JPH08257203A - 抗菌性遊戯カード - Google Patents

抗菌性遊戯カード

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JPH08257203A
JPH08257203A JP9126895A JP9126895A JPH08257203A JP H08257203 A JPH08257203 A JP H08257203A JP 9126895 A JP9126895 A JP 9126895A JP 9126895 A JP9126895 A JP 9126895A JP H08257203 A JPH08257203 A JP H08257203A
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JP
Japan
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antibacterial
antibacterial agent
game card
sheet
main surface
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JP9126895A
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Kazuhiko So
一彦 宗
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Nintendo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トランプや花札等の遊戯カードの両主面に、
抗菌剤を有するコーティング材料でコーティング処理す
ることにより、細菌やウイルスがカードに付着しても抗
菌作用によって菌類を低減し又は増殖を抑制すること
で、いつでも清潔な状態で遊戯カードを使用することが
でき、衛生上優れた遊戯カードが得られる。 【構成】 一方主面上に遊戯目的に応じた絵柄を印刷し
たシートと、抗菌剤を混入させたコーティング材料を用
いてシートの両主面にコーティングを施したコーティン
グ層を備えたことを特徴とする抗菌性遊戯カード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、抗菌性遊戯カードに
関し、特にトランプや花札や百人一首やいわゆるUNO
カード等の抗菌性遊戯カードに関する。
【0002】
【従来技術】従来より、遊戯用カードとしては、トラン
プや花札や百人一首やUNOカード等が知られている。
従来の遊戯カードは、折れ曲がりにくくしたり、傷がつ
き難くするための表面処理を施しているが、細菌又はウ
イルスを防止するための処理が何ら施されていなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようする課題】これら遊戯カードは、多
人数で使用するものであるため、雑菌が付着し易く、清
潔感に欠けるものである。また、遊戯カードは娯楽ゲー
ムである性質上、菓子等を食べながらカードゲームを楽
しむことも多いであろう。その場合、他人の手が触れて
細菌等が付着したまま遊戯カードを持ち食べ物を口にす
ることも考えられるが、これでは不衛生であり、健康面
にも支障をきたすおそれがある。
【0004】また、最近の若者や女性を中心に見られる
清潔志向や細菌による感染等の社会問題が高まりつつあ
る。このため、身の回りの清潔、衛生への認識は高く、
今後更に高いものになっていくと予測される。
【0005】それゆえに、本願発明の目的は、このよう
な遊戯カードの特質に鑑み、細菌やウイルス等が付着し
ても抗菌作用によって、菌類を低減し、いつでも清潔な
状態で使用できる遊戯カードを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明は、少な
くとも一方主面上に遊戯目的に応じて絵柄を印刷したシ
ートと、抗菌剤を混入させたコーティング材料を用いて
シートの両主面にコーティングを施したコーティング層
を備えた抗菌性遊戯カードである。第2の発明は、少な
くとも一方主面上に遊戯目的に応じて絵柄を印刷した塩
化ビニールシートに抗菌剤を混入したことを特徴とする
抗菌性遊戯カードである。第3の発明は、塩化ビニール
シートの両面に、抗菌剤を混入したコーティング材料を
用いてコーティングを施して形成されたコーティング層
を備えた抗菌性遊戯カードである。第4の発明は、絵柄
を印刷した一方主面に、抗菌剤を混入させたコーティン
グ材料を用いてコーティングを施した台紙と、一方主面
に抗菌剤を混入したコーティング材料を用いてコーティ
ング層が形成され他方主面が前記台紙の他方主面を覆う
ように貼着された裏紙を備えた抗菌性遊戯カードであ
る。第5の発明は、裏紙は、一方主面に抗菌剤を混入し
たコーティング材料を用いてコーティング層が形成さ
れ、かつ台紙の平面形状よりも少し大きく選ばれ、台紙
の他方主面と台紙の側周面および台紙の一方主面の周縁
部を覆うように貼着されたことを特徴とする抗菌性遊戯
カードである。第6の発明は、抗菌剤は、無機系抗菌剤
が用いられることを特徴とする抗菌性遊戯カードであ
る。第7の発明は、無機系抗菌剤は、含有量が15重量
%以下に選ばれることを特徴とする抗菌性遊戯カードで
ある。第8の発明は、無機系抗菌剤は、含有量が0.1
〜5重量%の範囲に選ばれることを特徴とする抗菌性遊
戯カードである。
【0007】
【作用】上記構成によれば、抗菌剤による抗菌作用によ
り、前記遊戯カードの表層部にカビや細菌等が繁殖する
ことが回避される。前記抗菌剤が無機系物質である場合
には、抗菌効果を生じるだけで、人体に対して無害であ
り、しかも半永久的に抗菌作用を生じる。
【0008】
【発明の効果】トランプや花札等の遊戯カードの両主面
に対して、抗菌剤を含むコーティング材料でコーティン
グ処理することによって、細菌やウイルスが付着しても
抗菌作用によって、菌類を低減しまたは増殖を抑制する
ことにより、いつでも清潔な状態で遊戯カードを使用す
ることができ、衛生上優れた遊戯カードが得られる。好
ましくは、抗菌剤として、銀、銅、亜鉛等を含有する無
機系抗菌剤を使用すれば、人体に対して無害であり、幼
児などが誤って舐めても害はなく、しかも半永久的に抗
菌作用を維持できる。特に、銀イオンの場合はこれらの
効果が顕著となる。この発明の上述の目的,その他の目
的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施
例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0009】
【実施例】図1はこの発明の抗菌性遊戯カードの一実施
例を示すプラスチック製トランプの断面図である。この
実施例のトランプ10は、各カード毎に塩化ビニールシ
ート11の一方主面にスペード,ダイヤ,クラブ,ハー
トのマーク又は図柄と、数を表すA(エース),数字の
2〜10,J(ジャック),Q(クイーン),K(キン
グ)及びジョーカー等の印刷部12が印刷される(例え
ば、ダイヤのAについては図2参照)。また、他方主面
には、全てのカードに共通して、動物,キャラクタ,幾
何学模様,景色等の絵柄が印刷部13として印刷され
る。そして、この印刷された塩化ビニールシート11の
両面には、合成樹脂塗料層(コーティング層)14,1
5が形成される。合成樹脂塗料層14,15は、コーテ
ィング用の合成樹脂材料に抗菌剤を混入させたものを、
塗布又はシルク印刷若しくはローラによる展着等によっ
て形成される。抗菌剤としては、有機系抗菌剤と無機系
抗菌剤が使用でき、以下の実施例では抗菌剤として銀イ
オンを含有させた無機系抗菌剤を適用した場合を説明す
る。銀イオンを含有する無機系抗菌剤の含有量は、15
重量%以下に選ばれるのが好ましい。なぜなら、この混
入割合を越えると、細菌等の低減・増殖抑制効果が飽和
状態に達し、かつ粘性が大となるためコーティング用の
合成樹脂材料に混入しにくくなるとともに、塗布又はシ
ルク印刷若しくはローラによる展着等のコーティング処
理が困難となる。また、抗菌効果が一定レベル以上に増
大しない一方で、材料費が高価になるからである。より
好ましくは、銀イオンを含有させた無機系抗菌剤の含有
量が、0.1〜5重量%の範囲に選ばれる。なぜなら、
表1に示す実験結果を参照して以下に述べる含有量と抗
菌効果の関係より、0.1重量%でも1日経過した後の
大腸菌や黄色ブドウ球菌等の試験菌を数千分の1以下に
低減できる一方、5重量%程度ならば殆どない状態まで
抗菌効果を高めつつ抗菌剤の混入による価格上昇もわず
かで済むからである。
【0010】図3は、コーティング層の形成工程を示す
図である。まず、使用目的に応じて異なる複数のカード
(図1の塩化ビニールシート11に相当)を1枚のシー
トに複数枚印刷してなるシート34が準備される。つぎ
に、この印刷されたシート34が、それぞれ逆方向に回
動自在に支持された下例の金属ローラ31と上例のラバ
ーローラ32を互いに接した間に挟み込まれ、これらの
ローラ31,32の回転摩擦力によって移送される。こ
のとき、上例のローラ32には、ラバー表面の上部から
無機系抗菌剤を混入した液状の合成樹脂塗料(又はコー
ティング材料)33が滴下されて浸されているので、シ
ート34のローラ32に接する面には合成樹脂塗料33
が展着されて塗布される。そのため、このシート34の
一方主面には、まんべんなく合成樹脂塗料33がコーテ
ィングされる。このシート34を乾燥させた後、続いて
シート34の他方主面が上向きになるようにして同様の
方法で無機系抗菌剤の混入された合成樹脂塗料がシート
34の他方主面にコーティングされる。このシート34
が乾燥されると、図1に示すような構成の抗菌性トラン
プ10が製造される。
【0011】以下に、上述のように抗菌材料のコーティ
ングされたカード類の抗菌効果を実証するために、試験
結果を詳細に説明する。発明者は、抗菌剤を混入しない
塩化ビニールシートに、無機系抗菌剤として品川燃料株
式会社製の商品名「ゼオミック」(登録商標)(銀イオ
ンをゼオライトの骨格構造内に取り込んで粉末状にする
ことにより混入しやすくしたもの)を用いこれを混入し
た合成樹脂塗料をコーティングして、その抗菌力試験を
行なった。検体としては、銀イオン無添加の合成樹脂塗
料をコーティングした検体A1と、合成樹脂塗料に0.
5重量%の銀イオンを混入した検体A2と、合成樹脂塗
料に1.0重量%の銀イオンを混入した検体A3を試験
対象とした。なお、本試験は、平成6年11月28日に
財団法人日本食品分析センター(大阪府吹田市豊津町3
番1号)により実施され、試験報告第OS571112
08号として平成6年12月27日に提出されたもので
ある。 (抗菌力試験1)検体は、抗菌剤を混入しない塩化ビニ
ールシートの両主面上に合成樹脂塗料をコーティングし
たトランプであり、各検体A1〜A3は合成樹脂塗料に
銀イオンを用いた無機系抗菌剤を下記の割合で混入した
ものである。 検体A1:銀イオン無添加 検体A2:銀イオン0.5%混入 検体A3:銀イオン1.0%混入 試験方法としては、検体(5.8cm×8.9cm)に
大腸菌または黄色ブドウ球菌の菌液を滴下した後、滅菌
ポリエチレンフィルムをのせて菌液と検体を密着させ、
これらを35℃の温度条件下で24時間保存した後、生
菌数を測定した。なお、対照として、合成樹脂塗料をコ
ーティングしないプラスチック板を使用し同様に試験し
た。 試験結果:表1
【表1】 試験菌株は、Escherichia coli IFO 3301 (大腸菌)
と、Staphylococcusaureus IFO 12732 (黄色ブドウ球
菌)の2種類について実験した。試験菌液の調整は、各
試験菌株をNutrient Agar(Oxoid)で35℃の下18〜2
4時間培養後、菌体を1/1000濃度の0.2%肉エ
キス加普通ブイヨン〔栄研化学株式会社〕に浮遊させ、
約105 /mlとなるようにした。試験操作としては、検
体に試験菌液を1ml滴下した後、滅菌ポリエチレンフィ
ルムをのせて菌液と検体を密着させた。これらを35℃
の温度条件下で24時間保存した後に試験菌液をSCD
LP培地〔日本製薬株式会社〕で洗い出し、洗い出し液
中の生菌数をSCDLP寒天培地を用いた混釈平板培養
法(35℃で2日間)により測定した。
【0012】試験結果を示す表1を次に考察する。まず
試験菌が大腸菌の場合、抗菌剤を混入しない検体A1の
生菌数はわずかに減少するのみであった。また、対照検
体として合成樹脂塗料をコーティングしないプラスチッ
ク板を使用したが、この場合は生菌数が増加した。これ
に対して、抗菌剤の混入割合が0.5%の抗菌材料を含
む合成樹脂塗料でコーティングした検体A2は、生菌数
が数千分の1に減少した。抗菌剤の混入割合が1%の検
体A3は生菌数は10以下であり、これは殆どないに等
しい状態と言える。このことから、抗菌剤の混入割合が
0.5〜1.0重量%の範囲ではいずれの混入割合でも
同様の減少傾向がみられることがわかる。また、その混
入割合が0.1〜5重量%の範囲でも同様に千分の1以
下に生菌数が減少するといえる。一方、試験菌が黄色ブ
ドウ球菌の場合は、抗菌剤を混入しない検体A1の生菌
数はわずかに減少するのみであった。また、対照検体と
して合成樹脂塗料をコーティングしないプラスチック板
を使用したが、この場合は生菌数がやや減少した。これ
に対して、0.5%の抗菌剤を混入して合成樹脂塗料で
コーティングした検体A2は、生菌数が数千分の1に減
少した。抗菌剤の混入割合が1%の検体A3にあっては
生菌数は10以下であり、これは殆どない状態である。
このことから、抗菌剤の混入割合が0.5〜1.0重量
%の範囲ではいずれの混入割合でも同様の減少傾向がみ
られることがわかり、また、その混入割合が0.1〜5
重量%の範囲でも同様に千分の1以下近くに生菌数が減
少するといえる。
【0013】次に、本願発明の他の実施例について説明
する。抗菌剤を混入したコーティング層を形成すること
に代えて、コーティング層を形成しない塩化ビニールシ
ート11に直接抗菌剤を混入する。その場合の抗菌剤と
しては、有機系及び無機系の抗菌剤を採用できるが、こ
こでは銀イオンを含有させた無機系抗菌剤を使用し、そ
の含有量を、上述の合成樹脂塗料に混入したのと同様に
0.1〜15重量%の範囲とする。なお、本実施例では
この塩化ビニールシート11のシート厚さは、0.25
mmである。
【0014】塩化ビニールシート11に銀イオンを含有
した無機系抗菌剤を混入した場合の抗菌力試験を行うた
め、発明者はさらに、塩化ビニールシート11に無機系
抗菌剤として銀イオンを含有した鐘紡株式会社製の抗菌
性ゼオライト,商品バクテキラー(登録商標)を混入し
て、その抗菌力試験を行なった。検体としては、銀イオ
ン無添加の塩化ビニールシートである検体B1と、塩化
ビニールシートに0.5重量%の銀イオンを混入したバ
クテキラーBM102の検体B2と、1.0重量%の銀
イオンを混入したバクテキラーBM102の検体B3
と、0.5重量%の銀イオンを混入したバクテキラーB
M104の検体B4と、1.0重量%の銀イオンを混入
したバクテキラーBM104の検体B5を試験の対象と
した。なお、本試験は、抗菌力試験1と同様に平成6年
12月1日に財団法人日本食品分析センターにより実施
され、試験報告第OS57120095号として平成7
年1月6日に提出されたものである。 (抗菌力試験2)検体は、塩化ビニールシートに、無機
系抗菌剤として銀イオンを用いた抗菌性ゼオライトを下
記の割合で混入したものである。 検体B1:銀イオン無添加 検体B2:銀イオン0.5%混入のバクテキラーBM1
02 検体B3:銀イオン1.0%混入のバクテキラーBM1
02 検体B4:銀イオン0.5%混入のバクテキラーBM1
04 検体B5:銀イオン1.0%混入のバクテキラーBM1
04 試験方法としては、5cm×5cmの大きさに切断した
検体(以下「試験片」という。)に大腸菌又は黄色ブド
ウ球菌の菌液を滴下した後、滅菌ポリエチレンフィルム
をのせて菌液と試験片を密着させ、これらを35℃の温
度条件下で24時間保存した後、生菌数を測定した。な
お、対照として、合成樹脂塗料をコーティングしないプ
ラスチック板を使用し同様に試験した。 試験結果:表2
【表2】 試験菌株は、Escherichia coli IFO 3301 (大腸菌)
と、Staphylococcusaureus IFO 12732 (黄色ブドウ球
菌)の2種類について実験した。試験菌液の調整は、各
試験菌株をNutrient Agar(Oxoid)で35℃の温度条件下
で18〜24時間培養後、菌体を1/1000濃度の
0.2%肉エキス加普通ブイヨン〔栄研化学株式会社〕
に浮遊させ、約105 /mlとなるようにした。試験片の
調整は、検体を約5cm×5cmの大きさに切断し、こ
れらを試験片とした。試験操作としては、試験片に試験
菌液を0.5ml滴下した後、滅菌ポリエチレンフィルム
をのせて菌液と試験片を密着させた。これらを35℃の
温度条件下で24時間保存した後に試験菌液をSCDL
P培地〔日本製薬株式会社〕で洗い出し、洗い出し液中
の生菌数をSCDLP寒天培地を用いた混釈平板培養法
(35℃で2日間)により測定した。
【0015】つぎに試験結果を示す表2について、以下
に考察する。まず試験菌が大腸菌の場合、抗菌剤を混入
しない検体B1の生菌数はわずかに減少するのみであっ
た。また、対照検体として、コーティングしないプラス
チック板を使用したが、この場合は生菌数がわずかに増
加した。これに対し、抗菌剤を混入した検体B2〜検体
B5の生菌数はいずれも数千分の1以下に減少した。こ
のことから、抗菌剤の混入割合が0.5〜1.0重量%
の範囲ではいずれの混入割合でも同様の減少傾向がみら
れることがわかる。また、その混入割合が0.1〜5重
量%の範囲でも同様に千分の1以下近くに生菌数が減少
するといえる。試験菌が黄色ブドウ球菌の場合、抗菌剤
を混入しない検体B1の生菌数はわずかに減少するのみ
であった。また、対照検体として、コーティングしない
プラスチック板を使用したが、この場合は生菌数がわず
かに減少した。これに対し、抗菌剤を混入した検体B2
〜検体B5の生菌数はいずれも数千分の1以下に減少し
た。特に、検体B3〜検体B5の減少率は著しく、生菌
数が殆どない状態にまで減少していることがわかる。こ
のことから、抗菌剤の含有量が0.5〜1.0重量%の
範囲ではいずれの含有量でも同様の減少傾向がみられる
ことがわかる。また、その含有量が0.1〜5重量%の
範囲でも同様に千分の1以下に生菌数が減少するといえ
る。
【0016】次に、図4を参照して第2の実施例につい
て説明する。本実施例は、抗菌剤を紙製トランプに適用
した場合の発明である。パルプ層41の両面にクレーコ
ート層46,47が塗着される。そしてこのクレーコー
ト層46,47が塗着されたパルプ層41(以下この状
態を「化粧シート」という。)の一方面にはスペード、
ダイヤ、クラブ、ハート等の図柄等が印刷部42として
印刷される。例えば、ダイヤのA(エース)は図2に示
される如くである。また、他方面には絵柄等が印刷部4
3として印刷される。こうして印刷されたクレーコート
層46,47の表面には、合成樹脂塗料層44,45が
コーティングされる。本実施例では、この合成樹脂塗料
層44,45には抗菌剤が混入される。抗菌剤には有機
系及び無機系の抗菌剤があるが、本実施例では銀イオン
を含有させた無機系抗菌剤を採用する。また、銀の含有
量は15重量%以下とするが、0.1〜5重量%がより
好ましい。その理由は、前述した第1の実施例において
説明したのと同じである。
【0017】本実施例のコーティング層の形成工程につ
いては、第1の実施例であるプラスチック製トランプの
コーティング方法と同じ形成工程を採る。即ち、上記化
粧シートに複数枚印刷してなるシート34を準備し、以
下同様の手順でコーティング層が形成される。
【0018】以下に本実施例における抗菌力試験を行っ
た結果を詳細に説明する。発明者は、無機系抗菌剤とし
て品川燃料株式会社製の商品名「ゼオミック」(登録商
標)(銀イオンをゼオライトの骨格構造内に取り込んで
粉末状にすることにより混入しやすくしたもの)を用い
これを混入した合成樹脂塗料をコーティングして、その
抗菌力試験を行った。検体としては、銀イオン無添加の
合成樹脂塗料をコーティングした紙トランプC1と、合
成樹脂塗料に1.0重量%の銀イオンを混入した検体C
2を試験対象とした。なお、本試験は、前述の抗菌力試
験1,2と同様の方法で平成7年1月24日に財団法人
日本食品分析センターにより実施され、試験報告第OS
58010733−1号として平成7年3月9日に提出
されたものである。 (抗菌力試験3)検体は、パルプ層の両主面上にクレー
コート層を塗布したシートの両主面に、銀イオンを用い
た無機系抗菌剤を混入した合成樹脂塗料をコーティング
した紙トランプである。 検体C1:銀イオン無添加 検体C2:銀イオン1.0%混入 試験方法としては、検体(5.8cm×8.9cm)に
大腸菌または黄色ブドウ球菌の菌液を滴下した後、滅菌
ポリエチレンフィルムをのせて菌液と検体を密着させ、
これらを35℃の温度条件下で24時間保存した後、生
菌数を測定した。なお、対照として、合成樹脂塗料をコ
ーティングしないプラスチック板を使用し同様に試験し
た。 試験結果:表3
【表3】 試験菌株は、Escherichia coli IFO 3301 (大腸菌)
と、Staphylococcusaureus IFO 12732 (黄色ブドウ球
菌)の2種類ついて実験した。試験菌液の調整は、各試
験菌株をNutrient Agar(Oxoid)で35℃の温度条件下1
8〜24時間培養後、菌体を1/1000濃度の0.2
%肉エキス加普通ブイヨン〔栄研化学株式会社〕に浮遊
させ、約105 /mlとなるようにした。試験操作として
は、検体に試験菌液を1ml滴下した後、滅菌ポリエチレ
ンフィルムをのせて菌液と検体を密着させた。これらを
35℃の温度条件下で24時間保存した後に試験菌液を
SCDLP培地〔日本製薬株式会社〕で洗い出し、洗い
出し液中の生菌数をSCDLP寒天培地を用いた混釈平
板培養法(35℃で2日間)により測定した。
【0019】試験結果を示す表3を次に考察する。まず
試験菌が大腸菌の場合、抗菌剤を混入しない検体C1の
生菌数は減少したが、この減少は自然的な死滅と考えら
れる。また、対照検体として、合成樹脂塗料をコーティ
ングしないプラスチック板を使用したが、この場合は生
菌数がやや増加した。これに対し、抗菌剤を混入させた
検体C2の生菌数は10以下に減少した。これは殆どな
い状態である。このことから、抗菌剤の混入割合が1.
0重量%の前後範囲では同様の減少傾向がみられること
がわかる。試験菌が黄色ブドウ球菌の場合は、抗菌剤を
混入しない検体C1の生菌数はかなり減少したが、この
減少は自然的な死滅によるものと考えられる。また、対
照検体として、合成樹脂塗料をコーティングしないプラ
スチック板を使用したが、この場合は生菌数がやや減少
した。これに対し、抗菌剤を混入させた検体C2の生菌
数は、上記大腸菌の場合のように10未満にはならなか
ったが、数万分の1に減少した。このことから、抗菌剤
の混入割合が1.0重量%の前後範囲では同様の減少傾
向がみられることがわかる。
【0020】次に、図5〜図8を参照して、第3の実施
例について説明する。本実施例は、抗菌剤を花札に適用
した場合の発明である。この実施例を示す図のうち、図
5は抗菌剤を混入した花札の断面図であり、図6はその
花札の平面図であり、図7はその花札の台紙の断面図で
あり、図8はその花札の裏紙の断面図である。図7にお
いて、パルプ層71の一方主面に桐や雨、藤等花札なら
ではの絵柄が印刷され、印刷部72が形成される。そし
てこの印刷されたパルプ層71の同一主面に合成樹脂塗
料層73がコーティングされ、台紙70が形成される。
この合成樹脂塗料層73には抗菌剤が混入される。抗菌
剤には有機系及び無機系の抗菌剤があるが、無機系抗菌
剤が好ましく、そのうち本実施例では銀イオンを含有す
る無機系抗菌剤が採用される。また、その含有量は15
重量%以下とするが、0.1〜5重量%の範囲が好まし
い。その理由は、上述した実施例1,2のものと同じで
ある。図8において、パルプ層81の一方主面に赤又は
黒の着色塗料層84が塗着される。そしてこの着色塗料
層84の表面に合成樹脂塗料層83がコーティングされ
る。この合成樹脂塗料層83には抗菌剤が混入される。
ここにいう抗菌剤としては、上述したのと同様に無機系
抗菌剤が好ましく、本実施例では銀イオンであり、その
混入割合は0.1〜5重量%が好ましい。一方、パルプ
層81の他方主面には、台紙70の他方主面に接着する
ためのヒートシール用接着剤層82が塗着される。こう
して形成された裏紙80の他方主面に、台紙70の他方
主面をヒートシール用接着剤層82を介して熱圧により
接着させることによって、図5に示すような構成の抗菌
性花札が形成される。
【0021】なお、抗菌力の効果は、第2の実施例にお
ける抗菌剤を混入した紙製トランプの結果、即ち抗菌力
試験3と同じである。花札の台紙70の一方主面及び裏
紙80の他方主面は無機系抗菌剤である銀イオンを混入
した合成樹脂塗料層でコーティングされているため、抗
菌力効果は同じになるべきだからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明たる遊戯カードの一実施例を示すプラ
スチックトランプの断面図である。
【図2】図1実施例の平面図である。
【図3】図1実施例のコーティング層の形成工程を示す
図である。
【図4】本願発明たる遊戯カードの他の実施例を示す紙
製トランプの断面図である。
【図5】本願発明のさらに他の実施例を示す花札の断面
図である。
【図6】図5実施例の平面図である。
【図7】本願発明のさらに他の実施例の構成のうち、台
紙の断面図である。
【図8】本願発明のさらに他の実施例の構成のうち、裏
紙の断面図である。
【符号の説明】
14,15,44,45,73,83 :合成樹脂塗料
層 11 :塩化ビニール
シート 12,13,42,43,72 :印刷部 41,71,81 :パルプ層 46,47 :クレーコート
層 82 :ヒートシール
用接着剤層 84 :赤又は黒の着
色塗料層

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方主面上に遊戯目的に応じて
    絵柄を印刷したシート、及び抗菌剤を混入させたコーテ
    ィング材料を用いて、前記シートの両主面にコーティン
    グを施したコーティング層を備えた、抗菌性遊戯カー
    ド。
  2. 【請求項2】前記シートは、パルプ層の両主面にクレー
    コート層を施したことを特徴とする、請求項1に記載の
    抗菌性遊戯カード。
  3. 【請求項3】前記シートは、塩化ビニールシートである
    ことを特徴とする、請求項1に記載の抗菌性遊戯カー
    ド。
  4. 【請求項4】前記抗菌剤は、無機系抗菌剤が用いられる
    ことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記
    載の抗菌性遊戯カード。
  5. 【請求項5】前記無機系抗菌剤は、含有量が15重量%
    以下に選ばれることを特徴とする、請求項4に記載の抗
    菌性遊戯カード。
  6. 【請求項6】前記無機系抗菌剤は、含有量が0.1〜5
    重量%の範囲に選ばれることを特徴とする、請求項4に
    記載の抗菌性遊戯カード。
  7. 【請求項7】少なくとも一方主面上に遊戯目的に応じて
    絵柄を印刷した塩化ビニールシートに抗菌剤を混入した
    ことを特徴とする、抗菌性遊戯カード。
  8. 【請求項8】前記塩化ビニールシートの両面に、抗菌剤
    を混入したコーティング材料を用いてコーティングを施
    して形成されたコーティング層を備えた、請求項7に記
    載の抗菌性遊戯カード。
  9. 【請求項9】前記抗菌剤は、無機系抗菌剤が用いられる
    ことを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の抗
    菌性遊戯カード。
  10. 【請求項10】前記無機系抗菌剤は、含有量が15重量
    %以下に選ばれることを特徴とする、請求項9に記載の
    抗菌性遊戯カード。
  11. 【請求項11】前記無機系抗菌剤は、含有量が0.1〜
    5重量%の範囲に選ばれることを特徴とする、請求項9
    に記載の抗菌性遊戯カード。
  12. 【請求項12】絵柄を印刷した一方主面に、抗菌剤を混
    入させたコーティング材料を用いてコーティングを施し
    た台紙と、 一方主面に抗菌剤を混入したコーティング材料を用いて
    コーティング層が形成され、他方主面が前記台紙の他方
    主面を覆うように貼着された裏紙を備えた、抗菌性遊戯
    カード。
  13. 【請求項13】前記裏紙は、前記コーティング層が形成
    され、かつ前記台紙の平面形状よりも少し大きく選ば
    れ、前記台紙の他方主面と前記台紙の側周面および前記
    台紙の一方主面の周縁部を覆うように貼着されたことを
    特徴とする、請求項12に記載の抗菌性遊戯カード。
  14. 【請求項14】前記抗菌剤は、無機系抗菌剤が用いられ
    ることを特徴とする、請求項12または請求項13に記
    載の抗菌性遊戯カード。
  15. 【請求項15】前記無機系抗菌剤は、含有量が15重量
    %以下に選ばれることを特徴とする、請求項14に記載
    の抗菌性遊戯カード。
  16. 【請求項16】前記無機系抗菌剤は、含有量が0.1〜
    5重量%の範囲に選ばれることを特徴とする、請求項1
    4に記載の抗菌性遊戯カード。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008003440A1 (en) * 2006-07-07 2008-01-10 Giuseppe Librizzi A manufactured article and joint means with antimicrobial characteristics
JP2021058602A (ja) * 2017-09-22 2021-04-15 エンゼルプレイングカード株式会社 シャッフルプレイングカードおよびプレイングカードの製造方法

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