JPH08280698A - 結紮具 - Google Patents

結紮具

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JPH08280698A
JPH08280698A JP7084221A JP8422195A JPH08280698A JP H08280698 A JPH08280698 A JP H08280698A JP 7084221 A JP7084221 A JP 7084221A JP 8422195 A JP8422195 A JP 8422195A JP H08280698 A JPH08280698 A JP H08280698A
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suture
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JP7084221A
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Kunihide Kaji
国英 梶
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は構造が簡単で、且つ取扱いが簡単で、
緩みにくい体内結紮用の結び目をつくることを最も主要
な特徴とする。 【構成】ループの一部を切り欠いた略円弧形状の糸ガイ
ド部材9を備えた第1の糸保持具1と、糸ガイド部材9
にガイドされ、ループの切り欠き部側に延出される縫合
糸12により形成される擬似ループ28内に、縫合糸1
2の自由端部を把持させた処置部24を挿通させて縫合
糸12の結び目を形成する鉗子14とを設けたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特に、内視鏡の観察下に
おいて外科手術を行う内視鏡下外科手術で縫合糸による
縫合、結紮に使用される結紮具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、外科手術では、数々の血管を結
紮したり、体組織を縫い合わせる作業が通常、頻繁に行
われる。その作業中では特に、縫合糸の結び目を作る作
業に多くの時間が費やされている。
【0003】近年、内視鏡下外科手術が盛んに行われる
ようになり、モニターの画面を目視しながら血管を結紮
したり、体組織を縫い合わせる作業が行なわれている。
この場合、動きが限定される体腔内で体組織の縫合・結
紮等の作業を行うことは難しく、この操作を容易に行う
ために多くの結紮具や方法が開発されている。
【0004】また、内視鏡下外科手術において、体組織
の縫合・結紮の作業を行う場合、次の3通りの方法が従
来から一般に用いられる。その第1の方法は体外結紮で
ある。これは、対象組織下に糸を通し、体外に糸の両端
を引き出した状態で体外にて縫合糸の結び目を作り、そ
の後、フットプッシャーと呼ばれる糸送り具により、そ
の結び目を体内に送るものである。
【0005】また、第2の方法は体内結紮である。これ
は、体腔内に導入された2本の鉗子で縫合糸の結び目を
作るものである。さらに、第3の方法はクリップや、ス
テープラによる縫合・結紮である。これは、クリップ
や、ステープラを使用することにより、前述の針糸によ
る縫合・結紮の繁雑な操作を省くものである。
【0006】また、USP5,281,236とDE3
413744C2には体内結紮用の結紮具が示されてい
る。これは、縫合糸が挿通される管体がコイル状に成形
されたコイル状部材を設け、体内に挿入される細長の挿
入部の先端部にこのコイル状部材を配設し、コイル状部
材中に糸或いは針付き糸を通過させたのち、コイル状部
材から糸を抜くことにより、結び目を形成する構成にし
たものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成のものに
あっては次のような問題がある。まず、結紮作業を行う
第1の方法としての体外結紮は、その作業が面倒なもの
となる問題がある。すなわち、体外結紮の作業時にはま
ず、対象組織の裏に糸を通したのち、糸の両端を体外に
引き出し、体外にて結び目を作る。次に、その結び目を
ノットドライバと呼ばれる道具で体内に送り込み、結び
目を締める。通常はこの操作を結び目が1つ毎に逆向き
になるように、数回繰り返すことにより、男結びと呼ば
れる緩みにくい結紮を作る。
【0008】しかしながら、これらの操作は道具の持ち
替えや、出し入れが多く、かなり面倒である。加えて、
前述の通り、対象組織の裏に糸を通したのち、糸の両端
を体外に引き出す際に、対象組織が糸でこすられる問題
もある。
【0009】また、結紮作業を行う第2の方法としての
体内結紮においては、2本の鉗子を用いて行う方法が一
般的であるが、鉗子操作を限定された環境下で行わなけ
ればならないこと、奥行き感の得られないモニタ越しで
の作業であることなど、通常の開腹手術とはその環境が
大きく異なる。この為、体内結紮法では体外結紮法のよ
うに頻繁な道具の出し入れがないという利点がある反
面、技術的に難しく、かなりの熟練を要する問題があ
る。
【0010】さらに、体組織の縫合・結紮の作業を行う
第3の方法としてのクリップや、ステープラによる縫合
・結紮ではその作業に使用される装置が高価であり、ま
た体内にクリップ等の異物を残すこと、組織の種類や、
部位によっては使用できない等の問題がある。
【0011】また、USP5,281,236や、DE
3413744C2に示されている体内結紮用の結紮具
を使用して縫合糸の結び目を作る場合にはどちらの場合
も1つ目と2つ目の結び目は同じ向きに形成されてしま
う問題がある。この結び方は一般に女結びと呼ばれ、前
述の男結びに比べて緩みやすいという欠点をもち、通常
使用されることは少ない。つまり、上記従来構成の結紮
具を使用した場合には緩みやすい女結びの結び目しかつ
くれず、そのため、この結び目の緩みをカバーしようと
すれば結び目の数を多くするなどの余計な操作を加えな
ければならず、その操作が面倒なものとなる問題があ
る。
【0012】さらに、DE3413744C2の結紮具
を使用した場合にはコイル状部材のコイルの中に針付き
糸を通すことが難しい問題があるとともに、針付き糸を
コイル状部材から抜くためには結紮具全体をコイル状部
材のコイルの巻数分、回転させる必要があるので、その
操作が面倒なものとなる問題がある。
【0013】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、構造が簡単で、且つ取扱いが簡単で、
緩みにくい結び目をつくれる体内結紮用の結紮具を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は体腔内に挿入さ
れる挿入部の先端部に設けられ、ループの一部を切り欠
いた略円弧形状の糸ガイド部材を備えた第1の糸保持具
と、糸の自由端部を把持可能な把持手段を備え、前記糸
ガイド部材にガイドされ、前記ループの切り欠き部側に
延出される縫合糸により形成される擬似ループ内に、前
記縫合糸の自由端部を把持させた前記把持手段を挿通さ
せて前記縫合糸の結び目を形成する第2の糸保持具とを
具備したものである。
【0015】
【作用】縫合糸の結び目を形成する作業時には第1の糸
保持具の糸ガイド部材にガイドさせた状態で、ループの
切り欠き部側に延出させた縫合糸によって擬似ループを
形成させたのち、この縫合糸の擬似ループ内に、縫合糸
の自由端部を把持させた第2の糸保持具の把持手段を挿
通させて縫合糸の結び目を形成する。さらに、この結び
目を糸ガイド部材から脱落させ、締め込むことにより第
1結節作りが完了する。次に、縫合糸の自由端を擬似ル
ープに対し異なる方向から挿通させ、第1結節とは逆の
絡みかたをする第2結節を作ることにより、結紮強度の
大きい男結びができるようにしたものである。
【0016】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1乃至図1
6(A),(B)を参照して説明する。図1は結紮具の
第1の糸保持具1全体の概略構成を示している。この第
1の糸保持具1には体腔内に挿入される挿入部2と、こ
の挿入部2の基端部に連結された手元側のハンドル部3
とが設けられている。
【0017】また、挿入部2には細長いロッド状の軸部
4と、この軸部4の先端部に連結された先端部材5とが
設けられている。ここで、軸部4の先端面にはねじ穴6
が形成されている。さらに、先端部材5の基端部にはこ
のねじ穴6に螺着される雄ねじ部7が設けられている。
そして、先端部材5の雄ねじ部7が軸部4のねじ穴6に
着脱可能に螺着されている。
【0018】また、先端部材5には略円柱状の先端部材
本体8と、この先端部材本体8の先端部側に突設された
糸ガイド部材9とが設けられている。ここで、先端部材
本体8の先端部外周面には斜めに切欠され、視野が妨げ
られることを防止する斜面10が形成されている。さら
に、先端部材本体8の先端面には図2に示すように糸ガ
イド部材9の取付け穴11が軸心方向に沿って延設され
ている。
【0019】また、糸ガイド部材9は硬い材質の中空状
の管体によって形成されている。そして、この糸ガイド
部材9の管体には縫合糸12を挿通する第1の縫合糸通
路13が形成されている。この第1の縫合糸通路13の
内径寸法はこの第1の縫合糸通路13内に挿入される縫
合糸12の外径寸法よりも大きく設定され、内部に縫合
糸12を挿入出来るようになっている。
【0020】さらに、糸ガイド部材9には挿入部2の軸
と平行に延出された直線部9aと、この直線部9aの先
端部に配置され、ループの一部を切り欠いた略C字状の
円弧形状部9bとが設けられている。ここで、糸ガイド
部材9の直線部9aの基端部側は先端部材本体8の取付
け穴11内に挿入された状態で固着されている。
【0021】また、糸ガイド部材9のループの切欠端部
である円弧形状部9bの先端面には縫合糸12を外部側
に放出する糸放出口部13aが形成されている。ここ
で、糸ガイド部材9の円弧形状部9bは後述する鉗子
(第2の糸保持具)14を挿通することが出来るように
内径および中心角θがそれぞれ決められるが、本実施例
ではその中心角θは約270度に設定されている。
【0022】さらに、先端部材本体8側には第2の縫合
糸通路15が形成されている。この第2の縫合糸通路1
5の一端部は糸ガイド部材9の第1の縫合糸通路13に
連通され、他端部は先端部材本体8の外周面に開口され
た座ぐり穴16に連通されている。なお、第2の縫合糸
通路15は糸ガイド部材9内の第1の縫合糸通路13と
同一の内径寸法に設定されている。
【0023】そして、本実施例の結紮具で使用される縫
合糸12は糸放出口部13aから糸ガイド部材9の第1
の縫合糸通路13内に挿入されたのち、第2の縫合糸通
路15内を通り、座ぐり穴16から外部側に延出され
る。さらに、縫合糸12が適当な長さになった後、座ぐ
り穴16から外部側に延出された縫合糸12の延出端部
に結び目17をつくり、座ぐり穴16に埋没させた状態
にセットされるようになっている。なお、座ぐり穴16
は縫合糸12の結び目17よりも僅かに大きく、かつ第
2の縫合糸通路15は結び目17が通過できない大きさ
に設定されているので、縫合糸12を結び目17とは反
対側の自由端18側から引いてもこの縫合糸12が先端
部材本体8から抜けてしまうことはない。
【0024】また、図4は第1の糸保持具1と組み合わ
せて使用される鉗子14の全体構成を示すものである。
この鉗子14の構成は内視鏡下外科手術に使用されてい
るものと同じである。
【0025】すなわち、この鉗子14には体腔内に挿入
される挿入部19と、この挿入部19の基端部に連結さ
れた手元側のハンドル部20とが設けられている。ここ
で、ハンドル部20には固定ハンドル21と、この固定
ハンドル21に連結ピン22を介して回動可能に連結さ
れた可動ハンドル23とが設けられている。
【0026】また、挿入部19の先端部には処置部(把
持手段)24が配設されている。この処置部24には一
対の把持部材24a,24bが設けられている。さら
に、挿入部19にはシース25と、このシース25の内
部に配設された操作軸26とが設けられている。この操
作軸26の基端部は可動ハンドル23に連結され、先端
部は例えばリンク機構等によって形成される開閉機構を
介して把持部材24a,24bに連結されている。そし
て、ハンドル部20のハンドル操作にともない操作軸2
6がその軸心方向に沿って進退操作され、把持部材24
a,24bが開閉操作されるようになっている。
【0027】また、第1の糸保持具1における糸ガイド
部材9の円弧形状部9bは図2に示すように直線部9a
に対して適宜の傾斜角度αに屈曲されている。この傾斜
角度αは図5に示すようにこの円弧形状部9bの円弧形
状内に鉗子14の処置部24が挿入された状態で、第1
の糸保持具1の中心軸O1 と、鉗子14の挿入部19の
中心軸O2 とがなす角度をβとするとα=90°−βの
関係にすることが望ましい。なお、通常の使用状態では
円弧形状部9bの傾斜角度αは30°〜60°の範囲内
程度が適当である。
【0028】次に、上記構成の作用について説明する。
まず、第1の糸保持具1を使用する場合には図14
(A)に示すように糸ガイド部材9の円弧形状部9bの
糸放出口部13aからループの切り欠き部側に延出させ
た縫合糸12と円弧形状部9bとによって1つの擬似ル
ープ28が形成される。
【0029】続いて、鉗子14の処置部24の把持部材
24a,24b間に縫合糸12の自由端18を把持させ
た状態で、この鉗子14の処置部24を図14(B)中
に矢印で示すように縫合糸12の擬似ループ28内に挿
通させることにより、鉗子14を用いて縫合糸12の自
由端18側を擬似ループ28に通すことができる。これ
により、縫合糸12の1つの結び目が形成される。そし
て、これを糸ガイド部材9から脱落させ、締め込むこと
により、図16(A),(B)に示す第1結節29作り
が完了する。
【0030】この第1結節29作りが完了した後、第2
結節31作りが行われる。この場合には第1結節29と
は逆の絡みかたをする第2結節31を作ることにより、
結紮強度の大きい男結び32(図16(B)に示す)が
できる。ここで、1巻き以上のループ部を持つ結紮具を
使用した場合には、縫合糸12の巻き方向が決められて
しまうため、第1結節29と第2結節31とは同一方向
の絡みを持つ女結び33(図16(A)に示す)しか作
れない。
【0031】すなわち、男結び32の結び目を形成する
場合には縫合糸12の自由端18を擬似ループ28に対
し、図15(A),(B)に示すように第1結節29作
りの場合(図14(A),(B)に示す)とは異なる方
向から挿通する必要があるので、男結び32の結び目を
作るためには、糸ガイド部材9のようにループの1部を
切り欠いた円弧形状部9bを備え、縫合糸12の巻き方
向は使用時に任意に決められるようにしておくことが条
件になる。
【0032】また、この糸ガイド部材9の円弧形状部9
bであれば、この円弧形状部9bに形成された結び目
を、C字状の円弧形状部9bの切り欠き部を通してこの
円弧形状部9bから容易に脱落させることもできる。
【0033】次に、本実施例の結紮具を使用して縫合糸
12によって対象組織である血管等の管状組織27を体
内結紮する作業手順について述べる。まず、図示しない
内視鏡による観察下で、第1の糸保持具1の挿入部2を
患者の体内に挿入する。続いて、挿入部2の先端部材5
を対象組織である血管等の管状組織27に接近させる。
【0034】そして、図6に示すように、血管等の管状
組織27の剥離を行った後、管状組織27の裏側へ縫合
糸12の自由端18を通す。この状態で、第1の糸保持
具1の挿入部2を右回転させることにより、糸ガイド部
材9の円弧形状部9bの糸放出口部13aからループの
切り欠き部側に延出させた縫合糸12と円弧形状部9b
とによって擬似ループ28が形成される。このとき、縫
合糸12が糸ガイド部材9の手前にくるように注意す
る。
【0035】次に、擬似ループ28の中に鉗子14の処
置部24を通し、この処置部24の把持部材24a,2
4b間で縫合糸12の自由端18を把持させる。続い
て、鉗子14の処置部24を擬似ループ28から引き抜
くことにより、図7に示すように縫合糸12の自由端1
8を擬似ループ28内を通して外側に引き出すことがで
き、これによって1つの結び目が出来る。
【0036】この状態で、第1の糸保持具1を図7中に
矢印で示すように左方向に回転させ、結び目を糸ガイド
部材9より脱落させたのち、図8中に矢印で示すように
第1の糸保持具1と鉗子14とを交差させる方向に押出
し操作することにより、縫合糸12を十分強固に締め込
む。これにより第1結節29作りが完了する。
【0037】さらに、第1結節29作りが完了した後、
図9に示すように第1の糸保持具1の糸ガイド部材9の
円弧形状部9bと縫合糸12とによって第2の擬似ルー
プ30が形成される。このとき、縫合糸12が糸ガイド
部材9の裏側に位置するように注意する。
【0038】次に、縫合糸12の自由端18を把持させ
たままの状態で、図10に示すように鉗子14の処置部
24を第2の擬似ループ30の中に通過させる。このよ
うに鉗子14の処置部24によって縫合糸12の自由端
18を第2の擬似ループ30の中に通過させた状態で、
一旦、処置部24の把持部材24a,24bを開き、縫
合糸12の自由端18を放した後、鉗子14の処置部2
4を擬似ループ28から引き抜き、図11に示すように
第2の擬似ループ30の裏側で、処置部24の把持部材
24a,24b間で縫合糸12の自由端18を掴みなお
す。
【0039】続いて、第1結節29の場合と同様に第1
の糸保持具1を図12中に矢印で示すように左方向に回
転させ、結び目を糸ガイド部材9より脱落させたのち、
図13中に矢印で示すように第1の糸保持具1と鉗子1
4とをそれぞれ引っ張り操作することにより、結び目を
十分強固に締め込む。これにより第2結節31作りが完
了する。
【0040】ここで形成された縫合糸12の結び目は図
16(B)に示すように第1結節29と第2結節31の
糸の結び目の絡み方が逆方向である男結び32と呼ばれ
る形のものであり、図16(A)に示すように第1結節
29と第2結節31の糸の結び目の絡み方が同じ方向で
ある女結び33に比べ結紮強度が大きい。
【0041】さらに、必要に応じて前述の手順を繰り返
すことで、より強固な結び目が形成される。この手順
は、結紮対象が管状の組織ではなく、図3に示すように
縫合糸12の自由端18に縫合針34を取付けた状態で
使用して組織同士の縫合を行う場合も同様である。
【0042】なお、本実施例では糸ガイド部材9の円弧
形状部9bが手前側から見て右回りで、組織の左側から
アプローチしている場合を示したが、糸ガイド部材9の
円弧形状部9bの巻き方向、アプローチ方向は本実施例
と異なるものでも同様の作用・効果が得られる。また、
内視鏡下外科手術に使用する際は、糸ガイド部材9の円
弧形状部9bの外径は挿入部2の外径以下に設定されて
いる。
【0043】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、体内結紮用の結紮具の構造が従
来に比べて簡単で、且つ取扱いが簡単で、緩みにくい男
結び32の結び目を作ることができる。
【0044】さらに、第1の糸保持具1における糸ガイ
ド部材9の円弧形状部9bを図2に示すように直線部9
aに対して適宜の傾斜角度αに屈曲させたので、糸ガイ
ド部材9の円弧形状部9bからループの切り欠き部側に
延出させて形成された縫合糸12の擬似ループ内に鉗子
14の処置部24を容易に挿通させることができるとと
もに、糸ガイド部材9の円弧形状部9b上に形成された
結び目を容易に脱落させることができる。
【0045】また、図17〜図19は本発明の第2の実
施例を示すものである。本実施例では、第1の糸保持具
1の糸ガイド部材9における円弧形状部9bの先端部に
図18に示すように鋭利な針部41が形成されている。
そのため、図19に示すようにこの鋭利な針部41によ
って円弧形状部9bの先端を対象組織42に抵抗なく刺
入することができるようになっている。
【0046】さらに、糸ガイド部材9の糸放出口部13
aは針部41の近傍部位の外周面に形成されている。そ
のため、この糸放出口部13aから外部側に延出される
縫合糸12が円弧形状部9bの先端部の鋭利な針部41
の部分で切断されることはない。
【0047】そして、縫合糸12は糸ガイド部材9の先
端近傍の糸放出口部13aからこの糸ガイド部材9の第
1の縫合糸通路13内に挿入されたのち、先端部材本体
8の外周面の座ぐり穴16から外部側に導出され、さら
に挿入部42に沿わせた状態でハンドル部43側まで導
かれるようになっている。
【0048】また、ハンドル部3には縫合糸12を係脱
可能に係止する糸係止部43が設けられている。この糸
係止部43にはハンドル部3の上に配設された操作ノブ
44が設けられている。この操作ノブ44の前端部には
縫合糸12の挿通孔45が形成されている。さらに、こ
の操作ノブ44の下面には挿通孔45の前側に斜め下方
向に突設された突き当て部46が形成され、後端部には
摺動ガイド用の突起部47が突設されている。
【0049】また、ハンドル部3の外周面にはこのハン
ドル部3の軸心方向に平行に延設された凹陥状のガイド
溝48が形成されている。このガイド溝48内には操作
ノブ44の突起部47が挿入されているとともに、この
突起部47をガイド溝48の後端部側方向に付勢するコ
イルばね49が装着されている。
【0050】さらに、ハンドル部3の先端部には操作ノ
ブ44の突き当て部46が圧着される突き当て面50が
形成されている。そして、予め縫合糸12を操作ノブ4
4の挿通孔45に通しておくことにより、コイルばね4
9の付勢力によって操作ノブ44がガイド溝48の後端
部側方向に押圧され、操作ノブ44の突き当て部46が
ハンドル部3の突き当て面50に圧着された際に、操作
ノブ44の突き当て部46とハンドル部3の突き当て面
50との間の圧着部で縫合糸12を係止させることがで
きる。
【0051】ここで、操作ノブ44をコイルばね49の
付勢力に抗して先端方向にスライドさせることにより、
縫合糸12の係止を解除することができる。さらに、一
旦、縫合糸12の係止を解除させた場合も縫合糸12が
操作ノブ44の突き当て部46から脱落することがない
ので、係止解除後、縫合糸12を簡単に再固定すること
ができる。
【0052】したがって、操作ノブ44をコイルばね4
9の付勢力に抗して先端方向にスライドさせることによ
り、必要な長さの縫合糸12を必要に応じて糸ガイド部
材9の糸放出口部13aから引き出すことができる。そ
して、第1の糸保持具1の使用時には、ハンドル部3の
操作ノブ44で縫合糸12の後端部を固定すればよい。
【0053】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施例の結紮具の使用手順は次のようになる。まず、
第1の糸保持具1の糸放出口部13aから縫合糸12を
1〜2cm程度放出した状態で、傷創部位など縫合対象の
組織42に円弧形状部9bの鋭利な針部41を直接刺入
する。
【0054】続いて、図19に示すように円弧形状部9
bの糸放出口部13aを完全に組織42に貫通させた状
態で、糸放出口部13a近傍の縫合糸12を鉗子14の
処置部24で把持し、縫合糸12の自由端18を組織3
5より引き抜く。なお、鉗子14は第1の実施例と同じ
ものを使用する。
【0055】次に、鉗子14の処置部24で縫合糸12
の自由端18を把持したまま、糸ガイド部材9の円弧形
状部9bを組織42から抜去する。このとき、縫合糸1
2の糸放出長が短いようであれば、前述の通り、ハンド
ル部3上の操作ノブ44を先端方向にスライドさせて縫
合糸12を開放し、所望の長さに調節すればよい。
【0056】その後は、第1の実施例と全く同じ手順で
縫合糸12の結び目を作ることにより、組織42を結紮
することができる。さらに、組織42の結紮が終了した
後、結び目を残して縫合糸12を切断することにより、
第1の糸保持具1は再び初めの縫合糸12のセット状態
に戻るので、第1の糸保持具1は体内に入れたままの状
態で、体内組織42の縫合・結紮作業を何度も繰り返し
行うことができる。
【0057】また、図20(A),(B)〜図22は本
発明の第3の実施例を示すものである。図20(A)は
本実施例の結紮具の第1の糸保持具61全体の概略構成
を示すものである。
【0058】この第1の糸保持具61には体腔内に挿入
される挿入部62と、この挿入部62の基端部に連結さ
れた手元側のハンドル部63とが設けられている。ここ
で、ハンドル部63には固定ハンドル64と、この固定
ハンドル64に連結ピン65を介して回動可能に連結さ
れた可動ハンドル66とが設けられている。
【0059】また、挿入部62の先端部には糸把持部
(糸ガイド部材)67が設けられている。この糸把持部
67には固定把持部材68と、この固定把持部材68に
連結ピン69を介して回動可能に連結された可動把持部
材70とが設けられている。
【0060】さらに、挿入部62にはシース71と、こ
のシース71の内部に配設された操作軸72とが設けら
れている。この操作軸72の基端部は可動ハンドル66
側に連結され、先端部は例えばリンク機構等によって形
成される開閉機構を介して可動把持部材70に連結され
ている。そして、ハンドル部63の可動ハンドル66の
ハンドル操作にともない操作軸72がその軸心方向に沿
って進退操作され、この操作軸72の動作に連動して糸
把持部67の可動把持部材70が固定把持部材68に対
し、ピン69を中心に旋回し、開閉するようになってい
る。なお、固定ハンドル64と可動ハンドル66との間
には可動ハンドル66を開く方向に付勢する板ばね部材
66aが介設されている。
【0061】また、ハンドル部63には固定ハンドル6
4および可動ハンドル66にはそれぞれラチェット73
a,73bが突設されており、これらが噛み合うことに
よって糸把持部67が閉じた状態を維持することができ
るようになっている。
【0062】さらに、糸把持部67の固定把持部材68
および可動把持部材70にはループの一部を切り欠いた
略C字状の円弧形状部74a,74bがそれぞれ設けら
れている。そして、糸把持部67の固定把持部材68に
対し、可動把持部材70が完全に閉じた状態ではその外
形は第1の実施例の糸ガイド部材9とほぼ同じになるよ
うに設定されている。
【0063】なお、可動把持部材70が完全に閉じた状
態で、固定把持部材68と可動把持部材70との接合面
によって糸把持面75が形成されている。そして、この
糸把持面75にはメッシュ状の滑り止め溝が形成され、
把持した縫合糸12が滑らないようにしてある。
【0064】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施例の結紮具の使用手順は次のようになる。まず、
図21に示すように体腔内にて針34付の縫合糸12の
自由端18を第1の糸保持具61の糸把持部67の固定
把持部材68および可動把持部材70の先端近傍で把持
した状態で、ラチェット73a,73bを噛み合わせて
保持させる。
【0065】その状態で、鉗子14を用いて縫合対象の
組織42に針34を通す。或いは、先に組織42に針3
4を通した後、縫合糸12の自由端18を第1の糸保持
具61の糸把持部67の固定把持部材68および可動把
持部材70の先端近傍で掴むようにしてもよい。
【0066】この状態は第1の実施例で縫合糸12を糸
ガイド部材9に仕込んだ状態とほぼ等しい。そのため、
図22に示すように糸把持部67と縫合糸12とにより
形成される擬似ループ76を作れば以下、第1の実施例
と全く同じ手順で図16(B)の男結び32の結び目を
作ることができる。
【0067】本実施例の第1の糸保持具61は第1の実
施例の特徴を備え、かつ体内の組織42を把持すること
も可能であり、汎用性が高い。尚、本実施例では針34
付の縫合糸12の使用例を示したが、第1の実施例のよ
うな管状組織27の結紮を行う場合などは、縫合糸12
のみで同様の操作を行えばよい。
【0068】また、図23は本発明の第4の実施例を示
すものである。これは、第1の実施例の第1の糸保持具
1における挿入部2の先端部の構成を変更したものであ
る。すなわち、本実施例では挿入部2に配設された細長
いロッド状の軸部4の先端面にねじ穴81が形成されて
いる。さらに、糸ガイド部材9の直線部9aの基端部に
は軸部4のねじ穴81に螺着される雄ねじ部82が形成
されている。そして、糸ガイド部材9の雄ねじ部82を
軸部4のねじ穴81に螺合させることにより、糸ガイド
部材9の固定を行うようになっている。
【0069】従って、本実施例では第1の実施例のよう
に挿入部2の軸部4に着脱可能に連結される先端部材本
体8を格別に設ける必要がないので、交換部品数が少な
く、コストの面で有利である。
【0070】また、縫合糸12の固定は糸ガイド部材9
に縫合糸12を挿入した後、糸ガイド部材9の管内の第
1の縫合糸通路13よりも大きい結び目17を作ること
により行う。この結び目17は挿入部2のねじ穴81内
に埋没されるため、外観に現れない。それ以外は構造も
使用方法も第1の実施例と全く同じである。
【0071】また、図24(A),(B)は本発明の第
5の実施例を示すものである。これは、第1の実施例の
第1の糸保持具1における糸ガイド部材9を中実の糸ガ
イド部材90に変更するとともに、先端部材本体8の着
脱方法と、縫合糸12の糸ガイド部材9への固定方法を
変更したものである。
【0072】すなわち、本実施例では挿入部2の軸部4
の先端は斜めに切断された切断面4aが形成され、その
同軸延長上には切り欠き溝91をもったバネ性のあるパ
イプ92の基端部が固定されている。このパイプ92の
先端部には、先端側数ミリの長さに渡ってパイプ肉厚を
大きくした大径部93が形成されており、この大径部9
3の部分とパイプ92の他の部分との間に段差94が設
けられている。
【0073】また、先端部材本体8における挿入部2の
軸部4との接合面側にも斜めに切断された切断面8aが
形成されている。さらに、この先端部材本体8には切断
面8a側に軸部4の先端パイプ92が挿入される長穴9
5がこの先端部材本体8の同軸上に形成されている。こ
の長穴95の内底部には軸部4における先端パイプ92
の大径部93と対応する大きさ・形状の大径穴部96が
形成されている。この大径穴部96と長穴95の他の部
分との間に段差97が設けられている。
【0074】そして、挿入部2の軸部4に先端部材本体
8を取付ける場合には軸部4の先端パイプ92の大径部
93を径方向にたわませて先端部材本体8の長穴95へ
挿入することによって、挿入部2と先端部材本体8とが
同軸上に配置される。また、先端部材本体8が軸部4の
先端パイプ92側にさらに押し込まれることにより、先
端パイプ92の大径部93が先端部材本体8の大径穴部
96内に挿入され、先端パイプ92の大径部93のたわ
みが戻った状態で、先端パイプ92の大径部93が先端
部材本体8の長穴95と大径穴部96との間の段差97
に当たり、先端部材本体8の抜け止めの役割をして固定
される。
【0075】また、挿入部2の軸部4に先端部材本体8
を取付けた状態では軸部4の先端の切断面4aと先端部
材本体8の切断面8aとの間が突き当たる状態で接合さ
れるので、先端部材本体8と挿入部2との間が相対的に
回転運動するおそれもない。
【0076】また、中実の糸ガイド部材90には直線部
90aと、この直線部90aの先端部に配置され、ルー
プの一部を切り欠いた略C字状の円弧形状部90bとが
設けられている。ここで、糸ガイド部材90の直線部9
0aの基端部側は先端部材本体8に固着されている。
【0077】さらに、円弧形状部90bの先端面には図
24(B)に示すように縫合糸12を挿通する挿通穴9
8が形成されている。そして、縫合糸12はこの円弧形
状部90bの挿通穴98に通し、結び目を付けて固定さ
れるようになっている。
【0078】また、図25は本発明の第6の実施例であ
り、結紮具の第1の糸保持具101の概略構成を示すも
のである。この第1の糸保持具101には体腔内に挿入
される挿入部102と、この挿入部102の基端部に連
結された手元側のハンドル部103とが設けられてい
る。
【0079】さらに、ハンドル部103の先端面には固
定パイプ104の基端部が取付けられている。この固定
パイプ104の内部には挿入部102の軸体105が挿
入できるようになっている。
【0080】また、ハンドル部103の先端面には固定
パイプ104と同軸上にねじ穴106が形成されてい
る。このねじ穴106には挿入部102の軸体105の
基端部側に形成された雄ねじ部107が螺着されるよう
になっている。
【0081】ここで、固定パイプ104と挿入部102
の軸体105の長さは、先端部側のそれぞれの端面10
4a,105aの位置を一致させたときに、軸体105
の雄ねじ部107とハンドル部103のねじ穴106と
の間が螺合する関係に設定されている。
【0082】また、挿入部102の軸体105の先端側
には糸ガイド部材108の取付け溝109が形成されて
いる。この場合、糸ガイド部材108は硬い材質の中空
状の管体によって形成されている。そして、この糸ガイ
ド部材108の管体には直線部108aと、この直線部
108aの先端部に配置され、ループの一部を切り欠い
た略C字状の円弧形状部108bとが設けられている。
さらに、直線部108aの基端部側にはL字状に屈折さ
れた屈曲部110が形成されている。
【0083】また、軸体105の取付け溝109には糸
ガイド部材108の直線部108aが収まる長溝111
とこれに続く軸方向穴112とが形成されている。この
軸方向穴112に糸ガイド部材108の屈曲部110が
挿入されるようになっている。
【0084】そして、この第1の糸保持具101の使用
時には糸ガイド部材108に縫合糸12を挿通し、縫合
糸12の末端に結び目17を作り固定した後、糸ガイド
部材108の屈曲部109及び円弧形状部108bの直
線部108aを挿入部102の軸体105の長溝111
と軸方向穴112に入れ、さらに軸体105の雄ねじ部
107とハンドル部103のねじ穴106との間を螺合
させることによって糸ガイド部材108が取り付けられ
る。このとき、糸ガイド部材108の直線部108aは
固定パイプ104内に収容される。なお、その他、構
造、使用方法は第1の実施例と同じである。
【0085】また、図26は本発明の第7の実施例を示
すものである。これは、第1の実施例の第1の糸保持具
1における糸ガイド部材9の円弧形状部9b上の円弧の
起点部近傍及び円弧の略中間点に糸挿通穴121、12
2を設けるとともに、糸ガイド部材9が先端部材5の先
端部材本体8に固定され、着脱できない構成にしたもの
である。これ以外は第1の実施例と同じである。
【0086】そして、縫合糸12は糸放出口部13aよ
り挿入し、糸ガイド部材9の円弧形状部9b上の糸挿通
穴122から一旦、外部側に引き出し、再度同じ糸挿通
穴122に挿入する。続いて、糸挿通穴121において
も同じ操作が行われる。
【0087】そこで、上記構成のものにあっては糸ガイ
ド部材9の縫合糸通路13に複数の糸挿通穴121、1
22を設けることにより、曲がりや、折れのある縫合糸
通路13に縫合糸12をより簡単に挿通することでき
る。
【0088】また、図27および図28は本発明の第8
実施例を示すものである。これは、第1の実施例の糸ガ
イド部材9を材質が曲がり癖をもった柔軟なチューブに
よって形成された軟質な糸ガイド部材131に変更した
ものである。この糸ガイド部材131の基端部は先端部
材5の先端部材本体8に固定され、着脱できない構成に
なっている。これ以外は第1の実施例と同じである。
【0089】そこで、上記構成のものにあっては糸ガイ
ド部材131が柔軟であるため、この糸ガイド部材13
1に縫合糸12を挿通する作業は図27に示すように糸
ガイド部材131の円弧形状部9bを引っ張り、直線化
した状態で行うことができる。従って、曲がりや、折れ
のある縫合糸通路13に縫合糸12を挿通する作業を容
易に行うことができる。
【0090】さらに、図28に示すように本実施例の結
紮具を使用して縫合糸12によって血管等の管状組織2
7を体内結紮する場合には第1の糸保持具1を引っ張り
操作することにより、糸ガイド部材131の円弧形状部
9bが直線化するので、擬似ループ28に縫合糸12の
自由端18を通して作った結び目も、回転操作を行わず
に締め込むことにより、糸ガイド部材131の円弧形状
部9bから容易に脱落させることができる。
【0091】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形
実施できることは勿論である。次に、本出願の他の特徴
的な技術事項を下記の通り付記する。
【0092】記 (付記項1) 体腔内に挿入する挿入部の先端部に設け
られた円弧形状部材と、この円弧形状部材の円弧上に配
置された縫合糸とを備える結紮具において、前記円弧形
状部材と前記縫合糸により形成される擬似ループ内を、
前記縫合糸の自由端部を把持可能な把持手段を備えた鉗
子部材が挿通できるような形状に、前記円弧形状部材を
形成したことを特徴とする結紮具。
【0093】(付記項2) 体腔内に挿入する挿入部の
先端部に設けられた円弧形状部材と、この円弧形状部材
の円弧上に配置された縫合糸とを備える結紮具におい
て、前記円弧形状部材の円弧上で縫合糸を任意に固定・
解放可能な縫合糸固定解放手段を具備したことを特徴と
する結紮具。
【0094】(付記項3) 近位端と遠位端を有する細
長の挿入部と、この挿入部の遠位端に設けられた円弧形
状部材と、前記円弧形状部材の円弧上に配置された縫合
糸を備える結紮具と、前記縫合糸の自由端部を把持可能
な把持手段を備えた鉗子部材との組み合わせにおいて、
前記円弧形状部材と前記縫合糸により形成される疑似ル
ープ内を前記鉗子部材が挿通することにより特徴づけら
れる結紮具。
【0095】(付記項3の効果) 構造、取扱いともに
簡単である。緩みにくい男結びを体内で容易に作ること
が可能となる。 (付記項4) 付記項3において、前記縫合糸の先端に
針を固定したことを特徴とする結紮具。
【0096】(付記項4の効果) 体組織の縫合ができ
る。 (付記項5) 付記項3において、前記円弧形状部材が
前記挿入部より着脱可能であることを特徴とする結紮
具。
【0097】(付記項5の効果) ループ部材に予め糸
を仕込んだものを用意しておき、これを使い捨てにす
る。これにより面倒な糸の仕込みが省略でき、使用後の
交換も容易である。従って、結紮作業がスムーズに進め
られ、手術時間の短縮も図れる。また、ループ部材は他
の部分に比べて強度が小さくなる可能性があるので、交
換可能にすることにより、長期的にはコスト面でも有利
である。
【0098】(付記項6) 付記項3において、前記円
弧形状部材が形成する略平面が、前記挿入部の軸中心に
対して角度をなすことを特徴とする結紮具。 (付記項6の効果) 鉗子を結び目形成用ループに通し
やすい。さらに、結び目をループ部から脱落させるのが
容易になる(回転させれば良い)。
【0099】(付記項7) 付記項3において、前記円
弧形状部材は中空の硬い材質からなることを特徴とする
結紮具。 (付記項8) 付記項3において、前記円弧形状部材は
柔軟なチューブであり、チューブ内径は縫合糸の外径よ
りも大きいことを特徴とする結紮具。
【0100】(付記項8の効果) 破損しにくい。チュ
ーブを直線化した状態で糸を仕込むことができるので、
曲がりや折れの影響を受けずに、容易にチューブに糸を
通せる。また、結び目をループ部から脱落させるのに回
転操作は必要なく、真っ直ぐ手元側に引くことにより、
ループ部が直線化して結び目ができる。
【0101】(付記項9) 付記項7、8において、円
弧形状部材は2箇所以上の糸挿通穴を備え、糸挿通穴の
内径は縫合糸の外径よりも大きいことを特徴とする結紮
具。 (付記項9の効果) ループ部材に糸を仕込む作業は、
糸を通す距離が長いと面倒となるが、ループ部材の適当
な位置に糸挿通穴を設けることでこの距離を短くし、糸
の仕込みを容易にできる。
【0102】(付記項10) 付記項7において、円弧
形状部材は2箇所以上の糸挿通穴を備え、自由端は鋭利
である。さらに、前記円弧形状部材の内径は縫合糸外径
よりも大きいことを特徴とする結紮具。
【0103】(付記項10の効果) 付記項9と同様の
効果に加えて、一般に難しいとされる体内での針糸の操
作を行うことなく、縫合・結紮作業ができる。また、ル
ープ先端の鋭利な部分と、糸挿通路の位置をずらすこと
により、糸が切断されるのも防げる。
【0104】(付記項11) 付記項9、10におい
て、前記挿入部の近位端に縫合糸の固定手段を備えるこ
とを特徴とする結紮具。 (付記項12) 付記項9、10において、前記挿入部
の遠位端に縫合糸の固定手段を備えることを特徴とする
結紮具。
【0105】(付記項11、12の効果) 結紮に必要
な糸を供給し、近位、或いは遠位で固定することによっ
て結紮具をぬきさしすることなく、連続的に体内結紮を
行える。その結果、結紮に要する手間、時間が省け、手
術時間の短縮化が図れる。
【0106】(付記項13) 付記項3において、前記
円弧形状部材は棒状の部材からなることを特徴とする結
紮具。 (付記項13の効果) ループ部の強度を大きくでき
る。かつ、管路がないため洗浄性にも優れる。
【0107】(付記項14) 付記項13において、前
記円弧形状部材の自由端は鋭利であることを特徴とする
結紮具。 (付記項14の効果) 付記項10の効果と同じ。
【0108】(付記項15) 近位端と遠位端を有する
細長の挿入部と、この挿入部の遠位端に設けられた円弧
形状部材と、前記円弧形状部材の円弧上で縫合糸を固定
・解放する手段とを備えた結紮具と、前記縫合糸の自由
端部を把持可能な把持手段を備えた鉗子部材との組み合
わせにおいて、前記円弧形状部材と前記縫合糸により形
成される疑似ループ内を前記鉗子部材が挿通することに
より特徴づけられる結紮具。
【0109】(付記項15の効果) 付記項3と同じ効
果に加えて、糸を固定、解放できるので、糸をループ上
に配置する手間が省ける。また、糸の性質、種類に制限
がなく、長さも短くてすみ、コスト面でも有利である。
【0110】(付記項16) 付記項15において、前
記円弧形状部材上から縫合糸把持手段が突没することを
特徴とする結紮具。 (付記項16の効果) 付記項15の効果と同じ効果が
得られる。
【0111】(付記項17) 付記項15において、前
記円弧形状部材は合わせ面を持つ2つの部材からなり、
少なくともどちらか一方が前記挿入部の軸に平行に移動
することにより、前記合わせ面で縫合糸を固定、解放す
ることを特徴とする結紮具。
【0112】(付記項18) 付記項2において、前記
円弧形状部材は合わせ面を持つ2つの部材からなり、少
なくともどちらか一方がピンを中心に旋回することによ
り、前記合わせ面で縫合糸を固定、解放することを特徴
とする結紮具。
【0113】(付記項17、18の効果) 付記項15
の効果に加えて、組織を把持できる。従来の鉗子に近い
ので汎用性も高い。 (付記項19) 体腔内に挿入される挿入部の先端部に
設けられ、ループの一部を切り欠いた略円弧形状の糸ガ
イド部材を備え、前記糸ガイド部材にガイドされ、前記
ループの切り欠き部側に延出される縫合糸により形成さ
れる擬似ループ内に、前記縫合糸の自由端部を把持させ
た糸把持手段を挿通させて前記縫合糸の結び目を形成す
る糸保持具を設けたことを特徴とする結紮具。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば挿入部の先端部にループ
の一部を切り欠いた略円弧形状の糸ガイド部材を備えた
第1の糸保持具と、糸ガイド部材にガイドされ、ループ
の切り欠き部側に延出される縫合糸により形成される擬
似ループ内に、縫合糸の自由端部を把持させた把持手段
を挿通させて縫合糸の結び目を形成する第2の糸保持具
とを設けたので、構造が簡単で、且つ取扱いが簡単で、
緩みにくい男結びの結び目を体内で容易に作ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の結紮具の第1の糸保
持具全体の概略構成を一部断面にして示す斜視図。
【図2】 糸ガイド部材の内部構成を示す縦断面図。
【図3】 縫合針を使用する状態を示す先端部本体の側
面図。
【図4】 鉗子の全体構成を示す側面図。
【図5】 鉗子を糸ガイド部材の疑似ループ部に挿通さ
せた状態を示す要部の側面図。
【図6】 管状組織の裏側へ縫合糸の自由端を通した状
態で第1の糸保持具を右回転させて縫合糸により疑似ル
ープを形成した状態を示す斜視図。
【図7】 疑似ループの中に鉗子を通した状態で縫合糸
の自由端を引くことによって1つの結び目を形成した状
態を示す斜視図。
【図8】 結び目を糸ガイド部材より脱落させ、第1の
糸保持具と鉗子を交差させるようにして十分強固に締め
込むことにより結び目の第1結節作りが完了した状態を
示す斜視図。
【図9】 結び目の第2結節を作る作業の開始状態を示
す斜視図。
【図10】 第2の疑似ループの中に鉗子を縫合糸の自
由端を把持したまま通過させた状態を示す斜視図。
【図11】 第2の擬似ループの裏側で縫合糸の自由端
を鉗子によって掴みなおした状態を示す斜視図。
【図12】 第1結節の場合と同様に第1の糸保持具を
左回転させながら、結び目を糸ガイド部材から脱落させ
た状態を示す斜視図。
【図13】 十分強固に締め込むことにより、結び目の
第2結節作りが完了した状態を示す斜視図。
【図14】 (A)は糸ガイド部材にガイドされ、切り
欠き部側に延出される縫合糸により擬似ループが形成さ
れた状態を示す平面図、(B)は(A)の縫合糸の動き
のみを説明するための説明図。
【図15】 (A)は糸ガイド部材にガイドされ、切り
欠き部側に延出される縫合糸により形成された擬似ルー
プに対し図14とは異なる方向から縫合糸の自由端を挿
通する状態を示す平面図、(B)は(A)の縫合糸の動
きのみを説明するための説明図。
【図16】 (A)は女結びの結び目を説明するための
説明図、(B)は男結びの結び目を説明するための説明
図。
【図17】 本発明の第2の実施例の結紮具全体の概略
構成を一部断面にして示す側面図。
【図18】 糸ガイド部材を示す斜視図。
【図19】 縫合対象の組織に糸ガイド部材の先端針部
を直接刺入した状態を示す斜視図。
【図20】 本発明の第3の実施例を示すもので、
(A)は結紮具全体の概略構成を示す側面図、(B)は
(A)のA矢視図。
【図21】 体腔内にて針付の縫合糸の自由端を把持部
の先端近傍で把持した状態を示す斜視図。
【図22】 糸把持部と縫合糸により形成される疑似ル
ープを作った状態を示す斜視図。
【図23】 本発明の第4の実施例の結紮具の要部構成
を一部断面にして示す斜視図。
【図24】 本発明の第5の実施例を示すもので、
(A)は結紮具の要部構成を一部断面にして示す斜視
図、(B)は糸ガイド部材の縫合糸を挿通部を示す斜視
図。
【図25】 本発明の第6の実施例の要部構成を一部断
面にして示す斜視図。
【図26】 本発明の第7の実施例の要部構成を示す斜
視図。
【図27】 本発明の第8の実施例の要部構成を示す斜
視図。
【図28】 同実施例の結紮具の使用状態を示す要部の
斜視図。
【符号の説明】
1,61…第1の糸保持具、2,62…挿入部、9,9
0,108,131…糸ガイド部材、12…縫合糸、1
4…鉗子(第2の糸保持具)、24…処置部(把持手
段)、28…擬似ループ、30…第2の擬似ループ、6
7…糸把持部(糸ガイド部材)。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】また、内視鏡下外科手術において、体組織
の縫合・結紮の作業を行う場合、次の3通りの方法が従
来から一般に用いられる。その第1の方法は体外結紮で
ある。これは、対象組織下に糸を通し、体外に糸の両端
を引き出した状態で体外にて縫合糸の結び目を作り、そ
の後、ノットプッシャーと呼ばれる糸送り具により、そ
の結び目を体内に送るものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】さらに、円弧形状部90bの先端面には図
24(B)に示すように縫合糸12を挿通する挿通穴9
8が形成されている。そして、縫合糸12はこの円弧形
状部90bの挿通穴98に通し、結び付けて固定される
ようになっている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体腔内に挿入される挿入部の先端部に設
    けられ、ループの一部を切り欠いた略円弧形状の糸ガイ
    ド部材を備えた第1の糸保持具と、糸の自由端部を把持
    可能な把持手段を備え、前記糸ガイド部材にガイドさ
    れ、前記ループの切り欠き部側に延出される縫合糸によ
    り形成される擬似ループ内に、前記縫合糸の自由端部を
    把持させた前記把持手段を挿通させて前記縫合糸の結び
    目を形成する第2の糸保持具とを具備したことを特徴と
    する結紮具。
JP7084221A 1994-11-29 1995-04-10 結紮具 Withdrawn JPH08280698A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7084221A JPH08280698A (ja) 1995-04-10 1995-04-10 結紮具
US08/563,049 US5702407A (en) 1994-11-29 1995-11-27 Ligating apparatus
EP95118712A EP0719521A3 (en) 1994-11-29 1995-11-28 Ligature instrument

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7084221A JPH08280698A (ja) 1995-04-10 1995-04-10 結紮具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08280698A true JPH08280698A (ja) 1996-10-29

Family

ID=13824435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7084221A Withdrawn JPH08280698A (ja) 1994-11-29 1995-04-10 結紮具

Country Status (1)

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JP (1) JPH08280698A (ja)

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Legal Events

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