JPH08265696A - データ記録装置およびデータ送出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】１本のテープを再生することにより、複数の番
組を送出することができるようにテープにビデオデータ
を記録するデータ記録装置、および、そのテープを用い
てビデオデータを送出するデータ送出装置を提供する。 【構成】所定時間ずつずれた同一番組が記録された８つ
のビデオテープ５０ａ〜５０ｈは、各々データ記録装置
１０の再生部１１ａ〜１１ｈにセットされ再生される。
再生された８系統のビデオデータは、圧縮部１２の８つ
の圧縮装置１２ａ〜１２ｈにおいて各々０．５ＭＢｐｓ
のデータに圧縮され、データ変換部１３の８つの変換装
置１３ａ〜１３ｈにおいて各々１ビットのビットストリ
ームに並直列変換される。そして、記録部１４におい
て、８系統分の８ビットのデータをビデオテープ５１に
４ＭＢｐｓのレートで同時に並列に記録する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえば、任意の時刻
に発生する要求に応じて適宜ビデオデータを配信するこ
とができるニア・ビデオ・オン・デマンドに用いて好適
なデータ記録装置、および、データ送出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】デジタルデータを伝送する伝送技術、デ
ジタルデータを記録する記録技術などのデジタル技術
は、近年急速に発展している。たとえば、大容量、高速
転送レートを必要としていた動画像データは、ＭＰＥＧ
などの画像圧縮技術の開発により、低容量化と低転送レ
ート化が可能となった。また、記録技術および記録媒体
の開発によりデータ記録装置の大容量化、高速化も進ん
でいる。その結果、２時間の動画像番組データを１巻の
ビデオデータに数番組分収録することも可能になってい
る。

【０００３】また、前記動画像データの低容量化や低レ
ート転送の技術を、ケーブルテレビシステム（ＣＡＴ
Ｖ）や衛星放送に利用し、多チャンネル放送やビデオ・
オン・デマンド（ＶＯＤ）、ニア・ビデオ・オン・デマ
ンド（ＮＶＯＤ）などのシステムも実現されつつある。
そのようなＶＯＤシステムやＮＶＯＤシステムの実現に
は、低容量、低転送レートながらランダムアクセス可能
なハードディスク装置やＭＯディスク装置などの記録媒
体を、動画像データの記録媒体として用いることができ
るようになったことも大きく寄与している。

【０００４】一方、シーケンシャルデバイスであるテー
プ媒体は、ビット当りの記録コストが安いという大きな
メリットがあるため、動画像データを蓄積する場合や複
雑なアクセスを必要とせず普通に再生する場合には、こ
れまで同様テープ媒体が主に用いられている。ただしそ
の際にも、テープ媒体でランダムアクセスはできないの
で、１本のテープにおいては１番組または複数の番組が
順番に記録され、保存され、順番に再生される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし前述したような
これまでのビデオデータの取り扱い、すなわち、保存し
たり通常の再生を行う際にはテープ媒体を用い、ＮＶＯ
Ｄシステムに適用する場合にはハードディスク装置やＭ
Ｏ装置を用いるビデオデータの取り扱いにおいては、同
一のビデオデータを異なる媒体で取り扱わなければなら
ないために種々の問題が生じた。

【０００６】たとえば、テープに記録されていたビデオ
データをＮＶＯＤシステムで使用する場合には、テープ
媒体からディスク媒体へのダビング作業が必要で、面倒
であった。その上に、ダビングに時間がかかり直ちにそ
のビデオデータを使用することはできなかった。また逆
に、ＮＶＯＤシステムでの使用を終了し長期的に保存し
たいビデオデータは、テープ媒体にダビングし直すとい
う作業を行わなければならなかった。

【０００７】さらにそのような構成のＮＶＯＤシステム
においては、テープ媒体とディスク媒体との間のデータ
転送のための装置、すなわちダビング装置が必要とな
り、少しでもシステムを小型化したいという強い要望に
反してシステムが大型になるという問題が生じた。ま
た、メンテナンスも煩雑になるという問題も生じた。

【０００８】したがって、本発明の目的は、媒体間でダ
ビングする必要がなく、長期的な保存も、通常の再生
も、ＮＶＯＤシステムに適用した場合の再生も、同じ媒
体に記録されたビデオデータで行えるように、ビデオデ
ータを媒体上に記録するデータ記録装置を提供すること
にある。また、本発明の他の目的は、そのようなデータ
記録装置によりビデオデータが記録された媒体からビデ
オデータを読み出し、複数のチャネルに複数の番組デー
タを同時的に送出することが可能な、ＮＶＯＤシステム
に用いて好適なデータ送出装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】複数のチャネルに同時に
データを送出するＮＶＯＤシステムにおいては、基本的
に時系列データであるビデオデータをランダムに高速に
アクセスして同時的にデータを読み出す。しかし、その
アクセスの順序は規則的であり変化することはなく、ラ
ンダムアクセスが必須なわけではない。すなわち、シー
ケンシャルなアクセスしか行えないテープ媒体において
も実現可能なはずである。したがって、そのアクセスす
る順序でビデオデータを、同時あるいは同時的に読み出
せるようにテープ媒体に記録しておけば、テープ媒体で
のＮＶＯＤシステムの構築が可能である。

【００１０】したがって、本発明のデータ記録装置は、
所定の時間差で順次並列に出力される複数のビデオデー
タより要求に応じて１つのビデオデータを選択して送出
するニア・ビデオ・オン・デマンドシステムにデータを
供給するために、テープ記録媒体に前記ビデオデータを
記録するデータ記録装置であって、２以上のＮ種類のビ
デオデータを各々所定のデータレート以下に圧縮する圧
縮手段と、前記圧縮されたＮ種類のビデオデータを、前
記所定のデータレートのＮ倍以上のレートでテープ媒体
に同時的に記録する記録手段とを有し、前記複数のビデ
オデータを同時的にアクセス可能にテープ媒体に記録す
る。

【００１１】特定的には、前記記録手段は、前記テープ
媒体に記録する機器の入力データとして、Ｍビットを並
列に入力する手段と、前記圧縮されたＮ種類のビデオデ
ータ各々を、前記Ｍ／Ｎビットに各々対応付けて記録す
る手段とを有する。

【００１２】また特定的には、前記記録手段は、前記圧
縮されたＮ種類のビデオデータを入力データとして所定
ブロックごとに時分割で順次入力する手段と、前記圧縮
されたＮ種類のビデオデータ各々を各ブロックに対応付
けて記録する手段とを有する。

【００１３】また、本発明のデータ送出装置は、所定の
時間差で順次並列に出力される複数のビデオデータより
要求に応じて１つのビデオデータを選択して送出するニ
ア・ビデオ・オン・デマンドシステムに適用するデータ
送出装置であって、複数のビデオデータが同時的にアク
セス可能な範囲内に順次記録されているテープ媒体を再
生する再生手段と、前記再生されたデータより、前記複
数のビデオデータを各々分離する分離手段と、前記分離
された複数のビデオデータ各々を所定のチャネルに送出
する送出手段とを有する。

【００１４】

【作用】本発明のデータ記録装置によれば、Ｎ種類のビ
デオデータ各々を圧縮手段により所定のデータレートに
圧縮し、その圧縮されたＮ種類のビデオデータ各々をテ
ープ媒体上の同時的にアクセス可能な範囲内に、記録手
段により前記所定のデータレートのＮ倍以上のレートで
順次並列的に記録する。

【００１５】また本発明のデータ送出装置によれば、複
数のビデオデータが同時的にアクセス可能な範囲内に順
次記録されているテープ媒体を、再生手段により再生
し、その再生されたデータより前記複数のビデオデータ
を分離手段により各々分離する。そして、その分離され
た複数のビデオデータを、要求などに応じて各々所定の
チャネルに送出する。

【００１６】

【実施例】第１実施例 本発明の第１実施例として、本発明に関わるデータ記録
装置について図１および図２を参照して説明する。図１
は、本発明の第１実施例のデータ記録装置の構成を示す
ブロック図である。データ記録装置１０は、同一の番組
を一定時間ずつずらして並列に出力することが可能なＮ
ＶＯＤシステム用のテープを作成するためのデータ記録
装置である。データ記録装置１０は、再生部１１、圧縮
部１２、データ変換部１３、および、記録部１４を有す
る。

【００１７】まず、各部の構成について説明する。再生
部１１は、ビデオテープを再生する８台の通常のＶＴＲ
再生装置１１ａ〜１１ｈからなる。ＶＴＲ再生装置１１
ａ〜１１ｈで再生されるビデオテープ５０ａ〜５０ｈに
は、同一の番組が所定時間Δｔずつずらされたビデオデ
ータが、通常のフォーマットで記録されている。ＶＴＲ
再生装置１１ａ〜１１ｈで各々再生された８系統のビデ
オデータは圧縮部１２に出力される。

【００１８】圧縮部１２は、再生部１１の８台のＶＴＲ
再生装置１１ａ〜１１ｈから各々入力されたビデオデー
タを、それぞれ圧縮する圧縮手段であり、前記８系統の
ビデオデータ入力に対応して８つの圧縮装置１２ａ〜１
２ｈからなる。圧縮装置１２ａ〜１２ｈ各々において
は、非圧縮のビデオデータを、ＭＰＥＧ方式により０．
５ＭＢｐｓまで圧縮する。得られた圧縮ビデオデータは
データ変換部１３に出力される。

【００１９】データ変換部１３は、入力された８系統の
圧縮ビデオデータを各圧縮ビデオデータあたり１ビット
幅のビットストリームに変換する並直列変換手段であ
り、前記８系統の圧縮ビデオデータに対応した８つの変
換装置１３ａ〜１３ｈからなる。変換装置１３ａ〜１３
ｈで変換された各々１ビットのビットストリームは、記
録部１４に出力される。

【００２０】記録部１４は、８つの変換装置１３ａ〜１
３ｈから入力される各々のシリアルデータをビデオテー
プ５１に記録する。たとえば、本実施例において変換装
置のシリアルデータの転送速度は各々４Ｍbit/sec であ
り変換装置の合計が８ビットであることから、４ＭＢyt
e/sec の圧縮ビデオデータをビデオテープ５１に記録す
ることになる。

【００２１】記録部１４がビデオテープに記録する圧縮
ビデオデータの論理フォーマットを、図２を参照して説
明する。図２は、記録部１４によりビデオテープ５２に
番組Ａ（ｐｒｏｇＡ）のビデオデータを記録する時の入
力データの論理フォーマットをデータの流れとして、デ
ータ変換部１３ａ〜１３ｈから記録部１４の接続ケーブ
ルを示し、図示したものである。変換装置の各々のシリ
アルデータは、記録部の８ビット入力の各々１ビットに
対応しており、この各々のビットストリームは所定時間
Δｔずつずらされた番組Ａのデータの流れになってお
り、それが記録部１４を介してビデオテープ５１に記録
される。実際にテープに記録されるデータの配列は任意
でよく、実際には記録部１４を受け持つデータレコーダ
のフォーマットに従って記録される。

【００２２】次に、データ記録装置１０の動作について
説明する。所定時間Δｔずつずらされた同じ番組Ａが記
録された８つのビデオテープ５０ａ〜５０ｈは、各々再
生部１１ａ〜１１ｈにセットされ、再生される。ここで
ビデオテープ５０ａ〜５０ｈは上記の示す所定時間Δｔ
ずつずらして記録したテープではなく、同じテープを８
巻でもよく、再生部で所定時間Δｔずつ時間をずらして
再生すれば上記と同様の効果が得られる。再生された８
つのビデオデータは、圧縮部１２の８つの圧縮装置１２
ａ〜１２ｈにおいて、各々０．５Ｂｐｓ（４Ｍｂｐｓ）
のデータに圧縮され、データ変換部１３の８つの変換装
置１３ａ〜１３ｈにおいて、各々１ビットのビットスト
リーム、シリアルデータに変換される。そして、記録部
１４において、各系列のシリアルデータ８系統分を８ビ
ットの並列データ（４ＭＢyte/sec ）として、ビデオテ
ープ５１に記録する。

【００２３】このように、第１実施例のデータ記録装置
１０によれば、記録装置１４の並列入力の各ビットごと
に１つのビデオデータを記録しているので、ビデオテー
プ５１の同時的に再生される範囲内に複数のビデオデー
タを記録することができる。したがって、ＮＶＯＤシス
テムなどに適用可能な記録がビデオテープになされる。
また、ビデオデータが記録されているのは、ビデオテー
プなので、長期間の保存も無駄なく行える。

【００２４】第２実施例 本発明の第２実施例として、本発明に関わるデータ送出
装置について図３を参照して説明する。図３は、本発明
の第２実施例のデータ送出装置の構成を示すブロック図
である。データ送出装置２０は、第１実施例のデータ記
録装置１０により予めビデオデータが記録されたビデオ
テープ５１を再生し、同一の番組を一定時間ずつずらし
て並列に出力することが可能な、ＮＶＯＤシステムに適
用して好ましいデータ送出装置である。データ送出装置
２０は、再生部２１、データ分離部２２、データ変換部
２３、および、送出部２４を有する。

【００２５】まず、各部の構成について説明する。再生
部２１は、第１実施例のデータ記録装置１０により図２
に示すような論理フォーマットで記録されたビデオテー
プ５１を再生し、８ビットの圧縮ビデオデータを読み出
し、データ分離部２２に出力する。

【００２６】データ分離部２２は、再生部２１より入力
された８ビットの並列のビデオ圧縮データを１ビットづ
つに分離をし８つのビットストリーム（シリアルデー
タ）に分離、各々のデータ変換部２３の８つの変換装置
２３ａ〜２３ｈに出力する。

【００２７】データ変換部２３は、８つの１ビット幅の
ビットストリームを、８系統の圧縮ビデオデータに変換
する直並列変換手段であり、前記８つの１ビット幅のビ
ットストリームに対応した８つの変換装置２３ａ〜２３
ｈからなる。変換装置２３ａ〜２３ｈで変換された８系
統の圧縮ビデオデータは、各々所定時間Δｔずつずれた
番組Ａの圧縮ビデオデータである。これらの８系統の圧
縮ビデオデータは送出部２４に出力される。

【００２８】送出部２４は、データ変換部２３より入力
された８系統の圧縮ビデオデータより適宜１系統のビデ
オデータを選択して、送出部２４に接続されている複数
の伝送線６０に送出するマトリクススイッチャである。
送出部２４は、複数の伝送線６０各々に対応した図示せ
ぬ信号線より入力されるビデオ送出要求に応じて、デー
タ変換部２３より入力される８系統の圧縮ビデオデータ
より１系統のビデオデータを選択し、その要求に対応す
る伝送線６０に送出する。

【００２９】次に、データ送出装置２０の動作について
説明する。まず、前述したような所定のフォーマットで
８系統のビデオデータが記録されたビデオテープ５１を
再生部２１で再生すると、８ビットのパラレルデータが
読み出される。この８ビットパラレルデータをデータ分
離部２２において、１ビットずつのデータ、すなわち、
１ビット幅の８種類のビットストリームに分離する。そ
して、データ変換部２３において、それら８つの１ビッ
ト幅のビットストリームを、８系統の圧縮ビデオデータ
に直並列変換する。送出部２４においては、各伝送線６
０ごとに入力される要求に応じて、前記８系統の圧縮ビ
デオデータより１つの圧縮ビデオデータを選択し、対応
する伝送線６０に送出する。

【００３０】このように、本実施例のデータ送出装置２
０においては、１本のビデオテープを再生するのみで、
８系統のビデオデータを同時に出力することができ、さ
らに要求に応じて適切なビデオデータを選択し送出する
ことができる。したがって、このデータ送出装置２０を
用いれば、ビデオテープを用いたＮＶＯＤシステムが実
現できる。

【００３１】第３実施例 本発明の第３実施例として、本発明に関わるデータ記録
装置について図４および図５を参照して説明する。図４
は、本発明の第３実施例のデータ記録装置の構成を示す
ブロック図である。データ記録装置３０は、再生部３
１、圧縮部３２、バッファ３３、データ選択部３４、お
よび、記録部３５を有する。

【００３２】データ記録装置３０は、第１実施例のデー
タ記録装置１０同様に、同一の番組を一定時間ずつずら
して並列に出力することが可能なようにデータを記録す
るデータ記録装置である。しかし、第１実施例のデータ
記録装置が圧縮ビデオデータをシリアルデータに変換
し、記録部の入力並列データの１ビットに対応させるこ
とにより、複数のビデオ圧縮データを並列に、同時にビ
デオテープ５１に記録したのに対し、第３実施例のデー
タ記録装置３０は、各ビデオ圧縮データの１〜ＮＢyte
単位を１ブロックとして、複数のビデオ圧縮データを記
録部に時分割で入力し、ビデオテープ５１に記録するよ
うにしたものである。

【００３３】まず、各部の構成について説明する。再生
部３１は、第１実施例の再生部１１と同じ構成である。
すなわち、８台の通常のＶＴＲ再生装置３１ａ〜３１ｈ
からなり、同一の番組が所定時間Δｔずつずらして記録
されている８本のビデオテープ５０ａ〜５０ｈを各々再
生し、再生された８系統のビデオデータは圧縮部３２に
出力される。

【００３４】圧縮部３２も、第１実施例の圧縮部１２と
同じ構成である。すなわち、８つの圧縮装置３２ａ〜３
２ｈからなり、再生部３１から入力された８系統の非圧
縮のビデオデータをＭＰＥＧ方式により０．５ＭＢｐｓ
まで圧縮する。得られた８系統の圧縮ビデオデータはバ
ッファ３３に出力される。

【００３５】バッファ３３は、圧縮部３２により０．５
ＭＢｐｓに圧縮されたビデオデータを４ＭＢｐｓで記録
するための、転送レートを変換するためのバッファであ
り、圧縮部３２の８つの圧縮装置３２ａ〜３２ｈに対応
した８つのバッファ３３ａ〜３３ｈからなる。圧縮部３
２からこのバッファ３３にビデオデータが入力される際
には０．５ＭＢｐｓの転送レートでデータが入力され、
データ選択部３４からビデオデータが読み出される際に
は、８倍の４ＭＢｐｓの転送レートでビデオデータが出
力される。

【００３６】データ選択部３４は、８系統並列に処理さ
れていたビデオデータを順番に選択することにより、１
つのビデオデータストリームに変換するスイッチ手段で
ある。データ選択部３４は、バッファ３３の８つのバッ
ファ３３ａ〜３３ｈから順番に圧縮ビデオデータを読み
出し、記録部３５に出力する。この際、ビデオデータの
転送レートは８倍の４ＭＢｐｓになる。

【００３７】記録部３５は、データ選択部３４から入力
された４ＭＢｐｓの圧縮ビデオデータを、ビデオテープ
５２に記録する。

【００３８】記録部３５がビデオテープ５２に記録する
圧縮ビデオデータの論理フォーマットを図５を参照にし
て説明する。図５は、記録部３５によりビデオテープ５
２に番組Ａのビデオデータを記録する際のデータ選択部
３４から記録部３５に入力されるデータの論理フォーマ
ットをデータの流れとして、接続ケーブル５３を示し図
示したものである。実際にテープに記録されるデータの
配列は記録部３５を受け持つデータレコーダのフォーマ
ットで決まり、本発明の規定するところではない。接続
ケーブル５３の８系統のデータの流れは、１〜ＮＢyte
のデータを１ブロックとして、前記８系統の圧縮ビデオ
データをデータ選択部３４で順次選択し、時系列的に送
り出し、テープ５２の先頭より順次、系統ａ，系統ｂ〜
系統ｈの８つの系統の圧縮ビデオデータをブロックごと
に繰り返し記録する。ブロックのサイズを１〜ＮＢyte
のいずれにするかは、バッファサイズにより決まり選択
は自由である。

【００３９】また、各系統は、同じ番組Ａの所定時間Δ
ｔずつずれたビデオデータである。したがって、たとえ
ばこの時間差が１５分の差があったとすると、たとえば
系列ａのデータとして番組Ａの０時のデータが記録され
ているＡ０１のブロックが記録されている場所には、そ
れより所定時間進んだデータ、換言すれば１５分ずつ進
んだ各系統のデータが記録される。すなわち、系統ｂの
データとしては１５分進んだ０時１５分のデータＡ１１
が、系統ｃのデータとしては０時３０分のデータＡ２１
が、そして、系統ｈのデータとしては２時００分のデー
タＡ７１が記録される。

【００４０】また、たとえば番組の長さが２時間の場
合、系列ａのデータとして番組Ａの１５分進んだブロッ
ク（Ａ０２）が記録されている場所には、系列ｈのデー
タ（Ａ７２）としては再度送出される、番組Ａの最小の
ブロック０時のデータが記録される。

【００４１】次に、データ記録装置３０の動作について
説明する。所定時間Δｔずつずれた同じ番組Ａが記録さ
れた８つのビデオテープ５０ａ〜５０ｈは、各々再生部
３１ａ〜３１ｈにセットされ再生される。再生された８
つのビデオデータは、圧縮部３２の８つの圧縮装置３２
ａ〜３２ｈにおいて各々０．５ＭＢｐｓのデータに圧縮
され、バッファ３３ａ〜３３ｈに格納される。そして、
データ選択部３４からは８系統のビデオデータを順次選
択して４ＭＢｐｓの１系統のデータストリームとして読
み出され、記録部３５によりビデオテープ５２に時分割
で同時的に記録される。

【００４２】このように、第３実施例のデータ記録装置
３０によれば、ビデオテープ５２に時分割で８系統のビ
デオデータを記録しているので、第１実施例同様に、同
時的に再生される範囲内に複数のビデオデータを記録す
ることができ、ＮＶＯＤシステムなどに適用可能にビデ
オテープにデータを記録できる。また、ビデオデータが
記録されているのはテープ媒体なので、長期間の保存も
無駄なく行える。したがって、第１実施例のように並列
にデータを記録することができない場合には、第３実施
例のデータ記録装置３０が好ましい。

【００４３】第４実施例 本発明の第４実施例として、本発明に関わるデータ送出
装置について図６を参照して説明する。図６は、本発明
の第４実施例のデータ送出装置の構成を示すブロック図
である。データ送出装置４０は、第３実施例のデータ記
録装置により予めビデオデータが記録されたビデオテー
プ５２を再生し、同一の番組を一定時間ずつずらして並
列に出力することが可能な、ＮＶＯＤシステムに適用し
て好ましいデータ送出装置である。データ送出装置４０
は、再生部４１、データ分離部４２、バッファ４３、お
よび、送出部４４を有する。

【００４４】まず、各部の構成について説明する。再生
部４１は、第２実施例のデータ記録装置により図５に示
すような論理フォーマットで記録されたビデオテープを
再生し、４ＭＢｐｓの圧縮ビデオデータを読み出し、デ
ータ分離部４２に出力する。

【００４５】データ分離部４２は、再生部４１より入力
された時分割多重化された圧縮ビデオデータを、８系統
の圧縮ビデオデータに分離して、各々バッファ４３の８
つのバッファ４３ａ〜４３ｈに出力する。

【００４６】バッファ４３は、バッファ４２より入力さ
れた４ＭＢｐｓの圧縮ビデオデータを０．５ＭＢｐｓの
転送レートに変換するためのバッファであり、８系統の
圧縮ビデオバッファ各々に対応した８つのバッファ４３
ａ〜４３ｈからなる。データ分離部４２からこのバッフ
ァ４３にデータが入力される際には４ＭＢｐｓの転送レ
ートでデータが入力され、このバッファ４３から送出部
４４により圧縮ビデオデータが読み出される際には、１
／８の０．５ＭＢｐｓの転送レートでデータが出力され
る。

【００４７】送出部４４は、バッファ４３より８系統の
圧縮ビデオデータを０．５ＭＢｐｓの転送レートで順次
読み出し、送出部４４に接続されている複数の伝送線６
０に送出するマトリクススイッチャである。送出部４４
は、複数の伝送線６０各々に対応した図示せぬ信号線よ
り入力されるビデオ送出要求に応じて、バッファ４３よ
り読み出した８系統の圧縮ビデオデータより適宜１系統
のビデオデータを選択し、その伝送線６０に送出する。

【００４８】次に、データ送出装置４０の動作について
説明する。まず、前述したような所定のフォーマットで
８系統のビデオデータが記録されたビデオテープ５２を
再生部４１で再生すると、４ＭＢｐｓで時分割多重化さ
れた圧縮ビデオデータが読み出される。この圧縮ビデオ
データをデータ分離部４２において、８系統の圧縮ビデ
オデータに分離する。そして、各々バッファ４３を介す
ることにより、転送レートを０．５ＭＢｐｓに変換す
る。そして、送出部４４において、各伝送線６０ごとの
要求に応じて、前記８系統の圧縮ビデオデータより１系
統の圧縮ビデオデータを選択し、対応する伝送線６０に
送出する。

【００４９】このように、第４実施例のデータ送出装置
４０においても、第２実施例同様に１本のビデオテープ
を再生するのみで、８系統のビデオデータを同時に出力
することができ、要求に応じて適切な系統のビデオデー
タを選択し送出することができる。第３実施例のような
データ記録装置で記録されたテープ媒体上のデータを再
生するためには、第４実施例のデータ記録装置３０が好
ましい。

【００５０】なお、本発明のデータ記録装置およびデー
タ送出装置は、第１実施例から第４実施例に限られるも
のではなく、種々の改変が可能である。たとえば、本実
施例においては、８系統のビデオデータを１本のテープ
に同時的に記録し、また、同時的に再生したが、この系
統数は８系統に限られるものではない。たとえば２系統
でも４系統でもよいし、８系統以上にすることも可能で
ある。

【００５１】また、本実施例は、同一の番組のビデオデ
ータを所定時間ずつずらして記録し、再生し、要求に応
じてその番組の任意の位置よりデータを送出できるよう
にしたＮＶＯＤシステムであった。しかし、同時的に記
録・再生を行うビデオデータは、異なる番組であっても
よい。そのようにすれば、同じ構成で、要求に応じて複
数の番組を送出できるシステムが実現できる。

【００５２】また、第２実施例および第４実施例に示し
たデータ送出装置において、本実施例においては、再生
した圧縮ビデオデータをそのまま伝送ラインに送出する
ものとした。これは、ビデオデータの伝送に有利なよう
に圧縮ビデオデータのままで伝送し、受信した側でその
データをデコードして非圧縮のビデオデータに戻し、表
示装置などに表示するシステムを適用対象としているた
めである。しかしこれに限られず、データ送出装置内で
デコードをし、非圧縮のビデオデータを送出するような
構成にしても何ら差し支えない。

【００５３】また、同じく第２実施例および第４実施例
に示したデータ送出装置において、本実施例においては
再生部は１つのみ有する構成としたが、これを複数有す
るような構成でもよい。そのような構成によれば、一方
の再生部でのビデオテープの再生が最後まで終わった
ら、直ちに他方の再生部でビデオテープの再生を行い、
その間に最初のビデオテープを巻き戻すことができる。
すなわち、テープ媒体を用いて、半永久的にデータの送
出を継続することができる。また、そのように複数の再
生部があれば、同時に送出できるビデオデータの種類を
増やすことができる。なお、前述のように複数の再生部
を具えるデータ送出装置は、複数チャネルのビデオデー
タの送出が可能な再生部をさらに複数有する構成にする
ものであり、従来のように１つのビデオデータの再生を
行う通常のビデオ再生手段を複数具えて複数のビデオデ
ータの送出を行おうとする装置とは異なるものである。

【００５４】

【発明の効果】本発明のデータ記録装置を用いることに
より、複数のビデオデータをテープ媒体に同時的に読み
出し可能なように記録し保存することができる。すなわ
ち、本発明のデータ記録装置により記録されたテープ媒
体においては、そのテープ媒体を再生するのみで複数の
チャネルに複数の番組を送出することができる。したが
って、ＮＶＯＤシステムなどに適用した場合には、テー
プ媒体に保存されたビデオデータをディスク媒体にダビ
ングする作業が不必要となり、作業効率が向上する上
に、ＮＶＯＤシステムの装置の小型化やメンテナンス作
業の軽減をすることができる。

【００５５】また、本発明のデータ送出装置を用いれ
ば、所定の形式で複数のビデオデータが記録されたテー
プ媒体より、複数のビデオデータを同時的に読み出し、
複数のチャネルに複数の番組データを並列に送出するこ
とができる。したがって、テープ媒体に保存されたビデ
オデータをディスク媒体にダビングする作業が不必要と
なり、テープ媒体に蓄積されたビデオデータに対する要
求に応じて、直ちにデータの送出を行うことが可能な、
テープ媒体を用いたＮＶＯＤシステムを提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例のデータ記録装置の構成を
示すブロック図である。

【図２】図１に示した第１実施例のデータ記録装置によ
り記録されるビデオデータの論理フォーマットを模式的
に示す図である。

【図３】本発明の第２実施例のデータ送出装置の構成を
示すブロック図である。

【図４】本発明の第３実施例のデータ記録装置の構成を
示すブロック図である。

【図５】図４に示した第３実施例のデータ記録装置によ
り記録されるビデオデータの論理フォーマットを模式的
に示す図である。

【図６】本発明の第４実施例のデータ送出装置の構成を
示すブロック図である。

【符号の説明】

１０…データ記録装置 １１…再生部 １２…圧縮部 １３…データ変換部 １４…記録部 ２０…データ送出装置 ２１…再生部 ２２…データ分離部 ２３…データ変換部 ２４…送出部 ３０…データ記録装置 ３１…再生部 ３２…圧縮部 ３３…バッファ ３４…データ選択部 ３５…記録部 ４０…データ送出装置 ４１…再生部 ４２…データ分離部 ４３…バッファ ４４…送出部 ５０〜５２…ビデオテープ ５３…ケーブル ６０…伝送線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０４Ｎ 7/173 Ｈ０４Ｎ 7/18 Ｕ 7/18 5/782 Ｋ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定の時間差で順次並列に出力される複数
   のビデオデータより要求に応じて１つのビデオデータを
   選択して送出するニア・ビデオ・オン・デマンドシステ
   ムにデータを供給するために、テープ記録媒体に前記ビ
   デオデータを記録するデータ記録装置であって、 ２以上のＮ種類のビデオデータを各々所定のデータレー
   ト以下に圧縮する圧縮手段と、 前記圧縮されたＮ種類のビデオデータを、前記所定のデ
   ータレートのＮ倍以上のレートでテープ媒体に同時的に
   記録する記録手段とを有し、前記複数のビデオデータを
   同時的にアクセス可能にテープ媒体に記録するデータ記
   録装置。
2. 【請求項２】前記記録手段は、前記テープ媒体に記録す
   る機器の入力データとして、Ｍビットを並列に入力する
   手段と、前記圧縮されたＮ種類のビデオデータ各々を、
   前記Ｍ／Ｎビットに各々対応付けて記録する手段とを有
   する請求項１記載のデータ記録装置。
3. 【請求項３】前記記録手段は、前記圧縮されたＮ種類の
   ビデオデータを入力データとして所定ブロックごとに時
   分割で順次入力する手段と、前記圧縮されたＮ種類のビ
   デオデータ各々を各ブロックに対応付けて記録する手段
   とを有する請求項１記載のデータ記録装置。
4. 【請求項４】所定の時間差で順次並列に出力される複数
   のビデオデータより要求に応じて１つのビデオデータを
   選択して送出するニア・ビデオ・オン・デマンドシステ
   ムに適用するデータ送出装置であって、 複数のビデオデータが同時的にアクセス可能な範囲内に
   順次記録されているテープ媒体を再生する再生手段と、 前記再生されたデータより、前記複数のビデオデータを
   各々分離する分離手段と、 前記分離された複数のビデオデータ各々を所定のチャネ
   ルに送出する送出手段とを有するデータ送出装置。