JPH08285024A - トラクションドライブ変速機 - Google Patents

トラクションドライブ変速機

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Publication number
JPH08285024A
JPH08285024A JP11629695A JP11629695A JPH08285024A JP H08285024 A JPH08285024 A JP H08285024A JP 11629695 A JP11629695 A JP 11629695A JP 11629695 A JP11629695 A JP 11629695A JP H08285024 A JPH08285024 A JP H08285024A
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JP
Japan
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outer ring
inner ring
contact
ring
traction drive
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Pending
Application number
JP11629695A
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English (en)
Inventor
Nagao Mizutani
長夫 水谷
Keiji Murata
圭司 村田
Masahiro Kaneko
昌弘 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sayama Precision Ind Co Ltd
Original Assignee
Sayama Precision Ind Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sayama Precision Ind Co Ltd filed Critical Sayama Precision Ind Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラクションドライブ変速機において、変速
比を著しく大きくする。 【構成】 球体を内輪と第1、第2の外輪で、互いにこ
ろがり接触するように挟圧し、しかも第1、第2の外輪
が球体の異なる位置で接触するようにして、内輪、第
1、第2の外輪のいずれか2つを入力と出力とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトラクションドライブを
利用した遊星転動装置による小型のトラクションドライ
ブ変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクションドライブとは、周知のよう
に例えば油膜などを介在させて2つの転動体を押しつけ
圧力を加えて一方を回転させると、押しつけ面の部分の
油膜が押しつけ圧力によって非常に高い粘度になり、こ
のため油膜のせん断抵抗によってトラクション(けん
引)力が生じて、他方がひきずられてころがり回転する
ことである。
【0003】従来、一般的には入力軸の回転を出力軸に
回転数を変えて伝達する変速装置として、太陽歯車とそ
の外側を囲む内歯歯車の間を複数の遊星歯車が自転しな
がら公転する遊星歯車装置が多く用いられている。
【0004】しかし、この遊星歯車装置では、多数の歯
車相互の噛み合いのため、騒音や振動が生じる、歯の折
損が生じやすい、小型化が容易でない、大きな変速化が
得られない、変速比は歯数で決まるため中間的な任意の
変速比にすることができないなどの欠点がある。このた
め、従来より、歯車の代わりに、前記したトラクション
ドライブを利用した遊星転動装置を用いたトラクション
ドライブ変速機が用いられている(例えば特開昭55−
86949、特開昭58−46252)。
【0005】即ち、このトラクションドライブ変速機
は、内輪と外輪との間に転動体を例えば油膜などを介し
て強く挟圧して、トラクション力によって内輪と外輪と
の間を転動体を自転させながら公転させ、この転動体の
公転運動を転動体の保持器の回転とし、内輪の回転と転
動体の公転のいずれか一方を入力、他方を出力とするも
のであって、このトラクション力による遊星転動装置を
一段あるいは複数段連結し、内輪の回転と転動体の保持
器の回転のいずれか一方を入力軸、他方を出力軸として
取り出すものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、 (イ)このような従来のトラクションドライブ変速機で
は、大きな変速比が得られない(せいぜい3〜8程度)
ため、大きな変速比を得るには、内輪、外輪、転動体、
保持器からなるトラクションドライブ遊星転動装置を軸
方向に多段に接続して設けなければならない。このた
め、構造が複雑で、軸方向寸法が大きくなり、小型化が
難しい。
【0007】(ロ)構造が複雑で大型となるため、安価
なものが提供できない。 (ハ)自転且つ公転する転動体を保持する保持器の回転
を入力又は出力として取り出す構造のため、回転時の転
動体と保持器間の接触のために大きな振動や騒音が生じ
る。
【0008】(ニ)転動体の保持器で回転を伝達してい
るため、過負荷によって破損しやすい。 などの問題があった。本発明はこれらの問題を解決し、
構造が簡単で小型化でき、安価にでき、振動や騒音が少
なく、過負荷に対して破損しにくいトラクションドライ
ブ変速機を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明のトラクションドライブ変速機では、内輪と、
前記内輪に圧接されてトラクション力を回転伝達力とし
てころがり接触して自転且つ公転する複数の球体と、前
記複数の球体にそれぞれ異なる位置において圧接されて
トラクション力を回転伝達力としてころがり接触する、
前記内輪と軸心が一致した第1、第2の外輪とを備え、
前記第1の外輪、第2の外輪、内輪のうちいずれか1つ
を固定し、他の2つのいずれか一方を入力軸と一体的に
回転可能にし、他方を出力軸と一体的に回転可能にして
いる。
【0010】
【作用】このように構成したため本発明のトラクション
ドライブ変速機では、球体は内輪、第1の外輪、第2の
外輪の三者にころがり接触して自転且つ公転し、三者の
いずれか1つを固定し、他の二者の一方を入力軸と一体
的に回転可能にし、他方を出力軸と一体的に回転可能に
すると、入力軸の回転が減速又は増速されて出力軸に伝
達される。
【0011】
【実施例】以下、図面に示す本発明の実施例を説明す
る。図1は本発明のトラクションドライブ変速機の一実
施例を示している。ケース1は一端に開口部1aを有す
る有底円筒状であって、他端側には環状段部2によって
小径の首部3が形成され、首部3の底板3aの中央には
軸穴4が設けられている。首部3の外周には、このトラ
クションドライブ変速機を他の装置にネジ止め固定する
ためのネジ面3bが設けられている。
【0012】ケース1の一端の開口部1aの内壁には、
ネジ面1bが設けられている。モーター5は連結体6に
ネジ7によって固定され、連結体6の外周のネジ面6a
が前記ネジ面1bに螺着されている。ケース1内には、
ベアリング8、9がその外輪8a、9aがケース1の内
壁に接触して設けられていて、軸穴4を通る円柱状の出
力軸10が、ベアリング8、9の内輪8b、9bに接触
して設けられ、このため、ケース1に対して内輪8b、
9bと共に出力軸10は回動自在になっている。8c、
9cは球体、8d、9dはボールの保持器である。ケー
ス1の首部3の位置のおいて出力軸10にはブッシュ1
0aが固定されている。
【0013】2つのベアリング8、9の間には円筒状の
スペーサー11が設けられ、このスペーサー11と同位
置において、出力軸10の外周を囲むコイルスプリング
12の両端が、ベアリング8、9の内輪8b、9bに接
している。このため、内輪9bは右方(図1において)
へ押圧されている。出力軸10の右端近傍には、中央に
軸穴13aを有する出力ギヤ13が固定されている。
【0014】出力軸10は出力ジョイント14の中央の
軸穴14aに挿入されていて、出力ジョイント14は出
力軸10に回動自在に取付けられている。出力ギヤ13
及び出力ジョイント14には向かい合わせに環状溝13
b、14bが設けられ、この環状溝13b、14b内に
コイルスプリング15が収容されていて、コイルスプリ
ング15の両端が環状溝13b、14bの底部に接して
いる。このため、出力ジョイント14は右方へ押圧され
ている。
【0015】出力ジョイント14の出力ギヤ13側の環
状段部14cには、内歯歯車16が固定されていて、前
記出力ギヤ13が内歯歯車16にすき間のある状態で軸
方向に嵌入されて軸継手を構成している。このため、出
力ギヤ13及び内歯歯車16の多少の軸方向のズレも、
軸心の芯ズレも吸収されて回転力のみが伝達されるか
ら、各部品精度および取付け精度が高くなくてもよいの
で、コスト低減につながる。
【0016】また、出力ジョイント14の反対側の環状
段部14dには、複数の球体17に球体17の左側から
押圧されてころがり接触する、傾斜した接触面18aを
内面に有する環状の第1の外輪18が、固定されてい
る。複数の球体17に右側からころがり接触する傾斜し
た接触面19aを内面に有する環状の第2の外輪19
が、前記連結体6の先端部6bに接触した状態で、ケー
ス1の内壁に固定されている。なお、ベアリング9の外
輪9aの側面と第2の外輪19の側面との間において、
円筒状のスペーサー20がケース1内に収容されてい
る。
【0017】複数の球体17、17、…は、前記ベアリ
ング8、9の保持器8d、9dと同様の保持器21によ
って円周方向に一定間隔を保つように、且つ任意方向に
回動自在に保持されて、前記第1、第2の外輪18、1
9の接触面18a、19aに接触すると共に、円筒状の
内輪22の外周面にもころがり接触している。
【0018】球体17と第1、第2の外輪18、19の
接触面18a、19a、内輪22との間にはトラクショ
ングリースなどの油膜が介在されていて、球体17は第
1の外輪18の接触面18aによってコイルスプリング
15の押圧力で押圧されているため、この第1の外輪1
8の接触面18aと、固定された第2の外輪19の接触
面19aと、内輪22の外周面の三者の間で挟圧されて
いる。従って、球体17と前記三者それぞれとの接触に
おいて油膜に圧力が加わっているため、一方の回転力に
よってトラクション力が作用して他方がひきずられてこ
ろがり回転する。従って、球体17とこれを挟圧する三
者は互いにトラクションドライブの関係にされている。
【0019】即ち、この2つの外輪18、19と円筒状
の内輪22との間で球体17を挟圧した構成のトラクシ
ョンドライブ遊星転動装置は、前記した従来のトラクシ
ョンドライブ遊星転動装置における円筒状の内輪に球体
を押付ける1つの外輪を、2つの外輪に分離して軸方向
の両側斜め上方から2つの外輪で球体を押圧して円筒状
の内輪に押付けたものである。従って、1つの外輪の場
合と同様に球体の自転軸は内輪の中心軸とほぼ平行にな
る。
【0020】なお、トラクショングリース以外にも、油
脂、粘液性のある物質の水溶液、ゲル、ゾルなどでもよ
く、あるいは、これらの粘性のものを介在させず、第
1、第2の外輪18、19、内輪22、球体17のいず
れか、または全部を硬質ゴムなどの摩擦係数の高い材料
で作成して球体とのころがり接触においてトラクション
力を生じるようにしてもよい。
【0021】内輪22の中心の軸穴22bには、入力ジ
ョイント23の軸部23aが挿入固定されている。この
入力ジョイント23の右方の円筒部23bの内面には内
歯歯車24が固定されている。前記連結体6に固定され
たモーター5の駆動軸5aには、入力ギヤ25が固定さ
れていて、図8に示すように入力ギヤ25がすき間のあ
る状態で前記内歯歯車24に軸方向に嵌入されて軸継手
を構成している。このため出力ギヤ25及び内歯歯車2
4の多少の軸方向のズレも、軸心の芯ズレも吸収されて
回転力のみが伝達されるから、各部品精度及び取付け精
度が高くなくてもよいので、コスト低減につながる。
【0022】従って、モーター5を駆動させると、入力
ギヤ25と内歯歯車24によって駆動軸5aの回転が伝
達されて内歯歯車24、入力ジョイント23と一体的に
内輪22が回転する。この内輪22の回転によって、第
1の外輪18、第2の外輪19、内輪22の三者にトラ
クション力でころがり接触した複数の球体17、17、
…は自転しつつ内輪22の周りを公転し、これに伴って
第1の外輪18が回転する。この第1の外輪18の回転
と一体的に出力ジョイント14及び内歯歯車16が回転
し、この回転は内歯歯車16から出力ギヤ13に伝達さ
れて、出力ギヤ13と一体的に出力軸10が回転する。
【0023】内輪22と第1の外輪18との回転数は、
次のような関係になる。図2に示すように、内輪22の
半径をa、球体17の半径をb、球体17の自転軸17
a、内輪22の中心軸から球体17と固定された第2の
外輪19との接触点までの距離をそれぞれc、dとし、
球体17の自転軸17a、内輪22の中心軸から球体1
7と固定された第1の外輪18との接触点までの距離を
それぞれe、fとすると、各部の回転数の関係は次のよ
うになる。
【0024】
【表1】 モーター5の駆動軸5aの回転が出力軸10の回転とし
て取り出されるから、 減速比=(第1の外輪18の回転数)/(内輪22の回転数) ={1−(d/c)・(e/f)}/{1+(d/c)・(b/a)} =(a/f)・{(cf−de)/(ca+bd)} ……式(1) となる。
【0025】この減速比の式から明らかなように、第1
の外輪18と球体17との接触点と内輪22の中心軸と
の距離fが、第2の外輪19と球体17との接触点と内
輪22の中心軸との距離dに近づくにつれて、即ちfが
dに近づき、eがcに近づくにつれて出力軸10の回転
数は小さくなり、f=d、e=cとなると、出力軸10
の回転数は零になる。従って、fをdに近づけることに
よって例えば1/1000などのいくらでも大きな減速
比を得ることができる。従って、一段だけの遊星転動装
置で大きな減速比が得られる。
【0026】この実施例では、内輪22を入力と結合
し、第1の外輪18を出力と結合した減速機として用い
る場合を説明したが、この関係を逆にすれば増速機とし
て用いることができる。即ち、従来のトラクションドラ
イブ遊星転動装置では内輪の回転と球体の公転のいずれ
か一方を入力、他方を出力としているが、図1の装置で
は、球体の公転は入力、出力のいずれにも用いず、内輪
と第1、第2の外輪のうちのいずれか2つを入力、出力
とすることによって大きな変速比を得ている。
【0027】また、逆に第2の外輪19を回転可能に
し、第1の外輪18を固定して、第2の外輪19を入力
あるいは出力と結合してもよい。また、内輪22を固定
して第1、第2の外輪18、19の一方を入力、他方を
出力と結合してもよい。この場合は、前記表と同様にし
て回転比を求めると
【表2】 変速比=(第1の外輪18の回転数)/(第2の外輪19の回転数) ={1+(a/b)・(e/f)}/{1+(a/b)・(c/d)} ={(bf+ae)/(bd+ac)}・(d/f) ……式(2) となる。
【0028】なお、内輪22、第1の外輪18、第2の
外輪19の球体17との接触面22a、18a、19a
は断面直線ではなく、図3のように断面曲線状にしても
よい(内輪22では断面曲線状の接触面22aは一周し
た環状溝にする。)。
【0029】
【他の実施例】図4は本発明の他の実施例を示してい
る。この実施例は、球体17へ第1の外輪18を押付け
る押圧手段として、図1の実施例のコイルスプリング1
2の代わりに傘状の板バネ41を用いていたことが、図
1の実施例と主として異なる点である。
【0030】即ち、図4に示すように、円筒状のケース
30の一端には、厚肉円筒状の軸保持体31が挿入され
ネジ32によってケース30に固定されている。軸保持
体31には、このトラクションドライブ変速機を他の装
置にネジ止め固定するための複数の箇所の軸方向のネジ
穴31aを備えている。
【0031】軸保持体31の底板31bの中央の軸穴3
3を通る出力軸34が、軸保持体31の断面円形の収容
穴35に収容されたベアリング36、37によって回動
自在に軸保持体31に保持されている。38はリング状
のスペーサ、39はコイルスプリングであって、コイル
スプリング39で押圧されたベアリング36、37の内
輪36b、37bは、出力軸34の環状溝34a、34
bに嵌着されたリング状のストッパー40a、40bに
よって軸方向の移動を規制されている。
【0032】出力軸34のケース30内の端部の外周に
は出力ギヤ34cが設けられている。前記した傘状の板
バネ41は、図5に示すように中央に円形の穴41aを
有するほぼ円形の基部41bから、放射状に複数の脚片
41cが基部41bから延設し、基部41bに対して所
定角度傾斜するように屈曲したものである。板バネ41
は、この基部41bの穴41aによって、出力軸34の
環状溝34bに取付けられて、出力ジョイント42に脚
片41c、41c、…が弾性に抗して押し開かされた状
態で押圧接触している。このため出力ジョイント42は
右方(図4において)へ押圧されている。出力ジョイン
ト42の中央の軸穴42aには、内歯歯車42bが設け
られていて、前記出力ギヤ34cがすき間のある状態で
軸方向に嵌入されて軸継手を構成している。出力ジョイ
ント42の上端の環状段部42cにはリング状の第1の
外輪43が固定されている。
【0033】リング状の第2の外輪44は、中央に軸穴
30aを有するケース30の底板30bに当接してケー
ス30内壁に固定されている。45は球体、46は複数
の球体を一定間隔で保持する保持器、47は内輪であっ
て、図1の実施例と全く同様に第1の外輪43による右
方への押圧力によって、内輪47と第1、第2の外輪4
3、44との間で複数の球体45が油膜を介して挟圧さ
れて、複数の球体45とトラクション力でころがり回転
するように接触している。
【0034】内輪47の中央の軸穴47aには、入力ジ
ョイント48が固定されている。ケース30の底板30
bの軸穴30aの内周面には、ネジ面30cが設けられ
ていて、モーター49をフランジ部51aにネジ50に
よって固定した連結体51の筒部51bの外周のネジ面
51cが、このネジ面30cに螺着されてケース30に
固定されている。モーター49の駆動軸49aには入力
ギヤ52が固定されていて、入力ジョイント48の軸穴
48aに設けられた内歯歯車48bにすき間のある状態
で軸方向に嵌入されて軸継手を構成している。
【0035】従って、モーター49を駆動させると、駆
動軸49aの回転は入力ギヤ52と内歯歯車48bによ
って伝達されて内輪47が回転する。従って、図1の実
施例と全く同様に内輪47の回転より著しく減速された
第1の外輪43の回転が、出力ジョイント42の内歯歯
車42bと出力軸34の出力ギヤ34cによって出力軸
34に伝達される。
【0036】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
は以上の実施例に限定されるものではなく、各部の構成
において種々の変形が可能なことは勿論である。なお、
前記した式(1)、(2)は、球体17の自転軸17a
が内輪22の中心軸と平行であることを前提としている
が、実際には第1、第2の外輪18、19の接触圧力の
関係で水平から僅かに傾くこともあるので、前記減速比
は正しくは近似値である。従って、図6に示すように球
体17に直径を通る貫通穴17aを設け、保持器21に
回動自在に取付けられた内輪22の中心軸と平行な支持
軸体60を前記貫通穴17aに貫通して回動自在に支持
するか、あるいは図7に示すように球体17の直径方向
に軸突起61a、61bを突設し、この軸突起61a、
61bを、内輪の中心軸と平行に、保持器21に回動自
在に支持させれば、球体の自転軸は内輪22の中心軸と
平行になるから、前記した変速比は近似値ではなく正し
い値となる。即ち、球体17の自転軸の倒れによる変速
比の変動がなくなる。また、自転軸の倒れによる球体1
7と接触面のすべりがなくなり、騒音防止、長寿命化が
可能となる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のトラクシ
ョンドライブ変速機では、内輪と、前記内輪に圧接され
てトラクション力を回転伝達力としてころがり接触して
自転且つ公転する複数の球体と、前記複数の球体にそれ
ぞれ異なる位置において圧接されてトラクション力を回
転伝達力としてころがり接触する、前記内輪と軸心が一
致した第1、第2の外輪とを備え、前記第1の外輪、第
2の外輪、内輪のうちいずれか1つを固定し、他の2つ
のいずれか一方を入力軸と一体的に回転可能にし、他方
を出力軸と一体的に回転可能にしたので、 (イ)一段のトラクションドライブ遊星転動装置だけで
著しく大きな変速比を得ることができる。このため、構
造が簡単、軸方向寸法を小型化できる。
【0038】(ロ)構造が簡単となるため、安価にな
る。 (ハ)従来のように自転且つ公転する転動体を保持する
保持器の回転を入力又は出力として取り出す構造では、
回転時の転動体と保持器間の接触のために大きな振動や
騒音が生じ、また、転動体の保持器で回転を伝達してい
るため、過負荷によって破損しやすかったが、本発明で
は保持器ではなく外輪の回転をそのまま取り出すため、
このような振動や騒音が小さくなり、また過負荷による
破損も生じにくくなる。などの効果を有する。
【0039】また、コイルスプリング15や板バネ41
のような押圧力付与手段で第1、第2の外輪18、19
のいずれか一方を軸方向に押圧することによって球体1
7を第1、第2の外輪18、19及び内輪22の三者間
に挟圧することができる。また、球体17の自転軸が内
輪22の中心軸と平行になるように球体17を支持させ
れば、球体17の自転軸の倒れによる変速比の変動がな
くなる。また、自転軸の倒れによる球体17と接触面の
すべりがなくなり、騒音防止、長寿命化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図
【図2】本発明の動作原理図
【図3】本発明の他の実施例の要部を示す断面図
【図4】本発明のさらに他の実施例を示す断面図
【図5】図4の実施例の板バネ41の側面図
【図6】本発明の他の実施例の要部を示す断面図
【図7】本発明の他の実施例の要部を示す断面図
【図8】図1の実施例の内歯歯車と入力ギヤの関係を示
す断面図
【符号の説明】
1 ケース 5 モーター 5a 駆動軸 10 出力軸 13 出力ギヤ 14 出力ジョイント 15 コイルスプリング 17 球体 18 第1の外輪 19 第2の外輪 22 内輪 23 入力ジョイント 25 入力ギヤ 30 ケース 34 出力軸 41 板バネ 41c 脚片 42 出力ジョイント 43 第1の外輪 44 第2の外輪 45 球体 46 保持器 47 内輪 48 入力ジョイント 49 モーター 49a 駆動軸 52 入力ギヤ 60 自転軸 61a 軸突起 61b 軸突起

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内輪と、 前記内輪に圧接されてトラクション力を回転伝達力とし
    てころがり接触して自転且つ公転する複数の球体と、 前記複数の球体にそれぞれ異なる位置において圧接され
    てトラクション力を回転伝達力としてころがり接触す
    る、前記内輪と軸心が一致した第1、第2の外輪とを備
    え、 前記第1の外輪、第2の外輪、内輪のうちいずれか1つ
    を固定し、他の2つのいずれか一方を入力軸と一体的に
    回転可能にし、他方を出力軸と一体的に回転可能にした
    ことを特徴とするトラクションドライブ変速機。
  2. 【請求項2】前記第1の外輪、第2の外輪のいずれか一
    方を軸方向に押圧して前記球体を第1、第2の外輪及び
    前記内輪の間で挟圧させる押圧力付与手段を設けた請求
    項1記載のトラクションドライブ変速機。
  3. 【請求項3】前記球体の自転軸が前記内輪の中心軸と平
    行となるように前記球体が支持された請求項1または2
    記載のトラクションドライブ変速機。
  4. 【請求項4】前記複数の球体を円周方向に一定間隔で保
    持する保持器を設けた請求項1または2記載のトラクシ
    ョンドライブ変速機。
  5. 【請求項5】前記球体に圧接される前記第1の外輪、第
    2の外輪、内輪の接触面が平面または曲面である請求項
    1または2記載のトラクションドライブ変速機。
  6. 【請求項6】前記第1の外輪、第2の外輪、内輪と前記
    球体とがオイルまたはグリースを介して挟圧された請求
    項1または2記載のトラクションドライブ変速機。
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