JPH08277108A - 精製ベントナイトの製造方法 - Google Patents

精製ベントナイトの製造方法

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JPH08277108A
JPH08277108A JP7106873A JP10687395A JPH08277108A JP H08277108 A JPH08277108 A JP H08277108A JP 7106873 A JP7106873 A JP 7106873A JP 10687395 A JP10687395 A JP 10687395A JP H08277108 A JPH08277108 A JP H08277108A
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bentonite
suspension
particles
tank
purified
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JP7106873A
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Nobuo Furuno
伸夫 古野
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FINE KUREI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モンモリロナイトを主成分とするベントナイ
ト粘土に介在する沈降し易い粒子をストークス径で示す
粘度で定量的に除去して、ベントナイト分散液関連製品
における光学的、機械的、化学的、物理的諸機能を高
め、ベントナイトそのものと、これに分散する粒子、こ
れに吸着捕捉される窒素化合物等資源の精製ベントナイ
トの製造方法を提供すること。 【構成】 モンモリロナイトを主成分とするベントナイ
ト粘土の懸濁液を(1)底部に限定した旋回流を形成せ
しめた沈降分離槽に入れて、旋回の駆動ポンプと循環回
路中での剪断力により当該懸濁液の粘度を低下せしめ
て、ベントナイトの介在物を予備的に沈降分離し、
(2)回転数n(rpm)で回転する内半径r(m)の
円筒形沈降槽(遠心機)に、一定速度Q(m3/H)で
給液して、次式Iで表されるストークス径D(μm)以
上の沈降速度を示す粗い粒子を回転沈降槽に沈降分離さ
せて、これを除去することを特徴とする精製ベントナイ
トの製造方法。 D2・r3・n2=3382・Q (I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘稠な懸濁液となる精
製ベントナイトの再生循環利用が可能な製造方法に関
し、さらに詳しくは、モンモリロナイトを主成分とする
ベントナイト粘土に介在する沈降し易い粒子をストーク
ス径で示す粘度で定量的に除去して、ベントナイト分散
液関連製品における光学的、機械的、化学的、物理的諸
機能を高め、ベントナイトそのものと、これに分散する
粒子、これに吸着捕捉される窒素化合物等資源の精製ベ
ントナイトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然鉱物のベントナイトは、粘稠な懸濁
液となるので、ボーリング用泥水調整剤、鋳物用砂型バ
インダー、農薬キャリヤー、塗料助剤、土壌改良剤、止
水構造物等に使われている。ベントナイトそのものは、
大量に産出して安価であるが、使用後の廃棄物の取扱と
その処理が困難で、年々そのコストが嵩み、利用が限ら
れてきている。高度に精製したベントナイトは、医薬
品、化粧品、食品添加物に用いられ、近年、イオン交換
機能の高い層間化合物としてモンモリロナイトの活用研
究が進展したが、精製ベントナイト製品が高価で、その
利用が限られている。
【0003】ベントナイトは、スメクタイト群粘土鉱物
の一つモンモリロナイトを主成分とし、ほかに石英、長
石、ゼオライトなどを含む粘土である。ベントナイトの
名称は、アメリカのワイオミング州に分布するベントン
層にある粘土に命名されたものである。ベントナイトの
化学組成は、モンリロナイトを構成する珪素とアルミニ
ウム、酸素、水素を主成分とし、この他に微量の鉄、ナ
トリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムを含
む。ベントナイトの国内主要産地は、山形県大江町、宮
城県蔵王町、岡山県笠岡町等がある。天然鉱物であるが
故、産地、鉱脈毎によって性質が異なり、通常、乾燥し
て粉砕、分級処理した粉体で出荷され、製品価格は、ト
ン当たり5,000円から数万円程度である。
【0004】モンモリロナイトは、身近な水田、湖沼に
堆積する普遍的な鉱物で、粘稠な泥液物性の根源をなす
もので、イオン交換能が高く、交換可能なカチオンを補
足して肥料効果の高い土壌を形成する。モンモリロナイ
トは、環境汚染により始末に負えない場合、ヘドロとし
て敬遠される。ヘドロとされた使用済のベントナイトの
処分は、運賃を別としてトン当たり、数千円から数万円
程度に高騰し続けているので、ベントナイトの使用コス
トが大きく増加して、その利用が進展しない。精製ベン
トナイトの製造においても、大量の廃棄物が発生し、精
製ベントナイト、モンモリロナイトの価格は、キロ当た
り数千円程度と、元の100倍に相当するのが現状であ
る。
【0005】ベントナイトを機械的に細かく砕き過ぎる
と、薄いシート状のモンモリロナイト鉱物の特徴が損な
われるので、モンモリロナイト以外の介在物、特に微小
の珪石粉の除去が困難である。湿式分級、水簸処理で精
製する場合、懸濁液の粘度が高いので、懸濁液に介在す
る沈降し易い粒子の除去精製が困難であり、品質の高い
ベントナイト鉱石が重宝される。精製ベントナイトの品
質も、明確に表示管理できていないので、用途毎に商品
銘柄が設定され、用途毎の互換性は殆ど無く、この使い
捨ての拡大が頭打ちになっている。ベントナイトは、そ
れ自体が安価なため、使用後は産業廃棄物となって、海
洋投棄を主として処分されてきたが、近年、環境保全の
観点で海洋投棄は禁止された。そして、ベントナイトの
適性処理が求められ、陸上に投棄する際、砂、砂利と混
合し、適宜セメント等を用いて固体化して処分せねばな
らないのでコストが嵩む。
【0006】ボーリング工事の深度が深まり、切削精度
の向上が求められ、そのために、使用するボーリング用
泥水の品質向上が求められている。また、工作機械にお
ける研磨媒体や切削液にも、火災の危険のない水性液へ
の転換が進められている。在来の水性液では、添加され
た粘度調整剤が有機物の場合、腐敗して悪臭が発生し易
い。腐敗しない粘度調整剤として、天然無機鉱物である
ベントナイトが用いられるが、使用される分野は、精度
の低い研磨や切削作業に限定されている。高精度の研磨
や切削工程に用いることができて、特に客観的に品質管
理された精製ベントナイトの提供が求められている。
【0007】水田、圃場を大規模に集約改良するための
止水層、人工池、ダム堰堤等の止水層に、安価なベント
ナイト粘土を大量に必要とする。モンモリロナイトの含
有率が低いため、ベントナイトと呼称されないが、広い
意味での低品位のベントナイト資源は、水田の底に普遍
的に存在して止水層を形成している。当該地域の水田に
産出する資源が活用されず、遠方のベントナイト、外国
からの輸入ベントナイトに依存することは、地球規模の
視点での環境保全、地域文化の継承にとって好ましくな
い。産業廃棄物の適性処分施設の止水構造物に、長期に
安定で信頼できる止水材料としてベントナイトが使用さ
れている。公害防止策の万全な公共的事業として、ここ
に使用するベントナイトの客観的な品質管理が求められ
ている。特に核廃棄物を収納する場合、止水構造の信頼
性を明確にすることが、緊急かつ国際的課題として求め
られている。
【0008】塗料の基本技術は、着色、隠蔽、艶消し等
各種の機能微粒子を安定に均一分散する事にある。安定
な顔料・粒子分散液に関し、溶媒の選択、分散樹
脂、分散添加剤の開発、耐久性、防錆性等の機能を高
める添加剤の開発、分散機器の開発研究が盛んに行わ
れている。この分散液製品の品質検査は、ツブゲージ試
験、光沢検査、外観検査が主で、ついで膨大な実用試験
が行われる。分散不良で発生する数μmから数十μmの
凝集物を除去する手段方法がないため、試験結果の不良
品は破棄され、環境に対する負荷は絶大であるが、労働
集約的な産業構造故の権益が保護育成され、有機溶剤使
用の規制は困難である。
【0009】水性塗料の開発が求められているが、水性
塗料における顔料分散が困難で、セロソルブ、アルコー
ル、ケトン系の水可溶性溶剤の使用が不可欠とされてい
る、これらの溶剤は、先ず水環境を損ない、大気へ揮発
して、最終的には環境破壊が進行している。これらの溶
剤に汚染された水のBOD、CODの負荷が高く、この
排水処理に膨大な経費がかけられ、一応の問題解決に至
っている。この排水処理で、こうした炭化水素化合物
は、炭酸ガスに酸化分解され、結局大気中の炭酸ガス増
加の一因となり、資源の浪費となっており、これ以上の
拡大成長は望めない事態にある。
【0010】顔料分散のための界面活性剤の性能は、そ
の分子量が高いほど好ましい。従って、高度に架橋した
ゲル体微粒子、マイクロゲルの研究開発が盛んに進めら
れ、成果をあげている。しかしながら、化学製品とし
て、高度の加工を施すのでコスト高になる。化学工業製
品の架橋度は、いかにコストと時間をかけても数千万年
に及ぶ時間を経て完成した天然鉱物には到底及ばない。
【0011】塗料の歴史的色剤は、殆ど水性で、粘土鉱
物を始めたとして天然素材が上手く循環利用され、各地
に伝統産業と豊かな文化が育成されていた。ところが、
中東地域の膨大な石油資源が開発され、その精製と加工
技術の発展と共に、石油化学が急速に発達し、この成果
が塗料展色剤に取り入れられ、塗料産業構造は、近代産
業に飛躍成長した。しかしながら、塗料産業は、一方向
使い捨て方式の化学工業に組み込まれた結果、地域文化
の形成に必要な循環型の技術を失い、塗膜形成過程でベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の大量の有害炭化水素を
発揮放出し、環境に対して著しく負荷の大きい産業にな
った。この放出で局地的大気汚染公害を経験した欧米で
は、これらの揮発性の炭化水素の使用が規制されてい
る。地球環境の保全のため、有機溶剤を削減した水性塗
料、粉体塗料、紫外線硬化塗料への転換が進められてい
るが、アジア地域では芳しくない。
【0012】水性塗料や粉体塗料においては、顔料分散
がうまくいかないため、溶剤型塗料の性能に到達しな
い。塗膜性能を高めるため、鉛、クロム、バナジウム等
の重金属を使用すると、塗装製品の使用後の処理処分に
おいて、有害粉塵が放出され、産業廃棄物の処理を著し
く困難にして、産業の発展、経済景気を著しく阻害した
閉塞状態に陥っており、塗料の基本的技術構造の再構築
が必要である。塗料産業の基本的技術軸である顔料分散
工程の水性化が求められている。環境を保全して、なお
かつ持続発展が保証される技術革新でなくてはならな
い。この革新を可能にする素材としては、膨大な石油資
源に匹敵・凌駕する資源で、かつ循環利用できるもので
なくてはならない。この条件を満たすものとして、粘土
鉱物、とりわけ最も粘度が高く、イオン交換容量が大き
いモンモリロナイトを活用する精製ベントナイトの廉価
な製造方法が望まれ、使用済塗装製品の解体で発生する
粉塵を含めた再生循環システムの実現が望まれる。
【0013】循環する環境容量を越えて、水環境に窒素
と燐が排出されて蓄積し、水環境が損なわれている。水
源池、浄水場、下水処理場から発生した泥液ケーキは、
産業廃棄物として、焼却処分もしくはコンクリートで固
体化して埋め立て処分されているが、処分地の確保に限
界が見えている。燐と窒素化合物資源を容易に固体化し
て埋め立て処分したり、その減量として安易に焼却し、
さらにその焼却灰を溶融固定化処理するシステムは、持
続する発展を著しく危うくしている。特に燐化合物の固
定化により、燐資源の逼迫が迫っている。窒素と燐を水
圏から土壌に還元し、植物、動物連鎖を活発にした循環
を取り戻すためのシステムと、循環媒体となる普遍的資
材が望まれている。湖沼に沈降堆積する泥土を構成する
モンモリロナイトを、効果的に活用する処理技術が望ま
れる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】モンモリロナイトの研
究者、精製ベントナイト製品の製造者と各使用者が共有
できる技術評価軸として、沈降性についての品質を客観
的に正確に把握できる評価基準を導入し、各種用途に最
適の精製ベントナイトを安価大量に提供する製造方法の
開発に取り組んだ。この課題達成に必要な具体的技術課
題は、ベントナイトの価値そのものが、粘性の高いこと
にあり、この粘性の高いことが精製を困難にし、再生循
環利用を不可能にしている。本発明は、このような従来
技術の問題点を解決することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題の解
決に鋭意研究の結果、粘性の高いベントナイトの懸濁液
でも、剪断力を与えると粘性が小さくなり、粒子間の相
互作用が小さくなって分散粒子がそれぞれの特性に応じ
て、定量的に沈降分離すること、懸濁媒体液に脱イオン
水を用いること、電気透析を用いること、更にイオン交
換処理を行って高度な沈降分離が完結することを見い出
し、その知見に基づいて本発明を完成した。本発明の実
現において、沈降速度をストークス径で定量的に表現し
て、調整できる方法・装置〔特願平5−280488号
参照〕の利用が望ましい。
【0016】かくして本発明によれば、モンモリロナイ
トを主成分とするベントナイト粘土の懸濁液を、(1)
底部に限定した旋回流を形成せしめた沈降分離槽に入れ
て、旋回の駆動ポンプと循環回路中での剪断力により当
該懸濁液の粘度を低下せしめて、ベントナイトの介在物
を予備的に沈降分離し、(2)回転数n(rpm)で回
転する内半径r(m)の円筒形沈降槽(遠心機)に、一
定速度Q(m3/H)で給液して、次式Iで表されるス
トークス径D(μm)以上の沈降速度を示す粗い粒子を
回転沈降槽に沈降分離させて、これを除去することを特
徴とする精製ベントナイトの製造方法が提供される。 D2・r3・n2=3382・Q (I)
【0017】また、本発明の好ましい実施態様として、
以下の(1)〜(7)に記載の発明が提供される。 (1)使用済のベントナイトを再生循環利用する前記の
製造方法。 (2)ストークス径Dの値を0.5±0.3以下に設定
する前記の製造方法。 (3)当該懸濁液の旋回駆動の配管中に超音波を当てる
前記の製造方法。 (4)当該懸濁液の旋回駆動の配管中に気体を注入せし
める前記の製造方法。 (5)導電率が10μS/cm以下の脱イオン水に、ベ
ントナイト粘土を懸濁せしめる前記の製造方法。 (6)精製ベントナイトの懸濁液を更にイオン交換処理
する前記の製造方法。 (7)精製ベントナイトの懸濁液を更に電気透析し、陰
極を囲む隔膜室の内液を更新してイオン交換可能なカチ
オンを除去し、水素イオン型のモンモリロナイトを陽極
に析出させる前記の製造方法。
【0018】以下、本発明について詳述する。本発明の
製造方法のフロー図の1例を図1に、また、用いた遠心
機の回転数と分級粒度との関係を各種分級処理速度(流
量)について図2に示す。ベントナイト鉱石から粗い礫
や砂利を除去し、これを水に懸濁せしめる。ベントナイ
ト水懸濁液を、水面の平面積S(m2)の貯蔵タンク
(PCN#1)1の底中心に水中ポンプ2を配置し、ポ
ンプ吐き出し液をタンク上に導いて、垂直方向の分岐3
で、上方向4と下方向5に流量調節弁を介して分岐す
る。上方向の分岐官4を貯蔵タンク1の底位置からポン
プ1を避けた方向に吹き出して、旋回流を形成せしめ
る。懸濁粒子は、旋回流の中心底に沈降集中し、上下に
規則的な濃度分布、もしくは規則的な粒度分布が形成さ
れ維持される。
【0019】懸濁液を注入口6から継続して一定速度Q
(m3/H)で注入すると、貯蔵タンク1の底部に、沈
降速度がQ/S(m/H)以上の粗大粒子の懸濁液が沈
降濃縮され、これ以下の微粒子の懸濁液は、越流樋7か
ら流出して、分級処理が行われる。静置した沈降槽の場
合、粒子間の相互作用のため、粒子が絡まって沈降して
分級できない。旋回流の場合、粒子間の相互作用が解消
されて粘度が低下し、旋回が円滑に維持され、精度の高
い分級ができる。本発明の実施にあたって、特開平4−
346803号公報、特開平5−184815号公報、
及び特開平6−55007号公報に開示された装置の使
用が望ましい。
【0020】分級粒度の設計と設定 前記の分級処理を続けると、粗大粒子の懸濁液の蓄積が
過剰になって、溢れ出すと分級不能に至る。従って、過
剰蓄積にならないように、この粗大粒子の汲み出しを次
のごとく行う。分岐3から下方向に回路5から、回転数
n(rpm)で回転する内半径r(m)の円筒形沈降槽
8に一定速度Q(m3/H)で給液すると、次式で表さ
れるストークス径D(μm)以上の粗粒が回転沈降槽に
沈降分離する。 D2・r3・n2=3382・Q (I) 回転数を1秒当たりで表示した周波数Hzは、n=60
Hzの関係にある。従って、 D2・r3・Hz2=5.632・Q と表され、回転半径が240mmの場合のDとHzとQ
の関係を図2に示す。
【0021】回転する円筒形沈降槽8を溢れ出た液を分
級中継槽(PCN #2)9に受けて、タンク1に戻
す。従って、回転する円筒形沈降槽に沈降し損なった粗
粒は、複数回の処理で確実に捕捉される。微粒子と粗粒
子の間の相互作用が旋回流によって解消され、微粒子と
粗粒子はそれぞれ分離採取される。旋回せずに給液した
場合、微粒子と粗粒子が絡みあって、沈降または越流し
て分離は起こらない。撹拌羽根を用いて撹拌した場合、
撹拌ムラができたり、死角に粗粒が沈降堆積して、粗粒
の採取が不適切になる。越流に短絡回路が生じて、分級
精度が損なわれる。撹拌が強すぎると、空気泡を巻き込
んで粗粒に付着して越流し易くなって分級精度が損なわ
れる。
【0022】越流樋7から流出した精製懸濁液は、精製
懸濁液の貯蔵槽(PCN#3)11に導いて貯蔵する。
貯蔵槽11においても、底中心に水中ポンプ12を配置
し、垂直の分岐13を経て、上方向の分岐液を貯蔵槽1
1の底位置からポンプ12を避けた方向に吹き出して、
旋回流を形成せしめる。懸濁粒子は、旋回流の中心底に
沈降集中し、上下に濃度分布、もしくは粒度の分布が起
こる。これを適宜下方向回路15からタンク1に戻し
て、タンク11の懸濁液の粒度分布調整をより完結す
る。適宜回路17から取り出して製品として出荷する。
なお、図1は、基本的ユニットを示すもので、分級処理
条件の異なるユニットを直列に数段配置するシステムが
実用的である。遠心機の設置位置を分級槽1より高くし
て、自然落下を利用すれば、分級中継槽#2が不要とな
る。
【0023】気体の飽和と気泡の除去 ポンプ2の高圧部分で、上方向に分岐されて、循環の駆
動として戻される回路4の途中に、気体を注入するノズ
ル(図示せず)を設けて、所望の気体を吹き込む。過剰
の気体は、気泡となって確実に分離除去され、懸濁粒子
に気泡が付着しにくい。気体は、液体に効果的に溶解
し、更に分散粒子と効果的に反応する。即ち、液体を介
して気体と固体が効果的に反応する。在来の散気瀑気装
置では懸濁液の場合閉塞して継続実施しがたいベントナ
イトの懸濁液に、確実に気体を接触反応させることがで
きた。空気を通じて好気状態にすると、粘度の低下が見
られて、分離効果が高まった。空気より窒素を除いた酸
素そのものは、気泡の発生が起こらないので、分級効果
が向上した。その結果、分散液の濃度を高め、精製効率
が向上した。オゾンガスや塩素ガスを採用すると、漂白
された精製ベントナイトが得られた。効果的に微生物、
細菌も死滅し、衛生上好ましい精製ベントナイトが得ら
れた。
【0024】イオン交換処理 使用する水は、清水で、導電率が10μS/cm以下、
好ましくは1μS/cm以下の脱イオン水が好ましい。
貯蔵槽(PCN#3)11における上向きの分岐回路か
ら貯蔵槽(PCN#3)に戻る回路に、イオン交換処理
カラム(図示せず)を設置すると、システム全体の脱イ
オン精製が高度に行える。このイオン交換処理は、イオ
ン交換処理塔を閉塞せしめる沈降粒子が除かれているの
で、懸濁または白濁液でも、カラムを閉塞せずにイオン
交換処理ができる。本発明処理をしないベントナイト懸
濁液では、介在粗大粒子がカラムを閉塞し、イオン交換
処理を継続的に実施することができない。
【0025】超音波処理 粒度分布の測定において、粒子の懸濁液に超音波を照射
して分散を高めることは周知である。超音波を照射せず
に測定した粒度分布の値は、ばらついて、信憑性のある
データにはならない。反面、超音波を照射して分散した
データのベントナイト懸濁液の試料は、大量生産できな
い、言わば実用価値のない測定のための試料に過ぎな
い。従来の精製ベントナイトの製造において、超音波を
照射するのに必要な発振機器の設計は、実現しなかった
が、本発明において、旋回駆動の回路に小型出力の発振
機器を設置したところ、残渣として除かれる粗粒が減少
し、ベントナイトの劈解に有利に作用した。
【0026】回転沈降槽 回転沈降槽は、一般に遠心機と呼ばれているものであ
る。回転沈降槽の半径の大きさは、小さいものとして、
0.05mを用意した。小さな沈降槽の回転は、高速運
転し易く、分級処理の試料が少なくて済むので試験研究
に適する。実在する遠心機の大きいものとして、半径が
0.6mのものがある。大きな回転槽は、高速回転しな
くても大きな遠心効果G(G=0.00112・r・n
2)が得られる利点があるが、分級分離には適さない。
沈降堆積物が連続的に掻き出せる横型スクリュウ型にお
ける沈降物の分級粒度も、本発明の製造方法を適用でき
る。従って、メーカーや大きさの異なる多様な機種につ
いて、その分級能力が統一的に表せて、遠心機の互換性
が高まり、経済効果が高まる。
【0027】定期的に休止する操作には、回転軸が垂直
の堅型遠心機が好ましい。堅型遠心機は、専ら遠心濾過
機としての実績がある。しかし、濾布が閉塞して、分級
効果が不安定になって維持コストが嵩む。濾布使用に代
えて、ポリエチレンの薄いフィルムの袋を装着すると、
実質的に無孔壁の沈降槽が実現し、濾過分級ではない沈
降分級が実現する。この方法は、濾過方式のように目詰
まりする変化が起こらないから、維持し易く、コストも
嵩まない。沈降堆積物を数10キロの小規模に袋毎取り
出せて便利である。自動運転可能な無孔壁の沈降槽の遠
心機の運転制御に、本発明を採用できるのは言うまでも
ない。
【0028】懸濁液の濃度 生産効率を高めるため、懸濁液の濃度が高いことが望ま
れる。本発明においては、ポンプが駆動できることが不
可欠であり、ポンプが駆動できる液であれば、懸濁液の
粘度、濃度についての数値制限はない。目的規模に応じ
て、適正性能能のポンプを選択採用することが重要であ
る。粗い粒子が効果的に分離除去されるので、ポンプの
磨耗損耗が軽減され、従来からの使用実績のあるポンプ
の寿命が長くなり、ランニングコスト逓減に寄与する。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明についてより
具体的に説明する。
【0030】[実施例1]鋳物型枠材 鋳物型枠は、珪砂とベントナイトを配合して成型製作さ
れ、使用後は産業廃棄物とされていたが、砂を回収利用
するシステムに移行しつつある。使用後、砂を回収利用
する際、発生した洗浄水は、砂の破砕微粒子とベントナ
イトの懸濁液である。この処理処分のコストが嵩むた
め、ベントナイトの再生循環利用はできていない。この
廃液を図1に示す貯蔵槽1に注入して、下記の精製を行
った。回転数20Hz、φ300の遠心機を用いて、5
μm以上の粒子を沈降分離除去する流量Qの値は、式
2・r3・Hz2=5.632・Q から、Q=1.05
7m3/H=17.6リットル/分と計算される。この
条件で、遠心機8に採取された、粒度5μm以上とされ
る沈降堆積物は、水切りが良好で扱い易く、土木資材と
して活用できた。貯蔵槽12に採取された精製ベントナ
イト懸濁液は、鋳物型枠の作成に繰り返し利用でき、ベ
ントナイトの再生循環利用が実現した。更に、1μm以
上の粒子を沈降分離除去する運転条件を設定し、遠心機
8に、粒度1μm以上、5μm以下とされるグリース状
の物質を採取した。大型で比較的粗い仕上げが好まれる
型枠の作成に便利であった他、グリース、パテ、充填材
等の各種用途に好評に採用された。また、1μm以下の
精製液は、精密な鋳物型枠に供し、光沢の高い鋳物が実
現した。これらの製品の性能は、ベントナイト粘土の産
地を問わず、再現され、従って使用済のベントナイトで
再現され、ベントナイトの再生循環利用が実現した。
【0031】[実施例2]切削潤滑剤、研磨、砥粒液用
機械工業における旋盤加工、研磨、切断作業において、
火災事故の恐れのない腐敗しない水性分散液が求められ
ている。実施例1に示した粒度1μm以下の精製ベント
ナイト液は、切削潤滑剤、研磨、砥粒液として好適に採
用された。鋳物用用途と共通に使える商品が実現した。
それぞれの金属の切削に適するように、防錆剤を添加し
て、着色区分することによって区別して、それぞれの用
途内で循環再生循環利用がより好ましく実現した。切削
加工の精度の高い用途には、粒度0.5μm以下の精製
ベントナイト液が好適に採用された。従来にない高精度
の切削加工が実現し、様々な成果が得られ、その精度の
維持が長期に行える再生循環利用が実現した。粒度設計
は0.5μm以下にすると、製品価格が幾分高くなる
が、使用後、別途用途に転換する循環利用が実現した。
【0032】[実施例3]土木工事 土木工事、特にトンネル、地下工事が増大し、その掘削
潤滑液に使用されて、使用後排出される泥液は、所定の
処理場に運搬して適性な処理を行って、埋め立て資材と
する物流システムが、順次整備されている。埋め立て資
材とするには、地震時において地盤の液状化災害が起こ
らないように相当の固定化処理が必要であるが、地震の
予測不能と相まって安易な埋め立て処分が行われる例が
多い。回収された使用済ベントナイト泥液から、本発明
方法により、精製ベントナイト液が回収された。これを
工事現場に供給して回収する循環利用が実現した。泥液
を運搬するルートが活用されるので、新たな投資が小さ
くて循環利用が実現した。土木工事の品質管理が向上
し、かってない深い地盤の工事が可能になり、都市の地
下の高度利用が実現する。更に、工事現場でベントナイ
トの粉体を扱う労働衛生上好ましくない作業が解消さ
れ、工事現場がコンパクトに整理された。広大な工事現
場では、その場所で精製装置を設営し、水切りの良い扱
い易い土砂だけが排出される、ベントナイトの再生循環
利用が実現した。
【0033】[実施例4]化粧品等、衛生用品用途 顔料・粒子分散液が化粧品として使われる場合は、安全
性がとりわけ厳しく検査される。化学物質の安全性の保
証が得難いので、天然物のみの採択が志向される。しか
しながら、一切の化学物質を添加、使用せずにベントナ
イトを精製するには、限り無く希釈する他ない。希釈す
る程度でその品質がきまるので、高度に精製するほどに
高価になる。本発明の方法では、通常、化学薬品を使わ
ずに精製できるので、鉱山から採掘した天然のベントナ
イトの最初の利用に、化粧品等衛生用品用途が適する。
ベントナイトの精製泥液に入浴する等の用途が、精製ベ
ントナイトの安価な大量生産で可能になった。使用後
は、土木工事等に再利用して、循環系に組み込む事が可
能となり、環境を乱さない。個人生活で小規模に使われ
たベントナイトは下水に放流されても、後述の方法で、
農地還元が実現し、環境全体の循環が維持される。
【0034】[実施例5]各種塗料用顔料等の分散剤 本発明で製造した、精製ベントナイトは、有機溶媒を一
切用いることなく、塗料に用いる各種の顔料を安定に分
散することを発見し、各種の目的塗料に適合する安定化
された顔料・粒子分散液を実現した。ベントナイトを構
成するモンモリロナイトの構造と化学特性は明らかにさ
れており、厚みが0.1μm以下で数μmの大きさの薄
片シートの層間に交換可能なカチオンを有する。このイ
オン交換容量1.52meq/gは、人工合成のカチオ
ン交換樹脂より大きい。従って、薄片シートの平面部と
端部が大きく電気的に分極し、極性を示して親水性を示
す。大きな平面部が比較的疎水性であるので、界面活性
作用を有する。従って、顔料等の粒子の分散に寄与して
水性塗料、水性の切削液、研磨液の実現に寄与したと考
える。
【0035】〔分散できた粉体〕 (A)粘土鉱物粉、雲母鉱物粉、石灰石、大理石の粉、
水に溶けない金属酸化物粒子、水に溶けない金属水酸化
物粒子、水に溶けない炭酸塩化合物、硫酸塩化合物、燐
酸塩化合物、オキソ酸塩化合物粒子、焼結体の粉砕粉、
金属粉末、各種ニューセラミック粉末、各種フッ素化合
物粉末、架橋硬化性樹脂の粉末、熱可塑性樹脂の粉末 (B)着色性、隠蔽性、透湿、調整湿性、磁性、電磁波
遮蔽機能、導電機能、振動制御機能、防音機能、防錆機
能、腐敗防止、生物嫌悪、抗菌、抗黴機能を示す粒子 ただし、その粒度と表面が特殊な顔料、油性塗料に開発
された特殊な顔料の場合は、分散しないことがある。こ
の場合は、その部分が凝集して沈降するので、本発明方
法装置で排除できた。塗料製品の貯蔵槽、運搬槽、ユウ
ザーの貯蔵槽各所で同じ基準で沈降物を除去精製できる
ので、統一規格の塗料製品が実現し、製造所を集約でき
る。塗料に分散した各種の顔料粒子を分離回収できる場
合が多い。従って、塗料の色相の調整等ができた。ま
た、塗料製品の解体で発生する粉塵も、精製ベントナイ
トで分散できた。従って、建築塗料用途、防錆下地塗装
用途に再生循環使用することができ、沈降挙動の同じ塗
料製品が、安定的に製造できるので、塗料産業の発展に
寄与することができる。
【0036】[実施例6]船底用塗料の展色剤 船舶の底には、貝殻の付着防止と走行時の抵抗を小さく
するため、鰻の皮膚面のようなヌルヌルした感触をも
ち、一定速度で海水に溶出する塗料が用いられている。
有機錫化合物の加水分解を利用したものが実用に供され
たが、閉鎖海域の錫汚染が著しくなって、錫の使用が禁
止されねばならないが、代替品がないまま実質的禁止が
先送りされている。ヌルヌルした感触の発現に、精製ベ
ントナイトが有効であることは周知であるが、化粧品並
みの高価格では、産業資材になりえなかった。未精製ベ
ントナイトでは、塗膜にすると、欠陥が多く実用に供さ
れえない。本発明の精製ベントナイトは、安価で、粗い
粒子が定量的に除去されているので、塗料に大量配合で
き、目的機能を達成できる。船底から剥離したベントナ
イトは、海水中では凝集してゆっくりと沈降し海底、特
に深い所に集積し、有機物の分解を促進する作用を発揮
した自然の循環系が維持される。
【0037】[実施例7]遮水構造物の止水材 水田を始めとして、ベントナイトが遮水層になることは
周知であるが、未精製ベントナイトでは,遮水層として
少なくとも10cm以上の厚みを必要とする。安全施工
の場合、50cm以上の厚みを必要とするため、遮水構
造物が大型化して用途が限られてくる。一方、遮水構造
物を軽量、コンパクトにするため、構造物の鉄筋を陽極
として、ベントナイトを析出せしめて遮水層を構築する
工事方法が開発されているが、流しうる電流密度が小さ
く、施工期間が数か月に及び、特殊用途にしか採用され
ていない。脱イオン純水を用いて製造した本発明の精製
ベントナイト液の単位濃度(5%)当たりの導電率は7
00μS/cmであり、従来のベントナイト液の150
0μS/cmの半分以下である。この液を用いて電解す
ると、単位電気量当たりの析出量(ファラデー定数に相
関)は従来品の2倍以上になり、電流密度を高くして
も、析出物の均一性が維持され、施工期間を大幅に縮小
できた。さらに、精製ベントナイト液は、イオン交換処
理が閉塞せず安定して実施可能となり、イオン交換処理
するほどに単位電気量当たりの析出量が増大した。電解
において、対極となる陰極をカチオン交換膜で囲む隔膜
室に配置して、この隔膜室の内液を脱イオンで適宜更新
を継続した。ベントナイト析出層の水分が従来の45%
から15%に大幅に減少し、遮水構造物としての品質が
飛躍的に向上した。析出したベントナイトは、水素イオ
ン型のモンモリロナイトで、交換可能なナトリウムイオ
ンが効果的に隔膜室の内液として排除される電気浸透作
用を利用した成果であり、本発明の精製ベントナイトの
提供で実現した。
【0038】[実施例8]水素イオン型のモンモリロナ
イトの製造装置 モンモリロナイトの交換可能なカチオンを水素イオン型
にしたものは、モンモリロナイトを塩酸で処理し、酸性
白土として市販されているが、用いた塩酸の水洗、完全
除去は不可能に近く、化粧品として使われえない。実施
例6記載の方法を改良して、陽極を回転ドラムとし、析
出物を連続的に掻き落として採取した。採取した水素イ
オン型のモンモリロナイトの純度は高く、特にイオン交
換容量が1.52meq/gと在来品の1.20meq
/gより高かった。分級精製処理により,不純物として
の不活性粒子が排除され、脱イオン水の使用と電気透析
採用の効果として、高度にナトリウムイオンの排除がで
き、劈開が良好になった成果と考える。
【0039】[実施例9]電着塗料 水性塗料の電気電導性を利用して,電着塗装が自動車、
建材等の塗装に採用されている。自動車車体の防錆は、
鋼板のあわせ目、エッジ部位の適切な被覆が重要で、こ
うした微細な部位の被覆には、使用する顔料粒子も微細
でなくてはならない。単純な微粒子であれば、焼付け乾
燥時の塗膜流動でエッジ部位が透ける。エッジ部位の被
覆を期待するには、流動性をコントロールする異方性、
特に薄片微粒子が好ましい。微細なあわせ目に進入する
にはそれ自体が微細薄片でなくてはならない。本発明方
法による0.5μm分級の精製ベントナイトはこのよう
な期待に好適である。本発明方法による精製ベントナイ
トは、固体酸に相当する触媒作用を発揮し、塗膜の架橋
硬化反応を促進する。しかも,層間化合物の特徴として
気体の透過性があるので、塗膜の表面に偏らず、内部を
含めた均一な硬化が期待できる。この作用は、電着塗料
に限定されないが、防錆塗装として特に優れた効果が期
待できる。
【0040】既存の熱硬化性アクリル樹脂系のアニオン
電着塗料に、本発明方法による0.5μm分級精製ベン
トナイトが容易に混和配合でき、配合比率も自由に選択
できた。精製ベントナイトを配合すると、塗膜の電気抵
抗が数秒間高くならず、塗膜厚みを稼いで後、抵抗が急
激に上昇してスローイングパワーが向上し、良好な塗装
ができた。精製ベントナイトが持つイオン交換機能が作
用した結果であると考えることができる。電着塗装後、
付着した塗料液を洗い流すまでの時間が異なるので、気
象条件によって乾きムラが起こることがある。0.5μ
m分級精製ベントナイトを配合したものは、乾きムラが
軽減された。ベントナイトの主鉱物モンモリロナイトの
層間化合物構造による保湿作用によるものであり、化粧
品に使用される効果に等しい。
【0041】自動車の廃車処理を含めた資源リサイクル
を考えると、廃車処理で発生する粉塵の環境内の循環を
達成せねばならない。発生する粉塵の大部分は、塗膜に
起因するので、塗膜自体が環境内で循環せねばならな
い。精製ベントナイト自身が陽極に析出し、皮膜を形成
するので、電着塗料中の有機物を大幅に減少できる。電
着塗料のバインダー結合剤として、アマニ油、桐油を始
めとした天然素材の採用の復活が望ましく、これらは適
当な時間で分解して自然の土壌に還元し、アマニ油、桐
油を再生産する物質循環が成り立ち、このサイクルは、
半永久的に拡大発展が可能である。環境への負荷対策が
嵩むカチオン型電着塗装の高性能と便利性は、環境に対
して絶大な負荷をもたらすため、巨大な自動車産業に限
られていた。電着塗装の広範な普及を含めて、自動車産
業の合理化には、自然に逆らわない選択としてアニオン
型電着塗装が望ましい。
【0042】[実施例10]ベントナイトを核とする複
合粒子 精製ベントナイト、モンモリロナイトは、固体酸とも呼
ばれる酸触媒機能を発揮し、各種重縮合反応触媒として
働く。従って、重合性モノマーを精製ベントナイト水分
散液に配合し、適切な温度条件に維持すると、精製ベン
トナイト粒子表面を重合物が被覆して表面を改質でき
る。架橋硬化性樹脂の水性分散液もしくは重合性モノマ
ーと精製ベントナイトの固形分を1/99から99/1
の比率範囲に選定でき、適正な親水性、疎水性のバラン
スが調整できた。
【0043】[実施例11]環境保全 ベントナイトは、カチオン交換能力を有するのでアンモ
ニア、アミノ酸等の窒素化合物を補足し、これらを植物
の栄養素として適宜放出する肥料効果を発揮することは
周知である。更に、りん化合物を補足して、肥沃な土
壌、水田が形成されている。本発明方法の5μm分級精
製ベントナイトを用いて、図1の沈降分離槽に、りんと
窒素をそれぞれ10ppm含有するモデル的汚染水を注
入し、酸素を通気したところ、りんと窒素を1ppm以
下と検出しない上澄み液が採取でき、ベントナイトが示
す水の浄化作用が確認できた。在来のベントナイトで
は、沈降砂が多く、装置の運転障害になって実現しえな
い。沈降泥を遠心機で濃縮採取し、乾燥して粒状に加工
したが、アンモニア臭が発生しなかった。これを湿潤さ
せて嫌気状態に保存すると、徐々に、りんとアンモニア
が溶出した。乾燥粒状製品の実用的肥料効果も確認でき
た。
【0044】上水道の浄水場には、鉱山から採掘した新
品のベントナイトの精製品の使用が望まれる。下水処理
の浄水処理にあっては、土木工事等に使用したものを使
用できる。ただし、下水処理場からの排水は、下流都市
の上水資源になるので、区別の意味はない。浄水場を、
りんとアンモニアを除去した水商品の製造事業として運
営すると、排出泥が産業廃棄物になる。アンモニアの安
直な分解手段として、塩素(前段塩素処理)が多量に使
われて、発癌性トリハロメタンに脅える。塩素からオゾ
ンに切替えられても、パーオキサイドの危険が危惧され
る。活性炭の吸着が義務付けられたことは好ましいが、
処理コストを高め、活性炭の大量の供給は、新たな公害
源になりかねない。本発明の精製ベントナイトは、りん
と窒素の循環を適性に維持できるシステム素材として好
適で、持続する発展が可能な水処理と物質循環の実現が
期待できる。
【0045】
【発明の効果】本発明の精製ベントナイトの製造方法
は、ベントナイト粘土の精製工程が客観的に最適条件と
して設定され、鉱山の品位を選ばず、使用済のベントナ
イトの再生利用が可能になり、循環再生利用システムが
実現できる。本発明の製造方法により得られる精製ベン
トナイトには、次のような用途・効果がある。 (1)ベントナイト粘稠液における光学的、機械的、化
学的、物理的諸機能を高める。 ・ベントナイト粘稠液の単位濃度当たりの粘度が高く、
利用価値が高まる。 ・ベントナイト粘稠液の利用における磨耗消耗が逓減さ
れる。 ・ベントナイト粘稠液の透明性が高まる。 (2)ベントナイト被覆物における光学的、機械的、化
学的、物理的諸機能を高める。 ・ベントナイト被膜の平滑性、光沢が高まる。 ・ベントナイト被膜の強度、耐久性、防錆機能が高ま
る。 ・ベントナイト被膜の単位厚み当たりのイオン交換機能
が高まる。 ・ベントナイト被膜の透湿性、保湿性、湿度調節機能が
高まる。 ・ベントナイト被覆構造物の止水機能が高まり、構造物
を小型にできる。 ・イオン交換容量の高い水素イオン型モンモリロナイト
を高純度で採取できる。 ・電着塗装が可能になった。 ・ベントナイトを核とする複合粒子を沈降分離採取でき
る。 (3)仕上げ光沢の高い鋳物型枠が実現し、砂資源の循
環再利用を可能ならしめる。 (4)砥石粒等の粒子の各種資源の再生循環利用を可能
ならしめる。 (5)水性塗料が実現し、塗料用の各種顔料分散粒子の
再生循環利用を可能ならしめる。 (6)窒素化合物等の肥料資源の再生循環利用を可能な
らしめる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の精製ベントナイトの製造方法のフロー
図の一例を示す図である。
【図2】遠心機の回転数と分級粒度との関係を、各種分
級処理速度(流量)との関連で示す図である。
【符号の説明】 1:貯蔵タンク、 2:水中ポンプ、 3:垂直方向の分岐(回路)、 4:上方向の分岐管(回路)、 5:下方向の分岐管(回路)、 6:注入口、 7:越流樋、 8:円筒形沈降槽、 9:分級中継槽、 10:越流樋、 11:貯蔵槽、 12:水中ポンプ、 13:垂直方向の分岐、 14:上方向の分岐管(回路)、 15:下方向の分岐管(回路)、 16:取り出し回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 21/28 B01D 21/28 A 61/44 510 61/44 510 B01F 11/02 B01F 11/02 B01J 20/34 B01J 20/34 G C02F 1/42 C02F 1/42 Z 1/469 1/46 103

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モンモリロナイトを主成分とするベント
    ナイト粘土の懸濁液を、(1)底部に限定した旋回流を
    形成せしめた沈降分離槽に入れて、旋回の駆動ポンプと
    循環回路中での剪断力により当該懸濁液の粘度を低下せ
    しめて、ベントナイトの介在物を予備的に沈降分離し、
    (2)回転数n(rpm)で回転する内半径r(m)の
    円筒形沈降槽(遠心機)に、一定速度Q(m3/H)で
    給液して、次式Iで表されるストークス径D(μm)以
    上の沈降速度を示す粗い粒子を回転沈降槽に沈降分離さ
    せて、これを除去することを特徴とする精製ベントナイ
    トの製造方法。 D2・r3・n2=3382・Q (I)
  2. 【請求項2】 使用済のベントナイトを再生循環利用す
    る請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ストークス径Dの値を0.5±0.3以
    下に設定する請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 当該懸濁液の旋回駆動の配管中に超音波
    を当てる請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 当該懸濁液の旋回駆動の配管中に気体を
    注入せしめる請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 導電率が10μS/cm以下の脱イオン
    水に、ベントナイト粘土を懸濁せしめる請求項1記載の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 精製ベントナイトの懸濁液を更にイオン
    交換処理する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 精製ベントナイトの懸濁液を更に電気透
    析し、陰極を囲む隔膜室の内液を更新してイオン交換可
    能なカチオンを除去し、水素イオン型のモンモリロナイ
    トを陽極に析出させる請求項1ないし7のいずれか1項
    に記載の製造方法。
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