JPH08276478A - 射出圧縮成形方法および射出圧縮成形装置 - Google Patents

射出圧縮成形方法および射出圧縮成形装置

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JPH08276478A
JPH08276478A JP8214795A JP8214795A JPH08276478A JP H08276478 A JPH08276478 A JP H08276478A JP 8214795 A JP8214795 A JP 8214795A JP 8214795 A JP8214795 A JP 8214795A JP H08276478 A JPH08276478 A JP H08276478A
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mold
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pressure
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 操作性を改善し、高品質の成形品を連続安定
的に供給できる生産性の高い射出圧縮成形方法および射
出圧縮成形装置を提供しようとするものである。 【構成】 あらかじめ樹脂の冷却固化収縮量を算出して
おき、該収縮量を加えた樹脂量を金型キャビティ5内に
充填可能な射出圧力で射出圧力制御を行なうとともに、
あらかじめ金型キャビティ5内に充填された樹脂圧によ
って樹脂の冷却固化収縮量に相当する型開量までタイバ
ー11が延伸することによって金型4a、4bが開くこ
とを許容する型締力を設定しておき、トグル機構6を介
して可動盤3を前進させてトグル機構6が伸び切らない
状態で金型タッチさせ、さらに設定型締力まで増圧さ
せ、射出充填工程では型締シリンダ8の型締力設定動作
中に射出充填動作を行い、射出充填完了後に射出動作中
後退した可動盤3を前進させて型締力の増圧を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出圧縮成形方法に係
り、さらに詳しくは操作性を改善するとともに高品質の
成形品を連続安定的に供給する射出圧縮成形方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】トグル機構により型締を行なう射出成形
装置を用いて射出圧縮成形する場合、 (1)トグル機構が伸び切った状態で型締を完了すると
ともに、この状態で金型に所定の隙間を確保しておく。
そして溶融樹脂を金型内に射出充填後、可動盤あるいは
固定盤に別途付設した圧縮専用の油圧シリンダなどによ
り圧縮を行なう。 (2)トグル式の型締機構では、トグル機構が伸び切ら
ない状態下で最大型締力以下の比較的小さい型締力とな
るようにトグル機構のクロスヘッド位置と可動盤の変位
量(型開量、型締力)の幾何学的関係を用いてクロスヘ
ッドの位置に換算した設定値に基づく制御によりトグル
機構を停止させて型締を行なった後、金型内に溶融樹脂
を射出充填し、その後トグル機構を再駆動により伸び切
った状態にして圧縮を行なう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の射出
圧縮成形では、次のような問題があった。 (1)トグル機構が伸び切った状態で型締を完了し、こ
の状態で金型内に溶融樹脂を射出充填する方法では、ト
グル機構側には何ら特別な改造を必要としないが、トグ
ル機構とは別に圧縮専用の油圧シリンダなどが必要なた
め、成形機の複雑化・コスト高を招く。 (2)トグル機構の幾何学的関係に基づいて、型開量や
型締力をクロスヘッド位置に換算した設定値で型締を制
御する方法では、前記(1)のようにトグル機構とは別
に圧縮専用の油圧シリンダなどを必要としないもののト
グル機構のクロスヘッド位置と可動盤の変位量、換言す
れば型開量や型締力の幾何学的関係は、取付ける金型の
厚さに応じた型厚設定値と金型の大きさに応じて型締完
了時の最大発生型締力を増減させるダイハイト調整値の
組合せによって関係式は無限大に存在するため、使用す
る金型毎に幾何学的関係に基づいて計算しなければなら
ず操作性は極めて悪く非実用的である。仮に、上記トグ
ル機構の幾何学的関係をプログラミングし自動演算処理
させる手段を組み込んで、無限大に近い種々の変数の組
合せ数を演算処理によって所望の結果を得ようとする
と、ソフト・ハードの複雑でかつ大型化は避けられずコ
スト高を招き適切でないといった問題がある。
【0004】(3)さらに、従来の方法はいずれも、所
定の型締力あるいは型開量となるような金型位置に設定
した後に射出充填を行なうため、また、高速でトグル機
構を動作させると慣性力によって正確な位置停止ができ
ないため低速動作となり、その結果、通常の成形方法と
比較して、成形サイクルは同等かむしろ長くなる傾向を
示すため、生産性が低いといった欠点がある。本発明
は、上記問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的
は、現行のトグル機構の成形機を大幅に改造することな
く、射出圧力と型締力の圧力制御のみの簡単な制御で高
精度な射出プレス成形ができ、さらに短い成形サイクル
で安定して良品を連続的に供給する。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、本発明では、第1の発明においては、トグル機構を
用いて型締を行なう射出成形装置を用いて、射出充填工
程時に射出機構側であらかじめ樹脂の冷却固化収縮量を
算出しておき、該収縮量を加えた樹脂量を金型キャビテ
ィ内に充填可能な射出圧力で射出圧力制御を行なうとと
もに、型締機構側ではあらかじめ金型キャビティ内に充
填された樹脂圧によって前記樹脂の冷却固化収縮量に相
当する型開量までタイバーが延伸することによって金型
が開くことを許容する型締力を設定しておき、トグル機
構を介して可動盤を前進させて該トグル機構が伸び切ら
ない状態で両金型をタッチさせた状態から前記型締力の
設定値までトグル機構を延伸させ、前記射出充填工程で
は型締機構の該型締力設定動作中に射出充填動作を行な
い、射出充填完了後に射出充填動作中に後退した可動盤
を前進させて型締力を増圧させるようにした。また、第
2の発明では、さらに、あらかじめタイバーに組み込ん
だ型締力検出部を用いて両金型がタッチした状態を検知
してトグル機構に連結される型締シリンダのストローク
を原点設定し、設定型締力に達するまでトグル機構を延
伸させた後、設定型締力に達した型締シリンダのストロ
ーク位置を保持するように型締シリンダの油圧を制御す
るようにした。さらに、第3の発明の射出圧縮成形装置
においては、射出充填量設定手段と射出圧力設定手段を
備え、該両設定手段に基づいて射出充填を行なう射出制
御部と、該射出充填によって樹脂の冷却固化収縮量に相
当する型開量までタイバーが延伸することによって金型
が開くことを許容する型締力を設定する型締力設定手段
と、型締シリンダのストロークを検出する型締シリンダ
ストロークセンサと、タイバーに組み込まれ型締工程の
型締力の検知を行なう型締力検出部と、該型締力検出部
の検出信号に基づいて金型タッチ点を設定する金型タッ
チ点設定部と、前記型締力設定手段の設定値と前記型締
シリンダストロークセンサの検出信号を比較してトグル
機構と連結している型締シリンダのストロークを制御し
て型締を行なう型締制御部を具備するとともに、前記金
型タッチ点設定部は原点設定完了後に前記型締制御部へ
型締力設定開始信号を発信するとともに前記射出制御部
へ射出開始信号を発信する機能を有し、射出充填完了信
号を発信する射出充填完了検出部と、該射出充填完了検
出部からの検出信号に基づいて前記型締制御部へ型締増
圧信号を発信する比較制御部を備えた構成とした。
【0006】
【作用】射出充填工程時は充填可能な圧力制御とするこ
とで充填初期には金型のキャビティ内の樹脂流動抵抗が
小さいため高速充填となり、充填後期には樹脂流動抵抗
が大きくなるため充填速度は自然減速されるため、樹脂
充填中は自動的に連続的な速度勾配を有し、かつパック
圧を生じない理想的な自然充填流れ(ナチュラルフロ
ー)となり得る。また、樹脂の冷却固化収縮量を加えた
樹脂量を充填し、かつ、充填された樹脂圧によって樹脂
の冷却固化収縮量に相当する型開量までタイバーが延伸
することによって金型が開くことを許容する型締力設定
をすることで射出充填完了時においても、金型へ樹脂は
ほぼ満充填(ジャストパック)の状態であるため、ま
た、延伸されたタイバーが弾性的に柔軟性を有するこ
と、およびタイバーの弾性回復力によって常時樹脂の冷
却固化収縮挙動に対応した圧縮作用が付加されているこ
とにより、型締増圧の切替えに際しても金型内の樹脂流
速の不連続に起因するフローマークなどの欠陥発生の影
響を全く受けない。したがって、従来行なわれてきた型
締増圧開始の複雑かつ高度なタイミング制御が不要とな
る。さらに、型締力の検知をタイバーに組み込んだ型締
力検出部で行なっているので、型厚設定、ダイハイト調
整の影響を全く受けず高精度な型締力が直接検出でき
る。また、型締力設定動作と平行して射出充填工程を行
なうことで、また、型締動作時間の大部分の金型タッチ
状態までは高速動作が可能となることから、成形サイク
ルの短縮化が図れ、その結果、生産性が著しく向上す
る。
【0007】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図3は本発明に係り、図1は射
出成形装置の全体構成図、図2は設定型締力とタイバー
伸び量との相関を示す説明図、図3は射出圧縮成形の各
工程を説明する状態説明図である。なお、図1の射出成
形装置の上半分は、射出充填前の型締力設定時の状態を
示し、下半分は圧縮工程時の型締完了状態を示してい
る。
【0008】図1に示すように、射出圧縮成形を行なう
射出成形装置100は、大別すると型締装置20と射出
装置40と制御部60とから構成され、型締装置20
は、リンクハウジング1、固定盤2、可動盤3、型締シ
リンダ8、トグル機構6(トグルリンク6a、ミッドリ
ンク6b、クロスヘッドリンク6c)、クロスヘッド
7、ピストンロッド9、ガイドロッド10、金型4(可
動金型4a、固定金型4b)、キャビティ5、タイバー
11などから構成される。
【0009】つぎに、射出装置40について述べる。本
実施例における射出装置40はバレル41内にスクリュ
42が配設され、ホッパ43内の樹脂原料が供給ゾー
ン、圧縮ゾーンにおいて加熱圧縮され、計量ゾーンにお
いて溶融計量され、そして射出ゾーンを経てノズル44
内へ射出されるように構成されている。そして、バレル
41の外周面には樹脂原料を外部加熱するためのヒータ
が設けられており、樹脂原料がスクリュ42の回転によ
って前方へ送られるようになっている。符号46は射出
シリンダ、47は正逆転用モータであってスクリュ42
に直結されており、スクリュ42を正逆回転するように
なっている。
【0010】つぎに、制御部60について述べる。制御
部60は射出充填量設定手段61、射出圧力設定手段6
2、射出制御部63、油圧制御弁64、圧力センサ6
5、油圧制御弁67、油圧供給源68a、68b、射出
充填完了検出部69、タイマ70、時間設定部71、比
較制御部72、型締制御部73、型締シリンダストロー
クセンサ74、型締力検出部75、型締力設定手段7
6、金型タッチ点設定部78などから構成される。そし
て、射出充填量設定手段61と射出圧力設定手段62が
射出制御部63に接続され、射出制御部63は射出シリ
ンダ46の動作を制御する油圧制御弁64と正逆転用モ
ータ47の動作を制御する図示しない制御装置にそれぞ
れ接続されている。また、射出シリンダ46内の作動油
圧は圧力センサ65で検知され、射出充填完了検出部6
9、タイマ70、比較制御部72を経由して型締制御部
73へ送られるとともに、型締シリンダストロークセン
サ74によって検知される位置情報と型締力検出部75
によって検知される型締力情報がそれぞれ型締力設定手
段76へ送信され、型締制御部73へ動作信号が発信さ
れ、型締シリンダ8を制御する油圧制御弁67へ動作指
令を与えるようになっている。なお、型締力検出部75
はタイバー11に組み込まれ、例えばロードメータなど
が使用される。型締シリンダストロークセンサ74は型
締シリンダ8のピストンロッド9に取付けられ、エンコ
ーダやリニアスケールが採用される。また、金型タッチ
点設定部78におけるタッチ情報が型締制御部73や射
出制御部63へ即座に送られるようなラインが設けられ
る。
【0011】このように構成された射出成形装置100
における射出圧縮成形方法の操作手順について次に説明
する。
【0012】まず、固定金型4bと可動金型4aで画成
されるキャビティ容積に樹脂物性に係り算出される樹脂
の冷却固化収縮量を加えた樹脂量を計量値として射出充
填量設定手段61で設定するとともに、キャビティ5内
へ充填可能でバリを発生しない射出充填圧力範囲から射
出効率の最もよい射出圧力条件を射出圧力値として射出
圧力設定手段62で設定する。同時に、設定した計量値
および射出圧力値と、キャビティ容積およびキャビティ
投影面積から射出充填完了時に樹脂の冷却固化収縮量に
相当する型開量まで射出充填挙動によってタイバー11
が伸延することにより金型が開くことを許容する型締力
を型締力設定手段76で設定する。
【0013】この場合、トグル機構6は伸び切らない状
態であり、図2を用いてタイバー伸び量と設定型締力の
関係について詳しく説明する。すなわち、トグル式型締
装置20における型締力の発生原理は、トグル機構6を
駆動させて可動盤3を前進させ、可動金型4aと固定金
型4bがタッチした状態(この時、トグル機構6は未だ
伸び切っていない、Ko 値)からさらに可動盤3を固定
盤2側へ押圧させてダイバー11を延伸させることによ
って(型締シリンダ8を前進させる)型締力が発生す
る。そして、トグル機構6が最も伸び切った状態で型締
力は最大値(ただし、金型保護のため金型サイズにより
キャビティ投影面積に応じた型締力値にダイハイト調整
した場合、Kmax値)を示し、この時、タイバー11
は最大値(△lmax値)まで伸びていることになる。
【0014】このタイバー11が伸びることを利用して
射出圧縮成形を行なう場合、タイバー11の最大許容伸
び量(△lmax値)が、射出充填圧による型開量の調
整可能な範囲となる。ここで、射出充填完了時の樹脂の
冷却固化収縮量に相当する型開量をS値とすると、最大
型締力Kmax値よりも小さい型締力Ks 値になるよう
に型締力を設定すれば型開量S値を確保することができ
る。なお、この状態においても、トグル機構6は最も伸
び切った状態(直線状態)に極めて近い状態であるため
射出充填圧によって可動盤3が後退することは皆無であ
る。
【0015】さらに、射出充填完了時に溶融樹脂が金型
へほぼ満充填されている状態(ジャストパック)を適正
型開量とする。こうすることにより、射出充填完了から
圧縮工程へ移行する際に樹脂の流動変化が生じないため
に、これに起因するフローマークなどの欠陥の発生はな
く、射出工程と型締増圧開始を連動させる必要はない。
【0016】また、射出充填に伴う型開挙動はタイバー
11が伸びることにより与えられる結果であり、タイバ
ー11が伸びた分だけ設定型締力は同じであるが、実際
に金型に負荷される型締力は増加する傾向を示すことに
より、射出充填圧と型開量および型締力の相互関係が自
動的にバランスをとる方向へ作用することが判った。す
なわち、トグル式型締装置20においては適正型開量の
設定に際し、適正型締力値の条件設定を多少ラフに行な
ってもタイバー11が伸びることによる型締力の自動バ
ランス補正により、直圧式型締装置の場合と比較して、
成形制御が容易となる利点も得られた。
【0017】以上述べたように初期設定を完了すると、
図3に示すとおり、次は成形動作に入る。 (1)型締力設定手段76で設定した型締力設定値に基
づいて、型締制御部73は型締シリンダ8の動作を制御
して型締(1次圧)を行なう。 (2)型締動作中の型締力の検知はタイバー11に組み
込まれた型締力検出部75で行なう。そのメリットは、 トグル機構6の型締力の発生原理であるタイバー1
1の伸延(応力)挙動を直接計測しているので最も計測
精度は高い。 従来のトグル機構6の幾何学的関係に基づいて算出
する方法の場合の欠点(無限大に近い演算プログラムの
蓄積、あくまでも演算推定による精度の低さ)は皆無で
ある。 金型取付部とは無関係の位置なので、取扱性が極め
て良好である。
【0018】(3)型締動作中の金型タッチ状態を型締
力検出部75で検知して以後の成形動作の基準とするた
め、型締シリンダストロークを0点リセットして型締原
点設定する。 (4)設定型締力に達した時の型締シリンダ8のストロ
ークを型締シリンダストロークセンサ74で検出し、以
後はこの検出信号値を介して制御を行なう。すなわち、
検出信号値をキープするように型締シリンダ油圧を制御
する。(型締シリンダ位置保持制御)。ここで、トグル
機構6の特性(型締シリンダストロークが1mm程度変
動しても可動盤の位置変動は1/数十mm以下であり、
したがって、型締力への影響は極めて小さい。実際型締
シリンダストロークは1mm〜1/10mmの精度で保
持できる。)と前述した射出充填圧と型開量および型締
力の相互関係の自動バランス作用により、極めて高精度
な型締力制御が容易にできる。
【0019】(5)なお、上記(2)〜(4)は、金型
および圧縮工程時の型締力設定値(ダイハイト調整によ
る)を変更しない限り、成形動作前に1回設定すればよ
く、実際の成形動作は先に設定した金型タッチ状態(原
点)および設定型締力に相当する型締シリンダ8のスト
ローク位置を基準に行ない、一旦金型タッチ状態までは
高速で型締動作を行ない、その後、低速で型締力設定位
置まで型締シリンダ8を前進させるとともに、射出充填
動作を平行して行なう。なお型締力設定動作は射出充填
完了前までに終了しておく必要がある。 (6)金型タッチ状態後、金型タッチ点設定部78は型
締制御部73へ型締力設定開始信号を発信させるととも
に、射出制御部63へ射出開始信号を発信する。ここで
射出充填動作は射出充填量設定手段61、射出圧力設定
手段62で設定した樹脂計量値、射出充填圧力の設定値
に基づいて射出制御部63は、充填可能な1圧の圧力制
御で射出充填を行なう。すなわち、射出初期にはキャビ
ティ5内の流動抵抗が小さいので高速充填となり、射出
後期にはキャビティ5内の流動抵抗の増加に伴い、充填
速度は自然減速し、その結果連続的な速度勾配を有し、
かつパック圧を発生しない理想的な自然充填流れ(ナチ
ュラルフロー)となる。また、射出開始と平行して型締
(1次圧)設定を行なっているので、金型に負荷される
型締力も次第に増加するため、上記のナチュラルフロー
をより促進する方向へ働く。さらに、本実施例では射出
充填工程時には射出シリンダ46の圧力制御よりスクリ
ュ42が前進限に至るまでのいわゆるクッション量を残
さない射切り状態に射出制御される方法とした。こうす
ることにより、後述する射出充填完了の確認のための検
知が極めて容易かつ正確となる上に計量および射出充填
制御も簡単となる。
【0020】(7)射出充填完了後(この時点では既に
型締力設定動作は完了しており、設定型締力にキープさ
れている。)は型締側で圧縮工程を行なう。射出充填に
対応してタイバー11が伸びることによって型開し、射
出充填完了後に型開量は最大となる。ここで、射出充填
完了後、金型内の溶融樹脂はジャストパック状態である
こととタイバー11の延伸挙動が弾性的に作用し、かつ
弾性回復力によって樹脂の冷却固化収縮に応じた圧縮が
付加されていることにより射出工程から圧縮工程への切
替に際してもフローマークなどの欠陥の発生は全くな
い。なお、圧縮に伴い、射出シリンダ46内の作動油圧
を上昇させれば(ただし射出シリンダは前進しない)ノ
ズル44内からキャビティ5までの通路中には樹脂が充
満されているので金型内の樹脂の逆流は完全に防止でき
る。 (8)射出充填完了検知は前述した射切り状態において
射出シリンダ46内の作動油圧値の変化、あるいは射出
ピストン48の前進動作(射出速度)の変化により求ま
る。すなわち、射出充填開始から射出完了直前までは射
出充填圧力が一定となるようにスクリュ42の前進動作
と合せて射出シリンダ46内の作動油圧値は一定に制御
されているために射出完了時、すなわちスクリュ42が
前進限に達するとスクリュ42の前進動作は停止し、射
出シリンダ46内の作動油圧値は一時的に急激に上昇す
る。したがって、射出シリンダ46内の作動油圧値を検
出することにより射出充填完了が正確に検知できる。し
かしながら、これに限定するものでなくスクリュ42の
前進動作あるいは射出ピストン48の前進動作を停止し
た時を射出充填完了として検知してもよい。さらに、前
記のような射出充填完了を確認検知する方法を組合せて
使うことも可能である。
【0021】(9)こうして射出充填完了検出部69で
射出充填完了を検知するとタイマ70が起動して圧縮工
程を制御するのである。ここで、時間設定部71にあら
かじめ型締増圧(2次圧)開始時間と計量開始時間およ
び保圧冷却時間を入力させておく。計量開始はゲートシ
ールをする時間を基準とし、シャットオフバルブが組み
込まれている成形機ではシャットオフバルブ閉動作完了
時間を基準として設定する。保圧冷却時間は、樹脂温
度、金型冷却能力、成形品形状などによって樹脂の冷却
固化時間を算出し、圧縮完了時間として設定する。型締
増圧開始時間は計量開始時間設定と同じとすることによ
り、型締増圧による金型キャビティ5から射出側への樹
脂の逆流が防止できる。ここで射出充填完了から型締増
圧開始まで若干のタイムラグが生じるが、型締1次圧の
継続によるタイバー11の弾性回復力の圧縮作用は、樹
脂の冷却固化収縮に対応して付加されているので、タイ
ムラグに起因する欠陥発生は皆無となる。 (10)タイマ70のタイムアウト信号と時間設定部7
1の設定値を比較制御部72で比較して各々の設定値に
達していることが判明すると計量開始信号を射出制御部
63へ出力し、型締増圧開始時間と圧縮完了信号を型締
制御部73へ出力して型開きに引続き製品取出しを行な
った後次の成形動作に入る。 (11)なお、型締増圧後の型締力(2次型締圧力)値
は成形品の転写性をアップさせる目的で付加させるので
あって、1次型締圧力と成形機の最大型締圧力間の型締
圧力範囲の中で、例えば成形後の成形品の転写性を評価
して必要最小型締力値を型締力設定手段76で求めるこ
ともできる。また、2次型締力と1次型締力の設定値を
同一とすることも可能であり、この場合においては圧縮
工程はタイバー11の弾性回復力のみによって付加され
ることとなり、特に成形品の残留歪を低減させて、変形
の極めて少ない高品質の成形品を得る場合に高い効果が
期待される。
【0022】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明においては 射出充填工程および圧縮工程は射出圧力と型締力の
圧力制御のみの簡単な制御方法でよいため操作性は極め
て容易となる。 また、射出充填可能な射出圧力制御とすることで、
製品形状に応じた連続的な速度勾配を有し、パック圧発
生のない、かつ短時間充填が可能な理想的な射出充填制
御が極めて簡単に自動設定できるため、制御の操作性が
極めて容易である。 射出充填完了時においても、溶融樹脂はジャストパ
ック状態であるため、樹脂流れの不連続に起因するフロ
ーマークなどの欠陥発生が皆無となり、その結果、射出
充填工程から圧縮工程切替に際しての極めて高度なタイ
ミング制御が不要となるため、さらに制御の操作性を簡
単にすることができる。 射出充填制御は射出圧力制御とするとともにクッシ
ョン量を残さずに充填することにより、射出充填完了検
知は簡単かつ正確に検出できることと、型締開始制御が
簡単にできることと合せて、射出充填完了以降の圧縮工
程および計量開始などの制御はタイマによる簡単な制御
で可能となり、高品質な成形品を極めて容易な操作で得
ることができる。 型締力の検知を、トグル式型締機構の型締力の発生
原理であるタイバー部で直接行なっているため、計測精
度が極めて高く、いかなる条件の金型サイズあるいは型
締力設定に対して対応可能であるために、制御の操作性
・精度が極めて良好となる。 型締力設定動作と平行して射出充填工程を行なうこ
と、および金型タッチ状態までの型締動作が高速となる
ことから、成形サイクルの短縮化が図れ、生産性が著し
く向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る射出成形機の全体構成図
である。
【図2】本発明の実施例に係る設定型締力とタイバー伸
び量との相関を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例に係る射出圧縮成形方法の状態
説明図である。
【符号の説明】
1 リンクハウジング 2 固定盤 3 可動盤 4 金型 4a 可動金型 4b 固定金型 5 キャビティ 6 トグル機構 7 クロスヘッド 8 型締シリンダ 9 ピストンロッド 10 ガイドロッド 11 タイバー 20 型締装置(トグル式型締装置) 40 射出装置 41 バレル 42 スクリュ 43 ホッパ 44 ノズル 46 射出シリンダ 47 正逆転用モータ 48 ピストン 60 制御部 61 射出充填量設定手段 62 射出圧力設定手段 63 射出制御部 64 油圧制御弁 65 圧力センサ 67 油圧制御弁 68a、68b 油圧供給源 69 射出充填完了検出部 70 タイマ 71 時間設定部 72 比較制御部 73 型締制御部 74 型締シリンダストロークセンサ 75 型締力検出部 76 型締力設定手段 78 金型タッチ点設定部 100 射出成形装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トグル機構を用いて型締を行なう射出成
    形装置を用いて、射出充填工程時に射出機構側であらか
    じめ樹脂の冷却固化収縮量を算出しておき、該収縮量を
    加えた樹脂量を金型キャビティ内に充填可能な射出圧力
    で射出圧力制御を行なうとともに、型締機構側ではあら
    かじめ金型キャビティ内に充填された樹脂圧によって前
    記樹脂の冷却固化収縮量に相当する型開量までタイバー
    が延伸することによって金型が開くことを許容する型締
    力を設定しておき、トグル機構を介して可動盤を前進さ
    せて該トグル機構が伸び切らない状態で両金型をタッチ
    させた状態から前記型締力の設定値までトグル機構を延
    伸させ、前記射出充填工程では型締機構の該型締力設定
    動作中に射出充填動作を行ない、射出充填完了後に射出
    充填動作中に後退した可動盤を前進させて型締力を増圧
    させるようにした射出圧縮成形方法。
  2. 【請求項2】 あらかじめタイバーに組み込んだ型締力
    検出部を用いて両金型がタッチした状態を検知してトグ
    ル機構に連結される型締シリンダのストロークを原点設
    定し、設定型締力に達するまでトグル機構を延伸させた
    後、設定型締力に達した型締シリンダのストローク位置
    を保持するように型締シリンダの油圧を制御する請求項
    1記載の射出圧縮成形方法。
  3. 【請求項3】 射出充填量設定手段と射出圧力設定手段
    を備え、該両設定手段に基づいて射出充填を行なう射出
    制御部と、該射出充填によって樹脂の冷却固化収縮量に
    相当する型開量までタイバーが延伸することによって金
    型が開くことを許容する型締力を設定する型締力設定手
    段と、型締シリンダのストロークを検出する型締シリン
    ダストロークセンサと、タイバーに組み込まれ型締工程
    の型締力の検知を行なう型締力検出部と、該型締力検出
    部の検出信号に基づいて金型タッチ点を設定する金型タ
    ッチ点設定部と、前記型締力設定手段の設定値と前記型
    締シリンダストロークセンサの検出信号を比較してトグ
    ル機構と連結している型締シリンダのストロークを制御
    して型締を行なう型締制御部を具備するとともに、前記
    金型タッチ点設定部は原点設定完了後に前記型締制御部
    へ型締力設定開始信号を発信するとともに前記射出制御
    部へ射出開始信号を発信する機能を有し、射出充填完了
    信号を発信する射出充填完了検出部と、該射出充填完了
    検出部からの検出信号に基づいて前記型締制御部へ型締
    増圧信号を発信する比較制御部を備えた射出圧縮成形装
    置。
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KR20200070203A (ko) * 2020-06-11 2020-06-17 엘에스엠트론 주식회사 사출 성형기의 토글식 형체 장치

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