JPH08257781A - エネルギービームによる加工方法および加工装置 - Google Patents

エネルギービームによる加工方法および加工装置

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JPH08257781A
JPH08257781A JP7086539A JP8653995A JPH08257781A JP H08257781 A JPH08257781 A JP H08257781A JP 7086539 A JP7086539 A JP 7086539A JP 8653995 A JP8653995 A JP 8653995A JP H08257781 A JPH08257781 A JP H08257781A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な作業工程や装置構成により、パターン
作製の自由度の高い加工が精度良く行え、特に種々の分
野で益々必要とされる超微細領域での加工においてその
ような効果を発揮できる加工方法及び装置を提供する。 【構成】 エネルギービーム源1より発生したエネルギ
ービームBを遮蔽物4を介して被加工物2に照射してこ
れを加工する方法であって、該エネルギービームとして
収束性のエネルギービームを用い、被加工物表面上に該
遮蔽物のパターンを縮小もしくは拡大する加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被加工物表面にエネル
ギービームを用いてエッチング・成膜・接合・接着など
の加工を行う方法及び装置に関し、特に、遮蔽物のパタ
ーンもしくはパターン孔形状を収束性ビームによって投
影し、パターンもしくはパターン孔形状の縮小もしくは
拡大した形状の加工を、被加工物表面上に行う加工方法
及び加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体プロセスにおいてフォトリ
ソグラフィ技術を利用して加工する場合、図15に示す
ように、加工を行わない部分をフォトレジストマスクで
覆い、フォトレジストで覆われていない部分に、紫外線
ビームや、プラズマプロセスではプラズマからのエネル
ギーイオンを照射して加工する。加工深さは加工時間を
制御することにより制御される。
【0003】この工程に用いるフォトリソグラフィを用
いたフォトレジスト作製及び加工工程についてさらに説
明する。まず、始めに加工基板1にレジスト材2をコー
ティングする(工程1)。次に、フォトマスク3を介在
させて紫外線4を照射し、フォトマスク3に形成したパ
ターン穴3aをレジスト材2に転写する(工程2)。次
に、これを現像する事により、パターン穴3aを通して
紫外線4が照射された部分のレジスト材2を除去して、
加工基板1の表面を露出させる(工程3)。
【0004】次に、プラズマ中のイオンやラジカル種を
この加工基板1の露出面に作用させて異方性エッチング
を行い(工程4)、最後にレジスト材2を除去する(工
程5)。以上の工程を経て、加工基板1の表面にフォト
マスクのパターン穴3aと同形の穴1cを形成するとい
う微細加工が行われる。半導体デバイスの作製過程で
は、この工程が繰り返し行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のフォトリソグラフィ技術では、非常に煩雑な工程を
必要とし、手間やコストがかかるとともに、表面に膜を
形成することに起因する種々の制約を受ける。例えば、
平坦度のよい基板にしか適用できず、また、1μm以下
の微細なパターンでフォトレジスト付けを行うことは大
変困難であり、特別な装置や工夫が必要であった。
【0006】さらに、フォトリソグラフィ技術では、作
業の煩雑さに加え、予めフォトマスクパターンを用意し
なければならず、異なったパターンを作製する場合に
は、別のフォトマスクパターンを新たに作製する必要が
あり、コストがかかるとともにパターン作製の自由度が
制限される。また、加工プロセス後においては、残留フ
ォトレジストの除去を行なう必要があり、これを加工表
面に影響なく行うことも大変困難であった。例えば、ア
ッシングでは、加工表面にダメージを与えるおそれがあ
り、また、溶液による除去でも加工表面のコンタミや加
工形状の悪化を招いていた。
【0007】加工方法として従来よく用いられているプ
ラズマプロセスを用いた場合においては、加工底面の平
坦加工や加工側壁の垂直性が悪い加工となる。これは、
イオンの入射方向がばらついていること、超微小領域に
電荷がたまりチャージアップするため、荷電粒子の入射
方向ばらつきがさらに悪化すること、超微細領域では等
法的加工特性が顕著となること、等の理由による。特
に、1μm以下の超微細加工では、精度の良い加工が困
難であった。
【0008】また、フォトレジストの材料として紫外線
感光材料など限られた材料しか利用できない。また、被
加工物の表面状態にも、平坦度や紫外線に対する反射率
の均一性などの制限がある。また、この様なフォトレジ
ストマスクでは、材料表面上の膜付けに限られるため、
形成されるフォトレジストパターンの寸法に限られた加
工となる。この発明は、簡単な作業工程や装置構成によ
り、パターン作製の自由度の高い加工が精度良く行え、
特に種々の分野で益々必要とされる超微細領域での加工
においてそのような効果を発揮できる加工方法及び装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、エネルギービーム源より発生したエネルギービーム
を遮蔽物を介して被加工物に照射してこれを加工する方
法であって、該エネルギービームとして収束性のエネル
ギービームを用い、被加工物表面上に該遮蔽物のパター
ンを縮小もしくは拡大する加工を行なうことを特徴とす
るエネルギービームによる加工方法である。請求項2に
記載の発明は、前記加工が、エッチング、成膜、接合及
び接着のいずれかであることを特徴とする請求項1に記
載のエネルギービームによる加工方法である。請求項3
に記載の発明は、上記加工を、当該遮蔽物と被加工物と
の距離を制御しながら行うことを特徴とする請求項1又
は2に記載のエネルギービームによる加工方法である。
【0010】請求項4に記載の発明は、上記加工を遮蔽
物を被加工物に対して相対移動させてから繰り返し行な
うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
のエネルギービームによる加工方法である。この際、微
小移動機構を設けて微小な相対移動を行い、これによっ
て段差を形成するようにしてもよい。また、1つの遮蔽
物を順次移動しつつビーム照射を行い、1つのパターン
を繰り返し形成するようにしてもよい。請求項5に記載
の発明は、上記加工を遮蔽物を交換してから繰り返し行
なうことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
載のエネルギービームによる加工方法である。
【0011】請求項6に記載の発明は、遮蔽物を被加工
物に対して相対移動させつつ収束エネルギービームを照
射することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに
記載のエネルギービームによる加工方法である。請求項
7に記載の発明は、上記エネルギービームが、高速原子
線、イオンビーム、電子線、レーザー、放射線、X線、
原子線、及び分子線のいずれかであることを特徴とする
請求項1ないし6のいずれかに記載のエネルギービーム
による加工方法である。請求項8に記載の発明は、当該
遮蔽物の最小部形状が、0.1nm〜10nmもしくは
10nm〜100nmもしくは100nm〜10μmで
あることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記
載のエネルギービームによる加工方法である。
【0012】請求項9に記載の発明は、収束性エネルギ
ービーム源と、このエネルギービーム源より放射された
収束性エネルギービームの照射位置に配置された被加工
物支持台と、所定のパターンを有する遮蔽物と、遮蔽物
及び被加工物の少なくとも1つを他者に対して相対移動
可能に支持する支持装置とを有することを特徴とするエ
ネルギービームによる加工装置である。請求項10に記
載の発明は、遮蔽物を被加工物に対して回転移動させる
機構を有することを特徴とする請求項9に記載のエネル
ギービームによる加工装置である。請求項11に記載の
発明は、遮蔽物を被加工物に対して並進移動させる機構
を有することを特徴とする請求項9に記載のエネルギー
ビームによる加工装置である。
【0013】請求項12に記載の発明は、被加工物を遮
蔽物に対して回転移動させる機構を有することを特徴と
する請求項9に記載のエネルギービームによる加工装置
である。請求項13に記載の発明は、上記請求項1ない
し8に記載の方法及び/又は請求項9ないし12に記載
の装置のいずれかを用いて作製されたことを特徴とする
量子効果素子である。請求項14に記載の発明は、上記
請求項1ないし8に記載の方法及び/又は請求項9ない
し12に記載の装置のいずれかを用いて作製されたこと
を特徴とする摩擦力及び/又はコンダクタンス軽減効果
を有する部材である。
【0014】
【作用】請求項1に記載の発明においては、収束性エネ
ルギービームにより、被加工物表面上に遮蔽物のパター
ンが縮小もしくは拡大するように投影され、これによ
り、遮蔽物のパターンを縮小もしくは拡大して転写する
ように加工がなされる。収束ビームを用いることによ
り、特に、微小な加工を精度よく、しかも、平坦度や加
工表面状態の良好な加工が実現される。遮蔽物は、通常
被加工物とは別体として形成し、これを該被加工物の表
面より離れた位置に位置決めし、収束性エネルギービー
ムを遮蔽物を介して被加工物に照射する。
【0015】縮小率又は拡大率は、収束ビームの収束角
度と、遮蔽物及び被加工物の距離で決まる。一定の収束
角度のビームであれば、遮蔽物と被加工物の相対位置制
御機構を用いて相対位置を変えることにより、収縮又は
拡大率を制御することができる。収縮するときは、被加
工物を収束ビームの収束点の上流側に置き、拡大すると
きは、下流に置く。遮蔽物は別体なので、被加工物の任
意の面、任意の場所にビームの照射が可能であり、被加
工物の多面加工による3次元構造物の作製が可能とな
る。
【0016】請求項2に記載の発明においては、エネル
ギービームの種類を変えることにより、エッチング、成
膜、接合及び接着のいずれかが行われる。使用ガスが被
加工物表面と化学反応性があり、エッチング反応を起こ
す場合と、成膜を形成する場合があり、ビームや加工に
使用するガスの種類やガスの励起状態を制御することに
より、エッチング・成膜等の加工が可能となる。また、
複数の微小物を接合したり接着する事も可能であり、接
合・接着では、例えば、接合する面や場所に、金や銀等
の接合用材質の成膜を行って、組立後、加熱による融合
接合を行う場合や物体相互の接触部や境界部に局所成膜
を行って、固定を行うなどが、可能となる。請求項3に
記載の発明においては、縮小率又は拡大率を、遮蔽物及
び被加工物の距離を変えることにより制御できる。
【0017】請求項4に記載の発明においては、遮蔽物
を被加工物に対して相対移動させてから加工を繰り返し
行うことにより、パターンを重ね合わせた加工や、被加
工物の他の面の加工が簡単な工程で行われる。請求項5
に記載の発明においては、異なるパターンを持つ遮蔽物
に交換してから照射を行なうことにより、異なるパター
ンの重ね合わされた加工が行われる。請求項6に記載の
発明においては、遮蔽物を被加工物に対して相対移動さ
せつつ収束エネルギービームを照射することにより、パ
ターンがそのまま転写されるのではなく、局所的にビー
ム照射時間を制御することができ、単純な凹凸でなく連
続的に深さの変わる斜面や曲面を持つ凹凸が形成され
る。
【0018】請求項7に記載の発明においては、エネル
ギービーム源で発生したエネルギービームを処理して良
好な直進性・指向性を持たせた収束性エネルギービーム
が用いられる。このようなエネルギービームを用いた加
工では、エネルギービームのばらつきが少なく、選択的
に加工が進行するので、遮蔽物の位置と移動速度の制御
のパターン通りの超微細加工が可能となる。このように
指向性のよいエネルギービームを利用することで、狭い
加工場所にもビームが到達し、プラズマプロセスでは困
難であった超微細でアスペクト比の高い加工が可能とな
る。つまり、垂直なエッチング側壁やなめらかで平坦度
の良いエッチング底面の実現が可能となる。特に、1μ
mより微小パターンの加工領域では、従来のプラズマプ
ロセスでは、イオンの入射方向のばらつきが影響するた
め困難となるが、本発明では、エネルギービームが、指
向性・直進性が良いために、遮蔽物と被加工物表面の距
離は、密着状態においても離れた状態においても、精度
の良い加工が可能となる。
【0019】高速原子線は中性のエネルギー粒子ビーム
であり、指向性が非常に優れたビームであるため、あら
ゆる材料に対して適用でき、超微細パターンの作製の
時、超微小の穴や隙間にもビームが難なく到達できるた
め、非常に精度の良い、かつ、平坦度の良い加工底面や
垂直な加工壁の作製が実現できる。イオンビームは、金
属など導電性の材料の加工時に有効となる。電子線を用
いた加工では、電子線自体が、シャワー状に放射される
ビームの場合と一本の微小ビーム径のビームの場合があ
り、双方とも、反応性ガスを導入し、被加工物に電子線
が照射され反応性ガスが励起し、表面の加工が進行する
機構を有しており、電子線照射制御性が優れている。
【0020】レーザ及び放射光及びX線は、エネルギー
や波長が異なり、表面との相互作用効果が異なるが、超
微細加工を行うときには、レーザー・放射光・X線の照
射のみによる表面脱離加工が行われる場合と、反応性ガ
スを用いて、表面吸着しているガス粒子にレーザーや放
射光やX線を照射し、それによって励起された表面吸着
ガス粒子による表面脱離加工が行われる。レーザー・放
射線・X線の使い分けは、加工パターンの寸法や加工表
面や反応性ガス粒子との吸収励起作用効果の違いがある
ので、効率の良い物を使用する。寸法が超微細パターン
になると、例えば、レーザーの波長より小さなパターン
形状の加工は困難となるため、より波長の短いX線や放
射光を利用する。また、原子や分子線は低エネルギーの
粒子ビームであり、加工表面における低ダメージで、ソ
フトな加工が達成される。この様に、加工目的に応じ、
適するエネルギービーム源を選択して用いる。
【0021】請求項8に記載の発明においては、当該遮
蔽物の最小部形状が、0.1nm〜10nmもしくは1
0nm〜100nmもしくは100nm〜10μmであ
り、それをさらに縮小した寸法の転写加工が被加工物に
なされる。請求項9ないし12の発明によれば、従来の
半導体プロセスで用いられるプラズマプロセスと異な
り、被加工物の任意の面、任意の場所にビームの照射が
可能であり、被加工物の多面加工による3次元構造物の
作製が可能となる。請求項13に記載の発明において
は、上記請求項1ないし8の方法及び/又は請求項9な
いし12の装置を用いて精度の高い加工を受け、高い性
能を持つ量子効果素子が作製される。量子効果素子とし
ては、3−5属系のGaAs・AlGaAs・InGa
As等やSi系の半導体材料が用いられる。
【0022】請求項14に記載の発明においては、上記
請求項1ないし8の方法及び/又は請求項9ないし12
の装置を用いて精度の高い加工を受け、高い性能を持つ
摩擦力及び/又はコンダクタンス軽減効果を有する部材
が作製される。これにより、2つ以上の物体が相対的に
位置移動し、物体表面が、こすれたり、転がったりする
表面に関して、特別な効果が期待される。すなわち、本
発明による物体表面の超微細パターン加工を行うと、表
面の超微細な凹凸を均一な深さで、垂直な加工壁で、し
かも良好な平坦度を保った加工面が実現されるため、そ
の超微細加工された物体表面と他の物体表面と接触し、
擦れ合うとき生じる摩擦力の大幅な軽減が可能となる。
これは、接触面積の軽減による静・動摩擦係数の軽減と
擦れた時に生じるくずの逃げポケットがあるため、すり
合わせ表面にごみやすり合わせくずが食い込むことがな
く、摩擦力の軽減が出来るためである。
【0023】このような特徴を生かして、従来よりも、
低摩擦力で動作できる機器の作製が可能となる。回転体
のすり合わせ面における摩擦軽減が有効となる機器とし
て、光・磁気ディスク及びディスク用のヘッド部や磁気
テープ用録音・再生ヘッド等のすり合わせ機構部におい
て大変有効となる。従来より低摩擦動作が可能となるた
め、ヘッド・磁気テープ・磁気ディスク・光ディスクの
耐久性が向上し、例えば、より薄く軽い、つまり記録容
量の大きい磁気ディスクや磁気テープが作製可能とな
る。また、超微小・軽量のヘッドにより大記録容量を達
成するときに、摩擦力によるスティッキングが大問題と
なるが、その問題の解決を行うことが出来る。同様に、
回転軸受けや滑り軸受けの接触面においても、同様のこ
とがいえる。回転軸受けや滑り軸受けの接触部に超微細
加工穴もしくは溝等のパターン加工を施すことにより、
摩擦力軽減が可能となり、耐久性や軸受け精度の向上が
実現する。
【0024】また、流体シール機構や流量制御機構とし
ても、従来より高精度で高性能な機構を実現することが
出来る。例えば、従来のラビリンスシールに比べ、超微
細溝の加工が可能となることにより、溝の段数を増加で
き、従来よりも大変コンパクトなラビリンスシール機構
が可能となる。また、従来のように、溝を数段設けるの
ではなく、超微小穴を軸受け側もしくは軸もしくは双方
に設けることにより、回転摩擦力軽減と流体コンダクタ
ンス軽減により、流体シール機能を実現できる。この方
法では、軸もしくは軸受け側に超微細穴を加工すればよ
く、本発明による超微細加工方法を用いると、非常に簡
単に加工できる。また、高精度の軸加工と軸受け加工を
行うと、上記の方法により、軸受けと流体シールを同時
に、一つの軸受け機構で実現できる。従来は、回転軸受
とラビリンス軸受を併用していた。
【0025】
【実施例】図1は、この発明の加工方法に用いる加工装
置の一実施例を示すもので、これには、収束性エネルギ
ービームBを発生させるエネルギービーム源1と、これ
に対向する位置に被加工物2を支持する支持装置3と、
このエネルギービーム源1と被加工物2の間の位置に遮
蔽物4を把持する把持装置5とを備えている。支持装置
3には、被加工物2を微動あるいは粗動させる被加工物
移動装置6が設けられ、把持装置5には遮蔽物4を微動
あるいは粗動させる遮蔽物移動装置7が設けられてい
る。
【0026】被加工物移動装置6は回転・並進移動ステ
ージであり、これにはX,Y,Z方向の3軸の並進移動
機構8,9,10と、Z軸を中心とする回転移動機構1
1とが順次積み重ねられて用いられている。遮蔽物移動
装置7には、X,Y,Z方向の並進3軸移動機構12,
13,14と、被加工物2表面と遮蔽物4との平行度を
調整するために用いられる2軸の平行度調整機構15が
備えられている。
【0027】遮蔽物の設置部には、図2に示すように、
圧電素子16を用いた超精密移動機構17が設置されて
おり、ここでは圧電素子16と、縮小もしくは拡大移動
機構を用いて、並進方向における微動の移動速度の制御
が0.1nm〜50nmのオーダーで可能となってい
る。この圧電素子16を用いた超精密微動移動機構17
の例を図3及び図4に示す。圧電素子を用いた微動移動
方向は、1ないし3軸を持つものが用いられるが、図3
では1軸の場合を、図4では、2軸の場合の例を示す。
【0028】図5は、図1と同様の装置であるが、被加
工物2を支持する支持装置3が異なっている。すなわ
ち、3軸の並進移動機構8,9,10と水平な1軸回り
の回転機構18を備えており、ビームBの軸に対して垂
直な軸もしくは斜めの軸回りの被加工物2の回転が可能
となっている。被加工物2の把持装置5は、図1と同様
であり、圧電素子を用いた微動移動機構も、1ないし3
軸の場合がある点も同様である。圧電素子駆動のほか
に、磁歪効果や変動効果を用いた微動移動機構も使用さ
れ、必要とされる移動距離の大小に応じて、テコ作用を
用いた移動距離制御機構を用いる。
【0029】図6は、この発明の加工方法の基本的な実
施例を示すもので、遮蔽物4は図7に示すような電鋳に
よるNi製のマスク40でできており、照射ビームを遮
蔽するパターン部41の最小寸法は10μmである。こ
こでは、エネルギービームとして収束性の高速原子線、
すなわち一定の収束点Oに向かって収束する高速原子線
を用い、1/1000の縮小投影加工が行われる。例え
ば、10μm幅のパターン部41を通過する高速原子線
Bが、収束点から1度のビーム収束角を有するとする
と、収束点からの距離L=約286μmの位置に幅10
nmのビーム被照射部が形成される。このような収束性
ビームの縮小投影効果により、図8に示すような、遮蔽
物4のパターン部41の1/1000の大きさの突条部
42が形成される。
【0030】通常の収束ビームBにはそれ自体の収差が
あるので、被加工物2と遮蔽物4との微小距離の調整を
行って、所望の寸法のパターン加工が達成される距離に
おいて加工を行うようにする。また、収束ビームBの収
差が大きい場合では、この収差を逆に利用して照射ビー
ム量の制御を行い、超微細加工を行う。この場合も、被
加工物2と遮蔽物4の距離が重要な要素となる。図9
は、上述と同じNi製マスク40を用いて成膜加工を行
った場合である。ここでは、収束ビームBとして、原子
(分子)のラジカルビームを用いている。例えば、メタ
ン含有ガスやWF6などのタングステン含有ガスを用い
た収束原子(分子)ビームを用いて、被加工物2の1面
もしくは複数の面上に10nmオーダーの成膜パターン
43が作製される。
【0031】図10は、遮蔽物4が、微小棒状物44か
らなっている例である。このような微小棒状物44は、
図示しない基部に一体に形成されており、ハンドリング
の便宜を図っている。図6と同様に、棒状遮蔽物44と
被加工物と2の距離を制御することにより、棒状遮蔽物
44の寸法を縮小した寸法の突条42を形成する加工が
可能となる。図11(a)、(b)は、遮蔽物が複数の
例である。図11(a)では、並列に並べられた棒状の
微小遮蔽物44に収束性高速原子線等のエネルギービー
ムBを照射し、複数の超微細な突条42を形成してい
る。図11(b)では、遮蔽物4として複数の微小棒状
物体44を組み合わせたメッシュ状のものを用い、交差
する突条45を形成している。
【0032】図12は、上述の方法で、例えば、電鋳製
のNiパターンや棒状物体の組み合わせによる遮蔽物を
用いて、被加工物2の複数の面に縮小投影加工をして交
差する突条45を形成した例である。この様に、収束性
エネルギービームを用いて、遮蔽物4の縮小投影超微細
加工を被加工物2の複数面に行うことにより、従来、困
難であった、超微細な多面・3次元加工が実現でき、電
子・情報通信・量子効果素子・摩擦力軽減機構の作製時
に大変有効になる。
【0033】図13は、図10と同様に、遮蔽物4が微
小棒状物44からなっている例であるが、ここでは、こ
の遮蔽物4を被加工物2の表面に沿って移動しながら収
束性ビームを照射し、これにより2つの曲率を持つ曲面
46,47を持つ突条48を形成する例である。ここで
は、微小棒状物44の図示しない基部を図1の把持装置
で把持し、これを微動機構などでX方向に端から端まで
移動する。
【0034】このようにすると、遮蔽物4をX方向に一
定速度で移動させれば、被加工物2の表面の照射量は全
面で均一になり、エッチング加工して単に平坦な面とす
る。移動速度を変化させると、平均的な移動速度より遅
いところでは遮蔽時間が長くなり、他の部分より加工量
が少なくなって凸部が形成される。一方、平均速度より
速いところでは遮蔽時間が短くなり、他の部分より加工
量が多くなって凹部が形成される。また、速度変化を大
きくすれば急な傾斜面が、小さくすれば緩やかな傾斜面
が形成される。また、一定の速度変化で移動すれば直線
的斜面が、速度変化量を変えればそれに応じた曲面が形
成される。一方の曲面47を上記のようにして平坦面と
することもできる。なお、上記の方法では、一定の位置
・速度パターンでの移動を繰り返すことにより、1つの
微小棒条物44によって結果的に複数の突条48を形成
することができる。
【0035】図14は、球状物体49に棒状の針50が
4方向についていて、球状物体49を支持している構造
の遮蔽物4の例である。このとき、ビーム飛翔方向の中
心軸上に球状物体49の中心と被加工物2の回転中心が
ある。この様な条件でエネルギービーム加工を行うと、
球状物49の縮小投影が行われて突起51が形成され
る。針部50は回転しているために、被加工物2の表面
上で均一なエネルギービーム照射量となり、最終的に、
球状物49の形状のみの縮小投影加工が行われることに
なる。このとき、被加工物2の回転運動の制御を行い周
期的に静止時間状態を形成すれば、針部50の縮小加工
部も達成できる。
【0036】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の加工方
法又は加工装置によれば、簡単な作業工程や装置構成に
より、パターン作製の自由度の高い加工が精度良く行え
るので、広い範囲の工業分野において有効に活用されて
加工能率の向上と高精度の信頼性の高い製品の製造に寄
与する。特に、遮蔽物自体を小さくすることなく縮小加
工ができるので、精密機械や半導体・メカトロニクスな
ど、広い分野で益々必要とされる超微細領域の加工にお
いて有用であり、新たな機能を持つ新製品の工程的生産
に道を開く可能性も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例のエネルギービームによる
加工装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】超微動機構を示す図である。
【図3】超微動機構をさらに詳細に示す斜視図である。
【図4】他の超微動機構の例を示す斜視図である。
【図5】この発明の第二の実施例のエネルギービームに
よる加工装置の全体構成を示す模式図である。
【図6】この発明の加工方法の一実施例を示す模式図で
ある。
【図7】図6の加工方法に用いる遮蔽物の実施例を示す
図である。
【図8】図6の方法で加工された被加工物の一実施例で
ある。
【図9】図6の方法で成膜された被加工物の一実施例で
ある。
【図10】この発明の他の実施例の加工方法を示す図で
ある。
【図11】この発明のさらに別の加工方法を示す図であ
る。
【図12】図11の加工方法で作製された被加工物を示
す図である。
【図13】この発明の他の実施例の加工方法を示す図で
ある。
【図14】この発明のさらに別の加工方法を示す図であ
る。図11の遮蔽物を用いた加工方法の例を示す図であ
る。
【図15】従来のビームによる加工方法を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 エネルギービーム源 2 被加工物 3 支持装置 4 遮蔽物 5 把持装置 6 被加工物移動装置 7 遮蔽物移動装置 8,9 並進ステージ 11 回転ステージ 12,13,14 並進ステージ 17 微動機構 18 回転支持装置

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エネルギービーム源より発生したエネル
    ギービームを遮蔽物を介して被加工物に照射してこれを
    加工する方法であって、 該エネルギービームとして収束性のエネルギービームを
    用い、 被加工物表面に該遮蔽物のパターンを縮小もしくは拡大
    するパターンの加工を行なうことを特徴とするエネルギ
    ービームによる加工方法。
  2. 【請求項2】 前記加工が、エッチング、成膜、接合及
    び接着のいずれかであることを特徴とする請求項1に記
    載のエネルギービームによる加工方法。
  3. 【請求項3】 上記加工を、当該遮蔽物と被加工物との
    距離を制御しながら行うことを特徴とする請求項1又は
    2に記載のエネルギービームによる加工方法。
  4. 【請求項4】 上記加工を遮蔽物を被加工物に対して相
    対移動させてから繰り返し行なうことを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれかに記載のエネルギービームによ
    る加工方法。
  5. 【請求項5】 上記加工を遮蔽物を交換してから繰り返
    し行なうことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載のエネルギービームによる加工方法。
  6. 【請求項6】 遮蔽物を被加工物に対して相対移動させ
    つつ収束エネルギービームを照射することを特徴とする
    請求項1ないし5のいずれかに記載のエネルギービーム
    による加工方法。
  7. 【請求項7】 上記エネルギービームが、高速原子線、
    イオンビーム、電子線、レーザー、放射線、X線、原子
    線、及び分子線のいずれかであることを特徴とする請求
    項1ないし6のいずれかに記載のエネルギービームによ
    る加工方法。
  8. 【請求項8】 当該遮蔽物の最小部形状の寸法が、0.
    1nm〜10nmもしくは10nm〜100nmもしく
    は100nm〜10μmであることを特徴とする請求項
    1ないし7のいずれかに記載のエネルギービームによる
    加工方法。
  9. 【請求項9】 収束性エネルギービーム源と、 このエネルギービーム源より放射された収束性エネルギ
    ービームの照射位置に配置された被加工物支持台と、 所定のパターンを有する遮蔽物と、 遮蔽物及び被加工物の少なくとも1つを他者に対して相
    対移動可能に支持する支持装置とを有することを特徴と
    するエネルギービームによる加工装置。
  10. 【請求項10】 遮蔽物を被加工物に対して回転移動さ
    せる機構を有することを特徴とする請求項9に記載のエ
    ネルギービームによる加工装置。
  11. 【請求項11】 遮蔽物を被加工物に対して並進移動さ
    せる機構を有することを特徴とする請求項9に記載のエ
    ネルギービームによる加工装置。
  12. 【請求項12】 被加工物を遮蔽物に対して回転移動さ
    せる機構を有することを特徴とする請求項9に記載のエ
    ネルギービームによる加工装置。
  13. 【請求項13】 上記請求項1ないし8に記載の方法及
    び/又は請求項9ないし12に記載の装置のいずれかを
    用いて作製されたことを特徴とする量子効果素子。
  14. 【請求項14】 上記請求項1ないし8に記載の方法及
    び/又は請求項9ないし12に記載の装置のいずれかを
    用いて作製されたことを特徴とする摩擦力及び/又はコ
    ンダクタンス軽減効果を有する部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010247193A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Nagaoka Seisakusho:Kk 基板処理装置

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