JPH08286162A - 液晶調光体 - Google Patents

液晶調光体

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JPH08286162A
JPH08286162A JP8787095A JP8787095A JPH08286162A JP H08286162 A JPH08286162 A JP H08286162A JP 8787095 A JP8787095 A JP 8787095A JP 8787095 A JP8787095 A JP 8787095A JP H08286162 A JPH08286162 A JP H08286162A
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JP
Japan
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liquid crystal
light
state
fine particles
medium
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Application number
JP8787095A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Saito
靖弘 斎藤
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大面積化が容易であり、より優れた調光性能
を有する液晶調光体を提供する。 【構成】 透明な一対の基板の対向面にそれぞれ透明導
電膜を配設し、液晶物質を内部に保持してなる媒体を前
記透明導電膜間に介在させており、この媒体中に光吸収
性の微粒子を含有させたことを特徴とする液晶調光体で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶物質により構成さ
れた液晶調光体に関し、さらに詳しくは光透過率の制御
性能に優れた液晶調光体に関する。
【0002】
【従来の技術】建築、自動車等の用途において、窓から
の太陽光エネルギーの流入が室内の空調負荷に大きな影
響を与えるため、窓に調光機能を持たせることが省エネ
ルギーの観点から望まれている。
【0003】実用上望まれる調光範囲としては、少なく
とも現在窓ガラスとして用いられている透明ガラスと太
陽光エネルギーの吸収を目的とした熱線吸収ガラスとの
光学特性値を選択できることが必要と考えられ、この調
光範囲は太陽光エネルギーの透過率変化幅(以下「ΔT
g」という)で15%以上ということができる。ここ
で、太陽光透過率(以下「Tg」という)は、全透過率
に太陽光エネルギーの強度分布係数を乗じることにより
得られる(JIS R 316)。
【0004】このような機能を有する素子(以下「調光
素子」という)として、早くから酸化タングステン、酸
化モリブデン、酸化ニッケル等の電気化学的発色材料を
用いたエレクトロクロミック素子(以下「EC素子」と
いう)が着目され、多方面で精力的な研究が続けられて
きた。そして、最近では眼鏡、自動車ミラー等の小型の
製品に実用化されるまでに技術も向上してきた。
【0005】しかしながら、前記したEC素子は電流駆
動型であるため電圧降下を生じ、大面積化した場合には
応答速度が著しく低下するほか、長時間通電中に生じる
構成材料の電気化学的変化等による変質が避けられず、
小面積のEC素子技術の延長で大面積のEC素子を実現
することは極めて困難であることが判明してきた。
【0006】そこで、このような電流駆動型のEC素子
に代わるものとして、電圧駆動型の調光素子が着目され
るようになった。耐久性に優れ、かつ大面積化が容易な
調光機能を有する液晶素子として、例えば特開昭58−
501631号に記載される曲線的な配列相のネマティ
ック(NCAP:Nematic Curvilinear Aligned Pha-s
e)液晶素子や、特開昭60−502128号に記載さ
れる相分離法により得られる液晶素子等が知られてい
る。これらの素子は、以下の原理に基づいて動作する。
【0007】安価なポリマー中に液晶物質の小滴を分散
した該公報記載の液晶素子は、電圧を印加しない状態で
は、ポリマー壁の曲線に沿って液晶が配列することによ
り光路がねじ曲げられたり、ポリマーと液晶滴との界面
において光が反射して散乱し乳白色に見える。
【0008】一方、電圧を印加した状態においては、液
晶滴内の液晶は外部電界により電界方向に配列し、この
ときの液晶の常光屈折率noとポリマーの屈折率npとを
一致するように選択することにより、液晶素子面に垂直
に入射した光は液晶とポリマーの界面で反射することな
く通過するため液晶は透明となる。
【0009】前記液晶素子(以下「高分子分散型液晶素
子」ということがある)は透視性を調整することはでき
るが、電圧無印加時に液晶素子に入射した光はそのほと
んどが入射側とは反対側(以下「前方」という)に散乱
しているため、電圧印加時と比較して太陽光エネルギー
の透過量はほとんど減少せず、数%のΔTgしか得られ
ていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記課題を解決するた
めに、大きなΔTgを得るための研究が盛んに行われて
いる。例えば、高分子分散型液晶素子に使用される液晶
物質中に多色性染料を添加し、電圧無印加時の光の吸収
を増大させる方法が特開平3−66162号公報に記載
されている。この方法による素子は大きなΔTgを有す
るが、多色性染料が本質的に光や熱に対して劣化するた
め、長期間にわたり太陽光に曝される建築あるいは自動
車等の屋外用途には使用することができなかった。
【0011】本発明は、かかる従来の問題点を解決する
ためになされたもので、大面積化が容易であり、より優
れた調光性能を有する液晶調光体を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、透明
な一対の基板の対向面にそれぞれ透明導電膜を配設し、
液晶物質を内部に保持してなる媒体を前記透明導電膜間
に介在させた液晶調光体において、この媒体中に光吸収
性の微粒子を含有させたことを特徴とする液晶調光体で
ある。
【0013】また、本発明の液晶調光体においては、前
記光吸収性の微粒子として無機化合物を用いることが好
ましい。
【0014】さらに、前記無機化合物としては、TiO
x(1≦x≦2)、またはTiOxy (1.37≦x+y
≦1.95、0.15≦y≦0.92)を用いるのが好
ましい。
【0015】
【作用】本発明においては、媒体中に光吸収性の微粒子
を含有させることにより、大きなΔTgを有する液晶調
光体を得ることができる。
【0016】このような作用は、調光体に入射した光が
その前方あるいは後方に抜け出る迄の経路の長さ(以下
「光路長」という)が、電圧の印加が解除された状態
(以下「off状態」という)と電圧が印加された状態
(以下「on状態」という)とで異なることに着目して
なされたものである。すなわち、off状態においては
調光体内部に入射した光が液晶と媒体の界面でねじ曲げ
られる(以下「屈折する」という)ために、液晶調光体
中を入射光が抜け出る迄の光路長が調光体の厚みよりも
長くなる。そのため、液晶調光体で光吸収性の微粒子に
光が衝突する確率が高くなり、より多くの光が吸収され
る。一方、on状態においては、光が屈折することなく
通過するために光路長がoff状態に比べて短くなり、
光吸収性の微粒子によって吸収される光も少なくなる。
そのために、on状態とoff状態の間のΔTgの大き
な液晶調光体を得ることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の液晶調光体を図面を参照しな
がら説明する。
【0018】図1は、本発明の液晶調光体のoff状態
における光の透過状態を示す模式断面図、図2は同様に
on状態における光の透過状態を示す模式断面図であ
る。なお、図1及び図2において、(1)は基板、
(2)は透明導電膜、(3)は媒体、(4)は液晶物
質、(5)は光吸収性微粒子、そして(6)はカプセル
である。
【0019】基板(1)としては、例えば一般的なガラ
ス板をはじめ、光透過性の部材としてプラスチック板あ
るいはフレキシブルなプラスチックフィルム等、従来よ
り液晶調光体の基板として用いられているものを適用す
ることができ、その形状及びサイズも必要に応じて適宜
変更することができる。
【0020】透明導電膜(2)としては、例えばインジ
ウム錫酸化物(ITO)膜や錫酸化物(SnO2)膜等
を適用することができ、その膜厚についても特に限定さ
れないが、液晶調光体の反射率が最小となるように光学
的に調整された膜厚が好ましい。その一例を挙げると、
SnO2膜で180nmである。
【0021】媒体(3)としては、高絶縁性かつ高耐候
性を有するものであって、しかも液晶物質を空隙に保持
するものであればいかなるものも用いることができ、特
に限定されない。その具体例としては、ポリウレタンラ
テックス、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、エ
ポキシ樹脂等が挙げられる。
【0022】液晶(4)としては、高耐候性であって、
off状態の液晶の平均屈折率na(={2×no+n
e}/3)が媒体(3)の屈折率と異なり、しかもon
状態の液晶の常光屈折率が媒体(3)の屈折率に近似し
た値になるものであればいかなるものも用いることがで
きる。しかし、常光屈折率と異常光屈折率の差(以下
「Δn」という)は、ΔTgに影響するので好適な範囲
を選択するのが好ましい。すなわち、Δnが小さすぎる
と、次式1に示すように液晶の平均屈折率naと媒体の
屈折率npの差が小さくなるために光が屈折する割合が
減少して光長が短くなる。 Δn=no−ne=(2×no+ne)/3−no〜(na−np)/3 〔1〕 そのため、本発明においてΔnは0.01〜0.2の範
囲にあるのが好ましい。
【0023】また、液晶物質(4)は、媒体(3)中で
カプセル(6)の状態で分散している。このようなカプ
セル状態は、種々の既知の方法によって形成させること
ができる。例えば、水溶性高分子水溶液(例えばポリビ
ニルアルコール水溶液等)に液晶を添加し、高速で攪拌
させた後、基板上に一定の膜厚で塗布した後、乾燥させ
ることにより得ることができる。
【0024】カプセル径は、以下の理由からΔTgに影
響する。カプセル径が大きくなると液晶と媒体の界面が
減少して、光の屈折する割合が減少する。一方小さくな
りすぎると、太陽光のうち長波長側の光が透過して、同
様に屈折する割合が減少する。このような理由からカプ
セル径は0.5〜3μmであるのが好ましく、さらに望
ましいのは0.8〜2μmの範囲である。
【0025】光吸収性の微粒子(5)は、off状態に
おいて液晶と媒体の界面において屈折された入射光を吸
収して、太陽光透過率制御範囲を大きくするために添加
する。
【0026】また、前記光吸収性の微粒子(5)として
は、無機化合物を用いることが好ましい。本発明の液晶
調光体を建築、自動車用途に応用した場合には、長期間
太陽光に曝され、しかもその光を吸収し、液晶調光体が
劣化しやすい環境下におかれることとなるが、前記無機
化合物を適用することにより、長期間太陽光に曝されて
も劣化する可能性は極めて低い。
【0027】また、前記無機化合物としては、太陽光の
波長全域において光吸収係数の大きいものが好ましい。
そのような微粒子として種々の物質を調査したところ、
TiOx(1≦x≦2)、またはTiOxy(1.37≦
x+y≦1.95、0.15≦y≦0.92)で表され
る無機チタン化合物が好ましいことがわかった。その理
由は、主として光吸収係数の波長依存性によるものと推
察される。よく知られているように、太陽光のスペクト
ルは可視域から近赤外域の広い波長範囲にわたって分布
しているため、液晶調光体によって太陽光の透過率を制
御しようとするならば、広い波長範囲において光吸収係
数の大きな微粒子が必要となる。TiOx(1≦x ≦
2)、またはTiOxy(1.37≦x+y≦1.9
5、0.15≦y≦0.92)で表される微粒子は光吸
収係数が大きく波長依存性が少ないために広い範囲で太
陽光の透過率を制御できる。
【0028】また、使用される微粒子の濃度は特に限定
されないが、on状態の視認性を保つためには3重量%
以下であるのが好ましい。
【0029】本発明の液晶調光体に電界を作用させる手
段としては、従来よりこの種の調光体において使用され
ているものであればいかなるものも使用でき、特に限定
されない。電界の強さは電極間隔に逆比例するから、電
極間隔が狭いと同じ電界強度を得るのに必要な電圧が低
くてすむ。この点から、電極間隔は5〜50μmとする
のが好ましい。
【0030】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説
明する。
【0031】(実施例1)ラテックス粒子40重量%を
含むNeorez R−967(ポリビニルケミカル
製)に、TiOxy微粒子をR−967に対して0.3
重量%の割合で添加し、ペイントシェーカーを用いて1
0分間分散処理を行った。次に、ネマティック液晶ZL
I−3219(メルクジャパン製)を、液晶比率が0.
62になるようにR−967に添加し、高速攪拌機を用
いて15000回転で10分間攪拌しエマルジョンを得
た。このときエマルジョン中の液晶カプセル径は2.0
μmであった。次に、FSN−100(デュポン製)を
R−967に対して12.5重量%の割合で添加し、2
000回転で5分間攪拌した。次に、ゆっくりと攪拌し
ながら、架橋剤CX−100(ポリビニルケミカル製)
をR−967に対して3重量%の割合で添加した。この
混合物をドクターブレードを用いて予めITOが形成さ
れたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上
に塗布、乾燥させた。乾燥後の塗布層の厚み(すなわち
媒体の厚み)は約20μmであった。混合物の乾燥後、
もう一枚のITO膜付PETフィルムと貼り合わせて本
実施例における液晶調光体を得た。
【0032】(比較例1)前記実施例1において、R−
967にTiOxy微粒子を添加せず、その後の工程は
全く同じにして、本比較例における液晶調光体を得た。
【0033】(実施例1及び比較例1)前記実施例1及
び比較例1において、JIS R 360に従ってoff
状態及びon状態のTgを測定し、さらにそれらの測定
値からΔTgを得た。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明かなように、実施例1の液晶調
光体は光吸収性の微粒子を添加しているため、比較例1
の液晶調光体に比較してより大きなΔTgが得られてい
る。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、太
陽光エネルギー透過率の制御性に優れた液晶調光体を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】off状態における光の透過状態を示す模式断
面図
【図2】on状態における光の透過状態を示す模式断面
【符号の説明】
1 基板 2 透明電極 3 媒体 4 液晶物質 5 光吸収性の微粒子 6 カプセル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な一対の基板の対向面にそれぞれ透
    明導電膜を配設し、液晶物質を内部に保持してなる媒体
    を前記透明導電膜間に介在させた液晶調光体において、
    該媒体中に光吸収性の微粒子を含有させたことを特徴と
    する液晶調光体。
  2. 【請求項2】 前記光吸収性の微粒子が無機化合物であ
    る請求項1に記載の液晶調光体。
  3. 【請求項3】 前記無機化合物がTiOx(1≦x≦
    2)、またはTiOxy(1.37≦x+y≦1.9
    5、0.15≦y≦0.92)である請求項2に記載の
    液晶調光体。
JP8787095A 1995-04-13 1995-04-13 液晶調光体 Pending JPH08286162A (ja)

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JP8787095A JPH08286162A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 液晶調光体

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JPH08286162A true JPH08286162A (ja) 1996-11-01

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JP8787095A Pending JPH08286162A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 液晶調光体

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11360342B2 (en) 2018-07-25 2022-06-14 Dic Corporation Light-scattering liquid crystal device

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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