JPH0827017A - ヘリコバクター・ピロリの成長阻害用薬剤組成物 - Google Patents

ヘリコバクター・ピロリの成長阻害用薬剤組成物

Info

Publication number
JPH0827017A
JPH0827017A JP6187699A JP18769994A JPH0827017A JP H0827017 A JPH0827017 A JP H0827017A JP 6187699 A JP6187699 A JP 6187699A JP 18769994 A JP18769994 A JP 18769994A JP H0827017 A JPH0827017 A JP H0827017A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pharmaceutical composition
helicobacter pylori
composition according
plant
pylori
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6187699A
Other languages
English (en)
Inventor
Niman Yitzhak
ニーマン イトザク
Tabak Mina
タバク ミナ
Almon Robert
アーモン ロバート
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dimotech Ltd
Original Assignee
Dimotech Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dimotech Ltd filed Critical Dimotech Ltd
Priority to JP6187699A priority Critical patent/JPH0827017A/ja
Publication of JPH0827017A publication Critical patent/JPH0827017A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】ヘリコバクター・ピロリ(Helicobac
ter pylori)の成長およびヘリコバクター・
ピロリのウレアーゼ活性を阻害するのに有用な薬剤組成
物の提供。 【構成】植物の肉桂の有機抽出物またはこの植物中に存
在する化学成分を含有する薬剤組成物。最も好ましい化
学成分は、シンナムアルデヒドおよびメトキシシンナム
アルデヒドである。本抽出物は、付加的なフレーバー成
分を含むかまたは含まないドリンク剤として使用する
か、またはカプセル剤に変えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、病原菌の成長を阻害す
るのに有用な薬剤組成物を製造するための、特定の化合
物またはこれらを含有する植物の抽出物の新規治療用途
に関する。さらに詳細には、本発明は、ヘリコバクター
・ピロリ(Helicobacterpylori)の
成長およびヘリコバクター・ピロリのウレアーゼ活性を
阻害するのに有用な薬剤組成物を製造するための、上記
化合物または上記抽出物の使用法に関する。
【0002】
【従来の技術】1982年に胃炎病変および消化性潰瘍
のある患者の胃から単離された細菌であるヘリコバクタ
ー・ピロリは、先にカンフィローバクター(Camph
ylobacter)に関係づけられた属である。ヘリ
コバクター・ピロリ菌は、消化性潰瘍の最も普通の公知
の原因であり、大部分の症例の説明となる。これは、十
二指腸潰瘍のある患者の95%以上の腔中および胃潰瘍
の患者の少なくとも75%において発見された。この細
菌が慢性および消化性潰瘍疾患と関連し、そして胃癌胃
炎についてさえ可能であることは、今や一般的に受け入
れられている[ガブリエル・ゲイゼル(Gabriel
e Geisel)外、ジャーナル・オブ・クリニカル
・ミクロバイオロジー(Journal of Cli
nicalMicrobiology),5月,199
0,930−2]。このものはまた、大量のウレアゼー
をも産生し、このウレアーゼがこの細菌の微環境のpH
を増大させる。
【0003】ヘリコバクター・ピロリは曲線状であるか
またはS形をしたグラム陰性菌として現われ、その細胞
壁は細胞質膜にぴったりとなめらかに付着している。今
日、ヘリコバクター・ピロリ集落形成度が慢性胃炎およ
び消化性潰瘍と関連することは十分に理解されている。
ヘリコバクター・ピロリ集落形成の存在が消化性胃潰瘍
疾患の発生および慢性化の両方において非常に重要であ
ることは、一般的な結論である。マーシャル・ビー・ジ
ェイ(Marshall B.J.)外(Med.J.
Austy.1985,439−443)に従えば、慢
性胃炎および十二指腸潰瘍の症例の80%以上は、同時
に存在するヘリコバクター・ピロリ感染と関連し、両者
が潰瘍疾患の発生に関係がある。ヘリコバクター・ピロ
リに対する常套的な治療は、次クエン酸ビスマスおよび
抗生物質の使用を基本にしている。しかしながら、この
方法はヘリコバクター・ピロリ感染を根絶せず、ある期
間後に感染が再び起こる。
【0004】ビスマス製剤は、種々の胃腸病とたたかう
ために有効に使用された。最も一般的に使用されるのは
次サリチル酸−ビスマスおよびコロイド状次クエン酸ビ
スマスである。後に、ビスマス塩とアモキシシリンおよ
びメトロジナゾール(metrodinazole)の
ような抗生物質との組み合わせも示唆された。コロイド
状次クエン酸ビスマスが、細菌を取除くことにより、そ
して胃腸管へのその薬の何か別の効果によってではな
く、消化不良を改善することが証明された。今日、大部
分の患者におけるヘリコバクター・ピロリ感染を根絶す
る際には、 (1)ビスマス化合物; (2)ニトロイミダゾール抗生物質;および (3)テトラサイクリンまたはアモキシシリン、 より成る三重治療法が有効であると考えられている[ジ
ョージ,エル・エル(George L.L.)外、M
ed.J.Australian,1990,153,
145−9]。しかしながら、著者らが指摘したよう
に、組織学的胃炎症状の再発が現われないであろうかど
うかを決定するためには長期の追跡が必要である。とも
かく、著者らは、クロストリジウム・ディフィシル・コ
リチス(Clostridium difficile
colitis)によるいくつかの下痢効果が報告さ
れたことを指摘した。これに対して、次クエン酸ビスマ
ス単独を用いた治療後にはいくらかの便秘の病訴も報告
された。
【0005】極く最近の報告ロスバーグ・ケイ(Ros
berg K.)外,Scand.J.Gastroe
nterol 1991,第26ページ,1179−1
187]に従えば、豚について実施された試験は、同じ
菌株を用いて生体内および試験管内感染させた標本にお
いて、ヘリコバクター・ピロリの胃の上皮への付着と胃
炎との間に良好な相互関係が存在することを示す。これ
は、ヘリコバクター・ピロリの豚の胃粘膜標本への付着
がヒトの条件と全く同様であるという事実を考えると、
非常に重要な発見である。
【0006】もう一つの最近の論文[デサイ・エイチ・
ジー(Desai H.G.)外,Scand J.G
astroenterol 1991,26,1205
−8]には、ヘリコバクター・ピロリの2つの貯蔵庫、
すなわち歯垢および胃の間に関係があることが報告され
ている。カンフィロバクター(Camphylobac
ter)様微生物試験を用いると、ヘリコバクター・ピ
ロリは、多くの消化不良の患者の歯垢中および胃の腔お
よび体粘膜中に検出された。ヘリコバクター・ピロリの
濃度(density)は、歯垢中で最も高く、胃の体
粘膜中ではこれより少ないことがわかった。三重薬剤系
(ビスマス,ニトロイミダゾールおよびアモキシシリ
ン)による治療は、細菌が、治療された24人の患者の
全員において胃の粘膜からは除去されたが、彼ら全員に
おいて歯垢中には存続したことを示す。著者らは、歯垢
はヘリコバクター・ピロリの主要貯蔵庫であって、その
数は胃中よりも大きく、胃の体粘膜における治療の停止
後の感染の再発の原因となり得る、と結論した。しかし
ながら、「抗生物質で治療した患者には副作用がある」
ことを述べる多数の報告がある。事実、ザ・ニュー・イ
ングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The
New England Journal of Me
dicine)(第322巻,第13号,第909−9
15ページ)中で公開された2つの最近の報告は、ヘリ
コバクター・ピロリ菌の根絶に関係し、ビスマスおよび
抗生物質の不利を議論している。
【0007】上記の短い評論は、ヘリコバクター・ピロ
リによって与えられる可能な病気およびこの細菌とたた
かうために示唆された種々の方法(これらは不幸にして
この必要に応ずるのには有効でなかった)を明確に説明
している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ヘリコバクター・ピロ
リ菌の成長を阻害するための化学組成物または薬剤抽出
物を提供することが、本発明の目的である。公知の薬剤
または抗生物質のいずれをも使用することなくヘリコバ
クター・ピロリの成長を阻害するための化合物または薬
剤抽出物を提供することが、本発明のもう一つの目的で
ある。何ら望ましくない作用を与えることのない、ヘリ
コバクター・ピロリ菌の成長を阻害するための化合物ま
たは薬剤抽出物を提供することが、本発明のさらにもう
一つの目的である。
【0009】
〔発明の詳細な説明〕
【0010】第一の観点に従えば、本発明は、それを含
有する、宿主におけるH.ピロリの成長を阻害するのに
有用な薬剤組成物を製造するための植物肉桂(シナモ
ン)の有機抽出物の使用法に関する。
【0011】宿主に投与される上記組成物は、シンナム
アルデヒドまたはメトキシシンナムアルデヒドまたは植
物肉桂の有機抽出物溶液を含有し、その宿主における細
菌の成長を阻害するのに十分な量である。シンナムアル
デヒドまたはメトキシシンナムアルデヒドまたは上記有
機抽出物の溶液は、ドリンク剤またはカプセル剤の形で
提供される。
【0012】肉桂は多くの場所で成育する周知の植物で
ある。驚くべきことに、カモミレ(Camomil
e)、にんにく、オリーブアブラナ(Olive ra
pe)のような薬用植物として公知であり、肉桂に非常
に類似した多くの他の植物は、この性質を全く有してい
ないかまたは非常に限定された程度にのみこの性質を有
することがわかった。さらに、上記の薬用植物の抽出物
は医学的特性を有することが文献中に記述されており、
そして消化系における障害に対抗して示唆されてさえい
ることは指摘されるべきである。
【0013】我々の欧州特許出願No.93.4016
38.7には、同じ目的のための植物タイムの水または
有機抽出物を含有する薬剤組成物が記載された。驚くべ
きことに、本発明に従えば、肉桂の植物の主要成分であ
るシンナムアルデヒドおよびメチキシシンナムアルデヒ
ドの他に、肉桂の有機抽出物のみが、H.ピロリ菌の成
長を予防するために有用であることが見出された。
【0014】第二の観点に従えば、本発明は、その菌を
植物肉桂の有機抽出物溶液およびこの植物の上記主要成
分と接触させることによってH.ピロリ菌の成長を試験
管内で阻害する方法に関する。
【0015】第三の観点に従えば、本発明は、肉桂植物
中に存在する主要化学成分、そして最も好ましくはシン
ナムアルデヒドおよびメトキシシンナムアルデヒドを、
H.ピロリの成長を阻害するのに十分な量含有する宿主
において、その成長を阻害するのに有用な組成物として
使用する方法に関する。
【0016】
【効果】本方法は、I1 ,I2 およびI3 として記述さ
れた種々の患者から単離されたヘリコバクター・ピロリ
の種々の単離物に関して試験管内で試験され、そしてこ
れらのすべてについて同じ成長阻害という有利な効果が
見出された。これは、図1からはっきりと見られるが、
この図1にはヘリコバクター・ピロリの3つの主要単離
物に対する肉桂のアルコール抽出物の阻害作用が具体的
に示されている。このことは、すべてのこれらの細菌に
対して活性ではない特定の抗生物質を超える付加的な利
点である。
【0017】肉桂の有機抽出物の阻害活性を、種々の患
者から得たヘリコバクター・ピロリの3つの単離物(I
1 ,I2 およびI3 )について試験し、そしてこの3つ
の単離物に対して事実上同程度の有意な阻害作用が認め
られた。これに対して、表1においては、これらの型の
細菌のいくつかは、いくつかの公知の抗生物質によって
影響を受けることが見出されなかったことを認めること
ができる。
【0018】
【表1】 これから認められるように、細菌のこれらの単離体は、
これらが他のものによって影響を受けることが公知であ
るけれども、いくつかの抗生物質によって影響をうけな
いことがわかった。
【0019】阻害効果は、ローラ・エル・ザイカ(La
ura L.Zaika),[ジャーナル・オブ・フー
ド・セーフティ(Journal of Food S
afety)9,1988,第97−118ページ]に
よって開示されたような「濾紙ディスク拡散法(Fil
ter paper disc diffusionm
ethod)」を用いて試験管内で測定された。使用し
た方法に従えば、植物の抽出物を直径0.5cmの小さ
な濾紙ディスク上に沈着させ、次に試験細菌を接種した
寒天成長培地を含むペトリ皿の中央に置いた。この皿を
無酸素ジャー中の微好気性条件下で37℃で3ないし4
日間培養して、細菌の成長を観察した。もし肉桂の抽出
物が抗菌活性を示すならば、この細菌は濾紙ディスクを
囲む領域では成長しないであろう。「阻害域」と定義し
たこの清浄な領域を測定し、mmで記録した。この方法
は、試験されるべき抗菌化合物の試料を含むディスクの
まわりの阻害域を測定することにより抗生物質の活性を
決定するためにも周知である。
【0020】細菌成長阻害のために使用した評価分析は
下記の通りであった。:夫々0.05mgおよび0.1
mgの濃度の、2つの有機肉桂抽出物、塩化メチレンお
よびエタノールを、標準ディスク上に点状にたらして、
先に濃度107CFUmlをもつ細菌懸濁液0.1ml
で層にした卵黄エマルジョン寒天平板中央上に置いた。
【0021】必要な培養の後、阻害域を記録した。図2
には、抗生物質:アンピシリン(0.01mg)、テト
ラサイクリン(0.03mg)、エリスロマイシン
(0.015mg)、ナリジクス酸(0.03mg)、
コトリモキサゾール(cotrimoxazole)
(0.025mg)と比較した、肉桂の2つの有機抽出
物(0.05mgおよび0.1mg乾量)を使用して阻
害直径によって測定したときのヘリコバクター・ピロリ
の感受性が示されている。これらの試験ではH.ピロリ
の2つの単離物を使用した。
【0022】驚くべきことに、H.ピロリの成長の阻害
は、肉桂の有機抽出物によってのみ得られ、この効果は
その薬効活性によって公知のその他の植物の有機抽出物
によっては得られないことがわかった。下記の表2に
は、いくつかの植物による上記細菌の阻害の結果が要約
されている。
【0023】
【表2】 上記の表から見られるように、肉桂以外の植物の抽出物
のいずれにおいても、この細菌の有意の阻害はない。肉
桂の有機抽出物についてのみこの阻害が存在し、水抽出
物を用いた結果生じたものよりもはるかに高いことも認
めることができる。また、この植物の水抽出物の阻害域
が、その他のこの活性を有していない植物の水および有
機抽出物と全く同様であることも明らかに示されてい
る。
【0024】肉桂の抽出のために使用される溶媒は:エ
タノール,二塩化メチレン、石油エーテルなどのような
極性または非極性溶媒から選択されることができる。特
に適するものは、味を改善するために加えられる何か付
加的なフレーバー成分を含むかまたは含んでいないドリ
ンク剤として摂ることができるエタノール抽出物であろ
う。
【0025】使用する溶媒が二塩化メチレンまたは石油
エーテルであるときは、全部の溶媒を抽出物から蒸発さ
せ、続いて乾燥物質をエタノールによって抽出すること
が示唆される。
【0026】下記の表3には、種々の濃度の2つの肉桂
抽出物:抽出物1(塩化メチレンおよびその除去後エタ
ノール添加)および抽出物2(エタノール)、によって
得られたH.ピロリの成長の阻害に関する結果が要約さ
れている。
【0027】試験は、卵黄エマルジョン寒天平板上で実
施し、ディスク上の肉桂濃度は12mgないし800m
gの範囲内であった。
【0028】
【表3】 上記表3から明らかであるように、濃度100μg以上
のメチレン抽出物はH.ピロリの完全な阻害を与える。
【0029】肉桂抽出物を、 −固体形、卵黄エマルジョン寒天、および −液体形、10%胎児の子ウシ血清(FCS)を含む脳
心臓浸出肉汁(BHIB)、 より成る成長培地に加えた。
【0030】異なる単離物に対する最小阻止濃度(MI
C)は0.005mgであり、一方0.015ないし
0.05mgの範囲では完全な阻害が達成された。この
ことは添付した図3および4からはっきりわかる。
【0031】人はまたカプセル剤の形にプレスした肉桂
乾燥植物を製造することを考えるであろうが、これもま
た同じ阻害直径効果を与えるであろう。
【0032】上述したように、肉桂植物の有機抽出物を
使用する代りに、この植物の主要成分であるシンナムア
ルデヒドおよびこれより少ない程度にはメトキシシンナ
ムアルデヒドもH.ピロリの成長の有意の阻害を生じさ
せていることがわかった。いくつかの主要成分を用いて
得た結果を、下記の表4に示す。
【0033】
【表4】 上に示したような阻害域の結果からわかるように、シン
ナムアルデヒドのみが、濃度0.2mg/ディスクでさ
え実質的に完全な阻害を生じさせる。メトキシシンナム
アルデヒドも阻害について有利な作用を有するが、より
高い濃度を用いた場合である。シンナムアルコールまた
はアルファーテルピネンのようないくつかの他の化学成
分は、はるかに高い濃度でさえより低い阻害域しか生じ
ない。
【0034】この細菌の病原機構に関係するもう一つの
因子は、ヘリコバクター・ピロリのウレアーゼである。
公知のように、尿素の加水分解およびアンモニアの形成
により、細菌は胃の中で優勢である酸性度に抵抗するこ
とが可能になる。ヘリコバクター・ピロリのウレアーゼ
は病原因子として周知であり、このためその阻害はほん
とうに長い間必要とされている。ヘリコバクター・ピロ
リのウレアーゼに対して阻害効果を有することが文献中
に記載されている、公知のいくつかの化学物質がある。
これらの化学物質の中で、下記の試薬:アセト−ヒドロ
キサミム酸、ヒドロキシ尿素、エチレンジアミン四酢酸
およびリジンヒドロキサメート(Lysine hyd
roxamate)を挙げることができるが、これらの
うちのいずれも肉桂植物中には存在しない。
【0035】肉桂の有機抽出物はまた、全細胞および酵
素の両方についてウレアーゼ・ヘリコバクター・ピロリ
の活性を阻害するための能力をもつために有用であるこ
ともわかった。3.8mg/mlの肉桂のアルコール抽
出物でさえ、全細菌細胞の増大活性を52.6%までそ
して細菌の溶解産物を同程度に阻害することがわかっ
た。これは、下記のようなコンウェイ(Conway)
の変法を用いて測定した:反応混合物は、次のものを含
有していた:リン酸塩緩衝剤(3mM)、pH=6.
8、2.0ml;尿素(330mM) 0.4ml、お
よび全細胞の懸濁液(107 CFU/ml)、または酵
素の溶液(特別活性483μg NH4 /分/mg蛋白
質) 0.1ml。
【0036】肉桂抽出物を、異なる濃度で反応混合物に
添加した。反応を30分間続けた。炭酸カリウムの飽和
溶液の添加後に、発生したアンモニアはホウ酸によって
吸収させ、最後にベルトレット(Bertholet)
反応を用いる方法に従って検出した。
【0037】
【表5】 添付した図5には、肉桂のアルコール抽出物による全細
胞および酵素に関するH.ピロリウレアーゼの阻害速度
論のグラフが示されている。
【0038】肉桂抽出物は、全細胞に対しては8mg/
mlそして酵素溶液に対しては2mg/ml(乾燥物質
に関して)の濃度で反応混合物に添加した。反応時間は
60分であった。炭酸カリウムの飽和溶液の添加後に、
アンモニアをホウ酸の溶液によって吸収させ、ベルトレ
ット(Bertholet)反応に従って検出した。観
察することができる通り、肉桂のアルコール抽出物が全
細胞に相当するものよりもはるかに高い阻害を酵素に対
して与えることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】H.ピロリの3つの単離物に関するアルコール
肉桂抽出物の阻害作用を示す。
【図2】いくつかの抗生物質および肉桂植物抽出物に対
するH.ピロリの感受性を説明する。
【図3】肉桂の有機抽出物を含む卵黄エマルジョン寒天
上でのH.ピロリの成長を説明する。
【図4】肉桂の有機抽出物を含む液体培地中でのH.ピ
ロリの2つの単離物の成長を説明する。
【図5】肉桂のアルコール抽出物による全細胞および酵
素に関するH.ピロリウレアーゼの阻害速度論を説明す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート アーモン イスラエル国 ラモト− イトザク ハヌ リヨト ストリート 2

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘリコバクター・ピロリ(Helico
    bacter pylori)の成長を阻害するのに十
    分な量の、植物肉桂の有機抽出物より成る物質および該
    植物中に存在する主要化学成分から選択される物質を含
    有する、宿主におけるヘリコバクター・ピロリの成長を
    阻害するのに有用な薬剤組成物。
  2. 【請求項2】 化学成分がシンナムアルデヒドである、
    請求項1に記載の薬剤組成物。
  3. 【請求項3】 化学成分がメトキシシンナムアルデヒド
    である、請求項1に記載の薬剤組成物。
  4. 【請求項4】 有機抽出物がエチルアルコールを用いる
    ことによって得られる、請求項1に記載の薬剤組成物。
  5. 【請求項5】 ドリンク剤として使用するための、請求
    項1ないし4に記載の薬剤組成物。
  6. 【請求項6】 所望の味を与えるためにドリンク剤に付
    加的なフレーバー成分を加える、請求項5に記載の薬剤
    組成物。
  7. 【請求項7】 カプセル剤の形で投与するための請求項
    1ないし4に記載の薬剤組成物。
  8. 【請求項8】 活性を阻害するのに十分な量の、有機抽
    出物または上記植物中に存在する主要化学成分より成
    る、ウレアーゼ・ヘリコバクター・ピロリの活性を阻害
    するのに有用な薬剤組成物。
  9. 【請求項9】 化学成分がシンナムアルデヒドである、
    請求項8に記載の薬剤組成物。
  10. 【請求項10】 化学成分がメトキシシンナムアルデヒ
    ドである、請求項9に記載の薬剤組成物。
  11. 【請求項11】 阻害が全細胞および酵素について達成
    される、請求項8ないし10に記載の薬剤組成物。
JP6187699A 1994-07-18 1994-07-18 ヘリコバクター・ピロリの成長阻害用薬剤組成物 Pending JPH0827017A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6187699A JPH0827017A (ja) 1994-07-18 1994-07-18 ヘリコバクター・ピロリの成長阻害用薬剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6187699A JPH0827017A (ja) 1994-07-18 1994-07-18 ヘリコバクター・ピロリの成長阻害用薬剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0827017A true JPH0827017A (ja) 1996-01-30

Family

ID=16210614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6187699A Pending JPH0827017A (ja) 1994-07-18 1994-07-18 ヘリコバクター・ピロリの成長阻害用薬剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0827017A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002056879A1 (en) * 2001-01-03 2002-07-25 Medpharma Plc Use of terpenes for the treatment of digestive tract infections
KR100578665B1 (ko) * 2005-03-09 2006-05-11 주식회사 케이티앤지 위장질환 환자를 위한 생약조성물을 함유하는 건강기능식품
JP2012528835A (ja) * 2009-06-05 2012-11-15 セプト 少なくとも1種のトランス−シンナムアルデヒドを含む組成物、および細菌感染の治療、とりわけ院内感染の治療におけるその使用
TWI483731B (zh) * 2011-03-09 2015-05-11 Pt Dexa Medica 玉桂萃取物、萃取方法與其做為氫離子幫浦負調控物、酵素抑制物及黏膜保護物之使用方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002056879A1 (en) * 2001-01-03 2002-07-25 Medpharma Plc Use of terpenes for the treatment of digestive tract infections
KR100578665B1 (ko) * 2005-03-09 2006-05-11 주식회사 케이티앤지 위장질환 환자를 위한 생약조성물을 함유하는 건강기능식품
JP2012528835A (ja) * 2009-06-05 2012-11-15 セプト 少なくとも1種のトランス−シンナムアルデヒドを含む組成物、および細菌感染の治療、とりわけ院内感染の治療におけるその使用
TWI483731B (zh) * 2011-03-09 2015-05-11 Pt Dexa Medica 玉桂萃取物、萃取方法與其做為氫離子幫浦負調控物、酵素抑制物及黏膜保護物之使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5560912A (en) Method for inhibiting growth of helicobacter pylori
Tabak et al. In vitro inhibition of Helicobacter pylori by extracts of thyme
JP2755550B2 (ja) ヘリコバクター・ピロリに起因する胃性消化不良を治療するためのリファキシミンを含有する医薬製剤
RU2092183C1 (ru) Антивирусный или антибактериальный состав и способ его употребления
KR0149672B1 (ko) 클로스트리듐 디피실레 하리증 및 위막성 대장염의 예방 및 치료용 의약조성물
AU2294901A (en) Methods and compositions for inhibiting adhesion by microorganisms
CA2344308C (en) Taurolidine and/or taurultam against infectious ulcer or gastritis
US20090285794A1 (en) Novel non-antibiotic strategy against OGIP infections based on an activated cereal product or ferric quinate
KR100282166B1 (ko) 약학적 박테리오신 조성물
US5472695A (en) Therapeutic application of a thyme extract and in - vitro methods for inhibiting the growth and urease activity of helicobacter pylori
WO2020161653A2 (en) Mustard extract enriched with sinigrin having increased bioactivity and bioavailability of allyl isothiocyanate
EP2236148B1 (en) Cgnc for use in treating h. pylori infection
KR0145553B1 (ko) 클로스트리듐 디피실레 하리증 및 위막성 대장염의 예방 및 치료용 의약조성물
US6187313B1 (en) Composition and method for treating and preventing helicobactor-pylori-associated stomach gastritis, ulcers and cancer
JPH0827017A (ja) ヘリコバクター・ピロリの成長阻害用薬剤組成物
EP0577481B1 (en) New therapeutic application of a Thyme extract and in-vitro methods for inhibiting the growth and urease activity of Helicobacter pylori
JP2002322079A (ja) ピロリ菌除菌組成物及びピロリ菌抗菌、除菌剤
Hitchcock et al. Gas gangrene infections of the small intestine, colon and rectum
IE59739B1 (en) The use of nitrofurantoin for the treatment and prophylaxi of gastrointestinal disorders
IL102708A (en) Pharmaceutical compositions containing cinnamon extract for inhibiting growth of helicobacter pylori
US6599541B1 (en) Composition for treatment of drug resistant bacterial infections and a method of treating drug resistant bacterial infections
WO1997025032A2 (en) Monoglyceride compositions and their use against helicobacter
Alhadedy et al. Isolation and Diagnosis of Candida Albicans from the Vaginal Canal and Test the Effect of Water Extract of Turmeric Inhibitor for Growth outside the Organism
KR100289006B1 (ko) 젖소 유방염의 예방 및 치료제 조성물
Lyons et al. Cephalexin: clinical and laboratory studies.