JPH08277204A - 徐放性微生物制御剤 - Google Patents

徐放性微生物制御剤

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JPH08277204A
JPH08277204A JP7080262A JP8026295A JPH08277204A JP H08277204 A JPH08277204 A JP H08277204A JP 7080262 A JP7080262 A JP 7080262A JP 8026295 A JP8026295 A JP 8026295A JP H08277204 A JPH08277204 A JP H08277204A
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JP
Japan
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control agent
group
hydrophobic
microbial control
oxide powder
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Withdrawn
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JP7080262A
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Inventor
Akira Nishihara
明 西原
Tsunetoshi Honda
常俊 本田
Kyoko Kawamura
京子 川村
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微生物制御剤 (抗菌剤、防黴剤) に徐放性を
付与する。 【構成】 微生物制御剤の水溶液または水性エマルジョ
ン溶液の液滴を、平均一次粒子径 0.007〜0.05μmの疎
水性超微粒子酸化ケイ素粉末 (気相コロイドシリカを疎
水化剤で処理したもの) で被覆する。この液滴化と被覆
は、酸化ケイ素粉末を強攪拌して浮遊流動状態にし、こ
れに上記溶液を注入することにより実施できる。 【効果】 疎水性超微粒子酸化ケイ素粉末の被覆が紫外
線遮断作用を有するため、微生物制御剤が紫外線に不安
定であっても、屋外で早期に分解せず、長期にわたって
微生物制御活性が持続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、徐放性の微生物制御剤
に関し、具体的には液滴を超微粒子粉末で被覆した構造
を持つ徐放性微生物制御剤に関する。
【0002】
【従来の技術】殺菌剤(抗菌剤)、殺黴剤(防黴剤)等
の微生物制御剤は、農業、工業、一般家庭など、多方面
に利用されている。この微生物制御剤の効果を長期間に
わたって持続させるために、徐放性(または持効性)を
付与した微生物制御剤も知られている。
【0003】従来の徐放性微生物制御剤としては、銀を
活性炭に添着させたもの、陰イオン交換樹脂にヨードを
結合させたもの、ポリミキシンをアガロースに結合させ
たもの等が知られているが、得られる抗菌力が弱かった
り、持続性が不十分という問題があった。
【0004】また、本発明者らは先に、グアニジル基を
含有する加水分解性シラン化合物およびグアニジル基を
含有するポリシロキサンが優れた抗菌性を示すことを見
出した(特開平5−247066号および同6−192428号各公
報参照)。このグアニジル基を有するシラン化合物また
はポリシロキサンは、抗菌防黴といった微生物の制御効
果が非常に高く、効果の持続性も良好であるが、グアニ
ジル基が紫外線に対して不安定であるため、屋外での使
用により長期間の紫外線照射を受けると分解して、比較
的早期に抗菌性を失う傾向がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、使いやすい
粉末状で、かつ徐放性に優れていて長期間にわたって微
生物を制御でき、しかも簡易に製造可能な、徐放性微生
物制御剤を提供することを目的とする。
【0006】本発明の別の目的は、優れた微生物制御効
果を示すグアニジル基を有する加水分解性シラン化合物
またはポリシロキサンからなる微生物制御剤を利用し
て、紫外線に対して安定化され、屋外でも長期間にわた
って効果を持続させることのできる徐放性微生物制御剤
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、疎水性超
微粒子酸化ケイ素によって微生物制御剤を含有する液滴
を被覆するという全く新規な着想によって、上記目的を
達成できることを見出した。疎水性超微粒子酸化ケイ素
粉末は、電子現像用のトナーに流動性改善剤として使用
されており、水分と混合すると、水滴を被覆して粉雪状
になることは知られているが、この粉末を有用成分を含
む液滴の被覆に利用して、その成分に徐放性を付与する
という利用法はこれまで試みられておらず、本発明者ら
が初めて着想したものである。
【0008】本発明は、微生物制御剤を含有する液滴を
疎水性超微粒子酸化ケイ素粉末で被覆してなる、徐放性
微生物制御剤である。本発明の好適態様にあっては、前
記微生物制御剤が、グアニジル基を有する加水分解性シ
ラン化合物またはグアニジル基を有するポリシロキサン
である。
【0009】本発明で液滴の被覆に用いる疎水性超微粒
子酸化ケイ素粉末は、気相法コロイドシリカあるいはヒ
ュームドシリカとして知られる、ハロゲン化ケイ素
(例、四塩化ケイ素)の気相酸化により得られる超微粒
子酸化ケイ素粉末に、疎水化処理を施したものである。
超微粒子酸化ケイ素粉末は平均一次粒子径が0.1 μm未
満の粉末である。この粉末の平均一次粒子径は、好まし
くは 0.007〜0.05μm (7〜50 nm)の範囲である。平均
一次粒子径が 0.007μm未満では、粉末の取扱いが難し
く、0.05μmを超えると液滴を均一に被覆することが次
第に困難となる。
【0010】気相法で得た超微粒子酸化ケイ素粉末の疎
水化処理は、この粉末に有機ケイ素化合物を被覆するこ
とにより行うことができる。疎水化処理に使用できる有
機ケイ素化合物としては、ジメチルジクロロシラン、ジ
メチルシリコーン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキシル
トリメトキシシランなどが挙げられる。これらはいずれ
も室温で液状であり、希釈せずに疎水化処理に使用でき
るが、室温で固体の有機ケイ素化合物の場合には、適当
な揮発性溶媒に溶解して使用してもよい。このような有
機ケイ素化合物による疎水化処理は、微生物制御剤がグ
アニジル基を含有するシラン化合物またはポリシロキサ
ンである場合に限らず、他の微生物制御剤に対しても使
用できる。疎水化剤としては、有機ケイ素化合物以外
に、有機フッ素化合物、有機チタン化合物なども使用で
きる。
【0011】疎水化処理は、超微粒子酸化ケイ素粉末を
攪拌等の適宜手段により流動状態にし (超微粒子である
ため、攪拌で容易に流動状態になる) 、これに有機ケイ
素化合物の液体または溶液を噴霧または滴下することに
より実施できる。疎水化剤の被覆量は、超微粒子酸化ケ
イ素粉末の重量に対して5〜30重量%の範囲内が好まし
い。噴霧または滴下終了後、流動状態を保持しながら、
酸化ケイ素粉末を加熱して疎水化剤を粉末表面に結合さ
せる。この加熱は、例えば 100〜300 ℃で1〜3時間程
度行うことができる。
【0012】なお、上記の超微粒子酸化ケイ素粉末およ
び疎水性超微粒子酸化ケイ素粉末は、いずれも日本アエ
ロジル社より市販品を入手することができる (疎水性超
微粒子酸化ケイ素粉末の例は、商品名R972等) 。
【0013】本発明によれば、この疎水性超微粒子酸化
ケイ素粉末を利用して、微生物制御剤を含有する液滴を
被覆する。この被覆は、疎水性超微粒子酸化ケイ素粉末
を強攪拌して浮遊流動状態にし、そこに微生物制御剤の
溶液 (エマルジョン溶液を含む)を少しづつ注入してい
くことにより実施できる。それにより、微生物制御剤の
溶液が分散されて液滴になり、生成した液滴に浮遊して
いる酸化ケイ素粉末が付着して、液滴の表面が疎水性超
微粒子酸化ケイ素粉末で覆われる。その結果、表面が疎
水性になり、液滴どうしの凝集、固着が妨げられ、流動
性のある粉雪状の微粉末が生成する。液滴の粒径は、液
の粘度、注入速度、攪拌速度等により制御することがで
きる。この時の攪拌速度は、上述した疎水化処理時の攪
拌速度と同程度ないしそれより高くすることができる。
【0014】微生物制御剤の溶液を形成するのに用いる
溶媒としては、水が最も好ましいが、アルコールやケト
ンなどの親水性有機溶媒も、単独で、あるいは水との混
合溶媒として使用できる。微生物制御剤の溶液の濃度は
特に制限されないが、微生物制御活性が失われるほど低
濃度としたり、或いは上記手段で容易に液滴化できない
ほど粘度が高くなるような高濃度の水溶液は好ましくな
い。微生物制御剤の溶液の粘度は30 cSt以下とすること
が好ましい。
【0015】微生物制御剤の溶液と被覆材料の疎水性超
微粒子酸化ケイ素粉末との割合は、液滴が完全に被覆さ
れて、流動性に優れた微粉末が得られる限り、特に制限
されない。しかし、通常は微生物制御剤の溶液50〜90重
量%、酸化ケイ素粉末が残り10〜50重量%の割合が適当
である。
【0016】使用する微生物制御剤は、水または親水性
有機溶媒を使用して、適当な濃度の溶液またはエマルジ
ョン溶液を形成できるものであれば、その種類を問わな
い。従って、本発明の徐放性微生物制御剤の用途に応じ
て、適当な微生物制御活性を有するものを選択すればよ
い。例えば、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、ヨウ
素剤などの無機系殺菌剤、クロロヘキシジン、グルタル
アルデヒド、塩化ベンザルコニウムなどの有機系抗菌
剤、第4級アンモニウム塩部分を有する加水分解性シラ
ン化合物などが、微生物制御剤として使用可能である。
【0017】本発明において微生物制御剤として使用す
るのに特に適しているのは、グアニジル基を有する加水
分解性シラン化合物またはグアニジル基を有するポリシ
ロキサンである。これらの有機ケイ素化合物は、いずれ
もグアニジル基によってその微生物制御活性を発揮し、
本発明により徐放性微生物制御剤とした場合に、その欠
点であった、紫外線照射下での微生物制御効果の低下が
抑制される。
【0018】グアニジル基を有する加水分解性シラン化
合物は次の一般式で表される。 X1X2X3Si-Y-NHC(=NH)NH-Z1 式中、X1〜X3の少なくとも一つは、アルコキシ基および
ハロゲンから選ばれた加水分解性基であり、残りは水素
または炭化水素基であり、YはC1〜C30 アルキレン基で
あり、Z1は−CNまたは−C(=NH)NH-Z2 (Z2はC1〜C20
ルキル基または置換もしくは非置換のフェニル基) であ
る。−NHC(=NH)NH-Z1 基は、Z1が−CN基である場合には
シアノグアニジル基、Z1が−C(=NH)NH-Z2 基である場合
にはビグアニジル基と呼ぶことができる。
【0019】このシラン化合物は、例えば、特開平5−
247066号公報に記載の方法により合成することができ
る。この方法では、 X1X2X3Si-Y-NH2で示されるアミノ
シラン化合物を出発物質とし、これにNC-N=C(SCH3)NH2
またはNaN(CN)2を反応させて、上記一般式においてZ1
−CNであるシアノグアニジル基含有シラン化合物を合成
する。Z1がビグアニジル基であるシラン化合物は、この
シアノグアニジル基含有シラン化合物を第1アミンと反
応させることにより合成できる。また、このシラン化合
物はグアニジル基に有機酸または無機酸が付加した酸付
加塩であってもよい。
【0020】X1〜X3のアルコキシ基としてはメトキシ
基、エトキシ基等が、ハロゲンとして塩素、臭素が例示
される。一方、X1〜X3の炭化水素基としてはメチル、エ
チルなどのC1〜C5アルキル基、シクロヘキシルなどの脂
環式基、またはフェニルなどの芳香族基が好ましい。好
ましくはX1〜X3の2つ以上がアルコキシ基であり、特に
好ましくは全部がアルコキシ基である。YのC1〜C30
ルキレン基の例には、メチレン、エチレン、プロピレ
ン、ヘキシレン、オクチレン、デシレン、エイコシレン
などがある。好ましくは、YはC2〜C10 アルキレン基で
ある。
【0021】Z1が−C(=NH)NH-Z2 で示される基である場
合、Z2はC1〜C20 アルキル基 (例、メチル、エチル、プ
ロピル、ヘキシル、デシル、エイコシルなど) 、または
フェニル基であり、このフェニル基はフッ素や塩素など
のハロゲン、トリフルオロメチル基などで置換されてい
てもよい。
【0022】上記一般式において、Yがプロピレン、Z1
が−C(=NH)NH-Z2 基 (Z2はハロゲンもしくはトリフルオ
ロメチル基で置換されたフェニル基) である化合物が、
合成の容易さと抗菌活性の両面から好ましい。このグア
ニジル基を有する加水分解性シラン化合物は水溶性の固
体であり、水溶液として本発明に使用することが好まし
いが、溶媒としてアルコールも使用できる。
【0023】本発明において微生物制御剤として使用で
きる別の有機ケイ素化合物は、グアニジル基を有するポ
リシロキサンである。このポリシロキサンは、少なくと
も1個のグアニジル含有基をポリシロキサンの連鎖内、
連鎖末端、または側鎖の少なくともいずれかに含有して
いればよい。
【0024】グアニジル基を有するポリシロキサンは、
下記一般式で表される反復単位をポリマー連鎖内、連鎖
末端および/または側鎖に有する。 −XY' SiO− 式中、XはC1〜C5アルキル基であり、Y' はグアニジル
基を含む1価の基である。このグアニジル基含有ポリシ
ロキサンは、特開平6−192428号公報に記載されている
ように、末端または側鎖にアミノ基を有するポリシロキ
サン(例、シリコーン樹脂の代表例であるジメチルポリ
シロキサン)を出発物質とし、上記のシラン化合物の合
成と同様の反応を利用して、アミノ基にシアノグアニジ
ル基を導入し、さらに必要であればシアノグアニジル基
をビグアニジル基に転化させることにより合成できる。
【0025】別の方法として、シリコーンの合成時に、
原料シラン化合物の一部にグアニジル基を含有するシラ
ン化合物を用いることによって、連鎖内にグアニジル基
含有反復単位−XY' SiO−を有するポリシロキサンを
得ることもできる。
【0026】グアニジル基含有ポリシロキサンも、グア
ニジル基に有機酸または無機酸が付加した酸付加塩であ
ってもよい。このポリシロキサン化合物は、その分子量
により、室温で液状から固形状のものまであり、いずれ
も水分散性であるので、水でエマルジョン化して油中水
型エマルジョンとして本発明に使用できる。
【0027】本発明により、疎水性超微粒子酸化ケイ素
粉末で微生物制御剤の水溶液からなる液滴を被覆したも
のは、粉雪状の外観を呈する粉末であり、これは流動性
に優れ、通常の粉末と同様に取扱うことができる。しか
し、この粉末は、時間の経過とともに徐々に崩壊し、粉
末から微生物制御剤活性の水溶液がしみ出してくる、即
ち、この粉末は徐放性を有していることがわかった。
【0028】そこで例えば、この粉雪状の粉末を農地や
花壇などの土壌改良剤として用いると、徐々にしみ出し
てくる微生物制御剤の水溶液の作用により、土壌の中に
生息する微生物数を長期にわたり持続的に制御すること
ができる。それにより、例えば、細菌や真菌が関与する
病害を防止したり、環境の衛生状態を保つという効果が
長期間発揮される。
【0029】また、本発明における微生物制御剤として
好ましいグアニジル基を有するシラン化合物およびポリ
シロキサンは、いずれもグアニジル基が紫外線に対して
比較的不安定なため、紫外線の長期照射を受けると、徐
々に分解して微生物制御剤活性を失う。従って、これら
の有機ケイ素化合物は、シラン化合物の加水分解による
被膜形成やポリシロキサンポリマーのアンカー効果によ
って本来的には効果の持続性に優れているにもかかわら
ず、紫外線に曝される屋外で使用した場合には、グアニ
ジル基の分解により効果の持続性を保つことができな
い。
【0030】しかし、本発明によれば、グアニジル基を
有するシラン化合物またはポリシロキサンを含有する液
滴が疎水性超微粒子酸化ケイ素粉末によって被覆され、
この被覆によって紫外線から遮蔽されるため、屋外で使
用しても紫外線による分解を受けない。そして、微生物
制御活性を有するシラン化合物またはポリシロキサンの
溶液が、被覆された液滴から徐々にしみ出してきて、長
期にわたる微生物制御を行うことができる。そのため、
これらの微生物制御剤を屋外で使用する場合の効果の持
続性を著しく高めることができる。これらのシラン化合
物またはポリシロキサンは耐水性を持った被膜を形成す
るので、屋外で雨が降っても微生物制御活性が低下しに
くいという利点もある。
【0031】微生物制御剤の効果の強さと持続性は、被
覆に用いる疎水性超微粒子酸化ケイ素粉末の疎水性基の
種類と親水性基との割合、微生物制御剤や溶媒の種類と
溶液の濃度、酸化ケイ素粉末と微生物制御剤の液の割合
などを変化させることにより制御することができる。
【0032】
【実施例】疎水性超微粒子酸化ケイ素粉末の調製 超微粒子酸化ケイ素粉末として、四塩化ケイ素の気相酸
化により形成された、比表面積 130〜300 m2/g (平均一
次粒子径 0.007〜0.016 μmに相当) の粉末20gを使用
し、この粉末を表1に示す割合 (粉末に対する重量%)
の有機ケイ素化合物からなる疎水化剤を用いて次のよう
に疎水化処理した。
【0033】まず、超微粒子酸化ケイ素粉末をブレンダ
ーで攪拌(10000 rpm) して流動状態に保持し、これに所
定量の疎水化剤を噴霧した。噴霧後、この混合物を窒素
気流中300 rpm で攪拌しながら、表1に示す温度まで昇
温させ、さらにこの温度で2時間攪拌を続けて、疎水化
処理を完了した。
【0034】
【表1】
【0035】徐放性微生物制御剤の調製 表1に示す粉末a〜dから選ばれた疎水性超微粒子酸化
ケイ素粉末を、ブレンダーで高速攪拌 (10000 rpm)して
浮遊流動状態にし、これに、表2に示す微生物制御剤の
水溶液 (グアニジル基含有ポリシロキサンのみ水中油型
エマルジョン溶液) を徐々に注ぎ込み、注入終了後も高
速攪拌を1分間続けることにより、微生物制御剤の溶液
の液滴が疎水性超微粒子酸化ケイ素粉末で被覆された徐
放性細菌制御剤を得た。使用した微生物制御剤の種類と
その溶液濃度および疎水性酸化ケイ素粉末と微生物制御
剤溶液の使用量は表2に示す通りであった。
【0036】表2に示す微生物制御剤のうち、グアニジ
ル基含有シラン化合物Aおよびグアニジル基含有ポリシ
ロキサンBの構造は次の通りであった。
【0037】
【化1】
【0038】
【表2】
【0039】抗菌性試験 上で得た徐放性微生物制御剤の抗菌性を、次の方法で試
験した。表3に示す割合で徐放性微生物制御剤を添加混
合した市販の腐葉土300 gを滅菌済みシャーレに広げ
た。このシャーレに太陽光を3週間照射し、その0、
1、2、3週間目にそれぞれ10gづつサンプルを採取し
た。採取したサンプルをそれぞれ滅菌水90 ml に加え、
30℃、150 rpm で30分間振盪し集菌した後、細菌用のHe
art infusion培地 (牛心臓浸出液、臓器 500g相当、ペ
プトン10g、NaCl 5g、蒸留水1000 ml 、pH7) を用
いて生菌数を測定した。結果 (生成したコロニー数) を
表3に示す。
【0040】比較例として、微生物制御剤として使用し
たグアニジル基含有シランAの5%水溶液、グアニジル
基含有ポリシロキサンBの5%水中油型エマルジョン溶
液、クロロヘキシジン・グルコン酸塩の0.5 %水溶液、
および次亜塩素酸ナトリウムの0.1 %水溶液をそのまま
で腐葉土に混合し、上記と同様に試験した。この比較例
の結果も表3に併せて示す。
【0041】
【表3】
【0042】表3からわかる通り、比較例のように各微
生物制御剤の溶液をそのまま使用した場合には、抗菌性
は太陽光照射期間の経過とともに次第に低下し、3週間
後には対照とほぼ同レベルになり、抗菌性を失った。
【0043】なお、参考までに、比較例で使用した各微
生物制御剤の溶液を混合した腐葉土を、太陽光を照射せ
ずに室内で3週間放置して、上記と同様に試験した場
合、グアニジル基含有シラン化合物Aとグアニジル基含
有ポリシロキサンBでは3週間後も初期と同レベルの抗
菌性を保持していたのに対し、クロロヘキシジン・グル
コン酸塩と次亜塩素酸ナトリウムでは、太陽光照射の場
合に近い抗菌性の低下傾向を示した。即ち、シラン化合
物AとポリシロキサンBの抗菌性は、本来は持続性が高
いが、紫外線照射下では早期に低下し易いのである。
【0044】一方、本発明により各微生物制御剤の溶液
を疎水性超微粒子酸化ケイ素粉末で被覆すると、照射前
の抗菌性は比較例より低いが、1週間後には抗菌性が照
射前および比較例よりも高くなり、3週間後もほぼ同レ
ベルの高い抗菌性を保持していた。従って、本発明によ
り、微生物制御剤の種類によらず、徐放性を付与するこ
とができることがわかる。
【0045】
【発明の効果】本発明の微生物制御剤を含有する液滴が
疎水性超微粒子酸化ケイ素粉末で被覆されてなる徐放性
微生物制御剤は、疎水性超微粒子酸化ケイ素粉末を攪拌
して浮遊流動化させ、そこに微生物制御剤の溶液または
エマルジョン溶液を注入するという簡易な手段で製造で
き、それにより各種の微生物制御剤に徐放性を低コスト
で付与することができる。
【0046】この徐放性微生物制御剤は、疎水性超微粒
子酸化ケイ素粉末による被覆によって、内部の微生物制
御剤の液滴を紫外線から遮断する。そのため、そのまま
では屋外で使用すると効果が早期に低下する、紫外線に
対して不安定な微生物制御剤(例、グアニジル基を有す
るシラン化合物またはポリシロキサン) であっても、本
発明により屋外で長期にわたって持続した微生物制御活
性を発揮させることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物制御剤を含有する液滴を疎水性超
    微粒子酸化ケイ素粉末で被覆してなる、徐放性微生物制
    御剤。
  2. 【請求項2】 前記微生物制御剤が、グアニジル基を有
    する加水分解性シラン化合物またはグアニジル基を有す
    るポリシロキサンである、請求項1記載の徐放性微生物
    制御剤。
  3. 【請求項3】 前記疎水性超微粒子酸化ケイ素粉末が、
    0.007〜0.05μmの平均一次粒子径を有する、請求項1
    または2記載の徐放性微生物制御剤。
  4. 【請求項4】 前記疎水性超微粒子酸化ケイ素粉末が、
    ハロゲン化ケイ素の気相酸化により得た超微粒子酸化ケ
    イ素粉末に有機ケイ素化合物を被覆した粉末である、請
    求項1ないし3のいずれか1項に記載の徐放性微生物制
    御剤。
JP7080262A 1995-04-05 1995-04-05 徐放性微生物制御剤 Withdrawn JPH08277204A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999051091A1 (fr) * 1998-04-07 1999-10-14 Shionogi & Co., Ltd. Granule pesticide a liberation par impulsion presentant un enrobage protecteur hydrophobe contenant de la silice
US7030071B2 (en) 2002-02-26 2006-04-18 The Regents Of The University Of California Solid-water detoxifying reagents for chemical and biological agents

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WO1999051091A1 (fr) * 1998-04-07 1999-10-14 Shionogi & Co., Ltd. Granule pesticide a liberation par impulsion presentant un enrobage protecteur hydrophobe contenant de la silice
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