JPH08268A - 連結した2本鎖dnaの製造方法 - Google Patents

連結した2本鎖dnaの製造方法

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JPH08268A
JPH08268A JP6134670A JP13467094A JPH08268A JP H08268 A JPH08268 A JP H08268A JP 6134670 A JP6134670 A JP 6134670A JP 13467094 A JP13467094 A JP 13467094A JP H08268 A JPH08268 A JP H08268A
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double
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fragment
stranded dna
dna
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JP6134670A
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Koichi Nishigaki
功一 西垣
Yasunori Kinoshita
保則 木下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制限酵素による切断部位の配列による制限が
少ないか、無く、粘着末端の配列及び塩基数を自由に選
んで、自由かつ容易かつ特異的にDNA断片の結合が可
能な連結した2本鎖DNAを製造する方法の提供。 【構成】 少なくとも一方のプライマーDNAとして、
リボヌクレオチド基を含み、該リボヌクレオチド基の
3’側の配列がテンプレートDNAのプラス鎖又はマイ
ナス鎖の被増幅領域の端部の少なくとも一部の配列と相
補的であり、前記リボヌクレオチド基の5’側の配列が
粘着末端形成用の配列であるプライマーを用いて、ポリ
メラーゼ連鎖反応により2本鎖DNA断片を増幅合成
し、さらにRNA分解酵素処理又はアルカリ処理し、リ
ン酸化処理して得られた粘着末端を有する2本鎖DNA
断片を、該2本鎖DNA断片の粘着末端と相補関係にあ
る粘着末端を有する2本鎖DNA断片とDNAリガーゼ
で連結する連結した2本鎖DNAの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連結した2本鎖DNA
の製造方法に関する。さらに詳しくは、制限酵素を用い
ることなく、PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応)を利用
して粘着末端を形成し、次いで、2本鎖DNA断片を連
結する、連結した2本鎖DNAの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子工学において、2つの2本鎖DN
A断片を連結する技術として、2つの2本鎖DNA断片
の連結しようとする末端を相補関係にある粘着末端と
し、次いでDNAリガーゼを作用させることはよく知ら
れたことである。そして、一般には、粘着末端の作製に
は、制限酵素を利用する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、制限酵素を
利用した粘着末端を有する2本鎖DNA断片の作製に
は、制限酵素の認識部位によって、切断される位置が制
限される。また、場合によっては、本来切断したくない
部位まで切断される可能性もある。さらに制限酵素によ
り得られる粘着末端の塩基数は、高々4つ(稀に5つ)
である。ところが、塩基数の少ない粘着末端では不安定
な再結合しか得られない。一方、所望の2本鎖DNA断
片の粘着末端同志のみを結合させて副産物を排除するに
は、高温における再結合が有利である。ところが、粘着
末端の塩基数が少ないと再結合が不安定になり、高温に
おける再結合は実質的に不可能である。
【0004】そこで、本発明の第1の目的は、制限酵素
による切断部位の配列による制限が少なく、粘着末端の
配列及び粘着末端の塩基数を比較的自由に選んで、従来
より自由かつ容易かつ特異的にDNA断片の結合が可能
な、連結した2本鎖DNAの製造方法を提供することに
ある。
【0005】さらに、本発明の第2の目的は、制限酵素
を用いることなく、従って、粘着末端の配列を自由に選
べ、かつ粘着末端の塩基数も自由に選べて、安定な再結
合が可能であり、かつ特異的に高収率で所望の2本鎖D
NA断片を連結させることが可能な、連結した2本鎖D
NAの製造方法を提供することにある。即ち、本発明の
目的は、RRR(Restrictoin enzyme-nondependent Re
combination & rearrangement)法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、
(1)少なくとも一方のプライマーDNAとして、リボ
ヌクレオチド基を含み、該リボヌクレオチド基の3’側
の配列がテンプレートDNAのプラス鎖又はマイナス鎖
の被増幅領域の端部の少なくとも一部の配列と相補的で
あり、前記リボヌクレオチド基の5’側の配列が粘着末
端形成用の配列であるプライマー(A)を用いてポリメ
ラーゼ連鎖反応により、プラス鎖及びマイナス鎖の少な
くとも一方の5’末端近傍にリボヌクレオチド基を含
み、かつテンプレートDNAの被増幅領域に相当するD
NA配列を含む2本鎖DNA断片を増幅合成する工程、
(2)前記工程(1)で合成された2本鎖DNA断片を
RNA分解酵素処理又はアルカリ処理して、リボヌクレ
オチド基及び該リボヌクレオチド基から5’側のDNA
配列を除去して、少なくとも一方が粘着末端である2本
鎖DNA断片を製造する工程、(3)前記工程(2)で
得られた粘着末端を有する2本鎖DNA断片をリン酸化
処理する工程、及び(4)前記工程(3)でリン酸化処
理して得られた粘着末端を有する2本鎖DNA断片と、
該粘着末端と相補関係にある粘着末端を有する2本鎖D
NA断片とをDNAリガーゼにより連結することを含む
連結した2本鎖DNAの製造方法(第1の製造方法)に
関する。
【0007】さらに本発明は、少なくとも1つのテンプ
レートDNA上の2種以上の被増幅領域に相当するDN
A配列を含む連結した2本鎖DNAを製造する方法であ
って、(1)プライマーとして、リボヌクレオチド基を
含み、該リボヌクレオチド基の3’側の配列がテンプレ
ートDNAのプラス鎖又はマイナス鎖の被増幅領域の端
部の少なくとも一部の配列と相補的であり、前記リボヌ
クレオチド基の5’側の配列が粘着末端形成用の配列で
あるプライマー(A) テンプレートDNAのプラス鎖又はマイナス鎖の被増幅
領域の端部の少なくとも一部の配列と相補的であり、
3’末端がリボヌクレオチド基であるプライマー
(B)、及びテンプレートDNAのプラス鎖又はマイナ
ス鎖の被増幅領域の端部の少なくとも一部の配列と相補
的であるプライマー(C)の3通りのプライマーDNA
を用い、連結した2本鎖DNA断片の両端部を構成する
2本鎖DNA断片の増幅合成にプライマー(A)と
(C)との組合せ及びプライマー(B)と(C)との組
合せを用い、かつ被増幅領域が3つ以上の場合には、連
結した2本鎖DNA断片の中間部を構成する2本鎖DN
A断片の増幅合成にプライマー(A)と(B)との組合
せの1種又は2種以上を用い、ポリメラーゼ連鎖反応に
より、プラス鎖及びマイナス鎖の一方の5’末端近傍に
リボヌクレオチド基を含み、かつテンプレートDNAの
被増幅領域に相当するDNA配列を含む2種の2本鎖D
NA断片と、被増幅領域が3つ以上の場合には、プラス
鎖及びマイナス鎖の両方の5’末端近傍にリボヌクレオ
チド基を含み、かつテンプレートDNAの被増幅領域に
相当するDNA配列を含む1種以上の2本鎖DNA断片
とを増幅合成する工程、(2)前記工程(1)で増幅合
成された2本鎖DNA断片をRNA分解酵素処理又はア
ルカリ処理して、リボヌクレオチド基及び該リボヌクレ
オチド基から5’側のDNA配列を除去して、一方又は
両方が粘着末端である2本鎖DNA断片を製造する工
程、(3)前記工程(2)で得られた粘着末端を有する
2本鎖DNA断片をリン酸化処理する工程、及び(4)
前記工程(3)でリン酸化処理して得られた粘着末端を
有する2種以上の2本鎖DNA断片同士をDNAリガー
ゼにより連結することを含む連結した2本鎖DNAの製
造方法(第2の製造方法)に関する。
【0008】本発明の第1の製造方法について、図1及
び2により説明する。図1は、テンプレートDNAか
ら、一方の末端が粘着末端である2本鎖DNA断片Aを
作成し、次いで2本鎖DNA断片Bと連結することによ
り、連結した2本鎖DNA(A−B)を製造する方法を
示すスキームである。この場合、プライマーとしては、
リボヌクレオチド基を含み、該リボヌクレオチド基の
3’側の配列がテンプレートDNAのプラス鎖又はマイ
ナス鎖の被増幅領域の5’側端部の配列と相補的であ
り、前記リボヌクレオチド基の5’側の配列が粘着末端
形成用の配列であるプライマー(A)とテンプレートD
NAのプラス鎖又はマイナス鎖の被増幅領域の5’側端
部の配列と相補的であるプライマー(C)とを用いる。
【0009】本発明の製造方法において用いるプライマ
ー(C)は、一般にプライマーとして使用されている、
テンプレートDNAのプラス鎖又はマイナス鎖の被増幅
領域の5’側端部の配列と相補的配列を有するものであ
る。プライマー(C)は、例えば、化学合成法等により
合成されるそのまま使用することができる。プライマー
(C)は、プライマーの機能としての観点から、PCR
によって製造されるべき2本鎖DNA断片の末端部分を
構成するDNA配列を有するものであればよい。このプ
ライマー(C)は、テンプレートDNAとの再結合性等
を考慮すると、例えば塩基数が8〜30であることが適
当である。
【0010】また、プライマー(A)は、リボヌクレオ
チド基を含む。リボヌクレオチド基を含むことで、工程
(2)における処理により、粘着末端となる1本鎖DN
A部を形成することができる。さらに、プライマー
(A)のリボヌクレオチド基の3’側の配列はテンプレ
ートDNAのプラス鎖又はマイナス鎖の被増幅領域の端
部の少なくとも一部の配列と相補的であり、PCRにお
いて被増幅領域と再結合してプライマーとして機能す
る。また、プライマー(A)のリボヌクレオチド基の
5’側の配列は、粘着末端形成用の配列であり、後に連
結される2本鎖DNA断片の粘着末端の配列と少なくと
も一部が同一である。PCRで増幅合成された2本鎖D
NA断片から、工程(2)においてリボヌクレオチド基
及びその5’側の配列が除去されることで、後に連結さ
れる2本鎖DNA断片の粘着末端の配列と相補関係にあ
る粘着末端を有する2本鎖DNA断片を得ることができ
る。
【0011】このようなプライマー(A)及び第2の製
造方法で用いるプライマー(B)は、例えば特開平5−
292967号に記載のオリゴヌクレオチドの酵素的合
成法により製造することができる。図5に示すように、
まず、オリゴヌクレオチド(白丸の列)の3’側にリボ
ヌクレオチドを結合することで、ヘッドリボタイプのプ
ライマー(B)が得られる。さらに、センターリボタイ
プのプライマー(A)は、5’側をリン酸化したオリゴ
ヌクレオチド(黒丸の列)を上記プライマー(B)と連
結することにより得られる。また、プライマー(A)及
び(B)は、DNA合成機を用いても合成することがで
きる。尚、プライマー(A)及びプライマー(B)の配
列及びその長さは、上記オリゴヌクレオチド(白丸の
列)及びオリゴヌクレオチド(黒丸の列)を適宜選ぶこ
とで変化させることができる。
【0012】本発明の方法に用いられるテンプレートD
NAには、特に制限はない。テンプレートDNAは、1
本鎖DNAであっても、2本鎖DNAであっても良い。
また、1本鎖DNAはプラス鎖でもマイナス鎖であって
も良い。テンプレートDNAとしては、例えばゲノムD
NA及びその断片並びにプラスミドDNA及びその誘導
体を挙げることができる。また、これらのDNAの起源
には特に制限はなく、例えば、ヒトを含む動物、植物、
細菌、ウイルス等を挙げることができる。
【0013】工程(1)のポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)は、常法により実施できる。例えば熱変性、アニー
リング、及びポリメラーゼによる反応を繰り返すことに
より行う。各処理の温度条件及び時間は、被増幅領域に
関するプライマーの熱安定性や特異性、さらには被増幅
領域の長さ等を考慮して適宜決定することができる。
【0014】工程(2)のRNA分解酵素処理及びアル
カリ処理は、PCR法により得られた2本鎖DAN断片
の末端付近のリボヌクレオチド基の3’側の3’,5’
ホスホジエステル結合を切断することを目的とするもの
である。RNA分解酵素処理は、RNA分解酵素とし
て、例えばポリヌクレアーゼAを用い、例えば約50℃
で10〜60分間反応させ、次いで約70℃で5〜20
分間熱処理して切断した2本鎖DANの末端付近のオリ
ゴマーを外すことにより行うことができる。アルカリ処
理は、例えば、0.1NのNaOH水溶液中で80〜1
00℃で5〜20分間加熱し、中和後、80〜100℃
に加熱し、室温付近まで徐冷することにより行うことが
できる。
【0015】工程(3)のリン酸化処理は、RNA分解
酵素処理又はアルカリ処理により得られた2本鎖DAN
断片のオリゴマーが外れた部分の5’側をリン酸化する
目的で行う。このリン酸化処理は、緩衝液中、ポリヌク
レオチドキナーゼ、アデノシン三リン酸、マグネシウム
イオン、ポリエチレングリコール等の存在下で行うこと
ができる。処理条件は、例えば約37℃で10〜60分
間とすることができる。
【0016】工程(4)では、このようにして得られた
粘着末端を有する2本鎖DNA断片(A)を、該粘着末
端と相補関係にある粘着末端を有する2本鎖DNA断片
(B)とDNAリガーゼにより連結する。連結されるべ
き2本鎖DNA断片(B)は、特に制限はない。2本鎖
DNA断片(B)の粘着末端に合わせて、2本鎖DNA
断片(A)を適宜変化させることができるからである。
2本鎖DNA断片(B)としては、例えば、制限酵素を
用いて切断することによって粘着末端を形成されたもの
であることができる。また、2本鎖DNA断片(A)と
同様に本発明の方法により製造した2本鎖DNA断片を
2本鎖DNA断片(B)とすることもできる。尚、2本
鎖DNA断片(A)の粘着末端の長さは、少なくとも2
本鎖DNA断片(B)の粘着末端と同じかそれよりもよ
り長ければよい。また、2本鎖DNA断片(A)の粘着
末端の配列は、一本鎖となっている3’末端側の配列の
少なくともが、2本鎖DNA断片(B)の粘着末端と相
補関係にあれば良い。
【0017】さらに図2に示すように、工程(1)の増
幅合成において用いるプライマーのいずれもプライマー
(A)として、両末端が粘着末端である2本鎖DNA断
片(A)を得て、これを、例えば2本鎖DNA断片
(C)と連結することもできる。図2では、2本鎖DN
A断片(C)として、制限酵素により切断された両末端
ともに粘着末端であるプラスミドDNAの断片を示し
た。この方法では、プラスミドDNAに所望の箇所のD
NA断片を挿入することが可能である。但し、両末端が
粘着末端である2本鎖DNA断片は、プラスミドDNA
断片に限定されるものではない。また、両末端が粘着末
端であるプラスミドDNA断片等の両末端が粘着末端で
ある2本鎖DNA断片は、本発明の製造方法を利用して
も得ることができる。この場合には、粘着末端の配列及
び長さを適宜選んで、より特異的に所望のプラスミドD
NAを製造することができる。また、テンプレートDN
Aとして、環状のプラスミドDNAをそのまま用いるこ
ともできるし、環状のプラスミドDNAを制限酵素等に
より切断して用いることもできる。さらに、2本鎖DN
A断片(C)の代わりに、異なる粘着末端を有する2本
の2本鎖DNA断片を両側から両末端が粘着末端である
2本鎖DNA断片(A)と結合することも可能である。
【0018】DNAリガーゼにより連結方法は、種々の
リガーゼを用いて行うことができ、例えばTaqリガー
ゼやT4DNAリガーゼを用いて行うことができる。連
結しようとする粘着末端を有する複数の2本鎖DNA断
片を、アニール部分の二次構造を壊す目的で、約70℃
で5〜20分間熱処理し、次いで緩衝液中でリガーゼを
添加してライゲーションを行う。ライゲーションの条件
は、リガーゼの種類により異なるが、例えばTaqリガ
ーゼの場合、約45℃で30分間〜2時間、またT4D
NAリガーゼの場合、約25℃で30分間〜2時間とす
ることが適当である。
【0019】本発明の第2の製造方法は、図3に基づい
て説明する。第2の製造方法に用いるプライマー(A)
及び(C)は第1の製造方法において用いたものと同様
のものである。さらに工程(1)〜(4)の条件等も第
1の製造方法において用いたものと同様である。プライ
マー(B)は、テンプレートDNAのプラス鎖又はマイ
ナス鎖の被増幅領域の端部の少なくとも一部の配列と相
補的であり、3’末端がリボヌクレオチド基である。プ
ライマー(B)は、プラス鎖又はマイナス鎖の被増幅領
域の5’末端付近の配列と相補関係にあるので、PCR
において被増幅領域と再結合してプライマーとして機能
する。さらに、リボヌクレオチド基を含むことで、工程
(2)における処理により、該リボヌクレオチド基及び
その5’側が除去されて、粘着末端となる1本鎖DNA
部を形成する。
【0020】図3では、テンプレートDNA上に2種の
被増幅領域がある場合について説明する。この場合、連
結した2本鎖DNA断片の両端部を構成する2本鎖DN
A断片(A)及び(D)の増幅合成に、プライマー
(A)と(C)との組合せ及びプライマー(B)と
(C)との組合せをそれぞれ用いる。但し、2本鎖DN
A断片(A)のプライマー(C)と2本鎖DNA断片
(D)のプライマー(C)の配列は、それぞれ、被増幅
領域(A)及び(D)の末端の配列により決定され、通
常は異なる配列を有する。また、プライマー(A)のリ
ボヌクレオチド基の5’側の配列とプライマー(B)の
リボヌクレオチド基の5’側の配列とは、少なくとも末
端の配列が相補関係にある。それにより、2本鎖DNA
断片(A)と(D)の粘着末端が、相補関係になり、後
に連結することが可能となる。
【0021】被増幅領域が3つ以上の場合には、上記両
端部の2本鎖DNA断片(A)と(D)の合成以外に、
連結した2本鎖DNA断片の中間部を構成する2本鎖D
NA断片の増幅合成にプライマー(A)と(B)との組
合せを2種類用いる。例えば、2つのテンプレートDN
Aに被増幅領域が各2ヵ所、合計4つ以上の場合を図4
に示す。図4では、上記両端部の2本鎖DNA断片
(A)と(D)の合成以外に、連結した2本鎖DNA断
片の中間部を構成する2本鎖DNA断片(E)及び
(F)の増幅合成にプライマー(A)と(B)との組合
せを2種類用いて、2本鎖DNA断片(A)と(D)以
外に、2本鎖DNA断片(E)及び(F)も合成する。
それにより、両方の5’末端近傍にリボヌクレオチド基
を含み、かつテンプレートDNAの被増幅領域に相当す
るDNA配列を含む2種の2本鎖DNA断片(E)及び
(F)とを増幅合成する。但し、2本鎖DNA断片
(E)及び(F)の増幅合成用のプライマー(A)及び
(B)の配列は、2本鎖DNA断片(E)及び(F)の
端部の配列及び粘着末端の配列を考慮して適宜決定す
る。尚、2本鎖DNA断片(A)及び(E)と2本鎖D
NA断片(D)及び(F)とは、1つの反応器中で同時
に合成してもよいし、或いは別々に合成した後に、工程
(2)〜(4)のいずれかの工程で統合して、連結した
2本鎖DNA(A−F−E−D)を得ても良い。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、制限酵素による切断部
位の配列による制限が少なく、粘着末端の配列及び粘着
末端の塩基数を比較的自由に選んで、従来より自由に、
容易に、かつ特異的にDNA断片を結合して、連結した
2本鎖DNAの製造方法を提供することができる。例え
ば、本発明の方法によれば、連結したい2本の2本鎖D
NA断片の内、いずれか一方または両方に適当な制限酵
素により切断される配列が含まれていない場合、又は制
限酵素切断部位が複数あり、所望の配列を有する長さの
断片が得られない場合でも、連結した2本鎖DNAを容
易に製造することが可能である。
【0023】さらに、本発明によれば、制限酵素を用い
ることなく、粘着末端の配列及び粘着末端の塩基数を自
由に選び、安定な再結合により、1又は2つ以上のテン
プレートDNA上の所望の配列のみを連結させて、高収
率で所望の2本鎖DNA断片を連結させた、2本鎖DN
Aを製造することができる。さらに、本発明の方法は、
エクソンシャッフリングに適用できるという利点もあ
る。
【0024】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに説明する。 実験方法 以下に示す条件により、プライマーの酵素的合成、PC
R、PCR断片のライゲーション及び生成物の確認を行
った。 (1)オリゴマードッキング反応によるプライマーの酵
素的合成 2断片組替え:No.30-NO.28 リボNo.31 の作成 3断片組替え:No.30-No.5 リボNo.31 No.43-No28 リ
ボNo.44 の作成 5’リン酸化 〜反応液組成〜 オリゴマー 250pmol 1μ1(No.28 No.5) ライゲーション緩衝液 5μ1 rATP 1mM 1μ1 DTT 0.1M 1μ1 H2O 1μ1 T4 ポリヌクレオチドキナーゼ 1μ1(10U) 全量 10 μ1 エッペンドルフチューブ内で上記の溶液を調製し、37
℃の恒温層で1時間反応させる。その後、酵素を失活さ
せるための70℃の熱を10分間かける。
【0025】 3’リボ化 〜反応液組成〜 オリゴマー 250pmol 1μ1(No.30 No.31 No.43 No.44) ライゲーション 緩衝液 5μ1 rCTP 1mM 1μ1 DTT 0.1M 1μ1 H2O 1μ1 TdT 1μ1(12U) 全量 10 μ1 エッペンドルフチューブ内で上記の溶液を調製し、37
℃の恒温層で30分間反応させる。その後、酵素を失活
させるため70℃の熱を10分間かける。
【0026】 ライゲーション 〜反応液組成〜 5’リン酸化オリゴマー 50pmol 2μ1(No.28 No.5) 3’リボ化オリゴマー 225pmol 9μ1(No.30 No.43) ライゲーション 緩衝液 2μ1 rATP 1mM 1μ1 T4 RNA リガーゼ 1μ1(50U) 全量 15 μ1 5’リン酸化したものと3’リボ化したものを混ぜて上
記の組成にし、25℃の恒温層で10時間(以上)反応
させる。
【0027】(2)PCRによる各断片の組成 試料の調整 〜反応溶液組成〜 dNTPs 各20 nmol PFU ポリメラーゼ 1μ1(2.5U) 10*PFU 緩衝液#1 5 μ1 プライマー それぞれ 20pmol テンプレート fd ssDNA 10fmol H2O 全量 50 μ1になるよう
にする ミネラルオイル(後に上にのせる) 3滴 PCR PCR装置(サーモプロセッサTR−100〔+冷却ユ
ニットTR−80〕:タイテック社)を用いて次のサイ
クル条件でPCRを行った。 プレメルト 94℃ 30秒 変性 94 ℃ 30秒 アニーリング 30℃又は37℃※ 2分 エクステンション 55℃ 1分 ポスト 72℃ 2分 変性、アニーリング及びエクステンションを30回繰り
返しおこなった。 ※3断片シャフリング用の遺伝子Vの部分は30℃で行
い、他は全て37℃で行った。
【0028】(3)PCR断片どうしのライゲーション RNaseA処理(リボ核酸の3’,5’ホスホジエステル
結合切断) 1)PCR産物をフェノール抽出、エタノール沈殿を行う
ことによって10μ1にし、そのうち8μ1を用いる。 2)0.3%RNaseA 1μ1 、1*SSC 1μ1を加え、全部で
10μ1にする。 3)50℃にて30分反応させ、70℃で10分間熱をかけて切断
したオリゴマーをはずす。 4)エタノール沈殿 断片の5’リン酸化 1)エタノール沈殿したものに4μ1のH2O を加える。 2)更に次の物を加えて全部で10μ1にしてよく混ぜる。 0.5M トリス(pH 9.5) 1μ1 0.1M Mgcl2 1μ1 0.1M DTT 1μ1 4 mM rATP 1μ1 50 % グリセリン 1μ1 T4 ポリヌクレオチド キナーゼ 1μ1 3)37℃で30分間反応させた後、さらにキナーゼを1μ1
加え37℃で30分反応させる。 4)フェノール抽出、エタノール沈殿
【0029】ライゲーション(Taq リガーゼ を用い
た場合) 1)、の処理を施したPCR各断片をほぼ等量用意
し、H2O で8μ1にする。 2)アニール部分の二次構造を1度壊すため70℃で10分間
熱をかける。 3)Taq リガーゼ用10* 緩衝液 1μ1 とTaq リガーゼ 1U
を加えて全部で10μ1にする。 4)45℃で1時間反応させてアニーリングとライゲーショ
ンを行う。 ’ライゲーション(T4 DNA リガーゼを用いた場合) 1)、の処理を施したPCR各断片をほぼ等量用意
し、H2O で6μ1にする。 2)4mM rATP 1μ1、ライゲーション 緩衝液( ここでは
66mM Tris-HC1(ph7.6)、6.6 mM MgCl2) 1μ1を加え
る。 3)アニール部分の二次構造を1度壊すため70℃で10分
間熱をかける。 4)アニーリングを45℃で1時間行わせる。 5)0.1M DTT 1μ1と T4 DNA リガーゼ 1μ1(400U)加え
て全部で10μ1にし、よく攪拌する。 6)25℃でライゲーション反応を行う。
【0030】(4)確認 組換えの操作によって入れ替わった物をテンプレート
とし、適したプライマーを用いてPCRを行う。 でPCR産物が得られたエタノール沈殿の後に1/10
量(約サブpmol)を制限酵素による切断に用いる。切断
されたバンドの長さを見ることによって完全に確認する
ことができる。 用いる制限酵素─Hae III(10*M緩衝液使用) Hpa II(10*L 緩衝液使用) Alu I(10*L 緩衝液使用) Taq I(TaqI用10*NE 緩衝液使用) 全部で10μ1 にして、37℃で1時間反応させる。Taq I
の場合65℃で1時間反応させる。
【0031】実施例12つのDNA断片の組換え 上記実験条件により、fdファージの遺伝子Vと遺伝子
VII、IX、VIIIとを図6に示すように組換えた
(2断片組換え)。組換えの詳細を図7に示す。また、
使用プライマーの配列等を下記の表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】プライマーの作成 図7の設計図に基づいて、上記表1に示すプライマーを
反応させて得られた生成物(プライマー)の泳動結果を
図8に示す。図8の各レーンの説明及び電気泳動条件は
以下の通りである。各レーンの説明 No.28 (12 マー) 、No.28 リン酸化、No.30, 28
ライゲーション、No.30 リボ化、 No.30 (9 マー)
、No.31 リボ化、No.31 (9マー)電気泳動条件 15%アクリルアミド(19:1)、8M尿素 電圧:300V、電流:130mA、SAE緩衝液、泳
動時間:70分、温度:60℃
【0034】オリゴマーはリン酸化されると移動度が上
がりバンドが1段下にずれるが、図8より、No. 28のオ
リゴマー(、)は約8割がリン酸化されている。ま
たリボ化はリボヌクレオチドが1つ付加することになる
のでバンドがやや上にずれるが、No.30 、No.31 のオリ
ゴマー(、、、)ともにリボ化はなされてい
る。更にリボ化No.30とリン酸化No.28 のライゲーショ
ンでは10マーと12マーのライゲーションなのでより高い
位置にバンドが得られる(22 マー) が、図8のより6
割はこの反応が起こっていると見ることができる。な
お、下に速い移動度のバンドが見えるが、これはドナー
の5’にアデノシンの付加した中間生成物であると思わ
れる。
【0035】PCR PCRによる各断片の泳動結果を図9に示す。図9の各
レーンの説明及び電気泳動条件は以下の通りである。各レーンの説明 遺伝子V断片、fdssDNA HaeIII切断
断片、遺伝子( VII・IX・VIII)断片電気泳動条件 4%アクリルアミド(19:1)、8M尿素 電圧:250V、電流:150mA、SAE緩衝液、泳
動時間:60分、温度:60℃
【0036】上記で得られたプライマーを用いてPCR
を行った結果が、である。ライゲ−ションプライマ
ーによるPCR()では279bp(269+10) の断片を、ま
たリボ化プライマーを用いたPCR()では408bp の
断片を比較的きれいに得ることができた。
【0037】ライゲーション ライゲーションで用いた又は生成した各断片の泳動結果
を図10に示す。図10の各レーンの説明及び電気泳動
条件は以下の通りである。各レーンの説明 fdssDNA HaeIII切断断片、組換え産
物AluI切断、組換え産物HpaII切断、組換
え産物HaeIII切断、組換えPCR産物、ライ
ゲーション物、遺伝子V断片、遺伝子( VII・IX・
VIII)断片電気泳動条件 4%アクリルアミド(19:1)、8M尿素 電圧:250V、電流:140mA、SAE緩衝液、泳
動時間:60分、温度:60℃ RNaseA処理、リン酸化、Taq リガーゼによるライゲーシ
ョンを行ったものが図10のである。279bp 、408bp
のバンドの上に、細いが677bp 相当のバンドが見える。
これが組換えのなされた断片のバンドであると思われ
る。
【0038】PCRによる確認 図10のの 100倍希釈溶液をテンプレートにしてPC
Rを行ったものがである。組換えのなされたテンプレ
ートでないと増幅されない組み合わせのプライマー(図
7ののNo.5、No.8)を用いてPCRを行ったが677bp
付近にバンドが見える。なお他の部分にもラダーとなっ
てバンドが見えているが、これはランダムPCR産物を
与えやすいNo.5のプライマーを用いたためであろう。
【0039】制限酵素による確認 この677bp のバンドを制限酵素Alu I、Hpa II、Hae II
I で切断したものがそれぞれ図10の、、であ
る。遺伝子Vから遺伝子VIIIまでの間のそれぞれの制限
酵素の認識部位を表したものを図11に示す。図11よ
り、2断片組換えがなされているとすると、それぞれ以
下の長さのバンドが見えるはずである。 HaeIII …391bp 、286bp HpaII…537bp(539bp)、129bp 、11bp AluI…378bp 、171bp 、128bp
【0040】HaeIII 切断()では677bp (切れ残
り)と391 、286bp 付近にはっきりとバンドがみられ
る。 HpaII切断()でも537(539)bp付近と129bp 付近
に濃いバンドがみられる(11bpの断片は小さすぎて見え
ない)。 AluI切断()についてであるが、677bP(切
れ残り)と378bp 、 171bpの断片ははっきり見える。し
かし128bp 付近の断片はあまり見えず、代わりに408bp
付近と269bp 付近にバンドが見える。これは各々のPC
R断片と同じ長さである。組換えによってできる結合部
位の配列はAGCTであり、これは AluIの認識配列な
のでこの部位も切断してるため各々のPCR断片と同じ
長さの位置にバンドがでるのである。(AluIに対する結
果は、この酵素の活性が不十分であったか、DNAに変
異が生じたかのいずれかと思われる。)
【0041】実施例23つのDNA断片の組換え 前記実験条件により、fdファージの遺伝子Vと遺伝子
VII及びIXと遺伝子VIIIとを図6に示すように
組換えた。組換えの詳細を図12に示す。また、使用プ
ライマーの配列等を下記の表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】プライマーの作成 図12の設計図に基づいて、上記表1に示すプライマー
を反応させて得られた生成物(プライマー)の泳動結果
を図13に示す。図13の各レーンの説明及び電気泳動
条件は以下の通りである。各レーンの説明 No.31 (9マー) 、No.31 リボ化、No.44 (10 マ
ー) 、No.44 リボ化、 No.30リボ化、 No.30, 5
ライゲーション、 No.5 リン酸化、No.5 (12 マ
ー) 、No.43 (10 マー) 、(10)No.43 リボ化、(11)N
o.43, 28 ライゲーション、(12)No.28 リン酸化、(13)N
o.28 (12 マー)電気泳動条件 15%アクリルアミド(19:1)、8M尿素 電圧:300V、電流:130mA、SAE緩衝液、泳
動時間:75分、温度:60℃
【0044】リボNo.31()、リボNo.44 ()はバン
ドがやや上にずれているためリボ化がなされているとい
える。No.30-No.5()、No.43-No.28 ((11))はライ
ゲーション反応によって長い断片(それぞれ22マー 、
23マー) となったオリゴマーのバンドを得ることができ
ている。反応効率は図12より7割程度と思われる。PCR PCRによる各断片の泳動結果を図14に示す。図14
の各レーンの説明及び電気泳動条件は以下の通りであ
る。各レーンの説明 fdssDNA HaeIII切断断片、遺伝子V
断片、遺伝子( VII・IX)断片、遺伝子VIII断片、
ライゲーション物電気泳動条件 4%アクリルアミド(19:1)、8M尿素 電圧:250V、電流:115mA、SAE緩衝液、泳
動時間:65分、温度:60℃
【0045】遺伝子V、VII ・IX、VIIIの各PCR断片
を、RNaseA処理、リン酸化を施して活性化したものを示
す(、、)。それぞれの断片は、2本鎖の一方
(プライマーを含む側)がリボヌクレオチドの位置で切
断されて短くなっているためssDNAとしてはバンド
が2本になる。遺伝子Vはアニーリング30℃であるが、
280bp(269bp)のバンドが得られた。遺伝子 VII・IXも19
9bp(189bp)のバンドが得られた。遺伝子VIIIにおいては
特異的に219bp(209bp)のバンドが得られた。
【0046】ライゲーション 活性化後の断片3種を混合しTaq リガーゼを用いてライ
ゲーションしたものが図14である。各断片の泳動結
果には見られないバンドが1本浮きでている。これが 6
77bpにはライゲーションされたオリゴマーのバンドであ
ると思われる。遺伝子Vはライゲーションにほとんど使
われたのであろうか、バンドがあまりはっきり見えな
い。PCRによる確認 図14の50倍希釈溶液をテンプレートにしてPCRを
行ったものが図15である。予定の長さである 677bp
相当の位置に明瞭なバンドを得ることができた。
【0047】制限酵素による確認 この 677bp相当のバンドを種々の制限酵素で切断した各
断片の泳動写真を図15に示す。図15の各レーンの説
明及び電気泳動条件は以下の通りである。各レーンの説明 fdssDNA HaeIII切断断片、組換えP
CR産物、組換え産物HaeIII切断、組換え産
物HpaII切断、組換え産物TaqI切断、組換
え産物AluI切断、電気泳動条件 4%アクリルアミド(19:1)、8M尿素 電圧:250V、電流:130mA、SAE緩衝液、泳
動時間:60分、温度:60℃
【0048】制限酵素 HaeIII 、 HpaII、Taq I、Alu
Iで切断した各断片の泳動写真が、それぞれ、、
、である。図11より3断片組換えがなされている
とすると、以下の長さのバンドが見えるはずである。 Hae III … 580bp、97bp Hpa II… 537bp(539bp) 、129bp 、11bp Taq I… 324bp、208bp 、118bp 、27bp Alu I… 317bp、189bp 、171bp Hae III 切断( 580bpと97bp)、Hpa II切断( 537
bpと129bp )ともに予定の長さの切断であることを示す
バンドを確認することができる。Taq I切断()、Al
u I切断()についてもほぼ予定の長さの断片である
ことを示すバンドが得られているが、リファレンスと長
さの比較を行うと原因は不明だが全体的に予定より10bp
〜20bp程度短めの断片になっているようである。
【0049】実施例3ライゲーションにおける最適条件 断片どうしのライゲーションにおける反応効率を高める
ために反応条件の検討を行った。酵素量と反応時間につ
いては表3に様に条件を設定して検討した。
【0050】
【表3】
【0051】Taq リガーゼとT4 DNAリガーゼの比較もあ
わせて行った。また反応温度を45℃、50℃、55℃と変化
させて反応効率を比較した。結果は図16、17に示
す。なお、T4 DNAリガーゼを用いた反応は、前記実験条
件のPCR断片どうしのライゲーション’の項に記し
た方法であった。図16及び17に示す各レーンの説明
及び電気泳動条件は以下の通りである。図16の各レーンの説明 Taqリガーゼ1U、1時間、Taqリガーゼ1
U、3時間、Taqリガーゼ1U、10時間、Ta
qリガーゼ10U、1時間、Taqリガーゼ10U、
3時間、Taqリガーゼ10U、10時間、T4D
NAリガーゼ、1時間、T4DNAリガーゼ、3時
間、T4DNAリガーゼ、10時間、(10)Taqリガ
ーゼ40U、1時間、(11)Taqリガーゼ4U、1時間図17の各レーンの説明 45℃、50℃、55℃図16及び17の電気泳動条件 4%アクリルアミド(19:1)、8M尿素 電圧:250V、電流:135mA、SAE緩衝液、
時間:60分、温度:60℃
【0052】Taq リガーゼ 1U では時間による変化がそ
れほど認められないが、10U では10時間反応させたもの
が比較的反応効率がよい。T4 DNAリガーゼによる産物も
時間経過にともなってやや増加している思われる。一方
Taq リガーゼ 4U と40U を1時間反応させたものを比較
してみるとそれほど差があるとは言えない。また Taqリ
ガーゼとT4 DNAリガーゼを比較してみると Taqリガーゼ
の方が高温で特異的に反応を行うことができるため副産
物が少なくなってる。温度を変えて反応を行った実験で
は、比較によって差を見いだすことはできなかった。
尚、 Taqリガーゼを用いることはT4 DNAリガーゼを用い
るよりも高温処理が可能であり不安定な構造に由来する
ライゲーション産物を排除することが可能であり、その
結果副産物を減らすことができるという観点から有効で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法を示すスキーム。
【図2】 本発明の製造方法を示すスキーム。
【図3】 本発明の製造方法を示すスキーム。
【図4】 本発明の製造方法を示すスキーム。
【図5】 プライマーの製造方法を示すスキーム。
【図6】 実施例1及び2における、fdファージの各
遺伝子の様子を示す図。
【図7】 実施例1の組換えの詳細及び使用プライマー
の配列を示す図。
【図8】 実施例1に用いたプライマーの電気泳動結果
を示す図面に代わる写真。
【図9】 実施例1においてPCRにより作成した各断
片の電気泳動結果を示す図面に代わる写真。
【図10】 実施例1においてライゲーションより得ら
れた各断片の電気泳動結果を示す図面に代わる写真。
【図11】 制限酵素の認識部位と組換えとの関係を示
す図。
【図12】 実施例2の組換えの詳細及び使用プライマ
ーの配列を示す図。
【図13】 実施例2に用いたプライマーの電気泳動結
果を示す図面に代わる写真。
【図14】 実施例2においてPCRにより作成した各
断片の電気泳動結果を示す図面に代わる写真。
【図15】 実施例2においてライゲーションより得ら
れた各断片の電気泳動結果を示す図面に代わる写真。
【図16】 実施例3において条件の異なるライゲーシ
ョンより得られた各断片の電気泳動結果を示す図面に代
わる写真。
【図17】 実施例3において条件の異なるライゲーシ
ョンより得られた各断片の電気泳動結果を示す図面に代
わる写真。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)少なくとも一方のプライマーDNA
    として、リボヌクレオチド基を含み、該リボヌクレオチ
    ド基の3’側の配列がテンプレートDNAのプラス鎖又
    はマイナス鎖の被増幅領域の端部の少なくとも一部の配
    列と相補的であり、前記リボヌクレオチド基の5’側の
    配列が粘着末端形成用の配列であるプライマー(A)を
    用いてポリメラーゼ連鎖反応により、プラス鎖及びマイ
    ナス鎖の少なくとも一方の5’末端近傍にリボヌクレオ
    チド基を含み、かつテンプレートDNAの被増幅領域に
    相当するDNA配列を含む2本鎖DNA断片を増幅合成
    する工程、(2)前記工程(1)で合成された2本鎖D
    NA断片をRNA分解酵素処理又はアルカリ処理して、
    リボヌクレオチド基及び該リボヌクレオチド基から5’
    側のDNA配列を除去して、少なくとも一方が粘着末端
    である2本鎖DNA断片を製造する工程、(3)前記工
    程(2)で得られた粘着末端を有する2本鎖DNA断片
    をリン酸化処理する工程、及び(4)前記工程(3)で
    リン酸化処理して得られた粘着末端を有する2本鎖DN
    A断片と、該粘着末端と相補関係にある粘着末端を有す
    る2本鎖DNA断片とをDNAリガーゼにより連結する
    ことを含む連結した2本鎖DNAの製造方法。
  2. 【請求項2】 工程(3)で得られた2本鎖DNA断片
    の粘着末端と少なくとも一部が相補関係にある工程
    (4)で連結される2本鎖DNA断片の粘着末端が、制
    限酵素を用いて切断することによって形成されたもので
    ある請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 工程(3)で得られた2本鎖DNA断片
    の粘着末端と少なくとも一部が相補関係にある工程
    (4)で連結される2本鎖DNA断片が、請求項1記載
    の方法を用いて製造された粘着末端を有する別の2本鎖
    DNA断片である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 工程(1)の増幅合成において用いたプ
    ライマーDNAのいずれもが前記プライマー(A)であ
    り、かつ一方のプライマーDNAのリボヌクレオチド基
    の3’側の配列がテンプレートDNAのプラス鎖の被増
    幅領域の端部の少なくとも一部の配列と相補的であり、
    他方のプライマーDNAのリボヌクレオチド基の3’側
    の配列がテンプレートDNAのマイナス鎖の被増幅領域
    の端部の少なくとも一部の配列と相補的であり、 工程(3)で得られた2本鎖DNA断片の両末端ともが
    粘着末端である請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 工程(4)において、工程(3)で得ら
    れた2本鎖DNA断片と連結する粘着末端を有する2本
    鎖DNA断片が、制限酵素により切断された両末端とも
    に粘着末端であるプラスミドDNAの断片である請求項
    4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも1つのテンプレートDNA上
    の2種以上の被増幅領域に相当するDNA配列を含む連
    結した2本鎖DNAを製造する方法であって、(1)プ
    ライマーとして、リボヌクレオチド基を含み、該リボヌ
    クレオチド基の3’側の配列がテンプレートDNAのプ
    ラス鎖又はマイナス鎖の被増幅領域の端部の少なくとも
    一部の配列と相補的であり、前記リボヌクレオチド基の
    5’側の配列が粘着末端形成用の配列であるプライマー
    (A) テンプレートDNAのプラス鎖又はマイナス鎖の被増幅
    領域の端部の少なくとも一部の配列と相補的であり、
    3’末端がリボヌクレオチド基であるプライマー
    (B)、及びテンプレートDNAのプラス鎖又はマイナ
    ス鎖の被増幅領域の端部の少なくとも一部の配列と相補
    的であるプライマー(C)の3通りのプライマーDNA
    を用い、 連結した2本鎖DNA断片の両端部を構成する2本鎖D
    NA断片の増幅合成にプライマー(A)と(C)との組
    合せ及びプライマー(B)と(C)との組合せを用い、
    かつ被増幅領域が3つ以上の場合には、連結した2本鎖
    DNA断片の中間部を構成する2本鎖DNA断片の増幅
    合成にプライマー(A)と(B)との組合せの1種又は
    2種以上を用い、 ポリメラーゼ連鎖反応により、プラス鎖及びマイナス鎖
    の一方の5’末端近傍にリボヌクレオチド基を含み、か
    つテンプレートDNAの被増幅領域に相当するDNA配
    列を含む2種の2本鎖DNA断片と、被増幅領域が3つ
    以上の場合には、プラス鎖及びマイナス鎖の両方の5’
    末端近傍にリボヌクレオチド基を含み、かつテンプレー
    トDNAの被増幅領域に相当するDNA配列を含む1種
    以上の2本鎖DNA断片とを増幅合成する工程、(2)
    前記工程(1)で増幅合成された2本鎖DNA断片をR
    NA分解酵素処理又はアルカリ処理して、リボヌクレオ
    チド基及び該リボヌクレオチド基から5’側のDNA配
    列を除去して、一方又は両方が粘着末端である2本鎖D
    NA断片を製造する工程、(3)前記工程(2)で得ら
    れた粘着末端を有する2本鎖DNA断片をリン酸化処理
    する工程、及び(4)前記工程(3)でリン酸化処理し
    て得られた粘着末端を有する2種以上の2本鎖DNA断
    片同士をDNAリガーゼにより連結することを含む連結
    した2本鎖DNAの製造方法。
  7. 【請求項7】 被増幅領域が異なるテンプレートDNA
    上にある請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 プライマー(A)のリボヌクレオチド基
    の3’側の配列がヌクレオチド数8〜30の範囲にある
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 プライマー(A)のリボヌクレオチド基
    の5’側の配列がヌクレオチド数3〜20の範囲にある
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 プライマー(B)のリボヌクレオチド
    基以外の配列がヌクレオチド数8〜30の範囲にある請
    求項6〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
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