JPH08266987A - 雰囲気設備の区画出入口におけるシール装置 - Google Patents

雰囲気設備の区画出入口におけるシール装置

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JPH08266987A
JPH08266987A JP7687695A JP7687695A JPH08266987A JP H08266987 A JPH08266987 A JP H08266987A JP 7687695 A JP7687695 A JP 7687695A JP 7687695 A JP7687695 A JP 7687695A JP H08266987 A JPH08266987 A JP H08266987A
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JP
Japan
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elastic
roll
rubber
seal
sealing device
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JP7687695A
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Teruhisa Nakamura
照久 中村
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性回転ロールの取付作業を容易にかつ最適
な位置に取付けることができるとともに、長期にわたっ
て安定したシール性を達成する。 【構成】 弾性回転ロール44のロール軸46の軸線方
向両端部にシールディスク47を設け、このシールディ
スク47の外周面をシール用側壁49の円弧状の当接面
52に密着させてロール端面におけるシール性を達成す
る。シール用側壁49に対するシールディスク47の軸
線方向のずれが生じても、シール性が低下することを防
ぎ、装置構成の簡略化を図り、取付作業の容易化を図
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼帯やその
他の硬合金鉄帯、ケイ素鋼帯、銅合金帯、胴帯等の金属
帯を、その表面を着色ないしは変色させない状態または
その表面に酸化被膜を生成させない状態で、焼鈍および
歪み取り焼きなましなどの熱処理を行う光輝焼鈍炉など
の雰囲気設備の区画出入口に設けられるシール装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】たとえばステンレス鋼帯などの金属帯
を、その表面に酸化被膜を生成させずに、焼鈍したり金
属帯の歪みを取り除くために歪み取り焼きなましを行う
熱処理炉は、炉内にたとえば水素ガス75%と窒素ガス
25%との混合ガスやアンモニア分解ガスなどの可燃性
ないし易燃性の還元性雰囲気ガスが供給され、外気より
も10〜50mmH2O程度高い圧力に保たれている。
【0003】このような熱処理炉は、前述の可燃性ない
し易燃性の炉内ガスの漏洩を防ぐために、前記区画入口
および区画出口には金属帯の通過部分を遮蔽するための
シール装置が設けられている。
【0004】図11は、典型的な先行技術のシール装置
1,2を備える光輝焼鈍炉3の概略的構成を示す縦断面
図である。ステンレス鋼帯などの金属帯4は、竪形の光
輝焼鈍炉3の炉体5内で外気よりも10〜50mmH2
O程度高い圧力状態に保たれた水素ガス75%と、窒素
ガス25%との混合ガスなどによって実現される還元性
雰囲気中で焼鈍するために熱処理される。金属帯4およ
び炉体5は、接地ライン6によって電気的に大地にアー
スされている。この金属帯4は、光輝焼鈍炉3によって
焼鈍される前処理として表面清浄処理が行われた後、入
側のデフレクタロール7によって上方へ向きが変えら
れ、区画入口8から炉体5内へ入り、炉内のターンロー
ル9によって走行方向が反転された後、焼鈍および冷却
されて区画出口10から下方に出て出側のデフレクタロ
ール11によって向きが変えられてテンションリールに
巻取られる。
【0005】このような光輝焼鈍炉3では、ステンレス
鋼帯、その他の合金鋼帯、硬合金帯、銅合金帯および銅
帯などの金属帯4の連続焼鈍を、酸化を防止しながら行
うため、区画入口8および区画出口10において金属帯
4を通板しながら炉内ガス5aを封止することが品質上
および安全上から特に重要であり、その対策として前述
のシール装置1,2が設けられている。
【0006】図12は図11に示される区画出口10に
設けられるシール装置2の構成を示す一部の正面図であ
り、図13はシール装置2の側面図であり、この先行技
術はたとえば特公昭42−18893号公報に開示され
ている。なお、区画入口8に設けられるシール装置1
は、区画出口10に設けられるシール装置2と同様な構
成を有するため、重複を避けて説明は省略する。前述の
シール装置2は、外周部がゴムなどの弾発性材料から成
る一対の弾性回転ロール16を、金属帯4と、一対の弾
性パッド17とに、ロール開閉手段18の作動力によっ
て押付けて、各弾性回転ロール16と金属帯4との間お
よび各弾性回転ロール16と各弾性パッド17との間を
封止するように構成される。
【0007】各弾性パッド17は、シール金物19の表
面にそれぞれ固定され、各シール金物19は炉体5に固
定される。ロール開閉手段18は、各レバー20がその
回転中心となる固定ピン21に枢着され、各レバー20
の一端部には各弾性回転ロール16のロール軸22を支
持する軸受28が設けられ、各レバー20の他端部には
リンク部材23の各一端部がピン24によって連結さ
れ、各リンク部材23の各他端部はピン25によってシ
リンダ26のピストン棒27に連結される。
【0008】このようにしてピストン棒27が図13の
上方へ縮退したときに、各弾性回転ロール16が相互に
近接して金属帯4を挟持しかつ弾性パッド17に押付け
られて、各弾性回転ロール16と金属帯4との接触位置
および各弾性回転ロール16と各弾性パッド17との接
触位置を封止している。
【0009】各ロール軸22の軸線方向両端部は、炉体
5に固定される側壁29のロール軸用切欠部30を挿通
して、前述した各レバー20の一端部にそれぞれ設けら
れる軸受28によって軸線まわりに回転自在に軸支され
る。このようなロール軸22には、前述したように外周
部がゴムなどの弾性材料から成るロール被覆31がそれ
ぞれ同軸に設けられ、各ロール被覆31の軸線方向両端
部の端面と、この端面に対向する側壁29の内面との間
には、3枚のワッシャ32,33,34が介在される。
これらの3枚のワッシャ32〜34のうち最もロール被
覆31の端面寄りに配置されるワッシャ32は、独立気
泡のスポンジ状ネオプレンゴムから成り、またこのワッ
シャ32に接触する中央のワッシャ33は摩擦擦数の小
さいフッ素樹脂、たとえばポリテトラフルオロエチレン
樹脂(PTFE)から成り、さらに最も側壁29寄りの
ワッシャ34は 炭素鋼、ステンレス鋼または非鉄金属
から成る。
【0010】このように特公昭42−18893号公報
に示される先行技術では、3枚のワッシャ32〜34を
用いて、通板時の各弾性回転ロール16の側壁29への
接触をなくし、かつロール端面を封止するように構成さ
れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このような先行技術で
は、各弾性回転ロール16の軸線方向両側に側壁29が
設けられ、この側壁29とロール被覆31との間に3枚
のワッシャ32〜34がそれぞれ介在される。この先行
技術では、ゴム製のワッシャ32が適度な反発力を生じ
ることで側壁29と弾性回転ロール16の端面と各ワッ
シャ間の隙間とをシールするように、このワッシャ32
のつぶれ代を考慮して、ロール被覆31と側壁29との
隙間からワッシャ33およびワッシャ34の厚みを差し
引いた寸法よりも僅かに大きい厚みのワッシャ32を形
成し、各ロール被覆31の両側の端面と炉体5に固定さ
れた側壁29の内面との隙間の寸法がそれぞれ均等にな
るように正確に各弾性回転ロール16を位置決めして取
付ける必要がある。このとき、片側もしくは両側の隙間
が必要以上に狭いと、ワッシャ32の反発力により、側
壁29へ押付力が働き、弾性回転ロール16の回転抵抗
が大きくなる。また左右均等に位置決めしても、このよ
うな構成を有する各シール装置1,2に金属帯4が通板
されたとき、金属帯4は直進ではなく僅かに蛇行を繰返
しているため、金属帯4を挟持している各弾性回転ロー
ル16は金属帯4の蛇行による反力によって軸線方向に
スラスト力を常に受けている。また軸受23は、軸方向
の力に対しては、ロール軸22の熱膨張に対する逃げ代
としての意味で遊びが有り、弾性回転ロール16の少な
くとも10分の数mm程度の動きを許す。このため、固
定された側壁29に対してのワッシャ32の押付力は常
時変化しており、それに伴い回転抵抗も変化する。
【0012】また各弾性回転ロール16の熱膨張によっ
て軸線方向の長さが変化したとき、およびゴム製のワッ
シャ32の温度変化による膨張および収縮ならびに硬度
や弾性力が変化したとき、さらに各ワッシャ32〜34
の部分的な摩耗によって厚みが変化したときに、シール
装置を構成する側壁29の内側寸法は決まっていて、ま
た弾性回転ロール16の軸線方向位置も決まっているの
で、各ロール被覆31への押圧力を適正な値に自動的に
補正することができず、長期にわたる安定したシール効
果を得られないという問題がある。しかもそれぞれ3枚
のワッシャ32〜34のいずれか1つ摩耗や発熱による
変形、摩耗粉の付着などに起因する回転抵抗の変化によ
って交換する必要が生じたときには、生産ライン全体を
停止させて各弾性回転ロール16を取外さなければなら
ず、各ワッシャ32〜34の交換作業が繁雑である。
【0013】さらに各ロール被覆31へのワッシャ32
〜34による押圧力の調整作用を行うためには、各ワッ
シャ32〜34を厚みの異なるものと交換しなければな
らず、このような押圧力の調整のためにも弾性回転ロー
ル16を取外させねばならないため、プロセスラインを
停止しなければならず、生産性が低下してしまうという
問題がある。
【0014】さらにこの先行技術では、側壁29へ押付
けられている金属製のワッシャ34と回転する金属製ロ
ール軸22とに、ワッシャ34の内径で金属接触による
摩耗が発生する。シール性を高めるために、各ワッシャ
32〜34の相互の接触圧を大きくすると、各ワッシャ
32〜34間の摺動摩擦が増大し、弾性回転ロール16
の回転トルクの縁切りが不完全となり、金属製のワッシ
ャ34へ弾性回転ロール16の回転トルクが伝達され、
ワッシャ34と側壁29との間で金属接触による摩耗が
発生して、発生した金属粉による汚れの金属帯4への付
着や、側壁29、ワッシャ34やロール軸22の金属の
傷付や摩耗によるシール性の低下が進行するという問題
を有する。またこれとは逆に各ワッシャ32〜34間の
接触圧を低減すると、前述の摩擦を少なくして金属粉や
摩耗の発生を防止することができるけれども、シール性
が低下してしまうという相反する問題が生じる。特に高
速運転によって高速で金属帯4を走行通板すると、各ワ
ッシャ32〜34の摩耗が激しくなり、頻繁に各ワッシ
ャ32〜34を交換しなければならず、長期にわたって
安定操業を行うことができないという問題がある。
【0015】また弾性回転ロール16の被覆31が絶縁
体であると、操業中の連続する押付回転による被覆31
の変形、剥離、さらに弾性パッド17との摩擦が繰返さ
れ、静電気が帯電する。シール装置1,2の付近へは炉
内の雰囲気ガスが漏れ出てきており、露点が−50℃程
度と非常に乾燥しているため、その帯電電位は±500
0V〜15000Vにもなる。このため、付近の金属物
に対し静電気がスパークすると、容易に火災が発生し、
場合によっては爆発の危険もある。
【0016】したがって本発明の目的は、長期にわたっ
て安定操業を行うことができるとともに、静電気に起因
するスパークによる発火を防いで安全性を向上し、各弾
性回転ロールの取付位置を弾性回転ロール16を取外さ
ずに、つまり雰囲気ガスを供給したままで容易に調整す
ることができ、しかも各弾性回転ロールの取付作業に熟
練を要せず、容易に高精度で最適な位置に装着すること
ができる雰囲気設備の区画出入口におけるシール装置を
提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、炉内に連続通
板される金属帯を、炉内雰囲気によって雰囲気処理する
炉体の区画された入口および出口に設けられる一対の弾
性回転ロールと、各弾性回転ロールに炉内側から各弾性
回転ロールの軸線方向全長にわたって押付けられる一対
の弾性パッドとを備える雰囲気設備の区画出入口におけ
るシール装置において、各弾性回転ロールのロール軸の
軸線方向両端部にそれぞれ同軸に軸受を介して装着さ
れ、環状または中空円筒型の弾性体を保持して成るシー
ルディスクと、各弾性回転ロール胴部の端部と各一対の
シールディスクの間に位置して、弾性回転ロールの回転
トルクをシールディスクへ伝えないように縁切りをする
手段と、対向する各一対のシールディスクの相互の弾性
体外周の接触位置から、対向する各々のシールディスク
の弾性体と各弾性パッドとの接触位置にわたって各一対
のシールディスクの弾性体の外周面に当接し、前記シー
ルディスクの弾性体の外周面と炉体との間を塞ぐ一対の
シール用側壁とを含むことを特徴とする雰囲気設備の区
画出入口におけるシール装置である。また本発明は、各
弾性回転ロールのロール軸の軸線方向両端部には、各一
対のシールディスクを軸線方向に位置調整をする手段と
相互に近接する方向に弾発的に押圧力の調整をする押圧
手段とが設けられることを特徴とする。また本発明は、
押圧手段は、各弾性回転ロールの各ロール軸の軸線方向
両端部に装着されるばねと、各ロール軸の軸線方向両端
部に各シールディスクの外方側から装着され、外周部に
外ねじが刻設されるねじ筒体と、各ねじ筒体に螺着さ
れ、各ばねを支持するナットとを含むことを特徴とす
る。また本発明は、シールディスクの弾性体は、シリコ
ンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、SBR、NB
R、EPDM、ウレタンゴム、イソプレンゴム、ブチル
ゴム、多硫化ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩
素化ポリエチレン、ブタジエンゴム、アクリルゴム、お
よびヒドリンゴムから選ばれる1種類の弾性体であり、
JIS K 6301 A値で40°〜90°の硬度を
有することを特徴とする。また本発明は、シールディス
クの弾性体は、その軸線方向長さがシール用側壁の前記
軸線方向に沿う幅よりも少なくとも軸線方向内方に大き
く選ばれることを特徴とする。また本発明は、弾性回転
ロールの被覆部材としての弾性体が、天然ゴム、イソプ
レンゴム、SBR、NBR、CR、ブチルゴム、多硫化
ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、クロ
ロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ブタ
ジエンゴム、EPDM、アクリルゴム、またはヒドリン
ゴムであり、硬度がJIS K 6301 A値で40
°〜90°であることを特徴とする。また本発明は、弾
性回転ロールは、ロール軸の胴長方向に、少なくとも外
周部が1〜107 Ω・cmの電気比抵抗値を有する弾性
体を円筒状に被覆して一体的に形成されることを特徴と
する。また本発明は、弾性回転ロールの被覆部材として
の弾性体が、ロール軸の外周面の胴長方向に、複数枚の
不織布製ディスクを積層するか、または長尺の不織布帯
を螺旋状に巻付けて積層することによって一体的に形成
され、ロール軸の両側端面にフランジを設け、フランジ
とフランジとの間に複数枚の不織布製ディスクを積層す
るか、または不織布帯を螺旋状に巻付けて積層した後
に、フランジを押圧することによって、積層された不織
布製ディスクまたは不織布帯を一体化して固定し、さら
にフランジの外方を覆う弾性体で被覆された円筒状のカ
バーを、その外径は弾性回転ロールの胴部直径と同一に
して、カバーの軸線方向外方の端部が弾性回転ロールの
ロール軸に嵌め込まれ、かつ軸線方向内方の端部がフラ
ンジに当接するように設け、カバーの軸線方向外方の端
部は、弾性体によって被覆するか、または弾性体によっ
て被覆されないことを特徴とする。また本発明は、弾性
回転ロールの被覆部材としての不織布は、カーボンを混
入した繊維を含む不織布、または電子共役系導電性高分
子であるポリピロールを化学的に形成させた繊維を使用
する不織布、またはアクリル繊維を2価の銅化合物と硫
黄とを含む化合物で処理して製造する繊維を使用する不
織布であって、いずれも電気比抵抗値が1〜107 Ω・
cmの範囲にある導電性不織布であることを特徴とす
る。また本発明は、弾性回転ロールのロール胴部の端部
とシールディスクの間には、回転ディスクが有り、回転
ディスクを構成する部材として、弾性回転ロールの両端
に設けられ、弾性回転ロールの端面に当接する第1フラ
ンジ部と、第1フランジ部の外周部から弾性回転ロール
の軸線方向外方に延びる第1筒部とを有し、弾力性を有
する材料から成る外皮部材と、弾性回転ロールの両端
で、第1フランジ部の外表面に接合される第2フランジ
部と、第2フランジ部の外周部から弾性回転ロールの軸
線方向外方に延びる第2筒部とを有し、剛性を有する材
料から成る第1支持部材と、弾性回転ロールの両端で、
第2フランジ部よりも弾性回転ロールの軸線方向外方
で、弾性回転ロールのロール軸と第2筒部との間に配置
される第3筒部と、第3筒部の弾性回転ロールの軸線方
向外方の端面から弾性回転ロールの半径方向に延びるフ
ランジ部とを有し、剛性を有する材料から成る第2支持
部材と、弾性回転ロールの両端で、第3筒部と第2筒部
との間に介在され、ラジアル力とスラスト力とを受ける
外側軸受と、弾性回転ロールの両端で、第3筒部と弾性
回転ロールのロール軸との間に介在される内側軸受と、
弾性回転ロールの両端で、シールディスクと回転ディス
クの第2支持部材のフランジ部との間に介在され、弾力
性を有する材料から成る端面封止部材とを含むことを特
徴とする。また本発明は、回転ディスクの第2支持部材
のフランジ部には、その外周に弾性回転ロールの軸線方
向外方になるにつれて直径が減少する傾斜面が形成され
ることを特徴とする。また本発明は、回転ディスクの外
皮部材および端面封止部材は、電気比抵抗値が1〜10
7Ω・cmの弾性体から成ることを特徴とする。また本
発明は、弾性パッドは、少なくとも弾性回転ロールに接
する表層部が不織布で構成されており、全体としてJI
S S 6050で規定される硬度が10°〜50°の
弾性体であることを特徴とする。また本発明は、弾性パ
ッドは、少なくとも弾性回転ロールに接する表層部にお
いて10-3〜107 Ω・cmの電気比抵抗値を有するこ
とを特徴とする。また本発明は、弾性パッドは、少なく
とも弾性回転ロールに接する表層部が限界酸素指数、す
なわち繊維が燃焼を維持するために必要な最低限の酸素
体積分率の指数であるLOI値が26以上を満足する素
材より成ることを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明に従えば、シール装置は、炉内で雰囲気
処理されるべき金属帯が挿入される炉体の区画入口、お
よび炉内で雰囲気処理された金属帯が排出される区画出
口のうち少なくとも一方に設けられる。このようなシー
ル装置は、金属帯をその厚み方向両側から挟持する一対
の弾性回転ロールと、各弾性回転ロールに軸線方向全長
にわたって押付けられる一対の弾性パッドと、各弾性回
転ロールのロール軸の軸線方向両端部に設けられる各一
対のシールディスクと、各一対のシールディスクの相互
の弾性体外周の接触位置から、各一対のシールディスク
の弾性体と各弾性パッドとの接触位置にわたって前記各
一対のシールディスクの弾性体の外周面に当接しシール
ディスクの弾性体の外周面と炉体との間を塞ぐ一対のシ
ール用側壁とを有する。
【0019】このような構成によって、従来のように、
弾性回転ロールの軸線方向両端部の端面と、その弾性回
転ロールの両端部に位置してシールを行う側壁とを設け
る必要がなく、したがって側壁と弾性回転ロールの端部
との間の各ワッシャ用の隙間寸法より各ワッシャの合計
厚みが大きすぎたり、弾性回転ロールに熱膨張や金属帯
の蛇行などによってスラスト力が発生しても、各ワッシ
ャ間の摩擦および弾性回転ロールの端面とそれに対向す
るワッシャとの間の摩擦および前記側壁とそれに対向す
るワッシャとの間の摩擦によって、弾性回転ロールの回
転に制動力が作用するおそれがない。しかも弾性回転ロ
ールの熱膨張による軸線方向の長さの変化および温度上
昇による各ワッシャの硬度や弾性力の変化が生じても、
これらの変化をシールディスクが保持する中空円筒状の
弾性体によるばねの伸縮により許容することが可能であ
り、長期にわたって一定のシール効果を安定して得るこ
とができる。
【0020】また各シールディスクは軸受などの縁切り
をする手段を弾性回転ロールの胴部端面との間に介して
ロール軸に装着されるので、弾性回転ロールのロール軸
の回転がシールディスクに伝達されることを断ち切るこ
とができ、これによってシールディスクのシール用側壁
との接触による制動や摩耗をなくすことができる。これ
によってもまた、長期にわたって安定した一定のシール
効果を得ることができる。
【0021】さらにシールディスクの弾性体の外周面と
シール用側壁の円弧状切欠内周部との当接によって各弾
性回転ロールの両端部におけるシール部が構成されるの
で、弾性回転ロールが軸方向に変位しても、弾性体の軸
方向の厚みの範囲内で当接されている限り、シール機能
は確保される。先行技術の如く、決められた側壁の内側
寸法の中に、弾性回転ロールの両端部と側壁との間隔を
同じくするために、各弾性回転ロールを軸線方向に正確
に位置決めして、炉体の区画入口および区画出口に設け
られるフレームなどに取付ける必要がなく、位置決め作
業が容易であり、熟練を要することなしに簡単に最適な
位置に各弾性回転ロールを装着することが可能となる。
【0022】また本発明に従えば、各弾性回転ロールの
ロール軸の軸線方向両端部には、各一対のシールディス
クを相互に近接する方向に押圧、調整する押圧手段が設
けられる。金属帯の蛇行などによって、シールディスク
の弾性体の外周面とシール用側壁の円弧状切欠内周部と
の当接面の摩擦力に打ち勝って各ロール軸が軸線方向一
方側にわずかに変位しても、つまり各弾性回転ロールの
位置が変位しても、このような押圧手段によって各シー
ルディスクを前記変位した方向へ一定の押圧力を維持し
たままシール性を損なうことなく弾性回転ロールと一体
となるように付勢して、各シールディスクを含む弾性回
転ロールや回転ディスクあるいはスリップディスクから
なる一体化されたものを常にシールの目的に合った最適
な位置に配置することができる。
【0023】さらに本発明に従えば、前記押圧手段は、
ロール軸の軸線方向両端部に装着されるばねと、このば
ねよりも軸線方向外側方に装着されるねじ筒体と、この
ねじ筒体に螺着されるナットとを含む。このような構成
によってねじ筒体をロール軸に対して軸線方向に移動さ
せて弾性回転ロールに対するシールディスクの位置を大
略的に位置決めした後、ナットを螺進/螺退させて各シ
ールディスクに適正な押圧力を付与し、微調整を行うこ
とができる。このようにして弾性回転ロールに対するシ
ールディスクの位置決め作業を容易に行うことができ
る。
【0024】さらに本発明に従えば、前記シールディス
クの弾性体は、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロプレ
ンゴム、SBR,NBR、EPDM、ウレタンゴム、イ
ソプレンゴム、ブチルゴム、多硫化ゴム、クロロスルホ
ン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ブタジエンゴ
ム、アクリルゴム、およびヒドリンゴムから選ばれる1
種類で、JIS K 6301 A値が40°〜90°
の硬度であるので、シールに適した弾性力が有り、通気
性が無いのでシール用側壁の接触面に密着させて炉内ガ
スと外気とを充分にシールすることができ、耐摩耗性や
耐久性があり、長期にわたって安定なシール効果を得る
ことができる。これによってシール用側壁の当接面に密
着させて弾性回転ロールのロール開閉手段により弾性回
転ロールの挟持力を変化させても、弾性回転ロールの弾
性体のつぶれと同様にシールディスクの弾性体がつぶれ
ることで、弾性回転ロールのシール性に影響を与えるこ
となく弾性回転ロールの開閉の動きに追随することがで
き、良好なシール性が確保される。
【0025】さらに本発明に従えば、前記シールディス
クは、その軸線方向長さがシール用側壁の前記軸線方向
に沿う幅よりも大きく選ばれるので、前述したように、
金属帯の蛇行あるいは弾性回転ロールおよびシールディ
スクの熱膨張による軸線方向長さの変化が生じても、ま
た弾性回転ロールの取付後の調整によって、ロールの軸
線方向をずらすことになっても、シールディスクの外周
面とシール用側壁とは常に途切れることのない連続した
一定の有効接触面(当接面)を有し、シール効果には変
化が無い。
【0026】さらに本発明に従えば、弾性回転ロール
は、ロール軸の外周面の胴長方向に少なくとも表層部が
1〜107 Ω・cmの電気比抵抗値を有する弾性体を円
筒状に被覆して一体的に形成されるので、弾性回転ロー
ルの連続回転による変形、剥離や弾性ロールと弾性パッ
ドとの連続摩擦による静電気が発生しても、火花放電ま
で到達せず、安全性が向上する。
【0027】さらに本発明に従えば、前記弾性回転ロー
ルの被覆部材としての弾性体は、天然ゴム、イソプレン
ゴム、SBR、NBR、CR、ブチルゴム、多硫化ゴ
ム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、クロロ
スルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ブタジ
エンゴム、EPDM、アクリルゴム、またはヒドリンゴ
ムであり、硬度がJIS K 6301 A値で40°
〜90°であるので、適度な弾性反発力があり、摩擦係
数も大きく、スリップすることがなく、金属帯エッジに
弾性体がつぶれて廻り込み隙間を作ることがなく、連続
通板される金属帯の表面に前記弾性体を密着させて、炉
内ガスと外気とを充分にシールすることができ、耐摩耗
性や耐久性があり、万一異物をかみ込むことがあって
も、弾性体がへこむことで金属帯に圧痕を作らない等の
効果により、安定な熱処理を支障なく行って金属帯の品
位を向上することができる。
【0028】さらに本発明に従えば、前記弾性回転ロー
ルは、ロール軸の外周面の胴長方向に複数枚の不織布製
ディスクを積層するか、または長尺の不織布帯を螺旋状
に巻付けて積層することによって一体的に形成される。
前記ロール軸の両側端面にはフランジが設けられ、この
フランジとフランジとの間に複数枚の前記不織布製ディ
スクを積層するかまたは長尺の不織布帯を螺旋状に巻付
けて積層した後に、フランジをたとえばナットなどによ
って押圧することにより、積層された不織布製ディスク
または長尺の不織布帯が一体化して固定され、フランジ
の外方を弾性体で被覆された円筒状のカバーを、その外
径を弾性回転ロールの胴部の直径と同一にしてロール軸
に嵌め込み、軸線方向内方の端部はフランジに当接され
る。このカバーの軸線方向外方の端部は弾性体によって
被覆される。このように弾性回転ロールのロール胴部に
不織布が用いられるので、この不織布はゴムなどに比べ
て表面の動摩擦係数が大きく、金属帯表面に対して一般
にゴム被覆の動摩擦係数が約0.19であるのに対し
て、不織布では約0.24〜0.28程度でありスリッ
プしにくい。また異物を噛み込んでも、不織布内へ沈み
こませる効果もあり、これらによって金属帯表面に接触
しても、金属帯の表面に傷を付けるおそれはなく、連続
通板される金属帯の表面にこの不織布から成るロール胴
部を密着させて、炉内ガスと外気とを充分に遮断するこ
とができる。
【0029】さらに本発明に従えば、弾性回転ロールの
被覆部材としての不織布は、カーボンを混入した繊維を
含む不織布、電子共役系導電性高分子であるポリピロー
ルを化学的に形成させた繊維を使用する不織布、または
アクリル繊維を2価の銅化合物と硫黄とを含む化合物で
処理して製造する繊維を使用する不織布であって、いず
れも電気比抵抗値が1〜107 Ω・cmの範囲にある導
電性を有するので、この不織布を用いた弾性回転ロール
の表面に静電気が発生しても、火花放電しやすい危険な
電圧まで到達せず、安全性が向上する。
【0030】さらに本発明に従えば、弾性回転ロールの
胴部端部の封止をするとともに、弾性回転ロールの回転
トルクをシールディスクへ伝達しないように縁切りをす
る手段を提供することができる。弾性回転ロールの両端
を封止するために、弾力性を有する材料から成る第1支
持部材に支持される外皮部材と、少なくとも外周部が弾
力性を有する材料から成る端面封止部材とが設けられる
第1支持部材に支持される外皮部材はロール本体ととも
に回転し、その第1筒部の先端は、端面封止部材の軸方
向内方部の弾力性を有する部分および第2支持部材のフ
ランジ部の外周部軸方向と接触摺動してシールを行うこ
とができる。第1支持部材は剛性を有する材料から成
り、その第2フランジ部が外皮部材の第1フランジ部の
外周面に接合または当接されて、ロール本体とともに回
転される。第1支持部材の第2筒部は、外側軸受によっ
てラジアル力を第2支持部材の第3筒部に伝達する。ま
たスラスト力も、外側軸受によって第3筒部に伝達され
る。第2支持部材に伝達されたスラスト力は、第2支持
部材のフランジ部を介して端面封止部材によって受けら
れる。第2支持部材に伝達されたラジアル力は、内側軸
受を介して弾性回転ロールのロール軸によって受けられ
る。このようにロール本体の両端部において弾力性を有
する材料によって互いを密着させシール性を確保し、一
方では外側および内側の軸受を設けたことによって回転
により発生するラジアル力とスラスト力の負荷が軽減さ
れるので、弾性回転ロールを円滑に回転させながら、金
属帯と弾性回転ロールとを充分に押付け密着させること
ができる。つまり、ロール本体の軸線方向両端部と外皮
部材との間、および端面封止部材とシールディスクとの
間、シールディスクとシール用側壁との間を密着させて
シールし、しかも回転ディスクにより、シール用側壁へ
の各弾性回転ロールの回転力の伝達を遮断することによ
って弾性回転ロールの回転による外気の炉内への侵入を
可及的に少なくしながら同時に弾性回転ロールの回転負
荷を小さくすることができる。
【0031】さらに本発明に従えば、弾性回転ロールの
少なくとも外周部は1〜107 Ω・cmの電気比抵抗値
を有するので、静電気が発生しても火花放電しやすい危
険な電圧まで到達せず、安全性が向上される。
【0032】さらに本発明に従えば、第2支持部材のフ
ランジ部は、ロール本体の軸線方向外方に向かって直径
が減少する傾斜面が形成されるので、対向する外向きフ
ランジ部の傾斜面と外皮部材の端面との間に形成される
空間に、端面封止部材の弾力性を有する材料から成る外
周部が押付けられて入り込み、高いシール性を達成する
ことができる。
【0033】さらに本発明に従えば、前記回転ディスク
の外皮部材と端面封止部材とは1〜107 Ω・cmの電
気比抵抗値を有するので、対向する弾性回転ロールの回
転ディスク同士や端面封止部材同士の回転による剥離、
変形により静電気が発生し易い条件であっても、また弾
性パッドとの間で連続的な摺動摩擦が行われても、静電
気による帯電を防止し、火花放電の発生を抑制すること
ができる。
【0034】さらに本発明に従えば、弾性パッドは少な
くとも弾性回転ロールに接する表層部が不織布で構成さ
れており、全体としてJIS S 6050で規定され
る硬度が10°〜50°の弾性体であるので、適度な柔
軟性のため、全体にわたって均一に押付けられ、弾性回
転ロール表面の凹凸によくなじみ、弾性回転ロール表面
を傷付けることなく高いシール性を確保することができ
る。
【0035】さらに本発明に従えば、弾性パッドは少な
くとも弾性回転ロールに接する表層部において10-3
107 Ω・cmの電気比抵抗値を有するので、弾性回転
ロール同士の接触回転による被覆の摩擦、変形、剥離や
弾性回転ロールと弾性パッドとの摩擦により静電気が発
生しても、火花放電を発生させず、アースやコロナ放電
によって、帯電を防止し、火災や爆発を防ぐことができ
る。
【0036】さらに本発明に従えば、弾性パッドは少な
くとも弾性回転ロールに接する表層部が限界酸素指数
(繊維が燃焼を維持するために必要な最低限の酸素体積
分率の指数)LOI値が26以上を満足する素材より成
るので、シール部が万一火災を起こし短時間で消火され
た場合には、溶融滴下することは無く、自己消火特性を
持つために燃焼の継続が無く、シール性に性能低下が無
く、直ちに操業を再開することができる。
【0037】
【実施例】図1は本発明の一実施例のシール装置41を
示す断面図であり、図2は図1の左側から見たシール装
置41の簡略化した側面図である。本実施例のシール装
置41は、金属帯42を雰囲気設備である光輝焼鈍炉4
3に取入れる区画入口と、光輝焼鈍炉43から雰囲気処
理用の金属帯42を引出す区画出口とに設けられる。こ
のようなシール装置41は、金属帯42をその厚み方向
両側から挟持する一対の弾性回転ロール44と、各弾性
回転ロール44に炉内側から各弾性回転ロール44の軸
線方向全長にわたって押付けられる一対の弾性パッド4
5と、各弾性回転ロール44のロール軸46の軸線方向
両端部にそれぞれ同軸に設けられる、各一対のシールデ
ィスク47と、各一対の回転ディスク56と各一対のシ
ールディスク47の相互の接触位置P1,P2から各一
対のシールディスク47と各弾性パッド45との接触位
置P3,P4にわたって、各一対のシールディスク47
の直円筒状の外周面66に当接する円弧状の当接面52
を有する、一対のシール用側壁49とを含む。
【0038】炉体48内には、可燃性ないしは易燃性の
炉内ガス50が供給されて、外気よりも10〜50mm
2 O程度高い圧力状態に保たれている。炉体48の前
記各シール用側壁49を含む区画出入口を構成するフレ
ーム51には、弾性回転ロール44を、金属帯42に押
付ける位置と、その金属帯42から離れた位置とに移動
させることができるロール開閉手段53が設けられる。
【0039】弾性回転ロール44は、ロール本体55
と、ロール本体55の軸線方向両端部に装着される回転
ディスク56と、回転ディスク56よりも軸線方向外方
(図1の左方)に装着される前記シールディスク47
と、このシールディスク47を軸線方向内方(図1の右
方)に弾発的に押圧する押圧手段57とを含む。
【0040】前記ロール開閉手段53は、回転中心とな
る固定ピン58に枢着されるアーム59の下端部に、弾
性回転ロール44のロール軸46を支持する軸受60が
設けられ、このアーム59の上端部にはリンク部材61
の長手方向一端部がピン62によって連結され、リンク
部材61の長手方向他端部はピン63によって複動空気
圧シリンダ64のピストン棒65に連結される。このよ
うな構成によって、複動空気圧シリンダ64のピストン
棒65が下方に伸長すると、各弾性回転ロール44を相
互に離反する方向に変位させ、またピストン棒65を縮
退させると各弾性回転ロール44を相互に近接する方向
に変位させることができる。このようにして各弾性回転
ロール44が相互に近接する方向に変位した状態では、
各弾性回転ロール44間に挿入される金属帯42を弾発
的に挟持するとともに、各弾性回転ロール44が弾性パ
ッド45に弾発的に当接して、炉体48内が外気から遮
断され、炉内ガス50の過大な漏洩を防ぎかつ炉内への
外気の侵入が防止される。
【0041】図3は、図2の切断面線A−Aから見た拡
大断面図である。前記弾性回転ロール44は、前記ロー
ル軸46と、ロール軸46の直円筒状の外周面上に形成
される弾性被覆層70とを有し、この弾性被覆層70の
軸線方向両端部には外ねじ71とナット72とによって
フランジ73を固定する。このフランジ73と、ロール
軸46の他端側に設けられるもう一つのフランジとの間
のロール軸46外周部に、複数枚の不織布製ディスク7
4を積層するか、または長尺の不織布帯を螺旋状に巻付
けて積層して、前記弾性被覆層70を構成し、その緩み
止めとして前記外ねじ71とナット72とによってフラ
ンジ73を強固に押圧して固定する。フランジ73の軸
線方向外方には、外ねじ71およびナット72を覆う有
底筒状の金属製カバー本体75を設け、このカバー本体
75の外周面上には弾性体から成る外層76が、その外
径を弾性回転ロールの弾性被覆層70の外径と同じくし
て形成され、カバー本体75の軸線方向外方の端板75
aはロール軸46に嵌め込まれ、またカバー本体75の
筒部75bの軸線方向内方部の端面はフランジ73に当
接する。
【0042】このように、カバー本体75に外層76が
形成されるカバー69と弾性被覆層70とを組合わせる
ことによって、カバー69の軸線方向両端部まであたか
も中央部と同一径の一体化された弾性回転ロール44を
形成することができる。この場合、不織布製ディスク7
4を押圧するフランジ73の外径は、金属帯42の最大
板厚ΔTか、またはその板厚ΔTよりも僅かに大きい値
Δd1だけ弾性被覆層76の外径よりも小さくなるよう
に形成される。これによって対向して接触する相互の弾
性回転ロール44が金属帯42を挟んだとき、各弾性回
転ロール44のフランジ73同士が当接して、各弾性回
転ロール44の金属帯42への圧接力を妨げ、シール性
が損なわれるのを防止することができる。
【0043】前記不織布製ディスク74は、芳香族ポリ
アミド繊維やカーボン繊維、PTFE繊維によって構成
し、またカバー75の外層76はフッ素ゴム、シリコン
ゴムおよびクロロプレンゴムなどのうちから1種類を用
いることによって、耐熱性および耐火性の高い弾性回転
ロール44が得られる。また耐薬品性を向上するため
に、不織布製ディスク74に、PTFE繊維、PPS
(ポリフェニレンサルファイド)繊維、ノボロイド繊
維、芳香族ポリアミド繊維やカーボン繊維などと、カバ
ー75の被覆材料として、ブチルゴム、EPDM、クロ
ロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴムなど
を用いることによって耐薬品性を向上することができ
る。また、不織布製ディスク74の不織布へのカーボン
繊維混入率を高めることによって、ある程度の制電性と
前記の耐熱、耐火、耐薬品の性能とを確保することがで
きる。制電性を主眼としては、不織布として、カーボン
を混入した繊維を含む不織布または電子共役系導電性高
分子であるポリピロールを化学的に形成させた繊維を使
用する不織布、またはアクリル繊維を2価の銅化合物と
硫黄とを含む化合物で処理して製造する繊維を使用する
不織布などであって、いずれも電気比抵抗が1〜107
Ω・cmの範囲にある導電性不織布を使用すればよい。
具体的には、SA−7(商品名)〔東レ社製〕、ANT
RON III(商品名)〔デュポン社製〕、VLS620
9F(商品名)〔日本バイリーン社製〕、サンダーロン
SS−N(商品名)〔日本蚕毛染色社製〕等が挙げられ
る。
【0044】このようにしてロール本体55の両端部に
前記カバー69を装着することによって、外ねじ71お
よびナット72を腐食性ガスや水蒸気から保護すること
ができる。またこのような外ねじ71やナット72が前
記カバー69によって露出しないので、いわば突起物が
回転することによる危険も回避することができる。
【0045】本発明の他の実施例として、前記複数の不
織布製ディスク74または不織布帯を巻付した構成に代
えて、シリコンゴム、フッ素ゴム、スチレンブタジエン
ゴム(略称SBR)、ヒドリンゴム、ニトリルブタジエ
ンゴム(略称NBR)、クロロプレンゴム(略称C
R)、エチレンプロピレンゴム(略称EPDM)、ブチ
ルゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、クロロスルホン化ポリエチレン(略称CSM)、塩
素化ポリエチレン(略称CM)、アクリルゴム(略称A
CM)、多硫化ゴムなどのいずれか1種類、硬度がJI
S K 6301A値で40°〜90°である弾性体
に、その弾性体自体の保有する電気比抵抗値のままか、
またはその弾性体に導電性を付与して1〜107 Ω・c
mの電気比抵抗値を有するようにしてもよい。このよう
な導電性が付与された弾性体の電気比抵抗値が107 Ω
・cmよりも大であると、実質的に前記絶縁体と変わら
ず、また1Ω・cmよりも小さいと、装置の点検に近付
いた人体などの帯電体からスパークが飛ばされるおそれ
がある。そのため、電気比抵抗値は1〜107 Ω・cm
に選ぶことが好ましい。
【0046】また、硬度が40°より小さいと、軟らか
すぎて金属帯42を挟持したときに挟持力による変形が
大きく、高速回転では耐久性が無い。また金属帯42の
板幅方向端部の鋭利な角度で損傷しやすいことから不適
である。また90°より大きいと、弾性が不足し、金属
帯42を挟持しても、板幅方向端部で金属帯42の板厚
によるすき間を無くすよう被覆70がつぶれないため、
シール性能が不充分であり、不適である。したがって硬
度は40°〜90°に選ぶことが好ましい。
【0047】回転ディスク56を構成する部材として、
外皮部材77、第1支持部材78、第2支持部材79、
外側軸受80、止め輪81、内側軸受82、および端面
封止部材83が前記シールディスク47と前記カバー6
9との間に設けられる。外皮部材77および端面封止部
材83は、前記外層76と同様な弾性材料にカーボンブ
ラックなどを混合して機械的特性を向上させ、また回転
ディスク56同士の回転接触による剥離、変形、摩擦
や、弾性パッド45との摺動接触による帯電防止のため
に、1〜107 Ω・cmの電気比抵抗値を有する。外皮
部材77の第1フランジ部85はカバー69の端面に当
接し、第1支持部材78の第2フランジ部86は前記外
皮部材77の第1フランジ部85に当接している。外皮
部材77の第1フランジ部85の外周部には、第1筒部
87が軸線方向外方に延びて形成され、第1支持部材7
8の第2筒部88は、第2フランジ部86の外周部から
軸線方向外方に延びて形成される。第1筒部87の内周
面には、第2筒部88の外周面が接触する。第2筒部8
8の軸線方向長さは、第2支持部材79のフランジ89
の軸線方向内方部との金属同士の接触を防止するため、
第1筒部87の軸線方向長さから第1フランジ部85の
厚みを除いた値よりも僅かに短く形成されている。
【0048】第2筒部88とロール軸46との間には、
第2支持部材79の第3筒部90が介在される。この第
3筒部90の軸線方向内方の端面は、第2フランジ部8
6の軸線方向外方の表面との間に間隔Δd2を有する。
第3筒部90の軸線方向外方の端部には、フランジ部8
9が半径方向外方に連なって一体的に形成される。フラ
ンジ部89の外周部には、軸線方向外方に向けて直径が
減少する傾斜面91が形成される。このようなフランジ
部89は、軸線方向外方側が端面封止部材83を介して
前記シールディスク47の軸線方向内方の端面に支持さ
れている。
【0049】金属帯42は一見直進しているように見え
るけれども、実際には僅かな蛇行を繰返しており、金属
帯42を挟持している各弾性回転ロール44は、その蛇
行の反力によって軸線方向にスラスト力を常に受けてい
る。このスラスト力は、第1支持部材78の第2フラン
ジ部86と、外側軸受80とによって、第3筒部90の
止め輪81を介して第2支持部材79の第3筒部90に
伝えられる。つまり第1支持部材78と第2支持部材7
9との位置関係は、外側軸受80によって決まり、スラ
スト力がどのように変化しても、外皮部材77の第1筒
部87の端面とフランジ部89の軸線方向内方の外周部
との回転摺動接触する部分は、ある一定の力、たとえば
外皮部材77の端部における弾性反発力しか働かず、金
属帯42の蛇行や弾性回転ロール44の熱膨張によって
発生するスラスト力に影響されない。
【0050】したがってこの回転摺動接触する部分は、
常に安定したシール性を長期にわたって達成することが
できる。さらにその効果を確実にするため、第2支持部
材79のフランジ89と、止め輪81、第1および第2
筒部87,88との間には、金属との摩擦係数の小さい
滑り性の良い材料としてポリテトラフルオロエチレン
(商品名テフロン、略称PTFE)あるいは、芳香族ポ
リアミド繊維やPTFE繊維の不織布で製作されたディ
スクや、超高分子量ポリエチレン(商品名ニューライト
等)や充填材入りPTFE(商品名エクセライト等)の
摺動リング92が介在されることが好ましい。この摺動
リング92によって、フランジ89と第1筒部87とが
直接に接触することを防ぎ、より滑り性の良い回転摺動
接触をさせることもできる。
【0051】この摺動リング92の外径は、弾性被覆層
70、カバー69、外皮部材77、端面封止部材83の
外周面よりも半径方向内方に僅かな長さΔd3だけ小さ
く形成される。これによって相互に接触する弾性回転ロ
ール44が弾発的に当接して外周面が僅かに弾性変形を
生じても、各弾性回転ロール44に備えられる各摺動リ
ング92が相互に干渉するおそれはなく、円滑な回転を
達成することができる。このような摺動リング92の外
周面と、弾性被覆層70やカバー69や外皮部材77お
よび端面封止部材83ならびにシールディスク47の各
外周面との差Δd3は、各弾性回転ロール44によって
挟持される金属帯42の板厚ΔTにほぼ等しいかやや大
きく選ばれる。つまり回転ディスク56の第2支持部材
79の外向きフランジ89の外径と同寸法としておく。
【0052】このようにして第2支持部材79のフラン
ジ89に外皮部材77の第1筒部87の軸線方向外方の
端面が直接接触することによっての摩耗によるシール性
の低下を防ぎ、ゴムと金属が接触摺動をして比較的大き
な摩擦が発生することによる回転ディスク56による回
転抵抗の低減を図ることもできる。
【0053】シールディスク47は、片側にフランジを
持つかまた両側にフランジを持つ(図示しない)金属製
のリール96と、リール96に装着される環状のまたは
中空円筒型のシールディスク弾性体97と、ロール軸4
6の外周部とリール96の内周部との間に介在される軸
受98とを含む。このようにしてシールディスク47
は、ロール軸46の軸線方向両端部に回転自在に装着さ
れる。ロール軸46が軸受98によって軸支されるた
め、金属帯42が通板することによって弾性回転ロール
44が回転し、この回転によってカバー69の軸線方向
外方の端面と回転ディスク56の外皮部材77の軸線方
向内方の端面とが一体となって密着回転するが、シール
ディスク47は押圧手段57によって軸線方向内方に押
圧されるので、軸線方向内方への回転ディスク56の端
面封止部材83へもその押圧力が伝達されて、端面封止
部材83とシールディスク47もシールに最適な一定の
押圧力を維持することが可能となる。
【0054】前記押圧手段57は、ロール軸46に装着
され、ビス99によって所定の位置に固定され、外周面
に外ねじ100が刻設される直円筒状のねじ筒体101
と、ねじ筒体101の前記外ねじ100に螺合するナッ
ト102と、ナット102とシールディスク47の軸受
98のインナーレースとの間に介在されるばねであるた
とえば皿ばね103とを含む。この皿ばね103に代え
て圧縮コイルばねを用いるようにしてもよい。
【0055】このような押圧手段57によって、金属帯
42の僅かな蛇行、弾性回転ロール44の熱膨張、回転
ディスク56の外皮部材とカバー69との摩擦接触によ
るわずかな摩耗、および端面封止部材83とシールディ
スク47との摩擦接触によるわずかな摩耗や弾性体の変
質や劣化による収縮などにより、各接触位置に隙間が生
じても、常に軸線方向内方にシールディスク47を弾発
的に押圧してその隙間を補償することができる。
【0056】図4は、弾性パッド45をフレーム51に
取付けるための具体的構成を示す断面図である。前記弾
性パッド45は、弾性体107と、シール金物108
と、各弾性回転ロール44の外周部に当接する表層部5
4を有する。表層部54は、各弾性回転ロール44の外
周面の微細な凹凸へのならい性が良好なように、また、
軟らかい弾性回転ロール44の表面を傷付けないでしか
も耐摩耗性や毛羽立ちや回転摩擦による繊維の抜け落ち
が無いような材質を選定するが、一例としては芳香族ポ
リアミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、羊毛
繊維、またはそれらの組合わせによる不織布が用いられ
る。しかしながら、漏出した雰囲気ガスに着火した場合
の溶融滴下防止や短時間の耐火炎性、耐熱性を確保する
ためには、LOI値26以上のものが最適に使用され
る。具体的には、芳香族ポリアミド繊維(特にパラ系)
が融点が400℃〜500℃と高く好適である。弾性体
107には、前記同様の繊維による不織布を用い、表層
部54と合わせてJIS S6050による10°〜5
0°の硬度とし、シール金物108で補強する。また静
電気のスパークによる火災、爆発を防止するために、弾
性パッド45の表層部54の不織布には1〜107 Ω・
cmの電気比抵抗値のものを用い、適度な導電性をもた
せて、弾性回転ロール44が絶縁体で製作された場合に
は、弾性回転ロール44や弾性パッド45が帯電するの
を防止し、火花放電を防ぐことでより安全にすることも
できる。このような弾性パッド45の代わりに、弾性体
107として同様の弾性をもつゴムなどの弾性材料から
成る発泡された微細な独立気泡のスポンジ状弾性体を用
いて弾性回転ロール44と接する表層部54に耐摩耗性
や耐火炎性、耐熱性、導電性の有る不織布を貼付けても
よく、どの場合においても弾性値としての硬度はJIS
S 6050による10〜50°が好適に用いられ
る。
【0057】このような弾性パッド45は、連結部材1
11の下部フランジ109および金属製挟持板110に
よって挟持され、ブラケット116Aを取付けた支持板
116Bは連結部材111にヒンジ117によって角変
位自在に連結される。炉体48のフランジ112には、
連結部材111の上部フランジ113がボルト等で固定
される。連結部材111には、複動シリンダまたは圧縮
ばね等の押圧調整機構114が取付られる。この押圧調
整機構114のピストン棒115の先端部は、支持板1
16Bに取付けられたブラケット116Aの傾斜面を押
すことによってシール金物108を押圧し、弾性パッド
45をヒンジ117の軸線まわりに角変位させて、各弾
性回転ロール44の外周面に適度な押圧力で接触させる
ことができる。弾性パッド45の表層部54を導電性の
不織布にて製作した場合、弾性回転ロール44に発生し
た静電気は、弾性パッド45を通じて接地され、また、
不織布の繊維が細いことから、電気比抵抗を10-3〜1
7 Ω・cmとして導電性の弾性回転ロール44の電気
比抵抗値1〜107 Ω・cmより抵抗値を下げても、繊
維の先端からコロナ放電を起こすことで、火花放電を起
こすことなく弾性回転ロール44の帯電を防ぐことがで
きる。このような実施例では、各弾性回転ロール44に
静電気の帯電をなくすことができるので、各弾性回転ロ
ール44は必ずしも導電性にする必要はない。
【0058】以上のようにして弾性パッド45をフレー
ム51に取付けることによって、弾性回転ロール44の
静電気によって火花放電が生じることを確実に防止する
ことができる。
【0059】前述した従来技術においては、各弾性回転
ロールの両側に側板が設けられるので、この側板と各弾
性回転ロールとの間に介在される弾性ディスク(ワッシ
ャ32)が適度な反発力を出すように、その弾性ディス
クの潰れ代を考慮して、ロールと側板との隙間寸法か
ら、ワッシャ33やワッシャ34の厚みを差し引いた寸
法よりも僅かに大きい厚み寸法の弾性ディスクを製作
し、ロールの両端部とその両側の側板との隙間寸法がそ
れぞれ均等になるように正確にロールの位置を決めて組
込む必要があるのに対して、本実施例では弾性回転ロー
ルの両側に側壁を設ける必要がないので、各弾性回転ロ
ールのおおよその位置を決めて組込んだ後、ロール軸の
両側に取付けたナット102を締付けてシールディスク
47を押圧し、ロール端面のシールができるように適正
な位置を決めた後、さらにロール軸に取付けた皿ばね1
03の反発力によって適度な押圧力を付与することがで
きる。したがって各弾性回転ロール44の取付作業に熟
練を要することなしに、容易に最適な位置に迅速に装着
することができる。
【0060】また図3に示すように、外皮部材77の第
1フランジ部85の軸線方向内方の端面は、図1に示す
如くカバー69の被覆層76の軸線方向外方の端面に前
記皿ばね103のばね力によって一定の力で常に押付け
られており、弾性回転ロール44の熱膨張によって軸線
方向の長さが変化しても、あるいは温度上昇によって外
皮部材77やカバー69の外層76の硬度や弾性力が変
化しても、さらに部分的な摩耗が生じて弾性回転ロール
44と押圧手段57との間で軸線方向長さが変化して
も、自動的に最適な押圧力を維持することができるの
で、一定のシール効果を長期にわたって安定して達成す
ることができる。
【0061】さらにシールディスク47のシールディス
ク弾性体97は、図1に示す如くその軸線方向長さがシ
ール用側壁49の軸線方向幅(すなわち厚み)と同等か
または長く形成され、少なくともシールディスク弾性体
97の軸線方向内方の部分がシール用側壁49の軸線方
向内方の表面49aと同位置かまたは長さΔd4だけ突
出して設けられるので、シールディスク47が軸線方向
に僅かにずれても、シールディスク弾性体97の外周面
とシール用側壁49の前記外周面に臨む円弧状当接面5
2とが接触している限りシール性には影響がなく、した
がって弾性回転ロール44を組込んだ後にロール軸46
を軸線方向に変位させる必要はなく、しかも一旦取付け
たロール軸46の軸受60との固定を外すことなく、弾
性回転ロール44の軸線方向両端部において片側ずつ独
立してカバー69と回転ディスク56との間、および回
転ディスク56とシールディスク47との間の隙間の調
整を行うことができる。しかも、このような隙間または
押付力の調整を前記ナット102およびばね103を介
することによって無段階に調整することができるので、
徴調整が可能であり、作業性が簡単で迅速に調整作業を
行うことができる。
【0062】なお、シールディスク弾性体97の硬度が
40°より小さいと、剛性が不足するため、対向するシ
ールディスク47をシール用側壁49に押圧したまま軸
方向位置を変位させたとき、変形が大きく耐久性が不足
するため不適である。また硬度が90°より大きいと、
シール用側壁49の対向するシールディスク47の接す
る部分において、弾性変形に要する力が不足するのでシ
ールディスク弾性体97のつぶれが充分でなく、シール
用側壁49の先端部の厚みによる隙間を無くすことがで
きないので、シール性能が不充分であり不適である。し
たがって硬度は、弾性回転ロールの被覆70や回転ディ
スクの外皮部材77と同様、硬度40°〜90°が好適
である。
【0063】さらにまたプロセスラインを動かしてみ
て、シールの状態や弾性回転ロール44の回転抵抗の状
態を確認してから、弾性回転ロール44を取付けたまま
で前記シールの状態および回転抵抗の状態を任意に調整
することができるので、プロセスラインを調整作業のた
めに長時間停止する必要がなく、生産性の低下が防がれ
る。特に従来のように弾性回転ロールの軸線方向外方に
側壁が設けられていないので、シール装置41の設置に
も弾性回転ロール44の取替作業にも大きなスペースを
必要とせず、構成を簡素化して、区画出入口付近の他の
装置にスペースをとり易くしてその設計上の自由度を大
きくし、シール装置41の小形化や製造コストの低減を
図ることができる。また弾性回転ロール44をフレーム
51の真下から、横から、あるいは軸線方向外方からの
いずれの位置からでも装着することができるので、弾性
回転ロール44の取付作業に自由度が有り容易である。
【0064】図5は本発明の他の実施例のシール装置4
1aを示す一部の拡大断面図である。なお、前述の実施
例と対応する部分には同一の参照符を付す。本実施例の
シール装置41aは、回転ディスク56内に摺動リング
92を図示しておらず、弾性被覆層70が一体成型され
た各種ゴム等の弾性体から成り、図1、図3に図示する
外ねじ71、ナット72、フランジ73、カバー69が
設けられていない点で、図1および図3に示される実施
例と相違する。ロール軸46の軸端部から管路46aを
少なくとも回転ディスク56まで設け、軸端部から炉内
ガスと近似のガス、あるいは不活性ガスまたはN2 ガス
をわずか注入し、矢符Aで示されるように、外皮部材7
7の軸方向端部と第2支持部材79の外向フランジ89
の軸方向内方端部との回転摺動接触する部分の隙間(摺
動リング92は図示しない)から外周部へわずか漏洩す
ることを許容する。これにより回転ディスク56内部の
圧力を外部より高めて、外部からの空気の侵入を遮断す
ることができ、また、前述の回転摺動部の冷却効果やガ
ス流れによる回転摺動部の摩擦を減じることができる。
回転ディスク56は、図5に示す向きと左右逆に組み込
んでも何ら問題なく使用でき、さらにその際は内側軸受
82を省略して第3筒部90を直接ロール軸46に組込
んでも使用可能であり、部分点数を減らすことができ
る。
【0065】図6は、本発明のさらに他の実施例のシー
ル装置41bを示す一部の拡大断面図である。なお、前
述の実施例と対応する部分には同一の参照符を付す。本
実施例において、注目すべきは、ロール軸46の回転デ
ィスク56の軸線方向内方に隣接して、深溝玉軸受12
7が設けられており、ロール軸46と、ロール胴部12
8とが相対的に回転自在に構成されている。ロール胴部
128は、直円筒状のロールスリーブ129と、このロ
ールスリーブ129の外周面上に積層される弾性被覆層
70とから成る。深溝玉軸受127は、JIS B 1
521に規定される単列深溝玉軸受であって、鋼球から
成る複数の転動体130が、内輪131および外輪13
2にそれぞれ形成されている内輪軌道133と外輪軌道
134との間に周方向に間隔をあけて挟持されて転動す
る。各転動体130の軸線方向の両側には、環状のシー
ル材135がそれぞれ設けられ、各シール材135間に
潤滑剤としてグリース136が封入される。
【0066】このようなシールド形単列深溝玉軸受12
7は、摩擦トルクが小さく、高速性、グリース密封性お
よび防塵性が良好である。またこの深溝玉軸受127
は、内輪131と外輪132との間でラジアル力とスラ
スト力とを同時に受けることができる。このような深溝
玉軸受127は、一例として述べると、日本精工(株)
製の鋼板製のシールを使ったシールド形(ZZ形)、ゴ
ム製のシールを使った非接触ゴムシールド形(VV形)
または接触ゴムシールド形(DDU形)などを用いるこ
とができる。このような深溝玉軸受127は、ロールス
リーブ129の内周部に嵌着された止め輪137によっ
て抜止めされている。
【0067】このような構成によれば、ばね103の弾
発力によって弾性被覆層70の軸線方向外方の端面13
8に回転ディスク56の外皮部材77の軸線方向内方の
端面139が密着するので、ロール128の端面をシー
ルすることができる。しかも、上述の深溝玉軸受127
はグリース136が封入されているため、極めて回転抵
抗が少ない。この実施例の場合、ロール軸46は、ロー
ル胴部128が金属帯42の通過とともに回転しても、
回転せず、したがって軸受60は必ずしもベアリングを
使用した軸受である必要はないが、図示の如くベアリン
グ使用の軸受であっても何ら問題はない。また回転ディ
スク56の第2支持部材の内側軸受(図示しない)も必
要でなく、シールディスク47の軸受98も不要である
が、有っても何ら問題はない。
【0068】図7は、本発明のさらに他の実施例のシー
ル装置41cを示す一部の拡大断面図である。なお、前
述の実施例と対応する部分には同一の参照符を付す。本
実施例のシール装置41cは、いわばシールディスク4
7の代わりに回転ディスク56を使用した構成であっ
て、第1支持部材78の第2筒部88の外周面上に外皮
部材77の第1筒部87を被せて、その外周面を直接側
壁49の円弧状当接面52に当接させ、シールするもの
である。また第1支持部材78の第2内向フランジ部8
6は軸線方向外方(図8の左方)に形成されており、前
述の実施例に比較すれば、回転ディスク56は軸線方向
を反転させてロール軸46に組込み、つまり第1支持部
材78と第2支持部材79とを入れ換えた構成である。
ロール軸46は、前述の図6に示される実施例と同様
に、深溝玉軸受127によってロール軸46とロールス
リーブ129とが回転の縁切をされている。
【0069】このような構成によって、ロール胴部12
8の弾性被覆層70の両端面138間の軸線方向長さを
一定としたとき、その端面138よりも軸線方向外方に
配置される前記回転ディスク56の第1支持部材78、
押圧手段57、シール用側壁49などの構成を軸線方向
内方に近寄せることができ、またシールディスク47を
省略できて構成を小形化することが可能となる。
【0070】図8は、本発明のさらに他の実施例のシー
ル装置41aを示す一部の拡大断面図である。なお、本
実施例は前述の図5に示される実施例と類似しており、
対応する部分には同一の参照符を付す。本実施例のシー
ル装置41dでは、図5に示される実施例のように、第
2支持部材79とロール軸46との間の内側軸受82を
設けずに、この内側軸受82に代えて第2支持部材79
の第3筒部90にその軸線方向両端部に連なって半径方
向内方に延びる一対の内向き突部141,142を一体
的に形成し、ロール軸46に直接に嵌着するようにして
もよい。
【0071】このような構成によって、内側軸受82を
省略することができ、これによって部品点数を削減し、
組立作業を簡略化し、製作コストの削減および保全性の
向上を図ることができる。本実施例において、回転ディ
スク56は図5に示される実施例の軸線方向を反転させ
た形と同様に構成され、その軸線方向外方にシールディ
スク47が図1、図3および図6に示される各実施例と
同様にして設けられる。
【0072】このような構成によってもまた、図5に示
される実施例と同様な効果を達成することができる。
【0073】図9は、本発明のさらに他の実施例のシー
ル装置41eを示す一部の拡大断面図である。なお、前
述の実施例と対応する部分には同一の参照符を付す。本
実施例のシール装置41eは、シールディスク47とロ
ール胴部128との間に、弾性回転ロールの回転トルク
をシールディスクへ伝えないように縁切をする手段であ
る回転ディスク56に代わるものとして、2枚のスリッ
プディスク145,146が介在される。各スリップデ
ィスク145,146の外径は、ロール胴部128およ
びシールディスク47の外径よりもΔd1だけ僅かに小
さく選ばれる。また各スリップディスク145,146
は、その中央に弾性回転ロール44のロール軸46が挿
通される貫通孔が穿設されており、相互に重ね合わせて
配置される。
【0074】これらのスリップディスク145,146
は、その相互の接触面における動摩擦係数が小さくかつ
摩耗しにくい材料、たとえば(a)ポリテトラフルオロ
エチレン樹脂などのフッ素樹脂を板状にしたもの、また
は(b)ポリテトラフルオロエチレン樹脂などのフッ素
樹脂を主成分として、耐摩耗性および剛性ならびに導電
性を向上するための充填剤として、グラスファイバ、グ
ラファイト、グラスファイバおよび2硫化モリブデン、
グラスファイバおよびグラスファイト、ブロンズ、カー
ボンファイバのうちいずれか1つを用いて板状にしたも
の(商品名エクセライト)、あるいは(c)金属板の内
周面および外周面ならびに両側面を含む全表面にフッ素
樹脂だけかまたは充填剤の入ったフッ素樹脂を、塗布、
吹付け、あるいは焼付けて板状にしたもの、さらに
(d)金属板の両側面にフッ素樹脂のみか、または充填
剤入りフッ素樹脂を、塗布、吹付けあるいは焼付けによ
って板状にしたものを貼着したもの、(e)超高分子量
ポリエチレン(商品名ニューライト)を板状にしたもの
の中から適宜選択して用いることができる。
【0075】このようなスリップディスク145,14
6の外径は、前述したようにロール本体55およびシー
ルディスク47の外径よりも僅かに小さく、少なくとも
たとえば金属帯42の最大板厚ΔT分小さな外径を有し
ている。このように各スリップディスク145,146
の外径を小さくするのは、各弾性回転ロール44が弾性
パッド45と金属帯42とに押付けられたとき、各弾性
回転ロール44の外周面が変形して、その押付け位置に
おいて外径が小さくなり、ロール軸46の軸間距離が短
くなり、このとき各弾性回転ロール44にそれぞれ設け
られる各スリップディスク145,146が接触して、
弾性ロール44のロール軸46の軸の接近を阻害し、各
弾性ロール44間のシール性を害しないためである。
【0076】またこのようなスリップディスク145,
146は、弾性回転ロール44の回転によって常に摩擦
されて発熱し柔らかくなるので、剛性をあげるため、各
種の充填剤を加え、耐摩耗性を向上するようにしてもよ
い。またポリテトロフルオロエチレン樹脂をそのまま用
いたのでは、帯電量が大きくなって火花を発生する危険
があるため、充填材としてカーボンを加えて電気比抵抗
値1〜107 Ω・cmの範囲の導電性を付与するように
してもよい。
【0077】以上の各実施例では、雰囲気設備として竪
形の光輝焼鈍炉43について説明したけれども、横形の
光輝焼鈍炉であってもよい。また雰囲気設備として光輝
焼鈍炉に限るものではなく、連続式の真空蒸着炉であっ
てもよく、さらに大気圧よりも低い減圧下で操業する連
続式の塗装装置や洗浄装置などの有機溶剤取扱設備など
であってもよい。特に光輝焼鈍炉では、安定した回転抵
抗が得られるため、赤熱した炉内金属帯への張力制御に
外乱がなく、炉内の金属帯42の張力が安定するため、
適正な一定張力で操業することができ、金属帯の熱処理
後の金属帯42の形状が良好になり、品質を向上するこ
とができる。
【0078】図10は、本発明のさらに他の実施例のシ
ール装置41fを示す一部の拡大断面図である。なお、
前述の実施例と対応する部分には、同一の参照符を付
す。本実施例のシール装置41fは、弾性パッド45の
表層部54の不織布が弾性回転ロール44によって摩擦
されて毛羽立つ、あるいは繊維が抜けることをより完全
に防止するため、弾性回転ロール44と弾性パッド45
とを直接接触させず、弾性パッド45の表層部54の不
織布との摩擦係数が小さい、滑らかな表面を持つ剛性ロ
ール44aを組合わす。
【0079】剛性ロール44a表面は、金属等の硬い材
料で、たとえばCrメッキ、タングステンカーバイト、
ステンレス鋼等をJIS B0031(1982)規定
の▽▽▽印でRa1.6a、Rmax6.3S、RZ
6.3Z以下程度に、非常に滑らかに仕上げられてお
り、弾性押圧体の表層部54が不織布の被覆層を有する
場合、不織布と回転摺動接触をしても相互の摩擦係数が
非常に小さい。たとえば、ゴム/不織布のμ≒0.5に
対して、Crメッキ/不織布のμ≒0.05であること
が実測の結果、確認されている。そのため、強く押付け
ても不織布の繊維が抜けることはなく、毛羽立ちもな
い。剛性ロール44a表面が導電体で、ロール軸44b
等を通じて接地されているので、静電気の帯電はなく、
絶縁体であっても帯電電位は非常に低く、問題とならな
い。また、金属等の硬い材料である剛性ロール44aの
表面は、弾性パッド45を強く押圧しても、剛性ロール
44a表面に不織布の繊維で疵が付かない。さらに、剛
性ロール44a、表層部54ともに摩擦による消耗が少
ない。また、剛性ロール44aにも、弾性回転ロール4
4と同様な回転ディスク56やスリップリング145,
146と、シールディスク47、押圧手段57、シール
用側壁49が全く同様に使用できる。また、ロール開閉
手段53も、弾性回転ロール44のものと同様の機構
(図示しない)が利用できる。これらのことより、剛性
ロール44aと弾性パッド45とを充分強く押圧して、
長期に亘り安定したシールが継続できる。
【0080】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、弾性回転
ロールの軸線方向両端部に回転ディスクまたはスリップ
ディスクを組込み、その軸線方向外方にシールディスク
を設け、このシールディスクの外周面をシール用側壁に
密着させるとともに、弾性回転ロールと、回転ディスク
またはスリップディスクの外周面に弾性パッドを押付け
てシール装置を構成した。従来のように、炉体に固定さ
れて向合った側壁と側壁の間の、決まった寸法の中にゴ
ム製のワッシャの弾発力を拘束することで、弾性回転ロ
ールの両端部のシール性を確保する必要がない。したが
って、弾性回転ロールの軸方向の動きを、シールに必要
な力以上で拘束することなくシールができる。
【0081】つまり、本発明によるシールディスクの効
果としては、次のものが挙げられる。
【0082】(1)弾性回転ロールが熱膨張しても側壁
が軸方向の動きを拘束しないので、自由に軸方向の伸縮
ができ、先行技術の如く、側壁との押圧力に変化があっ
たり、回転抵抗が過大になったり、収縮の際、隙間が発
生しないので、シール性の低下がない。
【0083】(2)金属帯の蛇行による一方向へのスラ
スト力を受け、軸の変位があった場合、先行技術では側
壁に押付けられることで、回転抵抗が過大になり、その
弾性回転ロールの速度が遅くなることにより、金属帯の
炉内の張力は、入口シールで発生した場合過大になり、
出口シールで発生した場合過小になり、赤熱している炉
内の金属帯の形状を崩すことがあった。また、一方では
反対側の側壁部では弾性ワッシャの側壁への押圧力が減
じることになり、隙間が空き、シール性が悪くなること
もあった。本発明では、弾性回転ロールの側面のシール
は、弾性回転ロールの軸自身に装着されており、一体と
なって動くので、金属帯の蛇行による一方向へのスラス
ト力を受けても回転抵抗の変化はないし、反対側の側壁
部に隙間が発生することもなく、シール性の低下がな
い。
【0084】(3)弾性回転ロールの回転トルクの縁切
り手段として、スリップディスクを使う場合、先行技術
では摩耗によりスリップディスクが薄くなり、弾性ワッ
シャの膨張代を超えると、隙間が発生することもあっ
た。本発明では、摩耗によりスリップディスクが薄くな
った分は、押圧手段であるバネの押圧力が補償して隙間
を作らないことに加えて、押圧手段のナットを調整して
押圧力を弾性回転ロールを取外すことなく簡単に変更で
きるので、シール性の低下がなく、安定した操業ができ
る。
【0085】(4)押圧手段のねじとナットで位置調整
することに加えて、バネを介して押圧することで各種の
バネ定数を選定できることや、ねじとナットの調整で1
つのバネであってもバネ出力を任意にでき、シールに最
適な押圧力を任意に選べるのでシール性の調整がやりよ
い。
【0086】(5)弾性回転ロールの取付けは、先行技
術では炉体に固定されて向合った側壁と側壁の間の、決
まった寸法の中に、正確に弾性ワッシャ等の厚みを考慮
して組込み弾性回転ロールの軸線方向両端部で、均等な
弾性ワッシャの弾発力を発生させるよう弾性回転ロール
の軸方向位置を決めて固定する必要があり、手間がかか
り熟練を要した。本発明では、シールディスクの位置と
シール用側壁の位置がおおよそあっていれば、シールデ
ィスクの厚みがシール用側壁の幅より大きいので、軸方
向に変位させても当接面との密着が保たれることによ
り、弾性回転ロールを取付けた後にも、押圧手段のねじ
筒体の位置やねじとナットの調整でシールに最適な位置
を各弾性回転ロールの端部個別に自由に調整でき、手間
と熟練が不要である。
【0087】(6)不織布ディスクを積層して作る弾性
回転ロールの場合、使用期間が長くなると各不織布ディ
スクに収縮が発生し、フランジを固定しているナットを
増締めして調整することがある。その場合、弾性回転ロ
ール胴部長さが短くなり、カバーや回転ディスクは内側
へ寄るが、その際は、押圧手段のねじ筒体位置やねじ
と、ナットでシールディスクがシール用側壁の当接面と
の密着が保たれている範囲で調整でき、カバーや回転デ
ィスクはそのまま流用することができる。つまり、弾性
回転ロールの寿命を延ばすことができることになり、経
済的である。
【0088】さらに本発明によれば、弾性回転ロールの
外周面は、1〜107 Ω・cmの電気比抵抗値を有する
導電性とされるので、静電気の帯電による火花放電を防
ぐことができる。したがって火災の発生が防止でき、火
災の消火や消火後の修理期間の生産中止がなく生産能力
が低下しない。
【0089】さらに本発明によれば、シールディスクの
弾性体および弾性回転ロールの外周面に設けられる弾性
体は、天然ゴム、イソプレンゴム、SBR、NBR、C
R、ブチルゴム、多硫化ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴ
ム、ウレタンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩
素化ポリエチレン、ブタジエンゴム、EPDM、アクリ
ルゴム、またはヒドリンゴムを用いるようにしたので、
適度な弾力性が有り、通気性が無いので金属帯の表面に
上記弾性体を密着させて、シール性を向上することがで
きる。したがって雰囲気ガスの消費が少なく経済的であ
るし、侵入空気による酸化着色が無いため、品質向上が
図れる。
【0090】さらに本発明によれば、弾性回転ロールの
外周面を複数枚の不織布性ディスクを積層するか、また
は長尺の不織布帯を螺旋状に巻付けて積層することによ
って構成されるので、このような不織布はゴムなどに比
べて金属帯に対する動摩擦係数が大きいために金属帯と
のスリップが起きにくく、金属帯の表面への損傷を防ぐ
ことができる。
【0091】さらに本発明によれば、前記不織布はその
電気比抵抗値が1〜107 Ω・cmの範囲にある導電性
を有するので、静電気による火花放電を防ぎ、安全性を
向上することができる。
【0092】さらに本発明によれば、回転ディスクは外
側および内側の軸受によってラジアル方向とスラスト方
向との双方の回転による負荷が軽減されるので、弾性回
転ロールを円滑に回転させて金属帯と弾性回転ロールと
を充分密着させても回転抵抗が大きくならず、炉内張力
に悪影響を与えることなく、シール性を向上することが
できる。また、弾性回転ロールの軸線方向両端部とシー
ルディスクとの間で、炉内雰囲気ガスのシールを行いな
がら、各弾性回転ロールの回転力の伝達を遮断すること
ができるので、外気の炉内への侵入を防ぐことができ
る。したがって、光輝焼鈍炉では、露点の低い状態で操
業でき、光輝度の高い高品質の製品が生産できる。
【0093】さらに本発明によれば、回転ディスクの第
2支持部材のフランジ部は、ロール本体の軸線方向に向
かって直径が減少する方向に延びる傾斜面が形成される
ので、対向するフランジ部の傾斜面と外皮部材の端面と
の間に形成される空間に、端面封止部材の弾発力を有す
る材料から成る外周部が押付けられて入込み、高いシー
ル性を達成することができる。したがって、高価な雰囲
気ガスの消費が減り、生産コストが低減できる。
【0094】さらに本発明によれば、回転ディスクの外
皮部材および端面封止部材は、1〜107 Ω・cmの電
気比抵抗値を有するので、対向する弾性回転ロールの回
転ディスク同士や端面封止部材同士の回転による剥離変
形により、静電気が発生し易い条件であっても、弾性パ
ッドとの間で連続的な摺動摩擦が行われても静電気によ
る帯電を防ぎ、火花放電の発生をなくすことができ、火
災、爆発の心配なく安定した操業ができる。
【0095】さらに本発明によれば、弾性パッドは少な
くとも弾性回転ロールに接する表層部が不織布で構成さ
れており、全体としてJIS 6050で規定される硬
度10°〜50°の弾性体であるので、適度な柔軟性が
あり、全体に亘って均一に押付けられ、弾性回転ロール
の表面の凹凸によくなじみ、軟らかい弾性回転ロールの
被覆を傷付けることなく、高いシール性を確保すること
ができる。よって、雰囲気ガスの消費が少ないこと、ロ
ールの傷みが少ないなど、安定して高品質の製品が製造
できる。
【0096】さらに本発明によれば、弾性パッドは少な
くとも弾性回転ロールに接する表層部において、10-3
〜107 Ω・cmの電気比抵抗値を有するので、弾性回
転ロール同士の接触回転による被覆の摩擦、変形、剥離
や弾性回転ロールと弾性パッドとの摩擦により静電気が
発生しても火花放電を発生させず、アースやコロナ放電
によって帯電を防止し、火災や爆発を防ぐことができ
る。したがって、火災による生産中止の防止や安全な操
業ができる。
【0097】さらに本発明によれば、弾性パッドは少な
くとも弾性回転ロールに接する表層部が限界酸素指数L
OI値が26以上を満足する素材より成るので、シール
部が万一火災を起こし、短時間で消火された場合には、
溶融滴下しないことや、自己消火特性を持つために燃焼
の継続がなく、シール性に性能低下がなく、直ちに操業
が再開でき、生産中止の影響が少なく、生産性が上が
る。
【0098】弾性回転ロールのロール胴部とロール軸が
回転自在に構成されたものでは、次に挙げる効果があ
る。
【0099】(1)ロール軸は固定で回転しないので、
回転部分の重量を軽くすることができる。また、弾性回
転ロール端面のシールに、ベアリングを使用した回転デ
ィスクを組合わせている。このため、回転部分の回転抵
抗が小さい、回転部分の回転時の慣性力(GD)が小さ
い、などのため付勢手段であるモータやモータの加減速
を制御する制御装置がなくても、プロセスラインを通板
される金属帯によって回転されられ、シールすることが
できる。付勢手段であるモータを設置する場合、モータ
自身や、付随する減速機の慣性力が大きい場合があり、
不適性な制御ではかえってプロセスラインを通板される
金属帯に外乱を与える場合があったが、本発明ではその
可能性がなく、しかも簡素で安価である。 (2)付勢手段であるモータや付随する減速機がないの
で、設備が小型化できる。 (3)ロール軸は固定で固定しないので、ロール軸両側
に取付けた押圧手段はプロセスラインの運転中でも調整
可能であり、バネを締めてシールディスク端面への押圧
力を強くする、あるいはその逆もプロセスラインの運転
中に調整可能である。したがって、プロセスラインの生
産中止時間なしのシール装置の最適調整ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシール装置41を示す一部
の拡大正面図である。
【図2】図1の左側から見たシール装置41の側面図で
ある。
【図3】図2の切断面線A−Aから見た拡大断面図であ
る。
【図4】弾性パッド45をフレーム51に取付けるため
の具体的構成を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施例のシール装置41aを示す
一部の拡大断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例のシール装置41b
を示す一部の拡大断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例のシール装置41c
を示す一部の拡大断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例のシール装置41d
を示す一部の拡大断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例のシール装置41e
を示す一部の拡大断面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施例のシール装置41
fを示す一部の拡大側面断面図である。
【図11】典型的な先行技術のシール装置1,2を備え
る光輝焼鈍炉3の簡略化した断面図である。
【図12】図11に示されるシール装置1を示す一部の
拡大正面図である。
【図13】図12の左側から見た側面図である。
【符号の説明】
41,41a〜41f シール装置 42 金属帯 43 光輝焼鈍炉 44 弾性回転ロール 45 弾性パッド 46 ロール軸 47 シールディスク 48 炉体 49 シール用側壁 50 炉内ガス 51 フレーム 52 円弧状当接面 53 ロール開閉手段 56 回転ディスク 57 押圧手段 60 軸受 66 外周面 69 カバー 70 弾性被覆層 74 不織布製ディスク 75 カバー本体 76 外層 77 外皮部材 78 第1支持部材 79 第2支持部材 80 外側軸受 81 止め輪 82 内側軸受 83 端面封止部材 85 第1フランジ部 86 第2フランジ部 87 第1筒部 88 第2筒部 97 シールディスク弾性体 100 外ねじ 101 ねじ筒体 102 ナット 103 ばね(皿ばね、コイルばね) 108 シール金物

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内に連続通板される金属帯を、炉内雰
    囲気によって雰囲気処理する炉体の区画された入口およ
    び出口のうち少なくとも一方に設けられる一対の弾性回
    転ロールと、各弾性回転ロールに炉内側から各弾性回転
    ロールの軸線方向全長にわたって押付けられる一対の弾
    性パッドとを備える雰囲気設備の区画出入口におけるシ
    ール装置において、 各弾性回転ロールのロール軸の軸線方向両端部にそれぞ
    れ同軸に軸受を介して装着され、環状または中空円筒型
    の弾性体を保持して成るシールディスクと、 各弾性回転ロール胴部の端部と各一対のシールディスク
    の間に位置して、弾性回転ロールの回転トルクをシール
    ディスクへ伝えないように縁切りをする手段と、 対向する各一対のシールディスクの相互の弾性体外周の
    接触位置から、対向する各々のシールディスクの弾性体
    と各弾性パッドとの接触位置にわたって各一対のシール
    ディスクの弾性体の外周面に当接し、前記シールディス
    クの弾性体の外周面と炉体との間を塞ぐ一対のシール用
    側壁とを含むことを特徴とする雰囲気設備の区画出入口
    におけるシール装置。
  2. 【請求項2】 各弾性回転ロールのロール軸の軸線方向
    両端部には、各一対のシールディスクを軸線方向に位置
    調整をする手段と相互に近接する方向に弾発的に押圧力
    の調整をする押圧手段とが設けられることを特徴とする
    請求項1記載の雰囲気設備の区画出入口におけるシール
    装置。
  3. 【請求項3】 押圧手段は、各弾性回転ロールの各ロー
    ル軸の軸線方向両端部に装着されるばねと、各ロール軸
    の軸線方向両端部に各シールディスクの外方側から装着
    され、外周部に外ねじが刻設されるねじ筒体と、各ねじ
    筒体に螺着され、各ばねを支持するナットとを含むこと
    を特徴とする請求項2記載の雰囲気設備の区画出入口に
    おけるシール装置。
  4. 【請求項4】 シールディスクの弾性体は、シリコンゴ
    ム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、SBR、NBR、
    EPDM、ウレタンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴ
    ム、多硫化ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素
    化ポリエチレン、ブタジエンゴム、アクリルゴム、およ
    びヒドリンゴムから選ばれる1種類の弾性体であり、J
    IS K 6301 A値で40°〜90°の硬度を有
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    雰囲気設備の区画出入口におけるシール装置。
  5. 【請求項5】 シールディスクの弾性体は、その軸線方
    向長さがシール用側壁の前記軸線方向に沿う幅よりも少
    なくとも軸線方向内方に大きく選ばれることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の雰囲気設備の区画出
    入口におけるシール装置。
  6. 【請求項6】 弾性回転ロールの被覆部材としての弾性
    体が、天然ゴム、イソプレンゴム、SBR、NBR、C
    R、ブチルゴム、多硫化ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴ
    ム、ウレタンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩
    素化ポリエチレン、ブタジエンゴム、EPDM、アクリ
    ルゴム、またはヒドリンゴムであり、硬度がJIS K
    6301 A値で40°〜90°であることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載の雰囲気設備の区画
    出入口におけるシール装置。
  7. 【請求項7】 弾性回転ロールは、ロール軸の外周面の
    胴長方向に、少なくとも外周部が1〜107 Ω・cmの
    電気比抵抗値を有する弾性体を円筒状に被覆して一体的
    に形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載の雰囲気設備の区画出入口におけるシール装置。
  8. 【請求項8】 弾性回転ロールの被覆部材としての弾性
    体が、ロール軸の外周面の胴長方向に、複数枚の不織布
    製ディスクを積層するか、または長尺の不織布帯を螺旋
    状に巻付けて積層することによって一体的に形成され、
    ロール軸の両側端面にフランジを設け、フランジとフラ
    ンジとの間に複数枚の不織布製ディスクを積層するか、
    または不織布帯を螺旋状に巻付けて積層した後に、フラ
    ンジを押圧することによって、積層された不織布製ディ
    スクまたは不織布帯を一体化して固定し、さらにフラン
    ジの外方を覆う弾性体で被覆された円筒状のカバーを、
    その外径は弾性回転ロールの胴部直径と同一にして、カ
    バーの軸線方向外方の端部が弾性回転ロールのロール軸
    に嵌め込まれ、かつ軸線方向内方の端部がフランジに当
    接するように設け、カバーの軸線方向外方の端部は、弾
    性体によって被覆するか、または弾性体によって被覆さ
    れないことを特徴とする請求項1〜5または7のいずれ
    かに記載の雰囲気設備の区画出入口におけるシール装
    置。
  9. 【請求項9】 弾性回転ロールの被覆部材としての不織
    布は、カーボンを混入した繊維を含む不織布、または電
    子共役系導電性高分子であるポリピロールを化学的に形
    成させた繊維を使用する不織布、またはアクリル繊維を
    2価の銅化合物と硫黄とを含む化合物で処理して製造す
    る繊維を使用する不織布であって、いずれも電気比抵抗
    値が1〜107 Ω・cmの範囲にある導電性不織布であ
    ることを特徴とする請求項7または8記載の雰囲気設備
    の区画出入口におけるシール装置。
  10. 【請求項10】 弾性回転ロールのロール胴部の端部と
    シールディスクとの間には、回転ディスクが有り、回転
    ディスクを構成する部材として、 弾性回転ロールの両端に設けられ、弾性回転ロールの端
    面に当接する第1フランジ部と、第1フランジ部の外周
    部から弾性回転ロールの軸線方向外方に延びる第1筒部
    とを有し、弾力性を有する材料から成る外皮部材と、 弾性回転ロールの両端で、第1フランジ部の外表面に接
    合される第2フランジ部と、第2フランジ部の外周部か
    ら弾性回転ロールの軸線方向外方に延びる第2筒部とを
    有し、剛性を有する材料から成る第1支持部材と、 弾性回転ロールの両端で、第2フランジ部よりも弾性回
    転ロールの軸線方向外方で、弾性回転ロールのロール軸
    と第2筒部との間に配置される第3筒部と、第3筒部の
    弾性回転ロールの軸線方向外方の端面から弾性回転ロー
    ルの半径方向に延びるフランジ部とを有し、剛性を有す
    る材料から成る第2支持部材と、 弾性回転ロールの両端で、第3筒部と第2筒部との間に
    介在され、ラジアル力とスラスト力とを受ける外側軸受
    と、 弾性回転ロールの両端で、第3筒部と弾性回転ロールの
    ロール軸との間に介在される内側軸受と、 弾性回転ロールの両端で、シールディスクと回転ディス
    クの第2支持部材のフランジ部との間に介在され、弾力
    性を有する材料から成る端面封止部材とを含むことを特
    徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の雰囲気設備の
    区画出入口におけるシール装置。
  11. 【請求項11】 回転ディスクの第2支持部材のフラン
    ジ部には、その外周に弾性回転ロールの軸線方向外方に
    なるにつれて直径が減少する傾斜面が形成されることを
    特徴とする請求項10記載の雰囲気設備の区画出入口に
    おけるシール装置。
  12. 【請求項12】 回転ディスクの外皮部材および端面封
    止部材は、電気比抵抗値が1〜107 Ω・cmの弾性体
    から成ることを特徴とする請求項10または11に記載
    の雰囲気設備の区画出入口におけるシール装置。
  13. 【請求項13】 弾性パッドは、少なくとも弾性回転ロ
    ールに接する表層部が不織布で構成されており、全体と
    してJIS S 6050で規定される硬度が10°〜
    50°の弾性体であることを特徴とする請求項1〜12
    のいずれかに記載の雰囲気設備の区画出入口におけるシ
    ール装置。
  14. 【請求項14】 弾性パッドは、少なくとも弾性回転ロ
    ールに接する表層部において10-3〜107 Ω・cmの
    電気比抵抗値を有することを特徴とする請求項1〜13
    のいずれかに記載の雰囲気設備の区画出入口におけるシ
    ール装置。
  15. 【請求項15】 弾性パッドは、少なくとも弾性回転ロ
    ールに接する表層部が限界酸素指数、すなわち繊維が燃
    焼を維持するために必要な最低限の酸素体積分率の指数
    であるLOI値が26以上を満足する素材より成ること
    を特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の雰囲気
    設備の区画出入口におけるシール装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08281188A (ja) * 1995-04-18 1996-10-29 Nisshin Steel Co Ltd 雰囲気設備の区画出入口におけるシール装置
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