JPH08278357A - 磁場測定装置及び磁場測定方法 - Google Patents

磁場測定装置及び磁場測定方法

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JPH08278357A
JPH08278357A JP8396595A JP8396595A JPH08278357A JP H08278357 A JPH08278357 A JP H08278357A JP 8396595 A JP8396595 A JP 8396595A JP 8396595 A JP8396595 A JP 8396595A JP H08278357 A JPH08278357 A JP H08278357A
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light
lens
measuring
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JP8396595A
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Hiroshi Mori
宏 森
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光源の光パワーの時間的変動等による誤差をな
くすとともに、磁場に対する感度を低下させることな
く、被測定磁場とセンサーからの出力との間の直線的関
係を向上させた磁場測定装置及び方法を提供する。 【構成】ファラデー回転子15の周囲のコイル20は、
被測定直流磁場とは別に交流磁場を発生させる。光源1
1から出射された光ビームは光ファイバー12、レンズ
13、偏光子14を経た後、ファラデー回転子15にお
いて、被測定磁場と交流磁場との合成磁場の強度に応じ
て旋光を受け、検光子16を通過した後、該強度に応じ
た光パワーを得る。光ビームは光検出器19において電
流に変換されて、ロックインアンプ21に送られ、交流
磁場の出力成分(角周波数ω)と直流磁場の出力成分に
分離される。次いで、除算器22は交流成分と直流成分
との比を算出する。この比から被測定磁場の強度を算出
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気光学素子のファラ
デー効果を利用して磁場の強度を測定する磁場測定装置
及び磁場測定方法に関し、特には、直流磁場の強度又は
特定の周波数を有しない波形の磁場の強度を測定するた
めの磁場測定装置及び磁場測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光(特に、レーザー光)を用いた磁場測
定は、接触の要素がなく機械的故障がないこと、電磁雑
音の影響を受けないこと、感度が高いことなどの特徴を
有するため、広く用いられている。例えば、磁場センサ
ーは、電線の周囲には電流によって発生する磁場が存在
するため、電流センサーとして用いても有用である。特
に、磁性体のファラデー効果(直線偏光を有する入射光
の偏光角が印加磁場の強度に比例して回転する現象)を
利用した磁場センサーは小型、軽量、無誘導などの利点
を有しているため、広範に開発・研究が進められてい
る。
【0003】従来使用されている光磁場センサーの基本
構成を図3に示す。この光磁場センサー10は、半導体
レーザー又は発光ダイオードからなる光源1と、この光
源1と接続されている光ファイバー2と、光ファイバー
2の前方に配置された第一レンズ3と、第一レンズ3の
光軸上に配置されている偏光子4、ファラデー回転子5
及び検光子6と、検光子6に隣接して配置されている第
二レンズ7と、第二レンズ7からの光を集光する光ファ
イバー8と、光ファイバー8が接続している受光素子9
とからなっている。被測定磁場と光ビームの進路は平行
である。また、偏光子4と検光子6の各主軸がなす相対
角度は45度である。
【0004】光源1から出射した光ビームは光ファイバ
ー2を通り、光ファイバー2によって第一レンズ3に導
かれる。光ビームは第一レンズ3から偏光子4に入射
し、偏光子4を通過することによって、直線偏光とな
る。次いで、偏光子4からファラデー回転子5に入射す
る。光ビームはファラデー回転子5を通過する際に、被
測定磁場の強度に応じて旋光し、検光子6を通過した
後、被測定磁場の強度に応じた光パワーを有するに至
る。この後、光ビームは第二レンズ7を介して光ファイ
バー8に集光され、光ファイバー8によって受光素子9
に導かれる。光ビームは、受光素子9によって光−電気
変換され、光パワーに応じた電流が発生する。この電流
を適当な手段を用いて検知することにより、被測定磁場
の強度を測定することができる。
【0005】磁気光学材料としては、鉛ガラス、CdT
e、ZnSeなどの常磁性体又は反磁性体が一般的であ
る。しかし、これらの物質はファラデー回転能(単位磁
場強度及び単位長さに対する回転長さに対する回転角
度)が小さく、例えば、弱磁場の強度の測定には不向き
である。十分に大きな回転角を得るためには、ファラデ
ー回転子の長さを大きくしなければならず、磁場測定装
置の小型化が損なわれてしまう。また、ファラデー回転
子の長さを大きくすると、光損失もファラデー回転子の
長さに比例して大きくなるため、測定精度の低下という
問題が生じる。さらに、上記の物質は磁場に対する感度
が温度に大きく依存するため、温度変化を小さな範囲に
抑えなければならず、そのための対策を講じなければな
らないという問題をも伴う。
【0006】これに対して、Biイオンを含む希土類磁
性ガーネット (Rare-earth Iron Gaarnet:以後「RI
G」と呼ぶ)は、上記の物質とは対照的に、磁場に対す
る感度が高いためファラデー回転能も大きく、さらに、
感度の温度依存性が低いという利点を有している。RI
G膜、特に、(YbTbBi)3Fe5O12 を用いた磁場センサーは
磁場に対する感度が高いこと及びその感度の温度に対す
る依存性が低いことは既に報告されている ("The Rare-
Earth Iron Garnet Film With Small Temperature Depe
ndence"; Y.Asahara and N.Nakamura, Proceedings of
the Sixth International Conference on Ferrites, To
kyo, p.1617, 1990)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】RIG膜はフェリ磁性
体であるため、迷路磁区構造を有している。このため、
RIG膜をファラデー回転子として使用する場合、各磁
区は位相格子として作用し、透過光は回折せしめられ
る。回折された0次光、1次光、2次光、・・・、n次
光と次数が増すに従って、透過光は入射光方向から順次
大きな角度で広がって出射する。この場合、回折光の全
ての次数を取り込んだ場合にのみ磁場と電気出力との間
に良好な直線的関係を得ることができる。
【0008】しかしながら、全回折次数を取り込むため
には、RIG膜の直後にレンズを挿入する必要があり、
加えて、このレンズの位置決めを高精度に行わなければ
ならないため、実際には、全回折次数の取り込みは極め
て困難である。このため、直線性を若干犠牲にしたうえ
で0次光のみを取り入れる方法が開発されている。
【0009】以下、この方法を具体的に示す。図3に示
した従来の光磁場センサーによる磁場測定において、0
次光出力I0 は次式(1)から求められる。 I0 =Ii (cosφ cosθ+h sinφ sinθ)2 (1) 式(1)において、 Ii :入射光パワー h=H/Hs(Hは磁場、Hsはファラデー回転子の飽
和磁場を示す) φ:偏光子と検光子の各主軸の相対角度 θ:ファラデー回転子のファラデー回転角 なお、式(1)においては光学系の損失は無視するもの
とする。
【0010】式(1)から明らかであるように、係数h
と0次光出力I0 との間には直線的関係はない。しか
し、φ又はθを小さくすることによって、hとI0 との
間の直線性が比較的良好なセンサーを実現することが可
能である。しかしながら、このようなセンサーにおいて
は、(1)式の展開から明らかなように、磁場Hの係数
hをも同時に小さくしているため、センサーの磁場に対
する感度は低下せざるを得ない。
【0011】上述したように、RIG膜を用いた磁場セ
ンサーは、(1)磁場に対する感度が大きい、(2)温
度による感度の変化が小さい、などの特徴を有する反
面、迷路磁区構造を有する強磁性体又はフェリ磁性体に
固有の現象である回折現象に起因する低直線性という問
題があった。直線性を向上させることは可能であるが、
そのための試みは磁場センサーの磁場に対する感度を低
下させるという結果を招くものであった。
【0012】さらに、光を用いた磁場センサーに共通す
る問題として、光源のパワーの時間的変動又は光ファイ
バーへの機械的的応力に起因して入射光パワーの変動が
誤差の原因となるという問題もある。
【0013】本発明は以上のような従来の磁場測定装置
又は磁場測定方法が有する問題点に鑑みてなされたもの
であり、以下の事項を達成することができる磁場測定装
置及び磁場測定方法を提供することを目的とするもので
ある。 (1)光源の光パワーの時間的変動又は光ファイバー通
過後の光パワー変動に起因する誤差をなくすこと、 (2)磁場に対する感度を低下させることなく、上述の
直線性を向上させた状態で回折の0次光のみを検出する
ことができるようにすること。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は以下のような磁場測定装置及び磁場測定方
法を提供する。本発明に係る磁場測定装置は、光源、レ
ンズ、偏光子、強磁性体又はフェリ磁性体からなるファ
ラデー回転子、レンズ、検光子及び受光器を備え、光が
この順に通過するように配置されており、磁場中におけ
る磁性体のファラデー回転の角度を測定することにより
該磁場の強度を測定する磁場測定装置であって、前記フ
ァラデー回転子の周囲に配置され、測定すべき直流磁場
とは別個の交流磁場を発生させるコイルと、前記受光器
からの出力のうちの前記交流磁場と同じ周波数の出力成
分を、測定すべき直流磁場の出力成分と比較し、該直流
磁場の強度を測定する比較器とを備えることを特徴とす
る。
【0015】また、本発明に係る磁場測定方法は、磁場
中における磁性体のファラデー回転の角度を測定するこ
とにより該磁場の強度を測定する磁場測定方法であっ
て、測定すべき直流磁場とは別個の交流磁場を発生させ
る過程と、測定すべき直流磁場と前記交流磁場に基づく
総出力のうちの前記交流磁場と同じ周波数の出力成分
を、測定すべき直流磁場の出力成分と比較する過程とを
備えることを特徴とするものである。
【0016】以上のように、本発明に係る磁場測定装置
及び磁場測定方法においては、測定すべき直流磁場に加
えて交流磁場を新たに印加し、出力パワーのうちの交流
磁場と同じ周波数成分のパワーを直流磁場成分のパワー
と比較することにより、直流磁場の強度を測定するもの
である。このように、本発明は強磁性体又はRIGに代
表されるフェリ磁性体をファラデー回転子として採用
し、その磁区による光の回折の効果を磁場測定に積極的
に利用するものである。以下、本発明の原理を説明す
る。
【0017】本発明に係る磁場測定装置及び磁場測定方
法においては、例えば、ファラデー回転子の周囲に巻回
したコイルによって、被測定直流磁場H0 とは別に、交
流磁場ΔH sinωtを印加する。従って、全磁場Hは次
式(2)により表される。 H=H0 +ΔH sinωt (2) あるいは、被測定直流磁場H0 と交流磁場ΔHとをHs
で規格化することにより、全磁場hを次式(3)で表す
こともできる。 h=h0 +Δh sinωt (3)
【0018】(1)式に上式(3)を代入した後、光出
力を角周波数ωの交流成分Iac(ω)と直流成分Idc
に分離して取り出すものとすれば、交流成分Iac(ω)
と直流成分Idcは次のように表される。 Idc=Ii [ cos2φcos2θ+(h0 2+1/2 Δh2) sin2φsin2θ +1/2 h0sin2φsin2θ] (4) Iac(ω)=Ii [2Δh(h0sin2φsin2θ+1/4 sin2φsin2θ)] (5)
【0019】式(4)及び(5)において、φ=π/2
の場合、すなわち、偏光子と検光子の各主軸がなす角度
を90度とした場合には、式(4)及び(5)は次式
(6)及び(7)のように簡略化される。 Idc=Ii (h0 2+1/2 Δh2) sin2θ (6) Iac(ω)=2Ii Δh h0sin2θ (7)
【0020】上述の本発明の目的(1)「光源の光パワ
ーの時間的変動又は光ファイバー通過後の光パワー変動
に起因する誤差をなくすこと」は以下のようにして達成
することができる。
【0021】信号Sの内容として交流パワー成分I
ac(ω)と直流パワー成分Idcの比を選定すれば、信号
Sの内部で入射光パワーIi は相殺される。すなわち、
光パワーの変動による測定誤差は生じないこととなり、
目的(1)を達成することができる。
【0022】交流パワー成分Iac(ω)と直流パワー成
分Idcの比Rは、具体的には、式(6)及び(7)から
次式(8)により表される。 R=Iac(ω)/Idc=2Δh h0/(h0 2+1/2 Δh2) (8) 以後、交流パワー成分Iac(ω)と直流パワー成分Idc
の比R=Iac(ω)/Idcを信号Sの内容とすることを
前提として、説明を進める。
【0023】さらに、本発明の目的(2)「磁場に対す
る感度を低下させることなく、上述の直線性を向上させ
た状態で回折の0次光のみを検出することができるよう
にすること」は以下のようにして達成することができ
る。直流磁場の強度h0が交流磁場の振幅Δh と比較して
極めて小さい場合には、次式が成り立つ。 Δh > h0
【0024】この場合、式(8)は次式(9)のように
なる。 R=Iac(ω)/Idc=4h0/Δh (9) 比Rは信号Sの内容であるので、式(9)から明らかな
ように、信号Sと直流磁場h0との間には直線的な関係が
成立していることがわかる。4/Δhは既知であるの
で、比Rを求めれば、測定対象である直流磁場の強度h0
を求めることができる。
【0025】例えば、RIG膜をファラデー回転子とし
て使用し、その組成を(YbTbBi)3Fe5O12 とした場合、飽
和に要する磁場はHs=1450〔Oe〕である。ΔH
=100〔Oe〕(Δh=0.069)であるとき、H
0 =10〔Oe〕(h0 =0.0069)とすれば、0
から10〔Oe〕までの範囲での直流磁場測定におい
て、信号Sと直流磁場の強度h0 との間の直線関係から
の偏位は最大でも約2%である。測定範囲を狭くする
か、あるいは、交流磁場振幅ΔHをより大きくとること
によって、上記の直線関係を一層改善することが可能で
ある。
【0026】ファラデー回転子のファラデー回転角θは
信号Sの内部で相殺されているため、本来は、ファラデ
ー回転角θとして特定の値を設定する必要はない。しか
しながら、Iac(ω)とIdcとの比Rを求める以前の段
階においては、S/N比の観点から、各々の出力成分は
できるだけ大きいことが望ましい。式(6)及び(7)
から明らかであるように、θ=π/2がこの条件を満足
する。
【0027】Biイオンを含むRIGが大きなファラデ
ー係数ΘF を示すこと、及び、GGG基板上への数百μ
mの膜厚の液相エピタキシー成膜技術が確率されている
ことに鑑みれば、θ=π/2の条件を達成することに別
段の困難性はない。例えば、(YbTbBi)3Fe5O12 のファラ
デー係数ΘF は約10000〔deg/cm〕であるの
で、θ=ΘF d(dは膜厚を示す)の関係から、θ=9
0〔deg〕となる膜厚は約90μmである。膜厚がこ
の程度であれば、RIG膜は高い結晶品質のものを得る
ことができる。
【0028】なお、本発明に係る磁場測定装置及び磁場
測定方法は磁性体中の磁区による光の回折を利用してい
るため、ファラデー回転能が小さい鉛ガラス、CdT
e、ZnSeなどの常磁性体又は反磁性体をファラデー
回転子の材質として用いることはできない。
【0029】
【作用】本発明に係る磁場測定装置においては、ファラ
デー回転子の周囲に巻回されたコイルにより、測定すべ
き直流磁場とは別個の交流磁場を発生させる。受光器か
らの全出力は、測定すべき直流磁場の強度と交流磁場の
強度との積の形で検出される。この全出力のうち、交流
磁場と同じ周波数の出力成分を抽出する。この交流磁場
の出力成分の振幅は直流磁場の強度に比例する。このこ
とを利用して、交流磁場の出力成分を、測定すべき直流
磁場の出力成分と比較器を介して比較することによっ
て、測定すべき直流磁場の強度を測定することができ
る。本発明に係る磁場測定方法においても、同様の原理
によって、測定すべき直流磁場の強度を測定することが
できる。
【0030】
【実施例】図1に本発明に係る磁場測定装置の一実施例
を示す。本実施例に係る光磁場センサー30は、波長
0.85μmの光を発する発光ダイオードからなる光源
11と、光源11と接続されている、マルチモードファ
イバーからなる光ファイバー12と、光ファイバー12
と対向して配置され、セルフォックレンズからなる第一
レンズ13と、第一レンズ13の後方に配置され、偏光
ガラスからなる偏光子14と、偏光子14の後方に配置
され、RIG膜すなわち(YbTbBi)3Fe5O12 薄膜からなる
ファラデー回転子15と、ファラデー回転子15の後方
に配置された検光子16と、検光子16の後方に配置さ
れ、セルフォックレンズからなる第二レンズ17と、第
二レンズ17からの光を集光する、マルチモードファイ
バーからなる光ファイバー18と、光ファイバー18が
接続している、Siフォトダイオードからなる光検出器
19とを有している。
【0031】第一レンズ13、偏光子14、ファラデー
回転子15、検光子16及び第二レンズ17は一線上に
配置されている。また、被測定直流磁場と光ビームの進
路は平行である。また、偏光子14と検光子16の各主
軸がなす相対角度は90度になるように設定されてい
る。
【0032】ファラデー回転子15の周囲にはコイル2
0が巻回されている。コイル20は直径6mmのボビン
に銅線を巻き付けたものからなり、ファラデー回転子1
5を構成している3mm角のRIG結晶をボビンの内側
に包み込むように配置されている。このコイル20に交
流電流を流すことにより、交流磁場が発生し、この交流
磁場はファラデー回転子15に印加される。
【0033】光検出器19には接続線19aを介してロ
ックインアンプ21が接続されている。光検出器19か
らの出力はロックインアンプ21に送られ、ロックイン
アンプ21は光検出器19からの出力を交流成分(角周
波数ω)と直流成分に分離する。
【0034】ロックインアンプ21には除算器22が接
続されている。除算器22には、ロックインアンプ21
から、光検出器19の全出力のうちの交流磁場の成分と
直流磁場の成分とを表す信号が送られる。除算器22
は、その信号に基づいて、交流成分と直流成分との比R
を算出し、表示する。
【0035】ロックインアンプ21は信号発生器を内蔵
しており、ロックインアンプ21は角周波数ωの交流電
流を増幅した後、この交流電流を表す信号を信号発生器
から接続線21aを介してコイル20に給電する。この
信号を受信したコイル20は、その信号に基づいて、入
射ビームと平行な交流磁場を発生させ、この交流磁場を
ファラデー回転子15に印加する。
【0036】上記のような構成を有する磁場測定装置は
次のように作動する。光源11から出射した光ビームは
光ファイバー12を通り、光ファイバー12によって第
一レンズ13に導かれる。光ビームはレンズ13によっ
て集束された後、偏光子14に入射する。光ビームは偏
光子14を通過することによって、直線偏光となる。
【0037】次いで、偏光子14からファラデー回転子
15に入射する。ファラデー回転子15中には、ロック
インアンプ21からの信号に基づいてコイル20が入射
光ビームと平行な交流磁場を発生させている。光ビーム
はファラデー回転子15を通過する際に、被測定直流磁
場の強度と交流磁場の強度の和に対応して旋光し、検光
子16を通過した後、被測定直流磁場と交流磁場との合
成磁場の強度に応じた光パワーを有するに至る。
【0038】この後、光ビームは第二レンズ17を介し
て光ファイバー18に集光され、光ファイバー18によ
って光検出器19に導かれる。光ビームは、光検出器1
9において、光−電気変換され、光パワーの大きさに応
じた電流になる。次いで、光検出器19はこの電流の大
きさに応じた信号を接続線19aを介してロックインア
ンプ21に送信する。
【0039】ロックインアンプ21は光検出器19から
の信号を交流磁場の出力成分(角周波数ω)と直流磁場
の出力成分に分離する。ロックインアンプ21は各出力
成分を表す信号を除算器22に送り、除算器22は交流
成分と直流成分との比Rを算出し、適当な手段を介して
表示する。このようにして、比Rが求まれば、式(9)
に基づいて、直流磁場の強度h0 を算出することができ
る。あるいは、除算器22に計算器(図示せず)を接続
させ、自動的に式(9)に基づく計算を行った後、直流
磁場の強度h0 をディスプレイに表示させることもでき
る。
【0040】本実施例に使用したファラデー回転子(YbT
bBi)3Fe5O12 の膜厚は86μmであり、飽和に要する磁
場は1450〔Oe〕、ファラデー回転角Θは82〔d
eg〕であった。コイル20によって発生した交流磁場
の振幅は120〔Oe〕であった。被測定直流磁場はギ
ャップ型磁石を用いて発生させ、また、この直流磁場と
光ビームを平行にするために該ギャップ型磁石のポール
ピースに孔を開け、この孔に光ビームを通過させる配置
とした。被測定直流磁場のモニターはギャップ型磁石の
ギャップ中央のRIG膜ファラデー回転子15の近傍に
市販のホール素子を設けることにより行った。
【0041】交流磁場の周波数を0.6KHzとした場
合における信号S(比R)=Iac(ω)/Idcとホール
素子による磁場の読み取り値との関係をプロットした結
果を図2に示す。図2からわかるように、0から約10
〔Oe〕の範囲においては、信号S(比R)と被測定直
流磁場の強度との間には良好な直線的関係が成り立って
いる。
【0042】図2には示されていないが、約10〔O
e〕以上の範囲では、直線的関係からのずれが見られ
た。すなわち、本実施例において選定したHs,ΔHそ
の他のパラメータによっては、被測定直流磁場が約10
〔Oe〕以下である場合にのみ有用である。なお、光フ
ァイバーの引っ張り又は捩じりなどによる信号への影響
は測定精度の範囲内では見られなかった。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る磁場測
定装置及び磁場測定方法は、ファラデー回転子としての
強磁性体又はフェリ磁性体の磁区による光波の回折があ
る場合に、0次光のみを検出しても、高感度及び出力と
被測定磁場の強度との間の優れた直線性を達成すること
ができるとともに、光源のパワー変動の影響を受けるこ
とのない測定を可能にする。
【0044】特に、本発明に係る磁場測定装置及び磁場
測定方法においては、被測定直流磁場と交流磁場との積
の形で出力を検出するため、外乱の影響を受けにくく、
弱磁場に対しても高感度及び高い直線性を達成すること
が可能である。0次光の検出は簡単な構造の光学系によ
り行うことができるため、高感度が要求される直流磁場
の測定に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁場測定装置の一実施例の基本構
成を示す概略図である。
【図2】図1に示した磁場測定装置による磁場測定結果
を示すグラフである。
【図3】従来の磁場測定装置の基本構成を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1 光源 2,8 光ファイバー 3 第一レンズ 4 偏光子 5 ファラデー回転子 6 検光子 7 第二レンズ 9 受光素子 10 光磁場センサー 11 光源 12,18 光ファイバー 13 第一レンズ 17 第二レンズ 14 偏光子 15 ファラデー回転子 16 検光子 17 第二レンズ 19 光検出器 20 コイル 21 ロックインアンプ 22 除算器 30 光磁場センサー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源、レンズ、偏光子、強磁性体又はフ
    ェリ磁性体からなるファラデー回転子、レンズ、検光子
    及び受光器を備え、光がこの順に通過するように配置さ
    れており、磁場中における磁性体のファラデー回転の角
    度を測定することにより該磁場の強度を測定する磁場測
    定装置において、 前記ファラデー回転子の周囲に配置され、測定すべき直
    流磁場とは別個の交流磁場を発生させるコイルと、 前記受光器からの出力のうちの前記交流磁場と同じ周波
    数の出力成分を、測定すべき直流磁場の出力成分と比較
    し、該直流磁場の強度を測定する比較器とを備えること
    を特徴とする磁場測定装置。
  2. 【請求項2】 磁場中における磁性体のファラデー回転
    の角度を測定することにより該磁場の強度を測定する磁
    場測定方法において、 測定すべき直流磁場とは別個の交流磁場を発生させる過
    程と、 測定すべき直流磁場と前記交流磁場に基づく総出力のう
    ちの前記交流磁場と同じ周波数の出力成分を、該直流磁
    場の出力成分と比較する過程とを備えることを特徴とす
    る磁場測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113960506B (zh) * 2021-09-09 2024-04-30 刘俊彤 一种用于磁光效应测量磁场强度的互易光路及其测量方法

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