JPH08257705A - 銅を含む高強度鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

銅を含む高強度鋼の連続鋳造方法

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JPH08257705A
JPH08257705A JP6740495A JP6740495A JPH08257705A JP H08257705 A JPH08257705 A JP H08257705A JP 6740495 A JP6740495 A JP 6740495A JP 6740495 A JP6740495 A JP 6740495A JP H08257705 A JPH08257705 A JP H08257705A
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Atsushi Itami
丹 淳 伊
Kosaku Shioda
田 浩 作 潮
Kenichi Miyazawa
沢 憲 一 宮
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のストランドからなる連続鋳造機におい
て、1つのストランドでは連続鋳造中の一時期に鋳型内
の溶鋼にCuおよびNiを加えて、注入溶鋼の一部から
該溶鋼とは異なる含銅高強度鋼を、歩留りよく鋳造し、
他のストランドにおいては注入溶鋼をそのまま鋳造する
ことにより、経済的に含銅高強度鋼を製造する。 【構成】 同一タンディッシュから同時に溶鋼を供給さ
れる複数のストランドからなる連続鋳造機において、1
つのストランドでは一方向の磁界を鋳片を横切るように
鋳片に印加する電磁ブレ−キを鋳型の下部あるいは下方
に設置し、磁界を印加した状態でCuを重量比で0.1
%以上、必要に応じてNiを0.01%以上添加する。
その際、電磁ブレ−キよりも上方の溶鋼を撹拌してもよ
い。他のストランドにおいては、Cu,Niの添加なし
に注入溶鋼をそのまま鋳造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のストランドから
なる連続鋳造機により同時並行で複数の同一成分の鋳片
を連続鋳造しつつ一時期には1つのストランドで異成分
の銅を含む高強度鋼を鋳造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】鉄鋼材料の用途は時を重ねるに従って増加
し、その結果として鉄鋼材料の種類は多くなっている。
従って、需要家の多くの要求を満たすためには材質の異
なる鉄鋼材料を少量ずつ製造するようになってきてい
る。いわゆる多品種小ロット材の製造である。多品種小
ロット材の製造下では、その後の圧延等の製造工程にお
いて要求される特性を造り分けることができない場合
は、たとえわずかの合金成分の差であっても別の種類と
して製造する必要がある。
【0003】その場合、工業的な製造では大容量の、例
えば300トンの転炉で精錬しなければならないため、
本来必要とする量が高々10トン程度であっても300
トン出鋼しなければならない。これは大きな無駄であ
り、残された290トンを必要が生じるまでスラブとし
て備蓄する場合には在庫が増加し置き場や金利負担を必
要とする問題が生じる。また、スクラップとして再溶解
する場合にはスクラップにするための余分なコストがか
かる問題が生じる。これらの問題は、最終的に鋼材の価
格を上げることになる。従って、多品種小ロット材の製
造は、鉄鋼業界において積年の課題であった。
【0004】多品種小ロット材の鋳造技術の提案として
は、例えば、伊藤 孝:72・73回西山記念技術講
座,p143−p172,日本鉄鋼協会、に提示された
ワイヤ添加法がある。ここでの目的は、A1キルド鋼の
Sol.Al含有量の制御にあるが、これを拡大解釈す
るとその他の材質を変化させる合金成分を溶鋼中に添加
することにより多品種小ロット材の製造に供することが
できる。
【0005】しかし、この方法では、合金を加えた直後
から所望の成分になるまでに時間がかかり、この間の鋳
片(移行部:成分遷移部)は、添加した合金成分の濃度
(成分比)が不確定で不均一となる。すなわち、移行部
は長くかつその部分が不確定で不均一であるため使い物
にならないことを意味し、歩留りが悪い。
【0006】一方、銅を含む鋼板は、種々の特異な特性
を示すことが知られている。例えば、極低炭素鋼にTi
やNbを添加することにより実質的に固溶炭素や固溶窒
素を排除したIF鋼に、銅を1.5%程度添加して、冷
延焼鈍後析出処理を行なうと、銅が炭窒化物を形成せず
に単独で析出強化し、引張強度が固溶体強化では工業的
には達成不可能な590N/mm2級にまでおよび、か
つ成形性に極めて優れた鋼板となる。この鋼板は需要が
堅調ではあるが使われる部品が極めて少ないことから少
量しか用いられていない。従って、小ロット材の代表格
であり大容量の転炉で出鋼された後スラブとして長い間
保管する必要があること、さらには含銅鋼をスクラップ
とするためには多くの問題があること等から、その製造
可否が問われるほど鉄鋼メーカにおいては製造が嫌われ
る鋼種であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、小ロット材
の代表格である含銅高強度鋼の鋳造自由度を高くするこ
とを第1の目的とし、鋳造の歩留りをよくすることを第
2の目的とし、含銅高強度鋼の鋳造および管理に要する
コストを低減することを第3の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のストラ
ンドからなる連続鋳造機の各ストランドに同一種の溶鋼
を注入しながら、1つのストランドについては、鋳型の
下部に、あるいは鋳型よりも下方の鋳片に、鋳片引抜き
方向と交叉する方向の制動磁界を印加し、該制動磁界よ
りも上方の溶鋼中にCuを重量比で0.1%以上、必要
に応じてNiを0.01%以上添加し、他のストランド
においては前記溶鋼を通常の方法で鋳造することを第1
の特徴とし、Cuおよび必要に応じてNiを添加すると
きには、前記制動磁界よりも上方の溶鋼を電磁撹拌する
ことを第2の特徴とする。
【0009】
【作用】1つのストランドにおいて、Cuおよび必要に
応じてNiの供給を開始したときと終了したときには、
上述の移行部(成分遷移部)が鋳片にできる。
【0010】ここで、Cuおよび必要に応じてNiを供
給しているとき制動磁界があると、制動磁界のところ
で、ノズルから注入され下方(鋳片引抜き方向)に流れ
ようとする溶鋼流に、上方に戻そうとする電磁力が加わ
り、すなわち流下を阻止する力が加わり、これにより制
動磁界に達する位置で溶鋼流が鋳型内面に向かう方向に
進行方向が曲り、そして鋳型内面に沿って上昇しようと
する。すなわち、制動磁界を境にして、それより上側
(浸漬ノズル側)の溶鋼は下方への流動を抑制されてそ
の結果該上側(以下この領域を遮断プ−ルと称す)で循
環流を形成しようとする。遮断プ−ルにはCuおよび必
要に応じてNiが供給されるが、これが該循環流によ
り、効率よくプ−ル内溶鋼に分散する。すなわち、制動
磁界により、遮断プ−ルに先行する溶鋼に対して遮断プ
−ルが分離(溶鋼流の遮断もしくは抑制)され、遮断プ
−ルにおいては、供給されるCu,Niの撹拌が実現
し、これにより、先行の、Cu,Niを供給しない溶鋼
への、その後供給したCu,Niの拡散が少く、しか
も、Cu,Niの供給を開始してから鋳型内溶鋼のC
u,Niの所望成分比への収束が速く、したがって前述
の移行部(成分遷移部)の、鋳片引抜き方向の長さが大
幅に短くなる。すなわち1つのストランドによる小ロッ
ト材である含銅高強度鋼の鋳造歩留りが大幅に向上す
る。他のストランドにおいては鋳型に進入される溶鋼の
みの連続鋳造が行なわれ、これは従来の通常の同一種鋳
片の大量連続鋳造であり、鋳造歩留りが従来の通常と同
じく非常に高い。
【0011】以下に、より具体的に説明する。図1は、
本発明を一態様で実施する複数ストランドからなる連続
鋳造機の、多品種小ロット材の鋳造に割り当てられた1
つのストランドの連続鋳造鋳型2の、広幅面に垂直な面
で切断した縦断面図、図2は該鋳型2の広幅面に平行な
面で切断した縦断面図である。
【0012】鋳型2の下部には電磁ブレ−キ用の電磁石
7が装備されており、溶鋼メニスカスのやや下にあたる
位置に、電磁撹拌装置9が装備されている。電磁ブレ−
キ用の電磁石7は、広幅面の幅方向に均一な密度の、鋳
片引抜き方向10と直交する磁束をもたらす一方向の磁
界を、連続鋳造用鋳型2内の溶鋼4を横切るように、鋳
型内溶鋼4に印加することができる。8はこの際の静磁
界(静磁場)すなわち制動磁界である。なお、電磁ブレ
ーキの電磁石7は、鋳型2の下方に配設してもよい。た
だし、鋳型2内に注入される溶鋼の流れが実質上及ぶ最
下点f点よりも上方とする。
【0013】タンディッシュからノズル11を通して鋳
型2内に注入される溶鋼流れは、制動磁界8が印加され
ていない場合は、f点まで達する。しかし、制動磁界8
を形成した場合は、制動磁界8を通過する溶鋼注入流
に、これを阻止するローレンツ力が制動磁界8から働
き、注入流の侵入深さは略c/d(一点鎖線)レベルま
でとなる。図2においては、制動磁界8による磁束は、
紙面の裏から表に向かう方向に流れている。
【0014】本発明の第1実施態様では、溶鋼を連続鋳
造する途中で、すなわちノズル11を通して実質上一定
の成分比の溶鋼を連続的に鋳型2に注入しているとき
に、電磁ブレ−キ用の電磁石7に通電して、すなわち上
述の制動磁界8を形成して、該制動磁界8よりも上方の
溶鋼中にCuおよび必要に応じてNiを供給する。図2
には、CuおよびNiを均一密度に封入した鋼ワイヤ3
を、鋳造速度に比例する速度で鋳型内溶鋼に送り出すこ
とにより、溶鋼に対する定量供給を行なう態様を示し
た。
【0015】したがって所定比で鋳型内溶鋼にCuおよ
びNiが供給されるが、制動磁界8が、ノズル11から
の溶鋼注入流がc/dのレベル以下に侵入するのを妨げ
ている。その結果、供給されたCuおよびNiを含む溶
鋼は、a,b,c’,d’の範囲内にある遮断プ−ル内
で、注入される溶鋼流によって均一に混合され、一定の
速度(引抜き速度)でこのプールから下方に押し出され
る。すなわち、電磁石7の電磁ブレーキによって鋳型2
内に、供給されるCuおよびNiを溶鋼と混合のための
小さなプールが形成され、その範囲内での混合が行なわ
れるため、濃度が均一となるための時間が短縮されると
ともに、このプールからその下方に押し出される流れ
は、プラグフロー化されて対流を形成しにくいため、制
動磁界8の下部では新たな混合(先行の溶鋼と後行の溶
鋼の混合)を引き起こさない。従って、最初の成分から
次の成分に変化する継目すなわち移行部(成分遷移部)
の長さは最短となる。
【0016】このように、供給されたCuおよびNiは
電磁ブレーキより上の一定体積のプール内で十分に混合
されるため、CuおよびNiの供給を開始してから所定
の時間経過し、定常状態になった時点で得られる鋳片内
のCu,Ni成分濃度は安定しており、鋳片横断面なら
びに鋳片長さ方向で一定である。従って、本発明の実施
によりCu,Ni添加によって生じるCu,Ni濃度変
化領域の長さを大幅に低減するとともに鋳片内のどの部
分をとってもCu,Ni濃度が一様となり、鋳造製品の
歩留りが大幅に向上する。
【0017】この際添加する元素は、本願発明では小ロ
ットである銅を含む高強度鋼を製造することを目的とし
て、Cuを重量比で0.1%以上添加する。銅Cuの添
加量が0.1%未満では、含銅鋼としての特徴が現れな
い。これは、従来から公知であるが、含銅鋼を極めて安
価に製造するために、ここではこれを規定する。上限は
特に限定しないが、Cu添加はコストの上昇を招くた
め、2%以下の添加が好ましい。
【0018】また、熱延したのちの表面疵、いわゆる銅
によるへげの発生を防止するために、本発明においてN
iをCuと共に添加することができる。その場合、その
効果を発輝させるためNiの添加量は0.01%以上と
する。これも公知の技術ではあるが、効率よく銅を含む
高強度鋼を製造するためには必要な条件である。
【0019】本発明の第2実施態様では、少くとも鋳型
2の溶鋼に合金成分を供給している間、電磁撹拌装置9
を駆動する。電磁撹拌装置9は鋳型内溶鋼に推力を与え
るリニアモ−タであるが、他の公知のものを用いてもよ
い。この電磁撹拌装置9は、電磁石7よりも上方に、好
ましくは鋳型内溶鋼のメニスカス近傍に配する。この方
法によると、図2のa,b,c’,d’の範囲内にある
溶鋼には、溶鋼注入流によって発生した強い撹拌力F’
と電磁撹拌力の双方が作用し、溶鋼は一層顕著に混合す
る。従って、Cu,Ni添加時にその溶鋼中のCu,N
i濃度が均一化する速度が速く、成分濃度を均一化する
効果が高い。Cu,Niの供給開始時に遮断プ−ル内の
溶鋼を所望成分濃度にするための量のCu,Niを高速
で供給し、この供給後は、鋳造速度に比例する速度でC
u,Niを供給する供給速度制御を電磁撹拌と併用する
ことにより、移行部(成分遷移部)の長さが更に短くな
り、鋳造製品の歩留りが更に向上する。
【0020】なお、Cu,Niを添加する直前に、また
Cu,Niの添加を止めた直後に、鋳型内の溶鋼の上下
方向の混合を防止するための遮蔽板を鋳型内の溶鋼の湯
面に挿入することができる。これは、比重の異なる2つ
以上の合金を添加するときに、合金成分を添加した溶鋼
から添加しない溶鋼への該合金成分の拡散を防止する効
果が高い。この場合遮蔽板は公知のものを用いてよい。
【0021】なお、Cu,Niの供給は、Cu,Niの
パウダ,粒,Cu,Niワイヤ等の連続的送給で行なう
ことができるが、Cu,Niを所定密度で内部に封入し
た鋼ワイヤ,Cuワイヤ,Niワイヤあるいは、Cuと
Niの一方のワイヤを他方で被覆したクラッドワイヤを
溶鋼中に供給する方法が好ましい。この方法によるとワ
イヤ送り速度の調整により供給量を容易かつ正確に調整
できる。
【0022】上述の第1実施例態様および第2実施態様
のいずれにおいても、析出強化型高強度鋼の連続鋳造を
終了するときには、すなわちCu,Niの供給を終了す
るときは、Cu,Niの供給を停止し、そのとき遮断プ
−ルにあった溶鋼量が、制動磁界8が加わっていないと
きに鋳型2内に注入される溶鋼の流れが実質上及ぶ最下
点f点を通過した後に、電磁石7の通電を遮断する。な
お、Cu,Niの供給中も、合金の添加を開始してから
鋳片内の成分濃度が安定し、安定した領域がf点を通過
した後に電磁石7の通電を遮断してもよい。このように
遮断した後、Cu,Niの供給を終了するときは、C
u,Niの供給を停止し、電磁石7に通電して制動磁界
8を溶鋼に印加し、そのとき遮断プ−ルにあった溶鋼量
が、制動磁界8が加わっていないときに鋳型2内に注入
される溶鋼の流れが実質上及ぶ最下点f点を通過した後
に、電磁石7の通電を遮断する。なお、制動磁界8の印
加が操業上格別な支障又は負担にならない場合には、電
磁場8を定常的に印加しておいてもよい。電磁撹拌は、
Cu,Niの供給中は常に行なうのが好ましい。
【0023】電磁ブレーキ用の電磁石7や電磁撹拌装置
9を新たに導入する場合は現状では設備費が安いとは言
えないため、本発明においては複数あるストランドにお
いて1つのストランドにおいてはそれらを備えて、含銅
高強度鋼の鋳造が必要なときに、上述のように電磁石7
および電磁撹拌装置9を使用して、含銅高強度鋼を鋳造
する。その鋳造を終えると、他のストランドと同様に、
タンディッシュから注入される溶鋼のみの鋳造を行な
う。他のストランドにおいては常時タンディッシュから
注入される溶鋼のみの鋳造を行なう。
【0024】
【実施例】第1表に示す組成(成分比:重量%)の鋼A
を通常の精錬により300トン得、2つのストランドを
有する連続鋳造機において一方の第1ストランドにおい
て鋼Aを先に50トン鋳込み、途中から鋳型内のメニス
カスから溶鋼中に銅ワイヤの送給によりCuが1.4%
になるように鋼No.A−1を、制動磁界8を印加しか
つ電磁撹拌装置9で溶鋼を撹拌して50トン鋳込み、さ
らにCuは同量の供給でNiを0.6%になるように供
給して鋼No.A−2(A−2−1,A2−2,A2−
3)を鋳込んだ。もう一方の第2ストランドにおいて
は、通常の方法で鋼Aを150トン鋳込んだ。鋳片の形
状は厚み230mm,幅1250mmであった。電磁ブ
レーキ用の電磁石7は、鋳型内メニスカスから500〜
700mmの位置に設置した。
【0025】第1ストランドにおける、Cuを供給した
上記鋳造の各条件は、第2表に示す通りである。すなわ
ち、鋼No.A−1は、制動磁界8を印加しかつ溶鋼を
電磁撹拌しつつCuを供給したが、Niは添加しなかっ
たものであり、鋼No.A−2(A−2−1,A2−
2,A2−3)は、CuとNiを供給したものであり、
その中で、鋼No.A−2−1は制動磁界8を印加せ
ず、電磁撹拌も行なわなかったもの、鋼No.A−2−
2は制動磁界8は印加したが、電磁撹拌を行なわなかっ
たもの、また、鋼No.A−2−3は制動磁界8を印加
しかつ電磁撹拌を行なったものである。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】第2表の条件で溶鋼中へのCuの添加を開
始してから、鋳片のCu量が1.4%になるまでの鋳片
の長さと、Cuが1.4%になった後のCuのばらつき
は、第3表の通りであった。
【0029】
【表3】
【0030】第3表のように、制動磁界8を印加して鋳
造したもの(A−2−2,A−2−3)は、Cuの量が
目標量になるまでの鋳片の長さが短く、かつCuが1.
4%になった後のCu量のばらつきも小さい。また、制
動磁界8の印加に加えて電磁撹拌を行なったもの(A−
2−3)は、Cuのばらつきの低減効果が高い。
【0031】さらに、第2表の条件0の方法で鋳造した
鋼No.A−1と条件3で鋳造した鋼No.A−2−3
について、スラブ抽出温度1250℃、仕上圧延終了温
度:920℃、巻取温度:600℃の条件で熱延を行
い、板厚3mmの熱延鋼板を得た。この熱延板の表面疵
の有無を目視により調査し、その結果を第4表に示し
た。
【0032】
【表4】
【0033】第4表のように、Cu量の多い鋼(A−
1,A−2)の表面疵をなくすためには、Niの添加が
必要である。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明法を用いれば、需
要は堅調ではあるが極小量しか使われない含銅鋼を極め
て容易に、かつ必要な時にのみ製造することができ、大
容量の転炉により操業している製鉄所においては、多量
の在庫を持つことなく、さらにスクラップにさせること
なく製造することができる。含銅鋼の鋳造歩留りが向上
しコストが低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を一態様で実施する複数のストランド
を有する連続鋳造機の、1つのストランドの鋳型の長片
の縦断面図である。
【図2】 図1に示す鋳型の短片の縦断面図である。
【符号の説明】
2:鋳型 3:ワイヤ 4:鋳型内の溶鋼 6:凝固シェル 7:電磁ブレ−キ用の電磁石 8:制動磁界 9:電磁撹拌装置 10:鋳片の引き
抜き方向 11:浸漬ノズル
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22D 11/00 B22D 11/00 P

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のストランドからなる連続鋳造機の各
    ストランドに同一種の溶鋼を注入しながら、1つのスト
    ランドについては、鋳型の下部に、あるいは鋳型よりも
    下方の鋳片に、鋳片引抜き方向と交叉する方向の制動磁
    界を印加し、該制動磁界よりも上方の溶鋼中にCuを重
    量比で0.1%以上、必要に応じてNiを0.01%以
    上添加し、他のストランドにおいては前記溶鋼を通常の
    方法で鋳造することを特徴とする、銅を含む高強度鋼の
    連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】複数のストランドからなる連続鋳造機の各
    ストランドに同一種の溶鋼を注入しながら、1つのスト
    ランドについては、鋳型の下部に、あるいは鋳型よりも
    下方の鋳片に、鋳片引抜き方向と交叉する方向の制動磁
    界を印加し、該制動磁界よりも上方の溶鋼中にCuを重
    量比で0.1%以上、必要に応じてNiを0.01%以
    上添加し、かつ前記制動磁界よりも上方の溶鋼を電磁撹
    拌し、他のストランドにおいては前記溶鋼を通常の方法
    で鋳造することを特徴とする、銅を含む高強度鋼の連続
    鋳造方法。
JP6740495A 1995-03-27 1995-03-27 銅を含む高強度鋼の連続鋳造方法 Withdrawn JPH08257705A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108480580A (zh) * 2018-04-23 2018-09-04 东北大学 一种感应线圈与永磁搅拌协同dc制备铝合金铸锭的装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108480580A (zh) * 2018-04-23 2018-09-04 东北大学 一种感应线圈与永磁搅拌协同dc制备铝合金铸锭的装置
CN108480580B (zh) * 2018-04-23 2019-11-05 东北大学 一种感应线圈与永磁搅拌协同dc制备铝合金铸锭的装置

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