JPH08277192A - 化合物半導体単結晶の製造装置および製造方法 - Google Patents

化合物半導体単結晶の製造装置および製造方法

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JPH08277192A
JPH08277192A JP7900995A JP7900995A JPH08277192A JP H08277192 A JPH08277192 A JP H08277192A JP 7900995 A JP7900995 A JP 7900995A JP 7900995 A JP7900995 A JP 7900995A JP H08277192 A JPH08277192 A JP H08277192A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術における様な問題を悉く解消し、高
品質な化合物半導体単結晶を製造する為の有用な装置、
およびこの様な装置を用いて上記の様に単結晶を製造す
るための有用な方法を提供する。 【構成】 垂直ブリッジマン法または垂直温度勾配法に
よって化合物半導体単結晶を製造する為の装置であっ
て、原料および種結晶が充填されたるつぼを封管する石
英製封管容器、または原料および種結晶が充填されて封
管される石英製るつぼの外側が、1300℃の温度にお
いても融解・軟化しない材料で形成された強化材によっ
て取り囲まれた構成としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、垂直ブリッジマン法や
垂直温度勾配法によって化合物半導体の単結晶を製造す
る為の装置および方法の改良に関し、特にGaAsやI
nP等の化合物半導体のバルク単結晶を、低転位で且つ
高品質でしかも歩留まり良く工業的に製造することので
きる装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】GaAsやInP等の化合物半導体単結
晶の工業的製造法としては、水平ブリッジマン法(HB
法)、液体封止引き上げ法(LEC法)、垂直ブリッジ
マン法(VB法)および垂直温度勾配法(VGF法)等
様々な方法が知られている。これらの方法のうちVB法
やVGF法は、LEC法と比べて、(a) 単結晶直径制御
の必要がなく円柱状のインゴットを製造できること、
(b) 低温度勾配下での結晶成長が可能であること等の利
点を有している。また原料融液と成長単結晶の臨面が、
高温の原料融液の下方に配置される構成であるので、原
料融液の対流も抑制されて熱応力の局部的な偏在も抑制
され、これによって転位やリエンジ構造の発生が抑制さ
れ、低転位密度の化合物半導体単結晶を製造することが
可能である。
【0003】VB法やVGF法に関する従来技術として
は、特開昭63-79792号に開示された液体封止垂直ブリッ
ジマン法(LE−VB法)や、平成2年秋期応用物理学
会予稿集26a−T−10に開示された住友金属鉱山株
式会社による封管VGF法等が知られている。
【0004】このうち特開昭63-79792号等に開示された
方法では、上端が解放されたるつぼを用い、原料融液の
上面を液体封止材である酸化硼素(B23 )融液で被
覆した状態で、高圧の不活性ガス雰囲気中で結晶の成長
を行なうものである。この方法では、B23 の存在に
よって、原料融液の解離成分の蒸発や抑制すると共に、
外部環境からの不純物の混入を抑制することができると
いう効果が発揮される。
【0005】この方法を図面を用いて更に詳細に説明す
る。図1は、この方法を実施する為の装置の結晶成長時
の状態を模式的に示した説明図であり、図中1は種結
晶、2は成長した化合物半導体単結晶、3は原料融液、
4は一般に円形断面形状を有するるつぼ、5は液体封止
材であるB23 融液、6は発熱体(例えば、ヒータ
ー)、7は高圧気密容器、8はるつぼ保持具を夫々示
す。
【0006】図1に示した装置構成において、単結晶を
製造するには下記の手順に従って行なわれる。まず種結
晶1の部分が融点以下である様に温度勾配をつけた設定
になる様にるつぼ4が加熱される。ここで原料(図示せ
ず)が融解されて原料融液3になると共に、種結晶1の
上部の一部が融解(シーデイング)される。そして発熱
体6のるつぼ4に対する相対的な移動(例えば、保持具
8によるるつぼの下降)による温度勾配曲線の上方への
移動によって、融点温度領域を徐々に上方に向かって移
動させる。この融点温度領域の移動によって、原料融液
3は種結晶1の方位に従って固化していき、化合物半導
体単結晶2として成長していく。この様にして成長して
いく化合物単結晶2は、B23 融液5によってその上
部が被覆されているので、不純物の混入が比較的抑制さ
れたものとなる。このため、不純物元素を積極的に添加
しない場合においては、高速IC等の素材として有用な
比較的低転位密度の半絶縁性を有するものとなる。
【0007】しかしながら、上記の様な方法において
は、ヒーター等の発熱体6も同一の高圧気密容器7内に
存在しているので、B23 融液5で原料融液3の上部
を被覆していても、周囲環境からの気相を介しての原料
融液3への不純物混入が避けられないという欠点があ
る。例えばカーボンヒーターを用いて製造された単結晶
中の不純物炭素濃度は、1×1016atoms/cm3 程度とい
う高い値であると言われており、この様な不純物の混入
は製造される単結晶の電気的特性や均一性に著しい悪影
響を与えている。
【0008】またこの方法では、原料融液3の面上のB
23 融液5の存在によって、原料融液3中の解離成分
の解離・蒸発が幾分抑制されると言えるが、それでもB
2 3 内を拡散し、大きな容積を有する高圧気密容器7
内に蒸発して原料融液3から失なわれ、この解離成分の
量は単結晶のストイキオメトリー(化学量論的)組成を
厳密に制御する上で無視できない。この為この様な方法
によって製造された単結晶には、組成のずれに由来した
点欠陥等が導入され、結晶内での電気的特性の均一性や
熱的安定性が悪くなる。こうしたことから、上記の方法
は、不純物濃度やストイキオメトリー組成を厳密に制御
することを満足させる方法とは言えない。従って、この
方法によって製造された単結晶は、電子デバイスを製造
する上で歩留まりが低くなるという不都合を招くことに
なる。
【0009】一方、前記した封管VGF法においては、
不純物混入の抑制を更に高め、またストイキオメトリー
組成を更に厳密に制御することもでき、上記の様な問題
の解決が図られている。この方法を図面を用いて説明す
る。図2は、この方法を実施する為のるつぼの構成を示
す説明図であり、図中9は封管用の石英製るつぼ(封管
容器)、10は熱分解性窒化硼素(Pyrolytic Boron Ni
trido :以下、PBNと略記する)製るつぼを夫々示
す。PBN製るつぼ10は石英製るつぼ9内に挿入され
て封管されるが、このとき封管容器(石英製るつぼ9)
の内部は化合物半導体単結晶の融点付近でその解離成分
が原料融液と平衡になる解離成分の気体で満たされる。
またPBN製るつぼ10内における、種結晶1、化合物
半導体単結晶2および原料融液3等の配置は、図示しな
いが、前記図1の場合と同じである。この方法によれ
ば、ヒーター等の部材が成長単結晶と同一雰囲気中に存
在しないので、周囲環境からの気相を介しての不純物の
混入が完全に抑制されることとなる。尚この方法では、
石英製るつぼ8からのSiの汚染が生じる可能性がある
が、これは前記図1に示したのと同様に原料融液の上部
をB23 融液によって被覆する構成を採用することに
よって、該B23 融液に含有される水分でゲッタリン
グが図られ、石英製るつぼ8からの不純物の混入も抑制
された化合物半導体の製造が可能になる。更に、原料の
解離成分の気体によって、容器内の平衡が維持されるの
で、ストイキオメトリー組成の制御された化合物半導体
単結晶の製造が可能になると言われている。この様に封
管容器を用いることによって、高品質な化合物半導体単
結晶を製造する為の方法が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の様な封管VGF
法による化合物半導体単結晶の製造方法においても、化
合物半導体単結晶への不純物混入を抑制するという観点
から、原料融液の上部をB23 融液によって被覆する
構成を採用することが必須の要件となっている。ところ
で、B23 は水分を吸着しやすいので、含有水分量を
低く制御した場合であっても、工業的に採算のとれる高
純度のものは、100〜数100ppmの水分が含まれ
ている。この為、1200℃以上の温度においては、前
記水分が水蒸気となって著しく膨張する。例えば、封管
後の自由空間の体積を100cm2とし、水分含有量が
200ppmのB23 を用いた場合には、1250℃
でおよそ1.4気圧になる。またB23 は、充填時
(固体状)にも表面に水分を吸着するので、封管容器の
内圧は更に増加することになる。ここで封管容器は石英
で構成されるのが一般的であるので、この温度で内外の
圧力差により、封管容器は変形若しくは破損するという
事態を招くことになる。更に、封管容器の膨張に伴い、
予め封入された解離成分の分圧が変化してしまい、封管
容器内の平衡を保つ為には原料融液から解離成分の気体
が蒸発し、ストイキオメトリー組成の厳密な制御ができ
なくなる。更に、原料が融解しているときの温度におい
ては、B23 (B23 融液)から水分が水蒸気とな
って発泡するという事態が生じる。
【0011】前述したLE−VB法の様に、高圧を液体
封止材(B23 融液5)の上方から印加している場合
には、上記の様な発泡は抑制されて何ら問題とならな
い。しかしながら、るつぼの変形を避ける為に、封管容
器内部を低圧に設定した封管VGF法においては上記の
様な発泡が盛んに生じ、この発泡が種結晶の下部より発
生するときには、種結晶とPBN製るつぼとの間に原料
融液が垂れ込み、この原料融液が急速に冷却されて固化
することがある。このとき、更にその周囲に固化した原
料融液は、一定の方位を持っておらず、この部分より成
長を開始した場合には、この垂れ込みの固化部分が多結
晶境界の発生起点となる。またるつぼを複数回使用した
ときに、発泡の原因となる水蒸気が、単結晶の剥離の程
度が一様でないPBNるつぼ内面の凹凸部分に滞留し、
局所的に結晶成長環境を変化させて、やはり多結晶境界
の発生起点となる場合がある。この様な多結晶境界の起
点の発生は、単結晶の歩留まりを著しく低下させること
になる。
【0012】ところで、石英製の封管容器は化合物半導
体単結晶の原料が融解する温度以上で軟化し始める。例
えばGaAsの融点は1238℃であるが、石英の軟化
は1250℃付近から始まる。この為、この方法におい
ては、融液上部を融点以上に積極的に加熱することがで
きず、融液下方への熱流を制御することによる単結晶成
長界面の形状の範囲が限定されることになる。これによ
って、成長温度環境の保温構造によっては、単結晶成長
界面の形状を良好に制御することができず、転位やリニ
エジ構造が蓄積されて、多結晶境界や双晶の発生をもた
らす結果となり、高品質の化合物半導体を歩留まり良く
得ることができなくなる。この様に、封管VGF法にお
いては、LE−VB法には無かった新たな問題が発生す
ることになる。
【0013】本発明はこの様な状況のもとになされたも
のであって、その目的は、従来技術における様な問題を
悉く解消し、高品質な化合物半導体単結晶を製造する為
の有用な装置、およびこの様な装置を用いて上記の様に
単結晶を製造するための有用な方法を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明とは、垂直ブリッジマン法または垂直温度勾配法に
よって化合物半導体単結晶を製造する為の装置であっ
て、原料および種結晶が充填されたるつぼを封管する石
英製封管容器、または原料および種結晶が充填されて封
管される石英製るつぼの外側が、1300℃の温度にお
いても融解・軟化しない材料で形成された強化材によっ
て取り囲まれた構成としたものである点に要旨を有する
化合物半導体単結晶の製造装置である。
【0015】また上記した石英製封管容器や石英製るつ
ぼの外側に、結晶成長時の石英製封管容器または石英製
るつぼ内の圧力と等しい圧力を印加することのできる圧
力容器を配置した製造装置であっても、本発明の目的が
達成される。
【0016】更に、上記した各製造装置を用い、前記石
英製封管容器の密封前または石英製るつぼの封管前に予
め不活性ガスを充填すると共に、結晶成長時に原料融液
の液面を液体封止材で被覆した状態とし、結晶成長時の
温度で前記液体封止材上部に圧力を印加しつつ前記原料
融液から化合物半導体単結晶を成長させることによっ
て、希望する化合物半導体単結晶が製造できる。
【0017】
【作用】本発明の構成および作用・効果を図面を用いて
説明する。図3は本発明の装置の構成例を模式的に示し
た説明図であり、図中11はPBN製るつぼ、12は封
管される石英製るつぼ、13は化合物半導体の原料、1
4はB23 (固体状)、15は種結晶、16は石英製
るつぼ12の外側を取り囲む強化材、17はるつぼ10
の上方に配置される蓋体、18は石英製るつぼ12と強
化材16との間隙に充填されたカーボン粉末を夫々示
す。この様な装置構成において、強化材16は1300
℃の温度で変形・軟化しない十分な強度を有する材料に
よって構成される。ここで「1300℃」としたのは、
GaAsの融点(1238℃)以上に加熱する必要があ
ること、および成長系に与える温度勾配や過冷却層の厚
み、融液物性等を制御する為には、スーパーヒートを大
きくした方が制御が容易になる等の理由から、1300
℃に昇温する可能性があるからである。
【0018】この様に前記石英製るつぼ12の外側を、
1300℃の温度で変形・軟化しない十分な強度を有す
る材料で形成された強化材16によって取り囲むことに
よって、石英製るつぼ12の単結晶成長時の膨張や変形
を防止することができる様になる。またこの様な構成を
採用することによって、封管容器(石英製るつぼ12)
内部の圧力を積極的に高めることができる。尚強化材1
6を構成する材料としては、上記の特性を有していれば
特に限定されるものではないが、例えば後記実施例に記
載したカーボンの他、立方晶窒化硼素(cBN)や炭化
珪素(SiC)等を挙げることができる。尚図3に示し
た構成では、原料および種結晶が充填されたPBN製る
つぼ11中を封管する石英製るつぼ12の構成について
示したけれども、この構成を原料および種結晶が充填さ
れた石英製るつぼとし、該るつぼの外側を、上記した様
な機能を有する強化材16によって取り囲む様にしても
本発明の目的は達成される。即ち、石英製るつぼに、原
料13および種結晶15を直接的に充填される場合であ
っても、後述する様に原料(または原料融液)の上限を
23 融液で被覆する構成を採用することによって、
23 融液に含まれる水分で前記ゲッタリングが図ら
れ、石英製るつぼからの不純物の混入が抑制される。
【0019】図4は、本発明の装置の他の構成例を示す
概略説明図であり、この構成においては、圧力容器20
の中にヒーター21および成長機構(例えば、参照符号
22で示される昇降機構)を配置し、封管容器(石英製
るつぼ12)の内圧と等しい外圧を外部から印加できる
様に構成されている。尚封管容器としての石英製るつぼ
12付近の構成は前記図3に示した構成に類似している
ので、対応する部分には同一の参照符号を付すことによ
って、重複説明を回避する。この様な構成においても、
前記図3の構成と同様に本発明の目的が達成される。ま
たこの場合も、石英製るつぼ12内に原料13および種
結晶15を直接充填する構成であっても良い。
【0020】図3および図4に示した構成では、石英製
の封管容器の膨張を単に抑制するばかりでなく、封管容
器内部の圧力を積極的に高めてこれを利用することがで
きる。即ち、液体封止材であるB23 の上部に圧力を
積極的に印加することが可能となり、B23 中に含ま
れる水分の発泡を抑制することが可能となる。こうした
構成を採用することによって、上記の発泡に基づく多結
晶化の問題が解決されて、単結晶製造の歩留まりが従来
より遥かに向上することになる。
【0021】上記の様な装置構成を採用するだけでも本
発明の目的が達成されるのであるが、実際の操業にあた
っては、膨張する水蒸気の圧力以上に、液体封止材であ
るB 23 の上部に圧力を印加することは、B23
らの発泡を抑制し、単結晶の組成を厳密に制御する上で
有効である。即ち、水蒸気の発泡は、B23 の内部か
ら起こり、実際には化合物半導体の融液の上部を封止し
ている状態であっても継続して発生することがあり、融
液より解離したAs等の原料の気体が発泡内部に取り込
まれて上部から抜け、場合によっては単結晶のストイキ
オメオリー組成を完全なものに制御することができなく
なることもあるので、こうした構成はその効果を更に高
める上で有効である。B23 の上部に圧力を印加する
ための具体的な手段としては、化合物半導体単結晶の成
長時の温度で所望の圧力を計算しておき、その圧力とな
る様にAr等の不活性ガスを、封管容器内に予め封入し
ておくことも挙げられる。このように不活性ガスを封入
して内部圧力を高めることは、従来の装置を用いたので
は封管容器の破損や変形を伴うことになるのであるが、
上記した様な本発明の装置構成を採用すれば、その様な
不都合が発生することもないのである。
【0022】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0023】
【実施例】
実施例1 前記図3に示した装置を用いて下記の手順で単結晶を製
造した。まず種結晶を装着する部分を持つPBN製るつ
ぼ11(直径:50mm,長さ:150mm)の中に、
GaAsの原料13(GaAs多結晶)900g、種結
晶15(直径:5.0mm,長さ:50.0mm,重
さ:5.3g)および固体状のB23 14(直径:1
0.0mm,厚み:10.0mm,重さ:5g)を充填
し、これを石英製るつぼ12(直径:51mm,長さ:
160mm)中に入れた。なおB23 の水分含有量
は、100ppm以下に制御した。尚上記石英製るつぼ
12は、石英製のるつぼ本体(図示せず)とキャップ
(図示せず)とからなり、原料、種結晶およびB23
等を充填したPBN製るつぼ11をるつぼ本体に収納し
た後、キャップを嵌め込み、嵌め込み部分を水素バーナ
ーで溶接したものである。この溶接にあたっては、へこ
み等の変形が著しい場合には、高温で機械的応力が集中
して破損の原因となるので、この溶接作業は慎重に作業
を行なった。また前記キャップは、後述する真空引きの
ための通気孔が形成されている。
【0024】上記石英製るつぼ12の内部を真空に引
き、1.0×10-4torrの高真空にした。真空ライ
ンは、例えば図5に示す様に構成されており、真空ライ
ンへのコック25を閉じてArガス導入側のコック26
を開くことによってArガスの導入ができる様に構成さ
れている。そして、この真空ラインによって、1250
℃でおよそ4気圧になる様にArガスを導入した。Ar
ガスを導入した後、封管部分(前記した通気孔部分)を
バーナ−で封管した。これを前記強化材16に装着し
た。
【0025】上記強化材16は、前記石英製るつぼ12
の外形よりも2〜3mmの間隙を有する様に、封管容器
12を挿入できる挿入凹部が、くり貫き加工によって形
成されている。この強化材16への石英製るつぼ12の
挿入を、下記の手順に従って行なった。まず、粒径が5
〜10μmに調整されたカーボン粉末18を、容器の底
(所謂シード部分)から数mmの高さまで充填した。こ
の上に、石英製るつぼ12を注意深く挿入した。次に、
強化材16の挿入凹部と封管容器11の間隙が一定とな
る様にし、且つこの間隙中に前記カーボン粉末18を充
填していき、この間隙がなくなる様にした。そして挿入
凹部の開口部近くまでカーボン粉末18が充填された
ら、上蓋17を装着した。この上蓋17には、上部から
カーボン粉末18を挿入できる口が形成されており、こ
の口から石英製るつぼ12の上部までカーボン粉末を充
填し、図3の状態とした。尚カーボン粉末18の充填に
当たっては、強化材16をときどき振動させて、隙間に
カーボン粉末18が十分に密に詰まる様にした。
【0026】前記図3に示した状態の石英製るつぼ11
を、図6に示す様に成長炉(高圧気密容器)中に置いた
(参照符号6、7については前記と同じ)。このとき、
強化材16の高温での酸化を防止するするために、成長
炉の内部は窒素雰囲気となる様にした。この状態で、室
温から300℃/hrの速度で昇温させていき、これに
図7のグラフ中に示される様に、シーディング付近で1
0℃/cmの温度分布をつけて昇温を終了した。この状
態で、8時間保持し、シーディング界面を安定化させ
た。その後、炉体を2mm/hrで120mm上昇させ
て単結晶を成長させた。引き続き、100℃/hrで全
体を降温していき、室温になったところで、強化材16
を成長炉から取り出し、石英製るつぼ12を取り出して
上部をカッターナイフで切断して、成長した単結晶を取
り出した。
【0027】結晶を取り出した後、ウェーハ加工し、単
結晶中の転位欠陥の密度をKOHエッチング法で測定し
たその結果、エッチ・ピット密度(転位密度)は2×1
3/cm2 以下であった。また結晶中の不純物濃度を二次
電子質量分析法にて分析した結果、C濃度およびB濃度
は1×1015atoms/cm3 の検出限界以下であ
り、Si濃度は1×1014atoms/cm3 の検出限
界以下であった。更に、単結晶の比抵抗は、1×107
Ω・cm以上であり、半絶縁性を示していた。
【0028】実施例2 まず前述の実施例1と同様に、原料等の充填、封管を行
なった石英製るつぼ12を図4に示した圧力容器20内
に設置した。尚圧力容器20内部の機構を簡単にするた
め、炉体を自動的に昇降させる機構22は装備されてい
なくても良い。この様にすれば圧力容器20を有しなが
らも、低コストで炉の製作が可能である。
【0029】高圧容器20の内部の圧力は、ヒーター温
度が800℃から温度上昇と共に一定の割合で上昇させ
てゆき、1250℃で5気圧に到達させる様にした。前
述した如く、石英の軟化はおよそ1250℃付近から始
まるので、1250℃程度までは石英製るつぼ12の内
外の圧力に差があっても変形や破損の問題はない。12
50℃以上で軟化しはじめても、高温容器内部の圧力は
封管容器内部の圧力とバランスさせる様に調整するた
め、成長に必要な温度域においても封管容器の膨張や破
損を伴うことなく、容器内部に5気圧の圧力を印加する
ことが可能となった。
【0030】図7に示される様にシーディング位置近傍
で10℃/cmの温度勾配をもつように設定できたとこ
ろで昇温を終了した。このときも、同様に8時間の安定
化を行なった後、成長を開始した。このとき、炉の自動
的な移動機構がないため、中央部のヒータの設定温度を
およそ2℃/hrで下降させることにより、融点の上方
への移動を行なった。60時間かかって融点を融液上部
まで移動させた後、全体を100℃/hrで降温した。
【0031】先に示した方法と同様にして得られた単結
晶の評価を行なったところ、やはり、EPDは平均2×
103 /cm2 以下であり、C濃度およびB濃度は1×
10 15atoms/cm3 、Si濃度は1×1014at
oms/cm3 の検出限界以下であり、比抵抗が1×1
7 Ω・cm以上の半絶縁性の単結晶基板が得られてい
た。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、不
純物の混入が制御されストイキオメトリー組成の厳密に
制御された化合物半導体単結晶の製造が可能となった。
また封管容器の変形が抑制されて、上記の様な化合物半
導体単結晶が高い歩留まりで製造が可能となるため、従
来技術に比べて製造コストが低減できるという利点もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のLE−VB法を実施する為の装置の結晶
成長時の状態を模式的に示した説明図である。
【図2】封管VGF法を実施する為のるつぼの構成を示
す説明図である。
【図3】本発明の装置の構成例を模式的に示した説明図
である。
【図4】本発明の装置の他の構成例を示す概略説明図で
ある。
【図5】実施例における真空ラインを説明する為の図で
ある。
【図6】図3に示した装置を成長炉内に置いた状態を示
す図である。
【図7】シーディング状態を説明する為のグラフであ
る。
【符号の説明】
11 PBN製るつぼ 12 石英製るつぼ 13 原料 14 B23 15 種結晶 16 強化材 17 蓋体 20 圧力容器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直ブリッジマン法または垂直温度勾配
    法によって化合物半導体単結晶を製造する為の装置であ
    って、原料および種結晶が充填されたるつぼを封管する
    石英製封管容器、または原料および種結晶が充填されて
    封管される石英製るつぼの外側が、1300℃の温度に
    おいても融解・軟化しない材料で形成された強化材によ
    って取り囲まれた構成としたものであることを特徴とす
    る化合物半導体単結晶の製造装置。
  2. 【請求項2】 垂直ブリッジマン法または垂直温度勾配
    法によって化合物半導体単結晶を製造する為の装置であ
    って、原料および種結晶が充填されたるつぼを封管する
    石英製封管容器、または原料および種結晶が充填されて
    封管される石英製るつぼの外側に、前記石英製封管容器
    または石英製るつぼの結晶成長時の内部圧力と等しい圧
    力を印加することのできる圧力容器を配置したものであ
    ることを特徴とする化合物半導体単結晶の製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の製造装置を用
    い、前記石英製封管容器または石英製るつぼの封管前に
    予め不活性ガスを充填すると共に、結晶成長時に原料融
    液の液面を液体封止材で被覆した状態とし、且つ結晶成
    長時の温度で前記液体封止材上部に圧力を印加しつつ前
    記原料融液から化合物半導体単結晶を成長させることを
    特徴とする化合物半導体単結晶の製造方法。
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