JPH08291792A - 高圧液体ポンプ - Google Patents

高圧液体ポンプ

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JPH08291792A
JPH08291792A JP7096526A JP9652695A JPH08291792A JP H08291792 A JPH08291792 A JP H08291792A JP 7096526 A JP7096526 A JP 7096526A JP 9652695 A JP9652695 A JP 9652695A JP H08291792 A JPH08291792 A JP H08291792A
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JP
Japan
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piston
pressure
fluid
pressurizing chamber
working fluid
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Pending
Application number
JP7096526A
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English (en)
Inventor
Kiichi Hoshi
喜一 星
Toshitaka Uchimura
俊隆 内村
Hidenori Machimura
英紀 町村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Engineering Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Automotive Engineering Co Ltd
Priority to JP7096526A priority Critical patent/JPH08291792A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】2流体式ポンプに隔絶体を用いることなく、長
寿命で小形の吐出効率に優れる低粘性流体用高圧液体ポ
ンプを提供する。 【構成】高圧で吐出させようとする目的流体を加圧する
第2ピストンとスリーブとの間に、比較的高粘度で前記
スリーブ中で作動する第1ピストンによって加圧される
第1作動流体を導いて液体シール効果を発揮せしめ、更
に好適には前記第2ピストンの外周部に環状溝を設けて
スリーブとの間に前記第1作動流体を導いて液体シール
効果を向上せしめるように構成する。第1作動流体の吸
入を行わせる吸入口は第1ピストンの上底部近傍に、目
的流体を加圧する第2加圧室から開口される吐出連通孔
は第2加圧室の上底部近傍にそれぞれ設けられ気体成分
が速やかに排出されるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低粘性流体の高圧ポンプ
に係り、特にガソリン筒内直接噴射装置用高圧燃料ポン
プに用いて好適な高圧液体ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】低粘性の流体(例えばガソリン)を高圧
にするのは、例えばピストン(プランジャ),スリーブ
等の圧縮間隙部から流体が洩れやすく、高圧にするのが
困難である。
【0003】このためダイヤフラムやベローズ等の隔壁
体を用いて、該隔壁体の第1側には比較的高粘度の作動
流体を置いてこれを圧縮させ、この圧力を該隔壁体の第
2側に置いた目的流体(例えばガソリン)に該隔壁体の
変形,移動作用を介して伝達し、目的流体を洩れなく加
圧する技術が例えば、実公昭39−34943 号,実公昭40−
33417号,特開平5−263764号,特開平4−209981号等に
記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の従来のポンプ
にあっては隔壁体の変形寿命が大きくとれず、ポンプ寿
命が制約され、或いは隔壁体の単位当たりの変形を小さ
く抑えて隔壁体の寿命を延ばそうとすると、例えばダイ
ヤフラム式にあってはダイヤフラムの径を大きくして変
位ストロークを小さくする、例えばベローズ式にあって
は単位長さ当たりの変位を小さくするためにベローズ全
長を大きくする等の必要が生じ、ポンプ全体が大形化し
てしまうという問題があった。
【0005】本発明の目的は、寿命の長い小形化に適す
る低粘度流体用高圧ポンプを提供することにある。
【0006】また、本発明の目的は、ポンプ内部の気体
圧縮現象を排除して、良好な吐出特性を持つ低粘度流体
用高圧ポンプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、目的流体を加圧する第2ピストンとスリ
ーブとの間に比較的高粘度の第1の作動流体を導いて液
体シールをためさしめ、低粘度流体の洩れを防止し、通
常のピストンおよびスリーブによる加圧機構を採用可能
ならしめてポンプの長寿命化と小形化とを達成させる。
【0008】本発明の上記手段の採用は従来技術に用い
られる2流体の完全なる隔絶のために隔絶体を備えると
いう観点を変え、用途によっては2流体の厳密な隔絶を
必要とせず、ある程度の交互の混入を許容するように観
点を変えたところから発する。
【0009】更に本発明では前記液体シール効果を確実
ならしめるために、該第2ピストンの外周部に環状溝を
設けて前記第1の作動流体を導いてスリーブとの間に高
圧部,潤滑部を構成する手段を用いる。
【0010】また上記目的を達成するための手段として
第1ピストンの内径上底部近傍に第1作動流体の吸入孔
を配置して、該ピストンの圧縮開始初期に気体の排出を
可能ならしめ、また目的流体の加圧室の上底部近傍に吐
出連通口を配置して構成することにより、目的流体加圧
室の残留気体を速やかに排出せしめて良好な吐出特性の
実現を達成する。
【0011】
【作用】目的流体を加圧する第2ピストンとスリーブと
の間に比較的高粘度の第1の作動流体を導いて構成さ
れ、加圧される目的流体は該作動流体の圧力によってそ
の洩れ出しが防止されるので、高圧が保たれ良好な吐出
特性のポンプが得られる。更に、前記第2ピストンの外
周部に環状溝を設けて第1の作動流体を導く手段を併用
すると、前記洩れ出しが一層防止され、高圧が保たれて
吐出特性を向上させ得る。該スリーブ中で摺動するピス
トンは第1の作動流体によって潤滑効果も与えられ、基
本的には摺動距離に制限がないため、ダイヤフラム等の
場合に生じるような隔壁体の大形化が必要でなくなり、
ポンプの小形化が達成できる。
【0012】また、第1作動流体の吸入口は第1ピスト
ンの内径上底部近傍に設けられているため、気体が存在
する場合には浮力によって該気体が上部に凝集し、該ピ
ストンの圧縮開始初期に気体の排出を可能ならしめ、ま
た目的流体の加圧室の上底部近傍に吐出連通口を配置し
て構成したので、目的流体に気体が含有される場合は浮
力によって上部に凝集し速やかに排出されるようにな
る。
【0013】このため、気体圧縮状態を防止でき、液体
圧縮状態でポンプが運転されるので、良好な吐出特性を
確保することが可能となる。
【0014】
【実施例】図1を用いて本発明の好適なる一実施例を説
明する。
【0015】図1は本発明の一実施例を示す低粘性流体
高圧ポンプの構成断面図である。
【0016】先ず、構成について説明する。
【0017】本体1には図示しない軸受装置によって回
転軸2が支承され図示しない駆動源例えばエンジンの回
転軸の1部,電動モータの回転軸等から適当な方法で回
転駆動される。回転軸2にはキー3,カム4が取付けら
れ、回転運動を行う。カム4は図示例では2葉となって
いるが、図3に示すように、ポンプ1回転当りの吐出脈
動を低減する目的で3葉カム201あるいはそれ以上の
葉数を持つカムであっても良いし、図5に示すように単
なる円形偏心カム202とすることもできる。本体1に
は縦穴5が穿設され、下部にフランジ部を持つスリーブ
6が本体1との間に調整部材24を挟み、環状溝23に
シール部材8を介在させて取付け固定される。該スリー
ブ6は中空構造になっており、この中空内の上部に第1
ピストン9,下部に第2ピストン10がそれぞれ精密な
間隙をもって摺動自由に組み込まれる。
【0018】第1ピストン9の上端近傍には係止部材1
2が取付けられ、その下部にバネ受け13が、更にその
下部に第1バネ17が取付けられる。かくして第1バネ
17の弾発力はバネ受け13,係止部材12を介して第
1ピストン9を上昇させ、第1ピストン9をカム4の表
面に常に当接させる。
【0019】第1ピストン9には下部に向かって開口し
た内径部18が設けられ、その上底部である内径端面1
9近傍に第1ピストン9の該内径部18と外周部とを結
ぶ1つ以上の吸入穴11が設けられる。前記カム4,バ
ネ受け13,第1バネ17等を含む空間部が本体1の上
部に設けられて、第1作動流体15の適当量で満たさ
れ、第1作動流体格納室16を形成する。更にその上部
には上部蓋14が取付けられて第1作動流体の漏洩が防
止される。該上部蓋14には、使用形態によって、図示
しない吸排気装置が取付けられ、第1作動流体格納室1
6の圧力を大気圧に近付ける機能を付与されることがあ
る。
【0020】第2ピストン10には内径部21及び外周
部に環状溝23が設けられこの両者は1つ以上の連通孔
22によって流体的に接続されている。
【0021】後で述べるように環状溝23は不可欠構成
ではなく、好ましい構成例であることを付記する。
【0022】後で詳述する加圧動作時に吸入穴11がス
リーブ6によって閉じられた際、第1ピストン9の内径
部18,スリーブ6の内径部,第2ピストン10の縦穴
5,環状溝23,連通孔22で区画された領域は第1加
圧室20を形成する。
【0023】第2ピストン10の外周下端部近傍に停止
部材25が組付けられ、第2ピストン10の上方への移
動が規制される。第2ピストン10の下端部には突起部
26が設けられ、第2バネ28の取付けガイトとして機
能する。
【0024】第2バネ28の取付けガイドとして第2ピ
ストン10の下端部に凹部を設けることも可能である
が、第2ピストン10の下部に導入される目的流体の気
体分が滞留して気体圧縮現象を起し、吐出性能を低下さ
せるので不利となる。
【0025】スリーブ6の下部フランジを収納する部分
は本体1において下方に開口しており、この開口部に下
部蓋29がその封止溝30にシール部材31を包含して
油密的に取付けられる。下部蓋29には第2バネ28が
収容され、第2ピストン10を上方に移動させる力が与
えられる。なお、本図面においては部品間を結合する螺
子等の部材は図示を省略している。
【0026】例えば下部蓋29は本体1に対して圧入固
定されるか、適当な螺子部材を用いて締結係止される等
の結合手法が適用される。
【0027】スリーブ6,本体1の下方開口部,下部蓋
29で区画される空間は第2加圧室27を形成し、ここ
で目的流体の加圧が行われる。
【0028】第2加圧室27の上底部近傍の図示左側に
は吸入連通孔32、図示右側には吐出連通孔33が設け
られ、ポンプ中心から見てより外側に配置された吸入逆
止弁34および吐出逆止弁35にそれぞれ流体的に接続
される。
【0029】2つの逆止弁の外側にはシール部材38を
介して吸入接続具36及び吐出接続具37がそれぞれ本
体に固定され、吸入逆止弁34及び吐出逆止弁35の位
置決めを行う。吸入接続具36には、その斜面部53及
び螺子部54を利用した既知の方法を用い図示しない目
的流体供給管が接続され、同様に吐出接続具37には図
示しない吐出管が接続される。
【0030】2つの逆止弁34及び35は同じ機能を持
ち、何れも図示左から右方向への流体移動を許容し、そ
の逆方向の移動を阻止するものであり、両者同一の構造
を持って構成されていることから、吸入逆止弁34につ
いてのみ詳細に説明する。
【0031】吸入逆止弁34の外周部にはシール部材4
8が取付けられて本体1内に設置され、外周部を伝わっ
て流体の漏洩が防止される。弁体内には左側に流入口4
6が開けられ流体の作法からの流入口を形成する。
【0032】流入口46から内径が円錐状に拡大し、シ
ート部44を形成し、一旦内径拡大部45を形成した
後、可動弁体41を摺動自由に収容する平行内径部を形
成されている。該平行内径部には流出口51を持つバネ
受けリング50が圧入固定され、可動弁体41の中空部
42に収容された閉止バネ49の一端を受けて可動弁体
41を図示左方向に移動させる力を与えさせる。
【0033】可動弁体41の図示左側は少なくとも一部
が円錐状に形成され流入口46に連なる円錐形状部と共
同してシート部44を形成する。
【0034】可動弁体41の中空部42の左端底部近傍
に可動弁体41の外周部と中空部42とを流体的に連結
する1つ以上の連通穴43が設けられる。
【0035】本発明になる低粘性流体高圧ポンプの一実
施例の動作を説明する。
【0036】図面は第1ピストン9が上死点にある状態
を示している。この状態で第1作動流体15は吸入穴1
1から第1加圧室20内に吸入されて充満している。
【0037】回転軸2およびカム4が回転すると、カム
4の突起により第1ピストン9は下降を始め、この際第
1加圧室20内に気体成分があると浮力によって上方の
内径部18の上底部付近に凝集し、下降行程に従って第
1作動流体格納室へと排出される。この種の高圧ポン
プ、特に小吐出量のポンプにおいて圧縮部に気体が存在
すると気体の体積縮少のみが起って液体の吐出効率が大
幅に減少してしまい、支障を起すことは周知である。従
って液体圧縮部における気体の吸入や滞留はできるだけ
排除するように配慮されるべきである。
【0038】回転軸2,カム4の回転が進むと吸入穴1
1がスリーブ6の内面で閉鎖され、第1加圧室20内の
第1作動流体は外部に溢流できなくなるので、更に第1
ピストン9の下降が進む状態では第1加圧室内の第1作
動流体を介して液圧伝達により第2ピストン10を下降
させるようになる。
【0039】第2ピストンの下降により第2加圧室27
の目的流体が加圧され圧力上昇が生ずる。この圧力は吸
入連通孔32を介して吸入逆止弁34の可動弁体41右
側に作用して目的流体の図示左側方向への移動を阻止す
るように作用するのと同時に、吐出連通孔33,流入口
46′( ′記号は吸入逆止弁34を構成する部品に付け
られた説明番号を吐出逆止弁構成部品に援用したもので
ある。以下同じ)を介して可動弁体41′に伝えられ
る。
【0040】可動弁体41′に作用している閉止バネ4
9′のバネ力は小さく、可動弁体41′の図示左側圧力
が同右側の圧力より僅かに高ければ可動弁体41′が図
示右側に移動するように設定されている。
【0041】従って、第2加圧室27の圧力が吐出接続
具37に接続された図示しない吐出管内の圧力より高け
れば、可動弁体41′は図示右側に移動することとな
る。
【0042】そうすると、シート部44′に間隙が生
じ、第2加圧室27′内の目的流体は吐出連通孔33,
流入口46′,シート部44′の間隙,内径拡大部4
5′,連通穴43′,中空部42′,流出口51′,吐
出接続具37の通路52′を通って図示しない吐出管へ
と吐出される。
【0043】この過程において、第1加圧室の第1作動
流体は連通孔22を介して環状溝7に導かれ、第1加圧
室20の圧力と等しくなっており、前記吐出管から目的
流体が吐出されている状態では第2ピストン10が下降
を続けていて、第1加圧室20の圧力の方が第2加圧室
27の圧力より高い状態となっている。
【0044】ここで例えば目的流体をガソリン,第1作
動流体をエンジンオイルとすると、前者の粘性係数は後
者のそれに比べ100分の1から2000分の1程度と
極めて小さく、第2加圧室27からスリーブ6および第
2ピストン10の間隙を通って上昇して来る。従って単
にプランジャとスリーブのみで目的流体を圧縮する場合
には目的流体の漏洩が生じ、例えばガソリン筒内直接噴
射装置用の燃料供給装置として利用する場合には、特に
低温始動時にはエンジンの回転速度が上がらずエンジン
から駆動される方式のポンプにあってはポンプ回転速度
も小さいので、圧縮部からの漏洩時間及び漏洩量が増大
して充分な量の燃料を供給できずに始動困難等の現象を
引き起こす。
【0045】然るに本発明では第1加圧室20内の第1
作動流体を介して第2ピストン10を液圧的に加圧し、
その液圧は連通孔22を介して環状溝7に導かれてお
り、この圧力は前述のごとく第2加圧室27の目的流体
の圧力より高いので目的流体の漏洩を防止でき、良好な
吐出特性を得られる。
【0046】環状溝7に導かれた第1作動流体は前述の
ごとく液体シールとして作用する他、第2ピストン10
とスリーブ6との間の潤滑剤として作用する。
【0047】即ち、一般に低粘性流体は潤滑効果に乏し
く摺動部材の円滑な作動を妨げ、摩耗を生じ長寿命のポ
ンプの実現を困難にしている。
【0048】これに対し本発明になるポンプでは、摺動
部の潤滑が確保され、その効果は運動長さによる制約を
受けないので、ダイヤフラムの場合に見られるような、
運動長さを小さくするために直径を大きくしなければな
らず、ポンプが大形化してしまう等の問題が生じない。
【0049】ここで、前述した如く第2ピストン10の
外周部に設けた環状溝23は不可欠構成要因ではなく、
環状溝23がない場合にも第1加圧室20の圧力は第2
ピストン10に作用してポンプ作用が行われる。但しこ
の場合前記の環状溝23がある場合の液体シール効果お
よび潤滑効果が削減される。
【0050】本発明によれば、ダイヤフラム,ベローズ
等の流体隔絶体の使用を必要とせず、小形で、良好な吐
出特性を有する、長寿命の安価な低粘性流体高圧ポンプ
の提供を可能とする。本発明の構成によれば、第1作動
流体の液体シール効果により、目的流体の漏洩は阻止さ
れるが、両流体の接触部分では混合現象が生ずる。しか
しその領域は第2ピストン10とスリーブ6との狭い間
隙部の、更にその1部に限られるため、混合される量も
小さく、実用上支障を生じないでポンプ機能を得ること
が可能である。
【0051】この量は前記間隙部の寸法,プランジャの
径寸法,第2加圧室27から環状溝7までの距離,第1
作動流体の性状等を適当に選ぶことにより更に小さくす
ることができる。
【0052】このようにしてポンプの吐出行程はカム4
の形状によって決まる第1ピストンの下死点まで続き、
原理的には吸入穴11がスリーブ6によって閉塞されて
から前記下死点に達するまでのストロークとピストンの
直径とによって吐出量が決定される。
【0053】吐出量の調整は調整部材24の厚みを変え
て、吸入穴11がスリーブ6によって閉塞される時期を
選ぶことによって実現できる。
【0054】吐出期間中にあって、第2加圧室27に気
体が存在する場合には、前述の如く第2加圧室27の上
底部に凝集し、上底部近傍に設けられた吐出連通孔33
から速やかに排出され、吐出効率が落ちることがない。
【0055】第1ピストン9の頭部に当接しているカム
4が突起頂上部を超えて更に回転すると、第1ピストン
9は第1バネ17に押されて上昇を始め、第2ピストン
10も第2バネ28に押されて上昇を始める。
【0056】この際、第2加圧室27の圧力は負圧とな
り、吐出逆止弁35の可動弁体41′はシート部44′に
着座して吐出接続具37に接続された図示しない吐出管
から第2加圧室27への目的流体の逆流を防止する。同
時に吸入逆止弁34の可動弁体41の図示右側の圧力が
低下するので、可動弁体41は図示右側に移動して吸入
接続具36に接続された図示されない目的流体供給管か
ら通路52,流入口46,シート部44,内径拡大部4
5,連通穴43,中空部42,流出口51,吸入連通孔
32を経由して第2加圧室27に目的流体が吸入され
る。ここで、前記図示されない目的流体供給管に与えら
れる目的流体の圧力は大気圧でも良いが、例えば電動ポ
ンプ等で数気圧程度の正圧が与えられていても良い。こ
の場合、第2ピストン10は上昇力として第2バネ28
の力と目的流体の圧力による力の合力が働くこととな
る。この場合、吐出接続具37に接続される図示しない
吐出管内の圧力が、供給される目的流体の圧力より低い
ときには加圧された目的流体が直接吐出逆止弁35を通
って前記吐出管に供給されるが、実用上なんら支障を生
ぜず、逆に使用初期における包含された気体の早期排出
に役立つ等の効果を与え、更には高圧に加圧されない供
給圧力での系の使用を可能とする。
【0057】このようにして目的流体の第2加圧室への
供給が進み、第2ピストン10に係止された停止部材2
5がスリーブ6の下端部に当接して、第2ピストン10
の上昇が所定の位置関係を持って終了する。第1ピスト
ン9はある時期にあっては第2ピストン10に与えられ
る第1加圧室20の圧力と、第1バネ17の力との合
力、又ある時期にあっては第1バネ17の力を原動力と
して、カム4の輪郭によって決まる特性に従って上昇を
続ける。
【0058】第1ピストン9の上昇の終期近くに吸入穴
11はスリーブ6による閉塞を解かれ、第1作動流体格
納室16の第1作動流体15は第1加圧室20に流入す
る。カム4が回転して第1ピストン9に当接するのが基
円部に達したとき、第1ピストン9が上死点に達しこの
位置は毎回一定の位置となる。
【0059】吸入穴11がスリーブ16によって閉塞さ
れながら上昇する期間において、第1ピストン9の上昇
速度はカム4の形状によって決定され、第2加圧室27
の圧力を負圧にするように作用するが、第2ピストン1
0の上昇がこれに追随するように第2バネ28の上昇力
と目的流体の供給圧力による上昇力との合力を定めてや
ると、第1加圧室の圧力は正圧を保つこととなり、目的
流体の第1加圧室20への流入を防止することができ
る。
【0060】以上述べたようにして図示した第1及び第
2ピストンの初期状態に戻り、毎回の動作が繰返され、
燃料の吐出が間歇的に繰返される。
【0061】尚、図面はポンプの1セット分のみを示し
ているが、ポンプ能力の向上と吐出圧力脈動低減の目的
から、多セット分が図面奥行き方向に並べられ、カム4
にそれぞれ適当な位相差を持たせて並列運転することが
できる。
【0062】この場合、吸入連通路39が設けられ、吸
入接続具36の通路52から流入した目的流体は連通穴
56,縮少外径部55,吸入連通路39を経由して他の
ポンプセットの吸入逆止弁の流入口部(図示では記号4
6に相当)へと流入する。同様に吐出側には吐出連通路
40が設けられて他のポンプセットから吐出された目的
流体を集合して吐出接続具37から吐出されるようにす
ると好都合である。
【0063】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能
である。例えば、図5に示すように、カムの駆動力を直
接第1ピストンが受けずにローラ210で受けた後、ガ
イド機構211を介して直線運動のみを第1ピストン9
に伝えてなるポンプ,吸入及び吐出逆止弁に各種の変形
例を適用したポンプ,スリーブ6を分割構成してなるポ
ンプ、更に分割したスリーブの内径およびこれに対応す
るピストンの直径が異なるようにしてなるポンプ,第1
作動流体に外部の流体例えばエンジンの潤滑油を導いて
成るようにしたポンプ,第1ピストンの上底部形状を下
に凸な円錐状となし気体成分がより速やかに排出される
ようにしたポンプ等、図6に示すような、第2ピストン
の環状溝下部にピストンリング212等更にシール効果
を上げる部材を配置したポンプ等の当業者が実施形態の
便宜性を考慮して各種の変更が導入され得る。
【0064】以上、説明した本発明の高圧燃料ポンプ2
22は、例えば図2に示すとおり、燃料タンク220か
らの燃料を第1レギュレータ221で調圧した後、高圧
燃料ポンプ222へ供給する電動ポンプ223と、高圧
燃料ポンプ222から吐出された高圧の燃料を蓄圧する
アキュームレータと、アキュームレータ224で蓄圧さ
れた燃料をエンジン227に噴射供給するインジェクタ
225と、インジェクタの噴射圧を調圧する第2レギュ
レータ226と、インジェクタ225からの燃料噴射量
を機関温度,スロットル位置,エンジン回転パルス,吸
入空気流量などにより制御するエンジン制御ユニット2
29と共にガソリン筒内噴射燃料供給系統を構成するこ
とができる。
【0065】
【発明の効果】本発明の適用により、2流体式ポンプに
流体間の隔絶体を用いる必要がなくなり、長寿命で小形
の吐出効率に優れる低粘性流体用高圧液体ポンプが提供
できる。また第1作動流体および第2作動流体から発生
する気体状物体を速やかに排出できるので、吐出特性に
優れる高圧液体ポンプを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す低粘性流体高圧ポンプ
の構成断面図。
【図2】本発明を用いたガソリン筒内噴射燃料供給系統
図。
【図3】本発明に用いるカム形状を示す図。
【図4】本発明に用いる別のカム形状を示す図。
【図5】ローラを用いた実施例を示す構成図。
【図6】ピストンリングを用いた実施例を示す構成図。
【符号の説明】
1…本体、4…カム、6…スリーブ、9…第1ピスト
ン、10…第2ピストン 11…吸入穴、19…内径端面、22…連通孔、23…
環状溝、27…第2加圧室、34…吸入逆止弁、35…
吐出逆止弁、36…吸入接続具、37…吐出接続具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内村 俊隆 茨城県ひたちなか市大字高場字鹿島谷津 2477番地3日立オートモティブエンジニア リング株式会社内 (72)発明者 町村 英紀 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体中に固定された円筒状のスリーブと、
    前記スリーブ中をカム駆動され、バネ復元されて往復動
    する第1ピストンと、前記スリーブ中を往復動できる第
    2ピストンと、前記スリーブと前記第1ピストンの1端
    部及び前記第2ピストンの1端部とによって区画形成さ
    れる第1加圧室と、前記第1ピストンを取り囲み第1作
    動流体を保持する本体内の第1作動流体格納室と、前記
    第1ピストンの外周面に開口し前記第1加圧室に連通し
    前記第1ピストンの往復によって前記スリーブ内面によ
    り閉塞開放が行われる第1流体吸入穴と、前記第2ピス
    トンの前記端部とは他の端部を取り囲み形成される第2
    加圧室と、前記第2加圧室への目的流体の流入を許容す
    る流入逆止弁と、前記第2加圧室から目的流体の流出を
    許容する流出逆止弁とからなり、 前記第2ピストンは前記第1加圧室内の流体によって加
    圧移動されて、目的流体を加圧することを特徴とする高
    圧液体ポンプ。
  2. 【請求項2】請求項1記載のポンプにおいて、前記第2
    ピストンの外周部に前記第1加圧室の第1作動流体を導
    く溝を設けたことを特徴とする高圧液体ポンプ。
  3. 【請求項3】請求項1記載のポンプにおいて、前記第1
    ピストンは上底部を有するカップ状とされ、前記上底部
    近傍に第1作動流体の吸入を制御する第1作動流体吸入
    穴を設けたことを特徴とする高圧液体ポンプ。
  4. 【請求項4】請求項1記載のポンプにおいて、目的流体
    が加圧される前記第2加圧室の上底部近傍に前記吐出逆
    止弁に連通する吐出連通孔が設けられたことを特徴とす
    る高圧液体ポンプ。
  5. 【請求項5】請求項1記載のポンプにおいて、前記第2
    ピストンに対し上昇力を与えるためのバネを取付け案内
    する第2ピストンの案内部が凸形状であることを特徴と
    する高圧液体ポンプ。
  6. 【請求項6】請求項1記載のポンプにおいて、前記第1
    作動流体吸入穴が前記スリーブによって閉塞されながら
    上昇する期間にあっては、前記第1加圧室の圧力が正圧
    を保つように少なくとも前記第2ピストンに上昇力を与
    えるバネの力が選定されていることを特徴とする高圧液
    体ポンプ。
  7. 【請求項7】請求項1記載のポンプにおいて、前記第2
    ピストンの潤滑と目的流体に対するシールを前記第1加
    圧室の第1作動流体によって行うことを特徴とする高圧
    液体ポンプ。
  8. 【請求項8】請求項1記載のポンプにおいて、前記第1
    ピストン上底部近傍に第1動作流体中の気体を排出する
    手段を設けたことを特徴とする高圧液体ポンプ。
  9. 【請求項9】燃料を加圧する請求項1から8記載のいず
    れかの高圧液体ポンプと、前記高圧液体ポンプから吐出
    された高圧の燃料を蓄圧する燃料蓄圧手段と、前記燃料
    蓄圧手段で蓄圧された燃料を内燃機関に供給する燃料噴
    射弁と、前記燃料噴射弁の燃料噴射量を制御する制御装
    置とを備えた内燃機関燃料供給システム。
JP7096526A 1995-04-21 1995-04-21 高圧液体ポンプ Pending JPH08291792A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015078705A (ja) * 1999-02-09 2015-04-23 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の高圧燃料供給ポンプ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015078705A (ja) * 1999-02-09 2015-04-23 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の高圧燃料供給ポンプ
JP2017057859A (ja) * 1999-02-09 2017-03-23 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の高圧燃料供給ポンプ

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