JPH08252237A - 磁気共鳴診断装置 - Google Patents
磁気共鳴診断装置Info
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- JPH08252237A JPH08252237A JP7082100A JP8210095A JPH08252237A JP H08252237 A JPH08252237 A JP H08252237A JP 7082100 A JP7082100 A JP 7082100A JP 8210095 A JP8210095 A JP 8210095A JP H08252237 A JPH08252237 A JP H08252237A
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Abstract
高Q値で、受信時には低Q値で広帯域とすることの可能
な磁気共鳴診断装置を提供すること。 【構成】本発明は、送受信用コイル8と、送信部6と、
被検体からの磁気共鳴信号を検出し増幅する低入力イン
ピーダンスの増幅器27と、送信時と受信時とで送信部
6と増幅記27とを切り換える送受信切替記7とを含
み、送受信切替器7は、送受信用コイル8と増幅器27
とを使用波長λに関して等価的にλ/2の整数倍の電気
長を隔てて接続する第1の接続手段16,17,18
と、第1の接続手段の送受信用コイル8から任意の電気
長の第1の点P1 と送信部6とを第1のクロスダイオー
ド19を介して接続する第2のケーブル15と、nを1
以上の整数として、第1の点P1 から電気長λ/4+n
×λ/2の第2の点P2 で第2のクロスダイオード20
を介して接地する手段とを含むことを特徴とする。
Description
周波磁場により対象核種を励起し磁気共鳴信号を検出す
る磁気共鳴診断装置に関する。
の被検体に高周波磁場(RFパルス)及び勾配磁場を所
定のパルスシーケンスに沿って印加することによって磁
気共鳴信号を生じさせ、この磁気共鳴信号を受信し処理
して画像を再構成する。高周波磁場の送信と磁気共鳴信
号の受信は、高周波コイル(RFコイル)を介して行わ
れる。1つの高周波コイルで送受信を兼用することがあ
る。
信し、高S/Nの磁気共鳴信号を得るためにはできる限
り高周波コイルのQ値を高くする必要がある。高周波コ
イルがコンデンサと共に並列共振回路を構成している場
合、Q値は(1)式のように表される。
く小さくなるように製作される。これにより、高周波送
信時にrで消費する電力が少なくなり、受信時にrから
発生する熱雑音も少なくできる。また、Q値は(2)式
によっても表される。
ある吸収スペクトルを計測したときのω0 における吸収
パワーの−3dBとなる周波数ω1( ω1> ω0 )と、
ω2( ω2<ω0 )との差(ω1−ω2) であり、高周
波コイルの受信時に使用可能な周波数帯域を示す。従っ
て、(2)式から、高周波コイルのQが高くなると、高
周波コイルの使用可能な周波数帯域が狭くなることが理
解される。通常の磁気共鳴診断装置においては、Qが相
当高くてもイメージングに使用する周波数帯域はΔωに
比べて十分小さいため、高周波コイルによる周波数帯域
の制限が実用上問題となることはなかった。
撮像を可能とする高速イメージング法(撮像時間が数1
0ms)では、受信系に通常のイメージング法の10倍
程度の周波数帯域が必要である。この高速イメージング
において磁気共鳴信号の受信に必要な周波数帯域は、高
周波コイルのQが高い場合、Δωより広帯域になること
もある。但し、コイルへの送信効率を考えると送信時に
はQ値は高い方がよい。
イルを配置して、これらのコイルより同時にデータ収集
を行い、フ−リエ変換後重み付け加算処理を行うことに
より高S/N画像を得るマルチ表面コイル画像化法にお
いても、従来送信用としてのみ用いられている全身用一
様コイルを各表面コイルとの同時受信に用いることが重
要であり、この受信時にはQ値を十分下げる必要があ
る。特開平1−204760では、重み関数を各々の表
面コイル画像と全身用一様コイル画像の比から計算する
ことにより、高S/Nでかつ均一なマルチ表面コイル画
像を得ようとしているが、表面コイル画像と全身用コイ
ル画像を2回のデータ収集でなく同時1回のデータ収集
で済ますため、表面コイルと全身用一様コイルのデカッ
プリングが必要であることを記載している。つまり、送
信時は高Q値でよいが、受信時はQを落として受信コイ
ルとのカップリングを抑え、感度ムラの無い一様画像を
得る必要がある。
する回路技術として、特公平4−42937号公報にQ
を低下させる方法について記載されているが、あくまで
受信専用コイルに対するものであり、送受信兼用コイル
についてこの方法をそのまま用いることはできない。
ば高速イメージングを実現する場合、高周波の送受信を
1個のコイルで行うには、受信時のQ値を低くしないと
受信信号帯域が不十分という問題があり、また重み関数
を画像より算出する高S/Nかつ高均一なマルチ表面コ
イル画像法を行う場合には、全身用一様コイルの受信時
のQ値を下げないと、受信用表面コイルとのカップリン
グにより画像の感度ムラが生じるという問題があった。
を含む化合物の信号を検出することにより生体内の代謝
状態を観測するMRS(磁気共鳴スペクトロスコピ−)
において、1H と他の原子核31P 、13C 、15N な
どは分子内で隣り合って結合している場合が多く、この
スピン結合を利用して、検出したい化合物を選択した
り、感度を高めたりすることができる。その際には、被
検体に1H 励起用高周波と他の原子核(31P 、13C
、15N など)を励起する高周波を印加する2種類の
高周波コイルが必要となる。一般に、上記のようなスピ
ン結合がある場合、観測する核種の磁気共鳴スペクトル
において結合のある核のピークは分裂してしまい、S/
Nが低下すると共に他の信号との判別が困難になる。そ
こで、結合のある核の信号を1つの高周波コイルで観測
しながら、結合している非観測核の共鳴周波数の高周波
をもう1つの高周波コイルから連続的に印加して結合の
影響を消しピークを単純化する「デカップリング」とい
う手法が用いられる。しかし、これを生体へ適用する
と、高周波を生体組織が吸収し体内の温度上昇を招く可
能性が高い。特にデカップリングに用いる高周波コイル
が頭部用コイルまたは全身撮像用コイルなどの場合、生
体が非常に危険な状況にさらされる可能性がある。観測
領域を限定し、表面コイルを用いてデカップリングパル
スを印加する方法もあるが、このようなスピン結合を持
つ核種の信号を観測する場合、非観測核の共鳴周波数の
高周波磁場を観測領域全域に渡って広範囲に均一に印加
することも同時に要求される場合が多い。たとえば、図
16(a)は13C の信号をS/Nよく観測するために
よく用いられるINEPTという分極移動法のパルスシ
ーケンスを示す。1H の磁化をこれに結合している13
C に移すことにより約4倍に13C の信号強度を高める
ことができる。このシーケンスでは、非観測核である1
H の( π/2) パルスとπパルスとデカップリングパル
ス(図16(b)参照)が必要とされる。デカップリン
グパルスは表面コイルで発生できるものの( π/2) パ
ルスとπパルスは表面コイルのもつ高周波磁場の均一範
囲が非常に狭いという特徴のため、正しく発生できな
い。
に、観測したい核種の感度を高めるため、観測対象核に
結合した非観測核に対し、一つのコイルで空間的に均一
な高周波磁場と、デカップリングなどのようにある程度
連続的に発生される高周波磁場の両方を発生させようと
すると、生体の加温が生じたり、あるいは不均一な高周
波磁場しか出せないという問題があった。
メントを持つ原子核の集団が一様な静磁場中に置かれた
ときに、特定の周波数で回転する高周波磁場のエネルギ
ーを共鳴する現象を利用して、物質の化学的及び物理的
な微視的な情報を映像化したり、あるいは化学シフトス
ペクトルを観測する装置である。このような磁気共鳴診
断装置においては、被検体の関心領域に高周波磁場を照
射したり、それによって生じる磁気共鳴信号を検出する
ための高周波コイルが必要不可欠である。
13C(カーボン)等の化学シフトスペクトルを得る場
合、位置決めや磁場均一性補正のために、 1H(プロト
ン)の画像を取得することが行なわれる。このような場
合、高周波磁場の発生及び磁気共鳴信号の収集のための
高周波コイルとしては、31Pや13C及び 1Hのそれぞれ
の磁気共鳴周波数で同調するコイルが必要である。この
ようなコイルを2重同調高周波(RF)コイルという。
従来の2重同調RFコイルに、高周波磁場の均一発生及
び磁気共鳴信号の検出感度の均一化が可能な高周波コイ
ルとして鳥かご型2重同調RFコイルが知られている。
及び化学シフトスペクトルデータの検出感度向上のため
に、受信では被検体にできるだけ密着して行われ、送信
では高周波磁場が均一に発生されることが望ましい。受
信用コイルとしては、被検体の関心部位へ密着させて設
置され密着部位周辺の信号を高感度で検出できる表面コ
イルが、従来用いられている。しかし、被検体の所定領
域全体にわたって高均一に高周波磁場を発生することが
できない。一方、送信用コイル及び送受信兼用コイルと
しては、高周波磁場の高均一発生及び磁気共鳴信号の検
出感度の均一化が可能で2つの原子核の磁気共鳴周波数
で同調する上記記載の鳥かご型2重同調RFコイルがあ
る。
Fコイルの構造を示したものである。所定の間隔で対向
配置された一対のループ導体114、115の間に、こ
れの軸方向に平行に複数(図では8本)の導体116が
接続されている。ループ導体114に接続された導体1
16の各一端が接続された接続点間にはキャパシタンス
素子117が並列にそれぞれ接続され、またループ導体
115に接続された導体116の各他端が接続された接
続間にも同様にキャパシタンス素子118が並列にそれ
ぞれ接続されている。つまり、ループ導体114、11
5の周方向にLCの梯子型回路が形成され、そのLCの
梯子型回路の一つのループの周方向にさらにキャパシタ
ンス素子117、118が挿入されている。一方導体1
16の途中は分断されており、それらの分断部に導体1
16と直列にキャパシタンス素子119が接続されてい
る。
ルの別の例を示したもので、図38(a)の例と異なる
点は、ループ導体114、115の周方向のLCの梯子
型コイルにおいて、同回路の1ループとループ導体11
4または115を結ぶ導体に直列にキャパシタンス素子
120、121がそれぞれ挿入されている点にある。
ルの一例を示したもので、図38(a)と異なる点は、
周方向に付加したLCの梯子型コイルをループ導体11
4、115に対して同半径で軸方向に延長して接続する
のではなく、同軸長で半径方向に延長あるいは短縮する
ことで、2つの共鳴周波数におけるコイルの感度領域が
なるべく等しくなるように配置したことである。図38
(b)の場合の鳥かご型2重同調RFコイルについても
同様に、LCの梯子型コイルを同軸長で半径方向に延長
あるいは短縮して配置した場合の構成があり得る。
でのコイルの一つのエレメントの等価回路である。L1
は導体114の接続点間のインダクタンスで、C1はキ
ャパシタンス素子118、119の容量、L2は導体1
16のそれぞれのインダクタンス、C2はキャパシタン
ス素子117の容量である。L1、C1によって並列共
振回路が構成され、L2、C2によって直列共振回路が
構成される。そして、図38(d)のエレメントがN個
(図では8個)の梯子型に接続され、鳥かご型2重同調
RFコイルを構成している。
ωH 、ωL とすると、高い方の周波数ωH で、L1、C
1の並列共振回路が容量性、L2、C2の直列共振回路
が誘導性となり、また低い方の周波数ωL でL1、C1
の並列共振回路が誘導性、L2、C2の直列共振回路が
容量性となるように選ばれる。従ってコイルは周波数ω
H において高通過型特性、ωL において低域通過型特性
となる。この場合、ωH とωL は(3)式、(4)式の
ように表される。
1)-1×(sin2 π/N)-1 b=(ω12 ーω22 )2 /4+(ω12 +ω22 )/
(2×L2×C1)×(sin2 π/N)-1+(4×L
22 ×C12 )-1×(sin4 π/N)-1 ω12 =(L1×C1)-1、 ω22 =(L2×C2)-1 N:コイルのエレメント数 しかし、鳥かご2重同調RFコイルは、表面コイルほど
被検体に密着して設置することができないので、受信時
の高S/N検出は出来ない。
表面コイルの特性を生かして、送信時には鳥かご型2重
同調RFコイルを用いて、受信時には表面コイルを用い
ることにより、高周波磁場を均一に発生することがで
き、磁気共鳴信号を高感度に検出するという極めて有用
な高周波コイルが実現できる。
2重同調RFコイルは送信時のみに用いられ、受信時に
は受信用コイルの検出感度を低下させないように、受信
用コイルの磁気共鳴周波数から離調させる手段を付加す
ることでカップリングをなくし、より高性能なコイルが
実現すると考えられるが、このようなものは提案されて
いない。
イルでは、送信専用に用いた場合、受信用表面コイルと
カップリングをなくし受信用コイルに悪影響を与えない
ようにすることが難しいという問題があった。
は、高周波コイルを送受信兼用に用いて送信時には高Q
値で、受信時には低Q値で広帯域とすることの可能な磁
気共鳴診断装置を提供することである。
ケンスの中で必要に応じて広範囲にわたって均一な高周
波磁場と、生体の加温の軽減することの可能な高周波磁
場を使い分けることのできる磁気共鳴診断装置を提供す
ることである。
気共鳴周波数で均一な高周波磁場を発生でき、しかも受
信時には受信用コイルとカップリングして検出感度を下
げることがない多重同調RFコイルを提供することを目
的とする。
被検体に静磁場を印加する手段と、前記被検体に勾配磁
場を印加する手段と、高周波コイルと、前記被検体に高
周波磁場を印加するために前記高周波コイルに高周波電
流を供給する送信手段と、前記被検体からの磁気共鳴信
号を前記高周波コイルを介して検出し増幅する低入力イ
ンピーダンスの増幅手段と、送信時に前記高周波コイル
に前記送信手段を接続し、受信時に前記高周波コイルに
前記増幅手段を接続する送受信切替手段と、前記磁気共
鳴信号を用いて画像データを生成する画像データ生成手
段とを具備し、前記送受信切替手段は、前記高周波コイ
ルと前記増幅手段とを使用波長λに関して等価的にλ/
2の整数倍の電気長を隔てて接続する第1の接続手段
と、前記第1の接続手段の前記高周波コイルから任意の
電気長の第1の点と前記送信手段とを第1のスイッチ手
段を介して接続する第2の接続手段と、前記第1の点か
ら電気長λ/4+n×λ/2(nは1以上の整数)の第
2の点で第2のスイッチ手段を介して接地する手段とを
含むことを特徴とする。
印加する手段と、前記被検体に勾配磁場を印加する手段
と、第1の核種の磁気共鳴周波数に相当する第1の周波
数の高周波磁場を前記被検体に送信すると共に、前記第
1の核種から発生した磁気共鳴信号を検出するための手
段と、第2の核種の磁気共鳴周波数に相当する第2の周
波数の高周波磁場を前記被検体に送信するための第1の
高周波コイルと、前記第2の周波数の高周波磁場を前記
被検体に送信するための第2の高周波コイルと、前記磁
気共鳴信号を用いて画像データを生成する画像データ生
成手段とを具備し、一連のパルスシーケンスの中で高周
波磁場の種類に応じて前記第1の高周波コイルと前記第
2の高周波コイルとを使い分けることを特徴とする。
同軸上に設けられた少なくとも3つのループ状の第1の
導体と、前記第1の導体間を接続する第2の導体と、前
記第1の導体及び前記第2の導体と共に共鳴周波数の異
なる複数の共振回路を構成するように前記第1の導体と
前記第2の導体との少なくとも一方に挿入されるキャパ
シタンス素子と、前記複数の共振回路のうち少なくとも
2つの共振回路に設けられるスイッチ素子とを具備す
る。
同軸上に設けられた少なくとも3つのループ状の第1の
導体と、前記第1の導体間を接続する第2の導体と、前
記第1の導体及び前記第2の導体と共に共鳴周波数の異
なる複数の共振回路を構成するように前記第1の導体と
前記第2の導体との少なくとも一方に挿入されるキャパ
シタンス素子と、前記複数の共振回路のうち1つの共振
回路に設けられるスイッチ素子とを具備する。
送受信切替手段を介して受信時には低入力インピーダン
スの増幅手段に接続することにより、受信時のQ値を低
下させて、周波数帯域を広帯域にすることができ、送信
時には送受信切替手段により高周波コイルを増幅手段か
ら分断し高いQ値を維持することができる。
シーケンスの中で同じ核種に対する高周波磁場をその種
類に応じて第1の高周波コイルと第2の高周波コイルと
を使い分けることができる。したがって、第1の高周波
コイルとして比較的広い範囲にわたって略均一な高周波
磁場を送信することの可能なコイルを用い、また第2の
高周波コイルとして比較的狭い範囲のみに略均一な高周
波磁場を送信することの可能な局所コイルを用いると、
一連のパルスシーケンスの中で必要に応じて広範囲にわ
たって均一な高周波磁場と、生体の加温の軽減すること
の可能な高周波磁場を使い分けることが可能となる。
回路のうち少なくとも2つの共振回路に設けられるスイ
ッチ素子は順方向電流の場合は単なる抵抗に近い素子に
なり、逆バイアス時には微小な容量のキャパシタンス素
子と抵抗とからなる並列回路に近似でき、数十キロオー
ム以上のインピーダンス素子のようになる。したがっ
て、受信時に逆バイアスをかけることにより、少なくと
も2つの共振回路の共鳴周波数を同時に変化させて、原
子核の共鳴周波数から離調させて、受信用コイルとのカ
ップリングを回避することが可能となる。
回路のうち1つの共振回路に設けられるスイッチ素子は
順方向電流の場合は単なる抵抗に近い素子になり、逆バ
イアス時には微小な容量のキャパシタンス素子と抵抗と
からなる並列回路に近似でき、数十キロオーム以上のイ
ンピーダンス素子のようになる。したがって、受信時に
逆バイアスをかけることにより、必要とされる特定の1
つの共振回路の共鳴周波数のみを変化させて、原子核の
共鳴周波数から離調させて、受信用コイルとのカップリ
ングを回避することが可能となる。つまり、多種の共鳴
周波数を持つ多重同調RFコイルを送信専用に用いる場
合、別途設けられた受信用コイルと受信時にカップリン
グしないためには、受信用コイルと同じ1種の共鳴周波
数のみを離調し、他の共鳴周波数は離調しない方が好ま
しい場合がある。なぜなら多種の共鳴周波数全てを同時
に離調した場合、受信する共鳴周波数以外の周波数の離
調に伴って、受信用コイルと同じ1種の共鳴周波数の離
調効果が低減し、受信コイルとのカップリングが生じる
可能性があるからである。
共鳴周波数から離調する場合のうち、鳥かご型2重同調
RFコイルが従来技術の図38(a)のように構成され
ている場合で、共鳴する2つの周波数のうち、高い方の
周波数の成分を離調する場合は、LC梯子型回路のルー
プとループ導体をつなぐ軸に平行な導体に直列にピンダ
イオードを挿入し、さらにピンダイオードの駆動電流の
経路上にあたるキャパシタンス素子には、これに並列に
インダクタンス素子を接続したことを特徴とする。
合は、ループ導体に直列にピンダイオードを挿入し、さ
らにピンダイオードの駆動電流の経路上にあたるキャパ
シタンス素子には、これに並列にインダクタンス素子を
接続したことを特徴とする。また、鳥かご型2重同調R
Fコイルが従来の図38(b)と同様に構成されている
場合で、高い方の周波数成分を離調する場合は、LC梯
子型回路のループ上あるいは、LC梯子型回路のループ
とループ導体をつなぐ導体上に直列にピンダイオードを
挿入し、さらにピンダイオードの駆動電流の経路上にあ
たるキャパシタンス素子には、これに並列にインダクタ
ンス素子を接続したことを特徴とする。また、低い方の
周波数成分を離調する場合は、ループ導体に直列にピン
ダイオードを挿入し、さらにピンダイオードの駆動電流
の経路上にあたるキャパシタンス素子には、これに並列
にインダクタンス素子を接続したことを特徴とする。こ
の際、ピンダイオードへの給電は、上記コイルにおける
一対のループ状導体の片方からあるいは、それに接続さ
れた梯子型回路から行う。
Fコイルは、従来の鳥かご型2重同調RFコイルにピン
ダイオードとインダクタンス素子を挿入することによ
り、コイルの受信時にコイルを2つの共鳴周波数から同
時に離調させる、あるいは少なくともいずれか一方の共
鳴周波数から離調させることができる。そして、この2
重同調鳥かご型コイルはその形状から2種類の共鳴周波
数を持ち、高周波磁場の均一性に優れた特性が得られ
る。
て説明する。 (第1実施例)図1は、第1実施例に係る磁気共鳴診断
装置の構成を示すブロック図である。図1において、静
磁場磁石1は、寝台5上の被検体4に一様な静磁場を印
加する。勾配磁場コイル2はシーケンスコントローラ1
1によって制御される駆動回路3によって駆動され、被
検体4に対して、その磁場強度がX,Y,Z方向に直線
的に変化する勾配磁場Gx,Gy,Gzを印加する。被
検体4にはさらにシーケンスコントローラ11による制
御下で、送信部6からの高周波パルスが送受信切替器7
を通して送受信用コイル(送受信兼用高周波コイル)8
に印加されることによって発生される高周波磁場が印加
される。送受信切替器7は、送信時には送受信用コイル
8を送信部6に接続し、受信時には送受信用コイル8の
接続を送信部6から受信部9に切替える。
た磁気共鳴信号は送受信切替器7を通して受信部9に導
かれ、増幅及び検波された後シーケンスコントローラ1
1の制御の下、データ収集部10へと送られる。データ
収集部10ではシーケンスコントローラ11の制御下で
入力された磁気共鳴信号を収集し、A/D変換した後、
計算機12に送る。計算機12はコンソール13により
制御され、データ収集部10から入力された磁気共鳴信
号の画像再構成処理を行い、シーケンスコントローラ1
1の制御も行う。計算機12により得られた画像データ
はディスプレイ14に伝達され画像が表示される。
受信用コイル8と、受信部9の前置増幅器27とを接続
する第1の接続手段としてのケーブル16,17,18
はその全体長が使用波長をλとして、等価的にλ/2の
整数倍の電気長に設定される。送受信用コイル8から任
意の電気長l0 +λ/4のケーブル16を隔てた第1の
点P1 には、第1のスイッチ手段としてのクロスダイオ
ード19を介して第2の接続手段としてのケーブル15
が接続される。ケーブル15には送信部6が接続され
る。第1の点P1 から電気長λ/4+n×λ/2(nは
1以上の整数)のケーブル17を隔てた第2の点P2
は、第2のスイッチ手段としてのクロスダイオード20
を介して接地される。第2の点P2 から、電気長n´×
λ/2−l0(n´は1以上の整数)のケーブル18を
介してコイル23と前置増幅器27が順に接続される。
パルスはケーブル15からクロスダイオード19、ケー
ブル16を通り、ケーブル15と同じ特性インピーダン
スZ0 に整合された送受信用コイル8に伝達される。こ
のときクロスダイオード20が短絡状態になり、ケーブ
ル17の長さが使用波長をλとして、(λ/4+n×λ
/2)に設定されているため、ケーブル17の送受信用
コイル8側から見たインピーダンスは非常に高くなり、
受信部9へ高周波パルスは洩れにくくなり、効率的な送
信が可能である。
解放状態となる。この際の回路動作は、特公平4ー42
937号公報にも記載されている。送受信用コイル8の
インダクタンス素子21のインダクタンスL1、コンデ
ンサ素子24の容量C1 、コンデンサ素子25の容量C
2 は、共鳴周波数ω0 を実現するように(5)式の関係
に設定される。
タンスL2 とコンデンサ素子25の容量C2 とは共鳴周
波数ω0 を実現するように(6)式の関係に設定され
る。
になるように(7)式のよう調整されている。
に低く設定されており、ケーブル16、17、18の全
長が、n,n´を1以上の整数として、λ/2の整数倍
((1+n+n´)×λ/2)に設定されているため、
送受信用コイル8の入力端が前置増幅器27の入力イン
ピーダンスとほぼ同じになる。これによりコンデンサ素
子25の両端のインピーダンスが高くなり、送受信用コ
イル8のQ値が見掛上低下する。
す。ケーブル28、29、30の全長はやはりλ/2の
整数倍になっているが、λ/4分の振り分けが図2と異
なる。つまり、ケーブル16は任意の電気長l0 に、ケ
ーブル17はλ/4+n×λ/2に、ケーブル18はλ
/4+n´×λ/2−l0 にそれぞれ設定される。
変形例の構成を示す。図4(a)でインダクタンス素子
21とコンデンサ素子24とからなる共振回路はω0 で
の共鳴条件にあり、直列に特性インピーダンスZで長さ
λ/4のケーブル28を挿入し、入力インピーダンスが
Z0 になるように調整したものである。図4(b)はイ
ンダクタンス素子21と2つのコンデンサ素子24,2
5とからなる共振回路はやはりω0 での共鳴条件にあ
り、さらに長さl´のケーブル29を接続することによ
り入力インピーダンスがZ0 になるように調整したもの
である。もちろん、図4(a)ではケーブル29のコイ
ル端、図4(b)ではケーブル29に並列に接続された
コンデンサの両端が、送受信切替器7と受信部9が接続
したとき、高いインピーダンスを持つ。
成を示す。クロスダイオードの替わりにピンダイオード
34、35を用いて送受信の切り替えを行う。コンデン
サ素子31、32、33はピンダイオード34、35の
駆動電流を遮断するためのものであり、駆動は端子36
とグランドの間で行われる。 (第2実施例)図5は第2実施例に係る磁気共鳴診断装
置の構成を示すブロック図である。図5において、静磁
場磁石41は、被検体57に一様な静磁場を印加する。
勾配磁場コイル42はシーケンスコントローラ54によ
って制御される駆動回路43によって駆動され、寝台5
8上の被検体57に対して、その磁場強度がX,Y,Z
方向に直線的に変化する勾配磁場Gx,Gy,Gzを印
加する。被検体57にはさらにシーケンスコントローラ
54による制御下で、第2の核種としての非観測核であ
る核Aの核A用送信部47からの高周波パルスがコイル
切替器46を通して第1の高周波コイルとしての核A用
送信コイル44又は第2の高周波コイルとしての核A用
送信コイル45に印加される。また第1の核種としての
観測核である核Bの核B用送信部50から送受信切替器
49を通して核B用送受信コイル48へ高周波磁場が印
加される。被検体57から誘起された核Bからの磁気共
鳴信号は核B用送受信コイル48、送受信切替器49を
通して核B用受信部51に導かれ、増幅及び検波された
後シーケンスコントローラ54の制御の下、データ収集
部52へと送られる。データ収集部52ではシーケンス
コントローラ54の制御下で入力された磁気共鳴信号を
収集し、A/D変換した後、計算機53に送る。計算機
53はコンソール56により制御され、データ収集部5
2から入力された磁気共鳴信号の画像再構成処理を行
い、シーケンスコントローラ54の制御も行う。計算機
53により得られた画像データはディスプレイ55に伝
達され画像が表示される。送受信切替器は自動的に切り
替わるように受動素子にて構成することもできるが、シ
ーケンスコントローラの制御下で動作させることもでき
る。
ンブリの断面図である。測定対象を頭部と考えた場合、
第1の核A用送信コイル44と核B用送受信コイル48
は頭部全体にわたって比較的広範囲に均一な高周波磁場
を発生できるように頭部を覆う程度の大きさを持ち、励
起用高周波磁場(90°パルス)及び再結像用高周波磁
場(180°パルス)を印加する際に、シーケンスコン
トローラ54の制御により選択される。第2の核A用送
信コイル45は、比較的狭い範囲にのみ均一な高周波磁
場を発生する局所コイルであり、デカップリングなど連
続的に高周波を発生し被検体への加温効果が問題になり
そうな高周波磁場を印加する際に、シーケンスコントロ
ーラ54の制御により、第1の核A用送信コイル44か
ら切り替えて用いられる。
わせの1例を示す断面図である。ここで用いられている
第1の核A用送信コイル44の構造を図8(a)に示
す。第1の核A用送信コイル44と第2の核A用送信コ
イル45は同じ共鳴周波数を持つので、少なくとも第2
の核A用送信コイル45使用時には第1の核A用送信コ
イル44を離調しておく必要があるため、ピンダイオー
ド59が第1の核A用送信コイル44に直列に挿入され
ている。第1の核A用送信コイル44へ高周波を伝達す
るときは少なくともピンダイオード59はON状態にな
っている。この制御はシーケンスコントローラ54から
ピンダイオード59の両端の制御端子を通して行われ
る。ピンダイオード59は第1の核A用送信コイル44
に直列に入れる必要はなく、並列に挿入しても良い。核
B用送受信コイルとしては種々のコイルが使える。図8
(a)においてピンダイオード59の挿入されてない鞍
型コイルや、スロッテッドチューブレゾネータなど通常
の画像化に用いられるコイルを使えばよい。
イル45の構造を示す図である。図8(a)の第1の核
A用送信コイル44と同様にコイルの同調状態・離調状
態を制御するピンダイオード60が挿入されている。
L’とC’は核Aの共鳴周波数で共振するように設定さ
れており、ピンダイオード60をONすることにより離
調状態、OFFにより同調状態となる。図8(c)はピ
ンダイオードをコイルに直列に挿入したものでピンダイ
オードONにより同調し、OFFにより離調する。核B
用送受信コイル48はいわゆる鞍型コイル、つまり図8
(a)のピンダイオード59の無い構成のものでよい。
配置の上で重要なのは、核B信号観測中にデカップリン
グパルスなど連続的な高周波磁場を発生する第2の核A
用送信コイル45は核B用送受信コイル48と電気的カ
ップリングが少ない配置になっていることである。
う装置では、図9のようにフィルターを設けた方が望ま
しい場合が多い。第1の核A用フィルター62と第2の
核A用フィルター63は、核Aの共鳴周波数の高周波を
通すバンドパスフィルター、ローパスフィルター又はハ
イパスフィルターで、核A用送信部47から送られてく
る核Bの磁気共鳴周波数に相当するノイズ成分を除去す
る。ここでは2つ挿入されてるが、コイル切替器46と
核A送信部47の間に1つ挿入して済ますこともでき
る。核B用フィルター64は、核B用送信部50から送
られてくる核Aの磁気共鳴周波数に相当するノイズ成分
を除去するとともに、核Bの信号受信時に第2核A用送
信コイル45から送信され核B用送受信用コイル48に
混入してくる核Aの共鳴周波数の高周波を除去する。
励起と核Bからの信号受信とを別々のコイルで行っても
よい。核B用送信部50から送られる高周波パルスは核
B用送信コイル70へ導かれる。被検体から核B用受信
コイル71に誘起される磁気共鳴信号は核B用受信部5
1へ導かれる。図11は図10の例における被検体5
7、コイルの組み合わせの例を示す断面図である。第1
の核A用送信コイル44と核B用送信コイル70が被検
体を取り囲むように互いに直交するように配置されてお
り、それぞれ鞍型コイルで構成することができる。少な
くとも送信時にコイルをON状態にするためにピンダイ
オードが挿入されている。第2の核A用送信コイル45
と核B用受信コイル71は被検体に対してほぼ同じ領域
に対してそれぞれ高周波磁場を印加したり信号受信した
りできるように配置されている。但し、互いに電気的な
カップリングが少ない構成にすべきである。例えば、第
2の核A用送信コイル45を図8(b),(c)のよう
に構成した場合、核B用受信コイル71は図12(a)
のような8字型コイルにするか同図(b)のような差分
型コイルにするとよい。これらのコイルは構造的に図8
(b)のようなループコイルとのカップリングを防ぐこ
とができる。核B用送信コイル70から高周波磁場を印
加している間、不感状態にしておくため、クロスダイオ
ードとインダクタンス素子、コンデンサ素子からなるト
ラップ回路を備えている。クロスダイオードの替わりに
ピンダイオードを用いることもできる。第2の核A用送
信コイル45の形状を図12(a),(b)の8字型コ
イルや差分型コイルに選んでもよい。その場合には、ク
ロスダイオードの替わりに、ピンダイオードを用いてシ
ーケンスコントローラ54の制御下でON−OFF制御
する。そして、核B用受信コイルとしては図12(c)
のようなループコイルを用いることができる。
ル45から送信され核B用受信コイル71に混入してく
る核Aの共鳴周波数の高周波を除去するため、図9では
フィルターを用いる例を示したが、さらに核B用受信コ
イルに核Aの共鳴周波数のトラップ回路を付ける方法も
ある。図13(a)は核B用受信コイル71に核Aの共
鳴周波数について1/4波長の同軸ケーブル80を一端
で短絡して、反対側をコイルに直列に接続するものであ
る。図13(b)は核Aの共鳴周波数で共振するインダ
クタンス素子L”とコンデンサ素子C”の並列共振回路
81を核B用受信コイル71に直列に挿入したものであ
る。この場合、第2の核A用送信コイル45と並列共振
回路81がカップリングしないようにシールドした方が
よい。また図13(a),(b)のようなトラップ回路
は、図5の核B用送受信コイル48に取り付けても効果
がある。
イルは送信のみの役割であったが、送受信可能であると
便利な場合がある。例えば核Aが1H 原子核、核Bが1
3C原子核の場合、実際上コイル系を被検体にセットし
たとき13C の信号を観測する前に観測位置の確認のた
め1H 画像を通常必要とする。すると、コイル系を一度
設置するだけで1H 画像を取得でき、なおかつ13C か
らの信号観測ができると都合がよい。図14はそのため
の送受信切替器93をコイル切替器92と核A用送信部
94の間に配置したもので、受信時には送受信切替器9
3から核A用受信部へ信号が送られる。2つのコイル1
90とコイル2 91のどちらかが受信機能を持っていて
もよいし、両方持っていても構わない。核A用送(受)
信コイル1 90で送信し、第2の核A用送信コイル91
を受信にも兼用してもよい。これらは送受信切替器93
とコイル切替器92をシーケンスコントローラで制御す
ることにより決定できる。この場合送受信切替器93は
受動的な切替回路でも使用できる。図15は送受信切替
器1 96と送受信切替器2 97を、それぞれ、第1のコ
イル切替器98と第1の核A用送(受)信コイル90の
間または第2のコイル切替器99と第2の核A用送
(受)信コイル91の間に配置した例である。受信した
いコイルが決まっていればそちらの経路のみ送受信切替
器を配置すればよい。
観測用パルスシーケンスである。INEPTと呼ばれる
分極移動法のパルスシーケンスで、非観測核である核A
に相当するのが1H 原子核、観測核である核Bに対応す
るのが13C 原子核である。τは1/4Jに設定され
る。ここでJは1H 原子核と13C 原子核のスピン結合
を示す定数である。またΔは同じくJに関連し例えば1
/2Jに設定される。本実施例の一例である図5のブロ
ック図にしたがって説明すると、1H 共鳴周波数の高周
波パルス、( π/2) xパルスとπxパルス、( π/
2) yパルスはコイル切替器46により第1の核A用送
信コイル44により発生される。次に、発生される1H
デカップリングパルスはシーケンスコントローラの制御
のもとっでコイル切替器46が切り替えられ、第2の核
A用送信コイル45より発生させられる。13C 側につ
いてはπxパルスと( π/2) xパルスが核B用送受信
コイル48により発生されると共に、信号観測も同じコ
イルによってなされる。デカップリングパルスには種々
のものが用いられるが、良く用いられるのはWALTZ
と呼ばれるパルスシーケンスで、帯域の広い複合πパル
スを適当な位相順序で並べて印加するものである。別の
例としては図34に示す帯域の広い変調πパルス100
をもとにする方法もある。この際、信号観測開始時点で
は、変調πパルス100の振幅最大となる部分から始め
ると都合がよい。 (第3実施例)第3実施例は磁気共鳴診断装置に用いら
れる高周波コイル(RFコイル)に係り、特に少なくと
も2種の共振周波数で共振する送信専用に鳥かご型多重
同調RFコイルに関する。
ご型二重同調RFコイルに、離調手段を特徴的に追加し
た本実施例に係る送信専用の鳥かご型の多重同調RFコ
イルの構成図である。少なくとも3つのループ導体10
6、107、111、112が所定の間隔で対向配置さ
れる。これらループ導体106、107、111、11
2は軸方向に平行な複数(図では8本)の導体101で
接続されている。ループ導体107に接続された導体1
01と、ループ導体111との複数の接続点の間にはキ
ャパシタンス素子109が並列にそれぞれ接続され、ま
たループ導体106に接続された導体101と、ループ
導体112との複数の接続点の間にも同様にキャパシタ
ンス素子108が並列にそれぞれ接続されている。つま
り、ループ導体106、107の周方向にLCの梯子型
回路が形成され、そのLCの梯子型回路の一つのループ
の周方向にさらにキャパシタンス素子109、108が
挿入されている。導体101の複数箇所で分断されてお
り、それらの分断部に導体101と直列にキャパシタン
ス素子102が接続されている。
は8本)のうちのいずれか少なくとも四重極対称の位置
に導体101に直列に挿入されているキャパシタンス素
子102の分断部とは別の箇所で導体101が分断さ
れ、その分断部に離調用のスイッチ素子としてのピンダ
イオード103が直列に挿入されている。挿入されたピ
ンダイオード103を配置する向きは、全ピンダイオー
ド103の半分はZ方向がアノードになる向きに配置
し、ピンダイオード103の残りの半分は逆に−Z方向
にカソードを配置する。
つのエレメントの等価回路である。従来の図38(d)
の構成にピンダイオード103が付加されている回路構
成である。このピンダイオード103は、送信時には対
象2核種の2つの共鳴周波数に同調した2種の共鳴周波
数で発振し、受信時には対象2核種の2種の共鳴周波数
を同時に離調、つまり対象2核種の2種の共鳴周波数と
異なる共鳴周波数に変化させることができるようにOF
F状態にされるべきスイッチ手段(離調手段)を実現す
る。これはピンダイオード103の特性で順方向電流の
場合(送信時)は単なる抵抗に近い素子になり、逆バイ
アス時(受信時)には微小な容量のキャパシタンス素子
と抵抗とからなる並列回路に近似でき、数十キロオーム
以上のインピーダンス素子のようになることを利用した
ものである。L1は導体107の接続点間のインダクタ
ンスで、C1はキャパシタンス素子102、108の容
量、L2は導体101のそれぞれのインダクタンス、C
2はキャパシタンス素子109の容量である。L1,C
1によって並列共振回路が構成され、L2,C2によっ
て直列共振回路が構成される。そして、図17(b)の
エレメントがN個(図17(a)では8個)の梯子型に
接続され、送信専用鳥かご型二重同調RFコイルを構成
している。
38(b)の鳥かご型二重同調RFコイルに離調手段と
してのピンダイオード103を備え、送信時には図38
(b)と同様の鳥かご型二重同調RFコイルの特性を示
し、受信時には、ピンダイオード103により2種の共
鳴周波数から同時に離調することが可能である。
03の配列及びピンダイオード103への駆動電力を供
給する説明するための展開図である。ピンダイオード1
03の配列法について、Z方向がアノードの場合とカソ
ードの場合と同数で互い違いになるようにする。
する方法について、全ピンダイオード103への駆動電
力は一点から供給する。そのためには、回路構成を全ピ
ンダイオード103に駆動電力が供給されるように直流
電流が周回できるようにする必要がある。その方法は、
ピンダイオード103が接続された導体101に直列に
接続された全てのキャパシタンス素子102に並列にイ
ンダクタンス素子104をそれぞれ接続させる。このと
き、インダクタンス素子104のインピーダンスは、直
流電流は流し、且つ共振条件をくずさないようにキャパ
シタンス素子102と比較して十分高いインピーダンス
にする。実際はキャパシタンス素子102と所定の磁気
共鳴周波数で共鳴するように計算したインダクタンスの
容量の約5〜10倍大きい容量にする。
は、大きなインピーダンスを持つインダクタンス素子1
05又は図20に示すようなLC共振回路を通し、さら
にループ導体106又は107のいずれか一方を介して
供給される。あるいは、点線で示しているように、駆動
電力をキャパシタンス素子108または109を含むL
C梯子型回路の導体に接続して供給する方法もある。電
流入出のため、少なくとも二箇所にピンダイオード10
3のアノードとカソードに接続している導体にそれぞれ
供給される。図21は給電点に関して、別の例が示され
ている。
電流を防ぐために通常挿入されるキャパシタンス素子1
21の挿入位置は、ピンダイオード103へ供給する電
流の経路を決める上で重要である。その方法は、図19
の場合、ループ導体107に二箇所、ループ導体106
に一箇所を分断し、その分断部に直列にキャパシタンス
素子110を接続する。このとき二つのループ導体10
6、107に挿入されたキャパシタンス素子110は、
全てのピンダイオード103に電流が供給されるように
配置する。キャパシタンス素子110の容量は挿入によ
り鳥かご型二重同調RFコイルの二つの磁気共鳴周波数
に大きな変化を与えない程度に十分大きな容量でなけれ
ばならない。図22にピンダイオード103の駆動電流
の流れる様子を示す。
す。ピンダイオードの配列法やその給電については図1
9と同様である。ピンダイオード駆動のための給電は図
23に示されているように、ループ導体106、107
にのみ可能である。
ルを送信専用に用いる場合、別途設けられた受信用コイ
ルと受信時にカップリングしないためには、受信用コイ
ルと同じ1種の共鳴周波数のみを離調し、他の共鳴周波
数は離調しない方が好ましい場合がある。なぜなら多種
の共鳴周波数全てを同時に離調した場合、受信する共鳴
周波数以外の周波数の離調に伴って、受信用コイルと同
じ1種の共鳴周波数の離調効果が低減し、受信コイルと
のカップリングが生じる可能性があるからである。
重同調RFコイルにおいて、高い方の共鳴周波数のみを
離調するための手段を備えた本実施例に関わる鳥かご型
二重同調RFコイルの一例を示したものである。図25
はその展開図である。
ループ導体106、107をつなぐ軸に平行な導体11
3に直列にピンダイオード103が挿入されている。こ
のピンダイオード103によりコイルは、受信時に少な
くとも高い方の共鳴周波数から離調できるような切り替
え手段を持つようになる。挿入されるピンダイオード1
03の数は離調できればいくつでもよい。全ピンダイオ
ード103への駆動電力を一点から供給し、全ピンダイ
オード103の駆動電流が周回できるように、駆動電流
の経路上にあたるキャパシタンス素子102にはこれに
並列にインダクタンス素子104を接続する。このと
き、インダクタンス素子104のインピーダンスは、直
流電流は流し、共振条件をくずさないようにキャパシタ
ンス素子102と比較して十分高いインピーダンスにす
る。電流入出のために実線で示したループ導体106、
107のどちらか一方に少なくとも二箇所に供電点を持
つ。ピンダイオード103への駆動電流は大きなインピ
ーダンスを持つインダクタンス素子105または、図2
0に示すようなLC共振回路を通して行なう。また、渦
電流を防ぐために通常挿入されるキャパシタンスの挿入
位置は、全てのピンダイオード103に電流が供給され
るように、各ループ導体106、107のそれぞれ少な
くとも一箇所を分断し、その分断部に直列にキャパシタ
ンス素子110を挿入する。このキャパシタンス素子1
10の容量は、挿入により鳥かご型二重同調RFコイル
の二つの磁気共鳴周波数に大きな変化を与えない程度に
十分大きな容量でなければならない。図26にピンダイ
オード103の駆動電流が流れる様子を示した。また、
図27にはピンダイオード103の挿入の別の方法とそ
の駆動電流の供給の方法を展開図で示した。
の図38(a)の鳥かご型二重同調RFコイルの一方の
低い方の共鳴周波数のみを離調するための手段を備えた
鳥かご型二重同調RFコイルを示したものである。図2
9はその展開図である。図24の場合と同様に、多種の
共鳴周波数を持つ多重同調RFコイルを送信専用に用い
る場合、別途設けられた受信用コイルと受信時にカップ
リングしないためには、受信用コイルと同じ1種の共鳴
周波数のみを離調し、他の共鳴周波数は離調しない方が
好ましい場合がある。なぜなら多種の共鳴周波数全てを
同時に離調した場合、受信する共鳴周波数以外の周波数
の離調に伴って、受信用コイルと同じ1種の共鳴周波数
の離調効果が低減し、受信コイルとのカップリングが生
じる可能性があるからである。
のピンダイオード103が挿入されている。図24、図
25と同様に全ピンダイオード103の駆動電流の経路
上にあたるキャパシタンス素子102にはこれに並列に
インダクタンス素子104を接続する。ピンダイオード
103の駆動電流も、図24、図25と同様に実線で示
したようにループ導体106、107に供給する場合
と、点線で示したようにLC梯子型回路のループ11
1、112に供給する場合がある。渦電流を防ぐために
挿入するキャパシタンス素子110は、図24、図25
と同様に全ピンダイオード103に駆動電流が周回する
ようにループ導体106、107に直列に挿入する。
周波数を受信時に離調するために図38(b)に切り替
え手段を備えた鳥かご型二重同調RFコイルである。図
31はその展開図である。LCの梯子型回路のループ導
体111、112とループ導体106、107をつなぐ
軸に平行な導体113に直列に離調用のピンダイオード
103が挿入されている。図24、図25と同様に全ピ
ンダイオード103の駆動電流の経路上にあたるキャパ
シタンス素子102にはこれに並列にインダクタンス素
子104を接続する。また、ピンダイオード103の駆
動法については、実線で示したようにループ導体10
6、107のどちらか一方に供給する。渦電流を防ぐた
めに挿入するキャパシタンス素子110は、全ピンダイ
オード103に駆動電流が供給されるように、LC梯子
型回路のループ111、112とループ導体106、1
07上それぞれに少なくとも一箇所以上に直列に挿入す
る。
の共鳴周波数を受信時に離調するために図38(b)に
切り替え手段を備えた鳥かご型二重同調RFコイルであ
る。図33はその展開図である。LCの梯子型回路のル
ープ111、112に直列に離調用のピンダイオード1
03が挿入されている。図24,図25と同様に全ピン
ダイオード103の駆動電流の経路上にあたるキャパシ
タンス素子102にはこれに並列にインダクタンス素子
104を接続する。また、ピンダイオード103の駆動
法については、実線に示したようにLC梯子型回路のル
ープ111、112のどちらかに一方に供給する。渦電
流を防ぐために挿入するキャパシタンス素子110は、
全ピンダイオード102に駆動電流が供給されるように
LC梯子型回路のループ111、112とループ導体1
06、107上それぞれに直列に挿入する。
の共鳴周波数を受信時に離調するために図38(b)に
切り替え手段を備えた鳥かご型二重同調RFコイルであ
る。図35はその展開図である。離調用のピンダイオー
ド103はループ導体106、107に直列に挿入され
ている。図24図25と同様に全ピンダイオード103
の駆動電流の経路上にあたるキャパシタンス素子102
にはこれに並列にインダクタンス素子104を接続す
る。また、ピンダイオード103の駆動法については、
実線で示したようにループ導体106、107のどちら
か一方に供給する。渦電流を防ぐために挿入するキャパ
シタンス素子110は、全ピンダイオード103に駆動
電流が供給されるようにLC梯子型回路のループ11
1、112とループ導体106、107上それぞれに直
列に挿入する。
導体106あるいは107の片側のみに、LC梯子型回
路のループ111を形成している。図37はその展開図
である。Z軸方向に平行な導体101に直列に離調用の
ピンダイオード103が挿入されている。挿入されるピ
ンダイオード103は離調できればいくつでもよい。全
ピンダイオード103への駆動電流は一点から供給し、
全ピンダイオード103の駆動電流が周回できるよう
に、駆動電流に経路上にあたるキャパシタンス素子10
2にはこれに並列にインダクタンス素子104を接続す
る。このインダクタンス素子104は図17(a)と同
様にキャパシタンス素子102と比較して十分高いイン
ピーダンスにする。電流入出のために実線あるいは点線
で示したようにループ導体106あるいはLC梯子型回
路のループ111の少なくとも二箇所に給電点を持つ。
また、うず電流を防ぐために通常挿入されるキャパシタ
ンス素子110はループ導体106、107に直列に接
続される。図36、図37は図17(a)に関しての変
形例を示したものであるが、図18から図35に関して
も、ループ導体106あるいは107のどちらか片側に
LC梯子型回路のループ111を接続し、ピンダイオー
ド103の挿入及びそれに伴う給電点、インダクタンス
素子104、キャパシタンス素子110を接続して同様
に実現できる。
なく種々変形して実施可能である。
イルを送受信切替手段を介して受信時には低入力インピ
ーダンスの増幅手段に接続することにより、受信時のQ
値を低下させて、周波数帯域を広帯域にすることがで
き、送信時には送受信切替手段により高周波コイルを増
幅手段から分断し高いQ値を維持することができる。
シーケンスの中で同じ核種に対する高周波磁場をその種
類に応じて第1の高周波コイルと第2の高周波コイルと
を使い分けることができる。したがって、第1の高周波
コイルとして比較的広い範囲にわたって略均一な高周波
磁場を送信することの可能なコイルを用い、また第2の
高周波コイルとして比較的狭い範囲のみに略均一な高周
波磁場を送信することの可能な局所コイルを用いると、
一連のパルスシーケンスの中で必要に応じて広範囲にわ
たって均一な高周波磁場と、生体の加温の軽減すること
の可能な高周波磁場を使い分けることが可能となる。
回路のうち少なくとも2つの共振回路に設けられるスイ
ッチ素子は順方向電流の場合は単なる抵抗に近い素子に
なり、逆バイアス時には微小なキャパシタンス素子と抵
抗とからなる並列回路に近似でき、数十キロオーム以上
のインピーダンス素子のようになるい。したがって、受
信時に逆バイアスをかけることにより、少なくとも2つ
の共振回路の共鳴周波数を同時に変化させて、原子核の
共鳴周波数から離調させて、受信用コイルとのカップリ
ングを回避することが可能となる。
回路のうち1つの共振回路に設けられるスイッチ素子は
順方向電流の場合は単なる抵抗に近い素子になり、逆バ
イアス時には接合容量が非常に小さくなる。したがっ
て、受信時に逆バイアスをかけることにより、必要とさ
れる特定の1つの共振回路の共鳴周波数のみを変化させ
て、原子核の共鳴周波数から離調させて、受信用コイル
とのカップリングを回避することが可能となる。つま
り、多種の共鳴周波数を持つ多重同調RFコイルを送信
専用に用いる場合、別途設けられた受信用コイルと受信
時にカップリングしないためには、受信用コイルと同じ
1種の共鳴周波数のみを離調し、他の共鳴周波数は離調
しない方が好ましい場合がある。なぜなら多種の共鳴周
波数全てを同時に離調した場合、受信する共鳴周波数以
外の周波数の離調に伴って、受信用コイルと同じ1種の
共鳴周波数の離調効果が低減し、受信コイルとのカップ
リングが生じる可能性があるからである。
図。
ク図。
すブロック図。
の構成図。
す図。
ルの構成図。
ルの他の例を示す図。
す図。
イルの構成図。
構成図。
C共振回路を示す図。
示す図。
Fコイルの構成図。
示す図。
示す図。
Fコイルの構成図。
Fコイルの構成図。
Fコイルの構成図。
Fコイルの構成図。
Fコイルの構成図。
成図。
ル、3…駆動回路、 4…被検体、
5…寝台、 6…送信部、7…
送受信切替器、 8…送受信用コイル、
9…受信部、 10…データ収集
部、11…シーケンスコントローラ、 12…計算
機、13…コンソール、 14…ディス
プレイ。
Claims (6)
- 【請求項1】被検体に静磁場を印加する手段と、 前記被検体に勾配磁場を印加する手段と、 高周波コイルと、 前記被検体に高周波磁場を印加するために前記高周波コ
イルに高周波電流を供給する送信手段と、 前記被検体からの磁気共鳴信号を前記高周波コイルを介
して検出し増幅する低入力インピーダンスの増幅手段
と、 送信時に前記高周波コイルに前記送信手段を接続し、受
信時に前記高周波コイルに前記増幅手段を接続する送受
信切替手段と、 前記磁気共鳴信号を用いて画像データを生成する画像デ
ータ生成手段とを具備し、 前記送受信切替手段は、前記高周波コイルと前記増幅手
段とを使用波長λに関して等価的にλ/2の整数倍の電
気長を隔てて接続する第1の接続手段と、前記第1の接
続手段の前記高周波コイルから任意の電気長の第1の点
と前記送信手段とを第1のスイッチ手段を介して接続す
る第2の接続手段と、前記第1の点から電気長λ/4+
n×λ/2(nは1以上の整数)の第2の点で第2のス
イッチ手段を介して接地する手段とを含むことを特徴と
する磁気共鳴診断装置。 - 【請求項2】被検体に静磁場を印加する手段と、 前記被検体に勾配磁場を印加する手段と、 第1の核種の磁気共鳴周波数に相当する第1の周波数の
高周波磁場を前記被検体に送信すると共に、前記第1の
核種から発生した磁気共鳴信号を検出するための手段
と、 第2の核種の磁気共鳴周波数に相当する第2の周波数の
高周波磁場を前記被検体に送信するための第1の高周波
コイルと、 前記第2の周波数の高周波磁場を前記被検体に送信する
ための第2の高周波コイルと、 前記磁気共鳴信号を用いて画像データを生成する画像デ
ータ生成手段とを具備し、 一連のパルスシーケンスの中で高周波磁場の種類に応じ
て前記第1の高周波コイルと前記第2の高周波コイルと
を使い分けることを特徴とする磁気共鳴診断装置。 - 【請求項3】前記第1の高周波コイルは比較的広い範囲
にわたって略均一な高周波磁場を送信することの可能な
コイルであり、前記第2の高周波コイルは比較的狭い範
囲のみに略均一な高周波磁場を送信することの可能な局
所コイルであることを特徴とする請求項2記載の磁気共
鳴診断装置。 - 【請求項4】前記第1の高周波コイルと前記第2の高周
波コイルの少なくとも一方は前記第2の核種から発生し
た磁気共鳴信号を検出する受信コイルを兼用することを
特徴とする請求項2記載の磁気共鳴診断装置。 - 【請求項5】略同軸上に設けられた少なくとも3つのル
ープ状の第1の導体と、 前記第1の導体間を接続する第2の導体と、 前記第1の導体及び前記第2の導体と共に共鳴周波数の
異なる複数の共振回路を構成するように前記第1の導体
と前記第2の導体との少なくとも一方に挿入されるキャ
パシタンス素子と、 前記複数の共振回路のうち少なくとも2つの共振回路に
設けられるスイッチ素子とを具備することを特徴とする
多重同調RFコイル。 - 【請求項6】略同軸上に設けられた少なくとも3つのル
ープ状の第1の導体と、 前記第1の導体間を接続する第2の導体と、 前記第1の導体及び前記第2の導体と共に共鳴周波数の
異なる複数の共振回路を構成するように前記第1の導体
と前記第2の導体との少なくとも一方に挿入されるキャ
パシタンス素子と、 前記複数の共振回路のうち1つの共振回路に設けられる
スイッチ素子とを具備することを特徴とする多重同調R
Fコイル。
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