JPH08289944A

JPH08289944A - ゴルフ用ウッドクラブヘッド

Info

Publication number: JPH08289944A
Application number: JP7124469A
Authority: JP
Inventors: Toshihiro Hosokawa; 敏宏細川
Original assignee: Hosokawa Seisakusho Co Ltd
Current assignee: Hosokawa Seisakusho Co Ltd
Priority date: 1995-04-24
Filing date: 1995-04-24
Publication date: 1996-11-05
Anticipated expiration: 2014-01-27
Also published as: TW328052B; JP2851815B2

Abstract

(57)【要約】【目的】規格品を簡便に量産することのできるクラブヘ
ッドであって、特にパーシモンヘッドの如く打撃時の感
触がシャフトを通じて使用者の手に伝達され、ゴルフの
上達化を促進させることができ、しかも打撃時の衝撃が
小さく、肘の傷害を起こしにくいとともに耐久性や反発
力に優れたゴルフ用ウッドクラブヘッドを提供すること
にある。【構成】中空部２ａを備えた金属製のヘッド本体２の中
空部に発泡金属３が配設されている。また発泡金属３と
ヘッド本体２とは接合一体化されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はゴルフ用ウッドクラブ
ヘッドに係り、その目的は規格品を簡便に量産すること
のできるクラブヘッドであって、特にパーシモンヘッド
の如く打撃時の感触がシャフトを通じて使用者の手に伝
達され、ゴルフの上達化を促進させることができ、しか
も打撃時の衝撃が小さく、肘の傷害を起こしにくいとと
もに耐久性や反発力に優れたゴルフ用ウッドクラブヘッ
ドを提供することにある。

【０００２】

【従来の技術】ゴルフ用ウッドクラブのヘッドとして
は、古くから天然のパーシモン（柿の木）を所定形状に
切削することにより形成される中実のクラブヘッドが広
く使用されていた。このパーシモン製のクラブヘッドは
天然木材を使用し、且つ中実であるために打球感が柔ら
かく、打撃時の感触がシャフトを通じて使用者の手に伝
達される、すなわちボールをヘッドのどの位置でとらえ
たかという感触がシャフトを通じて容易に使用者に伝達
されるため、使用者のゴルフの上達化を促進するのに都
合のよいクラブヘッドであった。ところが、このような
天然材木の資源には限りがあり、パーシモン製クラブヘ
ッドは職人による手作りであるため、規格品を量産する
ことができないなどの問題があった。そこで、近年では
パーシモンに代わるクラブヘッドとして金属製のクラブ
ヘッドが多数創出されてくるようになってきている。

【０００３】金属製ウッドクラブヘッドヘッドは、通常
図４に示すようにシェル形状のフェース面殻片ａ、上面
殻片ｂ及びソール面殻片ｃとをそれぞれ鋳造或いはプレ
スにより作製し、ソール面殻片ｃ内部にバランスウエイ
トｄを取り付けた後、これら殻片ａ、ｂ、ｃを溶接する
ことにより一体化し、構成されていた。このようなヘッ
ドを構成する金属素材としては、従来ではステンレス鋼
が主に使用されていたが、最近では金属の中でも比重が
比較的小さく、且つ強度も高く反発力に優れたチタン又
はチタン合金が主流として使用されるようになってきて
いる。ところが、ゴルフ用ウッドクラブヘッドの容量は
予め定まっており、容量が小さいとウッドクラブとして
の機能を充分に果たすことができない。しかし、金属の
中で比較的比重が小さいとされるチタンであっても、そ
の比重はパーシモンの４〜５倍とされている。このた
め、チタン等の金属素材を用いてウッドクラブヘッドを
構成する場合には、必然的にクラブヘッドの構成を図４
に示すように中空とせざるを得なかった。一方、中実の
ウッドクラブヘッドとしては例えば特公平６−５７２７
１号公報にて開示されているものが存在している。この
ウッドクラブヘッドは、繊維強化プラスチックス（ＦＲ
Ｐ）製の中空な外殻構造を有するヘッド成形体内の中空
部に、未発泡で加熱すると発泡性を有する固体の合成樹
脂からなる小径粒子を注入し発泡させて充填したもので
あった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記中
空の金属製ヘッドでは、中実のパーシモン製ヘッドにお
いて認められるような打撃時の感触が得られないという
課題が存在した。すなわち、中空であるために打撃時の
感触、つまりボールをヘッドのどの位置でとらえたのか
という感触が使用者に伝達されることがないため、ゴル
フの上達を促進させることができず、素人には適さない
という課題が存在した。しかも、金属製ヘッドはパーシ
モン等の木製ヘッドと比較すると打球感が硬く、ボール
のカーブのコントロールが困難で、パーシモン製ヘッド
に慣れ親しんだユーザーには使用に抵抗感があるという
課題が存在した。その上、中空の金属製ヘッドでは打撃
の際の衝撃が大きいため、肘を傷めやすいという課題も
存在した。さらには、ヘッドの重心を低くとるためのバ
ランスウエイトを後付けで取り付けるという作業は非常
に製造効率が悪いという課題も存在した。一方、特公平
６−５７２７１号公報にて開示されている発泡性合成樹
脂を充填したウッドクラブヘッドは、発泡性合成樹脂を
ＦＲＰからなるヘッド本体の質量体として使用し、ヘッ
ド重量の微調整を安定して正確に行うよう構成したもの
である。ところが、ヘッド本体はＦＲＰ製であるために
強度が劣り、耐久性や反発力が充分ではないという課題
が存在した。そこでこの発明では、規格品を量産するこ
とのできるウッドクラブヘッドであって、特に中実のパ
ーシモン製ヘッドのように打撃時にボールをヘッドのど
の位置でとらえたかという感触を使用者の手に伝達させ
ることができ、ゴルフの上達化を促進することができる
とともに肘に傷害を与えることがなく、且つ耐久性や反
発力に優れたウッドクラブヘッドの提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するためになされたものであって、請求項１のゴルフ
用ウッドクラブヘッドでは、中空部を備えた金属製のヘ
ッド本体と該中空部に配設される発泡金属とから構成さ
れるとともに前記発泡金属とヘッド本体とが接合一体化
されてなることとした。

【０００６】

【作用】ヘッド本体を金属製材料から構成しているの
で、規格品を量産することが可能でしかも強度が高く、
耐久性や反発力に優れる。またヘッド本体の内部には軽
量で衝撃吸収能に優れた発泡金属が、ヘッド本体と接合
一体化されて配設されているために従来のパーシモン製
ヘッドの如く打撃の際、ボールをヘッドのどの位置でと
らえたのかという感触をシャフトを通じて使用者の手に
伝達することができ、ゴルフの上達化を促進することが
できる。しかも発泡金属が接合一体化されて配設されて
いるために打球感が柔らかく、ボールのカーブコントロ
ールが良好となり、パーシモン製ヘッドに慣れ親しんだ
ユーザーでも抵抗感なく使用することができるととも
に、打撃の際の衝撃が小さく、肘に傷害を与えにくい。
さらに、ヘッド本体に比較的比重の大きい金属材料を用
いたとしても、中空部に充填される発泡金属はその比重
が０．２〜０．３と小さく軽量であるため、中実のヘッ
ドとしてもウッドクラブヘッドとしての容量を充分に確
保することができる。また、ヘッド本体が金属製である
ために強度が高く、優れた耐久性や反発力を発現するこ
とができる。

【０００７】

【発明の構成】以下、この発明に係るゴルフ用ウッドク
ラブヘッドの構成を図面に基づいて詳述する。図１はこ
の発明のゴルフ用ウッドクラブヘッドの第一実施例を示
す外観図で、図２は図１のＡ−Ａ断面図である。この発
明のゴルフ用ウッドクラブヘッド１は、金属製で中空部
２ａを備えたヘッド本体２と部この本体の中空部に配設
される発泡金属３より構成される。

【０００８】図示する実施例において、ヘッド本体２は
上皮部２２と底部２３とから組立てられるとともに、フ
ェイス部２１が上皮部２２及び底部２３とは別部材から
なるフェイスインサートにより構成され、このインサー
ト２１がヘッド本体２に一体に固着される構成となって
いる。しかし、この発明においてヘッド本体２は図示す
る実施例には限定はされず、これら上皮部２２、底部２
３、フェイス部をそれぞれ予め一体成形したヘッド２で
あってもよい。このヘッド本体２は金属製材料によりそ
れぞれ形成される。用いられる金属素材としては特に限
定はされず、通常のウッドクラブヘッドにおいて使用さ
れる公知の素材がいずれのものでも使用でき、具体的に
はステンレス合金、アルミニウム合金、チタン、チタン
合金等が好適に使用される。中でも比較的比重が小さ
く、しかも強度が高く、優れた耐久性や反発力を示すチ
タン或いはチタン合金がより望ましく使用され、具体的
にはＮｉ−Ｔｉ合金、Ｔｉ−６Ａｌ−４Ｖ合金、Ｔｉ−
４．５Ａｌ−３Ｖ−２Ｆｅ−２Ｍｏ合金等をより好適な
実施例として例示することができる。

【０００９】このような金属素材よりヘッド本体が鋳造
又はプレスにより成形される。具体的には前記した上皮
部２２、底部２３、フェイス部２１をそれぞれ「ロスト
・ワックス鋳造法」により成形した後、これら部材をそ
れぞれ溶接により接合し、ヘッド本体を組み立てる。あ
るいは冷間圧延され且つ目的の板厚および組織を持った
板またはコイルを冷間または温間プレスにより上皮部２
２、底部２３、フェイス部２１等の目的形状に加工し、
その後加工した部品同士を溶接にて組み立てる。あるい
は、鋳造により上皮部２２、底部２３、フェイス部２１
を一体成形する際、予め中子として発泡金属を充填し
て、中子ともに一体的に鋳造する方法も採用できる。

【００１０】以上のように形成されたヘッド本体２の中
空部２ａには発泡金属３が配設される。ここで発泡金属
とは、独立または連続した気泡が細胞状に分散した多孔
体であり、軽量性、衝撃吸収性に優れた軽量金属複合材
を指す。この発泡金属を得る手段としては、合金化、溶
湯の酸化、セラミックス粒子を分散させるなどの方法に
より粘性を高めた溶融金属に、その融点近傍でガスを発
生する水素化物や天然鉱物などの粒子を発泡剤として添
加混合し、発生したガスを溶湯内に留めることにより製
造される方法を一例として例示することができる。或い
は溶湯にカルシウムを添加し、攪拌により酸化増粘させ
た溶湯に水素化チタンを添加混合し、分解した水素ガス
を留めるという方法を例示することもできる。さらに
は、銅や鉄などの高融点金属であっても、アルミニウム
などの低融点金属であっても発泡させる方法として、大
気圧下にて溶融金属に応じた方法でその粘性を高め、増
粘した溶融金属に水素、窒素、酸素もしくはこれらの混
合ガスを吹き込むかあるいは水素化物、窒化物、酸化
物、含水鉱物などの熱分解によってガスを発生する粒子
を攪拌混合によって分散混入させることによりガスを前
記増粘後の溶融金属に溶解させた後、−４００〜−７６
０ｍｍＨｇの範囲の減圧雰囲気にすることにより、溶融
金属を発泡させる方法を例示することもできる。このよ
うな方法により得られた発泡金属は、例えば発泡アルミ
ニウムの場合、その見掛け比重は０．２〜０．３、気孔
率は約６５〜７８％程度である。

【００１１】上記のような発泡金属は独立または連続し
た気泡が細胞状に分散した多孔体であるため、軽量であ
ると同時に優れた衝撃吸収能を示す。従って、金属製の
ヘッド本体２の中空部２ａ全体において配設し、ヘッド
本体２を中実としても、その重量を増大させることはな
く、ウッドクラブとしてのヘッド容量を充分に確保する
ことができる。また、発泡金属は優れた衝撃吸収能を示
すため、打球感が柔らかく、打撃時にボールをヘッドの
どの位置でとらえたのかという感触をシャフトを通じて
使用者の手に伝達させることができるとともに、ボール
のカーブコントロールを良好に行うことができ、しかも
打撃時の衝撃が小さく、肘の傷害を防止することができ
る。

【００１２】発泡金属３はヘッド本体２を組立てる際に
中空部２ａの全体に充填される。具体的には図２に示す
実施例の場合では、底部２３内に発泡金属３を充填した
後、上皮部２２及びフェイス部２１をそれぞれ溶接等に
より固着する。また、中空部２ａに充填される発泡金属
３とヘッド本体２とは鋳造により融着し一体化する。或
いは発泡金属３とヘッド本体２とを接着剤を使用して接
着するか、または鑞付け等により接合一体化する。ここ
で、特に内部に充填される発泡金属３とヘッド本体２と
を接合一体化することとするのは、このように接合一体
化することにより打撃時に発泡金属の特性である衝撃吸
収能を最大限発現することができ、打撃時の感触やボー
ルのカーブコントロールを良好にし、肘の傷害を充分に
防止することが可能となるためである。ここで、使用さ
れる発泡金属３の種類としては特に限定はされないが、
発泡アルミニウムが比重が小さく、且つ衝撃吸収能が優
れているため望ましく使用することができる。

【００１３】図３はこの発明に係るウッドクラブヘッド
１の別の実施例を示す断面図である。この実施例におい
て、ヘッド本体２は鋳造時に基端部にホーゼル部２２ａ
を一体に成形された上部本体２２と底部２３とから構成
されている。また、ホーゼル部２２ａにはシャフト挿通
孔２２１を設け、このシャフト挿通孔２２１にシャフト
を挿入固定するよう構成されている。この実施例ではヘ
ッド本体２は上部本体２２と底部２３とをそれぞれボル
ト４を用いてボルト締めすることにより組み立てる構成
とされている。この発明において中空部２ａを有するヘ
ッド本体２は、前記実施例のように各部材を溶接により
固着しても、あるいはこの実施例のようにボルト又はネ
ジ止め或いはリベット止めにより組立てる構成としても
いずれであってもよい。図３に示す実施例ではまた上部
本体２２の開口部２２ｂを上向きに配置し、この内部に
発泡アルミニウム３を全体に充填した後、底部２３をボ
ルト締めすることにより前記開口部２２ｂを施蓋し、ヘ
ッド本体２とする。この際、発泡金属３とヘッド本体２
とを融着又は接着、或いは鑞付け等の手段により接合一
体化する。

【００１４】

【発明の効果】以上詳述した如く、この発明は中空部を
備えた金属製のヘッド本体と該中空部に配設される発泡
金属とから構成されるとともに前記発泡金属とヘッド本
体とが接合一体化されてなることを特徴とするゴルフ用
ウッドクラブヘッドであるから以下の優れた効果を奏す
る。すなわち、規格品を量産することが可能で、しかも
中実のヘッドであると同時にヘッド本体の内部には軽量
で衝撃吸収能に優れた発泡金属がヘッド本体と接合一体
化されて配設されているために従来のパーシモン製ヘッ
ドの如く打撃の際、ボールをヘッドのどの位置でとらえ
たのかという感触をシャフトを通じて使用者の手に伝達
することができ、ゴルフの上達化を促進することができ
る。しかも打球感が柔らかいためにボールのカーブコン
トロールが良好で、パーシモン製ヘッドに慣れ親しんだ
ユーザーでも抵抗感なく使用することができるととも
に、打撃の際の衝撃が小さく、肘に傷害を与えにくいと
いう優れた効果を奏する。さらに、ヘッド本体に比較的
比重の大きい金属材料を用いたとしても、中空部に充填
される発泡金属はその比重が０．２〜０．３と小さく軽
量であるため、中実のヘッドとしてもウッドクラブヘッ
ドとしての容量を充分に確保することができるという優
れた効果を奏する。また、ヘッド本体が金属製であるた
めに強度が高く、優れた耐久性や反発力を発現すること
ができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るゴルフ用ウッドクラブヘッドの
一実施例を示す外観図である。

【図２】図１で示した実施例のクラブヘッドの断面図で
ある。

【図３】この発明に係るゴルフ用ウッドクラブヘッドの
他の実施例を示す断面図である。

【図４】従来の金属製ウッドクラブヘッドの一例を示す
説明図である。

【符号の説明】

１ゴルル用ウッドクラブヘッド２ヘッド本体２ａ中空部３発泡金属

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】中空部を備えた金属製のヘッド本体と該
中空部に配設される発泡金属とから構成されるとともに
前記発泡金属とヘッド本体とが接合一体化されてなるこ
とを特徴とするゴルフ用ウッドクラブヘッド。