JPH0825936A - 車輌用サスペンション - Google Patents

車輌用サスペンション

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Publication number
JPH0825936A
JPH0825936A JP18406694A JP18406694A JPH0825936A JP H0825936 A JPH0825936 A JP H0825936A JP 18406694 A JP18406694 A JP 18406694A JP 18406694 A JP18406694 A JP 18406694A JP H0825936 A JPH0825936 A JP H0825936A
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JP
Japan
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housing
shaft
suspension
damping force
relative
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Application number
JP18406694A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Tabata
充広 田畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JPH0825936A publication Critical patent/JPH0825936A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2202/00Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
    • B60G2202/20Type of damper
    • B60G2202/22Rotary Damper

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分な減衰力を応答性よく発生させ、しかも
キャビテーションや過剰な減衰力の発生を防止し、ロー
タリダンパ等の大型化の必要性を排除する。 【構成】 アッパアーム14により回転されベーン(2
5)を一体に有するシャフト24とこれに嵌合するハウ
ジング58とを備えたロータリダンパ56を有する。リ
ンク60、78、80よりなる運動伝達手段95を有
し、アッパアームが枢動するとハウジングは運動伝達手
段によりアッパアームとは逆に方向に回転される。シャ
フト24は一端にてトーションバー54に連結され他端
にてアッパアームの内端に連結されており、アッパアー
ムの枢動角速度が過剰になると、ベーンがシャフト及び
トーションバーを捩ることによりハウジング及びシャフ
トの相対回転角速度を低減し、減衰力を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車輌のサス
ペンションに係り、更に詳細にはロータリダンパが組込
まれたサスペンションに係る。
【0002】
【従来の技術】ロータリダンパは一般に回転軸線の周り
に相対回転可能に互いに嵌合するハウジング及びベーン
シャフトを有し、ハウジング及びベーンシャフトの相対
回転により作動油がオリフィス若しくはチョーククリア
ランスに強制的に通され、その際の流通抵抗により減衰
力を発生するよう構成されている。かかるロータリダン
パが組込まれた自動車等の車輌のサスペンションの一つ
として、例えば特開平1−240392号公報に記載さ
れている如く、ハウジング及びベーンシャフトの相対回
転角度がサスペンションアームの枢軸線の周りの枢動角
度とは異なるようサスペンションアームの枢動をハウジ
ング及びベーンシャフトの一方へ伝達する運動伝達手段
が組込まれたサスペンションが従来より知られている。
【0003】かかるサスペンションによれば、車輪のバ
ウンド、リバウンドによりサスペンションアームがその
枢軸線の周りに枢動すると、ロータリダンパのハウジン
グ及びベーンシャフトはサスペンションアームの枢動角
度とは異なる角度にて相対回転するので、運動伝達手段
が組込まれておらずロータリダンパのハウジング及びベ
ーンシャフトの相対回転角度がサスペンションアームの
枢動角度と同一である場合に比して、車輪のバウンド、
リバウンドストロークに対する減衰力特性を容易に調整
することができ、特にサスペンションアームの枢軸線の
周りの枢動角度に対するハウジング及びベーンシャフト
の相対回転角度の比が1以上になるよう運動伝達手段を
構成することにより、ロータリダンパのオリフィスやチ
ョーククリアランスを小さくしなくても十分な減衰力を
応答性よく発生させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしロータリダンパ
が上述の如く組込まれたサスペンションに於ては、特に
サスペンションアームの枢軸線の周りの枢動角度に対す
るハウジング及びシャフトの相対回転角度の比が1以上
になるよう運動伝達手段が構成される場合には、例えば
悪路走行時の如く車輪が比較的急激に大きくバウンド、
リバウンドするとロータリダンパのハウジング及びベー
ンシャフトの相対回転角速度が非常に高くなり、そのた
めキャビテーションが発生したり減衰力が過剰になって
車輌の乗り心地性が悪化したりし易く、またロータリダ
ンパ及びその取付け部材が過剰な減衰力に耐えるよう高
強度化されなければならず、ロータリダンパ等の大きさ
が増大し、コスト及び搭載スペース上不利になるという
問題がある。
【0005】本発明は、ロータリダンパが組込まれた従
来のサスペンションに於ける上述の如き問題に鑑みてな
されたものであり、本発明の主要な課題は、ロータリダ
ンパに十分な減衰力を応答性よく発生させ、しかもキャ
ビテーションや過剰な減衰力の発生を防止し、ロータリ
ダンパ及びその取付け部材の大型化の必要性を排除する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、一端にて枢軸線の周りに枢動可能に車体
に支持され他端にて車輪キャリアを支持するサスペンシ
ョンアームと、前記キャリアの上下動に伴い前記車体に
対し相対的に運動するサスペンション構成部材と、前記
枢軸線に整合する回転軸線の周りに相対回転可能に互い
に嵌合するハウジング及びベーンシャフトを有し前記ハ
ウジング及び前記ベーンシャフトの相対回転により減衰
力を発生するよう構成されたロータリダンパと、一端に
て前記車体に固定され他端にて前記サスペンションアー
ムにより中心軸線の周りに捩られるトーションバーと、
前記ハウジング及び前記ベーンシャフトの一方を前記ト
ーションバーと相対回転不能に連結する相対回転規制手
段と、前記サスペンションアームの前記枢軸線の周りの
枢動角度に対する前記ハウジング及び前記ベーンシャフ
トの相対回転角度の比が1以上になるよう前記サスペン
ション構成部材の運動を前記ハウジング及び前記ベーン
シャフトの他方へ前記一方とは逆方向の回転として伝達
する運動伝達手段とを有する車輌用サスペンション(請
求項1の構成)、又は一端にて枢軸線の周りに枢動可能
に車体に支持され他端にて車輪キャリアを支持するサス
ペンションアームと、前記キャリアの上下動に伴い前記
車体に対し相対的に運動するサスペンション構成部材
と、前記枢軸線に整合する回転軸線の周りに相対回転可
能に互いに嵌合するハウジング及びベーンシャフトを有
し前記ハウジング及び前記ベーンシャフトの相対回転に
より減衰力を発生するよう構成されたロータリダンパ
と、前記ハウジング及び前記ベーンシャフトの一方を前
記サスペンションアームと連結する連結手段と、前記サ
スペンションアームの前記枢軸線の周りの枢動角度に対
する前記ハウジング及び前記ベーンシャフトの相対回転
角度の比が1以上になるよう前記サスペンション構成部
材の運動を前記ハウジング及び前記ベーンシャフトの他
方へ前記一方とは逆方向の回転として伝達する運動伝達
手段と、前記ハウジング及び前記ベーンシャフトの所定
の相対回転角度範囲に於て前記ロータリダンパにより発
生される減衰力を低減する減衰力低減手段とを有する車
輌用サスペンション(請求項3の構成)によって達成さ
れる。
【0007】また本発明によれば、上述の課題を効果的
に達成すべく、請求項1の構成に於て、前記ベーンシャ
フトは前記回転軸線に沿って相対変位可能なベーン及び
シャフトよりなり、前記シャフトは一端にて前記トーシ
ョンバーの他端に相対回転不能に連結され他端にて前記
サスペンションアームの内端に連結され、前記相対回転
規制手段は前記ベーンを前記シャフトと相対回転不能に
連結するよう構成され、前記相対回転規制手段の前記中
心軸線に沿う方向の位置を変化させる駆動手段が設けら
れる。
【0008】
【作用】上述の請求項1の構成によれば、サスペンショ
ンアームの枢軸線の周りの枢動角度に対するハウジング
及びベーンシャフトの相対回転角度の比が1以上になる
よう、運動伝達手段によりサスペンション構成部材の運
動がハウジング及びベーンシャフトの他方へ一方とは逆
方向の回転として伝達されるので、ロータリダンパのオ
リフィスやチョーククリアランスを小さくしなくても十
分な減衰力が応答性よく発生し、またハウジング及びベ
ーンシャフトの一方は相対回転規制手段によりトーショ
ンバーと相対回転不能に連結されているので、ハウジン
グ及びベーンシャフトの相対回転角速度が非常に高くな
ると、減衰力の反力によってトーションバーが捩られて
ハウジング及びベーンシャフトの相対回転角速度が低減
され、これによりキャビテーションや過剰な減衰力が発
生する虞れが低減される。
【0009】特に請求項1の構成に於ては、トーション
バーの他端と相対回転規制手段との間の中心軸線に沿う
方向の距離が大きくなるにつれてサスペンションアーム
の枢動角度と相対回転規制手段が設けられた部位に於け
るトーションバーの捩れ角との間の差が大きくなり、こ
れによりロータリダンパのハウジング及びベーンシャフ
トの相対回転角速度が小さくなる。上述の請求項2の構
成によれば、駆動手段により相対回転規制手段の中心軸
線に沿う方向の位置を変化させることができるので、サ
スペンションアームの枢動角速度に対するハウジング及
びベーンの相対回転角速度の比を変化させることがで
き、これによりロータリダンパの減衰力特性を変化させ
ることが可能になる。
【0010】また上述の請求項3の構成によれば、サス
ペンションアームの枢軸線の周りの枢動角度に対するハ
ウジング及びベーンシャフトの相対回転角度の比が1以
上になるよう、運動伝達手段によりサスペンション構成
部材の運動がハウジング及びベーンシャフトの他方へ一
方とは逆方向の回転として伝達されるので、ロータリダ
ンパのオリフィスやチョーククリアランスを小さくしな
くても十分な減衰力が応答性よく発生し、またハウジン
グ及びベーンシャフトの所定の相対回転角度範囲に於て
ロータリダンパにより発生される減衰力が減衰力低減手
段によって低減されるよう構成されているので、所定の
相対回転角度範囲を例えば車輪のフルバウンド近傍の領
域に設定することにより、かかる領域に於てロータリダ
ンパにより過剰な減衰力が発生されることを確実に防止
することが可能になる。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用の補足説明】本発
明の一つの実施例によれば、上述の請求項2の構成に於
ける駆動手段はサスペンションアームの枢動を相対回転
規制手段へ中心軸線に沿う方向の運動として伝達するこ
とにより相対回転規制手段の中心軸線に沿う方向の位置
を変化させるよう構成される。かかる構成によれば、相
対回転規制手段を駆動するためのエネルギや車輪のバウ
ンド、リバウンド等を検出する手段は不要であるので、
駆動手段を単純に且低廉に構成することが可能である。
【0012】本発明の他の一つの実施例によれば、駆動
手段は車輌の走行状態に応じて相対回転規制手段を中心
軸線に沿って駆動し位置決めするよう構成される。かか
る構成によれば、サスペンションアームの枢動角速度に
対するロータリダンパのハウジング及びベーンシャフト
の相対回転角速度の比を車輌の走行状態に応じて任意に
変化させることができ、これによりロータリダンパの減
衰力特性を車輌の走行状態に応じて最適に制御すること
が可能である。
【0013】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0014】図1はダブルウィッシュボーン式サスペン
ションとして構成された本発明による車輌用サスペンシ
ョンの第一の実施例を示す正面図、図2は図1に示され
た第一の実施例の要部を示す平面図、図3は図2の線II
I −III に沿う拡大部分断面図、図4は図3の線IV−IV
に沿う部分断面図である。
【0015】これらの図に於て、10は車輪12を回転
可能に支持する車輪キャリアを示しており、14及び1
6はそれぞれアッパアーム及びロアアームを示してい
る。アッパアーム14はA型アームであり、前側アーム
14A及び後側アーム14Bとこれらのアームの外端の
間に配置され二つのアームを一体に連結する連結部材1
4Cとよりなっている。連結部材14Cはボールジョイ
ント18によりキャリア10の上端に枢着されている。
【0016】前側アーム14A及び後側アーム14Bの
内端には内面にセレーションを有するスリーブ20及び
22が固定されており、スリーブ20及び22は実質的
に車輌前後方向に延在するシャフト24の両端部にセレ
ーション嵌合している。シャフト24の両端にはボルト
26によりワッシャ28が固定されており、これらのワ
ッシャにより前側アーム14A及び後側アーム14Bは
シャフト24より脱落することがないよう保持されてい
る。かくして前側アーム14A及び後側アーム14Bは
それらの内端にてシャフト24の両端部にそれらに対し
相対回転しないよう連結されている。
【0017】図示の第一の実施例に於ては、ロアアーム
16もA型アームであり、二つの内端にてジョイント3
0によりサスペンションメンバ32に枢支され、外端に
てボールジョイント34によりキャリア10の下端に枢
着されている。ロアアーム16の上面の外端に近接した
位置にはサスペンションメンバ32の外端の下面と共働
するバウンドストッパ36が固定されており、サスペン
ションメンバ32の外端の上面にはアッパアーム14の
外端の下面と共働するリバウンドストッパ38が固定さ
れている。
【0018】シャフト24はサイドメンバ40に固定さ
れたブラケット42及び44に担持されたジョイント4
6及び48により軸線50の周りに回転可能に弾性的に
支持されており、これによりアッパアーム14はシャフ
ト24と共に軸線50の周りに回転可能に支持されてい
る。またアッパアーム14の後側アーム14Bの内端に
は、軸線50に整合する中心軸線54Aに沿って車輌前
後方向に延在し図には示されていないが一端にてアンカ
ーアームにより周知の要領にて車体に連結固定されたト
ーションバー54の他端がブラケット52により相対回
転しないよう連結されている。
【0019】前側アーム14A及び後側アーム14Bの
内端の間には軸線50に整合する回転軸線56Aに沿っ
て延在するロータリダンパ56が配置されている。図5
に詳細に示されている如く、ロータリダンパ56は回転
軸線56Aに沿って延在し径方向に互いに隔置された一
対の一体的なベーン25を有するシャフト24と、シャ
フト24に対し回転軸線56Aの周りに相対回転可能に
嵌合しベーン25と共働してチョーククリアランス57
を経て互いに連通する二対のオイル室59を郭定するハ
ウジング58とを有し、ハウジング及びシャフトが互い
に他に対し相対回転することにより一方のオイル室より
チョーククリアランス57を経て他方のオイル室へオイ
ルを強制的に流し、その際の流通抵抗により減衰力を発
生するようになっている。
【0020】特に図示の第一の実施例に於ては、シャフ
ト24のバウンド方向(図5で見て反時計廻り方向)の
回転終端位置近傍に於て、ハウジング58の内壁面の直
径は終端位置へ向うにつれて漸次大きくなるよう設定さ
れており、これによりチョーククリアランス57はシャ
フト24がバウンド側の終端位置へ向けて回転するにつ
れて漸次大きくなるよう設定されている。従って上述の
如く設定されたチョーククリアランス57は車輪のフル
バウンド近傍の領域に於てロータリダンパにより発生さ
れる減衰力を低減する減衰力低減手段として機能する。
【0021】アッパアーム14の連結部材14Cの上面
にはリンク60の下端が枢着されている。図示の実施例
に於ては、図6に詳細に示されている如く、リンク60
は互いに平行に車輌前後方向に延在するボルト62、6
4及びナット66、68により互いに一体的に連結され
た一対のリンク部材60A及び60Bを有している。下
側のボルト62はスリーブ70に挿通されており、ボル
ト62とスリーブ70との間には一対の減摩カラー72
が介装されている。スリーブ70は連結部材14Cの上
面に取付けられたリテーナ74に固定されており、これ
によりリンク部材60A及び60Bは軸線50及び56
Aに平行な軸線76の周りに枢動可能にアッパアーム1
4により支持されている。
【0022】上側のボルト64にはそれぞれリンク78
及び80の外端に固定されたスリーブ82及び84が嵌
合している。スリーブ82及び84とボルト64との間
にはそれぞれ一対の減摩カラー86及び88が介装され
ており、これによりリンク78及び80はそれらの外端
にて軸線76に平行な軸線90の周りに枢動可能にリン
ク60の上端に枢着されている。
【0023】リンク78はその外端より内端の方向に見
て僅かに下方へ傾斜して車輌横方向に延在しており、そ
の内端はボールジョイント92によりロータリダンパ5
6のハウジング58の一端に回転軸線56Aより上方へ
隔置された位置に於て枢着されている。一方リンク80
はその外端より内端の方向に見て僅かに上方へ傾斜して
車輌横方向に延在しており、その内端はボールジョイン
ト94によりブラケット44の上端に枢着されている。
特に図示の第一の実施例に於ては、図3及び図4に詳細
に示されている如く、ボールジョイント94のボルト部
はブラケット44の上端部に設けられ上下方向に延在す
る長溝44Aに挿通されナット94Aによりブラケット
に対し固定されるようになっており、これによりリンク
80の内端の位置を上下方向に調節し得るようになって
いる。また図には示されていないが、リンク78及び8
0は例えばターンバックルによりそれらの長さを調節し
得るようになっている。
【0024】かくしてこの第一の実施例に於けるリンク
60、78及び80はサスペンション構成部材としての
アッパアーム14の運動をロータリダンパ56のハウジ
ング58に伝達してこれを回転軸線56Aの周りにシャ
フト24とは逆方向へ回転させる運動伝達手段95を構
成している。
【0025】図7に示されている如く、図示の第一の実
施例に於て車輪がバウンドすることによりアッパアーム
14がその枢軸線50の周りに図7に於て実線にて示さ
れた中立位置より破線にて示された位置まで上方へ角度
θab枢動すると、シャフト24は回転軸線56Aの周り
に図7で見て反時計廻り方向へ角度θsb(=θab)回転
する。またリンク80もその内端の周りに上方へ枢動
し、リンク60はその下端の軸線76の周りにアッパア
ーム14に対し相対的にアッパアームとは逆方向、即ち
時計廻り方向へ枢動され、これによりリンク60の上端
は上方且アウトボード方向へ変位し、ロータリダンパ5
6のハウジング58はリンク78により回転軸線56A
の周りに時計廻り方向へ角度θhb回転される。従ってロ
ータリダンパのシャフト及びハウジングは互いに他に対
し回転軸線の周りに逆方向へ全体で角度θtb(=θsb+
θhb)回転され、これによりロータリダンパは縮側(車
輪のバウンド方向)の減衰力を発生する。
【0026】逆に車輪がリバウンドすることによりアッ
パアーム14がその枢軸線50の周りに図7に於て実線
にて示された中立位置より仮想線にて示された位置まで
下方へ角度θar枢動すると、シャフト24は回転軸線5
6Aの周りに図7で見て時計廻り方向へ角度θsr(=θ
ar)回転する。またリンク80もその内端の周りに下方
へ枢動し、リンク60はその下端の軸線76の周りにア
ッパアーム14に対し相対的にアッパアームとは逆方
向、即ち反時計廻り方向へ枢動され、これによりリンク
60の上端は下方且インボード方向へ変位し、ロータリ
ダンパ56のハウジング58はリンク78により回転軸
線56Aの周りに反時計廻り方向へ角度θhr回転され
る。従ってこの場合にもロータリダンパのシャフト及び
ハウジングは互いに他に対し回転軸線の周りに逆方向へ
全体で角度θtr(=θsr+θhr)回転され、これにより
ロータリダンパは伸側(車輪のリバウンド方向)の減衰
力を発生する。
【0027】かくして第一の実施例によれば、車輪がバ
ウンド、リバウンドする場合に於けるロータリダンパ5
6のハウジング58及びシャフト24の相対回転角度θ
tb、θtrは、ロータリダンパがその回転軸線とアッパア
ームの枢軸線とが一致するようアッパアームの車体側の
枢着部に組込まれハウジングがアッパアームの枢動によ
りシャフトに対し相対的に回転される場合の相対回転角
度(θsb、θsr)に比して大きく、従ってロータリダン
パ内に於ける作動油の移動量を増大させることができる
ので、ロータリダンパのオリフィスを小さくしなくても
十分な減衰力を応答性よく発生させることができ、しか
もチョーククリアランス57は車輪のフルバウンド近傍
に於て漸次大きくなるよう設定されているので、車輪の
バウンド時、特に車輪のフルバウンド近傍に於ける減衰
力が過剰になることを確実に防止することができる。
【0028】図8はアッパアーム14の枢動角速度、従
ってロータリダンパのハウジング58及びシャフト24
の相対回転角速度が一定である場合について車輪のスト
ロークHと車輪に対する減衰力Fとの間の関係を示して
おり、Hfb及びHfrはそれぞれフルバウンド及びフルリ
バウンドを示している。特に破線はロータリダンパのシ
ャフトがアッパアームにより直接枢動されることにより
ハウジング及びシャフトの相対回転角度がアッパアーム
の枢動角度と同一であるよう構成されたサスペンション
に於ける減衰力を示しており、仮想線は第一の実施例に
於ける運動伝達手段95と同様の運動伝達手段が設けら
れ、ハウジング及びシャフトの相対回転角度がアッパア
ームの枢動角度よりも大きくなるよう構成されている
が、ロータリダンパのチョーククリアランスが車輪のス
トロークに拘らず一定であるよう構成されたサスペンシ
ョンの減衰力を示しており、実線は第一の実施例の減衰
力を示している。
【0029】この図8より、第一の実施例によれば、ハ
ウジング及びシャフトの相対回転角度がアッパアームの
枢動角度と同一である場合(破線)に比して高い減衰力
を発生させることができ、しかもチョーククリアランス
が一定である場合(仮想線)に比して車輪のフルバウン
ドHfb近傍に於ける減衰力を低減し、これによりこの領
域に於て減衰力が過剰になることを確実に防止し得るこ
とが解る。
【0030】また第一の実施例によれば、リンク60、
78、80の長さやそれらの端部の相対位置を適宜に設
定し変更することにより、車輪のバウンド、リバウンド
に伴うアッパアームの枢動角度に対するハウジング58
及びシャフト24の相対回転角度の比を比較的自由に設
定し変更することができ、これによりロータリダンパの
減衰力特性を任意に設定し変更することができる。
【0031】例えば図9はブラケット44に対するリン
ク80の内端の取付け位置が図7の場合よりも高く設定
された場合に於ける第一の実施例の作動を示す図7と同
様のスケルトン図である。
【0032】この実施例に於ては、アッパアーム14の
枢動に伴うリンク60のアッパアームに対する相対枢動
の角度が大きくなり、これに対応してリンク60の上端
の車輌横方向の変位量が大きくなり、これによりハウジ
ング58の回転角度θhb2 、θhr2 は図7の場合(θh
b、θhr)よりも大きくなる。その結果ロータリダンパ
のハウジング及びシャフトの相対回転角度θtb2 (=θ
sb+θhb2 )、θtr2 (=θsr+θhr2 )はそれぞれ図
7の場合の相対回転角度θtb、θtrよりも大きくなり、
従って図10に於て破線にて示されている如く、縮側及
び伸側の何れの場合にもアッパアームの同一の枢動角速
度について見てロータリダンパにより発生される減衰力
は図7の場合の減衰力(図10に於て実線にて示されて
いる)よりも高くなる。
【0033】尚図9と図7との比較より解る如く、ブラ
ケット44に対するリンク80の内端の取付け位置が図
7の場合よりも低く設定されれば、ロータリダンパによ
り発生される減衰力は縮側及び伸側の何れについても図
7の場合の減衰力よりも低くなる。
【0034】また図11はリンク78及び80の長さが
図7の場合よりも長く設定された場合に於ける第一の実
施例の作動を示す図7と同様のスケルトン図である。
【0035】この実施例に於ては、アッパアーム14の
枢動に伴うリンク60のアッパアームに対する相対枢動
の角度が小さくなり、これに対応してリンク60の上端
の車輌横方向の変位量が小さくなり、これによりハウジ
ング58の回転角度θhb3 、θhr3 は図7の場合(θh
b、θhr)よりも小さくなる。その結果ロータリダンパ
のハウジング及びシャフトの相対回転角度θtb3 (=θ
sb+θhb3 )、θtr3 (=θsr+θhr3 )はそれぞれ図
7の場合の相対回転角度θtb、θtrよりも小さくなり、
従って図12に於て仮想線にて示されている如く、縮側
及び伸側の何れの場合にもアッパアームの同一の枢動角
速度について見てロータリダンパにより発生される減衰
力は図7の場合の減衰力(図12に於て実線にて示され
ている)よりも低くなる。
【0036】尚図11と図7との比較より解る如く、リ
ンク78及び80の長さが図7の場合よりも短く設定さ
れれば、ロータリダンパにより発生される減衰力は縮側
及び伸側の何れについても図7の場合の減衰力よりも高
くなる。
【0037】尚図1乃至図11に示された第一の各実施
例に於ては、リンク60の下端(軸線76)とリンク7
8及び80の外端との間の距離は同一であるが、リンク
60の下端とリンク78の外端(軸線90)との間の距
離がリンク60の下端とリンク80の外端との間の距離
よりも大きく設定されれば、縮側及び伸側の何れの場合
にもアッパアームの同一の枢動角速度について見てロー
タリダンパにより発生される減衰力は対応する各実施例
の場合の減衰力よりも高くなり、また二つの距離の関係
が逆の大小関係に設定されれば、ロータリダンパにより
発生される減衰力は対応する各実施例の場合の減衰力よ
りも低くなる。
【0038】図13はダブルウィッシュボーン式サスペ
ンションとして構成された本発明による車輌用サスペン
ションの第二の実施例を示す正面図、図14は図13に
示された第二の実施例の要部を示す平面図、図15は図
14の線XV−XVに沿う拡大部分断面図、図16はロータ
リダンパの回転軸線に沿う拡大部分断面図、図17はロ
ータリダンパの横断面を示す拡大断面図である。尚これ
らの図に於て図1乃至図4に示された部分と同一の部分
にはこれらの図に於て付された符号と同一の符号が付さ
れている。
【0039】この第二の実施例に於ては、スリーブ20
及び22の内面にはセレーションは設けられておらず、
これらのスリーブにはそれぞれトーションバー54及び
ロータリダンパ56のシャフト24が遊嵌状態にて挿通
されている。トーションバー54の他端及びシャフト2
4の一端は内面にセレーションを有する連結管96に挿
入され、連結管96により互いに整合する中心軸線54
A及び回転軸線56Aの周りに相対回転しないよう互い
に連結されている。シャフト24の他端は内面にセレー
ションを有する連結部材98に挿入され、連結部材88
によりアッパアーム14の前側アーム14Aの内端に連
結されている。従ってこの実施例に於けるシャフト24
はアッパアーム14の枢動によりトーションバー54と
共に回転軸線56Aの周りに捩られることによりトーシ
ョンバーの一部としても機能するようになっている。
【0040】またロータリダンパ56のベーン25はシ
ャフト24とは別の独立の部材として形成されており、
ボス部25Aとこれと一体をなす一対のベーン部25B
とよりなっている。シャフト24はロータリダンパ56
のハウジング58に嵌合する大径部24Aに回転軸線5
6Aに沿って延在する複数の溝24Bを有しており、溝
24Bにはボス部25Aの内面に設けられ径方向内方へ
突出する複数の板状突起25Cが回転軸線56Aに沿っ
てシャフト24に対し相対変位可能に嵌入している。か
くして溝24B及びこれに嵌入する板状突起25Cはベ
ーン25とトーションバーの一部として機能するシャフ
ト24とを相対回転不能に連結する相対回転規制手段1
00を構成している。
【0041】更にシャフト24にはその他端に近接して
左ねじの雄ねじ部材102が固定されており、雄ねじ部
材102はハウジング58の一端に設けられた雌ねじ1
04に螺合している。従ってアッパアーム14が枢動
し、シャフト24及びトーションバー54が捩られるこ
とにより雄ねじ部材102が回転すると、ハウジング5
8は回転軸線56Aに沿って移動する。この場合シャフ
ト24は一端より他端まで捩れ角が漸次増大するよう捩
られる。
【0042】従って例えばアッパアーム14が上方へ枢
動すると、ロータリダンパ56のハウジング58及びベ
ーン25はトーションバーに近付く方向へ変位し、これ
によりアッパアームの枢動角度とベーンの回転角度との
差が大きくなり、ハウジング58及びベーン25の相対
回転角度が小さくなる。逆にアッパアーム14が下方へ
枢動すると、ハウジング58及びベーン25はトーショ
ンバーより離れる方向へ変位し、これによりアッパアー
ムの枢動角度とベーンの回転角度との差が小さくなり、
ハウジング58及びベーン25の相対回転角度が大きく
なる。
【0043】かくして雄ねじ部材102及び雌ねじ10
4はアッパアーム14の枢動に応答してハウジング58
及びベーン25を回転軸線56Aに沿って駆動すること
により、相対回転規制手段100を構成する板状突起2
5Cの回転軸線56Aに沿う方向の位置を変化させる駆
動手段106を郭定しており、この駆動手段はアッパア
ーム14が枢動することによってシャフト24がトーシ
ョンバーの一部として捩られ雄ねじ部材102が回転さ
れることによって駆動される。
【0044】この第二の実施例によれば、車輪のバウン
ド、リバウンドを問わずアッパアーム14の枢動角速度
が非常に高く、従ってロータリダンパ56の一対のオイ
ル室59の間の差圧が非常に高くなる場合には、その差
圧によってシャフト24がアッパアーム14による捩れ
方向とは逆方向に捩られ、これによりベーン25のハウ
ジング58に対する相対回転角速度が低減され、ロータ
リダンパ56により発生される減衰力が低減される。
【0045】またこの第二の実施例によれば、相対回転
規制手段100の板状突起25Cは車輪のバウンド時に
は駆動手段106によりトーションバー54に近付く方
向へ駆動され、これによりハウジング58及びベーン2
5の相対回転角速度が低減され、逆に車輪のリバウンド
時にはトーションバーより離れる方向へ駆動され、ハウ
ジング及びベーンの相対回転角速度が増大されるので、
図18に於て実線にて示されている如く、ハウジング及
びシャフトの相対回転角度がアッパアームの枢動角度と
同一である場合(破線)に比して高い減衰力を発生させ
ることができ、しかも車輪のバウンド、リバウンドに拘
らずベーン25の回転軸線56Aに沿う方向の位置が一
定である場合(仮想線)に比して車輪のバウンドストロ
ークが高い領域に於ける減衰力を低減し、これによりこ
の領域に於て減衰力が過剰になることを確実に防止する
ことができ、また車輪のフルリバウンド近傍に於ける減
衰力を高くしてリバウンドストッパ38の負担を軽減
し、これによりリバウンドストッパの構造を簡略化する
ことができる。
【0046】尚この第二の実施例に於て車輪のリバウン
ド時に於ける減衰力が過剰に高くなることがないよう、
図17に於て右下及び左上のオイル室59を郭定するハ
ウジング58の内壁面の直径が、シャフト24のリバウ
ンド方向(図17で見て時計廻り方向)の回転終端位置
近傍に於て終端位置へ向うにつれて漸次大きくなり、こ
れによりチョーククリアランス57がシャフト24がリ
バウンド側の終端位置へ向けて回転するにつれて漸次大
きくなるよう設定されてもよい。
【0047】図19はダブルウィッシュボーン式サスペ
ンションとして構成された本発明による車輌用サスペン
ションの第三の実施例を示す正面図、図20は図19に
示された第三の実施例の要部を示す平面図、図21は図
20の線XXI −XXI に沿う拡大部分断面図である。尚こ
れらの図に於ても図13乃至図17に示された部分と同
一の部分にはこれらの図に於て付された符号と同一の符
号が付されている。
【0048】この第三の実施例に於ては、第二の実施例
の場合と同様トーションバー54の一端及びシャフト2
4の一端は連結管96により中心軸線54A及び回転軸
線56Aの周りに相対回転しないよう互いに連結されて
おり、シャフト24の他端は連結部材98によりアッパ
アーム14の前側アーム14Aの内端に相対回転しない
よう連結されている。またベーン25は相対回転規制手
段100によりシャフト24に連結されているが、第二
の実施例に於ける雄ねじ部材102及び雌ねじ104は
設けられていない。
【0049】ロータリダンパ56に近接した位置には回
転軸線56Aに平行に延在する油圧式のアクチュエータ
108が配置されている。アクチュエータ108はシリ
ンダ110とこれに往復動可能に嵌合しシリンダと共働
して二つのオイル室を郭定するピストン112とを有
し、シリンダ110はブラケット42により支持されて
いる。ピストン112のロッド部の先端にはリンク11
4が連結され、リンク114の他端はそれに設けられた
長溝に挿通されロータリダンパ56のハウジング58の
端壁にねじ込まれたボルト116によりハウジング58
の端壁に連結されている。二つのオイル室は導管118
及び120によりオイル給排装置122に接続されてお
り、アクチュエータ108はオイル給排装置122によ
って二つのオイル室に対するオイルの給排が制御される
ことにより伸縮されるようになっている。
【0050】図示の実施例に於ては、オイル給排装置1
22は電気制御装置124により制御されるようになっ
ている。電気制御装置124はストロークセンサ126
により検出される車輪のストロークHに基づき、例えば
図22に示されている如く、車輪のバウンド量及びリバ
ウンド量がそれぞれ所定値Hb 、Hr を越えるとバウン
ド量及びリバウンド量の増大につれてアクチュエータ1
08の長さが短くなるようオイル給排装置122を制御
するようになっている。
【0051】従ってこの第三の実施例によれば、第二の
実施例の場合と同様、車輪のバウンド、リバウンドを問
わずアッパアーム14の枢動角速度が非常に高く、従っ
てロータリダンパ56の一対のオイル室59の間の差圧
が非常に高くなる場合には、その差圧によってシャフト
24がアッパアーム14による捩れ方向とは逆方向に捩
られ、これによりベーン25のハウジング58に対する
相対回転角速度が低減され、ロータリダンパ56により
発生される減衰力が低減される。
【0052】また第三の実施例によれば、相対回転規制
手段100の板状突起25Cは車輪が大きくバウンドし
たりリバウンドするときにはアクチュエータ108によ
りトーションバー54に近付く方向へ駆動され、これに
よりハウジング58及びベーン25の相対回転角速度が
低減されるので、図23に於て実線にて示されている如
く、ハウジング及びシャフトの相対回転角度がアッパア
ームの枢動角度と同一である場合(破線)に比して高い
減衰力を発生させることができ、しかも車輪のバウン
ド、リバウンドに拘らずベーン25の回転軸線56Aに
沿う方向の位置が一定である場合(仮想線)に比して車
輪のバウンドストローク及びリバウンドストロークが高
い領域に於ける減衰力を低減し、これによりこれらの領
域に於て減衰力が過剰になることを確実に防止すること
ができる。
【0053】尚この第三の実施例に於ては、アクチュエ
ータ108の長さは車輪のストロークH以外の車輌の走
行状態を表すパラメータに応じて制御されてもよい。例
えば電気制御装置124は車速センサにより検出される
車速V及び操舵角センサにより検出される操舵角θに基
づき車輌の旋回に伴う車体の荷重移動量を推定により演
算すると共にその変化率を演算し、荷重移動量の変化率
が高いほどアクチュエータ108の長さが短くなるよう
オイル給排装置122を制御するよう構成されてもよ
い。かかる構成によれば、車体の荷重移動量の変化率が
高いほどハウジング58及びベーン25の相対回転角速
度の低減量が低減されるので、車輌の直進走行時等に於
ける車輌の良好な乗り心地性を確保しつつ、スラローム
走行時の如き車輌の過渡旋回時に於て十分な減衰力を確
保して車輌の操縦安定性を向上させることができる。
【0054】また電気制御装置114はストロークセン
サ126により検出される車輪のストロークHや、上下
加速度センサにより検出される車体の上下加速度に基づ
き、車体の上下振動の周波数を演算し、例えば図24に
示されている如く、車体の上下振動の周波数が所定値を
越えると上下振動の周波数の増大につれてアクチュエー
タ108の長さが長くなるようオイル給排装置122を
制御するよう構成されてもよい。かかる構成によれば、
車体の上下振動の周波数が高いほどハウジング58及び
ベーン25の相対回転角速度が低減されるので、車輌の
中低速走行時に於ける車体のあおりの如き振動を効果的
に防止しつつ、車輌の高速走行時に於ける車輌の良好な
乗り心地性を確保することができる。
【0055】更にこの実施例に於けるアクチュエータ
は、車輌の走行状態を表すパラメータに応じてベーン2
5の回転軸線56Aに沿う位置を変化させ、これにより
ハウジング58及びベーン25の相対回転角速度を変化
させ得る限り、例えばステッピングモータの如き電気式
のアクチュエータであってもよい。
【0056】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施
例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0057】例えば図示の各実施例に於ては、ロータリ
ダンパ56はそのシャフト24がアッパアーム14と共
に回転し、ハウジング58にリンク78の内端等が枢着
されているが、ロータリダンパはそのハウジングがアッ
パアームと共に回転するようアッパアームの内端に連結
され、シャフト24にその回転軸線56Aより隔置され
た位置にてリンク78の内端が枢着されてもよい。
【0058】また図示の各実施例に於ては、運動伝達手
段95によりロータリダンパ56のハウジング58に運
動が伝達されるサスペンション構成部材はアッパアーム
14であるが、サスペンション構成部材はキャリア10
やロアアーム16の如くアッパアーム以外のサスペンシ
ョン部材であってもよい。また図示の各実施例に於て
は、三つのリンク60、78、80により運動伝達手段
95が形成されているが、運動伝達手段はサスペンショ
ンアームの枢軸線の周りの枢動角度に対するハウジング
58及びベーン25の相対回転角度の比が1以上になる
ようサスペンション構成部材の運動をハウジング又はベ
ーンへ伝達し得る限り任意の構成のものであってよい。
【0059】更に図示の各実施例はダブルウィッシュボ
ーン式のサスペンションであるが、本発明のサスペンシ
ョンはかかる型式のものに限定されるものではなく、本
発明は一端にて枢軸線の周りに枢動可能に車体に支持さ
れ他端にて車輪キャリアを支持するサスペンションアー
ムと、キャリアの上下動に伴い運動するサスペンション
構成部材とを有する限り、例えばマクファーソンストラ
ット式サスペンション、4リンク式サスペンションの如
き任意の型式のサスペンションに適用されてよく、特に
上述の請求項3の構成に於てはサスペンションスプリン
グは圧縮コイルスプリングであってもよい。
【0060】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、サスペンションアームの
枢軸線の周りの枢動角度に対するハウジング及びベーン
シャフトの相対回転角度の比が1以上になるよう、運動
伝達手段によりサスペンション構成部材の運動がハウジ
ング及びベーンシャフトの他方へ一方とは逆方向の回転
として伝達されるので、ロータリダンパのオリフィスや
チョーククリアランスを小さくしなくても十分な減衰力
を応答性よく発生させることができ、またハウジング及
びベーンシャフトの一方は相対回転規制手段によりトー
ションバーと相対回転不能に連結されており、従ってハ
ウジング及びベーンシャフトの相対回転角速度が非常に
高くなると、減衰力の反力によってトーションバーが捩
られてハウジング及びベーンシャフトの相対回転角速度
が低減されるので、キャビテーションや過剰な減衰力が
発生する虞れを低減し、これにより車輌の乗り心地性の
悪化を低減することができる。
【0061】また上述の請求項2の構成によれば、駆動
手段により相対回転規制手段の中心軸線に沿う方向の位
置を変化させることができるので、サスペンションアー
ムの枢動角速度に対するハウジング及びベーンの相対回
転角速度の比を変化させることができ、これによりロー
タリダンパの減衰力特性を変化させることができる。特
に駆動手段がサスペンションアームの枢動を相対回転規
制手段へ中心軸線に沿う方向の運動として伝達すること
により相対回転規制手段の中心軸線に沿う方向の位置を
変化させるよう構成される場合には、相対回転規制手段
を駆動するためのエネルギや車輪のバウンド、リバウン
ド等を検出する手段は不要であるので、駆動手段を単純
に且低廉に構成することができ、駆動手段が車輌の走行
状態に応じて相対回転規制手段を中心軸線に沿って駆動
し位置決めするよう構成される場合には、サスペンショ
ンアームの枢動角速度に対するロータリダンパのハウジ
ング及びベーンシャフトの相対回転角速度の比を車輌の
走行状態に応じて任意に変化させることができ、これに
よりロータリダンパの減衰力特性を車輌の走行状態に応
じて最適に制御することができる。
【0062】また本発明の請求項3の構成によれば、サ
スペンションアームの枢軸線の周りの枢動角度に対する
ハウジング及びベーンシャフトの相対回転角度の比が1
以上になるよう、運動伝達手段によりサスペンション構
成部材の運動がハウジング及びベーンシャフトの他方へ
一方とは逆方向の回転として伝達されるので、ロータリ
ダンパのオリフィスやチョーククリアランスを小さくし
なくても十分な減衰力を応答性よく発生させることがで
き、またハウジング及びベーンシャフトの所定の相対回
転角度範囲に於てロータリダンパにより発生される減衰
力が減衰力低減手段によって低減されるよう構成されて
いるので、所定の相対回転角度範囲を例えば車輪のフル
バウンド近傍の領域に設定することにより、かかる領域
に於てロータリダンパにより過剰な減衰力が発生される
ことを確実に防止することができ、これにより車輌の乗
り心地性の悪化を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダブルウィッシュボーン式サスペンションとし
て構成された本発明による車輌用サスペンションの第一
の実施例を示す正面図である。
【図2】図1に示された第一の実施例の要部を示す平面
図である。
【図3】図2の線III −III に沿う拡大部分断面図であ
る。
【図4】図3の線IV−IVに沿う部分断面図である。
【図5】ロータリダンパの横断面を示す拡大断面図であ
る。
【図6】図1乃至図4に示された三つのリンクの互いに
他に対する枢着構造を示す拡大部分断面図である。
【図7】図1乃至図3に示された第一の実施例の作動を
示すスケルトン図である。
【図8】アッパアームの枢動角速度が一定である場合に
ついて第一の実施例に於ける車輪のストロークHと車輪
に対する減衰力Fとの間の関係を示すグラフである。
【図9】一つのリンクの一端の取付け位置が上方へ変更
された場合に於ける第一の実施例の作動を示すスケルト
ン図である。
【図10】図9に示された実施例に於けるロータリダン
パの減衰力特性を図7の場合の特性と比較して示すグラ
フである。
【図11】二つリンクの長さが長く設定された場合に於
ける第一の実施例の作動を示すスケルトン図である。
【図12】図11に示された実施例に於けるロータリダ
ンパの減衰力特性を図7の場合の特性と比較して示すグ
ラフである。
【図13】ダブルウィッシュボーン式サスペンションと
して構成された本発明による車輌用サスペンションの第
二の実施例を示す正面図である。
【図14】図13に示された第二の実施例の要部を示す
平面図である。
【図15】図14の線XV−XVに沿う拡大部分断面図であ
る。
【図16】ロータリダンパの回転軸線に沿う拡大部分断
面図である。
【図17】ロータリダンパの横断面を示す拡大断面図で
ある。
【図18】アッパアームの枢動角速度が一定である場合
について第二の実施例に於ける車輪のストロークHと車
輪に対する減衰力Fとの間の関係を示すグラフである。
【図19】ダブルウィッシュボーン式サスペンションと
して構成された本発明による車輌用サスペンションの第
三の実施例を示す正面図である。
【図20】図19に示された第三の実施例の要部を示す
平面図である。
【図21】図20の線XXI −XXI に沿う拡大部分断面図
である。
【図22】車輪のストロークHとアクチュエータの長さ
との間の関係を示すグラフである。
【図23】アッパアームの枢動角速度が一定である場合
について第三の実施例に於ける車輪のストロークHと車
輪に対する減衰力Fとの間の関係を示すグラフである。
【図24】車体の上下振動の周波数とアクチュエータの
長さとの間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…キャリア 14…アッパアーム 16…ロアアーム 24…シャフト 25…ベーン 54…トーションバー 56…ロータリダンパ 58…ハウジング 95…運動伝達手段 100…相対回転規則手段 106…駆動手段 108…アクチュエータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端にて枢軸線の周りに枢動可能に車体に
    支持され他端にて車輪キャリアを支持するサスペンショ
    ンアームと、前記キャリアの上下動に伴い前記車体に対
    し相対的に運動するサスペンション構成部材と、前記枢
    軸線に整合する回転軸線の周りに相対回転可能に互いに
    嵌合するハウジング及びベーンシャフトを有し前記ハウ
    ジング及び前記ベーンシャフトの相対回転により減衰力
    を発生するよう構成されたロータリダンパと、一端にて
    前記車体に固定され他端にて前記サスペンションアーム
    により中心軸線の周りに捩られるトーションバーと、前
    記ハウジング及び前記ベーンシャフトの一方を前記トー
    ションバーと相対回転不能に連結する相対回転規制手段
    と、前記サスペンションアームの前記枢軸線の周りの枢
    動角度に対する前記ハウジング及び前記ベーンシャフト
    の相対回転角度の比が1以上になるよう前記サスペンシ
    ョン構成部材の運動を前記ハウジング及び前記ベーンシ
    ャフトの他方へ前記一方とは逆方向の回転として伝達す
    る運動伝達手段とを有する車輌用サスペンション。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された車輌用サスペンショ
    ンに於て、前記ベーンシャフトは前記回転軸線に沿って
    相対変位可能なベーン及びシャフトよりなり、前記シャ
    フトは一端にて前記トーションバーの他端に相対回転不
    能に連結され他端にて前記サスペンションアームの内端
    に連結され、前記相対回転規制手段は前記ベーンを前記
    シャフトと相対回転不能に連結するよう構成されてお
    り、前記相対回転規制手段の前記中心軸線に沿う方向の
    位置を変化させる駆動手段が設けられていることを特徴
    とする車輌用サスペンション。
  3. 【請求項3】一端にて枢軸線の周りに枢動可能に車体に
    支持され他端にて車輪キャリアを支持するサスペンショ
    ンアームと、前記キャリアの上下動に伴い前記車体に対
    し相対的に運動するサスペンション構成部材と、前記枢
    軸線に整合する回転軸線の周りに相対回転可能に互いに
    嵌合するハウジング及びベーンシャフトを有し前記ハウ
    ジング及び前記ベーンシャフトの相対回転により減衰力
    を発生するよう構成されたロータリダンパと、前記ハウ
    ジング及び前記ベーンシャフトの一方を前記サスペンシ
    ョンアームと連結する連結手段と、前記サスペンション
    アームの前記枢軸線の周りの枢動角度に対する前記ハウ
    ジング及び前記ベーンシャフトの相対回転角度の比が1
    以上になるよう前記サスペンション構成部材の運動を前
    記ハウジング及び前記ベーンシャフトの他方へ前記一方
    とは逆方向の回転として伝達する運動伝達手段と、前記
    ハウジング及び前記ベーンシャフトの所定の相対回転角
    度範囲に於て前記ロータリダンパにより発生される減衰
    力を低減する減衰力低減手段とを有する車輌用サスペン
    ション。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100412836B1 (ko) * 2001-07-12 2003-12-31 현대자동차주식회사 자동차의 회전형 쇽 업소버장치
CN110466300A (zh) * 2019-08-13 2019-11-19 浙江大学 一种移动机器人扭簧旋转阻尼器悬架结构

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CN110466300A (zh) * 2019-08-13 2019-11-19 浙江大学 一种移动机器人扭簧旋转阻尼器悬架结构

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