JPH08287369A - 磁気マーカー及びその磁気マーカーを横方向に並べた巻物状製品の製造方法 - Google Patents

磁気マーカー及びその磁気マーカーを横方向に並べた巻物状製品の製造方法

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JPH08287369A
JPH08287369A JP7088017A JP8801795A JPH08287369A JP H08287369 A JPH08287369 A JP H08287369A JP 7088017 A JP7088017 A JP 7088017A JP 8801795 A JP8801795 A JP 8801795A JP H08287369 A JPH08287369 A JP H08287369A
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magnetic
thin film
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organic polymer
polymer substrate
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Nobuyoshi Yano
暢芳 矢野
Shinji Furukawa
伸治 古川
Kazuki Oka
和貴 岡
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 簡単な構成で磁気特性の優れた薄膜状の磁気
マーカーを提供し、さらに、この磁気マーカーを横方向
に並べた巻物状製品を容易に製造するための巻物状製品
の製造方法を提供する。 【構成】 可撓性のある有機高分子基板と軟磁性薄膜と
からなる磁気マーカー2であって、有機高分子基板は異
方的な熱収縮を、軟磁性薄膜は一軸磁気異方性を、それ
ぞれ有しており、かつ、有機高分子基板の熱収縮率が最
も大きな方向と軟磁性薄膜の磁化容易軸方向とのなす角
度が50°以上90°以下である磁気マーカー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物品に磁気マーカーを
貼着して、監視区域で問い合わせ信号として交番磁界を
発進し、そのときにマーカーが発生する信号で物品を監
視する形式の電子物品監視装置に用いられる磁気マーカ
ー及びその磁気マーカーを横方向に並べた巻物状製品の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】小売店や図書館などにおいて、商品や書
籍が無断で持ち出されることを防止するために、電子物
品監視装置が近年数多く見られるようになってきてい
る。これらの装置は、対象とする物品に特殊なマーカー
を貼着し、これらが発生する信号をたよりに物品の有無
を識別する。この検知信号としてはいくつかの種類があ
り、用途により適宜選択して使用されている。大きく分
けると、特殊な軟磁性材料の磁化過程を利用するもの、
LC共振回路の特定周波数での急峻なインピーダンス変
化を利用するもの、発信回路により特殊な電波を放射す
るものなどがある。これらの中でも、軟磁性材料の磁化
過程を利用するものでは、マーカーを安価に供給でき、
近年盛んに用いられている。これらは、磁性材料の急峻
な磁化変化をコイルの誘導起電圧により検知するもので
あり、磁歪振動、高透磁率特性、角形ヒステリシス特性
などが検知に用いられている。
【0003】これらのマーカーは、当初は薄帯状や細線
状など、比較的大型のものが用いられていたが、近年
は、マーカーを貼着することができる物品の種類を増や
したい、すなわち、小さな物品にもマーカーを貼着した
いという要求から、できるだけマーカーを小型化するこ
とが望まれている。しかしながら、このような薄帯状あ
るいは細線状において小型化を試みた場合、磁性体が印
加磁界方向に磁化されるのに対して抵抗として作用す
る、いわゆる反磁界の影響が大きくなることによってマ
ーカーとしての特性が劣化するので、このような形状で
は簡単にはマーカーの小型化を達成するのは困難であっ
た。
【0004】そのため、マーカーの小型化を達成するた
めに、最近、薄膜状の磁性材料が種々検討されてきてい
る。例えば、特開平4−232594号公報では、複数
の磁性薄膜の間に非磁性薄膜を挿入した多層薄膜のマー
カーが示されている。ここでは、隣接する磁性薄膜が非
磁性薄膜によって分離され、静磁気的な結合を持つこと
によって反磁界が低減し、マーカーの小型化が達成でき
るというものである。しかしながら、上記のマーカーに
おいては磁性薄膜と非磁性薄膜を交互に積層しなければ
ならず、構造が複雑になってしまうという問題があっ
た。しかも、隣接する磁性薄膜が静磁気的な結合を持つ
ように非磁性薄膜の厚みを精度良くコントロールしなけ
ればならないことから、磁気特性にばらつきが生じやす
いなどの問題点も有していた。
【0005】また、特表平5−502962号公報に
は、磁性薄膜の表面に後加工を施して磁気特性を向上さ
せた磁気マーカーが述べられている。これによると、ポ
リマー基板上に作製されたアモルファス金属薄膜上に鋭
い刃物によって一定間隔に傷を入れて磁気的に分割する
ことにより、特性の良好な磁気マーカーが得られるとい
うものである。しかしながら、このように機械的あるい
は化学的に薄膜の表面を加工することで良好な特性の磁
気マーカーを安定して製造することは困難であり、しか
も、場合によっては磁気特性を向上させるどころか、か
えって劣化させてしまいやすいという問題点を有してい
た。
【0006】さらに、特開平4−218905号公報に
は、成膜時に薄膜を構成するための粒子が基板に斜めに
入射するように、ターゲットと基板との配置を工夫する
ことで特性の良好な小型の薄膜状磁気マーカーが得られ
ることが述べられている。実際に、このような方法で、
有機高分子基板に磁性薄膜を作製したところ、良好な磁
気特性を有する磁気マーカーが得られるものの、基板の
種類によって磁気特性がばらつくという問題点を有して
いた。
【0007】一方、マーカーを物品に貼着するには、ほ
とんどの場合、図2に示すような、離型紙付フィルム3
上に磁気マーカー2を縦方向に並べた巻物状製品1から
貼着機によって順次物品に磁気マーカーを貼着していく
方法を取っているが、最近になって、貼着スピードを向
上させるために図1に示すような、離型紙付フィルム3
上に磁気マーカー2を横方向に並べた巻物状製品1、い
わゆる横型マーカーの要求が強くなってきている。そし
て、この横型マーカーは、薄帯状、細線状だけでなく薄
膜状においても、ますます強く望まれているにもかかわ
らず、そのような検討はほとんどなされておらず、上記
公報にも何ら記載されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、先に、長手方向と幅方向の熱収縮率の差の絶対値が
0.003〜0.015の有機高分子フィルムを基板に
用いて磁性薄膜を作製することによって、良好な一軸磁
気異方性が得られることを見出し、特許出願した(特願
平6−26066号)が、これらの薄膜から磁気マーカ
ーを作製したところ、比較的良好な磁気特性を示すもの
の、まだ、磁気特性に改良の余地が残されていた。本発
明は、このような状況を鑑み、簡単な構成で磁気特性に
優れた薄膜状の磁気マーカーを提供し、さらに、この磁
気マーカーを横方向に並べた巻物状製品を容易に製造す
るための製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するためにさらに鋭意検討の結果、異方的
な熱収縮率を持つ可撓性のある有機高分子基板と、一軸
磁気異方性を持つ軟磁性薄膜とを適切に組み合わせるこ
とにより、磁気特性に優れた磁気マーカーが得られると
いう事実を見出し、本発明に到達した。さらに、本発明
者らは、有機高分子基板の熱収縮率の最も大きな方向と
基板の走行方向との角度を特定の値以下になるように有
機高分子基板をセットし、有機高分子基板がカソード上
を一回通過するときにカソード一台当たりに作製される
軟磁性薄膜の膜厚を特定の値以下にして成膜を行うこと
により、磁気特性に優れた磁気マーカーを横方向に並べ
た巻物状製品を容易に製造することができるという事実
を見出し、本発明に到達した。
【0010】すなわち、第1の発明は、可撓性のある有
機高分子基板と軟磁性薄膜とからなる磁気マーカーであ
って、有機高分子基板は異方的な熱収縮を、軟磁性薄膜
は一軸磁気異方性を、それぞれ有しており、かつ、有機
高分子基板の熱収縮率が最も大きな方向と軟磁性薄膜の
磁化容易軸方向とのなす角度が50°以上90°以下で
あることを特徴とする磁気マーカーを要旨とするもので
ある。また、第2の発明は、送りロールにセットされた
有機高分子基板が複数のロールを通して連続的に供給さ
れながら巻き取りロールに巻き取られるロールコーター
法と、カソード内に配置されたターゲットをガス雰囲気
中でスパッタすることにより基板上に薄膜を作製するス
パッタリング法とによって、有機高分子基板と軟磁性薄
膜とからなる磁気マーカーを製造する際に、有機高分子
基板の熱収縮率の最も大きな方向が、基板の走行方向に
対して40°以下となるように有機高分子基板をセット
して連続的に搬送走行させ、かつ、有機高分子基板がカ
ソード上を一回通過するときにカソード一台当りに作製
される軟磁性薄膜の膜厚を0.4μm以下とすることを
特徴とする上記磁気マーカーを横方向に並べた巻物状製
品の製造方法を要旨とするものである。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける磁気マーカーの構成は、可撓性のある有機高分子
基板上に軟磁性薄膜が作製された極めて簡単なものであ
る。その際、それぞれ、有機高分子基板は異方的な熱収
縮を、軟磁性薄膜は一軸磁気異方性を、それぞれ有して
いることが必要である。また、本発明においては、有機
高分子基板の熱収縮率が最も大きな方向と軟磁性薄膜の
磁化容易軸とのなす角度が50°以上90°以下となる
ように配置することが必要であり、60°以上90°以
下とすることが好ましく、75°以上90°以下とする
ことがより好ましい。有機高分子基板の熱収縮率が最も
大きな方向と軟磁性薄膜の磁化容易軸とのなす角度が5
0°未満の場合には、軟磁性薄膜に良好な磁気異方性が
導入できず、磁気マーカーとして特性の悪いものになっ
てしまう。
【0012】ここで、有機高分子基板の熱収縮率が最も
大きな方向と軟磁性薄膜の磁化容易軸とのなす角θは、
両者が平行な状態では0°であり、両者が平行でなくな
るにつれθの値が増加し、両者が直交する状態で90°
に達する。したがって、両者のなす角がθである状態
は、両者のなす角が180°−θである状態と同等な状
態である。例えば、θ=40°である状態とθ=140
°である状態は同等である。したがって、有機高分子基
板の熱収縮率が最も大きな方向と軟磁性薄膜の磁化容易
軸方向との相対的な位置関係は、θ=0〜90°で特定
され、両者のなす角θの最大値は90°である。
【0013】また、本発明の磁気マーカーに用いられる
有機高分子基板としては、150°で15分間熱処理し
た後の熱収縮率αの最大値αMAX と最小値αMIN との差
αMAX −αMIN が0.003〜0.015である有機高
分子基板を用いると、より良好な磁気特性を有する磁気
マーカーが得られるために好ましく、αMAX −αMINが
0.006〜0.01であることがより好ましい。
【0014】このような有機高分子基板においては、基
板の製造条件の違いによって種々の熱収縮率を有する基
板が製造できるとともに、基板に熱処理を施すことによ
っても熱収縮率は変化する。したがって、本発明に用い
られる有機高分子基板は、150℃で15分間熱処理し
た後の熱収縮率αの最大値αMAX と最小値αMIN との差
αMAX −αMIN が0.003〜0.015であれば、製
造されたままの基板であっても、基板に熱処理等の後処
理を施したものであってもよい。
【0015】本発明における熱収縮率を測定するには、
加熱時間を15分間とする点以外は、JIS C 23
18に基づいて測定することができる。すなわち、幅2
0mm、長さ150mmの試験片を5枚切り出し、各試
験片の中央部に100mmの距離で標点を2点設け、1
50℃の恒温槽中に15分間放置した後、標点間距離を
測定する。この測定を5枚の試験片において、長手方
向、幅方向を含み、15°ピッチで計12方向について
行い、下記式(1)から熱収縮率を算出し、それらの平
均値をとることにより、それぞれの方向における熱収縮
率αを求めることができる。これらの中から、熱収縮率
αの最大値αMAX と最小値αMIN が求められ、熱収縮率
の最も大きな方向を決定することができる。
【0016】
【数1】
【0017】また、本発明に用いられる有機高分子基板
としては、可撓性のあるものであれば特に制限されるも
のではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、2,6−ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリアリレート(PAR)などのポリエステル系
フィルム、ナイロン6、66、12などのポリアミド系
フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム(PP
S)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン
(PES)などの非晶性無延伸フィルム、ポリイミドフ
ィルム(PI)、ポリプロピレンフィルム(PP)、全
芳香族アミドフィルム(APA)などがあげられる。こ
れらの中でも、コスト面からポリエチレンテレフタレー
ト(PET)を用いることがより好ましい。
【0018】さらに、有機高分子基板の厚さとしては、
25〜125μmであることが好ましく、特に50〜1
00μmが好ましい。有機高分子基板の厚さが25μm
よりも薄い場合には取り扱いにくくなる場合が多く、ま
た、厚さが125μmを越える場合には、巻物状にした
ときの曲率を、巻物から磁気マーカーを取り出してきて
も取り除くことが難しいため、磁気マーカーの基板とし
ては好ましくない。
【0019】一方、本発明に用いられる軟磁性薄膜とし
ては、一軸磁気異方性有するものであれば特に制限され
るものではないが、一軸磁気異方性が比較的得やすい非
晶質相を含むことが好ましく、50%以上の非晶質相を
含んでいることがより好ましい。また、コストの面では
Feを主成分とする薄膜が望ましく、Feを主成分とし
た非晶質相が得られる組成としては、Fe−Si−B、
Fe−P−B、Fe−P−C、Fe−Zr等がよく知ら
れているが、中でも、Cを含んだ薄膜がコスト面で特に
好ましい。例えば、Fe−C系薄膜を、不活性ガスと不
飽和炭化水素系ガスの混合ガス雰囲気中で反応性スパッ
タリング法によって作製することにより、より安価に、
磁気特性に優れた磁気マーカーを得ることができる。そ
の際に用いられるターゲットとしては、純Feあるいは
Fe−Cだけに限定されるものではなく、それらに他の
元素が含まれている市販の鋼材、例えば、炭素工具鋼、
合金工具鋼、高速度鋼あるいは鋳鉄などをターゲット形
状に加工したものを用いることもできる。
【0020】また、本発明に用いられる軟磁性薄膜は、
一軸磁気異方性を有するものであれば、不活性ガスと不
飽和炭化水素系ガスの混合ガス雰囲気中で反応性スパッ
タリング法によって作製されたCo系あるいはNi系薄
膜であってもよい。薄膜に上記のような一軸磁気異方性
を持たせるためには、例えば、薄膜作製中に成長する膜
に磁界を印加したり、成膜条件を制御することによって
も可能である。
【0021】また、図1に示すような本発明の磁気マー
カーを横方向に並べた巻物状製品は、ロールコーター法
とスパッタリング法とを用いて製造することができる。
ロールコーター法とは、送りロール、巻き取りロール及
び円筒状のロールからなるロールコーター装置を用いる
方法であり、送りロールにセットされた連続した有機高
分子基板を複数のロールを通して連続的に供給しなが
ら、巻き取りロールで順次基板を巻き取り、基板がロー
ル上にあるときに成膜を行なうものである。また、スパ
ッタリング法とは、カソード内に配置したターゲットを
ガス雰囲気中でスパッタすることにより基板上に薄膜を
作製するものである。
【0022】本発明の磁気マーカーをロールコーター法
とスパッタリング法とによって製造する際には、有機高
分子基板の熱収縮率の最も大きな方向が、基板の走行方
向に対して40°以下となるように有機高分子基板をセ
ットして連続的に搬送走行させることが必要であり、有
機高分子基板の熱収縮率の最も大きな方向が、基板の走
行方向に対して20°以下であることが好ましく、0°
であることが特に好ましい。有機高分子基板の熱収縮率
の最も大きな方向が、基板の走行方向に対して40°を
越える場合には、軟磁性薄膜の磁化容易軸方向が有機高
分子基板の幅方向に対して大きくずれてしまうために、
磁気マーカーを横方向に並べた巻物状の製品を作製して
も良好な一軸磁気異方性が得られなくなり、磁気マーカ
ーとしては特性の悪いものになる。
【0023】ここで、基板の走行方向に対して、有機高
分子基板の熱収縮率が最も大きな方向がなす角θは、両
者が平行な状態では0°であり、両者が平行でなくなる
につれθの値が増加し、両者が直交する状態で90°に
達する。したがって、両者のなす角がθである状態は、
両者のなす角が180°−θである状態と同等な状態で
ある。例えば、θ=40°である状態とθ=140°で
ある状態は同等である。したがって、有機高分子基板の
熱収縮率が最も大きな方向と基板の走行方向との相対的
な位置関係は、θ=0〜90°で特定され、両者のなす
角θの最大値は90°である。
【0024】また、本発明の磁気マーカーをロールコー
ター法とスパッタリング法とによって製造する際には、
有機高分子基板がカソード上を一回通過するときにカソ
ード一台当りに作製される軟磁性薄膜の膜厚を0.4μ
m以下にすることが必要であり、膜厚を0.2μm以下
にすることが好ましい。有機高分子基板がカソード上を
一回通過するときにカソード一台当りに作製される軟磁
性薄膜の膜厚が0.4μmを越える場合には、得られた
薄膜の軟磁気特性を劣化させるばかりではなく良好な一
軸磁気異方性も得られなくなる。
【0025】また、0.4μmを越える膜厚を有する軟
磁性薄膜を作製する場合には、有機高分子基板がカソー
ド上を一回通過するときにカソード一台当りに作製され
る軟磁性薄膜の膜厚を0.4μm以下にしておいて、カ
ソード上を複数回通過させればよい。また、本発明の磁
気マーカーの製造方法において、送りロールにセットさ
れた連続した有機高分子基板がロールを介して連続的に
搬送走行される際に、軟磁性薄膜を作製するために円筒
状のロールであるキャンの下に配置するカソードは一台
に限定されるものではなく、複数台配置されていてもよ
い。
【0026】本発明において、一軸磁気異方性を有する
軟磁性薄膜を製造するために用いられるスパッタリング
装置としては、例えば、RF2極スパッタ、DCスパッ
タ、マグネトロンスパッタ、3極スパッタ、イオンビー
ムスパッタ、対向ターゲット式スパッタなど既存のもの
を使用することができ、これらの中でもマグネトロンス
パッタリング装置は、薄膜の堆積速度が向上し、基板の
温度上昇を比較的低く抑えることができるので、耐熱性
の比較的低い有機高分子フィルム等を用いる場合には有
利である。
【0027】また、マグネトロンスパッタリング法は、
ターゲットにかける電界と直角方向に磁界を印加し、プ
ラズマ中の荷電粒子をサイクロトロン運動させることに
よりスパッタ効率を向上させて、あらかじめ設置してお
いた基板上にスパッタ粒子を堆積する方法である。ここ
で、荷電粒子をサイクロトロン運動させる磁界として
は、ターゲット直下に配置された永久磁石、電磁石の漏
れ磁界を利用するか、あるいはこれらの永久磁石、電磁
石の磁極からヨークを用いてターゲット面より上に磁束
を直接誘導して漏れ磁界を大きくする方法等があげられ
る。
【0028】ガス雰囲気中で軟磁性薄膜を作製する際の
作製条件としては、チャンバーの大きさや真空ポンプの
排気容量によっても変化するが、薄膜作製時のチャンバ
ー内の到達圧力としては、例えば5×10-6Torr以
下であることが好ましく、さらに、1×10-6Torr
以下であることがより好ましい。また、軟磁性薄膜を作
製する際に用いられるガスとしては、不活性ガスと不飽
和炭化水素系ガスとの混合ガスを用いることが好まし
い。不活性ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、ネオン
があげられ、また、不飽和炭化水素系ガスとしては、通
常市販されているガスを用いればよい。その具体例とし
ては、例えば、アセチレン、アレン、イソブチレン、エ
チレン、1.3ブタジエン、1ブテン、プロピレン、メ
チルアセチレンなどがあげられる。
【0029】また、不活性ガスの流量としては、20〜
200CCMが適当であり、40〜170CCMが好ま
しく、特に60〜150CCMがより好ましい。さら
に、不飽和炭化水素系ガスの流量としては、0.5〜3
0CCMが適当であり、2〜25CCMが好ましく、特
に5〜20CCMがより好ましい。
【0030】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明する。 実施例1 厚さが100μm、一辺の長さが100mmである正方
形状のポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ
社製)を基板として用い、厚さが0.4μmの連続した
Fe−C薄膜を直流マグネトロンスパッタリング装置を
用いて作製した。その際、ポリエチレンテレフタレート
フィルムの熱収縮率の最も大きな方向に対してほぼ直角
方向の基板の両サイドに永久磁石を配置して成膜した。
ターゲットには純Fe(99.9%)を用い、Ar(ガ
ス流量:150CCM)とC2H4(ガス流量:15CC
M)の混合ガス雰囲気中で、スパッタリングガス圧:
1.5×10-3Torr、スパッタリング電力:7kw
の条件で成膜した。作製されたFe−C薄膜の磁化容易
軸方向と、ポリエチレンテレフタレートフィルムの熱収
縮率が最も大きな方向とのなす角度は85°であった。
【0031】作製されたFe−C薄膜の交流磁化特性
(測定周波数60Hz)を理研電子社製薄膜磁気履歴測
定装置AC BH−100Kにより測定した。図3は、
そのときの磁化容易軸方向の磁化曲線(a)と磁化困難
軸方向の磁化曲線(b)を示す図であり、横軸に磁界
を、縦軸に磁化量を示している。図3より明らかなよう
に、磁化容易軸方向においては、0.6エルステッドの
保磁力を有する角型性の良好なループが得られ、磁化困
難軸方向においては、印加磁界に対して磁化が直線的に
変化しており、極めて良好な一軸磁気異方性が導入され
ていた。
【0032】また、この薄膜の組織の同定を、理学電機
社製x線回折装置RAD−RBにより行ったところ、非
晶質特有のハローパターンが得られた。さらに、磁気マ
ーカーを得るために、この薄膜を長さ方向(長さの長い
方向)が磁化容易軸となるように幅5mm、長さ30m
mの長方形状に裁断した試料において、60Hz、1.
5エルステッドの交流磁界を印加したときの磁気パルス
を、薄膜の周囲に巻かれた検知コイルの誘導電圧により
評価した。その結果を図4に示す。図4は交流磁界にお
ける磁気パルスを示す図であり、横軸に掃引時間を、縦
軸に電圧を示している。図4より明らかなように、実施
例1により得られた磁気マーカーは鋭いパルス特性を有
しており、優れた磁気特性が得られていることが分か
る。
【0033】実施例2 厚さが75μm、150℃で15分間熱処理した後の熱
収縮αの最大値αMAXと最小値αMIN との差αMAX −αM
IN =0.007、一辺の長さが100mmである正方
形状のポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ
社製)を基板として用い、厚さが0.3μmの連続した
Fe−C薄膜を直流マグネトロンスパッタリング装置を
用いて作製した。ターゲットには市販鋼材である合金工
具鋼(JIS記号:SKS 3)を用い、Ar(ガス流
量:150CCM)とC2H4(ガス流量:15CCM)の
混合ガス雰囲気中で、スパッタリングガス圧:1.5×
10-3Torr、スパッタリング電力:7kwの条件で
成膜した。作製されたFe−C薄膜の磁化容易軸方向
と、ポリエチレンテレフタレートの熱収縮率が最も大き
な方向とのなす角度は75°であった。
【0034】作製されたFe−C薄膜の磁気特性を実施
例1と同様にして測定した。図5は、そのときの磁化容
易軸方向の磁化曲線(a)と磁化困難軸方向の磁化曲線
(b)を示す図であり、横軸に磁界を、縦軸に磁化量を
示している。図5より明らかなように、磁化容易軸方向
においては、0.6エルステッドの保磁力を有する角型
性の良好なループが得られ、磁化困難軸方向において
は、印加磁界に対して磁化が直線的に変化しており、実
施例1の場合と同様、極めて良好な一軸磁気異方性が導
入されていた。
【0035】また、この薄膜の組織の同定を実施例1と
同様の方法で行ったところ、非晶質特有のハローパター
ンが得られた。さらに、磁気マーカーを得るために、こ
の薄膜を長さ方向(長さの長い方向)が磁化容易軸とな
るように幅5mm、長さ30mmの長方形状に裁断した
試料において、磁気パルスを実施例1と同様の方法で薄
膜の周囲に巻かれた検知コイルの誘導電圧により評価し
た。その結果を図6に示す。図6は交流磁界における磁
気パルスを示す図であり、横軸に掃引時間を、縦軸に電
圧を示している。この場合においても鋭いパルス特性を
有しており、優れた磁気特性が得られていることが分か
る。
【0036】実施例3 厚さが100μm、150℃で15分間熱処理した後の
熱収縮αの最大値αMAX と最小値αMIN との差αMAX −
αMIN =0.01で、一辺の長さが100mmである正
方形状のポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチ
カ社製)を基板として用い、厚さが0.4μmの連続し
たFe−Si−B−C薄膜を直流マグネトロンスパッタ
リング装置を用いて作製した。その際、ポリエチレンテ
レフタレートフィルムの熱収縮率の最も大きな方向に対
してほぼ直角方向の基板の両サイドに永久磁石を配置し
て成膜した。ターゲットにはFe−Si−Bを用い、A
r(ガス流量:200CCM)とC3H6(ガス流量:10
CCM)の混合ガス雰囲気中で、スパッタリングガス
圧:2.0×10-3Torr、スパッタリング電力:8
kwの条件で成膜した。作製されたFe−Si−B−C
薄膜の磁化容易軸方向と、ポリエチレンテレフタレート
の熱収縮率が最も大きな方向とのなす角度は65°であ
った。
【0037】作製されたFe−C薄膜の磁気特性を実施
例1と同様にして測定したところ、磁化容易軸方向にお
いては、0.3エルステッドの保磁力を有する角型性の
良好なループが得られ、磁化困難軸方向においては、印
加磁界に対して磁化が直線的に変化しており、実施例1
の場合と同様、極めて良好な一軸磁気異方性が導入され
ていた。
【0038】また、この薄膜の組織の同定を実施例1と
同様の方法で行ったところ、非晶質特有のハローパター
ンが得られた。さらに、磁気マーカーを得るために、こ
の薄膜を長さ方向(長さの長い方向)が磁化容易軸とな
るように幅5mm、長さ30mmの長方形状に裁断した
試料において、磁気パルスを実施例1と同様の方法で薄
膜の周囲に巻かれた検知コイルの誘導電圧により評価し
たところ、この場合においても鋭いパルス特性を有して
おり、優れた磁気特性が得られていることが分かる。
【0039】比較例1 実施例1と同様のポリエチレンテレフタレートフィルム
を用いて、実施例1と同様に、厚さが0.4μmの連続
したFe−C薄膜を直流マグネトロンスパッタリング装
置を用いて作製した。その際、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの熱収縮率の最も大きな方向に対して30
°の角度を持った方向の基板の両サイドに永久磁石を配
置して成膜した。なお、ターゲット及びスパッタリング
条件は実施例1と同様にして行った。作製されたFe−
C薄膜の磁化容易軸方向と、ポリエチレンテレフタレー
トフィルムの熱収縮率が最も大きな方向とのなす角度は
40°であった。
【0040】作製されたFe−C薄膜の磁気特性を実施
例1と同様にして測定した。図7は、そのときの磁化容
易軸方向の磁化曲線(a)と磁化困難軸方向の磁化曲線
(b)を示す図であり、横軸に磁界を、縦軸に磁化量を
示している。磁化容易軸方向における保磁力は0.7エ
ルステッドと軟磁気特性を示しているものの、角型性の
良好なループは得られず、また、磁化困難軸方向におい
ても印加磁界に対して磁化は直線的に変化しておらず、
良好な一軸磁気異方性は導入されていなかった。
【0041】さらに、磁気マーカーを得るために、この
薄膜を長さ方向(長さの長い方向)が磁化容易軸となる
ように幅5mm、長さ30mmの長方形状に裁断した試
料において、磁気パルスを実施例1と同様の方法で薄膜
の周囲に巻かれた検知コイルの誘導電圧により評価した
が、この条件下では良好なパルス電圧を得ることができ
ず、良好な磁気特性は得られなかった。
【0042】実施例4 厚さが75μm、幅100cmで、熱収縮率の最も大き
な方向と基板走行方向とのなす角度が0°、すなわち、
熱収縮率の最も大きな方向と基板走行方向とが平行に揃
っているポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチ
カ社製)を送りロールにセットし、このセットされたポ
リエチレンテレフタレートフィルムをキャンを介して連
続的に搬送走行させるロールコーター法により、厚さが
0.5μmのFe−C薄膜を直流マグネトロンスパッタ
リング装置を用いることにより連続して50m作製し
た。その際、キャンの下にはカソードを一台配置し、ポ
リエチレンテレフタレートフィルムがカソード上を一回
通過するときに作製されるFe−C薄膜の膜厚を0.0
5μmとし、それを10回通過させて積層させることに
より0.5μmの膜厚を得た。ターゲットには純Fe
(99.9%)を用い、Ar(ガス流量:150CC
M)とC2H4(ガス流量:20CCM)の混合ガス雰囲気
中で、スパッタリングガス圧:1.8×10-3Tor
r、スパッタリング電力:8kwの条件で成膜した。作
製されたFe−C薄膜の磁化容易軸方向と、基板走行方
向(基板の熱収縮率が最も大きな方向)とのなす角度は
85°であった。
【0043】作製されたFe−C薄膜の磁気特性を実施
例1と同様にして測定した。図8は、そのときの基板幅
方向の磁化曲線(a)と基板長手方向の磁化曲線(b)
を示す図であり、横軸に磁界を、縦軸に磁化量を示して
いる。図8から明らかなように、基板幅方向に磁化容易
軸が導入されており、基板幅方向においては、0.5エ
ルステッドの保磁力を有する角型性の良好なループが得
られた。一方、基板長手方向における磁化曲線は、印加
磁界に対して磁化が直線的に変化しており、この薄膜に
は、極めて良好な一軸磁気異方性が導入されていた。
【0044】また、この薄膜の組織の同定を実施例1と
同様の方法で行ったところ、非晶質特有のハローパター
ンが得られた。さらに、連続して作製した薄膜から、図
1に示すような横方向に並んだ磁気マーカーを得るため
に、薄膜の長手方向(基板走行方向)と裁断する磁気マ
ーカーの幅方向(長さの短い方向)とが平行になるよう
に、幅5mm、長さ30mmの試料を切り出し、磁気パ
ルスを実施例1と同様の方法で薄膜の周囲に巻かれた検
知コイルの誘導電圧により評価した。その結果を図9に
示す。図9は交流磁界における磁気パルスを示す図であ
り、横軸に掃引時間を、縦軸に電圧を示している。図9
より明らかなように、実施例4により得られた磁気マー
カーは鋭いパルス特性を有しており、優れた磁気特性が
得られた。また、薄膜の長手方向(基板走行方向)にわ
たって5m間隔で10試料を取り出して、同様にパルス
特性を評価したところ、どの試料においてもほぼ同等の
鋭いパルス特性が得られ、優れた磁気特性を有する磁気
マーカーを横方向に並べた巻物状製品を容易に製造する
ことができた。
【0045】比較例2 厚さが75μm、幅100cmで、熱収縮率の最も大き
な方向と基板走行方向とのなす角度が60°であるポリ
エチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製)を用
いた以外は実施例4と同じ条件によって厚さが0.5μ
mのFe−C薄膜を連続して50m作製した。作製され
たFe−C薄膜の磁化容易軸方向と基板走行方向とのな
す角度は20°であり、磁化容易軸方向と基板の熱収縮
率の最も大きな方向とのなす角度は40°であった。
【0046】作製されたFe−C薄膜の磁気特性を実施
例1と同様にして測定した。図10は、そのときの基板
長手方向の磁化曲線(a)と基板幅方向の磁化曲線
(b)を示す図であり、横軸に磁界を、縦軸に磁化量を
示している。図10から明らかなように、どちらの方向
においても印加磁界に対して磁化は直線的に変化してい
ないことから、実施例4のような良好な一軸磁気異方性
は導入されていなかった。また、基板幅方向と基板長手
方向とを比較した場合に、基板幅方向が磁化容易方向に
はなっていなかった。
【0047】さらに、実施例4と同様に、連続して作製
した薄膜から横方向に並んだ磁気マーカーを得るため
に、薄膜の長手方向(基板走行方向)と裁断する磁気マ
ーカーの幅方向(長さの短い方向)とが平行に揃うよう
にして、幅5mm、長さ30mmの試料を切り出し、磁
気パルスを実施例1と同様の方法で薄膜の周囲に巻かれ
た検知コイルの誘導電圧により評価したが、この条件下
ではパルス電圧を得ることができなかった。
【0048】比較例3 厚さが75μm、幅100cm で、熱収縮率の最も大き
な方向と基板走行方向とのなす角度が0°、すなわち、
熱収縮率の最も大きな方向と基板走行方向とが平行に揃
っているポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチ
カ社製)を送りロールにセットし、実施例4と同様にし
て厚さが0.5μmのFe−C薄膜を直流マグネトロン
スパッタリング装置を用いることにより連続して50m
作製した。その際、キャンの下にはカソードを一台配置
し、ポリエチレンテレフタレートフィルムがカソード上
を一回通過するときに作製されるFe−C薄膜の膜厚を
0.5μmとした。ターゲットには純Fe(99.9
%)を用い、Ar(ガス流量:150CCM)とC2H
4(ガス流量:20CCM)の混合ガス雰囲気中で、ス
パッタリングガス圧:1.8×10-3Torr、スパッ
タリング電力:8kwの条件で成膜した。作製されたF
e−C薄膜の磁化容易軸方向と基板走行方向(基板の熱
収縮率の最も大きな方向)とのなす角度は40°であっ
た。
【0049】作製されたFe−C薄膜の磁気特性を実施
例1と同様にして測定した。図11は、そのときの基板
長手方向の磁化曲線(a)と基板幅方向の磁化曲線
(b)を示す図であり、横軸に磁界を、縦軸に磁化量を
示している。図11から明らかなように、どちらの方向
においても印加磁界に対して磁化は直線的に変化してい
ないことから、実施例4のような良好な一軸磁気異方性
は導入されていなかった。また、基板長手方向の保磁力
は1.5エルステッドと軟磁気特性は劣化しており、し
かも、角型性の良好なループは得られなかった。
【0050】また、この薄膜の組織の同定を実施例1と
同様の方法で行ったところ、非晶質特有のハローパター
ンの他に結晶質特有の鋭いピークが混在していた。さら
に、実施例4の場合と同様に、連続して作製した薄膜か
ら横方向に並んだ磁気マーカーを得るために、薄膜の長
手方向(基板走行方向)と裁断する磁気マーカーの幅方
向(長さの短い方向)とが平行に揃うようにして、幅5
mm、長さ30mmの試料を切り出し、磁気パルスを実
施例1と同様の方法で薄膜の周囲に巻かれた検知コイル
の誘導電圧により評価したが、この条件下ではパルス電
圧を得ることができなかった。
【0051】
【発明の効果】本発明の磁気マーカーは、薄膜状の簡単
な構成にもかかわらず、磁気特性に優れている。さら
に、本発明の製造方法によれば、磁気特性に優れた磁気
マーカーを連続的に製造することができ、特に、磁気マ
ーカーを横方向に並べた巻物状製品を容易に製造するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気マーカーを横方向に並べた巻物状の製品を
示す概略斜視図である。
【図2】磁気マーカーを縦方向に並べた巻物状の製品を
示す概略斜視図ある。
【図3】実施例1によって得られた薄膜の磁化容易軸方
向の磁化曲線(a)と磁化困難軸方向の磁化曲線(b)
を示す図である。
【図4】実施例1によって得られた薄膜の交流磁界にお
ける磁気パルスを示す図である。
【図5】実施例2によって得られた薄膜の磁化容易軸方
向の磁化曲線(a)と磁化困難軸方向の磁化曲線(b)
を示す図である。
【図6】実施例2によって得られた薄膜の交流磁界にお
ける磁気パルスを示す図である
【図7】比較例1によって得られた薄膜の磁化容易軸方
向の磁化曲線(a)と磁化困難軸方向の磁化曲線(b)
を示す図である。
【図8】実施例4によって得られた薄膜の基板幅方向の
磁化曲線(a)と基板長手方向の磁化曲線(b)を示す
図である。
【図9】実施例4によって得られた薄膜の交流磁界にお
ける磁気パルスを示す図である
【図10】比較例2によって得られた薄膜の基板長手方向
の磁化曲線(a)と基板幅方向の磁化曲線(b)を示す
図である。
【図11】比較例3によって得られた薄膜の基板長手方向
の磁化曲線(a)と基板幅方向の磁化曲線(b)を示す
図である。
【符号の説明】
1 巻物状製品 2 磁気マーカー 3 離型紙付フィルム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性のある有機高分子基板と軟磁性薄
    膜とからなる磁気マーカーであって、有機高分子基板は
    異方的な熱収縮を、軟磁性薄膜は一軸磁気異方性を、そ
    れぞれ有しており、かつ、有機高分子基板の熱収縮率が
    最も大きな方向と軟磁性薄膜の磁化容易軸方向とのなす
    角度が50°以上90°以下であることを特徴とする磁
    気マーカー。
  2. 【請求項2】 送りロールにセットされた有機高分子基
    板が複数のロールを通して連続的に供給されながら巻き
    取りロールに巻き取られるロールコーター法と、カソー
    ド内に配置されたターゲットをガス雰囲気中でスパッタ
    することにより基板上に薄膜を作製するスパッタリング
    法とによって、有機高分子基板と軟磁性薄膜とからなる
    磁気マーカーを製造する際に、有機高分子基板の熱収縮
    率の最も大きな方向が、基板の走行方向に対して40°
    以下となるように有機高分子基板をセットして連続的に
    搬送走行させ、かつ、有機高分子基板がカソード上を一
    回通過するときにカソード一台当りに作製される軟磁性
    薄膜の膜厚を0.4μm以下とすることを特徴とする請
    求項1記載の磁気マーカーを横方向に並べた巻物状製品
    の製造方法。
JP7088017A 1995-04-13 1995-04-13 磁気マーカー及びその磁気マーカーを横方向に並べた巻物状製品の製造方法 Pending JPH08287369A (ja)

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