JPH08275698A - イカ釣針 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自然環境（湿度）等の成形条件に左右され
ず、均一な模様を現出し得ると共に、表面の耐摩耗性の
向上したイカ釣針を提供することにある。 【構成】 擬餌体１の下側に傘状針体２を備えたイカ釣
針において、上記擬餌体１を硬質合成樹脂材にガラス繊
維の短繊維７を混合して成形し、該擬餌体の表面又は表
面近くにガラス繊維による銀白色の筋で梨地状模様ａを
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はイカ釣針に関し、詳しく
は機械釣りに使用される略紡錘形状の擬餌体を有したイ
カ釣針又は棒状の擬餌体を有したイカ釣針（通称…プラ
針）の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】略紡錘形状や棒状をなした擬餌体の下側
に傘状針体を取り付けたイカ釣針は種々開発されている
が、この種イカ釣針において一番ポイントになるのは擬
餌体の形状、色彩等である。そして、その擬餌体は海中
においてイカ釣針の存在感を出し、イカに好奇心を持た
せるために種々工夫され、例えば擬餌体の表面又は表面
近くに微細な気泡によってヒビ割れ感模様を設けたもの
が実公平１−２７６５７号公報として提案されている。

【０００３】このものは、微細な気泡によるヒビ割れ感
模様は銀線状に光り、あたかも魚の鱗がキラキラ光って
いるような感じを与えると共に、そのヒビ割れ感模様が
海中でキラキラ光ることで該擬餌体の輪郭を浮き彫りに
し、存在感を現出し、それによってイカの好奇心を引き
付けて集魚効果を高めることが出来るというものであ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たイカ釣針の擬餌体は製品表面又は表面近くに気泡を形
成する訳であるが、その気泡を個々の製品に均一に現出
させることが困難であるという問題点を有する。何故な
らば、上記の気泡は成形材料（ペレット）の乾燥度合或
いは成形時の湿度、射出速度、射出圧力等によって左右
され、従って、空気が乾燥する冬期と、逆に湿気のある
梅雨の時期では大きく異なり、そうした気泡発生の不均
一を解決する為に発泡材を混入したり、特殊な成形を行
うことが考えられるが、その場合は物性の低下を招くと
いった問題が生じる。

【０００５】また、上記の如くして成形された気泡はそ
の表面が薄い膜（皮）で覆われているため、破れやす
く、破れたその部分に不純物等が付着することで擬餌体
が汚れ、上述した集魚効果を低下させるという難点を有
する。尚、気泡が形成され、しかもその気泡の表面の膜
を厚くすることも考えられるが、その場合気泡は製品の
肉厚の中心部に存在し、それによって強度の低下を招く
と共に、前記したような集魚効果は期待できない。

【０００６】本発明は、上述したような従来の技術が有
する問題点に鑑みて成されたもので、その目的とすると
ころは、自然環境（湿度）等の成形条件に左右されず、
均一な模様を現出し得ると共に、表面の耐摩耗性の向上
したイカ釣針を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為
に本発明が講じた技術的手段は、擬餌体を硬質合成樹脂
材にガラス繊維の短繊維を混合して成形し、該擬餌体の
表面又は表面近くにガラス繊維による銀白色の筋で梨地
状模様を形成したことを特徴とする。上記の合成樹脂材
に混入するガラス繊維は短繊維であるが、その長さは成
形時における樹脂の流れを阻害しない長さ、例えば成形
材料のペレットの大きさが２〜３mmの長さであれば少な
くともそれよりも短い長さとし、好ましくは１mm以下と
する。また、本発明のイカ釣針における擬餌体は上記の
梨地状模様の中に微細な気泡が混在させた構成としても
良い。

【０００８】

【作用】上記の手段によれば、擬餌体の表面または表面
近くにガラス繊維による銀白色の筋で梨地状模様が形成
されているため、そのガラス繊維の銀白色の筋が海中に
おいてキラキラと光り集魚効果を高める。しかも、その
銀白色の筋は樹脂中に混入したガラス繊維の短繊維であ
るため、擬餌体の表面側の耐摩耗性は向上され、表面が
擦られても粗面になりにくくなる。また、上記の梨地状
模様の中に微細な気泡が混在された場合は、ガラス繊維
による銀白色の筋に加えて気泡がレンズ様をなして光
り、イカの好奇心を誘うことになり、集魚効果が更に向
上される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は略紡錘形をした擬餌体に傘状針体が組み付
けられた今日周知の分解可能なイカ釣針を示し、図中、
１は擬餌体、２は傘状針体で、その傘状針体２は芯杆が
巻装取り付けられた芯棒に下部リング３及び座金４を介
して嵌合装着され、且つその芯杆に連結杆５を屈折可能
に連結すると共に、該連結杆を擬餌体１の縦通孔に支承
筒を介しコイルスプリングを弾圧して挿通し、擬餌体１
の上端より突出した連結杆に上部リング６を係着して構
成されている。

【００１０】上記の擬餌体１は硬質の合成樹脂材にガラ
ス繊維の短繊維７を混入して今日周知の略紡錘形状に成
形され、その擬餌体１の表面又は表面近くにはガラス繊
維による銀白色の筋で梨地状模様ａが現出されている。

【００１１】又、上記の梨地状模様ａの中には線状、球
状等の微細な気泡８を散在させてもよい。更に、本発明
に係るイカ釣針は図１に示した分解可能なイカ釣針に限
らず、図２に示す棒状の擬餌体に針体が固定されたイカ
釣針でも良く、その場合は中実棒状の擬餌体１’を前示
実施例と同様に合成樹脂材にガラス繊維の短繊維を混入
して所定の形状に成形し、その棒状の擬餌体１’の表面
又は表面近くにガラス繊維による銀白色の筋で梨地状模
様ａを形成する。

【００１２】上記のガラス繊維による梨地状模様ａの成
形は、ガラス繊維の短繊維を混入した溶融状態の合成樹
脂材を金型に射出する場合、該金型を常温か又は積極的
に冷やし、その状態で成形材料を射出すると樹脂材料中
のガラス繊維は金型の表面側に集結して硬化成形され
る。又、前記の梨地状模様ａ中に微細な気泡を混在させ
る時は、成形材料の樹脂ペレットがある程度水分を含ん
だ状態で使用し、射出スピードを調整することで成形す
ることができる。尚、上述した分解可能なイカ釣針にお
いて擬餌体に傘状針体を屈折自在に連結する構成は、上
述したスライドする支承筒とコイルスプリングを内蔵し
た構造に限られるものではなく、ゴムパッキンを使用し
た従来から周知の構造でも良いことは言うまでもないこ
とである。

【００１３】以上の如く構成したイカ釣針はガラス繊維
による銀白色の筋で形成された梨地状模様ａがキラキラ
光ってあたかも小魚が光っているような感じを与え、イ
カの好奇心を引き付け、集魚効果を高め得るものであ
る。そして、その銀白色の筋で形成される梨地状模様は
成形材料にガラス繊維の短繊維を混入することで成形品
の表面又は表面近くに現出成形出来るため、微細な気泡
によってヒビ割れ感模様を形成したときのような面倒な
操作がなく、しかも得られる梨地状模様は均一で一年を
通して安定した製品の供給が可能となる。更に、表面の
耐摩耗性は従来の樹脂材単体からなり表面に微細な気泡
によってヒビ割れ感を現出させたものと比べ大幅に向上
し、長期使用においても表面が粗面になりにくく、従っ
て不純物も付着しにくく長期に亘って安定した集魚効果
を維持することが出来る。

【００１４】

【発明の効果】本発明のイカ釣針は請求項１に記載する
構成により、ガラス繊維による銀白色の筋で形成された
梨地状模様ａがキラキラ光ってあたかも小魚が光ってい
るような感じを与え、イカの好奇心を引き付け、集魚効
果を高め得るものである。そして、その銀白色の筋で形
成される梨地状模様は成形材料にガラス繊維の短繊維を
混入することで成形品の表面又は表面近くに現出成形出
来るため、微細な気泡によってヒビ割れ感模様を形成し
たときのような面倒な操作がなく、しかも得られる梨地
状模様は均一で一年を通して安定した製品の供給が可能
となる。更に、ガラス繊維の短繊維が表面又は表面近く
に存在するため、表面の耐摩耗性は従来品に比較して大
幅に向上し、長期使用においても表面が粗面になりにく
く、従って不純物も付着しにくく長期に亘って安定した
集魚効果を維持することが出来る。また、請求項２に示
す構成とした場合はガラス繊維による梨地状模様と微細
な気泡のレンズ効果によって更に集魚効果を高めること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るイカ釣針の実施例を示し、(a) は
正面図、(b) は(X)−(X) 線に沿える断面図である。

【図２】棒状のイカ釣針の実施例を示し、(a) は正面
図、(b) は(Y) −(Y)線に沿える断面図である。

【符号の説明】

１，１’…擬餌体 ２…傘状針体 ７…ガラス繊維の短繊維 ８…微細な気泡 ａ…梨地状模様

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 擬餌体の下側に傘状針体を備えたイカ釣
   針において、上記擬餌体を硬質合成樹脂材にガラス繊維
   の短繊維を混合して成形し、該擬餌体の表面又は表面近
   くにガラス繊維による銀白色の筋で梨地状模様を形成し
   たイカ釣針。
2. 【請求項２】 上記の梨地状模様の中に微細な気泡が混
   在する請求項１記載のイカ釣針。