JPH08277148A - 光ファイバ心線のコーティング方法 - Google Patents

光ファイバ心線のコーティング方法

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JPH08277148A
JPH08277148A JP7079077A JP7907795A JPH08277148A JP H08277148 A JPH08277148 A JP H08277148A JP 7079077 A JP7079077 A JP 7079077A JP 7907795 A JP7907795 A JP 7907795A JP H08277148 A JPH08277148 A JP H08277148A
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哲也 山本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ファイバ心線のコーティングでの気泡混入
の発生を防止する。 【構成】 着色心線からなり、並列に配置された複数の
光ファイバ心線を、ニップル6と、ウレタンアクリレー
トを主成分とする液状の紫外線硬化樹脂からなるコーテ
ィング液7が充満したコーティング液室5と、ダイス4
の孔4aとに通して上から下に走行させる。光ファイバ
心線が接触するコーティング液のコーティング接触線7
aに接するダイス上部空間8の温度、及び、コーティン
グ液と接触する前の光ファイバ心線自体の温度の一方も
しくは双方を、少なくともコーティング液の温度よりも
低くなるように制御する。または/これに加えて、コー
ティング液として、紫外線硬化樹脂にシリコーンオイル
を添加して光ファイバ心線の外表面に対するぬれ性を増
大させたものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コーティング用ダイス
装置を用いて、光ファイバ心線の外表面を紫外線硬化樹
脂によりコーティングする光ファイバ心線のコーティン
グ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の光ファイバ心線のコ
ーティング方法として、図1に示すようなコーティング
用ダイス装置を用いるものが知られている。このダイス
装置は、光ファイバ心線1より所定量大きい内径の孔4
aが形成されたダイス4と、このダイス4の上端部にね
じ込まれたニップル6と、このニップル6と上記ダイス
4との間に画成されたコーティング液室5とを備えてお
り、上記コーティング液室5に所定の液温に調整された
液状の紫外線硬化樹脂からなるコーティング液が充満す
るように加圧供給されるるとともに、光ファイバ心線1
が上記ニップル6の孔6a、コーティング液室5、及
び、ダイス4の孔4aを通して所定の線速で下方に連続
して走行されるようになっている。そして、上記光ファ
イバ心線1が、コーティング液室5のコーティング液中
を通過する際にコーティング液が上記光ファイバ心線1
の外表面に付着し、上記ダイス4の孔4aを通すことに
より所定形状の被覆層が形成されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
光ファイバ心線のコーティング方法においては、主とし
て光ファイバ心線外表面と被覆層との界面等に気泡が混
入することがある。特に、2乃至4本の複数の光ファイ
バ心線を並列に配置し、これを一括コーティングしてテ
ープ状に一体化する場合に、隣接する光ファイバ心線間
の谷間に上記の気泡混入が発生し易い傾向にある。ま
た、上記光ファイバ心線が、着色心線のごとく接続作業
性の観点から被覆部を剥がし易いように着色材に離型材
を添加したものである場合にも、気泡混入が発生し易い
傾向にある。そして、この気泡が混入すると、コーティ
ングされた光ファイバ心線の伝送特性が悪化し、特に所
定の温度サイクル(例えば、−30℃〜+60℃)にお
ける低温領域での損失増加度合いが増大することにな
る。また、上記の気泡の混入はダイス装置を通過する光
ファイバ心線の線速(走行速度)を速くする程、空気を
巻き混み易く、気泡混入の増大を招くとされているた
め、所定の線速以上の高速化を図ることができない状況
にある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、光ファイバ心
線のコーティングにおいて、気泡の混入発生を防止する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及びその作用】上記目的を
達成するために、本発明者等は、空気中を連続移動して
きた光ファイバ心線がコーティング液と接触するコーテ
ィング接触点における光ファイバ心線外表面に対するコ
ーティング液の付着特性に着目して、鋭意研究を進めた
結果、次の第1〜第3の方法により紫外線硬化樹脂によ
る被覆層への気泡混入の発生が防止できることを見出だ
した。
【0006】すなわち、請求項1記載の発明に対応する
第1の方法は、光ファイバ心線を、液状の紫外線硬化樹
脂からなるコーティング液と接触させながらダイスの孔
に通すことにより、上記光ファイバ心線の外表面をコー
ティングして被覆層を形成するものを前提とする。そし
て、このものにおいて、上記光ファイバ心線が接触する
コーティング液のコーティング接触線に接するダイス上
部空間の温度、及び、上記コーティング液と接触する前
の光ファイバ心線自体の温度の一方もしくは双方が、少
なくともコーティング液の温度よりも低くなるように制
御するものである。ここで、上記のダイス上部空間の温
度と、コーティング液と接触前の光ファイバ心線自体の
温度との双方を上記の如く制御するのが好ましいが、こ
れに限らず、いずれか一方を制御するだけでもよい。上
記の温度制御としては、具体的には、コーティング液の
液温を25℃以上にした場合に、上記ダイス上部空間等
の温度を20℃程度にしてこの20℃の空気をコーティ
ング接触線のコーティング液に接触させるようにする。
【0007】また、請求項2記載の発明に対応する第2
の方法は、第1の方法と同様に、光ファイバ心線を、液
状の紫外線硬化樹脂からなるコーティング液と接触させ
ながらダイスの孔に通すことにより、上記光ファイバ心
線の表面をコーティングして被覆層を形成するものを前
提とする。そして、このものにおいて、上記コーティン
グ液として、上記紫外線硬化樹脂に、光ファイバ心線の
外表面に対するぬれ性を増大させるぬれ性改善材を添加
したものを用いる構成とするものである。
【0008】さらに、請求項3記載の発明に対応する第
3の方法は、上記の第1の方法と、第2の方法とを併用
したものであり、第1,第2の方法と同様に、光ファイ
バ心線を、液状の紫外線硬化樹脂からなるコーティング
液と接触させながらダイスの孔に通すことにより、上記
光ファイバ心線の表面をコーティングして被覆層を形成
するものを前提とする。そして、このものにおいて、上
記コーティング液として、上記紫外線硬化樹脂に、光フ
ァイバ心線の外表面に対するぬれ性を増大させるぬれ性
改善材を添加したものを用い、かつ、上記光ファイバ心
線が接触するコーティング液のコーティング接触線に接
するダイス上部空間の温度、及び、上記コーティング液
と接触する前の光ファイバ心線自体の温度の一方もしく
は双方が、少なくともコーティング液の温度よりも低く
なるように制御するものである。
【0009】ここで、上記紫外線硬化樹脂に対するぬれ
性改善材としては、シリコーン、なかでもオイル状のシ
リコーンオイルを用いるのが好ましい。
【0010】そして、上記の第1〜第3の方法を、光フ
ァイバ心線に対するコーティングが、複数の光ファイバ
心線が並列に配置された状態でそれら複数の光ファイバ
心線を一括コーティングしてテープ形状に一体化する被
覆層を形成するものである場合、もしくは、光ファイバ
心線の外表面が、離型性を有する被覆材により予め被覆
されて形成されたものである場合に適用するのが、特に
好適となる。
【0011】これらの各方法によれば、光ファイバ心線
のコーティングにおいて、気泡混入の発生を皆無にもし
くは極小にすることができるものであるが、そのメカニ
ズムとしては以下のことが考えられる。
【0012】まず、気泡混入のメカニズムについて考察
すると、連続して下方に走行している光ファイバ心線が
上部のニップルを通過してコーティング液室内のコーテ
ィング液に接触するコーティング接触点において、光フ
ァイバ心線外表面に対しコーティング液が付着し、この
付着したコーティング液がその粘性に基づき下方に引き
込まれるため、光ファイバ心線のコーティング接触点か
ら周囲に漏斗状のコーティング接触線(図1の7a参
照)が形成されてコーティング液室の上部に微小な空間
(同図のダイス上部空間8参照)が形成されることにな
る。このため、コーティング液室内にコーティング液が
充満されているにも拘らず、光ファイバ心線とコーティ
ング液との接触の際に上記コーティング接触線より上部
の空気を巻き込んでコーティング液により形成される被
覆部内に気泡が混入するものと考えられる。
【0013】そして、コーティング液の液温を高くする
程、気泡混入が発生し易くなる傾向にあり、これはコー
ティング液温が高くなる程、そのコーティング液の粘度
が低くなり、比較的速い速度で移動する光ファイバ心線
の外表面に対する粘着力が低下してその付着切れによっ
て空気を巻き込み易くなるためと考えられる。つまり、
連続走行する光ファイバ心線がコーティング液と接触す
るコーティング接触点における光ファイバ心線とコーテ
ィング液との界面において、上記光ファイバ心線外表面
に対するコーティング液の付着力が粘度の低下に伴い低
下し、その付着切れ部位にコーティング接触点上方の空
気が巻き込まれるためと考えられる。そして、巻き込ま
れた気泡の一部が切れて界面のみならず被覆層内にも気
泡が存在することになるものと考えられる。
【0014】ところが、コーティング液は光ファイバ心
線への被覆部の連続形成のために所定の粘度に保持する
必要があり、この粘度を保持する上でそのコーティング
液温は所定の温度範囲になるように液温制御が行われて
いる。
【0015】このため、上記のコーティング接触点にお
いて、被覆部の連続形成のためにコーティング液に要求
される所定の粘度を保持、すなわち、所定のコーティン
グ液温を保持しつつ、上記コーティング接触点において
連続移動中の光ファイバ心線の外表面に対するコーティ
ング液の付着が切れることのないように付着の持続を図
ることにより気泡の混入発生の防止が達成されると考え
られる。
【0016】そして、上記第1の方法の場合では、ダイ
ス上部空間の温度及び/またはコーティング液との接触
前の光ファイバ心線自体の温度が少なくともコーティン
グ液温よりも低くされているため、コーティング接触点
におけるコーティング液が局部的に冷やされてその粘度
が相対的に高くなり光ファイバ心線外表面に対する付着
力、すなわち、せん断抵抗力がより高められ、これによ
り、光ファイバ心線外表面に対するコーティング液の付
着の持続が図られて気泡の混入が防止されると考えられ
る。また、上記のコーティング液の粘度増大はコーティ
ング接触線近傍の局部的なものであり、コーティング液
自体は所定の液温に保たれているため、所定粘度のコー
ティング液により光ファイバ心線に対するコーティング
が適正に行われる。従って、離型性を有する被覆材によ
り被覆された着色心線にコーティングする場合であって
も、また、複数の光ファイバ心線をテープ状に一括コー
ティングする場合であっても、気泡混入が防止されて気
泡混入に伴う伝送損失の増大、特に低温領域での伝送損
失の増大抑制が図られて伝送特性の向上が図られるとと
もに、上記のコーティング液の付着の持続が確保される
分、光ファイバ心線の線速を高めることが可能となって
コーティング工程の効率化が図られる。
【0017】また、上記第2の方法の場合では、コーテ
ィング液として、光ファイバ心線の外表面に対するぬれ
性を増大させるぬれ性改善材を添加したものを用いてい
るため、上記コーティング接触点における光ファイバ心
線外表面に対するコーティング液のぬれ性(付着ぬれ
性)が増大し、これにより、光ファイバ心線外表面に対
するコーティング液の付着の持続が図られて気泡の混入
が防止されると考えられる。このため、上記の如き伝送
特性の向上及び光ファイバ心線の高速化に伴うコーティ
ング工程の効率化が図られる。特に、上記の着色心線の
コーティングにおいても、着色材に添加された離型材に
よるぬれ性の低下を補完して、上記着色心線のコーティ
ングにおける気泡混入の防止を図る上で有効となる。ま
た、シリコーンオイルをぬれ性改善材として用いること
により、コーティング液である紫外線硬化樹脂のぬれ性
の向上が効果的に図られる。
【0018】さらに、上記第3の方法の場合では、第1
の方法と第2の方法とを併用しているため、コーティン
グ接触点における光ファイバ心線の外表面に対するコー
ティング液の付着の持続がより確実に図られて、気泡混
入の防止がより効果的に図られる。このため、伝送特性
の向上及び光ファイバ心線の高速化に伴うコーティング
工程の効率化がより確実に図られる。
【0019】
【実施例】
<第1コーティング試験> −試験装置− 図1に示すコーティング用ダイス装置を用いて試験を行
った。本試験は、図2に示すように、並列配置の4本の
着色心線である光ファイバ心線1,1,…を一括コーテ
ィングして被覆層2を形成することにより、上記4本の
光ファイバ心線1,1,…(以下、総括して「1」と表
示する)をテープ形状に一体化していわゆる4心テープ
心線3を形成するものについて行ったものである。な
お、上記各光ファイバ心線1は、光ファイバ素線1aの
外表面が離型材添加の着色材を含む被覆材により予め被
覆1bが形成されたものである。
【0020】図1において、4はダイス4であり、その
孔4aは、上記4心テープ心線3の横断面方向の外形に
対応して同図の紙面に直交する方向に細長い形状に形成
されている。上記ダイス4の上部にはコーティング液室
5のための凹部が形成されており、このダイス4の上端
部にニップル6がねじ込まれてダイス4とニップル6と
の間に上記コーティング液室5が画成されている。この
コーティング液室5には図示省略の貯留タンクからコー
ティング液供給管を通して所定温度に制御されたコーテ
ィング液7が上記コーティング液室5内に充満するよう
加圧供給されるようになっている。そして、図1の紙面
に直交する方向に並列に配置された4本の光ファイバ心
線1が、上方側から上記ニップル6の孔6aを通してコ
ーティング液室5に入った後、ダイス4の孔4aを通し
て下方側に出るように上下に貫通して配置されており、
所定の線速で下方に連続走行されるようになっている。
また、上記コーティング液の液温制御は、上記タンク及
びコーティング液供給管をそれぞれ加熱制御することに
より行う一方、各光ファイバ心線1及びコーティング接
触線7aより上のダイス上部空間8の温度制御はダイス
装置が配設されたコーティング工程室の室温を制御する
ことにより行われるようになっている。つまり、上記各
光ファイバ心線1は、上記コーティング工程室内を走行
してダイス装置に入るまでの間に上記の室温と同温度に
なるようにされている。
【0021】−試験方法− コーティング液としてウレタンアクリレートを主成分と
する液状の紫外線硬化樹脂デソライト(日本合成ゴム株
式会社製)を用いた。試験条件の設定として、上記コー
ティング液の供給圧力と、光ファイバ心線1の線速とを
それぞれ一定に保ち、コーティング液温を被覆層2の形
成上要求される粘度範囲とするための温度範囲において
25℃と30℃との2種類に変化させ、各コーティング
液温について光ファイバ心線4及びダイス上部空間8の
温度を20℃、25℃、及び、30℃にそれぞれ変化さ
せた。そして、形成された4心テープ心線3の片面を4
0倍の実体顕微鏡により観察して長さ1m当りの範囲に
存在する気泡の個数を調べた。その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】−試験結果及び考察− 試験の結果、表1に示すように、コーティング液温25
℃の場合において、混入気泡は、光ファイバ心線1及び
ダイス上部空間8の両温度が30℃の時に130個、上
記両温度が25℃の時に8個であったのに対し、上記両
温度が20℃の時には混入気泡は0個であった。また、
コーティング液温30℃の場合において、発生気泡は、
光ファイバ心線1及びダイス上部空間8の両温度が30
℃の時に240個、上記両温度が25℃の時に9個であ
ったのに対し、上記両温度が20℃の時には発生気泡は
0個であった。なお、上記の発生気泡の大きさは5〜1
5μmであった。
【0024】この結果から、上記のコーティング液温2
5℃及び30℃に対し、光ファイバ心線1及びダイス上
部空間8の両温度を20℃にすると、気泡の混入を完全
に阻止し得ることが可能であり、また、上記光ファイバ
心線1及びダイス上部空間8の両温度をコーティング液
温よりも低くすると、発生気泡を激減もしくは皆無にし
得ることが可能であるといえる。
【0025】これは、コーティング接触線7aと各光フ
ァイバ心線1との交点であるコーティング接触点におけ
るコーティング液7の粘度が、光ファイバ心線1及びダ
イス上部空間8の空気の両者により冷やされて相対的に
高くなって、上記コーティング接触点位置における光フ
ァイバ心線1の外表面の対するコーティング液の付着力
(せん断抵抗力)が相対的に増大し、これにより、コー
ティング接触点位置において連続走行する光ファイバ心
線1の外表面に対するコーティング液7の付着が途中で
切れ難くなって持続するためと考えられる。従って、上
記コーティング接触点位置のコーティング液の粘度を相
対的に高くする方法として、上記試験条件の如く光ファ
イバ心線1及びダイス上部空間8の両温度を共にコーテ
ィング液7の制御温度よりも低くする他、光ファイバ心
線1のみをコーティング液7の制御温度よりも低くす
る、もしくは、ダイス上部温度のみを上記コーティング
液7の制御温度よりも低くするという方法の内いずれの
方法を採用しても、コーティング接触点位置におけるコ
ーティング液の付着力を相対的に増大させることがで
き、気泡の混入発生の抑制もしくは阻止が可能であると
考えられる。
【0026】<第2コーティング試験> −試験装置− 第1コーティング試験と同様に4心テープ心線3(図2
参照)を形成するものについて、上記第1コーティング
試験と同構成のコーティング用ダイス装置(図1参照)
を用いて、コーティング試験を行った。
【0027】−試験方法− コーティング液として、ウレタンアクリレートを主成分
とする液状の紫外線硬化樹脂デソライト(日本合成ゴム
株式会社製)と、この紫外線硬化樹脂デソライトにジメ
チルシリコーンを主成分とするシリコーンオイルを0.
1重量%添加したものとの2種類のものを用いた。試験
条件の設定として、上記コーティング液の貯留タンク及
び供給管の加熱制御温度を35℃、その供給圧力を3K
g/cm2 にしてコーティング液室5内のコーティング
液温が30℃になるようにし、また、光ファイバ心線1
の線速を60m/min、コーティング工程室の室温を
27℃とした。そして、コーティング液として上記の2
種類のものをそれぞれ用いてコーティングを行い、形成
された4心テープ心線3の片面を40倍の実体顕微鏡に
より観察して長さ20cm当りの範囲に存在する気泡の
個数を調べた。この試験結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】−試験結果及び考察− 試験の結果、表2に示すように、シリコーンオイルを添
加しないコーティング液を用いた場合には混入気泡は6
2個であったのに対し、上記シリコーンオイルを添加し
たコーティング液を用いた場合には混入気泡は0個であ
った。この結果から、上記の紫外線硬化樹脂に対してシ
リコーンオイルを添加することにより、発生気泡を皆無
にすることが可能であるといえる。
【0030】これは、添加したシリコーンオイルによっ
て、光ファイバ心線1の外表面(固体)と、コーティン
グ液7(液体)との間のぬれ性(付着ぬれの仕事量)が
増大し、これにより、上記コーティング接触点における
光ファイバ心線1の外表面に対するコーティング液7の
付着が途中で切れ難くなって持続するためと考えられ
る。そして、特に、着色心線の着色材に添加されている
離型材の影響によるぬれ性の低下を補完して、上記着色
心線のコーティングにおける気泡の混入発生の防止を図
る上で有効となる。なお、上記のシリコーンオイルの添
加量は、気泡の混入発生を防止し得る範囲で上記のぬれ
性を増大できればよく、この意味で0.1重量%より少
なくしてもよいと考えられる。
【0031】<他の態様例>上記の第1及び第2コーテ
ィング試験結果の考察で述べたごとく、ダイス上部空間
及び/または光ファイバ心線の温度をコーティング液温
より低くする方法、並びに、コーティング液としてシリ
コーンオイルを添加したものを用いる方法の双方共、コ
ーティング接触点位置の光ファイバ心線の外表面へのコ
ーティング液の付着を途中で切れ難くしてその付着を連
続して持続させることができる点で共通するため、両方
法を併用してもよい。これにより、気泡混入の防止をよ
り確実に行うことができ、気泡混入に伴う伝送特性の悪
化防止、及び、コーティング速度の高速化に伴うコーテ
ィング工程の効率化をより効果的に達成することができ
る。
【0032】上記の第1及び第2コーティング試験では
複数の光ファイバ心線を一括コーティングする場合を対
象として行っているが、これに限らず、単一の光ファイ
バ心線に対してコーティングする場合に本発明を適用し
てもよい。
【0033】また、上記の第1及び第2コーティング試
験では光ファイバ心線として着色心線を用いているが、
これに限らず、離型材が添加されていない非着色の光フ
ァイバ心線に対するコーティングに本発明を適用しても
よい。
【0034】さらに、上記の第2コーティング試験で
は、紫外線硬化樹脂に添加するぬれ性改善材としてシリ
コーンオイルを用いているが、これに限らず、シリコー
ンオイル以外のシリコーンや、光ファイバ心線とコーテ
ィング液とのぬれ性を改善し得るならば、他の薬剤を用
いることも可能である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における光ファイバ心線のコーティング方法によれ
ば、光ファイバ心線が接触するコーティング液のコーテ
ィング接触線に接するダイス上部空間の温度、及び、上
記コーティング液と接触する前の光ファイバ心線自体の
温度の一方もしくは双方を、少なくともコーティング液
の温度よりも低くなるように制御しているため、コーテ
ィングされた光ファイバ心線の被覆層と光ファイバ心線
との界面、及び、被覆層中への気泡混入の防止を図るこ
とができる。このため、上記コーティングされた光ファ
イバ心線の気泡混入に伴う伝送特性の悪化の防止、特に
温度サイクルにおける低温領域での伝送損失増大化の防
止を図ることができ、伝送特性の向上を図ることができ
る。加えて、光ファイバ心線の線速、すなわち、コーテ
ィング速度の高速化を図ることができ、コーティング工
程の効率化を図ることができる。
【0036】請求項2記載の発明によれば、コーティン
グ液として、紫外線硬化樹脂に光ファイバ心線の外表面
に対するぬれ性を増大させるぬれ性改善材を添加したも
のを用いるようにしているため、上記請求項1記載の発
明による場合と同様に、コーティングされた光ファイバ
心線への気泡混入の防止を図ることができ、上記コーテ
ィングされた光ファイバ心線の伝送特性の向上、及び、
コーティング速度の高速化によるコーティング工程の効
率化を図ることができる。
【0037】請求項3記載の発明によれば、コーティン
グ液として、紫外線硬化樹脂に光ファイバ心線の外表面
に対するぬれ性を増大させるぬれ性改善材を添加したも
のを用い、かつ、上記光ファイバ心線が接触するコーテ
ィング液のコーティング接触線に接するダイス上部空間
の温度、及び、上記コーティング液と接触する前の光フ
ァイバ心線自体の温度の一方もしくは双方を、少なくと
もコーティング液の温度よりも低くなるように制御して
いるため、請求項1もしくは請求項2記載の発明による
効果をより確実に得ることができる。
【0038】請求項4記載の発明によれば、請求項2ま
たは請求項3記載の発明におけるぬれ性改善材としてシ
リコーンを用いているため、請求項2または請求項3記
載の発明による効果を確実に得ることができる。
【0039】請求項5記載の発明によれば、請求項1、
請求項2または請求項3のいずれかに記載の発明におけ
る光ファイバ心線に対するコーティングが、複数の光フ
ァイバ心線が並列に配置された状態でそれら複数の光フ
ァイバ心線を一括コーティングしてテープ形状に一体化
する被覆層を形成するものであっても、コーティングさ
れたテープ状光ファイバ心線中への気泡混入の発生防止
を図ることができ、これにより、上記請求項1記載の発
明等と同様に、伝送特性の向上、及び、コーティング工
程の効率化等の効果を得ることができる。
【0040】請求項6記載の発明によれば、請求項1、
請求項2または請求項3のいずれかに記載の発明におけ
る光ファイバ心線の外表面が、離型性を有する被覆材に
より予め被覆されて形成されたものであっても、コーテ
ィングされた光ファイバ心線中への気泡混入の発生防止
を図ることができる。従って、離型材が添加された着色
材により形成した着色心線にコーティングする場合にお
いても、気泡の混入を発生させることなく、確実なコー
ティングを行うことができ、上記請求項1記載の発明等
と同様に、伝送特性の向上、及び、コーティング工程の
効率化等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるコーティング用ダイス装置
の断面図である。
【図2】コーティング試験により一括コーティングされ
た4心テープ心線の断面図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ心線 2 被覆層 4 ダイス 4a ダイスの孔 7 コーティング液 7a コーティング接触線 8 ダイス上部空間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ心線を、液状の紫外線硬化樹
    脂からなるコーティング液と接触させながらダイスの孔
    に通すことにより、上記光ファイバ心線の外表面をコー
    ティングして被覆層を形成する光ファイバ心線のコーテ
    ィング方法において、 上記光ファイバ心線が接触するコーティング液のコーテ
    ィング接触線に接するダイス上部空間の温度、及び、上
    記コーティング液と接触する前の光ファイバ心線自体の
    温度の一方もしくは双方が、少なくともコーティング液
    の温度よりも低くなるように制御することを特徴とする
    光ファイバ心線のコーティング方法。
  2. 【請求項2】 光ファイバ心線を、液状の紫外線硬化樹
    脂からなるコーティング液と接触させながらダイスの孔
    に通すことにより、上記光ファイバ心線の表面をコーテ
    ィングして被覆層を形成する光ファイバ心線のコーティ
    ング方法において、 上記コーティング液として、上記紫外線硬化樹脂に、光
    ファイバ心線の外表面に対するぬれ性を増大させるぬれ
    性改善材を添加したものを用いることを特徴とする光フ
    ァイバ心線のコーティング方法。
  3. 【請求項3】 光ファイバ心線を、液状の紫外線硬化樹
    脂からなるコーティング液と接触させながらダイスの孔
    に通すことにより、上記光ファイバ心線の表面をコーテ
    ィングして被覆層を形成する被覆層を形成する光ファイ
    バ心線のコーティング方法において、 上記コーティング液として、上記紫外線硬化樹脂に、光
    ファイバ心線の外表面に対するぬれ性を増大させるぬれ
    性改善剤を添加したものを用い、 上記光ファイバ心線が接触するコーティング液のコーテ
    ィング接触線に接するダイス上部空間の温度、及び、上
    記コーティング液と接触する前の光ファイバ心線自体の
    温度の一方もしくは双方が、少なくともコーティング液
    の温度よりも低くなるように制御することを特徴とする
    光ファイバ心線のコーティング方法。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3のいずれかにお
    いて、 ぬれ性改善材は、シリコーンであることを特徴とする光
    ファイバ心線のコーティング方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2または請求項3のい
    ずれかにおいて、 光ファイバ心線に対するコーティングが、複数の光ファ
    イバ心線が並列に配置された状態でそれら複数の光ファ
    イバ心線を一括コーティングしてテープ形状に一体化す
    る被覆層を形成するものであることを特徴とする光ファ
    イバ心線のコーティング方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、請求項2または請求項3のい
    ずれかにおいて、 光ファイバ心線の外表面が、離型性を有する被覆材によ
    り予め被覆されて形成されたものであることを特徴とす
    る光ファイバ心線のコーティング方法。
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