JPH08259264A - ガラスセラミックス誘電体材料 - Google Patents
ガラスセラミックス誘電体材料Info
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- JPH08259264A JPH08259264A JP7094385A JP9438595A JPH08259264A JP H08259264 A JPH08259264 A JP H08259264A JP 7094385 A JP7094385 A JP 7094385A JP 9438595 A JP9438595 A JP 9438595A JP H08259264 A JPH08259264 A JP H08259264A
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Abstract
率と低い誘電損失を有し、且つ、低温で焼成可能である
ため、電極や導体材料として銀や銅が使用可能であり、
しかも機械的強度が高く、耐熱性が良好であり、マイク
ロ波用回路部品材料として好適なガラスセラミックス誘
電体材料を提供する。 【構成】 重量百分率でガラス粉末40〜90%、セラ
ミックス粉末60〜10%からなり、該ガラス粉末がS
iO2 10〜35%、Ln2 O3 (ランタノイド系酸化
物) 5〜35%、TiO2 15〜50%、RO(アル
カリ土類金属酸化物) 3〜45%、PbO 1〜30
%、ZrO2 0〜25%からなることを特徴とする。セ
ラミックス粉末としては、1GHzにおいて比誘電率9
以上、且つ、誘電損失20×10-4以下のセラミックス
材料を使用することが好ましい。
Description
周波数、具体的には、0.1GHz以上の周波数におい
て高い比誘電率と低い誘電損失を有し、マイクロ波用回
路部品材料として好適なガラスセラミックス誘電体材料
に関するものである。
り高速化、高周波化の傾向にある。自動車電話やパーソ
ナル無線に代表される移動体通信機器、衛星放送、衛星
通信、CATV等に代表されるニューメディア機器で
は、機器のコンパクト化が強く推し進められており、こ
れに伴い誘電体共振器等のマイクロ波用回路素子に対し
ても小型化が強く望まれている。
磁波の波長が基準になる。比誘電率εの誘電体中を伝播
する電磁波の波長λは、真空中の波長をλ0 とすると、 λ=λ0 /√ε となる。回路素子は、εの平方根に反比例して小型化で
きるが、また素子の比誘電率が大きいと、電磁波エネル
ギーが素子内に集中するため、電磁波の漏れが少なくな
るという利点もある。
て、マイクロ波領域の周波数において高い比誘電率を有
するセラミックスが各種開発されている。
有するガラス繊維によって樹脂を補強した材料も開発さ
れ、特開平4−322007号公報、特開平4−367
537号公報において具体的に開示されている。
材料として、例えばBaO−TiO2 系セラミック、B
aO−Ln2 O3 −TiO2 系セラミック、複合ペロブ
スカイト系セラミック、ZrO2 −TiO2 −SnO2
系セラミック等が知られている。これらのセラミックス
材料は、高誘電率、低誘電損失であり、しかも強度が高
いものである。しかしながらこれらの材料をシート状に
成形し、複数枚を積層した後、焼成して積層型の高周波
デバイスや回路基板を作製する場合、1200℃以上の
温度で焼成する必要があるため、電極や導体材料として
銀や銅を使用することができず、より耐熱性に優れた高
価な材料を使用する必要があり、材料コストが高くなる
という欠点を有している。
強した材料は、セラミックスに比べて切断、孔開け加工
等の点で優れているが、0.1GHz以上の周波数で、
10以上の比誘電率を得ようとすると、従来より回路基
板に広く用いられてきたエポキシ樹脂に代えて、ポリフ
ッ化ビニリデン(ε=13)やシアノ樹脂(ε=16〜
20)のような比誘電率の高い樹脂を使用する必要があ
る。しかしながらこのような樹脂は、高周波(特に10
0MHz以上)での誘電損失(tanδ)が高く、マイ
クロ波用回路基板材料としては性能が良くない。しかも
このような樹脂を使用した回路基板は、基本的に耐熱性
が低いという欠点もある。
において高い比誘電率と低い誘電損失を有し、且つ、低
温で焼成可能であるため、電極や導体材料として銀や銅
が使用可能であり、しかも機械的強度が高く、耐熱性が
良好であり、マイクロ波用回路部品材料として好適なガ
ラスセラミックス誘電体材料を提供することである。
を重ねた結果、SiO2 、Ln2 O3 、TiO2 、R
O、PbOを主成分とする結晶性のガラス粉末と、高誘
電率、低誘電損失のセラミックス粉末とを組み合わせる
ことにより、上記目的を達成できるガラスセラミックス
材料が得られることを見いだし、本発明として提案する
ものである。
材料は、重量百分率でガラス粉末40〜90%、セラミ
ックス粉末60〜10%からなり、該ガラス粉末がSi
O210〜35%、Ln2 O3 5〜35%、TiO2 1
5〜50%、RO 3〜45%、PbO 1〜30%、
ZrO2 0〜25%からなることを特徴とする。
ス粉末の割合を上記のように限定した理由は、ガラス粉
末が40%より少ない(即ち、セラミックス粉末が60
%より多い)と焼成時に緻密化し難いために、焼成体の
強度が著しく低下したり焼成体内部に多数の気孔が生じ
て誘電率が低下する。一方、ガラス粉末が90%より多
い(即ち、セラミックス粉末が10%より少ない)とガ
ラス成分が焼成体表面から浮き出し、表面に印刷される
導体との接着強度が低下する。
りである。
ーであり、その含有量は10〜35%、好ましくは15
〜30%である。SiO2 が10%より少ないとガラス
化範囲より外れ、安定したガラスが得られなくなり、3
5%より多いとガラスの比誘電率が低くなる。
6 O11、Nd2 O3 等のランタノイド系酸化物)は比誘
電率を高める成分であるとともに析出結晶の構成成分と
なり、その含有量は合量で5〜35%、好ましくは10
〜30%である。Ln2 O3の合量が5%より少ないと
析出結晶量が少なくなり、比誘電率が低下するとともに
焼成体の強度が低下し、35%より多いとガラス成形時
に失透し易くなる。
ともに析出結晶の構成成分となる。またSiO2 と同じ
くガラスのネットワークフォーマーとなり、その含有量
は15〜50%、好ましくは20〜45%である。Ti
O2 が15%より少ないと析出結晶量が少なくなって比
誘電率が低下するとともに焼成体の強度が低下し、50
%より多いとガラス成形時に失透し易くなる。
リ土類金属酸化物)も比誘電率を高める成分であるとと
もに析出結晶の構成成分となり、その含有量は合量で3
〜45%、好ましくは5〜35%である。ROが3%よ
り少ないと析出結晶が少なくなって比誘電率が低下する
とともに焼成体の強度が低下し、また溶解性が悪くな
る。ROが45%より多いとガラス成形時に失透し易く
なる。
%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%の範囲で
あることが好ましく、特にBaO 5〜30%、CaO
0〜10%、SrO 0〜10%であることが望まし
い。
を向上させる成分であり、その含有量は1〜30%、好
ましくは3〜25%である。PbOが1%より少ないと
比誘電率が低下するとともに溶解性が悪くなり、30%
より多いと析出結晶量が少なくなって焼結体の強度が低
下する。
成分であり、その含有量は0〜25%、好ましくは0〜
20%である。ZrO2 が25%より多いと溶解性が悪
くなる。
%まで添加しても差し支えない。
としては、高い比誘電率、低い誘電損失の材料であれば
種々のものが使用できる。特に1GHzにおける比誘電
率が9以上、且つ、誘電損失が20×10-4以下のセラ
ミックス材料を使用することが好ましい。
して、Al2 O3 、ZrO2 、ZrSiO4 、ZrTi
O4 、TiO2 、BaTi4 O9 やBa2 Ti9 O20や
CaTiO3 やSrTiO3 等のRO−TiO2 系セラ
ミック、Nd4 Ti9 O24やLa4 Ti9 O24等のLn
2 O3 −TiO2 系セラミック、及びBaNd2 Ti5
O14やSrPr2 Ti3 O10等のRO−Ln2 O3 −T
iO2 系セラミックの群より選択された1種又は2種以
上組み合わせて使用することができる。
成することによりガラス中からBa2 Ti9 O20、Ca
TiO3 、SrTiO3 等のRO−TiO2 系結晶や、
La4 Ti9 O24、Nd4 Ti9 O24等のLn2 O3 −
TiO2 系結晶や、SrPr2 Ti3 O10、BaNd2
Ti5 O14等のRO−Ln2 O3 −TiO2 系結晶が析
出する。さらにこれらの系の結晶中にPbOやBi2 O
3 が含まれる場合もある。上記各結晶は、高い比誘電
率、低い誘電損失及び高い機械的強度を有するため、こ
れらの特性に優れた焼成体を得ることができる。
料を実施例に基づき説明する。
(試料A〜F)を示すものである。
た。
酸化セリウム、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、
酸化チタン、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸スト
ロンチウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス
を準備し、表中の各組成となるように原料を調合した
後、白金坩堝に入れて1400〜1500℃で3〜6時
間溶融してから、水冷ローラーによって薄板状に成形し
た。次いでこの成形体を粗砕した後、水を加えてボール
ミルにより湿式粉砕し、平均粒径が1.5〜3.0μm
の粉末とした。
の周波数で15.4〜22.3の比誘電率と14〜22
×10-4の誘電損失を有していた。
クス粉末(試料a〜g)を示すものである。
rO2 は市販品を使用した。またそれ以外のセラミック
ス粉末は、原料として酸化ジルコニウム、純珪粉、酸化
チタン、炭酸バリウム、酸化ネオジウムを準備し、表2
のセラミックスとなるように各原料を調合した後、水を
加えてボールミルにより24時間湿式混合し、次いで乾
燥させてから、表中の焼成条件で焼成し、この焼成物を
ボールミルで平均粒径が1.5〜3.0μmになるまで
粉砕することによって作製した。
GHzの周波数で、9.0〜100.0の比誘電率と、
0.5〜8.0×10-4の誘電損失を有していた。
セラミックス粉末とを混合して作製したガラスセラミッ
クス誘電体材料(試料No.1〜16)を示すものであ
る。
なるグリーンシートを作製し、その複数枚を積層し焼結
させる方法を以下に述べる。
割合で混合した後、所定量の結合剤、可塑剤及び溶剤を
添加してスラリーを調製する。結合剤としては、例えば
ポリビニルブチラール樹脂、メタアクリル酸樹脂等、可
塑剤としては、例えばフタル酸ジブチル等、溶剤として
は、例えばトルエン、メチルエチルケトン等を使用する
ことができる。
ルム上にドクターブレード法によって塗布し、厚みが約
0.2mmのグリーンシートを作製する。その後、この
グリーンシートを乾燥させ、所定寸法に切断してから、
機械的加工を施してスルーホールを形成し、導体や電極
となる低抵抗金属材料をスルーホール及びグリーンシー
ト表面に印刷する。次いでこのようなグリーンシートの
複数枚を積層し、熱圧着によって一体化する。
を、約3℃/分の速度で約500℃まで昇温し、この温
度で約30分保持することによってグリーンシート中の
有機物質を除去する。その後、約10℃/分の速度で表
中の焼成温度まで昇温し、その温度で表中の焼成時間保
持して焼結させる。
試料は、900〜920℃の低温で焼成可能であり、得
られた焼成体は1GHzの周波数で15.9〜46.1
の比誘電率と12〜23×10-4の誘電損失を有してい
た。しかも曲げ強度が1800kg/cm2以上と高
く、熱膨張係数が80〜94×10-7/℃であった。
ピーダンスアナライザーを使用し、25℃の温度での値
を求めた。熱膨張係数は、石英押棒式のディラトメータ
ーを使用して測定した。また軟化点は、周知のファイバ
ー法によって測定した。さらに曲げ強度は、10×45
×1mmの大きさとなるように作製した焼成体を3点荷
重測定法によって測定した。
クの製造方法として、グリーンシートの例を挙げたが、
本発明はこれに限定されるものではなく、一般にセラミ
ックの製造に用いられる各種の方法を適用することが可
能である。
ス誘電体材料は、1000℃以下の低温で焼成すること
が可能であり、電極や導体材料として銀や銅を使用する
ことができる。またマイクロ波領域の周波数において高
い比誘電率と低い誘電損失を有し、しかも耐熱性と機械
的強度が高いため、マイクロ波用回路部品材料として好
適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量百分率でガラス粉末40〜90%、
セラミックス粉末60〜10%からなり、該ガラス粉末
がSiO2 10〜35%、Ln2 O3 (ランタノイド系
酸化物) 5〜35%、TiO2 15〜50%、RO
(アルカリ土類金属酸化物) 3〜45%、PbO 1
〜30%、ZrO2 0〜25%からなることを特徴とす
るガラスセラミックス誘電体材料。 - 【請求項2】 セラミックス粉末が、1GHzにおいて
比誘電率9以上、且つ、誘電損失20×10-4以下のセ
ラミックス材料からなることを特徴とする請求項1のガ
ラスセラミックス誘電体材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09438595A JP3624407B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | ガラスセラミックス誘電体材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09438595A JP3624407B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | ガラスセラミックス誘電体材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08259264A true JPH08259264A (ja) | 1996-10-08 |
JP3624407B2 JP3624407B2 (ja) | 2005-03-02 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09438595A Expired - Fee Related JP3624407B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | ガラスセラミックス誘電体材料 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3624407B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002167274A (ja) * | 2000-11-29 | 2002-06-11 | Kyocera Corp | 低温焼結磁器組成物およびそれを用いた多層配線基板 |
-
1995
- 1995-03-27 JP JP09438595A patent/JP3624407B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2002167274A (ja) * | 2000-11-29 | 2002-06-11 | Kyocera Corp | 低温焼結磁器組成物およびそれを用いた多層配線基板 |
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