次に、図11に示すフローチャートに基づ
いて第4の実施例の作用を説明する。
【0146】まず、ステップS21において目標締結力
cFcの値を、また、ステップS22およびステップS
23において軸力計算開始判定しきい値回転角sθIC
および締付け軸力の増加量ΔF(i)のインパクトによ
るナットの回転角θI(i)に対する比例定数K
AFを、それぞれ設定した後、ステップS24でインパ
クト数のカウンタをリセットする<カウントi=0>。
【0147】次に、ステップS25では、ねじ締めを開
始する。
【0148】ステップS26〜ステップS35におい
て、ステップS27およびステップS32は回転角信号
処理部17Aにおける処理内容、ステップS30および
ステップS35は動力制御部17Dにおける処理内容で
あり、その他は軸力演算部17Cにおける処理内容であ
る。
【0149】また、ステップS26〜ステップS28は
ループを形成しており、インパクトごとに軸力計算開始
判定を行う。
【0150】このループにおいて、まず、ステップS2
6でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS27
でインパクトごとのナットの回転角θI(i)を計算し
て記憶する。次に、ステップS28では、インパクトご
とのナットの回転角θI(i が軸力計算開始判定しき
い値回転角sθIC以下か否かを判断し、NOであれ
ば、ステップS26に戻ってステップS28までを繰返
す。
【0151】一方、ステップS28でYESになると、
ステップS29に進み、軸力データ・メモリ部17Bに
記録されている「インパクトによるナットの回転角θ
と該インパクト後の締付け軸力Fとの関係についてのテ
ーブル」に基づいてインパクト直後の締付け軸力F
(i)を求める。
【0152】次に、ステップS30では、締付け軸力F
(i)が目標締付け軸力cFc以上か否かを判断し、N
Oであれば、ステップS31〜ステップS34およびス
テップS30よりなるループに進み、インパクトごとに
締付け軸力を求めてステップS30に戻る。
【0153】このループにおいて、まず、ステップS3
1でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS32
でインパクトごとのナットの回転角θI(i)を計算し
て記憶する。
【0154】次に、ステップS33では、インパクトに
よる締付け軸力の増加量ΔF(i)を求める。ただし、
【0155】
【数式27】 次いで、ステップS34では、インパクト後の締付け軸
力F(i)を求める。ただし、
【0156】
【数式28】 この後、ステップS30に戻り、再び締付け軸力F
(i)が目標締付け軸力cFc以上か否かを判断する。
【0157】一方、ステップS30でYESになると、
ステップS35に進み、カット・オフ命令が出される。
これによって圧縮空気のバルブが閉じられる。
【0158】次に、ステップS36では、終了するか否
かを判断し、YESであればそのまま終了し、NOであ
ればステップS24に戻って次のねじ締めを行う。
【0159】これにより、図6と同様の結果が得られ
る。
【0160】上記のように、本実施例においては、イン
パクト式ねじ締め機本体15の主軸14の回転角を検出
し、その検出結果に基づいて、実施例2に示した測定方
法により締付け軸力を測定し、目標とする締付け軸力を
実現するように駆動手段へ供給される動力源を制御する
ようにしているため、特に目標締付け軸力が含まれる領
域において、インパクトねじ締めの際にボルトに発生す
る締付け軸力をインパクトごとに精度良く測定すること
ができるので、目標とする締結力まで精密にねじ締めを
行うことができる。
【0161】実施例5 第5の実施例は、インパクトごとのボルトまたはナット
の回転角を検出し、予め求めてある「インパクトによる
ボルトまたはナットの回転角と該インパクト直前の締付
け軸力との関係」に基づいて求めた該インパクト直前の
締付け軸力に、該インパクトにおけるボルトまたはナッ
トの回転角に相当する締付け軸力の増加量を加算して求
めることにより、締付け軸力を測定するようにした例で
ある。
【0162】図14は本発明によるインパクト式ねじ締
め装置における第5の実施例のブロック図であり、この
インパクト式ねじ締め装置51に用いられる回転角検出
器52は、図25および図26に示した先行例(従来
例)と同様の構成のものであり、略記したインパクト式
ねじ締め機本体(インパクト・トルク発生器53、出力
軸54)55と締結部(ナットN)56との間に配置さ
れている。
【0163】また、上記回転角検出器52と電気的に接
続された演算装置57は、回転角検出器52から発せら
れる信号を入力として回転角信号をつくる回転角信号処
理部57Aと、「インパクトによるボルトまたはナット
の回転角θと該インパクト直前の締付け軸力Fとの関
係についてのテーブル」および「締付け軸力の増加量Δ
Fのインパクトによるボルトまたはナットの回転角θ
に対する比例定数K と該インパクト直前の締付け軸
力Fとの関係についてのテーブル」が記録されている軸
力データ・メモリ部57Bと、軸力演算部57Cとから
なる。
【0164】図15および図16は、軸力データ・メモ
リ部57Bに記録されているテーブル(関数)の一例を
示す説明図であって、このうち、図15は上述の式(2
6)の関係を各領域に対して数値化して得られる「イン
パクトによるナットの回転角θと該インパクト直前の
締付け軸力Fとの関係についてのテーブル」であり、図
16は各領域における「締付け軸力の増加量ΔFのイン
パクトによるナットの回転角θに対する比例定数K
AFと該インパクト直前の締付け軸力Fとの関係につい
てのテーブル」である。なお、これらのテーブルの具体
的な値は、ボルトと被締結体の組合せでそれぞれ異な
る。したがって、このようなテーブルが使用対象である
ボルトと被締結体の組合せごとに関数として用意され
る。そして、軸力演算部57Cではこれらのテーブルに
基づいて締付け軸力が演算される。
【0165】図17は、第5の実施例と比較例(先行
例)との軸力測定精度についての比較図であり、○印は
本実施例の特性、●印は比較例(先行例)の特性を示
す。
【0166】ここで示す例は、目標締付け軸力を50k
NとしてM12のボルトおよびナットを用いて着座時の
座面間距離が40mmの被締結体を締結した場合の結果
を示すものであり、実施例では、図15に示した「イン
パクトによるナットの回転角θと該インパクト直前の
締付け軸力Fとの関係についてのテーブル」に基づいて
求めた該インパクト直前の締付け軸力F(i−1)に、
該インパクトにおけるナットの回転角θI(i)に相当
する締付け軸力の増加量ΔF(i)を加算して求めるこ
とにより、インパクトごとに締付け軸力F(i)を求め
ている。
【0167】一方、比較例では、先行技術(従来技術)
の方式においてsθMIN=120deg、sθMAX
=180degとし、「ナットの着座以降の回転角θ
と締付け軸力Fとの関係についてのテーブル」について
は図27に示したものを用い、さらに、領域1から領域
2への移行時に上記のテーブルの領域2および領域3に
おける特性を補正している。
【0168】図17の特性から明らかなように、本実施
例における測定精度は、領域1では比較例(先行例)と
同等であるが、比較例(先行例)の領域2および領域3
で見られる精度低下が起きず、全領域において良好に保
たれている。
【0169】上記のように、本実施例においては、イン
パクトごとのボルトまたはナットの回転角を検出し、予
め求めてある「インパクトによるボルトまたはナットの
回転角と該インパクト直前の締付け軸力との関係」に基
づいて求めた該インパクト直前の締付け軸力に、該イン
パクトにおけるボルトまたはナットの回転角に相当する
締付け軸力の増加量を加算して求めることにより、イン
パクトごとに締付け軸力を求めるようにしているため、
締付け軸力が発生し始めてから締結を終了するまでの全
範囲について、締付け軸力を精度良く測定できる。
【0170】実施例6 次に、図18は本発明の第6の実施例のブロック図であ
る。
【0171】この実施例は、インパクトごとのボルトま
たはナットの回転角を検出し、被締結体のみかけの剛性
が締結の進行に伴って変化し、かつ、この締結の進行プ
ロセスを上記の被締結体のみかけの剛性が一定と見なす
ことのできる複数個の領域に分割できる場合に、インパ
クトごとのボルトまたはナットの回転角が、目標締付け
軸力が含まれる領域まで締結が進行した時点で締付け軸
力の計算を開始するように設定された「軸力計算開始判
定しきい値回転角」以下の値となった時点における締付
け軸力を、予め求めてある「インパクトによるボルトま
たはナットの回転角と該インパクト直前の締付け軸力と
の関係」に基づいて求めた該インパクト直前の締付け軸
力に、該インパクトにおけるボルトまたはナットの回転
角に相当する締付け軸力の増加量を加算して求め、以降
はインパクトごとのボルトまたはナットの回転角に相当
する締付け軸力の増加量を順次加算していくことによ
り、インパクトごとに締付け軸力を求めるようにした例
である。
【0172】まず、図18に基づいて構成を説明する。
【0173】図18において、回転角検出器52は、図
25および図26に示した先行例(従来例)と同様の構
成のものであり、略記したインパクト式ねじ締め機本体
(インパクト・トルク発生器53、出力軸54)55と
締結部(ナットN)6との間に配置されている。
【0174】また、上記回転角検出器52と電気的に接
続された演算装置57は、回転角検出器52から発せら
れる信号を入力として回転角信号をつくる、第5の実施
例と同様の回転角信号処理部57Aと、領域3について
の「インパクトによるボルトまたはナットの回転角θ
と該インパクト直前の締付け軸力Fとの関係についての
テーブル」が記録されている軸力データ・メモリ部57
Bと、第5の実施例とは少し異なる軸力演算部57Cと
からなる。
【0175】図19は、軸力データ・メモリ部57Bに
記録されているテーブル(関数)の一例を示す説明図で
あり、上述の式(26)の関係を目標軸力が含まれる領
域3に対して数値化したものである。そして、軸力演算
部57Cではこのテーブルに基づいて締付け軸力が演算
される。
【0176】図20は、第6の実施例と比較例(先行
例)との軸力測定精度についての比較図であり、○印は
本実施例の特性、●印は比較例(先行例)の特性を示
す。
【0177】ここで示す例は、目標締付け軸力を50k
NとしてM12のボルトおよびナットを用いて着座時の
座面間距離が40mmの被締結体を締結した場合の結果
であり、この実施例では、軸力計算開始判定しきい値回
転角をsθIC=6.7degとし、図19に示した
「インパクトによるナットの回転角θと該インパクト
直前の締付け軸力Fとの関係についてのテーブル」に基
づいてインパクトごとに締付け軸力を求めている。
【0178】一方、比較例では、先行技術の方式におい
てsθMIN=120deg、sθMAX=180de
gとし、「ナットの着座以降の回転角θと締付け軸力
Fとの関係についてのテーブル」については図27に示
したものを用い、さらに、領域1から領域2への移行時
に上記のテーブルの領域2および領域3における特性を
補正している。
【0179】図20の特性から明らかなように、本実施
例における測定精度は、目標締付け軸力の50kNが含
まれる領域3において、比較例(先行例)と比較して向
上している。
【0180】上記のように、本実施例においては、イン
パクトごとのボルトまたはナットの回転角を検出し、被
締結体のみかけの剛性が締結の進行に伴って変化し、か
つ、この締結の進行プロセスを上記の被締結体のみかけ
の剛性が一定と見なすことのできる複数個の領域に分割
できる場合に、インパクトごとのボルトまたはナットの
回転角が、目標締付け軸力が含まれる領域まで締結が進
行した時点で締付け軸力の計算を開始するように設定さ
れた「軸力計算開始判定しきい値回転角」以下の値とな
った時点における締付け軸力を、予め求めてある「 イン
パクトによるボルトまたはナットの回転角と該インパク
ト直前の締付け軸力との関係」 に基づいて求めた該イン
パクト直前の締付け軸力に、該インパクトにおけるボル
トまたはナットの回転角に相当する締付け軸力の増加量
を加算して求め、以降はインパクトごとのボルトまたは
ナットの回転角に相当する締付け軸力の増加量を順次加
算していくことにより、インパクトごとに締付け軸力を
求めるようにしているため、特に目標締付け軸力が含ま
れる領域において、締付け軸力の測定開始点における軸
力およびそれ以降の軸力を精度良く測定できる。
【0181】実施例7 次に、図21および図22は、本発明の第7の実施例で
あり、図21は本発明実施例のブロック図、図22は演
算処理を示すフローチャートである。
【0182】この実施例は、インパクト式ねじ締め機本
体の主軸の回転角を検出し、その検出結果に基づいて、
第5の実施例に示した測定方法により締付け軸力を測定
し、目標とする締付け軸力を実現するように駆動手段へ
供給される動力源を制御するようにした例である。
【0183】まず、図21において、インパクト式ねじ
締め機本体65は、モータ68と、該モータ68の出力
軸68aに接続され、該モータ68の連続的な回転力を
インパクト・トルクに変換するインパクト・トルク発生
器63と、該インパクト・トルク発生器63の出力軸す
なわち主軸64の回転角を検出する回転角検出部62
と、上記主軸64に取付けられた締付けソケット(継手
部)69とからなる。なお、モータ68は電動モータ、
エア・モータなどのように駆動力を発生するものであれ
ばいずれの形式のものでもよい。
【0184】上記のインパクト式ねじ締め機本体65に
は制御装置67が接続されている。この制御装置67
は、上記回転角検出部62からの信号を回転角信号に変
換する、第5の実施例と同様の回転角信号処理部67
A、軸力データ・メモリ部67Bおよび軸力演算部(締
結力演算部)67Cのほかに、動力制御部67Dを備え
ている。
【0185】次に、本実施例7の具体的な適用例は、図
8に示したような圧縮空気を動力源とするインパクト・
レンチ本体21として構成することができる。
【0186】したがって、図8に示したインパクト・レ
ンチ本体21において、回転角検出部12,油圧パルス
発生部13,主軸14は、それぞれ、図21に示すイン
パクト式ねじ締め機本体65における回転角検出部6
2,インパクト・トルク発生器63,主軸64に対応す
るものとなる。
【0187】また、インパクト・レンチ本体21と電気
的に接続された制御装置17は図21の制御装置67に
相当する部分となり、回転角検出部62から発せられる
信号を入力として回転角信号をつくる回転角信号処理部
67Aと、「インパクトによるボルトまたはナットの回
転角と該インパクト直前の締付け軸力との関係について
のテーブル」および「締付け軸力の増加量ΔFのインパ
クトによるボルトまたはナットの回転角θに対する比
例定数KAFと該インパクト直前の締付け軸力Fとの関
係についてのテーブル」が記録されている軸力データ・
メモリ部67Bと、軸力演算部67Cと、締付け軸力が
適正範囲にあるか否かを判定して、図8に示すシャット
・オフ・バルブ39への開閉制御信号を送出する動力制
御部67Dとからなる。
【0188】次に、図22に示すフローチャートに基づ
いて第7の実施例の作用を説明する。
【0189】図8に示したインパクト・レンチ本体21
のバルブ操作レバー31が引かれることによって給気部
22から矢印A方向にシャット・オフ・バルブ39を介
してエア・モータ部23に送られた圧縮空気により、エ
ア・モータ部23の回転駆動軸33が回転し、その回転
力は油圧パルス発生部13において衝撃的な回転力に変
換され、主軸14(64)に伝達されて、ねじ締め作業
が行われる。
【0190】まず、ステップS41において目標締結力
cFcの値を設定した後、ステップS42でインパクト
数のカウンタをリセットする<カウントi=0>。
【0191】次に、ステップS43では、ねじ締めを開
始する。
【0192】ステップS44〜ステップS51におい
て、ステップS45は回転角信号処理部67Aにおける
処理内容、ステップS50およびステップS51は動力
制御部67Dにおける処理内容であり、その他は軸力演
算部67Cにおける処理内容である。
【0193】また、ステップS44〜ステップS50は
ループを形成しており、インパクトごとに締付け軸力を
求める。
【0194】このループにおいて、まず、ステップS4
4でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS45
でインパクトごとのナットの回転角θI(i)を計算し
て記憶する。次に、ステップS46では、軸力データ・
メモリ部67B記録されている「インパクトによるナッ
トの回転角θと該インパクト直前の締付け軸力Fとの
関係についてのテーブル」に基づいてインパクト直前の
締付け軸力F(i−1 を求める。
【0195】次いで、ステップS47では、軸力データ
・メモリ部67Bに記録されている「締付け軸力の増加
量ΔFのインパクトによるナットの回転角θに対する
比例定数KAFと該インパクト直前の締付け軸力Fとの
関係についてのテーブル」に基づいて比例定数K
AF(i)を求める。ただし、
【0196】
【数式29】 次に、ステップS48では、インパクトによる締付け軸
力の増加量ΔF(i)を求める。ただし、
【0197】
【数式30】 次いで、ステップS49では、インパクト後の締付け軸
力F(i)を求める。ただし、
【0198】
【数式31】 次に、ステップS50では、締付け軸力F(i)が目標
締付け軸力cFc以上か否かを判断し、NOであれば、
ステップS44に戻ってステップS50までを繰返す。
【0199】一方、ステップS50でYESになると、
ステップS51に進み、カット・オフ命令が出される。
これによって圧縮空気のバルブが閉じられる。
【0200】次に、ステップS52では、終了するか否
かを判断し、YESであればそのまま終了し、NOであ
ればステップS42に戻って次のねじ締めを行う。
【0201】これにより、図17と同様の結果が得られ
る。
【0202】上記のように、本実施例においては、イン
パクト式ねじ締め機本体65の主軸64の回転角を検出
し、その検出結果に基づいて、実施例5に示した測定方
法により締付け軸力を測定し、目標とする締付け軸力を
実現するように駆動手段へ供給される動力源を制御する
ようにしているため、インパクトねじ締めの際にボルト
に発生する締付け軸力をインパクトごとに精度良く測定
することができるので、目標とする締結力まで精密にね
じ締めを行うことができる。
【0203】実施例8 次に、図23および図24は、本発明の第8の実施例で
あり、図23は本発明のブロック図、図24は演算処理
を示すフローチャートである。
【0204】この実施例は、インパクト式ねじ締め機本
体の主軸の回転角を検出し、その検出結果に基づいて、
実施例6に示した測定方法により締付け軸力を測定し、
目標とする締付け軸力を実現するように駆動手段へ供給
される動力源を制御するようにした例である。
【0205】まず、図23において、インパクト式ねじ
締め機本体65は、本発明の第7の実施例と同様の構成
となっている。また、上記のインパクト式ねじ締め機本
体65には制御装置67が接続されている。この制御装
置67は、上記回転角検出部62からの信号を回転角信
号に変換する、第5の実施例と同様の回転角信号処理部
67A、第6の実施例と同様の軸力データ・メモリ部6
7Bおよび軸力演算部(締結力演算部)67Cのほか
に、動力制御部67Dを備えている。
【0206】次に、図24に示すフローチャートに基づ
いて第8の実施例の作用を説明する。
【0207】まず、ステップS61において目標締結力
cFcの値を、またステップS62およびステップS6
3において軸力計算開始判定しきい値回転角sθIC
よび締付け軸力の増加量ΔF(i)のインパクトによる
ナットの回転角θI(i)に対する比例定数KAFを、
それぞれ設定した後、ステップS64でインパクト数の
カウンタをリセットする<カウントi=0>。
【0208】次に、ステップS65では、ねじ締めを開
始する。
【0209】ステップS66〜ステップS77におい
て、ステップS67およびステップS74は回転角信号
処理部67Aにおける処理内容、ステップS72および
ステップS77は動力制御部67Dにおける処理内容で
あり、その他は軸力演算部67Cにおける処理内容であ
る。
【0210】また、ステップS66〜ステップS68は
ループを形成しており、インパクトごとに軸力計算開始
判定を行う。
【0211】このループにおいて、まず、ステップS6
6でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS67
でインパクトごとのナットの回転角θI(i)を計算し
て記憶する。次に、ステップS68では、インパクトご
とのナットの回転角θI(i が軸力計算開始判定しき
い値回転角sθIC以下か否かを判断し、NOであれ
ば、ステップS66に戻ってステップS68までを繰返
す。
【0212】一方、ステップS68でYESになると、
ステップS69に進み、軸力データ・メモリ部67Bに
記録されている「インパクトによるナットの回転角θ
と該インパクト直前の締付け軸力Fとの関係についての
テーブル」に基づいてインパクト直後の締付け軸力F
(i−1)を求める。
【0213】次に、ステップS70では、インパクトに
よる締付け軸力の増加量ΔF(i)を求める。ただし、
【0214】
【数式32】 次に、ステップS71では、インパクト後の締付け軸力
(i)を求める。ただし、
【0215】
【数式33】 次に、ステップS72では、締付け軸力F(i)が目標
締付け軸力cFc以上か否かを判断し、NOであれば、
ステップS73〜ステップS76およびステップS72
よりなるループに進み、インパクトごとに締付け軸力を
求めてステップS70に戻る。
【0216】このループにおいて、まず、ステップS7
3でカウントiを1だけ増加させた後、ステップS74
でインパクトごとのナットの回転角θI(i)を計算し
て記憶する。
【0217】次に、ステップS75では、インパクトに
よる締付け軸力の増加量ΔF(i)を求める。ただし、
【0218】
【数式34】 次いで、ステップS76では、インパクト後の締付け軸
力F(i)を求める。ただし、
【0219】
【数式35】 この後、ステップS72に戻り、再び締付け軸力F
(i)が目標締付け軸力cFc以上か否かを判断する。
【0220】一方、ステップS72でYESになると、
ステップS77に進み、カット・オフ命令が出される。
これによって圧縮空気のバルブが閉じられる。
【0221】次に、ステップS78では、終了するか否
かを判断し、YESであればそのまま終了し、NOであ
ればステップS64に戻って次のねじ締めを行う。
【0222】これにより、図20と同様の結果が得られ
る。
【0223】上記のように、本実施例においては、イン
パクト式ねじ締め機本体65の主軸64の回転角を検出
し、その検出結果に基づいて、実施例6に示した測定方
法により締付け軸力を測定し、目標とする締付け軸力を
実現するように駆動手段へ供給される動力源を制御する
ようにしているため、特に目標締付け軸力が含まれる領
域において、インパクトねじ締めの際にボルトに発生す
る締付け軸力をインパクトごとに精度良く測定すること
ができるので、目標とする締結力まで精密にねじ締めを
行うことができる。
【0224】
【発明の効果】本発明に係わるボルト・ナット締結にお
ける締付け軸力の測定方法は、請求項1に記載している
ように、インパクト式ねじ締め装置の出力軸、または該
出力軸に発生するパルス状のトルクを締結部のボルトま
たはナットに伝えるソケット部分に回転角検出器を取付
けてインパクトごとのボルトまたはナットの回転角を検
出し、予め求めてある「インパクトによるボルトまたは
ナットの回転角と締付け軸力との関係」に基づいてイン
パクトごとに締付け軸力を求めるようにしたから、締結
の進行に伴って被締結体のみかけの剛性が変化する場合
であっても、締付け軸力を従来技術以上に高精度で測定
することができるようになり、目標とする締結力まで精
密にねじ締めを行うことが可能になるという著しく優れ
た効果がもたらされる。
【0225】そして、請求項2に記載しているように、
インパクトごとのボルトまたはナットの回転角を検出
し、予め求めてある「インパクトによるボルトまたはナ
ットの回転角と該インパクト後の締付け軸力との関係」
に基づいてインパクトごとに締付け軸力を求めるように
なすことによって、締付け軸力を精度良く測定すること
が可能になるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0226】また、請求項3に記載しているように、イ
ンパクトごとのボルトまたはナットの回転角が「軸力計
算開始判定しきい値回転角」以下の値となった時点にお
ける締付け軸力を、予め求めてある「インパクトによる
ボルトまたはナットの回転角と該インパクト後の締付け
軸力との関係」に基づいて求め、以降はインパクトごと
のボルトまたはナットの回転角に相当する締付け軸力の
増加量を順次加算していくことにより、インパクトごと
に締付け軸力を求めるようになすことによって、締付け
軸力の計算開始点における軸力およびそれ以降の軸力を
精度良く測定することが可能になるという著しく優れた
効果がもたらされる。
【0227】さらに、請求項4に記載しているように、
被締結体のみかけの剛性が締結の進行に伴って変化し、
かつ、この締結の進行プロセスを前記被締結体のみかけ
の剛性が一定と見なすことのできる複数個の領域に分割
できる場合に、目標の締付け軸力が含まれる領域まで締
結が進行した時点で締付け軸力の計算を開始するよう
に、「軸力計算開始判定しきい値回転角」を設定するよ
うになすことによって、特に目標の締付け軸力が含まれ
る領域において締付け軸力を高精度で測定することが可
能になるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0228】そしてさらに、請求項5に記載しているよ
うに、インパクトごとのボルトまたはナットの回転角を
検出し、予め求めてある「インパクトによるボルトまた
はナットの回転角と該インパクト直前の締付け軸力との
関係」に基づいて求めた該インパクト直前の締付け軸力
に、該インパクトにおけるボルトまたはナットの回転角
に相当する締付け軸力の増加量を加算することにより、
インパクトごとに締付け軸力を求めるようになすことに
よって、締付け軸力を精度良く測定することが可能にな
るという著しく優れた効果がもたらされる。
【0229】また、請求項6に記載しているように、イ
ンパクトごとのボルトまたはナットの回転角が「軸力計
算開始判定しきい値回転角」以下の値となった時点にお
ける締付け軸力を、予め求めてある「インパクトによる
ボルトまたはナットの回転角と該インパクト直前の締付
け軸力との関係」に基づいて求めた該インパクト直前の
締付け軸力に、該インパクトにおけるボルトまたはナッ
トの回転角に相当する締付け軸力の増加量を加算して求
め、以降はインパクトごとのボルトまたはナットの回転
角に相当する締付け軸力の増加量を順次加算していくこ
とにより、インパクトごとに締付け軸力を求めるように
なすことによって、締め付け軸力の計算開始点における
軸力およびそれ以降の軸力を精度良く測定することが可
能になるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0230】さらに、請求項7に記載しているように、
被締結体のみかけの剛性が締結の進行に伴って変化し、
かつ、この締結の進行プロセスを前記被締結体のみかけ
の剛性が一定と見なすことのできる複数個の領域に分割
できる場合に、目標の締付け軸力が含まれる領域まで締
結が進行した時点で締付け軸力の計算を開始するよう
に、「軸力計算開始判定しきい値回転角」を設定するよ
うになすことによって、特に目標の締付け軸力が含まれ
る領域において締付け軸力を高精度で測定することが可
能になるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0231】さらにまた、本発明に係わるインパクト式
ねじ締め装置は、請求項8に記載しているように、駆動
出力にパルス成分を有する駆動手段と、一端にねじとの
継手部を有しかつ前記駆動手段により駆動されてねじを
締付ける主軸と、前記主軸の回転角を検出する回転角検
出手段をそなえるインパクト式ねじ締め機本体と、前記
回転角検出手段の検出結果に基づいて請求項2または5
に記載の測定方法により締付け軸力を測定する演算手
段、を具備した構成としており、インパクト式ねじ締め
機本体の主軸の回転角を検出し、その検出結果に基づい
て、請求項2または5に記載の測定方法により締付け軸
力を演算手段によって測定するようにしているので、イ
ンパクトねじ締めの際にボルトに発生する締付け軸力を
インパクトごとに精度良く測定することが可能であると
いう著しく優れた効果がもたらされる。
【0232】また、請求項9に記載に記載しているよう
に、請求項8に記載のインパクト式ねじ締め装置におい
て、目標とする締付け軸力を実現するように駆動手段へ
供給される動力源を制御する制御手段を備えたものとす
ることによって、締付け軸力をインパクトごとに精度良
く測定しながら、目標とする締結力まで精密にねじ締め
を行うことが可能になるという著しく優れた効果がもた
らされる。
【0233】さらに、請求項10に記載しているよう
に、インパクト式ねじ締め機本体の主軸の回転角を検出
し、その検出結果に基づいて、請求項3,4または請求
項6,7のいずれかに記載の測定方法により締付け軸力
を測定するようになすことによって、被締結体のみかけ
の剛性が締結の進行に伴って変化し、かつ、この締結の
進行プロセスを前記被締結体のみかけの剛性が一定と見
なすことのできる複数個の領域に分割できる場合に、特
に目標締付け軸力が含まれる領域において締付け軸力を
インパクトごとに精度良く測定することが可能になると
いう著しく優れた効果がもたらされる。
【0234】さらにまた、請求項11に記載しているよ
うに、請求項10に記載のインパクト式ねじ締め装置に
おいて、目標とする締付け軸力を実現するように駆動手
段へ供給される動力源を制御するようになすことによっ
て、特に目標締付け軸力が含まれる領域において締付け
軸力をインパクトごとに精度良く測定しながら、目標と
する締結力まで精密にねじ締めを行うことが可能になる
という著しく優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のブロック図である。
【図2】第1の実施例の軸力データ・メモリ部7Bに記
録されている「インパクトによるボルトまたはナットの
回転角と該インパクト後の締付け軸力との関係ついての
テーブル」の一例を示す説明図である。
【図3】第1の実施例と比較例(先行例)との軸力測定
精度についての比較特性図である。
【図4】本発明の第2の実施例のブロック図である。
【図5】第2の実施例の軸力データ・メモリ部7Bに記
録されている「インパクトによるボルトまたはナットの
回転角と該インパクト後の締付け軸力との関係について
のテーブル」の一例を示す説明図である。
【図6】第2の実施例と比較例(先行例)との軸力測定
精度についての比較特性図である。
【図7】本発明の第3の実施例のブロック図である。
【図8】圧縮空気を動力源とするインパクト・レンチと
して構成した場合の断面図である。
【図9】第3の実施例における演算処理を示すフローチ
ャートである。
【図10】本発明の第4の実施例のブロック図である。
【図11】第4の実施例における演算処理を示すフロー
チャートである。
【図12】ボルトに発生する締付け軸力およびインパク
トごとのナットの回転角とナットの着座以降の回転角と
の関係についての模式的な説明図である。
【図13】ブッシュ・ブラケット・タイプの締結部位の
構成について例示する説明図である。
【図14】本発明の第5の実施例のブロック図である。
【図15】第5の実施例の軸力データ・メモリ部57B
に記録されている「インパクトによるボルトまたはナッ
トの回転角と該インパクト直前の締付け軸力との関係に
ついてのテーブル」の一例を示す説明図である。
【図16】第5の実施例の軸力データ・メモリ部57B
に記録されている「締付け軸力の増加量のインパクトに
よるナットの回転角に対する比例定数と該インパクト直
前の締付け軸力との関係についてのテーブル」の一例を
示す説明図である。
【図17】第5の実施例と比較例(先行例)との軸力測
定精度についての比較特性図である。
【図18】本発明の第6の実施例のブロック図である。
【図19】第6の実施例の軸力データ・メモリ部57B
に記録されている「インパクトによるボルトまたはナッ
トの回転角と該インパクト直前の締付け軸力との関係に
ついてのテーブル」の一例を示す説明図である。
【図20】第6の実施例と比較例(先行例)との軸力測
定精度についての比較特性図である。
【図21】本発明の第7の実施例のブロック図である。
【図22】第7の実施例における演算処理を示すフロー
チャートである。
【図23】本発明の第8の実施例のブロック図である。
【図24】第8の実施例における演算処理を示すフロー
チャートである。
【図25】先行例における軸力測定の全体構成を示すブ
ロック図である。
【図26】先行例の回転角検出器101の構成を示す断
面図である。
【図27】先行例の軸力データ・メモリ部110Bに記
録されている「ボルトまたはナットの着座以降の回転角
と締付け軸力との関係についてのテーブル」の一例を示
す説明図である。
【図28】先行例における演算処理を示すフローチャー
トの一部である。
【図29】先行例における演算処理を示すフローチャー
トの図28に続く他の一部である。
【図30】「ボルトまたはナットの着座以降の回転角と
締付け軸力との関係についてのテーブル」の補正方法に
ついての説明図である。
【符号の説明】
1,51 インパクト式ねじ締め装置 2,12,52,62 回転角検出器(回転角検出部) 3,13,53,63 インパクト・トルク検出器(油
圧パルス発生部) 4,14,54,64 出力軸(主軸) 5,15,55,65 インパクト式ねじ締め機本体 6,56 締結部 7,17,57,67 演算装置(制御装置) 7A,17A,57A,67A 回転角信号処理部 7B,17B,57B,67B 軸力データ・メモリ部 7C,17C,57C,67C 軸力演算部(締結力演
算部) 17D,67D 動力制御部 18,68 モータ 19,69 締付けソケット(継手部)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インパクト式ねじ締め装置の出力軸、ま
    たは該出力軸に発生するパルス状のトルクを締結部のボ
    ルトまたはナットに伝えるソケット部分に回転角検出器
    を取付けてインパクトごとのボルトまたはナットの回転
    角を検出し、予め求めてある「インパクトによるボルト
    またはナットの回転角と締付け軸力との関係」に基づい
    てインパクトごとに締付け軸力を求めることを特徴とす
    る、インパクト式ねじ締め装置を用いるボルト・ナット
    締結における締付け軸力の測定方法。
  2. 【請求項2】 インパクト式ねじ締め装置の出力軸、ま
    たは該出力軸に発生するパルス状のトルクを締結部のボ
    ルトまたはナットに伝えるソケット部分に回転角検出器
    を取付けてインパクトごとのボルトまたはナットの回転
    角を検出し、予め求めてある「インパクトによるボルト
    またはナットの回転角と該インパクト後の締付け軸力と
    の関係」に基づいてインパクトごとに締付け軸力を求め
    ることを特徴とする、請求項1に記載のインパクト式ね
    じ締め装置を用いるボルト・ナット締結における締付け
    軸力の測定方法。
  3. 【請求項3】 インパクト式ねじ締め装置の出力軸、ま
    たは該出力軸に発生するパルス状のトルクを締結部のボ
    ルトまたはナットに伝えるソケット部分に回転角検出器
    を取付けてインパクトごとのボルトまたはナットの回転
    角を検出し、インパクトごとのボルトまたはナットの回
    転角が「軸力計算開始判定しきい値回転角」以下の値と
    なった時点における締付け軸力を、予め求めてある「イ
    ンパクトによるボルトまたはナットの回転角と該インパ
    クト後の締付け軸力との関係」に基づいて求め、以降は
    インパクトごとのボルトまたはナットの回転角に相当す
    る締付け軸力の増加量を順次加算していくことにより、
    インパクトごとに締付け軸力を求めることを特徴とす
    る、請求項2に記載のインパクト式ねじ締め装置を用い
    るボルト・ナット締結における締付け軸力の測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の締付け軸力の測定方法
    において、インパクトごとのボルトまたはナットの回転
    角と締付け軸力の増加量との比例定数、すなわち、被締
    結体のみかけの剛性、が締結の進行に伴って変化し、か
    つ、この締結の進行プロセスを前記被締結体のみかけの
    剛性が一定と見なすことのできる複数個の領域に分割で
    きる場合に、目標の締付け軸力が含まれる領域まで締結
    が進行した時点で締付け軸力の計算を開始するように、
    「軸力計算開始判定しきい値回転角」を設定することを
    特徴とする、請求項3に記載のインパクト式ねじ締め装
    置を用いるボルト・ナット締結における締付け軸力の測
    定方法。
  5. 【請求項5】 インパクト式ねじ締め装置の出力軸、ま
    たは該出力軸に発生するパルス状のトルクを締結部のボ
    ルトまたはナットに伝えるソケット部分に回転角検出器
    を取付けてインパクトごとのボルトまたはナットの回転
    角を検出し、予め求めてある「インパクトによるボルト
    またはナットの回転角と該インパクト直前の締付け軸力
    との関係」に基づいて求めた該インパクト直前の締付け
    軸力に、該インパクトにおけるボルトまたはナットの回
    転角に相当する締付け軸力の増加量を加算することによ
    り、インパクトごとに締付け軸力を求めることを特徴と
    する、請求項1に記載のインパクト式ねじ締め装置を用
    いるボルト・ナット締結における締付け軸力の測定方
    法。
  6. 【請求項6】 インパクト式ねじ締め装置の出力軸、ま
    たは該出力軸に発生するパルス状のトルクを締結部のボ
    ルトまたはナットに伝えるソケット部分に回転角検出器
    を取付けてインパクトごとのボルトまたはナットの回転
    角を検出し、インパクトごとのボルトまたはナットの回
    転角が「軸力計算開始判定しきい値回転角」以下の値と
    なった時点における締付け軸力を、予め求めてある「イ
    ンパクトによるボルトまたはナットの回転角と該インパ
    クト直前の締付け軸力との関係」に基づいて求めた該イ
    ンパクト直前の締付け軸力に、該インパクトにおけるボ
    ルトまたはナットの回転角に相当する締付け軸力の増加
    量を加算して求め、以降はインパクトごとのボルトまた
    はナットの回転角に相当する締付け軸力の増加量を順次
    加算していくことにより、インパクトごとに締付け軸力
    を求めることを特徴とする、請求項5に記載のインパク
    ト式ねじ締め装置を用いるボルト・ナット締結における
    締付け軸力の測定方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の締付け軸力の測定方法
    において、インパクトごとのボルトまたはナットの回転
    角と締付け軸力の増加量との比例定数、すなわち、被締
    結体のみかけの剛性、が締結の進行に伴って変化し、か
    つ、この締結の進行プロセスを前記被締結体のみかけの
    剛性が一定と見なすことのできる複数個の領域に分割で
    きる場合に、目標の締付け軸力が含まれる領域まで締結
    が進行した時点で締付け軸力の計算を開始するように、
    「軸力計算開始判定しきい値回転角」を設定することを
    特徴とする、請求項6に記載のインパクト式ねじ締め装
    置を用いるボルト・ナット締結における締付け軸力の測
    定方法。
  8. 【請求項8】 駆動出力にパルス成分を有する駆動手段
    と、一端にねじとの継手部を有しかつ前記駆動手段によ
    り駆動されてねじを締付ける主軸と、前記主軸の回転角
    を検出する回転角検出手段をそなえるインパクト式ねじ
    締め機本体と、 前記回転角検出手段の検出結果に基づいて請求項2また
    は5に記載の測定方法により締付け軸力を測定する演算
    手段、 を具備したことを特徴とするインパクト式ねじ締め装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のインパクト式ねじ締め
    装置において、目標とする締付け軸力を実現するべく前
    記駆動手段に供給される動力源を制御する制御手段を備
    えたことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
  10. 【請求項10】 駆動出力にパルス成分を有する駆動手
    段と、一端にねじとの継手部を有しかつ前記駆動手段に
    より駆動されてねじを締付ける主軸と、前記主軸の回転
    角を検出する回転角検出手段をそなえるインパクト式ね
    じ締め機本体と、 前記回転角検出手段の検出結果に基づいて請求項3,4
    または請求項6,7のいずれかに記載の測定方法により
    締付け軸力を測定する演算手段、 を具備したことを特徴とするインパクト式ねじ締め装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のインパクト式ねじ
    締め装置において、目標とする締付け軸力を実現するべ
    く前記駆動手段に供給される動力源を制御する制御手段
    を備えたことを特徴とするインパクト式ねじ締め装置。
JP10146795A 1995-04-25 1995-04-25 ボルト・ナット締結における締付け軸力の測定方法およびインパクト式ねじ締め装置 Pending JPH08294878A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10052733B2 (en) 2015-06-05 2018-08-21 Ingersoll-Rand Company Lighting systems for power tools
US10418879B2 (en) 2015-06-05 2019-09-17 Ingersoll-Rand Company Power tool user interfaces
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US11491616B2 (en) 2015-06-05 2022-11-08 Ingersoll-Rand Industrial U.S., Inc. Power tools with user-selectable operational modes

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