JPH08261891A - ガスフラックス測定装置 - Google Patents

ガスフラックス測定装置

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JPH08261891A
JPH08261891A JP6582395A JP6582395A JPH08261891A JP H08261891 A JPH08261891 A JP H08261891A JP 6582395 A JP6582395 A JP 6582395A JP 6582395 A JP6582395 A JP 6582395A JP H08261891 A JPH08261891 A JP H08261891A
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JP
Japan
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gas
wind speed
gas flux
flux
sampling
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JP6582395A
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English (en)
Inventor
Toshihide Nagano
敏英 長野
Tomoyasu Ishida
朋靖 石田
Takashi Moriya
孝志 守谷
Shigeru Handa
繁 半田
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Koito Industries Ltd
Original Assignee
Koito Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い分離性能を有し、測定誤差の少ないガス
フラックスの測定が可能なガスフラックス測定装置を提
供すること。 【構成】 エアバッグ24毎にサンプリング配管21が
個別に設けられサンプリング配管の出口21aに3方電
磁弁30を連設するとともに3方電磁弁30の吐出口3
0aをエアバッグ出口24bに接続したガスサンプリン
グ手段20を備えて成り、ガスの成分の濃度平均値の差
△C、風速の標準偏差σw、実験計数bに基づいてガス
フラックスFgを計算をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭酸ガス、メタンガ
ス、亜酸化窒素ガス、水蒸気等のガスのガスフラックス
を測定するガスフラックス測定装置に関し、特に、これ
らのガスをサンプリング配管を介してエアバッグにサン
プリングするとともに、ガスフラックスを測定可能であ
り、更に、サンプリングするガスが二酸化炭素や水蒸気
の場合には植物群落の光合成呼吸速度や蒸発散速度を測
定可能であるガスフラックス測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】野外でガスフラックスを測定する方法と
して、(a)チャンバ法、(b)空気力学的方法、
(c)渦相関法などが知られている。これらの各測定法
を用いた従来のガスフラックス測定装置の概略以下に説
明する。
【0003】図3はチャンバ法を用いた従来のガスフラ
ックス測定装置を説明するための概略系統図であり、図
4は空気力学的方法を用いた従来のガスフラックス測定
装置を説明するための概略系統図であり、図5は渦相関
法を用いた従来のガスフラックス測定装置を説明するた
めの概略系統図である。
【0004】チャンバ法を用いた従来のガスフラックス
測定装置には、閉鎖式と開放式の2種類がある。
【0005】閉鎖式チャンバ法を用いた従来のガスフラ
ックス測定装置は、地表面にチャンバをかぶせてチャン
バ内の濃度を測定し、チャンバの容積Vとチャンバ内の
ガス濃度の変化速度dC/dt、および係数kからガス
放出速度Fg=k・V・dC/dtを求めるものであっ
た。
【0006】開放式チャンバ法を用いた従来のガスフラ
ックス測定装置は、地表面にチャンバをかぶせてチャン
バに一定量の空気を通気し、通気流量Qとチャンバ入口
出口の濃度差△C=Cin−Cout、および係数kか
らガス放出速度Fg=k・Q・△Cを求めるものであっ
た。
【0007】空気力学的方法(傾度法とも呼ばれる)を
用いた従来のガスフラックス測定装置は、高さの異なる
2点間の濃度差△C=Czl−Cz2の平均値と高さ方
向の風速分布から求めたzlとz2の間の交換速度D1
−2からガスフラックスFg=D1−2・△Cを計算す
るものであった。
【0008】渦相関法を用いた従来のガスフラックス測
定装置は、風速の鉛直成分の標準偏差σwとガス濃度の
変動の標準偏差σCからガスフラックスFg=σw・σ
Cを求めるものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来技術のガスフラッ
クス測定装置においては、サンプリング配管が1本でエ
アポンプの後の電磁弁で上昇流用、下降流用に分離して
いたため、配管の輸送遅れに相当する時間だけ電磁弁の
ON/OFFタイミングを遅延させる遅延回路が必要で
あり、サンプリング配管中の流速分布が不均一のために
混合がおこるという問題点があった。
【0010】また、エアポンプの後の電磁弁でガスを上
昇流用、下降流用に分離しており、風速がゼロに近く、
また上下どちらでもないときは、専用の電磁弁を設けて
空気を捨てていたので、空気を捨てるための電磁弁が必
要になり、サンプリング誤差が大きくなるという問題点
があった。
【0011】チャンバ法を用いた従来のガスフラックス
測定装置には、地表面から放出されるガスを確実に補足
できる利点がある反面、チャンバをかぶせることによる
ガス環境の変化がガスガスフラックスに影響を及ぼすと
いう問題点があった。
【0012】空気力学的方法を用いた従来のガスフラッ
クス測定装置は、安定したある広さの空気層(測定高度
の50〜100倍の距離)が必要であるという問題点が
あった。
【0013】渦相関法を用いた従来のガスフラックス測
定装置は、測定精度が良いとされているが、速い(約5
〜10Hzの)応答速度のガス分析計が必要であるとい
う問題点があった。
【0014】また、別途高速応答型のガス分析計を用い
た渦相関法による実験結果から実験係数を決める場合、
装置毎に、または測定場所もしくは条件毎に実験係数を
決定する必要があるので、決定に非常に手数がかかり、
また決定された実験係数が常に固定であるためガスフラ
ックスの測定精度が低いという問題点があった。
【0015】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、簡単な構成でサンプリング配管に
よる輸送遅れや混合を防ぎ高い分離性能を有しかつ測定
誤差の少ないガスフラックスの測定が可能な、実験係数
を簡単かつ精度よく随時補正したガスフラックスの測定
が可能なガスフラックス測定装置を提供することを目的
としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの要旨とするところは、以下の5項に存する。
【0017】[1]項 森林、草原、湿地から放出され
る炭酸ガス、メタンガス、亜酸化窒素ガス、水蒸気等の
ガスをサンプリング配管(21)を介して取込むととも
に、これらのガスのガスフラックス(Fg)を測定する
ガスフラックス測定装置において、前記エアバッグ(2
4)毎に前記サンプリング配管(21)が個別に設けら
れたガスサンプリング手段(20)、を備えて成ること
を特徴とするガスフラックス測定装置(10)。
【0018】[2]項 森林、草原、湿地から放出され
る炭酸ガス、メタンガス、亜酸化窒素ガス、水蒸気等の
ガスをサンプリング配管(21)を介して取込むととも
に、これらのガスのガスフラックス(Fg)を測定する
ガスフラックス測定装置において、前記サンプリング配
管の出口(21a)と前記エアバッグの入口(24a)
との間に3方電磁弁(30)を連設するとともに、当該
3方電磁弁(30)の吐出口(30a)を前記エアバッ
グの出口(24b)に接続したガスサンプリング手段
(20)、を備えて成ることを特徴とするガスフラック
ス測定装置(10)。
【0019】[3]項 前記エアバッグ(24)毎に前
記サンプリング配管(21)が個別に設けられ、当該サ
ンプリング配管の出口(21a)と当該エアバッグの入
口(24a)との間に前記3方電磁弁(30)を連設す
るとともに、当該3方電磁弁(30)の前記吐出口(3
0a)を当該エアバッグの出口(24b)に接続したガ
スサンプリング手段(20)、を備えて成ることを特徴
とする[1]項、または[2]項に記載のガスフラック
ス測定装置(10)。
【0020】[4]項 風速の鉛直成分(w)を測定す
る上下方向風速検知手段(36)と、前記3方電磁弁
(32,31)を所定の方向に切換えることにより、前
記サンプリング配管(22,23)を介して、前記上下
方向風速検知手段(36)の風速測定箇所(36a)付
近の前記ガスを前記風速の鉛直成分(w)の値に応じた
上昇流または下降流をサンプリング可能なガスサンプリ
ング手段(20)と、サンプリングされたガスの成分の
濃度平均値(Cup,Cdn)の差(△C=Cup−C
dn)を求めるためのガス分析計(38)と、前記ガス
の成分の濃度平均値(Cup,Cdn)の差(△C=C
up−Cdn)、前記風速の標準偏差(σw)に基づい
て、前記ガスフラックス(Fg)を計算をするためのガ
スフラックス算出手段(40)と、備えて成ることを特
徴とする[1]項、[2]項、または[3]項に記載の
ガスフラックス測定装置(10)。
【0021】[5]項 前記上昇流の風速の鉛直成分
(w)および前記下降流の風速の鉛直成分(w)に対し
て前記風速測定部分の気温平均値(tup,tdn)を
各々個別に測定するための気温変動検出手段(42)
と、前記風速の標準偏差(σw)と気温変動の標準偏差
(σt)から顕熱フラックス(Fqa)を算出し前記上
昇流の気温平均値(tup)と前記下降流の気温平均値
(tdn)との差(△t=tup−tdn)に基づいて
気温平均値を算出し当該顕熱フラックス(Fqa)と当
該気温平均値と当該風速の標準偏差(σw)とを演算し
て実験計数(b:定数、=Fqa/(σw・△t))を
随時算出するとともに、当該実験計数(b)に基づいて
前記ガスフラックス(Fg)を計算をする、ことを特徴
とする[4]項に記載のガスフラックス測定装置(1
0)。
【0022】
【作用】本発明におけるガスフラックス測定装置(1
0)は、森林、草原、湿地から放出される炭酸ガス、メ
タンガス、亜酸化窒素ガス、水蒸気等のガスをサンプリ
ング配管(21)を介してエアバッグ(24)に取込む
とともに、これらのガスのガスフラックス(Fg)を測
定する。
【0023】上下方向風速検知手段(36)は風速の鉛
直成分(w)を測定することができる。風速の鉛直成分
(w)の値によって上昇流3方電磁弁(31)、または
下降流3方電磁弁(32)の一方を選択的にON(開)
制御可能である。
【0024】ガスサンプリング手段(20)は、3方電
磁弁(32,31)を所定の方向に切換えることによ
り、サンプリング配管(22,23)を介して、上下方
向風速検知手段(36)の風速測定箇所(36a)付近
のガスを風速の鉛直成分(w)の値に応じた上昇流また
は下降流を上昇流用エアバッグ(25)または下降流用
エアバッグ(26)内にサンプリング可能である。
【0025】これにより、上昇流用サンプリング配管
(22)および下降流用サンプリング配管(23)を用
いて、各々のサンプリング配管の出口(21a)から上
昇流空気、下降流空気を各々分離して取込むことが可能
となり、電磁弁の遅延回路が不要になり、流速分布が不
均一のために発生すると考えられる混合の問題が解消さ
れて完全な分離が可能となり、またサンプリング配管
(21)のチューブも細いものを用いることができる。
【0026】ガス分析計(38)は、サンプリングされ
たガスの成分の濃度平均値(Cup,Cdn)の差(△
C=Cup−Cdn)を求めることができる。
【0027】ガスフラックス算出手段(40)は、ガス
の成分の濃度平均値(Cup,Cdn)の差(△C=C
up−Cdn)、風速の標準偏差(σw)に基づいて、
ガスフラックス(Fg)を計算をすることができる。
【0028】気温変動検出手段(42)は、上昇流の風
速の鉛直成分(w)および下降流の風速の鉛直成分
(w)に対して風速測定部分の気温平均値(tup、t
dn)を各々個別に測定することができる。
【0029】ガスフラックス算出手段(40)は、風速
の標準偏差(σw)と気温変動の標準偏差(σt)から
顕熱フラックス(Fqa)を算出し、上昇流の気温平均
値(tup)と下降流の気温平均値(tdn)との差
(△t=tup−tdn)に基づいて気温平均値を算出
し顕熱フラックス(Fqa)と気温平均値と風速の標準
偏差(σw)とを演算して、実験計数(b)(ただしb
は定数、=Fqa/(σw・△t))を随時算出すると
ともに、実験計数(b)に基づいてガスフラックス(F
g)を計算をすることができる。
【0030】これにより、上下方向風速検知手段(3
6)の気温変動を測定するための気温変動検出手段(4
2)を設けるとともに、渦相関法による顕熱フラックス
(Fqa)と、風速の標準偏差σwと風速の鉛直成分w
の上下方向別に計算した気温平均値の差△t(=tup
−tdn)を掛けた値から実験係数(b)を計算するよ
うにしたので、測定状況に応じた実験係数(b)を適時
決定することができ、またガスフラックス(Fg)の測
定精度の向上を図ることができる。
【0031】以上説明したように本発明によれば、簡単
な構成でサンプリング配管(21)による輸送遅れや混
合を防ぎ高い分離性能を有しかつ測定誤差の少ないガス
フラックス(Fg)の測定が可能な、実験係数(b)を
簡単かつ精度よく随時補正したガスフラックス(Fg)
の測定が可能なガスフラックス測定装置(10)を実現
できる。
【0032】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の各種実施例を説
明する。なお、各種実施例につき同種の部位には同一符
号を付し、重複した説明を省略する。
【0033】以下、図面に基づき本発明の第一実施例で
あるガスフラックス測定装置10を説明する。図1は本
発明に係る第一実施例を説明するための概略系統図であ
る。
【0034】本実施例のガスフラックス測定装置10
は、森林、草原、湿地から放出される炭酸ガス、メタン
ガス、亜酸化窒素ガス、水蒸気等のガスをサンプリング
配管21を介してエアバッグ24に取込むとともに、こ
れらのガスのガスフラックスFgを測定するものであっ
て、図1(a)に示すように、ガスサンプリング手段2
0と上下方向風速検知手段36とガス分析計38とガス
フラックス算出手段40とコントロール回路45を備え
て成る。
【0035】ガスサンプリング手段20においては、上
昇流用サンプリング配管22の出口21aと上昇流用エ
アバッグ25の入口24aとの間に上昇流用3方電磁弁
31および上昇流用エアポンプ44をこの順番で直列に
設けるとともに、上昇流用3方電磁弁31の吐出口30
aを上昇流用3方電磁弁31の出口24bに接続してい
る。
【0036】同様に、下降流用サンプリング配管23の
出口21bと下降流用エアバッグ26の入口26aとの
間に下降流用3方電磁弁32および下降流用エアポンプ
46をこの順番で直列に設けるとともに、下降流用3方
電磁弁32の吐出口30bを下降流用3方電磁弁32の
出口26bに接続している。
【0037】なお、図1(b)に示すように、ガス分析
をオフラインで行なう場合は、多数のエアバッグ24を
並列に準備し、ガス流路切り替えスイッチロータリーフ
ルードスイッチを設け、所定時間毎(例えば、例えば、
30分サンプルし、30分停止させる)にガス流路を切
り替えることにより、日変化を測定することも可能であ
る。また、ガス分析をオンラインで行なう場合は、エア
バッグ24の出口の空気をガス分析計38に導入すれば
よい。また、オフラインの場合は、エアバッグ24に小
容量のものを用いることが出来るし、さらに、省略する
ことも可能である。
【0038】本実施例の上昇流用サンプリング配管22
および下降流用サンプリング配管23としては、内径4
φ以下、外形6φ以下の従来より細いフッ素樹脂管を使
用することができる。
【0039】エアポンプ44,46としては、一般にダ
イアフラム式エアポンプが使用されているが、本実施例
ではサンプル流量が微量であり細いチューブが使用でき
るため、小形のダイアフラム式エアポンプやローラーチ
ューブ式のポンプが使用できる。
【0040】上下方向風速検知手段36は、風速の鉛直
成分wを測定し、測定した風速の鉛直成分wをガスフラ
ックス算出手段40とコントロール回路45とに伝達す
るように接続されて成る。
【0041】本実施例の上下方向風速検知手段36は、
上下方向の風速を検知する風速の鉛直成分wを測定する
手段であって、通常、防水形の超音波または音波風速計
の一対の送受信部を上下方向地表面に対して鉛直方向に
設置して使用するものである。
【0042】コントロール回路45は、ガスサンプリン
グ手段20の3方電磁弁32,31を所定の方向に切換
えることにより、サンプリング配管22,23を介し
て、上下方向風速検知手段36の風速測定箇所36a付
近のガスを風速の鉛直成分wの値に応じた上昇流または
下降流をサンプリング可能なように、上下方向風速検知
手段36とガスフラックス算出手段40とに接続されて
成る。
【0043】本実施例のコントロール回路45は、超音
波風速計からの風速の鉛直成分wの測定信号を判別し、
上昇流用3方電磁弁31および下降流用3方電磁弁32
をON/OFFするものである。
【0044】ガス分析計38は、サンプリングされたガ
スの成分のガスの成分の濃度平均値Cup,Cdnの濃
度平均値の差△C=Cup−Cdnを求めることができ
るように、上昇流用エアバッグ25の出口24bと下降
流用エアバッグ26のの出口26bとに並列に接続され
ている。
【0045】本実施例のガス分析計38としては、ガス
の成分の濃度平均値Cup,Cdnの濃度平均値の差△
Cを分析するために、赤外線ガス分析計やガスクロマト
グラフを用いることができる。
【0046】ガスフラックス算出手段40は、ガスの成
分の濃度平均値の差△C=Cup−Cdn、風速の標準
偏差σwに基づいて、ガスフラックスFgを計算をする
よう、ガス分析計38と上下方向風速検知手段36とに
接続されて成る。
【0047】次に本発明の第一実施例の作用を説明す
る。本実施例におけるガスフラックス測定装置10は、
森林、草原、湿地から放出される炭酸ガス、メタンガ
ス、亜酸化窒素ガス、水蒸気等のガスをサンプリング配
管21を介してエアバッグ24に取込むとともに、これ
らのガスのガスフラックスFgを測定する。
【0048】上下方向風速検知手段36に接続されたコ
ントロール回路45は、風速の鉛直成分wを測定するこ
とができる。風速の鉛直成分wの値によって上昇流用3
方電磁弁31、または下降流用3方電磁弁32の一方を
選択的にON制御可能である。
【0049】本実施例の超音波または音波を用いた上下
方向風速検知手段36は、ドップラー効果を利用したも
のであり、Sonic Anemometerと呼ばれ
ている。
【0050】20cm程度の距離をおいて2対の超音波
送受信器を対向させて設置し、各々の超音波送信器から
各々超音波パルスを送信させ、当該超音波パルスを対向
配置された各々の超音波受信器で受信させ、空気中を超
音波パルスが伝送する時間の差と2対の超音波送受信器
間の距離とから風速を求めるものである。
【0051】これにより、2対の超音波送受信器を鉛直
方向に設置することにより、風速の鉛直成分wを測定す
ることができる。なお、超音波送受信器が一体になった
ものを一対でもよいし、送信、受信が別になったものを
2対、対向させてもよい。また、ここで用いる超音波パ
ルスはいわゆる超音波でなく、可聴周波域の音波でも測
定は可能である。
【0052】ガスサンプリング手段20は、3方電磁弁
32,31を所定の方向に切換えることにより、サンプ
リング配管22,23を介して、上下方向風速検知手段
36の風速測定箇所36a付近のガスを風速の鉛直成分
wの値に応じた上昇流または下降流を上昇流用エアバッ
グ25または下降流用エアバッグ26内にサンプリング
可能である。
【0053】これにより、1本のサンプリング配管の場
合のように、輸送遅れ配管先端の空気取り込み口から電
磁弁のところまで空気が流れてくる時間に相当する分だ
け電磁弁の開閉タイミングを遅らせる遅延回路が必要な
くなり、配管中での流速分布の不均一性(配管中心部を
流れる空気の流速と配管壁面付近を流れる空気の流速の
差があること)による混合もなくなるため、上昇流のサ
ンプリングと下降流のサンプリングとの完全な分離がで
きる。また、3方電磁弁の後にエアポンプを配したこと
により、風速がゼロに近い上下どちらでもないときに空
気を捨てる為の電磁弁は不要(両方の電磁弁がOFFに
なるだけ)であり、3方電磁弁30の吐出口30aとエ
アバッグ24の出口24bを接続したので、エアポンプ
44,46の吸い込み側が極端な負圧とならず、周囲の
空気を吸い込む恐れもない。さらに、流速分布が不均一
のために発生すると考えられる混合の問題が解消されて
完全な分離が可能となり、またサンプリング配管21の
チューブも細いものを用いることができる。
【0054】なお、配管系が気密でエアポンプ44,4
6がバキュームに耐える場合は、3方電磁弁30でな
く、2方電磁弁を用いてもよい。さらに、風速の鉛直成
分wがゼロに近いときにでも上下方向の空気の移動は考
慮する必要があると考えられるので、限界値(則ち、O
N−OFFのヒステリシス)は3方電磁弁30がノイズ
で誤動作しない程度に小さくしている。
【0055】ガス分析計38は、サンプリングされたガ
スの成分の平均濃度Cup,Cdnの差△C=Cup−
Cdnを求めることができる。
【0056】ガスフラックス算出手段40は、ガスの成
分の濃度平均値Cup,Cdnの差△C=Cup−Cd
n、風速の標準偏差σwに基づいて、ガスフラックスF
gを計算をすることができる。
【0057】以上説明したように本実施例によれば、簡
単な構成でサンプリング配管21による輸送遅れや混合
を防ぎ高い分離性能を有しかつ測定誤差の少ないガスフ
ラックスFgの測定が可能な、実験係数bを簡単かつ精
度よく随時補正したガスフラックスFgの測定が可能
な、また実験係数bを用いることなく高精度のガスフラ
ックスFgの測定が可能な、ガスフラックス測定装置1
0を実現できる。
【0058】以下、図面に基づき本発明の第二実施例で
あるガスフラックス測定装置10を説明する。図2
(a)は本発明に係る第二実施例を説明するための概略
系統図である。
【0059】本実施例のガスフラックス測定装置10
は、森林、草原、湿地から放出される炭酸ガス、メタン
ガス、亜酸化窒素ガス、水蒸気等のガスをサンプリング
配管21を介してエアバッグ24に取込むとともに、こ
れらのガスのガスフラックスFgを測定するものであっ
て、図2(a)に示すように、ガスサンプリング手段2
0と上下方向風速検知手段36とガス分析計38とガス
フラックス算出手段40とコントロール回路45と気温
変動検出手段42とを備えて成る。
【0060】気温変動検出手段42は、上昇流の風速の
鉛直成分wおよび下降流の風速の鉛直成分wに対して風
速測定部分の気温平均値tup、tdnを各々個別に測
定可能なように、ガスフラックス算出手段40に接続さ
れて成る。また、図2(a)に示すように、本実施例の
気温変動検出手段42は気温t(具体的には、tup、
tdn)を測定するための熱電対39が装置されて成
る。
【0061】ガスフラックス算出手段40は、風速の標
準偏差σwと気温変動の標準偏差σtから顕熱フラック
スFqaを算出し上昇流の気温平均値tupと下降流の
気温平均値tdnとの差△t(=tup−tdn)に基
づいて気温平均値を算出し顕熱フラックスFqaと気温
平均値と風速の標準偏差σwとを演算して実験計数
b(:定数、=Fqa/σw・△t)を随時算出すると
ともに、実験計数bに基づいてガスフラックスFgを計
算をするよう、上下方向風速検知手段36とガス分析計
38と気温変動検出手段42とに接続されて成る。
【0062】次に本発明の第二実施例の作用を説明す
る。図2(b)は本発明に係る第二実施例を説明するた
めのフローチャートである。
【0063】本実施例におけるガスフラックス測定装置
10は、森林、草原、湿地から放出される炭酸ガス、メ
タンガス、亜酸化窒素ガス、水蒸気等のガスをサンプリ
ング配管21を介してエアバッグ24に取込むととも
に、これらのガスのガスフラックスFgを測定する。
【0064】気温変動検出手段42は、熱電対39を用
いて、上昇流の風速の鉛直成分wおよび下降流の風速の
鉛直成分wに対して風速測定部分の気温平均値tup、
tdnを各々個別に測定することができる(ステップS
1)。
【0065】ガスフラックス算出手段40は、風速の鉛
直成分wの上下方向別に計算した気温平均値の差△t
(=tup−tdn)を算出し(ステップS1)、風速
の標準偏差σwと気温平均値の差△tとの積からFtの
値を計算し(ステップS2)、風速の標準偏差σwと気
温変動の標準偏差σtから顕熱フラックスFqaを算出
し(ステップS3)、上昇流の気温平均値tupと下降
流の気温平均値tdnとの差△t(=tup−tdn)
に基づいて気温平均値を算出し顕熱フラックスFqaと
気温平均値と風速の標準偏差σwとを演算して、実験計
数b(ただしbは定数、=Fqa/σw・△t)を随時
算出するとともに、実験計数bに基づいてガスフラック
スFgを計算をすることができる(ステップS4)。
【0066】これにより、上下方向風速検知手段36の
気温変動を測定するための気温変動検出手段42を設け
るとともに、渦相関法による顕熱フラックスFqaと、
風速の標準偏差σwと風速の鉛直成分wの上下方向別に
計算した気温平均値の差△t=tup−tdnを掛けた
値から実験係数bを計算するようにしたので、測定状況
に応じた実験係数bを適時決定することができ、また応
答の速いガス分析計を用いて渦相関法で測定したガスフ
ラックスの値と渦累積法削除で測定した値とを比較する
ことにより渦累積法で使用する実験係数bを決めるとい
う非常に手数のかかっていた従来の作業が不要になり、
さらにガスフラックスFgの測定精度の向上を図ること
ができる。
【0067】以上説明したように本実施例によれば、簡
単な構成でサンプリング配管21による輸送遅れや混合
を防ぎ高い分離性能を有しかつ測定誤差の少ないガスフ
ラックスFgの測定が可能な、実験係数bを簡単かつ精
度よく随時補正したガスフラックスFgの測定が可能
な、また実験係数bを用いることなく高精度のガスフラ
ックスFgの測定が可能な、ガスフラックス測定装置1
0を実現できる。
【0068】
【発明の効果】上昇流用サンプリング配管および下降流
用サンプリング配管を用いて、各々の空気取り込み口か
ら上昇流空気、下降流空気を各々分離して取込むことが
可能となり、電磁弁の遅延回路が不要になり、流速分布
が不均一のために発生すると考えられる混合の問題が解
消されて完全な分離が可能となり、またサンプリング配
管のチューブも細いものを用いることが可能となるの
で、遅延回路が不要となり、サンプリング配管中の流速
分布の不均一に起因すると考えられる混合を防ぐことが
できる。
【0069】また、3方電磁弁の後にエアポンプをつけ
ることにより、風速がゼロに近いときでも電磁弁をOF
Fにする必要はなくなり3方電磁弁がノイズで誤動作し
ない程度に限界値を小さくすることが可能となるので、
風速がゼロに近いと上下どちらでもない場合であっても
専用の電磁弁を設けて空気を捨てる必要がなくなって空
気を捨てるための電磁弁は不要になり、限界値の設定に
ともなう誤差要因も解消可能となる。
【0070】上下方向風速検知手段の気温変動を測定す
るための気温変動検出手段を設けるとともに、渦相関法
による顕熱フラックスと、風速の標準偏差と風速の鉛直
成分の上下方向別に計算した気温平均値の差を掛けた値
から実験係数を計算するようにしたので、測定状況に応
じた実験係数を適時決定することができ、またガスフラ
ックスの測定精度の向上を図ることが可能となるので装
置毎に、または測定場所もしくは条件毎に実験係数をき
める必要がなくなり、決定のための手数が省略でき、ま
たガスフラックスの測定精度も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第一実施例を説明するための概略
系統図である。
【図2】図2(a)は本発明に係る第二実施例を説明す
るための概略系統図であり、図2(b)は本発明に係る
第二実施例を説明するためのフローチャートである。
【図3】チャンバ法を用いた従来のガスフラックス測定
装置を説明するための概略系統図である。
【図4】空気力学的方法を用いた従来のガスフラックス
測定装置を説明するための概略系統図である。
【図5】渦相関法を用いた従来のガスフラックス測定装
置を説明するための概略系統図である。
【符号の説明】
10…ガスフラックス測定装置 20…ガスサンプリング手段 21…サンプリング配管 21a,21b…サンプリング配管の出口 22…上昇流用サンプリング配管 23…下降流用サンプリング配管 24…エアバッグ 24a,26a…エアバッグの入口 24b,26b…エアバッグの出口 25…上昇流用エアバッグ 26…下降流用エアバッグ 30…3方電磁弁 30a,30b…吐出口 31…上昇流用3方電磁弁 32…下降流用3方電磁弁 31a…上昇流用流路切換弁 32b…下降流用流路切換弁 36…上下方向風速検知手段 36a…風速測定箇所 38…ガス分析計 40…ガスフラックス算出手段 42…気温変動検出手段 44…上昇流用エアポンプ 45…コントロール回路 46…下降流用エアポンプ w…風速の鉛直成分 Fg…ガスフラックス Cup…上昇流のガス成分の濃度平均値 Cdn…下降流のガス成分の濃度平均値 △C…ガスの成分の濃度平均値の差(=Cup−Cd
n) σw…風速の標準偏差 tup…上昇流の気温平均値 tdn…下降流の気温平均値 △t…気温平均値の差(=tup−tdn) σt…気温変動の標準偏差 Fqa…顕熱フラックス(=σw・σt) b…実験計数(定数、=Fqa/(σw・△t)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 半田 繁 神奈川県横浜市戸塚区前田町100番地 小 糸工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】森林、草原、湿地から放出される炭酸ガ
    ス、メタンガス、亜酸化窒素ガス、水蒸気等のガスをサ
    ンプリング配管を介して取込むとともに、これらのガス
    のガスフラックスを測定するガスフラックス測定装置に
    おいて、 エアバッグ毎に前記サンプリング配管が個別に設けられ
    たガスサンプリング手段、 を備えて成ることを特徴とするガスフラックス測定装
    置。
  2. 【請求項2】森林、草原、湿地から放出される炭酸ガ
    ス、メタンガス、亜酸化窒素ガス、水蒸気等のガスをサ
    ンプリング配管を介して取込むとともに、これらのガス
    のガスフラックスを測定するガスフラックス測定装置に
    おいて、 前記サンプリング配管の出口と前記エアバッグの入口と
    の間に3方電磁弁を連設するとともに、当該3方電磁弁
    の吐出口を前記エアバッグの出口に接続したガスサンプ
    リング手段、 を備えて成ることを特徴とするガスフラックス測定装
    置。
  3. 【請求項3】前記エアバッグ毎に前記サンプリング配管
    が個別に設けられ、当該サンプリング配管の出口と当該
    エアバッグの入口との間に前記3方電磁弁を連設すると
    ともに、当該3方電磁弁の前記吐出口を当該エアバッグ
    の出口に接続したガスサンプリング手段、 を備えて成ることを特徴とする請求項1、または2に記
    載のガスフラックス測定装置。
  4. 【請求項4】風速の鉛直成分を測定する上下方向風速検
    知手段と、 前記3方電磁弁を所定の方向に切換えることにより、前
    記サンプリング配管を介して、前記上下方向風速検知手
    段の風速測定箇所付近の前記ガスを前記風速の鉛直成分
    の値に応じた上昇流または下降流をサンプリング可能な
    ガスサンプリング手段と、 サンプリングされたガスの成分の濃度平均値の差を求め
    るためのガス分析計と、 前記濃度平均値の差、前記風速の標準偏差に基づいて、
    前記ガスフラックスを計算をするためのガスフラックス
    算出手段と、 備えて成ることを特徴とする請求項1、2、または3に
    記載のガスフラックス測定装置。
  5. 【請求項5】前記上昇流の風速の鉛直成分および前記下
    降流の風速の鉛直成分に対して前記風速測定部分の気温
    を各々個別に測定するための気温変動検出手段と、 前記風速の標準偏差と気温変動の標準偏差から顕熱フラ
    ックスを算出し前記上昇流の気温と前記下降流の気温と
    の差に基づいて気温平均値を算出し当該顕熱フラックス
    と当該気温平均値と当該風速の標準偏差とを演算して実
    験計数を随時算出するとともに、当該実験計数に基づい
    て前記ガスフラックスを計算をする、 ことを特徴とする請求項4に記載のガスフラックス測定
    装置。
JP6582395A 1995-03-24 1995-03-24 ガスフラックス測定装置 Pending JPH08261891A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005031275A3 (ja) * 2003-09-29 2005-05-19 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ガス濃度フラックス計測装置
US11460480B2 (en) * 2012-04-06 2022-10-04 Li-Cor, Inc. Methods and apparatus for measuring gas flux

Cited By (3)

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WO2005031275A3 (ja) * 2003-09-29 2005-05-19 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ガス濃度フラックス計測装置
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