JPH08280649A - 磁気共鳴イメージングの信号補正方法およびその方法を実施するための装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージングの信号補正方法およびその方法を実施するための装置

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JPH08280649A
JPH08280649A JP7088184A JP8818495A JPH08280649A JP H08280649 A JPH08280649 A JP H08280649A JP 7088184 A JP7088184 A JP 7088184A JP 8818495 A JP8818495 A JP 8818495A JP H08280649 A JPH08280649 A JP H08280649A
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陽 谷口
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悦治 山本
Yoshinori Togasawa
芳徳 斗ヶ澤
Hiroshi Nishimura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気共鳴イメージングにおける画像のボケや
偽像の発生を防ぐ。 【構成】 1回の励起パルスの印加に対して位相エンコ
ード傾斜磁場の順次変化にともなって得られるエコー信
号を連続して計測するシーケンスの実行により得られた
各エコー信号から断層画像を再構成する磁気共鳴イメー
ジングの信号補正方法において、前記シーケンスのうち
位相エンコード傾斜磁場を印加させることのない他のシ
ーケンスの実行により各エコー信号を参照用データとし
て得るステップと、このステップによって得られた参照
用データの一連の各エコー信号からそれらの強度減衰を
補正する補正係数をそれぞれ算出するステップと、この
ステップによって算出された各補正係数を断層画像の再
構成のために得られた一連のそれぞれ対応するエコー信
号に乗算するステップと、が備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気共鳴イメージングの
信号補正方法およびその方法を実行するための装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング(MRI)装置
は、被検体を横切る任意の平面内の水分子に核磁気共鳴
を起こさせ、その核磁気共鳴によって発生する核磁気共
鳴信号から該平面における断層像を得る医用画像診断装
置である。
【0003】一般的には、被検体の断層像を得ようとす
る平面を特定するスライス傾斜磁場を印加すると同時に
その平面内のスピンを励起させる励起パルスを与え、こ
れにより励起されたスピンが収束する段階で発生する磁
気共鳴信号(エコー信号)を得るが、そのエコー信号に
位置情報を与えるため、該エコー信号を得るまでの間
に、位相エンコード傾斜磁場およびリードアウト傾斜磁
場を印加するようになっている。
【0004】そして、このようなパルス、および各傾斜
磁場は予め設定されたパルスシーケンスに基づいて印加
されるようになっている。
【0005】そして、このパルスシーケンスは、その目
的に応じて種々のものが知られているが、たとえば、1
回の励起パルスの印加に対する位相エンコード傾斜磁場
の順次変化にともなってエコー信号を連続的に計測する
方法で、これにより、1枚の断層画像を得るのに必要な
エコー信号が全て得られるいわゆるエコープラナ法を採
用するものが知られている。
【0006】このエコープラナ法は、たとえばスピンエ
コー法のようにそのシーケンスを繰り返して作動させ、
その繰返しの度毎に位相エンコード傾斜磁場を順次変化
させることによって1枚の断層画像を得るのに必要なエ
コー信号を順次得ていく方法に比べて、極めて高速に撮
影ができるという特徴を備えるものである。
【0007】なお、このエコープラナ法の詳細は、たと
えば文献「J. Phys. C: Solid State Phys., vol. 10,
pp. L55-L58, 1977 」等に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなエコープラナ法において、計測される一連のエコー
信号はこれらの各信号強度が被検体の生体組織に固有の
時定数で順次指数関数的に減衰してしまう(緩和現象)
ことが原因となって、再構成される断像画像にいわゆる
ぼけあるいは偽像が発生してしまうということが指摘さ
れるに至った。
【0009】すなわち、一連の各エコー信号は、横軸を
周波数方向および縦軸を位相方向としたいわゆるk空間
と称されるメモリに格納されるが、この場合において、
各エコー信号の強度が等しくならず、換言すれば、k空
間上で強度変調をかけたと同等の信号が格納されること
になる。
【0010】このため、このk空間上の信号(いわゆる
生データと称している)をこのままの状態で逆フーリエ
変換させることによって画像再構成を行っても正しい断
層画像は得られず、上述したぼけあるいは偽像が発生し
てしまうといった問題が生じる。
【0011】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたものであり、その目的は、ぼけあるいは偽像の発生
しない画像を得ることのできる磁気共鳴イメージング装
置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0013】すなわち、本発明による磁気共鳴イメージ
ングの信号補正方法は、1回の励起パルスの印加に対し
て位相エンコード傾斜磁場の順次変化にともなって得ら
れるエコー信号を連続して計測するシーケンスの実行に
より得られた各エコー信号から断層画像を再構成する磁
気共鳴イメージング装置において、前記シーケンスのう
ち位相エンコード傾斜磁場を印加させることのない他の
シーケンスの実行により各エコー信号を参照用データと
して得るステップと、このステップによって得られた参
照用データの一連の各エコー信号からそれらの強度減衰
を補正する補正係数をそれぞれ算出するステップと、こ
のステップによって算出された各補正係数を断層画像の
再構成のために得られた一連のそれぞれ対応するエコー
信号に乗算するステップと、が備えられていることを特
徴とするものである。
【0014】
【作用】このように構成された磁気共鳴イメージングの
信号補正方法は、まず、同一の検査対象に対して、断層
画像を再構成するためのシーケンスとは別個のシーケン
スを実行させていることにある。
【0015】このシーケンスは、断層画像を再構成する
ためのシーケンスと比べて、位相エンコード傾斜磁場を
印加させていない点を除いて全く同様のものとなってい
る。
【0016】このようなシーケンスによって得られる一
連の各エコー信号は、断層画像を再構成することはでき
ないが、被検体の生体組織に固有の時定数で順次指数関
数的に減衰してしまう現象(緩和現象)を有する参照用
データとして計測されることになる。そして、この参照
用データの各エコー信号における減衰は、断層画像を再
構成するためのシーケンスを実行させて得られる各エコ
ー信号においても同様となる。
【0017】このため、参照用データの一連の各エコー
信号からそれらの強度減衰を補正する補正係数をそれぞ
れ算出し、これによって算出された各補正係数を断層画
像の再構成のために得られた一連のそれぞれ対応するエ
コー信号に乗算することによって、減衰のない画像用デ
ータを得ることができる。
【0018】したがつて、この画像データをフーリェ変
換することによって、いわゆるぼけおよび偽像の発生し
ない画像を得ることができるようになる。
【0019】
【実施例】図2は、本発明による磁気共鳴イメージング
装置の一実施例を示す概略構成図である。
【0020】同図において、101は静磁場を発生する
マグネット、102は傾斜磁場を発生するコイル、10
3は被検体等の検査対象であり、この検査対象103は
マグネット101およびコイル102内に設置されるよ
うになっている。
【0021】また、シーケンサ104は傾斜磁場電源1
05と高周波磁場発生器106に命令を送り、各種傾斜
磁場および高周波磁場が発生するようになっている。高
周波磁場はプローブ107を通じて検査対象103に印
加されるようになっている。
【0022】すなわち、シーケンサ104には、後に詳
述する図3(a)および(b)に示すような各パルスシ
ーケンスが格納され、これらの各パルスシーケンスに基
づいて各種傾斜磁場および高周波磁場が発生するように
なっている。
【0023】検査対象103から発生した信号はプロー
ブ107によって受波され、受信器108で検波が行わ
れるようになっている。ここで、検波の基準とする磁気
共鳴周波数(以下、検波基準周波数と記す)はシーケン
サ104によりセットされるようになっている。
【0024】検波された信号は計算機109に送られ、
ここで信号処理が行われるようになっている。そして、
その結果はディスプレイ110に表示されるようになっ
ている。なお、記憶媒体111には必要に応じて信号や
測定条件を記憶させることもできるようになっている。
【0025】静磁場均一度を調整する必要があるときは
シムコイル112を使うようになっている。シムコイル
112は複数のチャネルからなり、シム電源113によ
り電流が供給されるようになっている。静磁場均一度調
整時には各コイルに流れる電流をシーケンサ104によ
り制御するようになっている。シーケンサ104はシム
電源113に命令を送り、静磁場不均一を補正するよう
な付加的な磁場をコイル112より発生させるようにな
っている。
【0026】ここで、本実施例では特に、前記計算機1
09には少なくとも図1に示すような回路が組み込まれ
ている。
【0027】同図において、まず、受信器108を介し
て得られたエコー信号は順次画像用データk空間メモリ
(1)109Aに格納されるようになっている。この画
像用データK空間メモリ(1)109Aに格納されるエ
コー信号は、図3(a)に示すパルスシーケンスに基づ
く作動によって得られるものとなっている。また、同様
に、受信器108を介して得られたエコー信号は順次参
照用データk空間メモリ109Bに格納されるようにな
っている。この参照用データK空間メモリ109Bに格
納されるエコー信号は、図3(b)に示すパルスシーケ
ンスに基づく作動によって得られるものとなっている。
【0028】そして、参照用データk空間メモリ109
Bに格納された情報は順次読みだされて補正係数算出回
路109Cに入力され、この補正係数算出回路109C
によって各情報から補正係数が算出されるようになって
いる。
【0029】そしてこの補正係数に対応する情報は乗算
回路109Dに入力されるようになっている。一方、こ
の乗算回路109には画像用データk空間メモリ(1)
109Aに格納された情報が順次入力され、それぞれの
情報に対して対応する補正係数が乗算されるようになっ
ている。
【0030】このようにして補正された画像用データk
空間メモリ(1)109Aからの各情報は画像用データ
k空間メモリ(2)109Eに書き替えられ、その後、
フーリェ変換回路109Fによってフーリェ変換された
後に、ディスプレィ110に出力されるようになってい
る。
【0031】次に、このように構成された磁気共鳴イメ
ージング装置の動作の一実施例について説明する。
【0032】シーケンサ104には、まず、図3(a)
に示すようなパルスシーケンスが格納されており、この
パルスシーケンスに基づいて、各種傾斜磁場および高周
波磁場が発生するようになっている。
【0033】このパルスシーケンスは、いわゆるエコー
プラナ法と称されるものであって、1回の励起パルスの
印加に対する位相エンコード傾斜磁場の順次変化にとも
なってエコー信号を連続的に計測する方法で、これによ
り、1枚の断層画像を得るのに必要なエコー信号を高速
に得られることに特徴を有する。
【0034】すなわち、同図において、励起パルス40
2がプローブ197を介して印加されるようになってい
る。この励起パルス402は検査対象103内のスピン
を励起して信号を発生されるためのパルスである。
【0035】そして、この励起パルス402と同時にス
ライス傾斜磁場401を印加するようになっている。こ
のスライス傾斜磁場401は検査対象の撮影すべき断層
面の位置を特定するための磁場である。
【0036】位相エンコード傾斜磁場405は、リード
アウト傾斜磁場407とともに後述のエコー信号に位置
情報を与える磁場であり、1回の励起パルスの印加に対
してたとえば磁場の大きさを順次変化させて複数回印加
するようになっている。磁場の大きさは後述のk空間メ
モリの位相エンコード方向に対するエコー信号の格納位
置に対応されるが、この場合たとえば時間の変化ととも
に除々に小さくなっているものとする。
【0037】エコー信号401は、各位相エンコード傾
斜磁場405の印加の度毎にリードアウト傾斜磁場40
7の印加によって発生し、その結果、エコー1、エコー
2、…、エコーNというように連続して受信されるよう
になる。
【0038】ここで、一連のエコー信号403、すなわ
ちエコー1、エコー2、…、エコーNの各強度は、検査
対象103の組織に固有の次定数で指数関数的に減衰し
ていく傾向にあり、これが従来の問題点となっていた。
【0039】そして、これら一連のエコー信号403
は、図4(a)に示すように、画像用k空間メモリ10
9Aに格納されるようになっている。空間メモリ109
Aは、その横軸を周波数エンコード方向kxとし縦軸を
位相エンコード方向kyとしたもので、横軸の上方から
順次エコー1、エコー2、…、エコーNの各信号が格納
されるようになっている。この場合、上述した減衰に基
づく位相エンコード方向の信号強度を右側のグラフに示
している。
【0040】一方、同じ検査対象103を対象として、
図3(b)に示すパルスシーケンスに基づいて作動させ
ることによって各エコー信号、すなわち、エコー1、エ
コー2、…、エコーNを得るようにする。
【0041】図3(b)に示すパルスシーケンスは、図
3(a)に示したパルスシーケンスに対して位相エンコ
ード傾斜磁場405を全く印加させないことを除いては
全く同様となっている。
【0042】このようなパルスシーケンスを作動させる
ことによって、各エコー信号、すなわち、エコー1、エ
コー2、…、エコーNは、それぞれ図3(a)における
エコー1、エコー2、…、エコーNと全く同様の減衰が
なされた状態で得られることになる。
【0043】そして、これら一連のエコー信号403
は、図4(b)に示すように、参照用k空間メモリ10
9Bに格納されるようになっている。この場合の、位相
エンコード方向の信号強度を右側のグラフに示してお
り、図4(a)の場合の特性と同様となっている。
【0044】このように格納された参照用データk空間
メモリ109Bの各情報は、図1に示す補正係数算出回
路109Cに入力され、順次補正係数が算出されるよう
になる。すなわち、図5に示すように、参照用データと
なる各エコー信号のピークPiを検出し(ステップ1
1)、その強度|Pi|を求める(ステップ12)。エ
コー信号のピークとは、例えば、最も信号強度の大きい
位置、すなわち、エコー信号の絶対値が最大値を示す位
置である。各エコー信号の信号強度補正係数Ciは、エ
コーピーク強度|Pi|の逆数、すなわち、Ci=A/
|Pi|として求めることができる(ステップ13)。
ここで、Aは任意の定数である。
【0045】最後に、この信号強度補正係数Ciを用い
て、画像用データの各エコー信号Siの強度を補正する
(ステップ14)。補正後の信号Si’は、そのサンプ
リング点j(j=1,2,…,m;m:サンプリング点
数)における値Sij’を、Sij’=Sij×Ciに
よって求める。
【0046】すなわち、図1に示すように、乗算回路1
09Dによって、画像用データk空間メモリ(1)10
9Aから読みだされる各情報に前記補正係数を乗算する
ようになる。
【0047】以上の手順によって、画像用データの強度
が補正され、通常の再構成方法によって良好な画像が得
られるようになる。
【0048】ここで、この手順は、エコーピーク強度の
みを信号強度補正係数の決定に用いているため処理の簡
便な方法である。しかし、被検体の形状によっては、エ
コーピークが2つ以上表れたり、また、静磁場不均一が
存在する場合には、後ろのエコー信号ほどエコーピーク
がなまったりするなどして、正確な信号強度補正係数を
算出できない場合もある。
【0049】その場合には、以下の手順で正確に信号強
度補正係数を求めることができるようになる。図6に示
すように、まず、上に述べた例と同様に参照用データを
計測(ステップ21)した後、各エコー信号Riの強度
の積分値Iiを次式に従って計算する(22)。
【0050】
【数1】
【0051】ここで、mはサンプリング点数、|Rij
|はエコー信号Riのj番目のサンプリング点における
信号強度である。そして、信号強度補正係数をCi=A
/Iiによって求め(ステップ23)、画像用データの
補正後の信号Si’は、そのサンプリング点jにおける
値Sij’をSij’=Sij×Ciによって求める
(ステップ24)。
【0052】これと同様の方法で、エコー信号強度の積
分値の代わりにパワーを用いる方法でもよいことはいう
までもない。その手順を図7に示す。まず、参照用デー
タを計測(ステップ31)した後、各エコー信号Riの
パワーQiを次式に従って計算する(32)。
【0053】
【数2】
【0054】ここで、mはサンプリング点数、|Rij
|はエコー信号Riのj番目のサンプリング点における
信号強度である。そして、信号強度補正係数をCi=A
/Qiによって求め(ステップ33)、画像用データの
補正後の信号Si’は、そのサンプリング点jにおける
値Sij’をSij’=Sij×Ciによって求める
(ステップ34)。
【0055】いずれの方法でも、エコー信号全体を信号
強度補正係数の算出に用いているため、被検体の形状に
よらず正確に画像用データの補正を行うことができるよ
うになる。
【0056】以上説明した実施例によれば、まず、同一
の検査対象に対して、断層画像を再構成するためのシー
ケンスとは別個のシーケンスを実行させていることにあ
る。
【0057】このシーケンスは、断層画像を再構成する
ためのシーケンスと比べて、位相エンコード傾斜磁場を
印加させていない点を除いて全く同様のものとなってい
る。
【0058】このようなシーケンスによって得られる一
連の各エコー信号は、断層画像を再構成することはでき
ないが、被検体の生体組織に固有の時定数で順次指数関
数的に減衰してしまう現象(緩和現象)を有する参照用
データとして計測されることになる。そして、この参照
用データの各エコー信号における減衰は、断層画像を再
構成するためのシーケンスを実行させて得られる各エコ
ー信号においても同様となる。
【0059】このため、参照用データの一連の各エコー
信号からそれらの強度減衰を補正する補正係数をそれぞ
れ算出し、これによって算出された各補正係数を断層画
像の再構成のために得られた一連のそれぞれ対応するエ
コー信号に乗算することによって、減衰のない画像用デ
ータを得ることができる。
【0060】したがって、この画像データをフーリェ変
換することによって、いわゆるぼけおよび偽像の発生し
ない画像を得ることができるようになる。
【0061】なお、この場合における参照用データの計
測は、画像用データの計測の前後いずれで行っても同様
であることはいうまでもない。
【0062】以上の実施例では、撮影方法としてエコー
プラナ撮影法を用いたが、複数回の励起でk空間全体を
走査するk空間分割型のエコープラナー法でも同じ方法
で信号強度を補正することができる。この場合、参照デ
ータ計測用シーケンスは1回だけ実行すればよく、計測
した各エコーのエコー番号に対して補正係数を求める。
求めた補正係数は、画像データ取得用にシーケンスを複
数回実行して計測した各エコー群の補正に共通に用いる
ことができる。各エコーの補正にあたっては、そのエコ
ー番号に対応した補正係数を用いる。
【0063】また、本発明は、一回の励起で複数個のエ
コー信号を計測して画像用データとする撮影方法など、
k空間上でエコー信号の強度が一様でない撮影方法に対
して一般的に適用することができることはもちろんであ
る。
【0064】たとえば、図8に示すような180度パル
ス504と正負交互の符号を持つリードアウト傾斜磁場
パルス506を組み合わせたグラディエントスピンエコ
ー法にも適用できる。
【0065】グラディエントスピンエコー法は、スピン
エコー法と同様、静磁場中に検査対象を置き、スライス
傾斜磁場501の印加とともに磁化励起用高周波磁場
(RF)パルス502を印加し、対象物体内のあるスラ
イス内に磁気共鳴現象を誘起する。そして、180度パ
ルス504を印加し、リードアウト方向の位置情報を付
加するためのリードアウト傾斜磁場パルス506を印加
しながらスピンエコー信号510を生成する。また、こ
のリードアウト傾斜磁場パルス506の前後に極性を反
転させたリードアウト傾斜磁場パルス508と509を
印加し、グラディエントエコー信号511と507を発
生させ、1個の180度パルスで合計3個のエコー信号
を計測するようになっている。なお、この場合、スピン
エコー信号の前後に印加するリードアウト傾斜磁場パル
スの極性を、任意回数だけ正負交互に反転させることに
よって、3個以上のエコー信号を計測することも可能で
ある。
【0066】各エコー信号の計測前には、磁化の位相に
位相エンコード方向の位置情報を付加するために位相エ
ンコード傾斜磁場パルス505を印加しておく。なお、
503はリードアウト方向の磁化の位相を一旦乱してお
くためのディフェーズ用傾斜磁場パルスである。以上の
180度パルスの印加とエコー信号の計測を通常3回以
上繰り返した後、数秒の待ち時間をおいて磁化の回復を
待つ。計測空間全体を埋めるだけのエコー信号を計測す
るため、位相エンコード傾斜磁場パルスの値を変化させ
ながらこのシーケンスを数回繰り返す。そして、計測し
た信号を逆フーリエ変換し、画像を再構成するものであ
る。
【0067】このグラディエントスピンエコー法におい
ても、位相エンコード傾斜磁場パルス505を印加せず
に一連のエコー信号を計測して参照用データとし、以
下、上述したと同じ手順で画像用データの信号強度を補
正し、ボケや偽像のない画像を再構成することができ
る。この場合にも、k空間分割型エコープラナー法と同
様、参照データ計測用シーケンスを1回だけ実行して求
めた各エコー番号に対する補正係数で、画像データ用シ
ーケンスを複数回実行して計測したエコー群を補正する
ことができる。
【0068】この他、k空間上で図9(a),(b)に
示すような軌跡を描くスパイラルスキャン法と呼ばれる
方法(IEEE Trans. on Med. Imaging MI-5, pp. 2-7, 1
986参照)にも適用可能である。
【0069】スパイラルスキャン法においては、Gxあ
るいはGyとして印加する傾斜磁場のいずれかをゼロに
して、図10に示すように、エコー信号がk空間上で原
点を通って1方向に往復するように計測したデータを参
照用データとする。(図10はGyをゼロとした場合を
示す。)ここで、参照用データのエコー信号は後のエコ
ー信号ほどkx軸上の往復の幅が広くなる。
【0070】この参照用データを用いた信号強度補正
は、上述したエコーピークを用いる方法の場合には全く
同じ方法で行えば良い。一方、積分値やパワーを用いる
方法の場合には、以下のようにして信号強度補正係数C
iを求める。参照用データのi番目のエコー信号のサン
プリング点数とkx軸上の往復の幅をそれぞれmi,W
iとし,j番目のサンプリング点の信号をRij(j=
1,2,…,mi)とする。積分値Iiと信号強度補正
係数Ciを次式で求める。
【0071】
【数3】
【0072】一方、パワーQiと信号強度補正係数Ci
を次式で求める。
【0073】
【数4】
【0074】画像用データの信号強度補正には、算出し
たCiを用いて前述したのと同じ方法を用いる。以上の
手順により、スパイラルスキャン法でも信号強度補正を
行うことができ、良好な画像を得ることができる。ま
た、この方法は複数回の励起でk空間全体を走査するk
空間分割型のスパイラルスキャン法にも同様に適用でき
ることはいうまでもない。
【0075】
【発明の効果】以上述べたように本発明による磁気共鳴
イメージングの信号補正方法およびその方法を実施する
磁気共鳴イメージング装置によれば、エコー信号強度の
減衰を補正してから画像再構成するためいわゆるぼけあ
るいは偽像の発生しない画像を得ることができるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気共鳴イメージング装置の一実
施例を示した要部の構成図である。
【図2】本発明による磁気共鳴イメージング装置の一実
施例を示した全体の構成図である。
【図3】本発明による磁気共鳴イメージング装置に用い
られるパルスシーケンスの一実施例を示す説明図であ
る。
【図4】本発明による磁気共鳴イメージング装置に備え
られるk空間メモリの説明図である。
【図5】本発明による磁気共鳴イメージングの信号補正
方法の一実施例を示すフロー図である。
【図6】本発明による磁気共鳴イメージングの信号補正
方法の他の実施例を示すフロー図である。
【図7】本発明による磁気共鳴イメージングの信号補正
方法の他の実施例を示すフロー図である。
【図8】本発明による磁気共鳴イメージング装置に用い
られるパルスシーケンスの他の実施例を示す説明図であ
る。
【図9】本発明による磁気共鳴イメージングの信号補正
方法の他の実施例を示す説明図である。
【図10】本発明による磁気共鳴イメージングの信号補
正方法の他の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
101…静磁場を発生するマグネット、102…傾斜磁
場コイル、103…検査対象、104…シーケンサ、1
05…傾斜磁場電源、106…高周波磁場発生器、10
7…プローブ、108…受信器、109…計算機、11
0…ディスプレイ、111…記憶媒体、112…シムコ
イル、113…シム電源、201…スライス傾斜磁場パ
ルス、202…磁化励起用高周波磁場パルス、203…
エコー信号、204…位相エンコード傾斜磁場パルス、
205…180度パルス、206…リードアウト傾斜磁
場パルス、401…スライス傾斜磁場パルス、402…
磁化励起用高周波磁場パルス、403…エコー信号、4
04…ディフェーズ用傾斜磁場パルス、405…位相エ
ンコード傾斜磁場パルス、406…ディフェーズ用傾斜
磁場パルス、407…リードアウト傾斜磁場パルス、5
01…スライス傾斜磁場パルス、502…磁化励起用高
周波磁場パルス、503…ディフェーズ用傾斜磁場パル
ス、504…180度パルス、505…位相エンコード
傾斜磁場パルス、506…リードアウト傾斜磁場パル
ス、507…エコー信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 博 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1回の励起パルスの印加に対して位相エ
    ンコード傾斜磁場の順次変化にともなって得られるエコ
    ー信号を連続して計測するシーケンスの実行により得ら
    れた各エコー信号から断層画像を再構成する磁気共鳴イ
    メージング装置において、 前記シーケンスのうち位相エンコード傾斜磁場を印加さ
    せることのない他のシーケンスの実行により各エコー信
    号を参照用データとして得るステップと、このステップ
    によって得られた参照用データの一連の各エコー信号か
    らそれらの強度減衰を補正する補正係数をそれぞれ算出
    するステップと、このステップによって算出された各補
    正係数を断層画像の再構成のために得られた一連のそれ
    ぞれ対応するエコー信号に乗算するステップと、が備え
    られていることを特徴とする磁気共鳴イメージングの信
    号補正方法。
  2. 【請求項2】 補正係数は前記参照用データのエコー信
    号のピーク値の逆数となっていることを特徴とする請求
    項1記載の磁気共鳴イメージングの信号補正方法。
  3. 【請求項3】 補正係数は前記参照用データのエコー信
    号の強度の積分値の逆数となっていることを特徴とする
    請求項1記載の磁気共鳴イメージングの信号補正方法。
  4. 【請求項4】 補正係数は前記参照用データのエコー信
    号の強度の2乗の積分値の平方根の逆数となっているこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージングの
    信号補正方法。
  5. 【請求項5】 断層画像の再構成のためのシーケンスと
    して、磁化励起用の高周波磁場と励起領域を決定する傾
    斜磁場と複数個の180度高周波磁場と、連続する2つ
    の前記180度高周波磁場の間に位置情報を与えるため
    の傾斜磁場を印加してエコー信号を収集するものとした
    ことを特徴とする請求項1ないし4記載のうちのいずれ
    か記載の磁気共鳴イメージングの信号補正方法。
  6. 【請求項6】 位置情報を与えるための傾斜磁場が、位
    相エンコード傾斜磁場と正負交互の符号を持つリードア
    ウト傾斜磁場から構成されることを特徴とする請求項1
    ないし5記載のうちいずれか記載の磁気共鳴イメージン
    グの信号補正方法。
  7. 【請求項7】 前記磁化に位置情報を与えるための傾斜
    磁場を、計測される信号がk空間上で中心の周りを回り
    ながら中心から遠ざかるような軌跡を描くように印加
    し、前記参照用データを収集するステップを、前記位置
    情報を与えるための傾斜磁場のうち一方向の傾斜磁場の
    みを印加して行うことを特徴とする請求項1ないし4記
    載のうちいずれか記載の磁気共鳴イメージングの信号補
    正方法。
  8. 【請求項8】 1回の励起パルスの印加に対して位相エ
    ンコード傾斜磁場の順次変化にともなって得られるエコ
    ー信号を連続して計測するシーケンスの実行により得ら
    れた各エコー信号から断層画像を再構成する磁気共鳴イ
    メージング装置において、 前記シーケンスのうち位相エンコード傾斜磁場を印加さ
    せることのない他のシーケンスの実行により各エコー信
    号を得る手段と、この手段によって得られた一連の各エ
    コー信号からそれらの強度減衰を補正する係数をそれぞ
    れ算出する手段と、この手段によって算出された各係数
    を断層画像の再構成のために得られた一連のそれぞれ対
    応するエコー信号に乗算する手段と、が備えられている
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100392424C (zh) * 2004-11-15 2008-06-04 华东师范大学 一种用于图形化脉冲序列编译器中实现回波数据重组的方法
JP2008221024A (ja) * 2008-06-26 2008-09-25 Toshiba Corp Mri装置
JP2015528320A (ja) * 2012-08-08 2015-09-28 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ ゴースト安定性補正を用いたマルチショット磁気共鳴撮像

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