JPH08289811A - 中空装飾体およびその製造方法 - Google Patents
中空装飾体およびその製造方法Info
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- JPH08289811A JPH08289811A JP12085595A JP12085595A JPH08289811A JP H08289811 A JPH08289811 A JP H08289811A JP 12085595 A JP12085595 A JP 12085595A JP 12085595 A JP12085595 A JP 12085595A JP H08289811 A JPH08289811 A JP H08289811A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】量産製造が可能であるとともに造形の自由度が
高く、特に透かし模様等の外表部に空所を有する模様が
可能となる中空装飾体とその製造方法の提供。 【構成】中空装飾体1を、貴金属粉と有機バインダ−を
混合してなる焼結用材料を成形型により所望の形状に成
形し、脱脂、焼結し、後加工を行って得られる装飾体で
あって、装飾体が中空部2と外表部3からなる中空体で
あり、外表部が肉部4と空所5からなり、空所が装飾体
表面積の 5.0〜95.0%に形成され、かつ肉部がろう付け
なしの一体状に連結し肉厚を0.1 〜5.0 mmに形成する。
高く、特に透かし模様等の外表部に空所を有する模様が
可能となる中空装飾体とその製造方法の提供。 【構成】中空装飾体1を、貴金属粉と有機バインダ−を
混合してなる焼結用材料を成形型により所望の形状に成
形し、脱脂、焼結し、後加工を行って得られる装飾体で
あって、装飾体が中空部2と外表部3からなる中空体で
あり、外表部が肉部4と空所5からなり、空所が装飾体
表面積の 5.0〜95.0%に形成され、かつ肉部がろう付け
なしの一体状に連結し肉厚を0.1 〜5.0 mmに形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、貴金属の中空装飾体に
関する。
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中空丸玉のような中空部を有する
貴金属装飾体は、(1) 中空装飾体を2個以上のパ−ツに
分割したものを製造し、それをロウ付け等で連結して形
成する方法、(2) モデル型を基に鋳型を制作し、それに
材料を鋳込むロストワックス鋳造方法、(3) モデル型に
貴金属材料を電着させるエレクトロホ−ミング方法、等
があった。
貴金属装飾体は、(1) 中空装飾体を2個以上のパ−ツに
分割したものを製造し、それをロウ付け等で連結して形
成する方法、(2) モデル型を基に鋳型を制作し、それに
材料を鋳込むロストワックス鋳造方法、(3) モデル型に
貴金属材料を電着させるエレクトロホ−ミング方法、等
があった。
【0003】しかし、(1) の方法は量産製造のためパ−
ツをなるべく簡単な形状にして機械加工等の生産効率を
上げるものであり、かつロ−付け作業が大変な手間と熟
練が必要なものであり、さらに作業痕を研磨等の後加工
て消す工程も入るため、生産効率が極めて悪く、造形の
自由度が低かった。また、自動溶接機等によるロ−付け
で量産製造するものもあるが、これも簡単な形状のみの
もので、精密な中空装飾体、特に透かし等の外表部に空
所を有した模様の中空装飾体は不可能であった。また
(2) および(3) の方法は造形の自由度が高く精密な中空
装飾品も可能であるが、(2) の方法は鋳型、および中子
の材質と除去方法に制限があるため、(3)の方法は電着
に時間がかかるため、共に生産効率が極めて悪いという
欠点があった。このように従来の中空装飾体はいずれの
製造方法を用いても、造形の自由度をとれば生産効率が
悪くなり、生産効率をとれば造形の自由度が悪く、精巧
なデザインのものが得られないという二者択一であって
両者を同時に満足させるものは存在しなかった。
ツをなるべく簡単な形状にして機械加工等の生産効率を
上げるものであり、かつロ−付け作業が大変な手間と熟
練が必要なものであり、さらに作業痕を研磨等の後加工
て消す工程も入るため、生産効率が極めて悪く、造形の
自由度が低かった。また、自動溶接機等によるロ−付け
で量産製造するものもあるが、これも簡単な形状のみの
もので、精密な中空装飾体、特に透かし等の外表部に空
所を有した模様の中空装飾体は不可能であった。また
(2) および(3) の方法は造形の自由度が高く精密な中空
装飾品も可能であるが、(2) の方法は鋳型、および中子
の材質と除去方法に制限があるため、(3)の方法は電着
に時間がかかるため、共に生産効率が極めて悪いという
欠点があった。このように従来の中空装飾体はいずれの
製造方法を用いても、造形の自由度をとれば生産効率が
悪くなり、生産効率をとれば造形の自由度が悪く、精巧
なデザインのものが得られないという二者択一であって
両者を同時に満足させるものは存在しなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、量産製造が
可能であるとともに造形の自由度が高く、特に透かし模
様等の外表部に空所を有する模様が可能となる中空装飾
体とその製造方法の提供を目的とする。
可能であるとともに造形の自由度が高く、特に透かし模
様等の外表部に空所を有する模様が可能となる中空装飾
体とその製造方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は中空装飾体
を、貴金属粉と有機バインダ−を混合してなる焼結用材
料を成形型により所望の形状に成形し、脱脂、焼結し、
後加工を行って得られる装飾体であって、前記装飾体が
中空部と外表部からなる中空体であり、前記外表部が肉
部と空所からなり、前記空所が装飾体表面積の 5.0〜9
5.0%に形成され、かつ前記肉部がろう付けなしの一体
状に連結し肉厚を0.1 〜5.0 mmに形成した構成とし、ま
た、その製造方法を、セラミックス粉と有機バインダ−
を混合した中子用材料にて中子を形成し、前記中子を成
形型に挿入し、前記成形型内面と中子表面の少なくとも
一方に空隙部を部分的に形成し、前記中子は成形型内面
に前記空隙部以外を接触させ、前記空隙部に貴金属粉と
有機バインダ−を混合した焼結用材料を注入し、一部分
を外部に露出させた中子を内部に有する成形体を形成
し、前記成形体を脱脂、焼結した後、中子のみを除去さ
せ、後加工を行う構成にすると、前記課題が解決される
ことを見出し本発明に至った。
を、貴金属粉と有機バインダ−を混合してなる焼結用材
料を成形型により所望の形状に成形し、脱脂、焼結し、
後加工を行って得られる装飾体であって、前記装飾体が
中空部と外表部からなる中空体であり、前記外表部が肉
部と空所からなり、前記空所が装飾体表面積の 5.0〜9
5.0%に形成され、かつ前記肉部がろう付けなしの一体
状に連結し肉厚を0.1 〜5.0 mmに形成した構成とし、ま
た、その製造方法を、セラミックス粉と有機バインダ−
を混合した中子用材料にて中子を形成し、前記中子を成
形型に挿入し、前記成形型内面と中子表面の少なくとも
一方に空隙部を部分的に形成し、前記中子は成形型内面
に前記空隙部以外を接触させ、前記空隙部に貴金属粉と
有機バインダ−を混合した焼結用材料を注入し、一部分
を外部に露出させた中子を内部に有する成形体を形成
し、前記成形体を脱脂、焼結した後、中子のみを除去さ
せ、後加工を行う構成にすると、前記課題が解決される
ことを見出し本発明に至った。
【0006】本発明における特徴は、装飾体が中空部と
外表部からなる中空体であり、外表部が肉部と空所から
なり、空所の表面積を装飾体表面積の 5.0〜95.0%、好
ましくは10.0〜90.0%とし、かつ肉部をろう付けなしの
一体状に連結し肉厚を0.1 〜5.0mm、好ましくは 0.2〜
5.0mm としたこと、および、その製造方法を、セラミッ
クス粉と有機バインダ−を混合した中子を形成し、その
中子を貴金属粉と有機バインダ−を混合した焼結用材料
で包んだ成形体を作り、その成形体を脱脂、焼結した
後、中子のみを除去し、後加工するものにしたことにあ
る。
外表部からなる中空体であり、外表部が肉部と空所から
なり、空所の表面積を装飾体表面積の 5.0〜95.0%、好
ましくは10.0〜90.0%とし、かつ肉部をろう付けなしの
一体状に連結し肉厚を0.1 〜5.0mm、好ましくは 0.2〜
5.0mm としたこと、および、その製造方法を、セラミッ
クス粉と有機バインダ−を混合した中子を形成し、その
中子を貴金属粉と有機バインダ−を混合した焼結用材料
で包んだ成形体を作り、その成形体を脱脂、焼結した
後、中子のみを除去し、後加工するものにしたことにあ
る。
【0007】ここで、前記成形体を脱脂し焼結する際、
中空体の外表部が空所のない肉部のみで形成された場合
は、そのままだと貴金属混入の肉部が収縮するので中子
が妨げとなり、装飾体として残る肉部に割れや大きな変
形が生じてしまう。本発明者らはこの割れや変形を防ぐ
ため外表部を肉部と空所で構成すると割れや変形のない
保形性の良い中空装飾体が得られることを見いだした。
中空体の外表部が空所のない肉部のみで形成された場合
は、そのままだと貴金属混入の肉部が収縮するので中子
が妨げとなり、装飾体として残る肉部に割れや大きな変
形が生じてしまう。本発明者らはこの割れや変形を防ぐ
ため外表部を肉部と空所で構成すると割れや変形のない
保形性の良い中空装飾体が得られることを見いだした。
【0008】本発明における空所は、その表面積が装飾
体の外表面積の5%に満たないと中子の除去が困難とな
り、その表面積が装飾体の外表面積の95%を超すと製品
強度が弱くなって肉部の変形が生じ易くなる。また、製
品肉部はその厚さが0.1mm に満たないと製品強度が弱く
なって変形が生じ易くなり、5.0mm を超えると中空装飾
体としての製品美観が相応しなくなり、かつ重量も増え
るので使用者に重い装着感を与えるとともに価格も高く
なる。なお、空所の表面積は装飾体の外表面積の10〜90
%、製品肉部の厚さは0.2 〜5.0mm にすると前記中子の
除去や製品強度等がより好適となり、適用できる装飾品
の範囲がより広くなる。
体の外表面積の5%に満たないと中子の除去が困難とな
り、その表面積が装飾体の外表面積の95%を超すと製品
強度が弱くなって肉部の変形が生じ易くなる。また、製
品肉部はその厚さが0.1mm に満たないと製品強度が弱く
なって変形が生じ易くなり、5.0mm を超えると中空装飾
体としての製品美観が相応しなくなり、かつ重量も増え
るので使用者に重い装着感を与えるとともに価格も高く
なる。なお、空所の表面積は装飾体の外表面積の10〜90
%、製品肉部の厚さは0.2 〜5.0mm にすると前記中子の
除去や製品強度等がより好適となり、適用できる装飾品
の範囲がより広くなる。
【0009】さらに、前記装飾体を直径2.0 〜30mmの中
空丸玉状に形成すると独特な審美感を有する装飾体が得
られる。その直径が2.0 mm未満だと外表部に肉部と空所
を形成しづらくなり、直径が30mmを超すと貴金属の重量
が増えて身体に付ける装飾体としてもコスト面でも不向
きとなる。
空丸玉状に形成すると独特な審美感を有する装飾体が得
られる。その直径が2.0 mm未満だと外表部に肉部と空所
を形成しづらくなり、直径が30mmを超すと貴金属の重量
が増えて身体に付ける装飾体としてもコスト面でも不向
きとなる。
【0010】本発明の中空装飾体の空所の模様は離型に
問題がなければ様々のものが適用できるが、例えばハ−
ト、ダイヤ、スペ−ド、クロ−バ等でもよいし、又は、
垂直線から見て縦、横、又は斜めの互いに交叉した格子
状、あるいは縦格子状に形成してもよい。
問題がなければ様々のものが適用できるが、例えばハ−
ト、ダイヤ、スペ−ド、クロ−バ等でもよいし、又は、
垂直線から見て縦、横、又は斜めの互いに交叉した格子
状、あるいは縦格子状に形成してもよい。
【0011】本発明における有機バインダ−は、原料貴
金属粉に流動性を付与するとともに成形体および中子の
形状を保持するためのもので、従来の金属射出成形技術
に用いられるものと同様にワックスやポリマ−などから
なる熱可塑性樹脂である。そして、多種多様な樹脂の中
から原料貴金属粉や成形用型の素材等に応じて適当なも
のを1種又は2種以上混合して適当なバインダ−を作れ
ばよい。また、セラミックスと混合して中子を形成する
有機バインダ−も、同様に使用するセラミックスに応じ
て適当なものを1種又は2種以上混合して適当なバイン
ダ−を作ればよい。
金属粉に流動性を付与するとともに成形体および中子の
形状を保持するためのもので、従来の金属射出成形技術
に用いられるものと同様にワックスやポリマ−などから
なる熱可塑性樹脂である。そして、多種多様な樹脂の中
から原料貴金属粉や成形用型の素材等に応じて適当なも
のを1種又は2種以上混合して適当なバインダ−を作れ
ばよい。また、セラミックスと混合して中子を形成する
有機バインダ−も、同様に使用するセラミックスに応じ
て適当なものを1種又は2種以上混合して適当なバイン
ダ−を作ればよい。
【0012】本発明におけるセラミックスは、アルミ
ナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア等が用いられ、ま
たはこれら2種以上を合成又は混合させたものでもよ
い。
ナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア等が用いられ、ま
たはこれら2種以上を合成又は混合させたものでもよ
い。
【0013】
【作用】前記手段で焼結用材料を成形用型で成形する
と、前記焼結用材料は成形型内面と中子の所定の空隙に
注入され、前記空隙に注入された材料が肉部になり、残
部が空所となり、空所部分から一部を露出させた中子を
内部に有する中空成形体が得られる。この際、中子はセ
ラミックス粉の混入によって必要な強度があるので型成
形の圧力に耐えることができ、所望の形状が保持でき
る。
と、前記焼結用材料は成形型内面と中子の所定の空隙に
注入され、前記空隙に注入された材料が肉部になり、残
部が空所となり、空所部分から一部を露出させた中子を
内部に有する中空成形体が得られる。この際、中子はセ
ラミックス粉の混入によって必要な強度があるので型成
形の圧力に耐えることができ、所望の形状が保持でき
る。
【0014】次に、この成形体を型より取り出し脱脂す
ると有機バインダ−が分解され粉末凝集体である脱脂体
が得られる。前記脱脂体を焼結する際の焼結温度は、中
子のセラミックス粉の焼結温度より低いため中子は粉末
凝集体を保つ。さらに、焼結で生じる脱脂体の収縮で中
子が受ける圧縮は、外表部に有している空所にて開放さ
れるので中子の存在が収縮の妨げとはならない。よって
肉部の貴金属粉は焼結して中子を内部に有した焼結体と
なる。その後、前記焼結体に振動等を与えるとセラミッ
クス粉の焼結体である中子は破砕されて粉末となり、空
所から容易に除去でき、外表部を肉部と空所で形成する
中空装飾体が得られる。
ると有機バインダ−が分解され粉末凝集体である脱脂体
が得られる。前記脱脂体を焼結する際の焼結温度は、中
子のセラミックス粉の焼結温度より低いため中子は粉末
凝集体を保つ。さらに、焼結で生じる脱脂体の収縮で中
子が受ける圧縮は、外表部に有している空所にて開放さ
れるので中子の存在が収縮の妨げとはならない。よって
肉部の貴金属粉は焼結して中子を内部に有した焼結体と
なる。その後、前記焼結体に振動等を与えるとセラミッ
クス粉の焼結体である中子は破砕されて粉末となり、空
所から容易に除去でき、外表部を肉部と空所で形成する
中空装飾体が得られる。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明するが、本
発明はこの実施例に限定されるものではない。図1及び
図2は本発明の一実施例で得られた中空装飾体の正面図
および断面図であって、金合金(K18)の中空装飾体1は
中空部2と外表部3からなり、外表部3は肉部4と空所
5で形成し、肉部4は垂直線から見て縦、横、斜めの直
線状を互いに交叉してロウ付けなしの一体状に連結した
格子状に形成してあり、内外面をほぼ球形としている。
中空装飾体1はその上部にリング部6を連設し、チェ−
ン7に取付けてペンダントとして使用している。なお、
この中空装飾体1はペンダントに限らず、イヤリング、
ピアス、ブロ−チ等、様々な装身具に使用できる。
発明はこの実施例に限定されるものではない。図1及び
図2は本発明の一実施例で得られた中空装飾体の正面図
および断面図であって、金合金(K18)の中空装飾体1は
中空部2と外表部3からなり、外表部3は肉部4と空所
5で形成し、肉部4は垂直線から見て縦、横、斜めの直
線状を互いに交叉してロウ付けなしの一体状に連結した
格子状に形成してあり、内外面をほぼ球形としている。
中空装飾体1はその上部にリング部6を連設し、チェ−
ン7に取付けてペンダントとして使用している。なお、
この中空装飾体1はペンダントに限らず、イヤリング、
ピアス、ブロ−チ等、様々な装身具に使用できる。
【0016】(製造例1)平均粒子径16.5μmのシリカ
(SiO2 )粉末70.4重量%とバインダ−29.6重量%を
混合し図3のような球体の中子8を形成した。この中子
8を図4に示す上下型で球状のキャビティ−面9をなす
成形用金型10に挿入した。成形用金型10は球状キャビテ
ィ−面9に、垂直線から見て縦、横、斜めに互いに交叉
する格子状をなす空隙部である溝部11を形成してあり、
中子8はこの溝部11以外の球状キャビティ−面9に接触
させた状態で挿入した。
(SiO2 )粉末70.4重量%とバインダ−29.6重量%を
混合し図3のような球体の中子8を形成した。この中子
8を図4に示す上下型で球状のキャビティ−面9をなす
成形用金型10に挿入した。成形用金型10は球状キャビテ
ィ−面9に、垂直線から見て縦、横、斜めに互いに交叉
する格子状をなす空隙部である溝部11を形成してあり、
中子8はこの溝部11以外の球状キャビティ−面9に接触
させた状態で挿入した。
【0017】次に、平均粒子径16μmの金合金(K18) 粉
末96.5重量%とバインダ−3.5 重量%を混合し混練機で
十分混練して得た焼結用材料を、前記中子8を挿入した
成形用金型10の溝部11内に注入し離型して一部表面を露
出させた中子8を中に抱いた図5のような薄肉格子状丸
玉の成形体12を取り出した。
末96.5重量%とバインダ−3.5 重量%を混合し混練機で
十分混練して得た焼結用材料を、前記中子8を挿入した
成形用金型10の溝部11内に注入し離型して一部表面を露
出させた中子8を中に抱いた図5のような薄肉格子状丸
玉の成形体12を取り出した。
【0018】その成形体12を、大気雰囲気中において徐
々に昇温し 500℃で2時間保持することにより成形体12
からバインダ−を除去した。脱バインダ−後の脱脂体を
水素還元後 860℃の真空中で3時間にわたり焼結し、図
6のような粉末凝集体の中子8を抱く格子状丸玉をなす
金合金焼結体12’を得た。その後、前記金合金焼結体1
2’に振動等を与えて図7のように中子8を破砕し格子
の隙間から除去し、焼結体12’に研磨等の後加工をし
て、肉部4と空所5で格子状をなす肉厚0.65mm、直径15
mmの中空装飾体1を得た。空所部5はその表面積が中空
装飾体1の表面積の約15%であった。
々に昇温し 500℃で2時間保持することにより成形体12
からバインダ−を除去した。脱バインダ−後の脱脂体を
水素還元後 860℃の真空中で3時間にわたり焼結し、図
6のような粉末凝集体の中子8を抱く格子状丸玉をなす
金合金焼結体12’を得た。その後、前記金合金焼結体1
2’に振動等を与えて図7のように中子8を破砕し格子
の隙間から除去し、焼結体12’に研磨等の後加工をし
て、肉部4と空所5で格子状をなす肉厚0.65mm、直径15
mmの中空装飾体1を得た。空所部5はその表面積が中空
装飾体1の表面積の約15%であった。
【0019】製造例1で得られた中空装飾体は、表1の
製品評価欄に「○」で示したように保形の良好な格子状
中空丸玉であった。
製品評価欄に「○」で示したように保形の良好な格子状
中空丸玉であった。
【0020】
【表1】
【0021】(製造例2〜6)以下、製造例1と肉部厚
さおよび空所部比表面積を表1のように変えた以外、同
じ条件で格子状をなす中空装飾体を得た。その製品評価
は表1に示すように製造例2〜4は保形性の良い「○」
で、製造例5は強い圧力だと変形するが、装身具の使用
条件によっては製品となりうる「△」であった。しか
し、空所部の比表面積が90%を超す製造例6は、肉部が
10%に達しないため格子の強度が弱くなり変形して
「×」となった。
さおよび空所部比表面積を表1のように変えた以外、同
じ条件で格子状をなす中空装飾体を得た。その製品評価
は表1に示すように製造例2〜4は保形性の良い「○」
で、製造例5は強い圧力だと変形するが、装身具の使用
条件によっては製品となりうる「△」であった。しか
し、空所部の比表面積が90%を超す製造例6は、肉部が
10%に達しないため格子の強度が弱くなり変形して
「×」となった。
【0022】(製造例7)図8に示すような縦格子状の
中空装飾体13が得られるような縦格子状をなす溝部を球
状キャビティ−面に設けた成形用金型(図示せず)を作
り、そこに製造例1と同一の中子を挿入し同一の焼結用
材料を注入し、同一の条件で成形、脱脂、焼結し、中子
を破砕して格子の隙間から除去し、後加工をして図8の
ような縦格子状をなす肉厚0.23mm、直径15mmの中空装飾
体を得た。その空所部の比表面積は86%であり、製品評
価は「○」であった。
中空装飾体13が得られるような縦格子状をなす溝部を球
状キャビティ−面に設けた成形用金型(図示せず)を作
り、そこに製造例1と同一の中子を挿入し同一の焼結用
材料を注入し、同一の条件で成形、脱脂、焼結し、中子
を破砕して格子の隙間から除去し、後加工をして図8の
ような縦格子状をなす肉厚0.23mm、直径15mmの中空装飾
体を得た。その空所部の比表面積は86%であり、製品評
価は「○」であった。
【0023】(製造例8)製造例7と同じ成形用金型内
に、平均粒子径36.0μmのアルミナ(Al2 O3)粉末8
1重量%とバインダ−19重量%を混合しい形成した球体
の中子(図示せず)を挿入し、製造例1と同一の焼結用
材料を注入し、同一の条件で成形、脱脂、焼結し、中子
を破砕して格子の隙間から除去し、後加工をして図8の
ような縦格子状をなす肉厚0.60mm、直径15mmの中空装飾
体を得た。その空所部の比表面積は70%であり、製品評
価は「○」であった。
に、平均粒子径36.0μmのアルミナ(Al2 O3)粉末8
1重量%とバインダ−19重量%を混合しい形成した球体
の中子(図示せず)を挿入し、製造例1と同一の焼結用
材料を注入し、同一の条件で成形、脱脂、焼結し、中子
を破砕して格子の隙間から除去し、後加工をして図8の
ような縦格子状をなす肉厚0.60mm、直径15mmの中空装飾
体を得た。その空所部の比表面積は70%であり、製品評
価は「○」であった。
【0024】なお、成形用金型のキャビティ−面に設け
た空隙部である溝部11は、キャビティ−面9に設けず中
子8表面に設けたり、双方に設けてもよい。その場合は
金合金とセラミックの収縮率の相違に応じてバインダ−
量や脱脂、焼結状件を適宜変えてやればよい。
た空隙部である溝部11は、キャビティ−面9に設けず中
子8表面に設けたり、双方に設けてもよい。その場合は
金合金とセラミックの収縮率の相違に応じてバインダ−
量や脱脂、焼結状件を適宜変えてやればよい。
【0025】
【発明の効果】本発明はこうした構成により、量産製造
が可能であるとともに造形の自由度が高く、特に透かし
模様等の外表部に空所を有する中空丸玉のような装飾性
の高い貴金属中空装飾体が得られる。
が可能であるとともに造形の自由度が高く、特に透かし
模様等の外表部に空所を有する中空丸玉のような装飾性
の高い貴金属中空装飾体が得られる。
【図1】本発明の実施例を示す正面図である。
【図2】同実施例の断面図である。
【図3】同実施例における中子を示す断面図である。
【図4】同実施例における成形用型内に中子を挿入した
状態を示す断面図である。
状態を示す断面図である。
【図5】同実施例における成形後の成形体を示す断面図
である。
である。
【図6】同実施例における焼結後の焼結体を示す断面図
である。
である。
【図7】同実施例で中子を破砕し外部に除去することを
示す断面図である。
示す断面図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す正面図である。
1 中空装飾体 2 中空部 3 外表部 4 肉部 5 空所 8 中子 10 成形用型 11 溝部(空隙部) 12 成形体 12’焼結体 13 中空装飾体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊田 邦宏 神奈川県平塚市西八幡1丁目4番3号 株 式会社パイロット平塚工場内
Claims (4)
- 【請求項1】貴金属粉と有機バインダ−を混合してなる
焼結用材料を成形型により所望の形状に成形し、脱脂、
焼結し、後加工を行って得られる装飾体であって、前記
装飾体が中空部と外表部からなる中空体であり、前記外
表部が肉部と空所からなり、前記空所が装飾体表面積の
5.0〜95.0%に形成され、かつ前記肉部がろう付けなし
の一体状に連結し、その肉厚を0.1 〜5.0 mmに形成して
あることを特徴とする、中空装飾体。 - 【請求項2】前記空所が装飾体表面積の10.0〜90.0%に
形成し、かつ前記肉部の肉厚を好ましくは0.2 〜5.0 mm
に形成してあることを特徴とする、請求項1記載の中空
装飾体。 - 【請求項3】前記装飾体が、直径2.0 〜30mmの中空丸玉
状に形成してあることを特徴とする請求項1又は2記載
の中空装飾体。 - 【請求項4】セラミックス粉と有機バインダ−を混合し
た中子用材料にて中子を形成し、前記中子を成形型に挿
入し、前記成形型内面と中子表面の少なくとも一方に空
隙部を部分的に形成し、前記中子は成形型内面に前記空
隙部以外を接触させ、前記空隙部に貴金属粉と有機バイ
ンダ−を混合した焼結用材料を注入し、一部分を外部に
露出させた中子を内部に有する成形体を形成し、前記成
形体を脱脂、焼結した後、中子のみを除去させ、後加工
を行うことを特徴とする、中空装飾体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12085595A JPH08289811A (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | 中空装飾体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12085595A JPH08289811A (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | 中空装飾体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08289811A true JPH08289811A (ja) | 1996-11-05 |
Family
ID=14796623
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12085595A Pending JPH08289811A (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | 中空装飾体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08289811A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114012089A (zh) * | 2020-10-20 | 2022-02-08 | 北京安泰钢研超硬材料制品有限责任公司 | 一种金刚石包裹球的制备方法及生成装置 |
-
1995
- 1995-04-21 JP JP12085595A patent/JPH08289811A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114012089A (zh) * | 2020-10-20 | 2022-02-08 | 北京安泰钢研超硬材料制品有限责任公司 | 一种金刚石包裹球的制备方法及生成装置 |
CN114012089B (zh) * | 2020-10-20 | 2023-10-10 | 北京安泰钢研超硬材料制品有限责任公司 | 一种金刚石包裹球的制备方法及生成装置 |
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