JPH08291927A - 浴室配電装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浴室機器の電源装置を換気扇の本体内に設置
することによって、その電源装置と浴室機器とを浴室内
で接続ケーブルによって直接接続することができる浴室
配電装置を提供することである。 【構成】 内側垂直壁部に換気扇３を設備した浴室Ａ内
に循環保温浄化装置２を設置する。その循環保温浄化装
置２の電源部１１を換気扇３の支持板１２に支持し、そ
の電源部１１と循環保温浄化装置２とを低電圧ケーブル
４によって接続する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、換気扇を備えた浴室内
で使用する浴室機器に接続ケーブルを介して電源装置を
接続した浴室配電装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、銭湯、ホテル、スポーツクラブ等
の主に業務用の施設の浴場においては、例えば、浴槽に
気泡浴装置、循環浄化装置等が設置されている。前記気
泡浴装置は、浴槽内の浴用水中にポンプ等の手段を使っ
て気泡を勢いよく噴出させることにより、主に人体の皮
膚にあてることで入浴を快適にするものである。また、
前記循環浄化装置は、浴槽の浴用水をポンプを使って濾
過槽や加熱保温装置内に導入させると共に、強制循環さ
せながら、浄化、保温して多人数の入浴を可能にするも
のである。

【０００３】最近では、こうした機能を持ち、従来から
家庭にある浴槽に容易に取付けることができるように設
計した小型で低価格な家庭用循環保温浄化装置が広く使
用されている。これらの機器は、家庭の既存の浴室に置
くだけの簡単な作業ですぐに使用できる製品が望まし
い。従来の家庭用循環保温浄化装置として、図３及び図
４に示されるような構成のものがあった。家庭用循環保
温浄化装置は、本体５１、吸排水ユニット５２、吐出パ
イプ５３、吸水パイプ５４、エアーパイプ５５、低圧電
源ケーブル５６、電源ユニット５７等を主体として構成
されている。

【０００４】前記本体５１は、浴室内の浴槽５８のわき
の空きスペース、例えば、コーナー部に据え置かれる。
また、浴室の上方壁部には、浴室内の湿気を浴室外部に
排出するための換気扇７３が設置されている。一方、前
記電源ユニット５７は、前記本体５１とは分離して、浴
室の外部に設置されている。その理由は、安全を考慮し
て浴室内の機器には低電圧の適用が望ましいこと、通常
の家庭の浴室内には余分な電源コンセントがないこと、
浴室内では常に高湿度で、水がかかる虞があること等で
ある。前記電源ユニット５７からは電源コード５９やア
ース線６０が出ており、漏電ブレーカー内蔵の先端プラ
グ６１やアース線６０は壁コンセント６２やアース端子
６３にそれぞれ接続される。前記電源ユニット５７は、
交流１００Ｖの商業用電源を２０Ｖ程度に降圧するため
のトランスを化粧カバーに納めたものである。前記低圧
電源ケーブル５６は、浴室内外に分かれて設置された本
体５１と電源ユニット５７とを電気的に接続するもので
あって、太さは約１０ｍｍ程度であり、一般に取扱いず
らいものであるとされている。

【０００５】また、前記低圧電源ケーブル５６は、図４
に示されるように、浴室の壁６４に穴６５をあける工事
を行って貫通させるか、図５に示されるように、浴室の
戸、窓の一部を開放したり、建具や柱の一部を切り欠い
てその隙間から通すようにしていた。前記本体５１の前
面には、操作パネル７７が配置され、また、その内部に
は、浴用水を汲み上げるためのポンプ、浴用水を浄化す
るための浄化槽、浴用水を加熱保温するためのヒータ
ー、そのヒータやポンプのための電気制御回路等が内蔵
されている。前記電源ユニット５７は、前記ポンプ、ヒ
ーター及び電気制御回路等に電源を供給する。

【０００６】さらに、前記吸排水ユニット５２は浴槽内
壁に吸盤等を利用して固定される。その吸排水ユニット
５２には、浴槽５８内の浴用水を本体５１側に吸引する
ための吸水口６６と、これとは反対に本体５１から浴槽
５８内に処理済みの浴用水を吐出するための吐出口６７
とが設けられる。前記吐出パイプ５３及び吸水パイプ５
４は、本体５１と吸排水ユニット５２とを接続するゴム
ホースであって、それぞれ吐出口６７や吸水口６６に接
続される。また、前記エアーパイプ５５は、本体５１の
ケース内部に一端を開口し、他端が吐出口６７の近傍に
て細いノズル状に開口している。これは気泡浴のため、
エゼクタ作用を応用して気泡を導入し吐出口６７より勢
いよく噴出するものである。

【０００７】次に、図４を参照して浴槽水の循環経路を
説明する。前記浴槽５８内の浴用水は、吸排水ユニット
５２の吸水口６６より導入された後、吸水パイプ５４を
経由して本体５１内に入り、加熱槽６９、浄化槽７０、
循環ポンプ６８、の順に流入する。これ等各要素の循環
経路を通過する間に浴用水は加熱、浄化される。前記加
熱槽６９は、循環経路内の浴用水を終日適温に維持する
働きをする。この後、本体５１を再度出て吐出パイプ５
３を経由して吸排水ユニット５２の吐出口６７より浴槽
５８内に戻る。以上説明したように、家庭用循環保温浄
化装置を設置した浴槽では浴用水が継続的に循環するの
で、保温、浄化作用が持続し、浴槽の浴用水を長期間に
わ亙って交換することなく何時でも入浴可能であるとい
う特徴を備えている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た構成のものによれば、浴室の壁に隔てられて設置され
た機器本体と電源装置とを接続する電源ケーブルを通す
ために、浴室の壁面に穴をあける工事がどうしても必要
であった。また、壁に穴をあける工事が困難な場合は、
浴室の建具、例えば、戸や窓の端の隙間に電源ケーブル
が通されることになって、建具が完全に閉まらなくなる
と共に、その建具によって電源ケーブルが損傷、切断さ
れる虞もあり、浴室の美観を損なったり、隙間風が入る
等の諸問題があった。

【０００９】然るに、本発明は、上述した諸問題を解決
するためになされたものであり、浴室機器の電源装置を
換気扇の本体内に設置することによって、その電源装置
と浴室機器とを浴室内で接続ケーブルによって直接接続
することができる浴室配電装置を提供することを目的と
している。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の浴室配電装置は、換気扇を設備した浴室内
に、その浴室内で使用する浴室機器を配置し、その浴室
機器に接続ケーブルを介して電源装置を接続したものを
対象として、前記電源装置を、前記換気扇の本体内に設
置している。

【００１１】また、前記電源装置は、前記換気扇の制御
基板を支持する支持板上に支持してもよい。

【００１２】

【作用】前記の構成を有する本発明の浴室配電装置によ
れば、前記電源装置を、前記換気扇の本体内に設置して
いるので、前記換気扇は従来と同様に使用することがで
きると共に、前記電源装置と浴室機器とを浴室内で前記
接続ケーブルによって直接接続することができる。

【００１３】また、前記電源装置は、前記換気扇の制御
基板を支持する支持板上に支持される。この場合、前記
換気扇の制御基板を支持する支持板を共用して前記電源
装置を支持できるので、換気扇の本体構成も前記電源装
置が付加されるだけであるから特に大型かつ複雑化する
ことがなく、しかも、配電装置全体の構成をコンパクト
にすることができる。

【００１４】

【実施例】以下に、本発明の浴室配電装置を具体化した
一実施例を図面を参照して詳細に説明する。先ず、図２
は換気扇３を設備した浴室Ａ内で使用する家庭用循環温
浴装置の構成の一例を示す。浴室Ａ内において、浴槽１
の横の空きスペースに、本発明の浴室機器を構成する循
環保温浄化装置本体２が据え置かれる。なお、この循環
保温浄化装置の電源部１１は、後述するように、前記換
気扇３の本体内に内蔵されている。前記換気扇３は、浴
室Ａの起立壁上部に浴室外部に通じるように設置されて
いる。前記循環保温浄化装置本体２と、前記換気扇３の
本体内に設置された循環保温浄化装置本体２のための電
源部１１との間は、本発明の接続ケーブルを構成する低
電圧ケーブル４によって接続される。前記電源部１１
は、本発明の電源装置を構成するためものであり、１０
０Ｖの商業用電源を２０Ｖ程度に降圧させるためのトラ
ンスを主体として構成されている。一方、浴槽１内には
吸排水ユニット５が配置される。循環保温浄化装置本体
２と吸排水ユニット５との間は、吐出パイプ６、吸水パ
イプ７及びエアーパイプ８にて接続される。

【００１５】なお、循環保温浄化装置の詳細について
は、従来の技術の項にて既に説明した内容と同じなの
で、ここでは説明を省略し、本発明に係る換気扇３の部
分の構造を図１を参照して説明する。外観は通常の換気
扇と何等変わるところはなく、内部に循環保温浄化装置
の電源部１１を内蔵できる外形寸法であれば、浴室Ａの
インテリアに合うように様々な意匠を施すことができ
る。本実施例では、前記換気扇３として、３枚の羽根を
備えた通常のファンタイプのものが使用される。その換
気扇３の内部構造は、換気扇機能部１０と、前記循環保
温浄化装置の電源部１１とに大きく分けられる。換気扇
本体は、モーター、ファン、シャッターをはじめとした
各種構成部品を取付けたスチール製プレス加工品である
支持板１２と、プラスチック成型によって製作された化
粧カバー１３とによって構成される。

【００１６】前記支持板１２には、モーター９、湿度セ
ンサー１５により浴室内の湿度を感知して換気扇３の起
動、停止制御を自動的に行う制御基板１４、分岐配線用
端子盤１６、循環保温浄化装置の電源部１１、コネクタ
ー１７、アース端子ネジ２０が固定されている。前記電
源部１１は、前記支持板１２に固定された基板１１Ａに
電圧降下用のトランス１１Ｂ等が支持された構成となっ
ている。前記換気扇３の起動、停止は前記湿度センサー
１５によって浴室内の湿度を感知して自動的に制御でき
る。従って、この構成によれば、入浴者は器具に直接触
れることはなくなる。前記支持板１４には、浴室換気用
の既存の浴室換気扇用屋内配線１８を通す穴１９があけ
られている。本実施例において浴室換気扇用屋内配線１
８は壁内において、屋内配線２２より分岐し、換気用壁
スイッチ２８を経由して浴室天井裏を配線した例を示し
ている。

【００１７】次に、既存の浴槽に対して家庭用循環保温
浄化装置を設置する際の手順を説明する。循環保温浄化
装置本体２の設置は従来例に準ずるものであり、図２に
示したとおりである。次に、換気扇３の部分の取付け手
順を説明する。先ず、浴室壁面の既存の換気扇を取り外
す。次に、支持板１２を所定の場所に木ねじ等で取り付
ける。このとき、浴室換気扇用屋内配線１８は穴１９を
経由して通しておく。次に、浴室換気扇用屋内配線１８
は分岐配線用端子盤１６に接続する。アース線はアース
端子ネジ２０に接続する。浴室換気扇用屋内配線１８
は、分岐配線用端子盤１６により、換気扇機能部１０と
循環保温浄化装置の電源部１１に分岐する。循環保温浄
化装置本体２からは低電圧ケーブル４が出ており、端部
はコネクター２１になっている。これを前記支持板１２
上のコネクタ１７に接続する。以上で結線作業を終了
し、最後に化粧カバー１３を確実に取り付けて配線工事
が完了となる。

【００１８】以上のように構成された換気扇３を設置し
た後は、前記換気扇用壁スイッチ２８はＯＮ状態のまま
にしておき、換気扇の起動、停止は、前記湿度センサー
１５により浴室内の湿度を感知することで自動的に制御
する。本実施例によれば、浴室内の人は電気器具に直接
接触する機会はない。この場合、照明の消し忘れが防止
でき、節電が可能となる。また、前記電源部１１には常
時家庭用電源が接続されているので、循環保温浄化装置
の起動、停止操作は従来通り、循環保温浄化装置本体２
側の操作パネル２５で行う。従来は、低電圧ケーブルを
浴室外に設置した電源部に接続するため、壁に穴をあけ
たり、建具の隙間を利用して配線していたが、本発明に
よれば、換気扇の交換作業をするだけでよくなる。ま
た、建物に穴をあける等してその建物を損傷することも
なくなる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の浴室配電装置によれば、浴室内で使用する浴室機
器の電源装置を換気扇の本体に支持したので、前記電源
装置と浴室機器とを浴室内で接続ケーブルによって直接
接続することができる。従って、浴室の壁に通線用の穴
をあける工事や、通線のために建具が完全に閉まらない
等の問題点を全て解消することができる。さらに、浴室
インテリアの観点から美観を損なうこともない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を具体化した浴室用換気扇の構造を一部
破断して示す図である。

【図２】本発明の換気扇と循環保温浄化装置とを浴室内
部に設置した状態を示す要部断面図である。

【図３】従来の循環保温浄化装置と換気扇とを浴室内部
に設置した状態を示す要部断面図である。

【図４】従来の循環保温浄化装置の浴用水循環経路を示
す図である。

【図５】従来の配電ケーブルの設置例を示す斜視図であ
る。

【図６】従来の配電ケーブルの他の設置例を示す斜視図
である。

【符号の説明】

２ 循環保温浄化装置 ３ 換気扇 ４ 低電圧ケーブル １１ 電源部 １２ 支持板 １４ 制御基板 Ａ 浴室

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 換気扇を設置した浴室内に、その浴室内
   で使用する浴室機器を配置し、その浴室機器に接続ケー
   ブルを介して電源装置を接続した浴室配電装置におい
   て、 前記電源装置を、前記換気扇の本体内に設置したことを
   特徴とする浴室配電装置。
2. 【請求項２】 前記電源装置は、前記換気扇の制御基板
   を支持する支持板上に支持したことを特徴とする請求項
   １に記載の浴室配電装置。