JPH08257055A - セル構造体の製造方法 - Google Patents
セル構造体の製造方法Info
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- JPH08257055A JPH08257055A JP7091702A JP9170295A JPH08257055A JP H08257055 A JPH08257055 A JP H08257055A JP 7091702 A JP7091702 A JP 7091702A JP 9170295 A JP9170295 A JP 9170295A JP H08257055 A JPH08257055 A JP H08257055A
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Abstract
のフィルム状から厚肉の異形状のものまで容易に製造で
き、特に生体材料としての用途が期待される生体内分解
吸収性セル構造体の製造に適した極めて簡便な製造方法
を提供する。 【構成】 有機合成ポリマーを、このポリマーを溶解で
る溶剤と、この溶剤より高い沸点を有し上記ポリマーを
溶解できない非溶剤との混合溶媒に溶解してポリマー溶
液を調製し、このポリマー溶液を型内に充填して、溶剤
の沸点より低い温度で混合溶媒を気散させることにより
ポリマーを沈殿させ、セル構造体を製造する。
Description
ル構造体(cellular material)の新規な製造方法、即
ち、該ポリマーの溶液沈殿法(Solution -Precipitatin
g Technique:SPT)と称することができる新規な製
造方法に関する。
きる生分解性のセル構造体や、生体材料としての用途が
期待される生体内分解吸収性のセル構造体を製造する場
合に極めて有効な方法である。
性ポリマーの研究とその用途の開発が盛んである。生分
解性ポリマーは使用時まではその機能を果たし、その後
は環境下の光、空気、水、微生物などにより徐々に分解
してCO2,H2Oなどに復して環境汚染を回避する無公
害のプラスチック製品のうちの一つを目的に開発されて
いる。中でも、生分解性の発泡体は材料の量の軽減が図
れるので、省資源の立場からみて有意義である。そこ
で、従来の発泡法をこれらのポリマーに適用することが
試みられているが十分でなく、より簡便で真にこれらの
ポリマーに適した方法が要望されている。
分解され、微生物に代謝されて完全分解される。現在ま
でに多くの生分解性プラスチックが開発されているが、
市販の域に達しているものは次の三つの種類に別けられ
る。 水溶性ポリマー(ポリビニルアルコール,アクリル系
ポリマー,ポリエチレンオキシドブレンド系ポリマーな
ど)、 澱粉系ポリマー(熱可塑性ポリマーを基材として60
%のトウモロコシ澱粉を混ぜたもの,澱粉を基材とした
ポリマー)、 脂肪族ポリエステル(PCL:ポリカプロラクトン,
PLA:ポリラクチド,P(HB/VL):ヒドロキシ
ブチレート/バレレートコポリマー,PESU:ポリエ
チレンサクシネート,PBSU:ポリブチレンサクシネ
ート)。
成法により、PCL、PLA、PESU、PBSUがつ
くられ、b)微生物による合成により、PHB:ポリヒ
ドロキシブチレート、P(3HB−co−3HV):3
−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバレレートの
共重合体(HBの中にヒドロキシ吉草酸ユニット(H
V)をランダムにHVモル比5〜20%組込んだPHB
を改良したポリマー)、P(3HB−4HB):3HB
と4−ヒドロキシブチレートの共重合体、P(3HB−
3HP):3HBと4−ヒドロキシプロピオネートの共
重合体などがつくられる。この脂肪族ポリエステルの中
でPCLとPLAは生体内で分解するという意味の生分
解性を有する生体内吸収性のポリマーでもある。特にP
LAは生体内での安全性、生体適合性が確認された生体
内吸収性材料として、現在では骨折固定材や薬物除放製
剤の担体(carrier)として実用されている。
されているか、研究開発中である生体内吸収性材料には
以下のものがある。 有機高分子材料 (a)天然高分子 i)タンパク質:コラーゲン(天然、
再生)、ゼラチン(架橋体)、フィブリン、アルブミン
(変性体)、ii)多糖類:セルロース(酸化物)、デン
プン(架橋体)、キチン、キトサン、ヒアルロン酸(架
橋体)など、 (b)合成高分子:ポリグリコール酸(PGA)、ポリ
乳酸(PLA)(L体,DL体)、LA/GA共重合
体、ポリ乳酸−ポリエチレングリコール(PLA/PE
G)共重合体、ポリ乳酸−ポリプロピレングリコール
(PLA/PPG)共重合体、ポリカプロラクトン(P
CL)、乳酸−カプロラクトン共重合体P(LA/C
L)、グリコール酸−カーボネート共重合体、ポリジオ
キサノン(PDS)、シアノアクリレート重合体、合成
ポリペプチドなど、 無機材料 i)リン酸系:水酸化アパタイト(H
A)、リン酸三カルシウム(TCP)、ii)炭酸系:炭
酸カルシウムなど。
A/PGA、PCL、P(LA/CL)、PDS、PL
A/PEG、PLA/PPGは生体内での安全性(毒
性)と代謝に関して種々の側面から研究され、それらが
もつ物性上の可能性から種々の生体材料の用途を目標に
盛んに検討されている。また、先記の生分解性ポリマー
の脂肪族系ポリマーの中で、生体内で分解によって最終
的にCO2 とH2O に帰するPHB系のポリマーは、生
体内での安全性が確認されるならば、近い将来、生体材
料として使われる可能性がある。
手術補助(血止、固定、内腔保持、血管閉塞など)、
2)損傷部治癒(創部治癒、組織増殖、器官再生な
ど)、3)薬物放出(癌治療、創傷治癒促進、血栓防
止、感染防止など)である。このうち、2)と3)は吸
収性材料にとって将来大いに期待のもてる医療用途であ
り、移植片と薬剤の徐放性製剤の生体材料を目的に研究
が盛んである。
例えば骨や筋肉などの結合組織や肝臓のような内臓は損
傷を受けても自己修復する。損傷時に細胞が増殖しやす
い足場(scaffold)や他の組織の浸入を防ぐ隔壁(part
ition)があると、損傷部の再建(reconstruction)が
より容易となる。治癒後にはこれらは吸収されて消滅す
るので、非吸収性材料のように長期の埋入で異物反応を
生ずる危惧がないから都合がよい。このとき、細胞の増
殖や分化を促進するペプチド性の種々の因子や骨組織を
誘導する能力のあるバイオセラミック(bioceramic)な
どを吸収性材料に包含しておけば、失われた組織や臓器
の再建がより速やかに行われるので理想的であるので、
それを目的にした移植片の研究が盛んである。ただし、
ポリペプチド性の各種増殖因子を分解や変性させずに、
吸収性材料にうまく包含させることは容易なことではな
い。また、これらの各種増殖因子を吸収性材料の分解に
伴って損傷部に徐々に必要な一定量を放出し続け、放出
終了後の早期に、残存している吸収性材料を生体が吸収
して消滅するようにコントロールすることもまた技術的
に容易なことではない。
菌剤、生理活性物質、サイトカインなどの多くの種類の
薬剤を生体内分解吸収性ポリマーに担持した製剤をつく
り、目的の生体部分に有効濃度だけ持続的あるいは間歇
的に制御しながら放出する治療のシステム(DDS:Dr
ug Deliverly System)の研究も盛んである。この場合
もポリマーの分解・吸収の速度と放出制御のコントロー
ルは容易なものではない。現在、損傷部位の治癒や薬物
放出を目的に検討されている人工的移植片や製剤の形状
は主に、非発泡体である固体(solid)のフィルム、シ
ート、ロッド(タブレット)などの比較的厚みの薄いも
のであるが、DDSではさらにマイクロカプセルのよう
な微粒子に薬剤を包含したものが多く研究されている。
収性ポリマーが分解・吸収する過程では、非吸収性材料
には見られない、分解して生じた細片(debris)による
生体の異物反応(foreign body reaction)が起きるこ
とが多く、それにより一過性の炎症反応(intermittent
inflammatory reaction)が認められることもある。こ
の過程は以下のように説明できる。例えば粘度平均分子
量が10万以上のある形状をもつPLAを生体の比較的
血流の良いある部位に埋入したとき、最初に加水分解は
その表層から開始する。表面は白化し、それが時間とと
もに内部の透明層に徐々に進展する。このとき表層に亀
裂が生じはじめるので、小さな力で容易に破壊が生ず
る。表面の分子量はかなり低下し、周囲は線維芽細胞
(fibrous connective tissue)で覆われる。加水分解
(分子量低下)の更なる進行とともに、更に細かな破片
へと崩壊が進む。一般に20〜30μm程度の非常に多
くの細片ができるときに周囲の組織に異物反応が生ず
る。ただし、細片が一時期に集中して多量に発生しなけ
れば炎症が発現することは少ない。しかし、多量に発生
してそれが貧食される量を上回わっているまでの間は一
過性の炎症が発生、継続する。この時期の組織反応は2
〜3μm以下の細片が多核巨細胞(multinuleate giant
cell)やマクロファージなどの細胞によって貧食さ
れ、乳酸となって代謝される過程の裏付けの現象であ
る。
が、埋入部位と材料の化学的条件(分子構造、分子量、
分子量分布)を同一のものとしたとき、その分解の速さ
は材料の大きさ(厚み、形状)、形態(結晶、非結晶、
多孔質であるか否か)、表面の粗さの度合に主として左
右される。加水分解(酵素分解)は材料の接触表面から
進行するので、表面積が大きいほど初期分解が速く起き
ることになる。その点からすれば、表面積の大きい発泡
体(特に連続気泡体)は分解を速めるのに有利である。
また、局所に分解物である細片が多量にできないことを
望めば、材料が稀薄である発泡体の方が組織反応の生成
の可能性を軽減する。今一つ、連続気泡体のように分解
以前から気孔が内部まで細胞の浸入が可能な200μm
以上の大きさで連結している場合は周囲組織の浸入が容
易であり、その置換が速い。そして発泡体が強度を維持
している間の一時期、周囲組織との絡みによる結合を付
与することが利点となる場合がある。
性材料をセル構造体(発泡体)とすることの長所は主と
して 全分解・吸収までの速度を早める、 材料の量を減らし、組織との異物反応を軽減する、 周囲組織の浸入を容易にする、 であり、の長所は薬剤徐放の担体として用いる際の放
出速度の制御と効率の調製に有効な要因でもある。
と薬剤の徐放化製剤を目的とした生体内吸収性の発泡体
からなる生体材料の開発が種々試みられている。ここ
で、従来からある発泡体の製造方法について記述する。
体(セル構造体)の製法を分類すると、1)ガス混入
法、2)発泡剤分解法、3)溶剤気散法、4)化学反応
法、5)焼結法、6)溶出法、7)その他(凍結乾燥法
など)、の七つに分類できる。
すると、a)常圧加熱法、b)押出発泡法、c)加圧
(プレス)発泡法、d)射出発泡法、e)ビーズ発泡
法、f)二液混合法、g)ウレタン発泡法、h)焼結
法、i)溶出法、j)その他、の10種になる。
る。
不活性ガスの膨脹により発泡する、 発泡剤分解法:熱分解または化学反応によってガスを発
生する分解型発泡剤の発生ガスにより発泡する、 溶剤気散法:水または低沸点有機溶媒(蒸発型発泡剤)
の気化膨脹により発泡する、 化学反応法:素材の重合過程で生成するガスにより発泡
する、 焼結法:粉粒状の素材を焼結して連結した粉、粒子間の
空隙を気泡とする、 溶出法(抽出法):素材中に混和した可溶性物質を溶出
(抽出)除去し、その跡を孔とする、 その他:凍結乾燥法は低温で結晶する溶媒を混和し、凍
結状態で減圧下にその結晶を昇華してその跡を孔とす
る。また中空微小球を混和する方法などもある。
差と、できた発泡体の品質の善し悪しを度外視すれば、
原理的には生分解性あるいは生体内分解吸収性ポリマー
の発泡体をつくることはできるであろう。しかし、混和
や発泡などの工程で加熱を要する方法は、微量の水が介
在しただけで加水分解が促進されるので、生分解性ある
いは生体内分解吸収性ポリマーにとって適切ではない。
また発泡剤の分解残渣がセル構造体中に残る発泡剤分解
法、あるいはポリマーの粘度調製のために増粘剤や架橋
剤を使う必要のある樹脂改質法は、折角のポリマー自体
の安全性が無駄になる危険性が高いので生体内分解吸収
性ポリマーの場合は回避すべきである。
ているセル構造体の製造方法には加熱を伴わない以下の
方法がある。
ロホルムに溶解し、これに所定の大きさにふるい分けし
た、NaCl、デンプン、クエン酸ソーダの微粒子を加
えて混和する。この溶液をガラス板上にキャストして溶
剤を気散させてフィルムあるいはシートを得る。その
後、水中に漬けて水に可溶性の微粒子を溶出してその溶
出跡を孔とする。この試料調製法は学術文献中によく見
られる(例えばJournalof Materials Sience in Medici
ne 5(1994)181−189,Journal ofApplied
Biomaterials 6 65−68など)多孔質のフィルム
をつくる常套手段である。
例えばジオキサン(m.p.11℃)に溶解(約5%)
し、支持板上にキャストする。ジオキサンの融点以下に
冷却して、ジオキサンを結晶させ、次いでこれを減圧真
空下にジオキサンを昇華気散させる。ジオキサンの結晶
の気散跡が気孔となる。但し、ポリマーのジオキサン溶
液に1)の微粒子を混和する1)と2)を組合わせた方
法もある。この凍結乾燥法は既に多方面で使われている
方法であるが、ベンゼン溶液を用いる方法は米国特許第
4,181,983号に記載がある。また溶剤が1,4
−ジオキサンのみならずヘキサフルオロイソプロパノー
ル又は1,4−ジオキサンとC2〜C5のアルコールの酢
酸エステルとの混合溶媒であり、且つ繊維状補強要素と
溶出すべき可溶性粒子を包含させた後、凍結乾燥して連
続気泡体を得、これを移植片に使用することを目的とし
た技術の記載が特開昭63−255068号に見られ
る。
クロロホルム、ジクロロメタン、アセトンなどの溶剤に
溶解し、この溶液を流延して、溶剤の飛散速度を調整し
て多孔質フィルムを得る方法であり、特開平4−326
932号に記載がある。他の溶剤気散法として、加圧下
で超臨界状態にある液体と接触させ、ポリマーに液体を
含浸させた後、臨界圧力以下に除圧して多孔質マトリッ
クスを得る方法が特表平4−505775号に記載され
ているが、これは本質的に従来の発泡方法の一つである
溶剤気散法の域を出るものであると言えない。また、C
O2 を超臨界流体として使う場合の装置は決して簡便と
は言い難い。
る。
0μm以下のフィルムやシートの厚みの多孔体をつくる
ための方法であり、それ以上の厚みのプレートやロッド
あるいは異形状の成形体をつくるのに適していない。
り、場合によっては10日間余りも要する。それでもな
お完全溶出しているかどうか不安を残す。
であるから、昇華に長時間を要してなお溶剤の残留によ
る安全性が危惧される。そのため、この方法はフィル
ム、シートの薄物のみにしか適用できない。また溶剤の
結晶がマトリックスに占める割合は高く(時として80
%以上)、溶剤に薬物やバイオセラミックなどを溶かし
たり、混和した場合は溶剤の抜けた孔の中にその殆どが
存在し、ポリマー中にはその残りしか存在しない状態と
なるので、この方法による多孔体を徐放化製剤とした
り、増殖因子を含んだ損傷部位の足場とする場合、薬物
は単にこの孔から抜け出すだけであるから放出は正確に
制御できない。
隙率の発泡体(セル構造体)は得られない。
抱える課題を解決することを目的とする。即ち 1)簡便であり、加熱、加水分解によって劣化する工程
がなく、また、最終の製品中に残存する添加物を用い
ず、ポリマーが本来の生分解性あるいは生体内分解吸収
性、生体安全性、生体適合性を有する場合はそのまま保
持させることができるセル構造体の製造方法であるこ
と、 2)フィルム状、シート状などの薄肉のセル構造体に限
らず、数cm以上の厚い異形状のセル構造体をつくるこ
とができ、しかも発泡倍率の高いものを得ることができ
る製造方法であること、 3)気泡が均一で微細なセル構造体から、気泡が均一で
大きなセル構造体までつくることができる製造方法であ
ること、 4)ポリマーマトリックス(セル壁)中にポリマーと相
溶性のある薬物は勿論、非相溶性の薬物やバイオセラミ
ックなどの無機物を包含することができ、ポリマーの分
解と相応して薬物を正確に放出制御できるセル構造体を
得ることができる製造方法であること、 5)生体の損傷部位の複雑な三次元空間を形状的に任意
にあてはめることができるように成形されたセル構造体
であって、三次元的足場の構築と一時的な補綴材として
機能し、周囲組織の浸入により、立体的な損傷部位の再
建ができるセル構造体を得ることができる製造方法であ
ること、 6)手術中に、埋入すべき生体の欠損部の形状に合わせ
て加熱変形して密着充填でき、骨、軟骨のような硬組織
に限らず、軟組織の損傷部位の三次元的形状の誘導が可
能な理想的な足場となる硬質ないし軟質のセル構造体を
得ることができる製造方法であること、 等を目的とする。
め、本発明のセル構造体の製造方法は、有機合成ポリマ
ーを、互いに相溶性のある、このポリマーを溶解できる
溶剤と、この溶剤より高い沸点を有し上記ポリマーを溶
解できない非溶剤との混合溶媒に溶解してポリマー溶液
を調製し、このポリマー溶液を型内に充填して、溶剤の
沸点より低い温度で混合溶媒を気散させることによりポ
リマーを沈殿させることを特徴とする。
空隙(porosity)が0〜30%の低い、小さな空洞を含
んだ固体はもちろん、空隙率75%以上の軽量化を図っ
た多孔質材料まで含まれる。後者は個々の気孔とそれを
取り囲む固体とともに一つの構造単位である細胞(cel
l)とみなせるので、セル構造体(cellular solids)と
定義できる。このセル構造体はセルの壁(cell wall)
を相互に継ぎ合わせたネットワークからなる固体のこと
である。本明細書においては、セル構造体を発泡体また
は多孔体と表現していることもあるが、本質的に同じも
のを意味している。また、沈殿とは、ポリマー溶液中で
生成したポリマーの固相が溶液の全域にわたって沈み、
淀んで、明確な不均一相を形成する現象を意味する。
は、以下のように考察できる。
0℃,v.p.:vapor pressure248.9mmHg a
t 20℃)、非溶剤にイソプロピルアルコール(b.
p.82.4℃,v.p.32.4mmHg at 20
℃)を用い、両者の体積比率が10:5となるように混
合した混合溶媒にPLA(粘度平均分子量20万)を溶
解してポリマー溶液を調製し、これを型内に充填して、
1気圧、20℃で混合溶媒を気散させる場合を考える。
る低沸点の塩化メチレンが優先して気散する。すると沸
点の高い非溶剤のイソプロピルアルコールの比率が次第
に上昇する。溶剤に対する非溶剤がある比率に達する
と、最早や溶媒はPLAを溶解することができなくな
り、溶解していたPLAが急激に沈殿する。つまり非溶
剤が沈殿剤として機能する。このとき溶媒(主成分のイ
ソプロピルアルコールと気散した残りの低い比率の塩化
メチレン)がPLAの薄い壁に内包された状態にあるセ
ル構造が形成される。つまり、PLAはセル状の壁(ce
ll wall)を連結させた形態をつくる。この連結は、P
LAが溶剤に溶解された状態から、非溶剤の比率が高く
なって沈殿し、急激に収縮、固化して固定化されるため
に起こるものである。その後、更に放置すると残りの溶
剤は気散し、併行して溶剤よりも沸点の高い非溶剤も気
散する。それらが気散した後には、セルに包まれていた
溶媒の溜め跡が気孔として固定して残る。このとき溶剤
はセル壁の一部分を破壊しながら細孔をつくり、溶媒が
セル構造体の表層からセル構造体の外部に気散するのを
効率的にする役割をはたす。従って、形成されたセル構
造体は基本的に孔(foamcore)が連結(pore interconn
ections)した連続気泡体(open cell)となる。ただ
し、溶媒組成、ポリマー溶液の粘度、ポリマー濃度など
の要因で、セルが個々に独立した気泡(closed cell)
が一部分介在することもある。いずれにせよ、様々な厚
みがあり、無秩序な空間配置をしたポリマーの薄膜から
なる孔壁が連結したミクロな孔を有するセル構造体が形
成される。
ている表面から逐次沈殿してセルを形成するので、本発
明の方法は溶液沈殿法(SPT:Solution-Precipitati
ng Technique)と称することができる。
る溶剤気散法のように、低温で揮発する低沸点の溶剤を
加圧下にポリマーに含浸し、その後除圧、加熱下に溶剤
が気化して膨脹する力を利用してセル構造体をつくる方
式とは異なる。つまり、ポリマーの溶剤はポリマーを溶
解するために用い、非溶剤はポリマーを沈殿させるため
に用い、初期に溶解していたポリマー溶液の溶剤と非溶
剤の比が溶剤の気散により変化して、非溶剤の比率が上
昇することにより、ポリマーが沈殿してセル構造体を生
成するという方式の多孔化方法である。この方法は発泡
剤の混和や膨脹のための加熱が不要であり、その点でも
従来の方法とは異なっている。
しかも、加熱や加水分解によって劣化する工程がなく、
且つ、セル構造体中に残存する添加物も用いないので、
ポリマーが上記のPLAのように生体安全性、生体適合
性を有するものである場合には、その生体安全性、生体
適合性をそのまま保持できるので生体材料としてのセル
構造体をつくるのに極めて有用である。
する。
の方法が適用できるものであれば特に限定されない。た
だし、究極的に環境に還元する生分解性のセル構造体を
得る場合は先記の生分解性の脂肪族ポリエステルが好適
に用いられる。また、生体材料としての用途が期待され
るセル構造体を得る場合には、先記した生体内分解吸収
性の脂肪族ポリエステル系ポリマーが好適に用いられ、
その中でも、生体安全性、生体適合性が確認され既に生
体材料として実用されているポリ乳酸(PLA)、およ
び各種のPLA共重合体、例えば乳酸とグリコール酸の
共重合体、乳酸とカプロラクトンの共重合体、ポリ乳酸
とポリエチレングリコールの共重合体、ポリ乳酸とポリ
プロピレンの共重合体などが最適である。
erial used in a medical device,intended to intera
ct with biological systemsと定義される(Progress i
n Biomedical Engineering ,4 Definitions in Biom
aterials Edited by D.F.Williams,Elsevier Amst
erdam-Oxford-New York-Tokyo 1987)ものである。
また、生分解性とは、酵素による生物学的な作用による
分解と単なる水によって加水分解する性質を指してお
り、生物学的な分解と生体内での分解の両方の意味をも
つものである。
合成ポリマーを溶解できるものであり、常温よりやや高
い温度で気散しやすい低沸点の溶剤が適している。例え
ば有機合成ポリマーが脂肪族ポリエステル系ポリマーで
ある場合には、塩化メチレン(CH2Cl2)、クロロホ
ルム(CHCl3)、1,1−ジクロルエタン(CH3C
HCl2)などが使用できる。この中では最も低い沸点
と最も高い蒸気圧を示す低毒性の塩化メチレンが最適で
あり、クロロホルムも好適である。また、フロロカーボ
ン系の溶剤(フレオン)も有効であるが、オゾン層を破
壊するので除外する。モノクロルエタンも有効である
が、比較的毒性が強いので望ましくない。
成ポリマーを溶解できないものであり、沸点は上記の溶
剤よりも高くなければならない。そして、溶剤と非溶剤
は相溶性をもち、よく溶け合わなければならない。相溶
性に劣る非溶剤を用いると、気孔率が高く均一で微細な
気孔を有するセル構造体を得ることが困難になる。非溶
剤の沸点は、上限が110℃付近までであり、溶剤の沸
点よりかなり高いことが好ましい。非溶剤が110℃よ
り高い沸点を有するものであると、常温での蒸気圧が低
く常温での気散が遅すぎるために、セル構造体の製造に
時間がかかり、非溶剤がセル内に残留しやすくなる。ま
た、非溶剤と溶剤の沸点差が約15℃より小さい場合
は、溶剤が非溶剤とともに気散し易くなるので、非溶剤
の沈殿剤としての働きが低下する。
レン等の溶剤と相溶性があり、沸点が60℃〜110℃
(1気圧下)の範囲内にある一価アルコール、例えばメ
タノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパ
ノール(イソプロピルアルコール)、2−ブタノール、
ter−ブタノール、ter−ペンタノールなどが挙げ
られるが、毒性、臭などを考慮すれば、エタノール、1
−プロパノール、2−プロパノールが特に好適に使用さ
れる。また、このれらの一価アルコールに少量の水を加
えた非溶剤も好適に使用される。水はアルコールよりも
より強い沈殿剤としての働きを有し、ポリマーの沈殿を
促進するからである。
それぞれの沸点と20℃における蒸気圧を示す。また、
表2に、塩化メチレン、クロロホルムと各非溶剤との沸
点差及び蒸気圧差を示す。混合溶媒の溶剤と非溶剤の組
合わせは、この表1の沸点と蒸気圧を勘案して適宜選択
すればよいが、溶剤に塩化メチレンやクロロホルムを選
んだときは、表2に示す沸点差と蒸気圧差およびポリマ
ー溶液の粘度等を判断して好ましいポリマー溶液を調製
すればよい。
前記の溶剤と非溶剤の体積比率が一般に10:1〜1
0:10であればセル構造体を得ることができる。これ
よりも溶剤の比率が大きいと、溶媒の気散終了時までポ
リマーの溶解が続き、セル壁の沈殿が生ぜず、溶媒の気
散後に気泡を介在しない透明なポリマー塊ができるのみ
である。一方、溶剤の比率が小さいと、僅かの溶剤が気
散しただけでポリマーが一挙に沈殿するため、セル間の
溶着が不完全となり、セル間の物理的つながりのない脆
いセル構造体が出来上がったり、型の形状とは全く異な
った収縮、変形したものができるので良くない。三次元
空間的にセルが連結してしっかりした形状の安定なセル
構造体が構築されるにふさわしい比率の範囲は、溶媒組
成によって異なるが、10:1〜10:7である。
の体積比率に混合された溶媒にポリマーを溶解して調製
したポリマー溶液を型内に充填し、溶剤の沸点より低い
温度、好ましくは20℃以下の温度で常圧又は減圧下に
溶媒を気散させる工程から成っている。溶剤の沸点以上
で溶媒を気散させると、溶剤が沸騰してセル壁を破壊
し、溶着するので、良質のセル構造体を得ることはでき
ない。
気散した溶媒は回収されるので何度も繰り返して使用す
ることができ、また操作中にも吸入することがないので
安全かつ省資源的である。
の固定化を図る目的で、溶媒を気散させる前に約10℃
以下の低温に冷却して増粘し、減圧下に気散させる操作
を採用することも望ましい。この操作は肉厚のシート状
や異形状のセル構造体をつくるのに有効である。
の厚さのフィルム状やシート状のセル構造体であれば、
型内にポリマー溶液を薄く充填して室温、常圧で自然に
溶媒を気散させだけで容易に見ている間の短時間にセル
構造体を得ることができる。完全に溶媒を除去するには
更に減圧下に乾燥すればよく、この操作により残留溶媒
のない生体材料として用いることのできるセル構造体が
得られる。
プレート状の厚さの一定したセル構造体などは、比較的
濃厚なポリマー溶液を型内に充填して溶媒を気散させた
後、更にその上にポリマー溶液を同様に充填して溶媒を
気散させる操作を複数回繰り返すことによって得ること
ができる。
体は、ポリマー溶液を異形状の型内に充填して、前記の
ように溶媒を気散させることにより、少し長い時間を要
するが容易に得ることができる。このとき溶剤が型の全
面から均等に急速に気散できるように、前記ポリマーを
通過させないが溶媒を通過させる微細な通気孔を無数に
有する多孔質の型、例えば素焼きの陶器製の型などを使
用するのが好ましい。そして、この場合も、溶媒の気散
を速めることと、成形体内部のポリマー溶液の未沈殿部
分への陥没と変形を避けて形状を保つことを目的とし
て、ポリマー溶液を約10℃以下の低温にて増粘し、減
圧下に溶媒を強制的に気散させる操作を採ることも一つ
の方法である。このようにすれば、5cm以上の厚さを
もつブロック状あるいは異形状に成形されたセル構造体
を得ることができる。
ポリマー溶液の粘度、ポリマー濃度、混合溶媒の組成
比、および溶媒の気散の速度であるが、ポリマー溶液が
沈殿してセル構造体を形成する原理からすれば、ポリマ
ー濃度が最も重要な要因の一つである。発泡倍率は肉厚
の程度や気孔の大きさにも依存するが、数倍から数10
倍のものまで得ることができる。
内分解吸収性の脂肪族ポリエステル系ポリマーのセル構
造体は、生体の損傷部治癒のための足場、薬物放出のた
めの担体を主なる用途とする生体材料として使うことが
できる。このような生体材料としてのセル構造体を製造
する場合は、損傷あるいは切除部位の治療や再建を速め
る目的で、生体活性物質、薬物、細胞の増殖因子などを
含有させたポリマー溶液を調製して、これらの物質や薬
物を含んだセル構造体とすることが望ましく、その厚さ
が1mm以上で、発泡倍率が3倍以上となるようにセル
構造体をつくることが望ましい。
のための生体活性物質としては、骨を誘導し、骨と結合
が可能な生体活性ガラスやガラスセラミックス、例え
ば、Bioglass(45S5)、Ceravital(KGS)、A−W gla
ss ceramics、BIOVERIT−1、Implasto−L1などの顆
粒、微粒子が挙げられる。そして、骨の増殖因子として
は、表3に例示のものが挙げられる。また、薬物として
は、骨組織治療薬であるカルシトニン、ビタミンD、女
性ホルモン、ビスホスホネート(bisphosphonate)、ビ
タミンKなどの硬組織関係の薬物以外にも、例えば抗癌
剤(特に固形癌のように特定部位に設置埋入して治療す
る場合に有効)や抗菌剤、各種ホルモン、生理活性物
質、各種サイトカインなど、種々の治療薬を含ませるこ
とができる。
り、セル壁のポリマー内部に上記の物質や薬物が大部分
包埋された状態のセル構造体が得られるので、ポリマー
の分解と併行した薬物の徐放性を正しくコントロールで
きる。しかも、本発明の製造方法は、生体の損傷部位の
複雑な三次元空間を形状的にあてはめることができるよ
うに成形されたセル構造体を得ることができるので、そ
のように成形されたセル構造体の中に上記の物質等が含
まれていると、細胞、組織の誘導が要求される生体の立
体的形状に沿って生成されるので形を再建できる理想的
な足場となる。
セル構造体は、先述したように基本的に連続気泡体であ
り、発泡倍率が比較的高い場合は極めて大きな表面積を
有する。表面積の大きさは見掛けの分解速度を大きくす
るので、発泡倍率の調節により分解速度(薬剤の徐放速
度)をコントロールすることもできる。そして、孔の比
率が大きいことは、周囲の細胞、組織の浸入を速めるこ
とになり、発泡倍率が大きいことは、セル構造体の重量
が非発泡体である元の個体の1/発泡倍率であるから、
極めて少ない重量の分解・吸収性ポリマーを生体内に埋
入すればよいことになる。従って、分解・吸収過程で組
織反応を生ずる原因となる分解細片の量もまた少なくな
るので、異物反応の機会が極めて少なくなるという生体
材料として重要な多くの性質を付与するものである。ま
た、Tg(ガラス転移点)が体温以上、100℃以下の
比較的低温であるPLA(ポリ乳酸)などのセル構造体
は、生体への埋入直前に加熱して、自由に変形させるこ
とが可能であるから、埋入部位の形状に密着した足場や
製剤をつくるのに有利である。
物等の濃度が内側と表側で異なる濃度勾配をもったセル
構造体や、他の材料と複合化させた高強度のセル構造体
を得ることもできる。すなわち、前者の濃度勾配をもつ
セル構造体は、例えば、薬物等の濃度が異なる数種類の
ポリマー溶液を調製し、薬物濃度が高いポリマー溶液か
ら、または薬物濃度が低いポリマー溶液から、順々に型
内に充填して溶媒を気散させる操作を繰り返すことによ
って得られる。また、後者の複合化セル構造体は、例え
ば、生体内分解吸収性あるいは生体不活性な繊維ででき
た織物、不織布などの補強材料を型内に入れ、ポリマー
溶液を型内に充填して溶媒を気散させることにより得ら
れる。
を溶剤と該溶剤より高沸点の非溶剤との混合溶媒に溶解
してポリマー溶液を調製し、このポリマー溶液を型内に
充填して、溶剤の沸点より低い温度で混合溶媒を気散さ
せると、既述したように、沸点の低い溶剤が優先的に気
散して沸点の高い非溶剤の比率が次第に上昇し、溶剤と
非溶剤がある比率に達すると、溶媒はポリマーを溶解す
ることができなくなって、ポリマーが急激に沈殿し、収
縮、固化して固定化され、ポリマーの連結した薄いセル
壁に溶媒が内包された状態のセル構造が形成される。そ
して、残りの溶剤がセル壁の一部分を破壊しながら細孔
をつくって気散し、沸点の高い非溶剤も気散して、セル
壁に包まれていた溶媒の溜め跡が気孔として固定して残
り、基本的に気孔が連結した連続気泡のセル構造体が得
られる。
Cl2)、非溶剤(沈殿剤)にエタノール(C2H5O
H)を使用し、溶剤と非溶剤の体積比(溶剤/非溶剤)
を10/0、10/1、10/3、10/5、10/
7、10/9に変化させた6種類の混合溶媒に、粘度平
均分子量が約30万(分子量分布;分散度Mw/Mn=
2.5)のポリ−L−乳酸を4g/dlの濃度に溶解し
てポリマー溶液を調製した。
のシャーレに液面が13mmの高さとなるように注入
し、そのまま室温(10〜20℃)で大気圧下に静置し
てセル構造体をつくった。24時間後にはポリマー溶液
の溶媒は蒸散しており、溶媒の組成比(溶剤/非溶剤)
が10/7と10/9のもののみが僅かにエタノール臭
を残しているに過ぎなかった。その後、減圧乾燥する
と、ガスクロマトグラフで溶媒を検知できなくなった。
得られたセル構造体の性状等を下記の表4にまとめて示
す。
タノールの混合溶媒の場合は、溶媒の組成比(塩化メチ
レン/エタノール)が10/1〜10/6で比較的良好
なセル構造体が得られる。この範囲の溶媒組成比のポリ
マー溶液は、低沸点(40℃)、高蒸気圧(348.9
mmHg/20℃)の塩化メチレンが優先的に蒸散する
ので、残留溶媒中の高沸点(78.3℃)、低蒸気圧
(44mmHg/20℃)のエタノールの比率が上昇し
て、溶液はポリマーを外気と接している溶液表面から内
部の方向に徐々に白濁、沈殿させる。このとき残留溶媒
を内在した連続気泡壁(pore interconnection)が形成
され、更なる溶媒の気散とともに最終的に全面にセル構
造体が形成される。
倍という高い値のセル構造体が得られ、発泡倍率ととも
にセル構造体が厚くなった。これは溶液の外気と接触し
ている表面からポリマーが溶剤の気散により直ちに沈
殿、固化し、セル壁を形成して固定化したために厚みが
維持されたためと考えられる。この事実は、ある発泡倍
率のある厚みのセル構造体を要求するときは、溶媒の組
成比とポリマー溶液の濃度を調節すればよいことを示唆
している。
でポリマーを溶解しながら気散するので、溶剤の抜けが
らの孔は溶着して孔として残らない。そのために、ポリ
マー本来の透明なシートが形成された。
り体積が減少し、その分だけ厚みが低下したところで沈
殿、固化してセル壁の固定化がなされるために、セル構
造体の厚みと発泡倍率が低下したと考えられる。逆に初
期の非溶剤(沈殿剤)の比率が高い場合は、溶剤のわず
かな気散によって直ちに非溶剤の沈殿剤としての効果が
発現され、沈殿が一気に生成する。このとき、ポリマー
を溶解して連続したセル壁を形成するだけの量の溶剤が
残っていないので、孔が生成するときに大きく収縮した
り、沈殿したポリマーの粒子が単に溶着して連結体を形
成し、それが気孔を介在したような一種の焼結体のごと
きセル構造体を形成すると考えられる。実際に、溶媒組
成比が10/7では沈殿、固化するときの収縮が厳し
く、表面に多くの皺のある変形したセル構造体が得ら
れ、溶媒組成比が10/9では脆くて粒子が容易に脱落
するセル構造体が得られた。しかし、セル構造体を形成
する比率の上限は10/10と考えられる。この事実は
本発明のセル構造の生成機構を良く裏付けている。
は、従来の凍結乾燥法や溶出法のように長時間を要し
て、なおかつフィルム、シートなどの薄物、低発泡倍率
の多孔体しか得られない方法とは明らかに異なり、肉
薄、低発泡倍率のセル構造体は勿論のこと、肉厚の高発
泡倍率のセル構造体まで得ることができるものであるこ
とを実証している。更に、本発明の方法によれば異形状
の成形体も容易につくることができる。それは異形状の
型内にポリマー溶液を充填するか、できたセル構造体を
後に熱変形(post−thermotransforming)する方法に依
ればよい。
C2H5OH)を10/5に固定し、実施例1のポリ−L
−乳酸の濃度を1.0、2.0、3.0、4.0、5.
0、7.0g/dlに変えてポリマー溶液を調製した。
そして、これらのポリマー溶液を実施例1と同形のシャ
ーレに充填し、同様にしてセル構造体を得た。得られた
セル構造体の性状を下記表5にまとめて示す。
依存することが明らかである。
酸を、塩化メチレンとエタノールと水の混合溶媒(CH
2Cl2/C2H5OH/H2O=10/5/0.3)に4
g/dlの濃度で溶解してポリマー溶液を調製した。
の高さとなるまで充填し、5日間、室温、常圧下に静置
した。その結果、厚さが3.1cm、発泡倍率が約10
倍のセル構造体が得られた。このセル構造体は実施例1
の溶媒組成比が10/1の場合のそれよりも硬かった。
これは水の影響によりポリマーの沈殿、固化が急激であ
り、結晶化度がやや高くなったこと、およびセル壁の固
定が強固になったためと考えられる。
は、生体内分解吸収性の生体材料(医用材料)として有
用である。例えば、これらのセル構造体は生体の損傷部
位の一時的な充填材として機能する組織置換のための足
場や、三次元空間への細胞培養を目的とする多孔性基材
などに有用である。また、ポリ乳酸のようにガラス転移
点が65℃付近であり、体温より高い場合は、65℃以
上の熱水中で暖めた後、生体部位の形状に合わせて任意
に後熱変形(post-thermotransforaming)できるので、
損傷した生体の複雑な欠損部をもとの形状に誘導復元さ
せるための基材として用いることができる。
乳酸(LA)の共重合体(GA/LA=50/50、モ
ル比、重量平均分子量Mw:7.1万、メディソーブテ
クニーク製)を、クロロホルム/イソプロピルアルコー
ル=10/3(体積比)の混合溶媒に4g/dlの濃度
で溶解し、実施例1と同様の溶液沈殿法によって、厚さ
が約3.4mm、発泡倍率が約6倍の連続気泡のセル構
造体を得た。これはGA/LAの共重合体であるために
実施例1のものと比較すると軟らかい発泡体であった。
このセル構造体は約3ケ月以内に生体内で分解吸収する
生体材料(医用材料)として有用である。
L)(プラクセルH−7、重量平均分子量Mw:7万、
ダイセル化学工業(株)製)を、クロロホルム/1−プ
ロパノール=10/4(体積比)の混合溶媒に8g/d
lの濃度で溶解し、実施例1と同じ溶液沈殿法によっ
て、ガラス転移点が−60℃の軟質のセル構造体を得
た。このものは厚さ7mm、発泡倍率が約7倍であっ
た。このセル構造体は、自然界で生分解する製品として
有用である。
樹脂である3−ヒドロキシブチレートと4−ヒドロキシ
ブチレートの共重合体[P(3HB−4HB),4HB
含有率約10モル%と50モル%、数平均分子量Mn:
約10万、三菱化成(株)製]を、クロロホルム/エタ
ノール=10/5(体積比)の混合溶媒に3g/dlの
濃度で溶解し、実施例1と同様にして溶液沈殿法によ
り、厚さ約11mm、発泡倍率約12倍の連続気泡のセ
ル構造体を得た。
セル構造体はやや硬く、ポリプロピレンフォームとよく
似た風合いであった。また、4HB含有率が約50モル
%のポリマーのセル構造体はやや軟らかくポリエチレン
フォームとよく似た風合いであった。このポリマーは1
75℃以上で熱分解し溶融粘度が低下するが、本溶液沈
殿法では常温でセル構造体を生成するのでポリマーの劣
化の危惧は全くなく、初めのポリマーの性質がそのまま
セル構造体に転化されている。そのため、このセル構造
体は自然環境下で分解される生分解性と、生体内で分解
吸収される生体内吸収性の両方をそなえている。ポリヒ
ドロキシブチレート(PHB)のホモポリマーは結晶性
が高く(約80%)、融点(176℃)と熱分解温度
(200℃)が接近しており、実用上の物性と加工面に
問題があるが、生体への適合性がある。本方法は加熱を
要しないため、PHBのホモポリマーであっても本来の
性質を変えることなく加工できるので、DDS(Drug D
elivery System)の担体として医療用途への展開を可能
にする。
−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバレレート
[P(3HB−HV)、HVのモル比5%(バイオポー
ルD300G)と12%(バイオポールD600G)、
重量平均分子量Mw:70万、ゼネカ株式会社製]を、
塩化メチレン/エタノール=10/5(体積比)の混合
溶媒に7g/dlの濃度で溶解し、溶液沈殿法により厚
さ10〜12mm、発泡倍率10〜12倍の連続気泡の
セル構造体を得た。
リプロピレンフォームに似た風合いであり、バイオポー
ルD600Gのセル構造体はポリエチレンと酢酸ビニル
の共重合体(EVA)によく似た風合いであった。これ
らは好気、嫌気の両方の自然環境下で微生物分解され、
その速度は非発泡体の個体より速いので自然に還元する
のに有利である。
リエステルであるポリエチレンサクシネート(重量平均
分子量Mw:16.4×104 、ビオーレ#1000、
昭和高分子(株)製)と、ポリブチレンサクシネート
(重量平均分子量Mw:22.7×104 、ビオーレ#
3000、昭和高分子(株)製)を、塩化メチレン/イ
ソプロピルアルコール=10/3(体積比)の混合溶媒
に10g/dlの濃度で溶解した。このポリマー溶液を
深さ40mmの容器に一杯に満たし、溶液沈殿法によ
り、4日間乾燥させて連続気泡のセル構造体を得た。そ
の厚さは18〜22mm、発泡倍率は8〜12倍であ
り、#1000のセル構造体は#3000のセル構造体
よりもやや硬い風合いを示し、#3000のセル構造体
は中密度ポリエチレンフォーム程度の風合いを示した。
これらは微生物の存在する湿った土中、活性汚泥水中あ
るいは海水中などで、微生物によって非発泡体の固体よ
りも速く分解される。
子量分布;分散度Mw/Mn=3.7)のポリ−L−乳
酸を、塩化メチレン/エタノール/水=10/3/0.
2(体積比)の混合溶媒に12g/dlの濃度で溶解
し、高粘度のポリマー溶液を調製した。これに平均粒径
が数10μm以下の生体活性ガラスセラミック(A−W
glassceramics、日本電気ガラス(株)製)を5重量%
混合してよく撹拌した。この混合溶液は多くの細かい気
泡を含んでいた。
m×5cmの素焼きの陶器の中に高さ3cmまで充填し
た後、減圧乾燥器の中に入れ、10℃、600mmHg
にて30分間減圧したのち室温、常圧下に一昼夜静置し
た。その後10mmHgにて数時間減圧乾燥して残留溶
媒を除去して得られたセル構造体は、300μm以上の
比較的大きな孔径と数10μm以下の細かな孔径を介在
する厚さ約2.5cm、発泡倍率約8.0倍の連続気泡
体であった。走査型電子顕微鏡によって、A−Wガラス
セラミックはそのほとんどがポリマーのセル壁中に存在
していたが、一部はセル壁の表面や孔内部に存在した
り、セル壁から露出していることが観察された。
中に骨との結合能を有し、骨形成を誘導する種々の生体
活性な無機材料(bioactive ceramics)を充填したセル
構造体は、孔内に存在したり、孔壁に露出している一部
分の該セラミック、あるいは吸収性ポリマーが生体内で
加水分解して劣化する過程で露出した生体活性セラミッ
クによって骨の形成が誘導、促進される。また、200
μm以上の孔径を多く有する連続気泡体の場合は、周囲
組織の細胞の浸入が容易であることが知られているの
で、ポリマーの吸収に伴い組織との置換がなされる足場
(scaffold)として有用である。本実施例は生体活性な
セラミック粉末を混合するものであるが、リン酸四カル
シウム(Ca4(PO4)2O)と第二リン酸カルシウム
二水塩(CaHPO4・2H2O)の粉末を混ぜてポリマ
ーに混合する方法をとれば、ポリマーが分解した部分で
この粉末が体液と接触するので、両者が反応して水酸化
アパタイトを生成して固まる。つまり自己固定(self-s
etting)による骨との結合もまた可能である。この場
合、ポリマー溶液を充填する型の形状を生体の損傷部位
に合わせてつくれば、三次元方向に骨の誘導、形成が可
能な足場をつくることができる。生体の損傷部位を三次
元空間方向に形状的に復元することは、従来からの形
成、再建外科(Plastic and Surgery)および整形外科
(Orthopaedic Surgery)の一つの未解決の重要課題で
あったが、本実施例はかかる生体材料を提供できること
を示唆している。また、この際、骨の生長因子である各
種のBMP(Bone Morphogenetic Protein)を混合する
ことにより、より骨の欠損部の回復が確実なものとな
る。ここで、PLAの分子量の分散度を本実施例のよう
に大きくとれば、分子量の大きいものは吸収までに時間
を要し、低分子量のものは埋入後の短時間に分解吸収さ
れるので、混合された生体活性材料が露出あるいは放出
する速度をコントロールできるという利点がある。
するときに型内に超高分子量ポリエチレンあるいはポリ
−L−乳酸の糸で織った織物あるいは不織布を内在させ
て溶液沈殿法によりセル構造体をつくれば、高強度の生
体不活性繊維あるいは生体内吸収性繊維で補強されたセ
ル構造体を得ることができる。これは、それぞれ永続的
あるいは一時的に強度を有する生体の損傷部位の組織置
換の足場として有効に使用できる。この場合、該繊維を
三次元織組織もしくは編組織またはこれらを組合わせた
複合組織からなる力学的生体適合性を備えたバルク状の
構造体(特願平6−254515号)を該ポリマー溶液
に内在させて、溶液沈殿法によりセル構造体をつくれ
ば、三次元空間方向に周囲組織と結合できて、力学的適
合性を充足した足場と補綴材の両方の機能をもつ生体材
料が得られる。
ず、平均分子量10万程度の低分子量PLAやLA/G
A共重合体などの比較的柔軟なセル構造体の場合は軟組
織の欠損部の足場として用いることができる。その場合
は線維芽細胞増殖因子(FGF)、上皮増殖因子(EG
F)、インシュリン様増殖因子(IGF)などの増殖因
子、あるいはトランスフォーミング成長因子−β(TG
F−β)などの増殖抑制因子である各種のサイトカイン
を内含させてもよい。
D,L−乳酸(LA)の共重合体(GA/LA=20/
80、モル比、重量平均分子量Mw:17万)を、塩化
メチレン/エタノール=10/5(体積比)の混合溶媒
に4g/dlの濃度で溶解した。このポリマー溶液3g
に抗癌剤であるアドレアマイシン(Adriamycine:AD
M)の40mgをマイクロホモジナイザーを用いて溶解
した。次に、この溶液を縦1.0cm、横1.0cmの
型に充填して、実施例1と同じ条件の溶液沈殿法によ
り、縦×横×高さ=1.0×1.0×1.0cmの発泡
倍率が約10倍のADMの色である紅色に着色した連続
気泡のセル構造体を得た。このブロックを縦×横×高さ
=0.5×0.5×0.5cmの四つのブロックに切断
し、その一個を37℃のリン酸緩衝液(PBS:Phosph
ate Buffer Solution)に浸漬してADMの放出の推移
を調べた。放出はほぼ0次オーダーで進行し、セル構造
体は約3.5ケ月後には形状を留めないまでに崩壊し、
PBS中に溶解し、ADMは全て放出された。
厚は数10μm以下の薄いフィルム程度の厚さしかな
い。従って、セル壁の膜内に存在する薬が分子レベルで
分散(溶解)していても、微粒子で分散していても、膜
からの放出は本質的にフィルムの表面からの放出と異な
るものではない。しかも連続気泡体(特に高い発泡倍
率)の場合は、薄膜が三次元空間的に凹凸をもって密な
連結孔を形成しているので、単位空間当たりの膜の表面
積は平坦なフィルム表面比べると極めて大きい。従っ
て、このようなセル壁から放出される薬剤の量は多いの
で、限定された量の薬物しか充填できない劇薬を高濃度
に徐放することを求められる抗癌剤などの徐放性製剤の
担体として有効である。生体内分解吸収性ポリマーの分
解速度は体液と接触する面積がおおきい程、分解の機会
が多いので見掛けの分解速度が速くなる。従って、高倍
率体ほど分解が速くなる。本発明で得られる生体内分解
吸収性セル構造体を徐放性製剤の担体として用いて有効
な薬剤は、抗菌剤、抗癌剤、各種ホルモン、生理活性物
質、各種サイトカインなど多くの種類があるが、放出量
に見合ったポリマーと発泡倍率を選択する必要がある。
明のセル構造体の製造方法は極めて簡便であり、フィル
ム状やシート状の薄肉のセル構造体から、数cm以上の
厚い異形状のセル構造体まで容易に製造することがで
き、発泡倍率や気孔が小さなものから大きいものまで製
造することができる。
分解によってポリマーが劣化する工程がないので、生分
解性の環境に還元する無公害のセル構造体を元のポリマ
ーの物性を損なうことなく製造できる。また、セル構造
体中に残存する添加物なども使用しないので、ポリ乳酸
などの脂肪族ポリエステル系ポリマーを使用すれば、該
ポリマー本来の生体安全性、生体適合性などをそのまま
保持した生体内分解吸収性のセル構造体を得ることがで
きる。そして、薬物や生体活性物質などを配合したポリ
マー溶液を使用すると、セル壁中に薬物などの大部分が
包含され、ポリマーの分解に相応して薬物などを正確に
放出制御できるセル構造体を得ることができる。
ー溶液を型内に充填することによって、生体の損傷部位
の複雑な三次元空間を形状的に任意にあてはめることが
できるように成形された、三次元的足場の構築と周囲組
織の浸入に有利なセル構造体を得ることができ、また、
ポリマーとしてガラス転移点が体温以上、100℃以下
の比較的低温であるポリ乳酸などを用いる場合は、生体
への埋入直前に加熱変形が可能で埋入部位の形状に密着
した理想的な足場を形成できるセル構造体を得ることが
できる。
Claims (12)
- 【請求項1】有機合成ポリマーを、互いに相溶性のあ
る、このポリマーを溶解できる溶剤と、この溶剤より高
い沸点を有し上記ポリマーを溶解できない非溶剤との混
合溶媒に溶解してポリマー溶液を調製し、このポリマー
溶液を型内に充填して、溶剤の沸点より低い温度で混合
溶媒を気散させることによりポリマーを沈殿させること
を特徴とする、セル構造体の製造方法。 - 【請求項2】前記型内に充填した前記ポリマー溶液を、
約10℃以下の低温に冷却して増粘し、減圧下に前記混
合溶媒を気散させることを特徴とする、請求項1に記載
の製造方法。 - 【請求項3】前記型内に前記ポリマー溶液をフィルム状
ないしシート状の厚さに充填して前記溶剤の沸点より低
い温度で前記混合溶媒を気散させた後、更にその上に前
記ポリマー溶液を同様に充填して前記混合溶媒を同様に
気散させる操作を複数回繰り返し、肉厚のセル構造体を
製造することを特徴とする、請求項1に記載の製造方
法。 - 【請求項4】前記混合溶媒の溶剤と非溶剤との体積比率
が10:1〜10:10であることを特徴とする、請求
項1ないし請求項3のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項5】前記混合溶媒の溶剤の沸点と非溶剤の沸点
との差が約15℃以上であることを特徴とする、請求項
1ないし請求項4のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項6】前記ポリマー溶液を充填する型が、前記ポ
リマーを通過させず、前記混合溶媒のみを通過させる微
細な通気孔を無数に有する多孔質の型であることを特徴
とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の製
造方法。 - 【請求項7】前記ポリマー溶液に含まれるポリマーが生
分解性又は生体内分解吸収性の脂肪族ポリエステル系ポ
リマーであり、前記溶剤が塩化メチレン又はクロロホル
ムであり、前記非溶剤が60℃〜110℃(1気圧下)
の範囲内で沸点を有する一価アルコール又はこのアルコ
ールと少量の水であり、生分解性又は生体内分解吸収性
のセル構造体を製造することを特徴とする、請求項1な
いし請求項6のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項8】前記脂肪族ポリエステル系ポリマーが、ポ
リ乳酸、乳酸とグリコール酸の共重合体、乳酸とカプロ
ラクトンの共重合体、ポリ乳酸とポリエチレングリコー
ルの共重合体、ポリ乳酸とポリプロピレンの共重合体の
いずれかであることを特徴とする、請求項7に記載の製
造方法。 - 【請求項9】前記ポリマー溶液に生体活性物質が含まれ
ていることを特徴とする、請求項7又は請求項8に記載
の製造方法。 - 【請求項10】前記ポリマー溶液に薬物が含まれている
ことを特徴とする、請求項7又は請求項8に記載の製造
方法。 - 【請求項11】前記の生分解性又は生体内分解吸収性の
セル構造体が、厚さが1mm以上で、発泡倍率が3倍以
上の連続気泡のセル構造体であることを特徴とする、請
求項7ないし請求項10のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項12】前記の生体内分解吸収性のセル構造体
が、生体の損傷部治癒再建のための足場もしくは隔壁、
又は薬物放出のための担体となるものであることを特徴
とする、請求項11に記載の製造方法。
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