JPH08281755A - 射出成形機のノズル温度制御方法 - Google Patents
射出成形機のノズル温度制御方法Info
- Publication number
- JPH08281755A JPH08281755A JP11261195A JP11261195A JPH08281755A JP H08281755 A JPH08281755 A JP H08281755A JP 11261195 A JP11261195 A JP 11261195A JP 11261195 A JP11261195 A JP 11261195A JP H08281755 A JPH08281755 A JP H08281755A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nozzle
- feedback control
- temperature
- mold
- control parameter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ノズル詰まり,樹脂焼け,樹脂の分解等の異
常と樹脂漏れの防止。 【構成】 金型50から離間したノズル44の放熱特性
に適合する第1のフィードバック制御パラメータB1i と
金型50に当接したノズル44の放熱特性に適合する第
2のフィードバック制御パラメータA1i とを予め記憶し
ておき、スプルーブレイク時においては第1のフィード
バック制御パラメータB1i によって、また、ノズルタッ
チ時においては第2のフィードバック制御パラメータA1
i によってノズル温度のフィードバック制御を行う。ノ
ズル44の放熱特性の変化に応じて常に最適のフィード
バック制御パラメータで温度制御を行うことによりノズ
ルタッチ時の温度降下によるショートショットやノズル
詰まりを防止し、また、スプルーブレイク時の温度上昇
による樹脂焼けや樹脂の分解、および、粘性の低下によ
る樹脂漏れを防止する。
常と樹脂漏れの防止。 【構成】 金型50から離間したノズル44の放熱特性
に適合する第1のフィードバック制御パラメータB1i と
金型50に当接したノズル44の放熱特性に適合する第
2のフィードバック制御パラメータA1i とを予め記憶し
ておき、スプルーブレイク時においては第1のフィード
バック制御パラメータB1i によって、また、ノズルタッ
チ時においては第2のフィードバック制御パラメータA1
i によってノズル温度のフィードバック制御を行う。ノ
ズル44の放熱特性の変化に応じて常に最適のフィード
バック制御パラメータで温度制御を行うことによりノズ
ルタッチ時の温度降下によるショートショットやノズル
詰まりを防止し、また、スプルーブレイク時の温度上昇
による樹脂焼けや樹脂の分解、および、粘性の低下によ
る樹脂漏れを防止する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機のノズル温
度制御方法の改良に関する。
度制御方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機のノズル温度には金型の構造
や使用対象樹脂の種別に応じた適正温度というものがあ
り、ノズルを金型から離さないようにして、常にこの適
正温度を安定的に維持して連続的に射出成形作業を繰り
返すことが望ましいが、実際にはパージ作業や糸引き防
止のためのスプルーブレイク動作等が必要とされる場合
もあり、ノズルの適正温度を恒常的に保持するというの
は、必ずしも容易なことではない。
や使用対象樹脂の種別に応じた適正温度というものがあ
り、ノズルを金型から離さないようにして、常にこの適
正温度を安定的に維持して連続的に射出成形作業を繰り
返すことが望ましいが、実際にはパージ作業や糸引き防
止のためのスプルーブレイク動作等が必要とされる場合
もあり、ノズルの適正温度を恒常的に保持するというの
は、必ずしも容易なことではない。
【0003】まず、射出成形作業を新たに開始する場合
には、ノズルを金型から離間させた状態でパージ作業を
行う必要があるが、このときノズルの温度が適正になる
ように温度調節器のフィードバック制御パラメータを決
めておくと、パージ完了後、ノズルを金型に当接させた
段階で急激にノズル温度が降下してしまう場合がある。
これは、金型の設定温度がノズルの設定温度よりもかな
り低く、しかも、金型を形成している金属の比熱が大き
いため、この金型によってノズルの熱が奪われてしまう
ためである。
には、ノズルを金型から離間させた状態でパージ作業を
行う必要があるが、このときノズルの温度が適正になる
ように温度調節器のフィードバック制御パラメータを決
めておくと、パージ完了後、ノズルを金型に当接させた
段階で急激にノズル温度が降下してしまう場合がある。
これは、金型の設定温度がノズルの設定温度よりもかな
り低く、しかも、金型を形成している金属の比熱が大き
いため、この金型によってノズルの熱が奪われてしまう
ためである。
【0004】このまま射出成形作業を開始してしまう
と、前述したノズルの温度低下のためにノズル詰まりや
ショートショット等のトラブルが発生する危険があるの
で、ノズルと金型との間で熱平衡が達成されるまでの相
当の時間に亘って射出成形作業の開始を待たなければな
らない。
と、前述したノズルの温度低下のためにノズル詰まりや
ショートショット等のトラブルが発生する危険があるの
で、ノズルと金型との間で熱平衡が達成されるまでの相
当の時間に亘って射出成形作業の開始を待たなければな
らない。
【0005】このような問題を解消するため、ノズルを
金型から離間させた状態で予めノズルの温度を高めに設
定しておくことで、ノズルと金型との接触によって生じ
るノズル温度の低下(適正温度を基準とする温度低下)
を防止するようにした温度制御方法が提案されている。
しかし、ノズルを金型から離間させた状態でノズルの温
度を必要以上に高く設定しておくと、ノズルに充填され
ている溶融樹脂に焼けや分解等の異常が生じる恐れがあ
り、また、高温化によって樹脂の粘性が通常よりも低く
なっている関係上、射出シリンダを前進させてノズルを
金型に接触させるまでの間にノズルから樹脂が漏れ出し
てしまうといった危険もある。溶融樹脂に焼けや分解等
の異常が生じれば正常な射出成形作業を行うことはでき
ない。また、ノズルを金型に接触させるまでの間にノズ
ルから漏れ出した樹脂が分解して固化したままノズルの
先端に付着してしまうと、ノズルタッチが不完全となっ
てノズルと金型スプルーとの間に間隙が生じるため、定
常的な樹脂漏れを生じる恐れがある。更に、固化した樹
脂が強力なノズルタッチ力によって挟み込まれるため、
ノズルやスプルーの当接面に凹状の傷が生じる場合があ
り、こうなってしまうと、これらの部品を交換しない限
り樹脂漏れを解消することはできなくなる。また、凹状
の傷を生じたまま射出成形機を使用すれば、樹脂漏れに
よるショートショットを原因とする成形不良が発生し、
場合によっては、漏れ出た樹脂が付着することによって
ノズル部分のバンドヒータおよび熱電対に破損等が生じ
る場合もある。
金型から離間させた状態で予めノズルの温度を高めに設
定しておくことで、ノズルと金型との接触によって生じ
るノズル温度の低下(適正温度を基準とする温度低下)
を防止するようにした温度制御方法が提案されている。
しかし、ノズルを金型から離間させた状態でノズルの温
度を必要以上に高く設定しておくと、ノズルに充填され
ている溶融樹脂に焼けや分解等の異常が生じる恐れがあ
り、また、高温化によって樹脂の粘性が通常よりも低く
なっている関係上、射出シリンダを前進させてノズルを
金型に接触させるまでの間にノズルから樹脂が漏れ出し
てしまうといった危険もある。溶融樹脂に焼けや分解等
の異常が生じれば正常な射出成形作業を行うことはでき
ない。また、ノズルを金型に接触させるまでの間にノズ
ルから漏れ出した樹脂が分解して固化したままノズルの
先端に付着してしまうと、ノズルタッチが不完全となっ
てノズルと金型スプルーとの間に間隙が生じるため、定
常的な樹脂漏れを生じる恐れがある。更に、固化した樹
脂が強力なノズルタッチ力によって挟み込まれるため、
ノズルやスプルーの当接面に凹状の傷が生じる場合があ
り、こうなってしまうと、これらの部品を交換しない限
り樹脂漏れを解消することはできなくなる。また、凹状
の傷を生じたまま射出成形機を使用すれば、樹脂漏れに
よるショートショットを原因とする成形不良が発生し、
場合によっては、漏れ出た樹脂が付着することによって
ノズル部分のバンドヒータおよび熱電対に破損等が生じ
る場合もある。
【0006】また、連続成形作業に都合がいいように、
金型のスプルーにノズルを接触させた状態でノズルの温
度が適正になるように温度調節器のフィードバック制御
パラメータを決めておくと、パージ等の際にスプルーブ
レイク動作を行って金型からノズルを離間させたときに
ノズルの温度が上昇し、ノズルに充填されている溶融樹
脂に焼けや分解等の異常が生じる危険がある。
金型のスプルーにノズルを接触させた状態でノズルの温
度が適正になるように温度調節器のフィードバック制御
パラメータを決めておくと、パージ等の際にスプルーブ
レイク動作を行って金型からノズルを離間させたときに
ノズルの温度が上昇し、ノズルに充填されている溶融樹
脂に焼けや分解等の異常が生じる危険がある。
【0007】スプルーブレイク時とノズルタッチ時とに
分けてノズル温度の設定値を変えることで各状態におけ
る最終的なノズル温度が適正値となるように制御する方
法もあるが、やはり、各々の状態でノズルの温度が安定
するまでには相当の時間を要し、問題が残る。
分けてノズル温度の設定値を変えることで各状態におけ
る最終的なノズル温度が適正値となるように制御する方
法もあるが、やはり、各々の状態でノズルの温度が安定
するまでには相当の時間を要し、問題が残る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の欠点を解消し、ノズル詰まり,樹脂焼け,樹
脂の分解等の異常を生じたり、スプルーブレイク動作中
にノズルから樹脂が漏れ出したりすることがなく、ノズ
ルタッチ時およびスプルーブレイ時の各々においてノズ
ルの温度を適正な値に安定的に保持することのできる射
出成形機のノズル温度制御方法を提供することにある。
従来技術の欠点を解消し、ノズル詰まり,樹脂焼け,樹
脂の分解等の異常を生じたり、スプルーブレイク動作中
にノズルから樹脂が漏れ出したりすることがなく、ノズ
ルタッチ時およびスプルーブレイ時の各々においてノズ
ルの温度を適正な値に安定的に保持することのできる射
出成形機のノズル温度制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、金型から離間
したノズルの放熱特性に適合する第1のフィードバック
制御パラメータと、金型に当接したノズルの放熱特性に
適合する第2のフィードバック制御パラメータとを予め
記憶しておき、射出成形作業中のスプルーブレイク動作
およびノズルタッチ動作に応動して、前記第1のフィー
ドバック制御パラメータまたは前記第2のフィードバッ
ク制御パラメータの内、対応するフィードバック制御パ
ラメータを温度調節器に自動設定する構成により前記目
的を達成した。
したノズルの放熱特性に適合する第1のフィードバック
制御パラメータと、金型に当接したノズルの放熱特性に
適合する第2のフィードバック制御パラメータとを予め
記憶しておき、射出成形作業中のスプルーブレイク動作
およびノズルタッチ動作に応動して、前記第1のフィー
ドバック制御パラメータまたは前記第2のフィードバッ
ク制御パラメータの内、対応するフィードバック制御パ
ラメータを温度調節器に自動設定する構成により前記目
的を達成した。
【0010】また、スプルーブレイク状態およびノズル
タッチ状態でフィードバック制御パラメータをオートチ
ューニングすることで前記第1のフィードバック制御パ
ラメータおよび前記第2のフィードバック制御パラメー
タを求めることにより、金型から離間したノズルの放熱
特性や金型に当接したノズルの放熱特性に適合する第
1,第2のフィードバック制御パラメータを適確に決め
られるようにした。
タッチ状態でフィードバック制御パラメータをオートチ
ューニングすることで前記第1のフィードバック制御パ
ラメータおよび前記第2のフィードバック制御パラメー
タを求めることにより、金型から離間したノズルの放熱
特性や金型に当接したノズルの放熱特性に適合する第
1,第2のフィードバック制御パラメータを適確に決め
られるようにした。
【0011】更に、金型の設定温度または金型の設定温
度とノズルの設定温度との差に対応して前記第1のフィ
ードバック制御パラメータおよび前記第2のフィードバ
ック制御パラメータを複数記憶し、金型の設定温度また
は金型の設定温度とノズルの設定温度との差に対応して
前記第1のフィードバック制御パラメータおよび前記第
2のフィードバック制御パラメータを選択することによ
り、金型およびノズルの設定温度に応じた最適なフィー
ドバック制御を行えるようにした。
度とノズルの設定温度との差に対応して前記第1のフィ
ードバック制御パラメータおよび前記第2のフィードバ
ック制御パラメータを複数記憶し、金型の設定温度また
は金型の設定温度とノズルの設定温度との差に対応して
前記第1のフィードバック制御パラメータおよび前記第
2のフィードバック制御パラメータを選択することによ
り、金型およびノズルの設定温度に応じた最適なフィー
ドバック制御を行えるようにした。
【0012】
【作用】金型,射出シリンダ,ノズルの各ヒータを設定
温度に加熱した後、スプルーブレイク状態でオートチュ
ーニングを行い、金型から離間したノズルの放熱特性に
適合するフィードバック制御パラメータを求め、この値
を第1のフィードバック制御パラメータとして記憶す
る。同様に、ノズルタッチ状態でオートチューニングを
行い、金型に当接したノズルの放熱特性に適合するフィ
ードバック制御パラメータを求め、この値を第2のフィ
ードバック制御パラメータとして記憶する。
温度に加熱した後、スプルーブレイク状態でオートチュ
ーニングを行い、金型から離間したノズルの放熱特性に
適合するフィードバック制御パラメータを求め、この値
を第1のフィードバック制御パラメータとして記憶す
る。同様に、ノズルタッチ状態でオートチューニングを
行い、金型に当接したノズルの放熱特性に適合するフィ
ードバック制御パラメータを求め、この値を第2のフィ
ードバック制御パラメータとして記憶する。
【0013】更に、金型の設定温度または金型の設定温
度とノズルの設定温度との差の条件が複数ある場合に
は、前記と同様にして各条件毎に第1のフィードバック
制御パラメータと第2のフィードバック制御パラメータ
とを求め、各条件つまり金型の設定温度または金型の設
定温度とノズルの設定温度との差に対応させて、第1,
第2のフィードバック制御パラメータを記憶する。
度とノズルの設定温度との差の条件が複数ある場合に
は、前記と同様にして各条件毎に第1のフィードバック
制御パラメータと第2のフィードバック制御パラメータ
とを求め、各条件つまり金型の設定温度または金型の設
定温度とノズルの設定温度との差に対応させて、第1,
第2のフィードバック制御パラメータを記憶する。
【0014】温度調節器は、金型の設定温度または金型
の設定温度とノズルの設定温度との差に対応して前記第
1のフィードバック制御パラメータおよび前記第2のフ
ィードバック制御パラメータを選択し、スプルーブレイ
ク動作中は前記第1のフィードバック制御パラメータに
よって、また、ノズルタッチ動作中は前記第2のフィー
ドバック制御パラメータによってノズル温度をフィード
バック制御する。
の設定温度とノズルの設定温度との差に対応して前記第
1のフィードバック制御パラメータおよび前記第2のフ
ィードバック制御パラメータを選択し、スプルーブレイ
ク動作中は前記第1のフィードバック制御パラメータに
よって、また、ノズルタッチ動作中は前記第2のフィー
ドバック制御パラメータによってノズル温度をフィード
バック制御する。
【0015】スプルーブレイク動作中は金型から離間し
たノズルの放熱特性に適合するパラメータによってノズ
ル温度のフィードバック制御が行われ、また、ノズルタ
ッチ動作中は金型に当接したノズルの放熱特性に適合す
るパラメータによってノズル温度のフィードバック制御
が行われるようになるので、ノズルがスプルーから離間
している時もノズルがスプルーに接触している時も、ア
ンダーシュートやオーバーシュートを生じることなく、
ノズル温度を設定温度に安定的に保持することができ
る。
たノズルの放熱特性に適合するパラメータによってノズ
ル温度のフィードバック制御が行われ、また、ノズルタ
ッチ動作中は金型に当接したノズルの放熱特性に適合す
るパラメータによってノズル温度のフィードバック制御
が行われるようになるので、ノズルがスプルーから離間
している時もノズルがスプルーに接触している時も、ア
ンダーシュートやオーバーシュートを生じることなく、
ノズル温度を設定温度に安定的に保持することができ
る。
【0016】また、金型から離間したノズルの放熱特性
に適合した第1のフィードバック制御パラメータと金型
に当接したノズルの放熱特性に適合した第2のフィード
バック制御パラメータとによりノズルの放熱特性に応じ
た温度制御が行われるので、ノズルがスプルーブレイク
状態からノズルタッチ状態に移行して放熱量が増大した
場合であってもノズルの温度が急激に下降してノズル詰
まりが発生するといった心配がなく、また、ノズルタッ
チ状態からスプルーブレイク状態に移行して放熱量が減
少した場合であってもノズルの温度が必要以上に上昇し
て樹脂焼けや樹脂の分解、および、粘性の低下による樹
脂の漏れ出しが発生しない。この結果、ノズルの先端は
常に清浄に保たれ、分解固化した樹脂の付着によるノズ
ルやスプルーの損傷、および、これを原因とする樹脂漏
れによるバンドヒータおよび熱電対の破損等も未然に防
止される。
に適合した第1のフィードバック制御パラメータと金型
に当接したノズルの放熱特性に適合した第2のフィード
バック制御パラメータとによりノズルの放熱特性に応じ
た温度制御が行われるので、ノズルがスプルーブレイク
状態からノズルタッチ状態に移行して放熱量が増大した
場合であってもノズルの温度が急激に下降してノズル詰
まりが発生するといった心配がなく、また、ノズルタッ
チ状態からスプルーブレイク状態に移行して放熱量が減
少した場合であってもノズルの温度が必要以上に上昇し
て樹脂焼けや樹脂の分解、および、粘性の低下による樹
脂の漏れ出しが発生しない。この結果、ノズルの先端は
常に清浄に保たれ、分解固化した樹脂の付着によるノズ
ルやスプルーの損傷、および、これを原因とする樹脂漏
れによるバンドヒータおよび熱電対の破損等も未然に防
止される。
【0017】
【実施例】図1は本発明を適用した一実施例の射出成形
機の要部を示すブロック図である。図1において、符号
33は固定プラテン,符号32は可動プラテン,符号3
9は射出シリンダ,符号38はスクリューであり、射出
シリンダ39にはバンドヒータ34および温度検出手段
としての熱電対37が設けられている。バンドヒータ3
4および熱電対37は射出シリンダ39の各部を個別に
温度制御すべく長手方向に複数組設けられ、射出シリン
ダ39先端のノズル44にも同様にしてバンドヒータ3
5および熱電対36が設けられている。図1ではノズル
44のバンドヒータ35の温度をP(比例),I(積
分),D(微分)フィードバック制御する温度調節器4
3についてのみ示しているが、射出シリンダ39各部の
バンドヒータ34および熱電対37や金型50に設けら
れた棒ヒータおよび熱電対に対しても同様の温度調節器
43が各々個別に配備されている。
機の要部を示すブロック図である。図1において、符号
33は固定プラテン,符号32は可動プラテン,符号3
9は射出シリンダ,符号38はスクリューであり、射出
シリンダ39にはバンドヒータ34および温度検出手段
としての熱電対37が設けられている。バンドヒータ3
4および熱電対37は射出シリンダ39の各部を個別に
温度制御すべく長手方向に複数組設けられ、射出シリン
ダ39先端のノズル44にも同様にしてバンドヒータ3
5および熱電対36が設けられている。図1ではノズル
44のバンドヒータ35の温度をP(比例),I(積
分),D(微分)フィードバック制御する温度調節器4
3についてのみ示しているが、射出シリンダ39各部の
バンドヒータ34および熱電対37や金型50に設けら
れた棒ヒータおよび熱電対に対しても同様の温度調節器
43が各々個別に配備されている。
【0018】可動プラテン32は型締用サーボモータM
1の軸出力により、ボールナット&スクリューやトグル
機構等によって構成される駆動変換装置31を介してタ
イバー(図示せず)に沿って移動される。また、スクリ
ュー38はボールナット&スクリューおよびボス&セレ
ーション等によって構成される駆動変換装置41や射出
用サーボモータM2により軸方向に移動される一方、歯
車機構42や計量回転用サーボモータM3で構成される
駆動機構により、軸方向の移動と独立して計量混練のた
めの回転運動が行われる。
1の軸出力により、ボールナット&スクリューやトグル
機構等によって構成される駆動変換装置31を介してタ
イバー(図示せず)に沿って移動される。また、スクリ
ュー38はボールナット&スクリューおよびボス&セレ
ーション等によって構成される駆動変換装置41や射出
用サーボモータM2により軸方向に移動される一方、歯
車機構42や計量回転用サーボモータM3で構成される
駆動機構により、軸方向の移動と独立して計量混練のた
めの回転運動が行われる。
【0019】射出成形機の制御装置10は、数値制御用
のマイクロプロセッサであるCNC用CPU25,プロ
グラマブルマシンコントローラ用のマイクロプロセッサ
であるPMC用CPU18,サーボ制御用のマイクロプ
ロセッサであるサーボCPU20および射出保圧圧力や
スクリュー背圧のサンプリング処理を行うための圧力モ
ニタ用CPU17を有し、バス22を介して相互の入出
力を選択することにより各マイクロプロセッサ間での情
報伝達が行えるようになっている。
のマイクロプロセッサであるCNC用CPU25,プロ
グラマブルマシンコントローラ用のマイクロプロセッサ
であるPMC用CPU18,サーボ制御用のマイクロプ
ロセッサであるサーボCPU20および射出保圧圧力や
スクリュー背圧のサンプリング処理を行うための圧力モ
ニタ用CPU17を有し、バス22を介して相互の入出
力を選択することにより各マイクロプロセッサ間での情
報伝達が行えるようになっている。
【0020】PMC用CPU18には射出成形機のシー
ケンス動作を制御するシーケンスプログラム等を記憶し
たROM13および演算データの一時記憶等に用いられ
るRAM14が接続され、CNC用CPU25には、射
出成形機を全体的に制御するプログラム等を記憶したR
OM27および演算データの一時記憶等に用いられるR
AM28が接続されている。
ケンス動作を制御するシーケンスプログラム等を記憶し
たROM13および演算データの一時記憶等に用いられ
るRAM14が接続され、CNC用CPU25には、射
出成形機を全体的に制御するプログラム等を記憶したR
OM27および演算データの一時記憶等に用いられるR
AM28が接続されている。
【0021】サーボCPU20および圧力モニタ用CP
U17の各々には、サーボ制御専用の制御プログラムを
格納したROM21やデータの一時記憶に用いられるR
AM19、および、成形データのサンプリング処理等に
関する制御プログラムを格納したROM11やデータの
一時記憶に用いられるRAM12が接続されている。
U17の各々には、サーボ制御専用の制御プログラムを
格納したROM21やデータの一時記憶に用いられるR
AM19、および、成形データのサンプリング処理等に
関する制御プログラムを格納したROM11やデータの
一時記憶に用いられるRAM12が接続されている。
【0022】そして、サーボCPU20には、該CPU
20からの指令に基いてエジェクタ用,スプルーブレイ
ク用(以上、図示せず)および型締用,射出用,スクリ
ュー回転用等の各軸のサーボモータを駆動するサーボア
ンプ15が接続され、型締用サーボモータM1に配備し
たパルスコーダP1および射出用サーボモータM2に配
備したパルスコーダP2等からの出力の各々がサーボC
PU20に帰還され、パルスコーダP1からのフィード
バックパルスに基いてサーボCPU20により算出され
た可動プラテン32の現在位置やパルスコーダP2から
のフィードバックパルスに基いて算出されたスクリュー
38の現在位置および現在速度等がRAM19の現在位
置記憶レジスタおよび現在速度記憶レジスタの各々に記
憶されるようになっている。
20からの指令に基いてエジェクタ用,スプルーブレイ
ク用(以上、図示せず)および型締用,射出用,スクリ
ュー回転用等の各軸のサーボモータを駆動するサーボア
ンプ15が接続され、型締用サーボモータM1に配備し
たパルスコーダP1および射出用サーボモータM2に配
備したパルスコーダP2等からの出力の各々がサーボC
PU20に帰還され、パルスコーダP1からのフィード
バックパルスに基いてサーボCPU20により算出され
た可動プラテン32の現在位置やパルスコーダP2から
のフィードバックパルスに基いて算出されたスクリュー
38の現在位置および現在速度等がRAM19の現在位
置記憶レジスタおよび現在速度記憶レジスタの各々に記
憶されるようになっている。
【0023】圧力モニタ用CPU17は、スクリュー3
8の基部に設けられた圧力検出器40およびA/D変換
器16を介して射出保圧圧力やスクリュー背圧のサンプ
リング処理を行う。
8の基部に設けられた圧力検出器40およびA/D変換
器16を介して射出保圧圧力やスクリュー背圧のサンプ
リング処理を行う。
【0024】不揮発性メモリ(RAM)24は射出成形
作業に関する成形条件(射出保圧条件,計量条件等)と
各種設定値,マクロ変数等を従来と同様にして記憶する
成形データ保存用のメモリであり、更に、本実施例にお
いては、スプルーブレイク状態におけるノズル44の放
熱特性に適合する第1のフィードバック制御パラメータ
(P,I,Dの各ゲイン)やノズルタッチ状態における
ノズル44の放熱特性に適合する第2のフィードバック
制御パラメータ(P,I,Dの各ゲイン)が該不揮発性
メモリ24のファイルに記憶されるようになっている。
作業に関する成形条件(射出保圧条件,計量条件等)と
各種設定値,マクロ変数等を従来と同様にして記憶する
成形データ保存用のメモリであり、更に、本実施例にお
いては、スプルーブレイク状態におけるノズル44の放
熱特性に適合する第1のフィードバック制御パラメータ
(P,I,Dの各ゲイン)やノズルタッチ状態における
ノズル44の放熱特性に適合する第2のフィードバック
制御パラメータ(P,I,Dの各ゲイン)が該不揮発性
メモリ24のファイルに記憶されるようになっている。
【0025】図5に示すのは金型50の設定温度に対応
して第1,第2のフィードバック制御パラメータを記憶
させた場合の例で、例えば、a℃未満の金型設定温度に
対しては第1のフィードバック制御のゲイン等のパラメ
ータB11と第2のフィードバック制御のゲイン等のパ
ラメータA11が、また、a℃以上b℃未満の金型設定
温度に対しては第1のフィードバック制御パラメータB
12と第2のフィードバック制御パラメータA12が対
応するようになっている。一方、図6は金型50の設定
温度とノズル44の設定温度との差に対応して第1,第
2のフィードバック制御パラメータを記憶させた場合の
例で、例えば、Δa℃未満の差に対しては第1のフィー
ドバック制御パラメータB21と第2のフィードバック
制御パラメータA21が、また、Δa℃以上Δb℃未満
の差に対しては第1のフィードバック制御パラメータB
22と第2のフィードバック制御パラメータA22が対
応するようになっている。なお、図5および図6に示す
ファイルは同一の金型50に対して使用対象樹脂の種類
を変えて射出成形作業を行う場合に生じる適正金型温度
もしくは適正金型温度と適正ノズル温度との差の変化に
対処するためのものであって、構造および大きさ(質
量)や材質の異なる金型50に対処するためのものでは
ない。構造および大きさ(質量)や材質の異なる複数の
金型50に対処する場合には、図5または図6に示すよ
うなファイルが金型50の数だけ必要である。但し、構
造および大きさ(質量)や材質が異なる金型50であっ
ても、例えば、比熱は大きいが大きさ(質量は)は小さ
いというように、様々な相殺的効果によって最終的な放
熱特性が類似するものであれば、同じファイルを利用す
ることも可能である。
して第1,第2のフィードバック制御パラメータを記憶
させた場合の例で、例えば、a℃未満の金型設定温度に
対しては第1のフィードバック制御のゲイン等のパラメ
ータB11と第2のフィードバック制御のゲイン等のパ
ラメータA11が、また、a℃以上b℃未満の金型設定
温度に対しては第1のフィードバック制御パラメータB
12と第2のフィードバック制御パラメータA12が対
応するようになっている。一方、図6は金型50の設定
温度とノズル44の設定温度との差に対応して第1,第
2のフィードバック制御パラメータを記憶させた場合の
例で、例えば、Δa℃未満の差に対しては第1のフィー
ドバック制御パラメータB21と第2のフィードバック
制御パラメータA21が、また、Δa℃以上Δb℃未満
の差に対しては第1のフィードバック制御パラメータB
22と第2のフィードバック制御パラメータA22が対
応するようになっている。なお、図5および図6に示す
ファイルは同一の金型50に対して使用対象樹脂の種類
を変えて射出成形作業を行う場合に生じる適正金型温度
もしくは適正金型温度と適正ノズル温度との差の変化に
対処するためのものであって、構造および大きさ(質
量)や材質の異なる金型50に対処するためのものでは
ない。構造および大きさ(質量)や材質の異なる複数の
金型50に対処する場合には、図5または図6に示すよ
うなファイルが金型50の数だけ必要である。但し、構
造および大きさ(質量)や材質が異なる金型50であっ
ても、例えば、比熱は大きいが大きさ(質量は)は小さ
いというように、様々な相殺的効果によって最終的な放
熱特性が類似するものであれば、同じファイルを利用す
ることも可能である。
【0026】ディスプレイ付手動データ入力装置29は
CRT表示回路26を介してバス22に接続され、各種
設定画面の表示やデータの入力操作等が各種ファンクシ
ョンキーやテンキーおよびカーソル移動キー等によって
行われるようになっている。
CRT表示回路26を介してバス22に接続され、各種
設定画面の表示やデータの入力操作等が各種ファンクシ
ョンキーやテンキーおよびカーソル移動キー等によって
行われるようになっている。
【0027】そして、PMC用CPU18が射出成形機
各軸のシーケンス制御を行う一方、CNC用CPU25
がROM27の制御プログラムに基いて各軸のサーボモ
ータに対してパルス分配を行い、サーボCPU20は各
軸に対してパルス分配された移動指令とパルスコーダP
1,P2等の検出器で検出された位置のフィードバック
信号および速度のフィードバック信号に基いて、従来と
同様に位置ループ制御,速度ループ制御さらには電流ル
ープ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるディジタルサ
ーボ処理を実行する。また、射出成形機の本体に設けら
れた手動操作盤(図示せず)からの指令により前述の各
軸、および、射出シリンダ39を固設したエクストルー
ダーベースのスプルーブレイク用モータを制御し、各軸
を独立して駆動する。
各軸のシーケンス制御を行う一方、CNC用CPU25
がROM27の制御プログラムに基いて各軸のサーボモ
ータに対してパルス分配を行い、サーボCPU20は各
軸に対してパルス分配された移動指令とパルスコーダP
1,P2等の検出器で検出された位置のフィードバック
信号および速度のフィードバック信号に基いて、従来と
同様に位置ループ制御,速度ループ制御さらには電流ル
ープ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるディジタルサ
ーボ処理を実行する。また、射出成形機の本体に設けら
れた手動操作盤(図示せず)からの指令により前述の各
軸、および、射出シリンダ39を固設したエクストルー
ダーベースのスプルーブレイク用モータを制御し、各軸
を独立して駆動する。
【0028】バンドヒータ35,34によるノズル44
および射出シリンダ39各部の温度制御は、各部の熱電
対36および37でフィードバックされるノズル44お
よび射出シリンダ39各部の実温度とPMC用CPU1
8により入出力回路23を介して温度調節器43毎に設
定された不揮発性メモリ24の設定目標温度との関係に
基き、各々の温度調節器43がPIDフィードバック制
御を行うことにより従来と同様にして実現される。ま
た、各部の熱電対36および37で検出されるノズル4
4および射出シリンダ39各部の実温度は入出力回路2
3を介してPMC用CPU18に読み込まれるようにな
っている。棒ヒータおよび熱電対による金型50の温度
制御も、これと同様である。
および射出シリンダ39各部の温度制御は、各部の熱電
対36および37でフィードバックされるノズル44お
よび射出シリンダ39各部の実温度とPMC用CPU1
8により入出力回路23を介して温度調節器43毎に設
定された不揮発性メモリ24の設定目標温度との関係に
基き、各々の温度調節器43がPIDフィードバック制
御を行うことにより従来と同様にして実現される。ま
た、各部の熱電対36および37で検出されるノズル4
4および射出シリンダ39各部の実温度は入出力回路2
3を介してPMC用CPU18に読み込まれるようにな
っている。棒ヒータおよび熱電対による金型50の温度
制御も、これと同様である。
【0029】温度調節器43のうち、少なくとも、ノズ
ル44の温度を制御する温度調節器43は、P(比
例),I(積分),D(微分)の各動作のゲイン等のパ
ラメータの値を自動的にチューニングするいわゆるオー
トチューニング機能を有しており、指令手段としてのP
MC用CPU18から入出力回路23を介して与えられ
るオートチューニング指令により、この機能が自動的に
起動されるようになっている。温度調節器43のオート
チューニングに用いる方式はどのようなものであっても
よいが、例えば、ジーグラ・ニコルスにより提案されて
いる調整則を適用したステップ応答法を利用することが
できる。この方式によれば、操作量100%の立上り
時、若しくは、0%の立下り時に検出される応答波形の
傾きの最大値によりプリ設定値が自動的に決定されるの
で、オートチューニングの実行に際してPMC用CPU
18の側で行わければならない処理というものはなく、
PMC用CPU18は、単に、温度調節器43に対して
オートチューニング指令を出力するだけでよい。
ル44の温度を制御する温度調節器43は、P(比
例),I(積分),D(微分)の各動作のゲイン等のパ
ラメータの値を自動的にチューニングするいわゆるオー
トチューニング機能を有しており、指令手段としてのP
MC用CPU18から入出力回路23を介して与えられ
るオートチューニング指令により、この機能が自動的に
起動されるようになっている。温度調節器43のオート
チューニングに用いる方式はどのようなものであっても
よいが、例えば、ジーグラ・ニコルスにより提案されて
いる調整則を適用したステップ応答法を利用することが
できる。この方式によれば、操作量100%の立上り
時、若しくは、0%の立下り時に検出される応答波形の
傾きの最大値によりプリ設定値が自動的に決定されるの
で、オートチューニングの実行に際してPMC用CPU
18の側で行わければならない処理というものはなく、
PMC用CPU18は、単に、温度調節器43に対して
オートチューニング指令を出力するだけでよい。
【0030】前述した第1,第2のフィードバック制御
パラメータは、温度調節器43のオートチューニング機
能を利用することにより、極めて簡単かつ確実に求める
ことができる。つまり、前述の温度制御により、ノズル
44および射出シリンダ39の各部と金型50の温度
を、不揮発性メモリ24に成形条件として記憶されてい
る各々の設定温度に一致させ、その後、スプルーブレイ
ク状態でノズル44の温度調節器43に対してオートチ
ューニング指令を出力してPID制御のパラメータを自
動調整させ、その結果を、金型50から離間したノズル
44の放熱特性に適合した第1のフィードバック制御パ
ラメータとして不揮発性メモリ24のファイルに記憶さ
せるのである。同様に、金型50に当接したノズル44
の放熱特性に適合した第2のフィードバック制御パラメ
ータを求める際には、ノズルタッチ状態で温度調節器4
3に対してオートチューニング指令を出力してPID制
御のパラメータを自動調整させ、その結果を、第2のフ
ィードバック制御パラメータとして不揮発性メモリ24
のファイルに記憶させればよいのである。
パラメータは、温度調節器43のオートチューニング機
能を利用することにより、極めて簡単かつ確実に求める
ことができる。つまり、前述の温度制御により、ノズル
44および射出シリンダ39の各部と金型50の温度
を、不揮発性メモリ24に成形条件として記憶されてい
る各々の設定温度に一致させ、その後、スプルーブレイ
ク状態でノズル44の温度調節器43に対してオートチ
ューニング指令を出力してPID制御のパラメータを自
動調整させ、その結果を、金型50から離間したノズル
44の放熱特性に適合した第1のフィードバック制御パ
ラメータとして不揮発性メモリ24のファイルに記憶さ
せるのである。同様に、金型50に当接したノズル44
の放熱特性に適合した第2のフィードバック制御パラメ
ータを求める際には、ノズルタッチ状態で温度調節器4
3に対してオートチューニング指令を出力してPID制
御のパラメータを自動調整させ、その結果を、第2のフ
ィードバック制御パラメータとして不揮発性メモリ24
のファイルに記憶させればよいのである。
【0031】なお、図5のファイルからも明らかなよう
に、金型50の温度の高低によって放熱特性に適合した
第1,第2のフィードバック制御パラメータの値は変わ
るものであるから、これらのパラメータを求める際には
金型50やシリンダ39の温度を適確に制御して設定温
度を再現するようにしなければならない。また、金型5
0に棒ヒータや熱電対等が設けられていない場合では金
型50の温度を積極的に制御することはできない。従っ
て、このような場合には、ノズル44および射出シリン
ダ39各部の温度を設定温度に制御して相当の時間に亘
り射出成形作業を連続的に行うことにより金型50の温
度を熱平衡の状態に維持し、その時の金型50の温度を
測定して金型温度の設定温度として記憶し、前記と同様
の作業を行って金型設定温度に対する第1,第2のフィ
ードバック制御パラメータの値を求めることになる。
に、金型50の温度の高低によって放熱特性に適合した
第1,第2のフィードバック制御パラメータの値は変わ
るものであるから、これらのパラメータを求める際には
金型50やシリンダ39の温度を適確に制御して設定温
度を再現するようにしなければならない。また、金型5
0に棒ヒータや熱電対等が設けられていない場合では金
型50の温度を積極的に制御することはできない。従っ
て、このような場合には、ノズル44および射出シリン
ダ39各部の温度を設定温度に制御して相当の時間に亘
り射出成形作業を連続的に行うことにより金型50の温
度を熱平衡の状態に維持し、その時の金型50の温度を
測定して金型温度の設定温度として記憶し、前記と同様
の作業を行って金型設定温度に対する第1,第2のフィ
ードバック制御パラメータの値を求めることになる。
【0032】更に、金型50の設定温度の幅毎に第1,
第2のフィードバック制御パラメータの値を求める場合
(図5の例)、または、金型50の設定温度とノズル4
4の設定温度との差の幅毎に第1,第2のフィードバッ
ク制御パラメータの値を求める場合(図6の例)では、
金型50の温度やノズル44の温度を各々の条件に見合
った状態に保持して前記と同様に第1,第2のフィード
バック制御パラメータの値を求め、各々の条件、つま
り、金型50の設定温度の幅や金型50の設定温度とノ
ズル44の設定温度との差の幅に対応させて第1,第2
のフィードバック制御パラメータの値を不揮発性メモリ
24のファイルに記憶させる。
第2のフィードバック制御パラメータの値を求める場合
(図5の例)、または、金型50の設定温度とノズル4
4の設定温度との差の幅毎に第1,第2のフィードバッ
ク制御パラメータの値を求める場合(図6の例)では、
金型50の温度やノズル44の温度を各々の条件に見合
った状態に保持して前記と同様に第1,第2のフィード
バック制御パラメータの値を求め、各々の条件、つま
り、金型50の設定温度の幅や金型50の設定温度とノ
ズル44の設定温度との差の幅に対応させて第1,第2
のフィードバック制御パラメータの値を不揮発性メモリ
24のファイルに記憶させる。
【0033】なお、手動で実験的に第1,第2のフィー
ドバック制御パラメータを求めることができるのであれ
ば、必ずしもオートチューニングは必要としない。
ドバック制御パラメータを求めることができるのであれ
ば、必ずしもオートチューニングは必要としない。
【0034】図2はPMC用CPU18によるシーケン
ス制御の概略を1成形サイクルに亘って示すフローチャ
ートである。次に、ノズル44および金型50と射出シ
リンダ39の各部がバンドヒータ34および35等の加
熱操作により既に成形可能温度にまで加熱され、1サイ
クルの半自動運転もしくは連続運転が開始されているも
のとして、本実施例におけるノズル44の温度制御につ
いて説明する。
ス制御の概略を1成形サイクルに亘って示すフローチャ
ートである。次に、ノズル44および金型50と射出シ
リンダ39の各部がバンドヒータ34および35等の加
熱操作により既に成形可能温度にまで加熱され、1サイ
クルの半自動運転もしくは連続運転が開始されているも
のとして、本実施例におけるノズル44の温度制御につ
いて説明する。
【0035】1成形サイクルのシーケンス制御を開始し
たPMC用CPU18は、まず、CNC用CPU25に
型閉指令を出力し、型締用サーボモータM1を駆動制御
させて従来と同様の型閉および型締の工程を行わせた後
(ステップA1)、CNC用CPU25にノズルタッチ
指令を出力して図示しないスプレーブレイク用モータを
駆動させ、射出シリンダ39の前進を開始させる(ステ
ップA2)。そして、PMC用CPU18は、不揮発性
メモリ24に実行対象として記憶されている成形条件か
ら設定金型温度を読み込み、この金型温度に対応する第
2のフィードバック制御パラメータA1iを図5のファ
イルから読み出し、入出力回路23を介してノズル制御
用の温度調節器43にセットする(ステップA3)。こ
れにより、温度調節器43のPIDパラメータは、金型
50から離間したノズル44の放熱特性に適合した第1
のフィードバック制御パラメータB1iから、金型50
に当接したノズル44の放熱特性に適合した第2のフィ
ードバック制御パラメータA1iへと自動的に切り替え
られることになる。
たPMC用CPU18は、まず、CNC用CPU25に
型閉指令を出力し、型締用サーボモータM1を駆動制御
させて従来と同様の型閉および型締の工程を行わせた後
(ステップA1)、CNC用CPU25にノズルタッチ
指令を出力して図示しないスプレーブレイク用モータを
駆動させ、射出シリンダ39の前進を開始させる(ステ
ップA2)。そして、PMC用CPU18は、不揮発性
メモリ24に実行対象として記憶されている成形条件か
ら設定金型温度を読み込み、この金型温度に対応する第
2のフィードバック制御パラメータA1iを図5のファ
イルから読み出し、入出力回路23を介してノズル制御
用の温度調節器43にセットする(ステップA3)。こ
れにより、温度調節器43のPIDパラメータは、金型
50から離間したノズル44の放熱特性に適合した第1
のフィードバック制御パラメータB1iから、金型50
に当接したノズル44の放熱特性に適合した第2のフィ
ードバック制御パラメータA1iへと自動的に切り替え
られることになる。
【0036】なお、図6のように金型50の設定温度と
ノズル44の設定温度との差に対応して第1,第2のフ
ィードバック制御パラメータを記憶させたファイルを利
用する場合では、金型50の設定温度とノズル44の設
定温度との差を予め実行対象となる成形条件の一部とし
て不揮発性メモリ24に記憶させておき、この値に基い
て図6のファイルを検索して第2のフィードバック制御
パラメータA2iを求めて温度調節器43にセットする
か、または、実行対象となる成形条件として記憶されて
いる金型50の設定温度とノズル44の設定温度とから
その差を改めて求め、この差に基いて図6のファイルを
検索して第2のフィードバック制御パラメータA2iを
温度調節器43にセットすることになる(以上、図6の
ファイルを利用した場合におけるステップA3の処
理)。
ノズル44の設定温度との差に対応して第1,第2のフ
ィードバック制御パラメータを記憶させたファイルを利
用する場合では、金型50の設定温度とノズル44の設
定温度との差を予め実行対象となる成形条件の一部とし
て不揮発性メモリ24に記憶させておき、この値に基い
て図6のファイルを検索して第2のフィードバック制御
パラメータA2iを求めて温度調節器43にセットする
か、または、実行対象となる成形条件として記憶されて
いる金型50の設定温度とノズル44の設定温度とから
その差を改めて求め、この差に基いて図6のファイルを
検索して第2のフィードバック制御パラメータA2iを
温度調節器43にセットすることになる(以上、図6の
ファイルを利用した場合におけるステップA3の処
理)。
【0037】フィードバック制御パラメータの切り替え
が実際の温度制御に影響を与えるようになるまでの間に
はある程度の時間が必要とされるが、フィードバック制
御パラメータの切り替えは既にノズルタッチ指令の出力
直後に行われているので、ノズルタッチが完了するまで
の間には、フィードバック制御パラメータの切り替えに
よる効果が十分に現れることになる(ステップA4)。
従って、ノズル44が金型50のスプルーに実際に当接
する段階では放熱量の増大に適応したフィードバック制
御が既に開始されており、金型50との接触によってノ
ズル44の温度が不用意に低下することはない。これに
より、ノズル詰まりやショートショットの発生といった
事故が未然に防止される。
が実際の温度制御に影響を与えるようになるまでの間に
はある程度の時間が必要とされるが、フィードバック制
御パラメータの切り替えは既にノズルタッチ指令の出力
直後に行われているので、ノズルタッチが完了するまで
の間には、フィードバック制御パラメータの切り替えに
よる効果が十分に現れることになる(ステップA4)。
従って、ノズル44が金型50のスプルーに実際に当接
する段階では放熱量の増大に適応したフィードバック制
御が既に開始されており、金型50との接触によってノ
ズル44の温度が不用意に低下することはない。これに
より、ノズル詰まりやショートショットの発生といった
事故が未然に防止される。
【0038】次いで、PMC用CPU18は、CNC用
CPU25に射出指令を出力して射出用サーボモータM
2を駆動制御させ、従来と同様の射出および保圧工程の
処理を行わせた後(ステップA5,ステップA6)、射
出用サーボモータM2で樹脂に所定の背圧を印加させた
状態でスクリュー回転用サーボモータM3によりスクリ
ュー38を回転させ、従来と同様の計量混練動作を行わ
せた後(ステップA7)、CNC用CPU25にスプル
ーブレイク指令を出力して図示しないスプルーブレイク
用モータを駆動させ、射出シリンダ39の後退を開始さ
せる(ステップA8)。そして、PMC用CPU18
は、不揮発性メモリ24に実行対象として記憶されてい
る成形条件から設定金型温度を読み込み、この金型温度
に対応する第1のフィードバック制御パラメータB1i
を図5のファイルから読み出し、入出力回路23を介し
てノズル制御用の温度調節器43にセットする(ステッ
プA9)。これにより、温度調節器43のPIDパラメ
ータは、金型50に当接したノズル44の放熱特性に適
合した第2のフィードバック制御パラメータA1iから
金型50と離間したノズル44の放熱特性に適合した第
1のフィードバック制御パラメータB1iへと自動的に
切り替えられることになる。
CPU25に射出指令を出力して射出用サーボモータM
2を駆動制御させ、従来と同様の射出および保圧工程の
処理を行わせた後(ステップA5,ステップA6)、射
出用サーボモータM2で樹脂に所定の背圧を印加させた
状態でスクリュー回転用サーボモータM3によりスクリ
ュー38を回転させ、従来と同様の計量混練動作を行わ
せた後(ステップA7)、CNC用CPU25にスプル
ーブレイク指令を出力して図示しないスプルーブレイク
用モータを駆動させ、射出シリンダ39の後退を開始さ
せる(ステップA8)。そして、PMC用CPU18
は、不揮発性メモリ24に実行対象として記憶されてい
る成形条件から設定金型温度を読み込み、この金型温度
に対応する第1のフィードバック制御パラメータB1i
を図5のファイルから読み出し、入出力回路23を介し
てノズル制御用の温度調節器43にセットする(ステッ
プA9)。これにより、温度調節器43のPIDパラメ
ータは、金型50に当接したノズル44の放熱特性に適
合した第2のフィードバック制御パラメータA1iから
金型50と離間したノズル44の放熱特性に適合した第
1のフィードバック制御パラメータB1iへと自動的に
切り替えられることになる。
【0039】スプルーブレイクの際にも前述したノズル
タッチの場合と同様、図6のようなファイルを利用して
いる場合では、金型50の設定温度とノズル44の設定
温度との差を予め不揮発性メモリ24に成形条件として
記憶させておき、この値に基いて図6のファイルを検索
して第1のフィードバック制御パラメータB2iを求め
て温度調節器43にセットするか、または、実行対象と
なる成形条件として記憶されている金型50の設定温度
とノズル44の設定温度とからその差を改めて求め、こ
の差に基いて図6のファイルを検索して第1のフィード
バック制御パラメータB2iを温度調節器43にセット
することになる(以上、図6のファイルを利用した場合
におけるステップA9の処理)。
タッチの場合と同様、図6のようなファイルを利用して
いる場合では、金型50の設定温度とノズル44の設定
温度との差を予め不揮発性メモリ24に成形条件として
記憶させておき、この値に基いて図6のファイルを検索
して第1のフィードバック制御パラメータB2iを求め
て温度調節器43にセットするか、または、実行対象と
なる成形条件として記憶されている金型50の設定温度
とノズル44の設定温度とからその差を改めて求め、こ
の差に基いて図6のファイルを検索して第1のフィード
バック制御パラメータB2iを温度調節器43にセット
することになる(以上、図6のファイルを利用した場合
におけるステップA9の処理)。
【0040】前述した通り、フィードバック制御パラメ
ータの切り替えが実際の温度制御に影響を与えるように
なるまでの間にはある程度の時間が必要とされるが、フ
ィードバック制御パラメータの切り替えは既にスプルー
ブレイク指令の出力直後に行われているので、実際に金
型50からノズル44が離間するするまでの間には、フ
ィードバック制御パラメータの切り替えによる効果が十
分に現れることになる(ステップA10)。従って、ノ
ズル44が金型50のスプルーから実際に離間する段階
では放熱量の減少に適応したフィードバック制御が既に
開始されており、金型50との離間によってノズル44
の温度が不用意に上昇することはない。これにより、ノ
ズル44部分の樹脂焼けや分解、および、粘性の低下に
よる樹脂漏れの発生といった事故が未然に防止される。
ータの切り替えが実際の温度制御に影響を与えるように
なるまでの間にはある程度の時間が必要とされるが、フ
ィードバック制御パラメータの切り替えは既にスプルー
ブレイク指令の出力直後に行われているので、実際に金
型50からノズル44が離間するするまでの間には、フ
ィードバック制御パラメータの切り替えによる効果が十
分に現れることになる(ステップA10)。従って、ノ
ズル44が金型50のスプルーから実際に離間する段階
では放熱量の減少に適応したフィードバック制御が既に
開始されており、金型50との離間によってノズル44
の温度が不用意に上昇することはない。これにより、ノ
ズル44部分の樹脂焼けや分解、および、粘性の低下に
よる樹脂漏れの発生といった事故が未然に防止される。
【0041】なお、スプルーブレイク用モータを駆動さ
せても直ちに射出シリンダ39が後退しないのは、射出
シリンダ39の取付け枠となるエクストルーダーベース
とスプルーブレイク用モータを駆動源としてエクストル
ーダーベースを前後退させる直線駆動軸の押圧板との間
にコイルスプリング等の蓄勢手段が設けられているから
である。つまり、スプルーブレイク用モータを駆動させ
て押圧板を後退させても、コイルスプリング等が自然長
に復帰して蓄勢手段の蓄勢が解除されるまで、要する
に、押圧板が所定量後退するまでの間はエクストルーダ
ーベースおよび射出シリンダ39が後退しないからであ
る(必要とあらば特開平6−285909等の構成を参
照のこと)。
せても直ちに射出シリンダ39が後退しないのは、射出
シリンダ39の取付け枠となるエクストルーダーベース
とスプルーブレイク用モータを駆動源としてエクストル
ーダーベースを前後退させる直線駆動軸の押圧板との間
にコイルスプリング等の蓄勢手段が設けられているから
である。つまり、スプルーブレイク用モータを駆動させ
て押圧板を後退させても、コイルスプリング等が自然長
に復帰して蓄勢手段の蓄勢が解除されるまで、要する
に、押圧板が所定量後退するまでの間はエクストルーダ
ーベースおよび射出シリンダ39が後退しないからであ
る(必要とあらば特開平6−285909等の構成を参
照のこと)。
【0042】スプルーブレイク動作の完了後、PMC用
CPU18はCNC用CPU25に型開指令を出力して
型締用サーボモータM1を駆動制御して従来と同様の型
開工程を開始させた後(ステップA11)、型開動作と
適宜関連させてエジェクタ用のサーボモータを駆動して
製品の離型操作を行わせる(ステップA12)。その
後、PMC用CPU18は、この成形サイクルが半自動
運転のものであるか自動運転のものであるかを判定し
(ステップA13)、自動運転であれば再びステップA
1に復帰して前記と同様の成形サイクルのシーケンスを
繰り返し実行し、また、半自動運転であれば、成形運転
に関する処理を終了することになる。
CPU18はCNC用CPU25に型開指令を出力して
型締用サーボモータM1を駆動制御して従来と同様の型
開工程を開始させた後(ステップA11)、型開動作と
適宜関連させてエジェクタ用のサーボモータを駆動して
製品の離型操作を行わせる(ステップA12)。その
後、PMC用CPU18は、この成形サイクルが半自動
運転のものであるか自動運転のものであるかを判定し
(ステップA13)、自動運転であれば再びステップA
1に復帰して前記と同様の成形サイクルのシーケンスを
繰り返し実行し、また、半自動運転であれば、成形運転
に関する処理を終了することになる。
【0043】上述の実施例では、PMC用CPU18か
らのノズルタッチ指令やスプルーブレイク指令の出力を
検出することにより、実際のノズルタッチやスプルーブ
レイクの完了前にフィードバック制御パラメータの切り
替えを行うようにしたものを例に挙げて説明したが、ノ
ズルタッチの完了を検知してON(またはOFF)とな
るリミットスイッチ等を設けてPMC用CPU18によ
り所定周期毎にリミットスイッチ等のON/OFFを検
出し、このリミットスイッチ等がON(またはOFF)
である間は温度調節器43に第2のフィードバック制御
パラメータをセットし、また、OFF(またはON)で
ある間は第1のフィードバック制御パラメータをセット
するようにしてもよい。なお、設定金型温度や設定金型
温度とノズル44の設定温度との差に対応して第1,第
2のフィードバック制御のパラメータを選択する点は前
記と同様である。
らのノズルタッチ指令やスプルーブレイク指令の出力を
検出することにより、実際のノズルタッチやスプルーブ
レイクの完了前にフィードバック制御パラメータの切り
替えを行うようにしたものを例に挙げて説明したが、ノ
ズルタッチの完了を検知してON(またはOFF)とな
るリミットスイッチ等を設けてPMC用CPU18によ
り所定周期毎にリミットスイッチ等のON/OFFを検
出し、このリミットスイッチ等がON(またはOFF)
である間は温度調節器43に第2のフィードバック制御
パラメータをセットし、また、OFF(またはON)で
ある間は第1のフィードバック制御パラメータをセット
するようにしてもよい。なお、設定金型温度や設定金型
温度とノズル44の設定温度との差に対応して第1,第
2のフィードバック制御のパラメータを選択する点は前
記と同様である。
【0044】また、パージ等を実施する場合には射出成
形機の手動操作盤に設けられた手動操作スイッチにより
射出シリンダ39を前後退させてノズルタッチやスプル
ーブレイク動作を行わせることになるが、この手動操作
スイッチはオペレータによってスイッチが操作される間
だけスプルーブレイク用モータを駆動して射出シリンダ
39を前後退させるものに過ぎず、従って、手動操作ス
イッチからのシリンダ前進指令やシリンダ後退指令のみ
に基いて第1,第2のフィードバック制御パラメータを
選択することはできない。これは、シリンダ前進用の手
動操作スイッチが操作されたからといっても、必ずしも
ノズル44が金型50のスプルーに当接するまでこのス
イッチが操作され続けるとは限らないからである。例え
ば、シリンダ後退用の手動操作スイッチを操作して射出
シリンダ39を限界位置まで後退させてからシリンダ前
進用の手動操作スイッチを操作し、射出シリンダ39を
後退限度から或る程度前進させた状態でそのまま放置す
るといったことがあるが、このような場合、シリンダ前
進用の手動操作スイッチの操作を検出して自動的にフィ
ードバック制御パラメータを第1のフィードバック制御
パラメータから第2のフィードバック制御パラメータに
切り替えるようにしてしまうと、ノズル44の放熱が実
際には少ないにも関わらず放熱が多い場合の状態に対処
するためのフィードバック制御が行われてしまうことに
なるので、樹脂焼けや分解および樹脂漏れ等が発生する
危険がある。
形機の手動操作盤に設けられた手動操作スイッチにより
射出シリンダ39を前後退させてノズルタッチやスプル
ーブレイク動作を行わせることになるが、この手動操作
スイッチはオペレータによってスイッチが操作される間
だけスプルーブレイク用モータを駆動して射出シリンダ
39を前後退させるものに過ぎず、従って、手動操作ス
イッチからのシリンダ前進指令やシリンダ後退指令のみ
に基いて第1,第2のフィードバック制御パラメータを
選択することはできない。これは、シリンダ前進用の手
動操作スイッチが操作されたからといっても、必ずしも
ノズル44が金型50のスプルーに当接するまでこのス
イッチが操作され続けるとは限らないからである。例え
ば、シリンダ後退用の手動操作スイッチを操作して射出
シリンダ39を限界位置まで後退させてからシリンダ前
進用の手動操作スイッチを操作し、射出シリンダ39を
後退限度から或る程度前進させた状態でそのまま放置す
るといったことがあるが、このような場合、シリンダ前
進用の手動操作スイッチの操作を検出して自動的にフィ
ードバック制御パラメータを第1のフィードバック制御
パラメータから第2のフィードバック制御パラメータに
切り替えるようにしてしまうと、ノズル44の放熱が実
際には少ないにも関わらず放熱が多い場合の状態に対処
するためのフィードバック制御が行われてしまうことに
なるので、樹脂焼けや分解および樹脂漏れ等が発生する
危険がある。
【0045】そこで、本実施例においては、前述のリミ
ットスイッチによる機構を利用することにより、半自動
運転および自動運転以外のモード、つまり、手動操作の
モードにおいては、ノズルタッチの完了を検知してON
となるリミットスイッチからの信号を検出し、その態様
に基いて第1,第2のフィードバック制御パラメータを
選択するようにしている。
ットスイッチによる機構を利用することにより、半自動
運転および自動運転以外のモード、つまり、手動操作の
モードにおいては、ノズルタッチの完了を検知してON
となるリミットスイッチからの信号を検出し、その態様
に基いて第1,第2のフィードバック制御パラメータを
選択するようにしている。
【0046】図3に示すのが、手動運転モードにおいて
PMC用CPU18が所定周期毎に繰り返し実施する処
理の概略である。手動運転モードへの切り替えを検出し
てこの処理を開始したPMC用CPU18は、まず、リ
ミットスイッチがONとなっているか否か、つまり、ノ
ズル44が金型50のスプルーに接触しているか否かを
判別する(ステップB1)。リミットスイッチがONと
なっていれば、更に、PMC用CPU18は、第2パラ
メータ選択フラグFがセットされているか否か、つま
り、ノズル44の温度調節器43に第2のフィードバッ
ク制御パラメータがセットされているか否かを判別する
(ステップB2)。ここで、フラグFがセットされてい
れば、温度調節器43には、既に、大きな放熱に適した
第2のフィードバック制御パラメータがセットされてい
るのでこのままでよいが、フラグFがセットされていな
ければ、フィードバック制御パラメータの切り替えが行
われていないことを意味するので、図3に示すステップ
A3と同様の処理を行って、金型温度(または温度差)
に対応する第2のフィードバック制御パラメータA1i
(またはA2i)を入出力回路23を介して温度調節器
43にセットし(ステッブB3)、第2パラメータ選択
フラグFをセットする(ステップB4)。
PMC用CPU18が所定周期毎に繰り返し実施する処
理の概略である。手動運転モードへの切り替えを検出し
てこの処理を開始したPMC用CPU18は、まず、リ
ミットスイッチがONとなっているか否か、つまり、ノ
ズル44が金型50のスプルーに接触しているか否かを
判別する(ステップB1)。リミットスイッチがONと
なっていれば、更に、PMC用CPU18は、第2パラ
メータ選択フラグFがセットされているか否か、つま
り、ノズル44の温度調節器43に第2のフィードバッ
ク制御パラメータがセットされているか否かを判別する
(ステップB2)。ここで、フラグFがセットされてい
れば、温度調節器43には、既に、大きな放熱に適した
第2のフィードバック制御パラメータがセットされてい
るのでこのままでよいが、フラグFがセットされていな
ければ、フィードバック制御パラメータの切り替えが行
われていないことを意味するので、図3に示すステップ
A3と同様の処理を行って、金型温度(または温度差)
に対応する第2のフィードバック制御パラメータA1i
(またはA2i)を入出力回路23を介して温度調節器
43にセットし(ステッブB3)、第2パラメータ選択
フラグFをセットする(ステップB4)。
【0047】また、ステップB1の判別結果が偽となっ
た場合、つまり、リミットスイッチがOFFとなってお
りノズル44が金型50のスプルーから離れていること
が確認された場合には、PMC用CPU18は、第2パ
ラメータ選択フラグFがリセットされているか否かを判
別する(ステップB5)。ここで、フラグFが既にリセ
ットされていれば、ノズル44の温度調節器43には、
既に、僅かな放熱に適した第1のフィードバック制御パ
ラメータがセットされているのでこのままでよいが、フ
ラグFがリセットされていなければ、フィードバック制
御パラメータの切り替えが行われていないことを意味す
るので、図3に示すステップA9と同様の処理を行っ
て、金型温度(または温度差)に対応する第1のフィー
ドバック制御パラメータB1i(またはB2i)を入出
力回路23を介してノズル制御用の温度調節器43にセ
ットし(ステッブB6)、第2パラメータ選択フラグF
をリセットする(ステップB7)。
た場合、つまり、リミットスイッチがOFFとなってお
りノズル44が金型50のスプルーから離れていること
が確認された場合には、PMC用CPU18は、第2パ
ラメータ選択フラグFがリセットされているか否かを判
別する(ステップB5)。ここで、フラグFが既にリセ
ットされていれば、ノズル44の温度調節器43には、
既に、僅かな放熱に適した第1のフィードバック制御パ
ラメータがセットされているのでこのままでよいが、フ
ラグFがリセットされていなければ、フィードバック制
御パラメータの切り替えが行われていないことを意味す
るので、図3に示すステップA9と同様の処理を行っ
て、金型温度(または温度差)に対応する第1のフィー
ドバック制御パラメータB1i(またはB2i)を入出
力回路23を介してノズル制御用の温度調節器43にセ
ットし(ステッブB6)、第2パラメータ選択フラグF
をリセットする(ステップB7)。
【0048】結果的に、ノズル44が金型50のスプル
ーに接触していれば温度調節器43には大きな放熱に適
した第2のフィードバック制御パラメータA1i(また
はA2i)がセットされ、また、ノズル44が金型50
のスプルーから離れていれば温度調節器43には小さな
放熱に適した第1のフィードバック制御パラメータB1
i(またはB2i)がセットされることになる。実際の
ノズルタッチやスプルーブレイクの完了に先んじてフィ
ードバック制御パラメータの切り替えを行うことによっ
て生じる効果は失われるが、図3に示した処理を半自動
運転時および自動運転時のPMC用CPU18の背景処
理として従来のシーケンス制御と同時に実施することに
より、図2に示した実施例と略同等の作用効果を得るこ
とができる。なお、ここでいう従来のシーケンス制御と
は図2の処理からステップA3およびステップA9の処
理を取り除いたものと同じである。
ーに接触していれば温度調節器43には大きな放熱に適
した第2のフィードバック制御パラメータA1i(また
はA2i)がセットされ、また、ノズル44が金型50
のスプルーから離れていれば温度調節器43には小さな
放熱に適した第1のフィードバック制御パラメータB1
i(またはB2i)がセットされることになる。実際の
ノズルタッチやスプルーブレイクの完了に先んじてフィ
ードバック制御パラメータの切り替えを行うことによっ
て生じる効果は失われるが、図3に示した処理を半自動
運転時および自動運転時のPMC用CPU18の背景処
理として従来のシーケンス制御と同時に実施することに
より、図2に示した実施例と略同等の作用効果を得るこ
とができる。なお、ここでいう従来のシーケンス制御と
は図2の処理からステップA3およびステップA9の処
理を取り除いたものと同じである。
【0049】以上の実施例では、図5もしくは図6に示
すようなファイルに金型50やノズル44の設定温度に
応じた第1,第2のフィードバック制御パラメータを複
数記憶させ、成形条件として記憶された各部の温度に従
って第1,第2のフィードバック制御パラメータを選択
するようにした例について述べたが、射出成形作業の開
始に先立ってその都度第1,第2のフィードバック制御
パラメータを求めるようにするならば、これらのファイ
ルは必要ない。図5に示すのがその場合の処理の概略を
示すフローチャートである。
すようなファイルに金型50やノズル44の設定温度に
応じた第1,第2のフィードバック制御パラメータを複
数記憶させ、成形条件として記憶された各部の温度に従
って第1,第2のフィードバック制御パラメータを選択
するようにした例について述べたが、射出成形作業の開
始に先立ってその都度第1,第2のフィードバック制御
パラメータを求めるようにするならば、これらのファイ
ルは必要ない。図5に示すのがその場合の処理の概略を
示すフローチャートである。
【0050】この場合、射出成形作業の開始に先立ち、
オペレータは、まず、ノズル44および射出シリンダ3
9の各部と金型50のヒータに電源を投入してその温度
を射出成形作業に見合った温度に安定させる。その後、
射出成形機の手動操作盤に設けられた手動操作スイッチ
を操作して射出シリンダ39を移動させ、ノズル44を
スプルーブレイク状態もしくはノズルタッチ状態とし、
ディスプレイ付手動データ入力装置29のファンクショ
ンキーを操作してPMC用CPU18に図4に示すよう
な適正パラメータ設定処理を開始させることになる。
オペレータは、まず、ノズル44および射出シリンダ3
9の各部と金型50のヒータに電源を投入してその温度
を射出成形作業に見合った温度に安定させる。その後、
射出成形機の手動操作盤に設けられた手動操作スイッチ
を操作して射出シリンダ39を移動させ、ノズル44を
スプルーブレイク状態もしくはノズルタッチ状態とし、
ディスプレイ付手動データ入力装置29のファンクショ
ンキーを操作してPMC用CPU18に図4に示すよう
な適正パラメータ設定処理を開始させることになる。
【0051】適正パラメータ設定処理を開始したPMC
用CPU18は、まず、ノズル44用の温度調節器43
にオートチューニング指令を出力して温度調節器43に
PID制御に関するパラメータの自動調整作業を開始さ
せ(ステップC1)、その後、温度調節器43からのオ
ートチューニング完了信号の入力を待つ待機状態に入る
(ステップC2)。そして、パラメータの自動調整を完
了した温度調節器43がオートチューニング完了信号を
出力すると、PMC用CPU18はステップC2の判別
処理でこれを検出し、前述のオートチューニング処理に
より温度調節器43に自動設定されたパラメータの値を
入出力回路23を介して読み込む(ステップC3)。そ
して、PMC用CPU18は、ノズル44がスプルーブ
レイク状態にあるかノズルタッチ状態にあるかを判別し
(ステップC4)、スプルーブレイク状態であれば、今
回読み込んだPID制御パラメータを第1のフィードバ
ック制御パラメータとしてレジスタBに格納し(ステッ
プC6)、また、ノズルタッチ状態であれば、今回読み
込んだPID制御パラメータを第2のフィードバック制
御パラメータとしてレジスタAに格納する(ステップC
5)。
用CPU18は、まず、ノズル44用の温度調節器43
にオートチューニング指令を出力して温度調節器43に
PID制御に関するパラメータの自動調整作業を開始さ
せ(ステップC1)、その後、温度調節器43からのオ
ートチューニング完了信号の入力を待つ待機状態に入る
(ステップC2)。そして、パラメータの自動調整を完
了した温度調節器43がオートチューニング完了信号を
出力すると、PMC用CPU18はステップC2の判別
処理でこれを検出し、前述のオートチューニング処理に
より温度調節器43に自動設定されたパラメータの値を
入出力回路23を介して読み込む(ステップC3)。そ
して、PMC用CPU18は、ノズル44がスプルーブ
レイク状態にあるかノズルタッチ状態にあるかを判別し
(ステップC4)、スプルーブレイク状態であれば、今
回読み込んだPID制御パラメータを第1のフィードバ
ック制御パラメータとしてレジスタBに格納し(ステッ
プC6)、また、ノズルタッチ状態であれば、今回読み
込んだPID制御パラメータを第2のフィードバック制
御パラメータとしてレジスタAに格納する(ステップC
5)。
【0052】ノズル44がスプルーブレイク状態にある
かノズルタッチ状態にあるかは、前述したノズルタッチ
検知用のリミットスイッチ等によりPMC用CPU18
の側で自動的に検出することができる。また、最初の操
作でノズル44をスプルーブレイク状態もしくはノズル
タッチ状態としたオペレータ自らが、適正パラメータ設
定処理の開始に先立ってレジスタAまたはレジスタBの
いずれか一方をPMC用CPU18に手動で指定するよ
うにしてもよい。
かノズルタッチ状態にあるかは、前述したノズルタッチ
検知用のリミットスイッチ等によりPMC用CPU18
の側で自動的に検出することができる。また、最初の操
作でノズル44をスプルーブレイク状態もしくはノズル
タッチ状態としたオペレータ自らが、適正パラメータ設
定処理の開始に先立ってレジスタAまたはレジスタBの
いずれか一方をPMC用CPU18に手動で指定するよ
うにしてもよい。
【0053】以上のようにしてスプルーブレイク状態ま
たはノズルタッチ状態のいずれか一方を選択してこれに
適したフィードバック制御パラメータをレジスタBまた
はレジスタAに記憶させた後、オペレータは再び手動操
作盤の手動操作スイッチを操作して射出シリンダ39を
移動させ、ノズル44をノズルタッチ状態もしくはスプ
ルーブレイク状態とし(前記と逆の態様を選択する)、
前記と同様にしてPMC用CPU18に適正パラメータ
設定処理を実行させ、得られたフィードバック制御パラ
メータをレジスタAまたはレジスタBに記憶させる。
たはノズルタッチ状態のいずれか一方を選択してこれに
適したフィードバック制御パラメータをレジスタBまた
はレジスタAに記憶させた後、オペレータは再び手動操
作盤の手動操作スイッチを操作して射出シリンダ39を
移動させ、ノズル44をノズルタッチ状態もしくはスプ
ルーブレイク状態とし(前記と逆の態様を選択する)、
前記と同様にしてPMC用CPU18に適正パラメータ
設定処理を実行させ、得られたフィードバック制御パラ
メータをレジスタAまたはレジスタBに記憶させる。
【0054】つまり、この適正パラメータ設定処理は温
度調節器43のオートチューニング機能を利用して第
1,第2のフィードバック制御パラメータを求めるため
のものであり、当然、最初に説明した実施例において金
型50の設定温度の幅毎または金型50の設定温度とノ
ズル44の設定温度との差の幅毎にファイルを作成する
際にも利用することができる。なお、本実施例において
は射出成形作業の開始に先立ってその都度第1,第2の
フィードバック制御パラメータを求めるようにしている
ので、図5または図6に示すようなファイルは必要な
く、レジスタAおよびレジスタBのみで十分である。射
出成形作業の開始に先立ってその都度第1,第2のフィ
ードバック制御パラメータを求めるようにした場合であ
っても、半自動運転時および自動運転時のノズル44の
温度制御に関しては図2に示したフローチャートをその
まま利用することができ、また、パージ作業等の際の手
動運転に際しては図3に示すようなフローチャートをそ
のまま利用することができる。但し、この場合に使用さ
れる第1,第2のフィードバック制御パラメータは1組
のみであるから、ステップA3およびステップB3では
第2のフィードバック制御パラメータを記憶したレジス
タAの値が、また、ステップA9およびステップB6で
は第1のフィードバック制御パラメータを記憶したレジ
スタBの値が利用されることになる。
度調節器43のオートチューニング機能を利用して第
1,第2のフィードバック制御パラメータを求めるため
のものであり、当然、最初に説明した実施例において金
型50の設定温度の幅毎または金型50の設定温度とノ
ズル44の設定温度との差の幅毎にファイルを作成する
際にも利用することができる。なお、本実施例において
は射出成形作業の開始に先立ってその都度第1,第2の
フィードバック制御パラメータを求めるようにしている
ので、図5または図6に示すようなファイルは必要な
く、レジスタAおよびレジスタBのみで十分である。射
出成形作業の開始に先立ってその都度第1,第2のフィ
ードバック制御パラメータを求めるようにした場合であ
っても、半自動運転時および自動運転時のノズル44の
温度制御に関しては図2に示したフローチャートをその
まま利用することができ、また、パージ作業等の際の手
動運転に際しては図3に示すようなフローチャートをそ
のまま利用することができる。但し、この場合に使用さ
れる第1,第2のフィードバック制御パラメータは1組
のみであるから、ステップA3およびステップB3では
第2のフィードバック制御パラメータを記憶したレジス
タAの値が、また、ステップA9およびステップB6で
は第1のフィードバック制御パラメータを記憶したレジ
スタBの値が利用されることになる。
【0055】
【発明の効果】本発明による射出成形機のノズル温度制
御方法は、金型から離間したノズルの放熱特性に適合す
る第1のフィードバック制御パラメータと、金型に当接
したノズルの放熱特性に適合する第2のフィードバック
制御パラメータとを予め記憶しておき、スプルーブレイ
ク動作中は金型から離間したノズルの放熱特性に適合し
た第1のフィードバック制御パラメータによって、ま
た、ノズルタッチ動作中は金型に当接したノズルの放熱
特性に適合した第2のフィードバック制御パラメータに
よってノズル温度をフィードバック制御するようにした
ので、ノズルがスプルーから離間している時もノズルが
スプルーに接触している時も、アンダーシュートやオー
バーシュートを生じることなく、ノズル温度を設定温度
に安定的に保持することができる。また、ノズルがスプ
ルーブレイク状態からノズルタッチ状態に移行して放熱
量が増大したり、ノズルタッチ状態からスプルーブレイ
ク状態に移行して放熱量が減少した場合であっても、ノ
ズルの温度が急激に下降してショートショットやノズル
詰まりが発生したり、ノズルの温度が必要以上に上昇し
て樹脂焼けや樹脂の分解、および、粘性の低下による樹
脂の漏れ出し等が発生したりすることがないので、ノズ
ルの先端は常に清浄に保たれ、分解固化した樹脂の付着
によるノズルやスプルーの損傷、および、これを原因と
する樹脂漏れによるバンドヒータおよび熱電対の破損等
も未然に防止される。
御方法は、金型から離間したノズルの放熱特性に適合す
る第1のフィードバック制御パラメータと、金型に当接
したノズルの放熱特性に適合する第2のフィードバック
制御パラメータとを予め記憶しておき、スプルーブレイ
ク動作中は金型から離間したノズルの放熱特性に適合し
た第1のフィードバック制御パラメータによって、ま
た、ノズルタッチ動作中は金型に当接したノズルの放熱
特性に適合した第2のフィードバック制御パラメータに
よってノズル温度をフィードバック制御するようにした
ので、ノズルがスプルーから離間している時もノズルが
スプルーに接触している時も、アンダーシュートやオー
バーシュートを生じることなく、ノズル温度を設定温度
に安定的に保持することができる。また、ノズルがスプ
ルーブレイク状態からノズルタッチ状態に移行して放熱
量が増大したり、ノズルタッチ状態からスプルーブレイ
ク状態に移行して放熱量が減少した場合であっても、ノ
ズルの温度が急激に下降してショートショットやノズル
詰まりが発生したり、ノズルの温度が必要以上に上昇し
て樹脂焼けや樹脂の分解、および、粘性の低下による樹
脂の漏れ出し等が発生したりすることがないので、ノズ
ルの先端は常に清浄に保たれ、分解固化した樹脂の付着
によるノズルやスプルーの損傷、および、これを原因と
する樹脂漏れによるバンドヒータおよび熱電対の破損等
も未然に防止される。
【0056】また、実際にノズルをスプルーブレイクさ
せた状態とノズルを金型に接触させた状態でフィードバ
ック制御パラメータをオートチューニングすることによ
って第1,第2のフィードバック制御パラメータを求め
るようにしているので、スプルーブレイク時の放熱特性
やノズルタッチ時の放熱特性に適合する第1,第2のフ
ィードバック制御パラメータを簡単かつ確実に得ること
ができる。
せた状態とノズルを金型に接触させた状態でフィードバ
ック制御パラメータをオートチューニングすることによ
って第1,第2のフィードバック制御パラメータを求め
るようにしているので、スプルーブレイク時の放熱特性
やノズルタッチ時の放熱特性に適合する第1,第2のフ
ィードバック制御パラメータを簡単かつ確実に得ること
ができる。
【0057】更に、金型の設定温度または金型の設定温
度とノズルの設定温度との差に対応して第1,第2のフ
ィードバック制御パラメータを複数記憶し、金型の設定
温度または金型の設定温度とノズルの設定温度との差に
対応して第1,第2のフィードバック制御パラメータを
選択するようにしているので、金型やノズルの設定温度
に応じた最適なフィードバック制御を行うことができ
る。
度とノズルの設定温度との差に対応して第1,第2のフ
ィードバック制御パラメータを複数記憶し、金型の設定
温度または金型の設定温度とノズルの設定温度との差に
対応して第1,第2のフィードバック制御パラメータを
選択するようにしているので、金型やノズルの設定温度
に応じた最適なフィードバック制御を行うことができ
る。
【図1】本発明のノズル温度制御方法を適用した一実施
例の射出成形機の要部を示すブロック図である。
例の射出成形機の要部を示すブロック図である。
【図2】同実施例の射出成形機の制御装置によるシーケ
ンス制御の概略を1成形サイクルに亘って示すフローチ
ャートである。
ンス制御の概略を1成形サイクルに亘って示すフローチ
ャートである。
【図3】リミットスイッチからの信号によってフィード
バック制御パラメータを選択する場合の処理の概略を示
すフローチャートである。
バック制御パラメータを選択する場合の処理の概略を示
すフローチャートである。
【図4】射出成形作業の都度第1,第2のフィードバッ
ク制御パラメータを求める場合の処理の概略を示すフロ
ーチャートである。
ク制御パラメータを求める場合の処理の概略を示すフロ
ーチャートである。
【図5】金型の設定温度に対応して第1,第2のフィー
ドバック制御パラメータを記憶させたファイルを示す概
念図である。
ドバック制御パラメータを記憶させたファイルを示す概
念図である。
【図6】金型の設定温度とノズルの設定温度との差に対
応して第1,第2のフィードバック制御パラメータを記
憶させたファイルを示す概念図である。
応して第1,第2のフィードバック制御パラメータを記
憶させたファイルを示す概念図である。
18 PMC用CPU 23 入出力回路 24 不揮発性メモリ 34 バンドヒータ 35 バンドヒータ 36 熱電対 37 熱電対 39 射出シリンダ 43 温度調節器 44 ノズル
Claims (3)
- 【請求項1】 ノズル温度が設定温度に一致するように
温度調節器でフィードバック制御する射出成形機のノズ
ル温度制御方法において、金型から離間したノズルの放
熱特性に適合する第1のフィードバック制御パラメータ
と、金型に当接したノズルの放熱特性に適合する第2の
フィードバック制御パラメータとを予め記憶しておき、
射出成形作業中のスプルーブレイク動作およびノズルタ
ッチ動作に応動して、前記第1のフィードバック制御パ
ラメータまたは前記第2のフィードバック制御パラメー
タの内、対応するフィードバック制御パラメータを前記
温度調節器に自動設定するようにしたことを特徴とする
射出成形機のノズル温度制御方法。 - 【請求項2】 スプルーブレイク状態およびノズルタッ
チ状態でフィードバック制御パラメータをオートチュー
ニングすることによって前記第1のフィードバック制御
パラメータおよび前記第2のフィードバック制御パラメ
ータを求めるようにしたことを特徴とする請求項1記載
の射出成形機のノズル温度制御方法。 - 【請求項3】 金型の設定温度または金型の設定温度と
ノズルの設定温度との差に対応して前記第1のフィード
バック制御パラメータおよび前記第2のフィードバック
制御パラメータを複数記憶しておき、射出成形作業中の
金型の設定温度または金型の設定温度とノズルの設定温
度との差に対応して、前記第1のフィードバック制御パ
ラメータおよび前記第2のフィードバック制御パラメー
タを選択するようにしたことを特徴とする請求項1また
は請求項2記載の射出成形機のノズル温度制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11261195A JP3567016B2 (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | 射出成形機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11261195A JP3567016B2 (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | 射出成形機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08281755A true JPH08281755A (ja) | 1996-10-29 |
JP3567016B2 JP3567016B2 (ja) | 2004-09-15 |
Family
ID=14591073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11261195A Expired - Fee Related JP3567016B2 (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | 射出成形機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3567016B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009248518A (ja) * | 2008-04-10 | 2009-10-29 | Panasonic Corp | 射出ノズル温度制御方法 |
JP2011079222A (ja) * | 2009-10-07 | 2011-04-21 | Nissei Plastics Ind Co | 射出成形機の温度制御方法 |
JP2012218409A (ja) * | 2011-04-13 | 2012-11-12 | Mazda Motor Corp | 射出成形用金型の温度制御装置 |
WO2017171044A1 (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 住友重機械工業株式会社 | 射出成形機 |
-
1995
- 1995-04-14 JP JP11261195A patent/JP3567016B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009248518A (ja) * | 2008-04-10 | 2009-10-29 | Panasonic Corp | 射出ノズル温度制御方法 |
JP2011079222A (ja) * | 2009-10-07 | 2011-04-21 | Nissei Plastics Ind Co | 射出成形機の温度制御方法 |
JP2012218409A (ja) * | 2011-04-13 | 2012-11-12 | Mazda Motor Corp | 射出成形用金型の温度制御装置 |
WO2017171044A1 (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 住友重機械工業株式会社 | 射出成形機 |
JPWO2017171044A1 (ja) * | 2016-03-31 | 2019-02-14 | 住友重機械工業株式会社 | 射出成形機 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3567016B2 (ja) | 2004-09-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5551857A (en) | Cylinder temperature controller for an injection molding machine | |
JPH07256722A (ja) | 射出成形機における射出成形制御方法 | |
JPH0661811B2 (ja) | 加熱温度制御装置 | |
EP1563982B1 (en) | Load determining device for an electrically-operated injection moliding machine | |
EP1084813B1 (en) | Excessive load detecting device for injection screw of injection molding machine | |
JPH01156032A (ja) | 射出成形機の経時後の与圧変化制御方法および射出成形機 | |
US5251146A (en) | Injection compression molding method and an apparatus therefor | |
JP5302436B1 (ja) | 射出成形機の樹脂の状態監視装置 | |
JPH06180613A (ja) | 加熱温度制御装置 | |
JP3567016B2 (ja) | 射出成形機 | |
JP3425543B2 (ja) | 射出成形方法および射出成形装置 | |
JP6173985B2 (ja) | ヒートアンドクール成形方法を実施するトグル式射出成形機の型締力調整方法 | |
JP3035524B2 (ja) | 射出成形機の制御装置 | |
JP4585371B2 (ja) | 射出成形機の制御装置 | |
JP5653599B2 (ja) | 成形条件設定画面、成形条件設定装置及び成形条件設定方法 | |
JPH0578404B2 (ja) | ||
CN113001919A (zh) | 射出成型机及其控制方法以及保存控制程序的记录介质 | |
JP3462951B2 (ja) | 射出成形機の温度制御装置 | |
JP3778988B2 (ja) | 射出成形機のノズル温度制御方法 | |
JPH02128822A (ja) | 射出成形機のモニタリングデータの最適許容値設定方法および装置 | |
JPH08207095A (ja) | 射出成形機の射出制御方法 | |
JPH09254187A (ja) | 射出成形機のスプルーブレイク制御装置 | |
JPH0780900A (ja) | 射出成形機のハナタレ防止制御方法 | |
JP2992328B2 (ja) | 電動射出成形機の保圧制御装置 | |
JP5425420B2 (ja) | 射出成形機におけるノズルの温度制御方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Effective date: 20040525 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20040614 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080618 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |