JPH08270995A - 換気扇用フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 清掃性が良く、圧力損失も少ない油滴等の捕
集効果も良好な、積層構造の換気扇用フィルタを得る。 【構成】 レンジフードファン等の換気扇の吸込側に設
けられ、多数の孔を開けた平板を複数枚間隔をおいて分
離可能に重ね合せて構成される換気扇用フィルタの、上
記孔を細長いスリット３として平板１，２の全面にほぼ
均一に分布させ、隣接する平板１，２同士の各スリット
３をその方向性について回転対称となるようにずらして
重ねる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はレンジフードファン等の
換気扇の吸込側に設けられ、吸込気流に含まれる微細な
油滴や水滴等を捕集する換気扇用フィルタに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】レンジフードファン等の換気扇には、送
風機の前段に吸込気流に含まれる微細な油滴や水滴等を
捕集する換気扇用フィルタが装備されている。この種の
フィルタは、従来においては例えば実開昭６０―３５７
２３号公報や実開平５―９０２３６号公報に示されてい
るような構成のものが採用されてきた。前者はエキスパ
ンドメタルを隣接するもの同士の網目の方向が直交する
ように複数枚重ねた構成である。後者は図８に示すよう
に多数の互いに平行なスリット１０１を設けたフィルタ
板１０２を重ね合わせた構成である。各スリット１０１
はハの字状に起こされたフィン１０３の間に形成され、
フィン１０３とスリット１０１が交互に位置するように
フィルタ板１０２が重ねられている。この他にも、特開
平２―３１８１２号公報に示されているように、長孔や
丸孔を多数開けた平板１枚で構成されているものもある
が、油滴等の捕集効果が低いのであまり採用されていな
い。上記した積層構造のフィルタについては、いずれも
各層間を通過する間に吸込気流に含まれた油滴や水滴が
捕集され、換気扇の内部の油汚れが防止される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の積
層構造のフィルタには、自体の清掃性が悪かったり、圧
力損失が大きかったりする問題点が含まれている。即
ち、エキスパンドメタルを重ねたものでは、編目に付着
した汚れを落すことははなはだ面倒で、困難でもある。
また、スリット１０１とフィン１０３を持つフィルタ板
１０２を重ねたものでは、１層ごとに吸込気流が急激に
曲げられ、次層のフィルタ板１０２に衝突するため、圧
力損失が大きく、騒音も大きくなり勝ちである。その
上、フィン１０３が有り平面構成でないので清掃性も良
くない。

【０００４】本発明は上記した従来の問題点を解消する
ためになされたもので、その課題とするところは、清掃
性が良く、圧力損失も少ない油滴等の捕集効果も良好
な、積層構造の換気扇用フィルタを得ることであり、そ
の意匠性の向上を図ることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に請求項１の発明は、多数の孔を開けた平板を複数枚間
隔をおいて分離可能に重ね合せた積層構造の換気扇用フ
ィルタに対して、その孔を細長いスリットとして平板の
全面にほぼ均一に分布させ、隣接する平板同士の各スリ
ットをその方向性について回転対称となるようにずらし
て重ねる手段を採用する。

【０００６】前記課題を達成するために請求項２の発明
は、請求項１にかかる手段におけるスリットを、複数本
のスリットで特定の模様を構成するひとかたまりのスリ
ット群として構成し、平板の全面にスリット群をほぼ均
一に分布さる手段を採用する。

【０００７】前記課題を達成するために請求項３の発明
は、請求項２にかかる手段におけるスリット群を、方向
性が９０度ずれた縦横二種類のスリットで構成する手段
を採用する。

【０００８】

【作用】請求項１にかかる前記手段においては、平板の
各スリットを通過した吸込気流は、次の平板との間隔部
分で捩られながら次段の平板のスリットに流れ込んでい
き、通過する平板の各スリットにおいて、含まれていた
油滴や水滴が逐次各平板において捕集される。各平板は
分離させてそれぞれその清掃を行なうことができる。

【０００９】請求項２にかかる前記手段においては、請
求項１にかかる作用とともに、複数本のスリットで特定
の模様のひとかたまりのスリット群が構成され、平板の
全面にスリット群による模様が分布することになる。

【００１０】請求項３にかかる前記手段においては、請
求項２にかかる作用とともに、スリット群が形成する模
様に変化性が付与される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。 実施例１．図１から図３はこの実施例１の換気扇用のフ
ィルタを示したものである。この換気扇用フィルタは、
レンジフードファン等の換気扇（図示しない）の送風機
より前段の吸込側に横架状態に装着されるものであり、
２枚の同形同大の平板１，２を複数枚所定の間隔をおい
て分離可能に重ね合せた積層構造をしている。平板１，
２は２枚とも金属又はプラスチックの表裏とも平坦な方
形（丸形にすることもある）の薄板で構成され、多数の
通気可能なスリット３が全面にほぼ均一に分布してい
る。２枚の平板１，２のスリット３は、いずれも同じで
短径に対して長径が１０倍程の細長い開口として配列し
て形成されている。スリット３の列は平板１，２の全面
に多列が平行に設けられているが、隣合うスリット３の
列同士は各スリット３が千鳥に配置されている。

【００１２】上記した二枚の平板１，２を図２，３に示
すように１枚目の平板１と２枚目の平板２を、互いのス
リット３がその長径方向に関する方向性について９０度
の回転対称になるようにずらして、外枠４内に重ね合せ
ることにより換気扇用フィルタが構成される。このよう
に構成された換気扇用フィルタにおいては、吸込気流は
図２に示すように、１段目の平板１の各スリット３から
平板１，２同士の間隔部に流れ込み、さらに２段目の平
板２の各スリット３を通過して送風機に吸い込まれてい
く。

【００１３】この間、１段目の平板１の表面やそのスリ
ット３の口縁に接触することにより吸込気流に含まれて
いた微細な油滴や水滴等が捕集される。間隔部では１段
目のスリット３を通過した吸込気流が旋回し捩られなが
ら細分化されるように２段目の平板２に当ったりしなが
ら、２段目のスリット３に流れ込み、ここで再度、含ま
れていた微細な油滴や水滴等が捕集される。この換気扇
用フィルタは、上述のように吸込気流は急激な方向転換
をさせられることなく、１枚目と２枚目の平板１，２を
通過するので、圧力損失が少なく、騒音の発生も少な
い。また、圧力損失が少ないため送風機の負担も軽減す
る。油滴等の捕集効果は、積層構造で１段目と２段目の
スリット３が直交状態にあり、吸込気流に含まれる油滴
等が平板１，２やそのスリット３に接触する割合が高い
ので良好である。

【００１４】使用により汚れた換気扇用フィルタは、各
平板１，２を離してそれぞれを清掃すればよい。各平板
１，２の清掃は、平板１，２の表裏が平坦でありスリッ
ト３も列に配列しているので、スリット３の向きに倣っ
て清掃具で拭えば、スリット３に溜った油汚れも、表裏
に付着した油汚れも容易かつ簡単に落すことができる。

【００１５】平板１，２の各スリット３は、図４，５に
示すように適当な幅で複数の縦方向のスリット３と横方
向のスリット３とが、交互に配列するように形成し、こ
れらの平板１，２を上記のようにスリット３同士が９０
度ずれるように重ねてもよい（図５参照）。

【００１６】２枚の平板１，２のスリット３相互の関係
は、９０度で交差させることにより油滴等の捕集効果を
良好にできるが、圧力損失の低減を重要視する必要があ
る場合には、４５度とか６０度とかの９０度より小さい
角度で交差させても良い。また、重ねる平板１，２の枚
数も３枚とか４枚にすることもあり、２枚で構成するこ
とは要旨ではない。

【００１７】実施例２．図６と図７はこの実施例２の換
気扇用フィルタを示したものである。この実施例２は、
基本的にはその構成も機能も実施例１で示したものと同
じである。従って、実施例１のものと同じ部分の構成は
同一の符号を用い、それらについての説明は省略する。

【００１８】この実施例２の換気扇用フィルタは、端的
に言えば換気扇に装着した状態で換気扇使用者から目視
できるものであることから、その意匠をスリット３の配
置構成により向上させたものである。即ち、各平板１，
２に複数本のスリット３で平面正方形等の多角形や幾何
学的な特定の模様を構成するひとかたまりのスリット群
５が形成されている。平板１，２の全面には模様をなす
スリット群５がほぼ均一に多数連続模様をなすように分
布している。図６に示したものは縦方向のスリット３で
構成されたスリット群５ａと横方向のスリット３で構成
されたスリット群５ｂの二種類のスリット群５ａ，５ｂ
を千鳥配置にし、同じ構成の平板１，２をスリット群５
ａ，５ｂ同士においてその構成スリット３が直角等の角
度で交差するように重ねられている。

【００１９】これに対して、図７に示すものは１枚目と
２枚目ではスリット群５の構成が変えられている。即
ち、１枚目の平板１については一つのスリット群５が縦
方向と横方向の長さも異る二種類のスリット３で構成さ
れている。２枚目の平板２については、縦方向のスリッ
ト３で構成されたスリット群５ａと横方向のスリット３
で構成されたスリット群５ｂの二種類のスリット群５
ａ，５ｂが千鳥配置に構成されている。そして、このス
リット３の模様の異る２枚の平板１，２をスリット群５
とスリット群５ａ，５ｂにおいてその構成スリット３が
直角等の角度で交差するように重ねられて構成されてい
る。これにより、平板１，２の表面の模様に変化性が付
与され、外観の良い意匠性の優れた換気扇用フィルタが
得られる。これ以外の機能は実施例１のものと同じであ
るのでその説明は省略する。

【００２０】

【発明の効果】以上、実施例による説明からも明らかな
ように、請求項１の発明によれば清掃性が良く、圧力損
失も少ない油滴等の捕集効果も良好な、積層構造の換気
扇用フィルタが得られる。

【００２１】請求項２の発明によれば、請求項１の発明
にかかる効果とともに、複数本のスリットで特定の模様
のひとかたまりのスリット群が構成され、平板の全面に
スリット群による模様が形成され、意匠的外観が向上す
る。

【００２２】請求項３の発明によれば、請求項２の発明
にかかる効果とともに、スリット群が形成する模様に変
化性が付与され、意匠的外観が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例１の換気扇用フィルタの各平
板の構成を示す平面図である。

【図２】実施例１の換気扇用フィルタの機能を示す拡大
断面図である。

【図３】実施例１の換気扇用フィルタのスリットの重な
りを示す部分拡大平面図である。

【図４】この発明の実施例１の他の換気扇用フィルタの
各平板の構成を示す平面図である。

【図５】図４の平板の重なりを示す部分拡大平面図であ
る。

【図６】この発明の実施例２の換気扇用フィルタの各平
板の構成を示す平面図である。

【図７】実施例２の他の換気扇用フィルタのスリットの
重なりを示す部分拡大平面図である。

【図８】従来の換気扇用フィルタの構成を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 平板 ２ 平板 ３ スリット ５ スリット群 ５ａ スリット群 ５ｂ スリット群

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 レンジフードファン等の換気扇の吸込側
   に設けられ、多数の孔を開けた平板を複数枚間隔をおい
   て分離可能に重ね合せて構成される換気扇用フィルタで
   あって、上記孔を細長いスリットとして平板の全面にほ
   ぼ均一に分布させ、隣接する上記平板同士の上記各スリ
   ットをその方向性について回転対称となるようにずらし
   て重ねたことを特徴とする換気扇用フィルタ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の換気扇用フィルタであ
   って、複数本のスリットで特定の模様を構成するひとか
   たまりのスリット群を構成し、平板の全面に上記スリッ
   ト群をほぼ均一に分布させたことを特徴とする換気扇用
   フィルタ。
3. 【請求項３】 請求項２に記載の換気扇用フィルタであ
   って、スリット群を、方向性が９０度ずれた縦横二種類
   のスリットで構成したことを特徴とする換気扇用フィル
   タ。