JPH0825102A - 金属管の管端面取り加工装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】金属管の長さを知り、移動面取り加工ヘッドＢ
の位置を調整し、固定面取り加工ヘッドＡとにより両端
の面取りを同時に行うことが可能な管端面取り装置の提
供。 【構成】流れ作業により多数の金属管の面取り加工を行
う装置において、面取りステーションＳ１より上流側に
金属管の長さを計測する計測ステーションＳ２を設け
る。面取り加工ヘッドは固定面取加工ヘッドＡ及び管軸
方向に移動可能な移動面取加工ヘッドＢとを設け、計測
した金属管の長さに応じて移動面取加工ヘッドの位置を
自動制御６により調整し、両端の面取を同時に実施可能
とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電縫金属管の製造ライ
ンの下流に配置し、電縫金属管製造ラインから製造され
て出てくる、一定長さの切断原管の両管端に、少なくと
も端面削り又は、外面取り又は、内面取り加工を施す金
属管の管端面取り加工装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】金属管の管端面取り加工に関する技術と
しては、特開昭６３−３０６８１４号公報に記載の如き
技術が公知とされている。また添付の図５の如き従来の
金属管の管端面取り加工装置が使用されていたのであ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来は、図５に示す金
属管処理行程図に示す如く、入口サイドガイド１０・１
０に沿って送りこまれ、取り込まれた金属管Ｐを、まず
片側の面取りヘッドの側に設けた固定ストッパー１に向
かってプッシャー２２とプッシャーシリンダ１７で押し
つけて、管端の位置決めをする。そして位置決めした状
態で、クランプ装置１３・１４により金属管Ｐの位置を
固定し、固定面取り加工ヘッドＡの加工ヘッドＣ１によ
り、端面削り又は外面取り又は内面取り加工をする。

【０００４】該側の面取り加工をし、それが終了してか
ら、次のステーションに金属管を移動させる。該位置に
は逆の側に固定ストッパー３１が設けられているので、
この固定ストッパー３１に向けてプッシャー１９とプッ
シャーシリンダ１８により押しつけて、位置を決定す
る。そして該位置でクランプ装置１５・１６により金属
管Ｐを固定し、該金属管Ｐの他端を移動面取り加工ヘッ
ドＢにより、端面削り又は外面取り又は内面取りの加工
をする。

【０００５】このように、一方が終了してから他方の面
取りを行うというように、片端ずつ順次面取り加工をし
ていたのである。このように構成されている理由は、取
り込まれてくる金属管の長さが、呼称寸法上は、同一ロ
ット内では同一長さになっている場合でも、実際には、
前工程である管長切断工程における機械能力に起因した
不可避の長さにバラツキが発生しているからである。ま
たこの程度のバラツキは製品としては許容されているバ
ラツキである。このバラツキはプラスマイナス１０ｍｍ
程度が存在することがあるし、或いは製造上の理由で、
スポット的に長さの外れた金属管が入ってくることがあ
り得る為である。

【０００６】これを一度に、同時に両側の管端の面取り
加工をしてしまうと、管長バラツキの為に、切削ヘッド
の切込み代が常に変動し、ヘッドに加わる負荷が過大と
なったり、或いは切削処理時間が不均一にバラツイて、
正常なピッチ処理が出来なくなったりするのである。さ
らにはそのようなトラブルを何等かの方法で解消すると
しても、もともとの製品金属管として許容されている長
さのものを、一律に一定長さに切削加工してしまうこと
になるので、加工代が大きくなり、原材料に対する製品
歩留りを落としてしまい、資源のロスとなるのである。
このような不具合を避ける為に、従来技術は片方ずつ順
次面取り加工し、加工後の金属管Ｐの長さは、許容誤差
の長さのまま、バラツキを備えていたのである。また、
従来の金属管の管端面取り加工装置は、多段のステーシ
ョンに分けて処理している為に、設備の所要寸法が大き
くなり、製造費用が大きくなり、工場設備スペースも大
きくなるという不具合があったのである。本発明は以上
のような不具合を解消するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。請求項１においては、多数本の金属
管の両管端の面取り加工を連続的に流れ作業により行う
装置において、該面取り加工を行う面取りステーション
Ｓ１より上流側に、加工される金属管の原管の長さを計
測する計測ステーションＳ２を設けたものである。

【０００８】請求項２においては、一方側の管端側の面
取り加工ヘッドは固定面取り加工ヘッドＡとし、反対側
の管端側の面取り加工ヘッドは、管軸方向に位置を移動
自在な移動面取り加工ヘッドＢとし、計測ステーション
Ｓ２により計測された原管の長さに応じて、当該管が面
取りステーションＳ１に入る直前に、移動面取り加工ヘ
ッドＢの位置を、自動制御により調整せしめるようにし
たものである。

【０００９】請求項３においては、一方の管端側の固定
面取り加工ヘッドＡと、反対の管端側の移動面取り加工
ヘッドＢを、同一管軸上に配置して、一本の管の両管端
の面取り加工を同時に実施可能としたものである。

【００１０】請求項４においては、該面取り加工を行う
面取りステーションＳ１の上流において、原管の管軸方
向に沿って、一方の管端側から他端側に向かって、空圧
又は液圧によって作動されるシリンダ１１によって押し
つけるプッシャー２を設け、また他端側には、該押しつ
けられる金属原管を受け止める固定ストッパー１を設
け、更に該プッシャー２には管長計測器９を取付け、プ
ッシャー２の軸の管軸方向への移動量を計測して、原管
の長さを計測すべく構成したものである。

【００１１】

【作用】次に作用を説明する。請求項１によれば、面取
り前に金属管Ｐの長さＬを知ることができて、移動面取
り加工ヘッドＢの位置を直前に調整することにより、両
端の面取りを同時に行うことができるのである。また、
金属管の両管端を同時に面取り加工することを可能とし
て、設備寸法をコンパクトにし、工場設備スペースも小
さくすることが可能となったのである。また、金属管処
理行程として、短いスペースに纏めることができるよう
になった。

【００１２】請求項２によれば、金属管Ｐの長さＬが相
違しても、常に、両端の面取り代は同じとすることが出
来るので、金属管Ｐの長さの相違により、面取りに要す
る負荷や時間が相違することが無くなり、一定の速度で
面取り作業をすることができるようになった。

【００１３】請求項３によれば、金属管の管端面取り加
工装置のステーションの数を減らすことができ、また一
度に金属管Ｐの両端の面取り加工をすることが可能とな
ったのである。

【００１４】請求項４によれば、取り込まれた金属管
は、プッシャー及び測長ステーションで、片側からプッ
シャー空圧シリンダ又は油圧シリンダで、反対側の管端
位置決めストッパーの方向に押し付けられる。これによ
り、ストッパー側の管端の位置は一定位置に決まるま
で、次の面取り加工ステーションに行った時に、固定側
の面取り加工ツールヘッドは、何時も必要量最適な面取
り加工量を維持して、面取り加工ができる。また、一方
プッシャーで押しつけられた側の管端位置は、金属管の
長さのバラツキによってバラ付くが、プッシャー側に固
定ストッパー端からプッシャー側管端までの金属管長さ
Ｌを計測する計測装置が設置されているので、面取り代
が同じとなるよう、移動面取り加工ヘッドＢが移動さ
れ、面取り後の金属管Ｐは全て、許容誤差の範囲内の長
さで、面取りの施されたものとなる。

【００１５】

【実施例】次に実施例を説明する。図１は、本発明の金
属管の管端面取り加工装置の金属管Ｐの作業行程を示す
図面、図２は金属管Ｐの端面削りの状態を示す図面、図
３は金属管Ｐの外面取りを示す図面、図４は金属管Ｐの
内面取りを示す図面、図５は従来の金属管の管端面取り
加工装置の金属管Ｐの作業行程を示す図面、図６は固定
面取り加工ヘッドＡと移動面取り加工ヘッドＢの配置を
示す側面図、図７は同じく固定面取り加工ヘッドＡと移
動面取り加工ヘッドＢの配置を示す平面図である。

【００１６】図１と図６と図７において、本発明の金属
管の管端面取り加工装置の構成を説明する。金属管Ｐは
入口サイドガイド１０・１０の間に沿って、電縫金属管
製造ラインにおいて、一定許容長さに剪断されて、送り
込まれてくる。該入口サイドガイド１０・１０から送ら
れた金属管Ｐは、固定ストッパー１とプッシャー２との
間に配置される。固定ストッパー１はフレームＦ上に固
定されており、プッシャー２はフレームＦの上でシリン
ダ１１により摺動されて移動する。該シリンダ１１が伸
長することにより、プッシャー２が固定ストッパー１と
の間に金属管Ｐを挟んで、金属管Ｐの長さＬを管長計測
器９により測定する。該管長計測器９はセンサー杆９ａ
をプッシャー２に固定しており、該プッシャー２が移動
した量を金属管Ｐの長さとしてフィードバックする。本
発明においては、面取りステーションＳ１の前の位置
に、固定ストッパー１とプッシャー２と管長計測器９に
よる計測ステーションＳ２を配置しているのである。

【００１７】該管長計測器９からの長さＬの信号は、制
御装置６により判断されて、移動面取り加工ヘッドＢの
駆動機構７に信号を送信する。該駆動機構７に設けたサ
ーボモータが回転して、送り螺子８が回転し、移動面取
り加工ヘッドＢを、所定の位置に移動するのである。該
移動面取り加工ヘッドＢの移動量は、金属管Ｐの長さに
応じて、正確に決定され、面取り後の金属管Ｐの長さが
全て、略同じ長さとなる位置ではなくて、移動面取り加
工ヘッドＢによる面取り代が略同じとなるように移動す
るのである。

【００１８】このように固定ストッパー１とプッシャー
２の間に、金属管Ｐを固定した状態で、金属管Ｐの左端
の位置が、固定ストッパー１により決定されるので、こ
の状態でクランプ装置３・４により金属管Ｐをフレーム
Ｆの上に固定する。該クランプ装置３・４による固定状
態で、固定面取り加工ヘッドＡと移動面取り加工ヘッド
Ｂによる面取り作業を開始するのであるが、その直前に
前述の如く、移動面取り加工ヘッドＢは、それぞれの長
さが相違し、しかし許容誤差の範囲内にある金属管Ｐに
対し面取り代が同じとなる位置に移動するのである。

【００１９】この直後に、面取りステーションＳ１に、
同じ軸心上に配置された固定面取り加工ヘッドＡと移動
面取り加工ヘッドＢを同時に駆動して、金属管Ｐの両端
の面取り加工を行う。図６と図７においては、金属管Ｐ
が長さＬが長い場合に、中央部分が撓むので、この部分
を支える為の中間ユニットＭが配置されている。固定面
取り加工ヘッドＡと移動面取り加工ヘッドＢと中間ユニ
ットＭは、フレームＦの上に配置されており、移動面取
り加工ヘッドＢは特に駆動機構７と送り螺子８により、
フレームＦの上で摺動される。中間ユニットＭも、金属
管Ｐのサイズの相違するロッドが供給された場合に、フ
レームＦの上を移動して位置決めされる。

【００２０】

【発明の効果】本発明は以上の如く構成したことによ
り、次のような効果を奏するものである。請求項１の如
く、多数本の金属管の両管端の面取り加工を連続的に流
れ作業により行う装置において、該面取り加工を行う面
取りステーションＳ１より上流側に、加工される金属管
の原管の長さを計測する計測ステーションＳ２を設けた
ので、面取り前に金属管Ｐの長さＬを知ることができ
て、移動面取り加工ヘッドＢの位置を直前に調整するこ
とにより、両端の面取りを同時に行うことができるので
ある。また、金属管の両管端を同時に面取り加工するこ
とを可能として、設備寸法をコンパクトにし、工場設備
スペースも小さくすることが可能となったのである。ま
た、金属管処理フローチャートとして、短いスペースに
纏めることができるようになったのである。

【００２１】請求項２の如く、一方側の管端側の面取り
加工ヘッドは固定面取り加工ヘッドＡとし、反対側の管
端側の面取り加工ヘッドは、管軸方向に位置を移動自在
な移動面取り加工ヘッドＢとし、計測ステーションＳ２
により計測された原管の長さに応じて、当該管が面取り
ステーションＳ１に入る直前に、移動面取り加工ヘッド
Ｂの位置を、自動制御により調整せしめるようにしたの
で、金属管Ｐの長さＬが相違しても、常に、両端の面取
り代は同じとすることが出来るので、金属管Ｐの長さの
相違により、面取りに要する負荷や時間が相違すること
が無くなり、一定の速度で面取り作業をすることができ
るようになったのである。

【００２２】請求項３の如く、一方の管端側の固定面取
り加工ヘッドＡと、反対の管端側の移動面取り加工ヘッ
ドＢを、同一管軸上に配置して、一本の管の両管端の面
取り加工を同時に実施可能としたので、金属管の管端面
取り加工装置のステーションの数を減らすことができ、
また一度に金属管Ｐの両端の面取り加工をすることが可
能となったのである。

【００２３】請求項４の如く、該面取り加工を行う面取
りステーションＳ１の上流において、原管の管軸方向に
沿って、一方の管端側から他端側に向かって、空圧又は
液圧によって作動されるシリンダ１１によって押しつけ
るプッシャー２を設け、また他端側には、該押しつけら
れる金属原管を受け止める固定ストッパー１を設け、更
に該プッシャー２には管長計測器９を取付け、プッシャ
ー２の軸の管軸方向への移動量を計測して、原管の長さ
を計測すべく構成したので、取り込まれた金属管は、プ
ッシャー及び測長ステーションで、片側からプッシャー
空圧シリンダ又は油圧シリンダで、反対側の管端位置決
めストッパーの方向に押し付けられる。これにより、ス
トッパー側の管端の位置は一定位置に決まるまで、次の
面取り加工ステーションに行った時に、固定側の面取り
加工ツールヘッドは、何時も必要量最適な面取り加工量
を維持して、面取り加工ができる。一方プッシャーで押
しつけられた側の管端位置は、金属管の長さのバラツキ
によってバラ付くが、プッシャー側に固定ストッパー端
からプッシャー側管端までの金属管長さＬを計測する計
測装置が設置されているので、面取り代が同じとなるよ
う、移動面取り加工ヘッドＢが移動され、面取り後の金
属管Ｐは全て、許容誤差の範囲内の長さで、面取りの施
されたものとなるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の金属管の管端面取り加工装置の金属管
Ｐの作業行程を示す図面。

【図２】金属管Ｐの端面削りの状態を示す図面。

【図３】金属管Ｐの外面取りを示す図面。

【図４】金属管Ｐの内面取りを示す図面。

【図５】従来の金属管の管端面取り加工装置の金属管Ｐ
の作業行程を示す図面。

【図６】固定面取り加工ヘッドＡと移動面取り加工ヘッ
ドＢの配置を示す側面図。

【図７】同じく固定面取り加工ヘッドＡと移動面取り加
工ヘッドＢの配置を示す平面図。

【符号の説明】

Ａ 固定面取り加工ヘッド Ｂ 移動面取り加工ヘッド Ｃ１，Ｃ２ 加工ヘッド Ｍ 中間ユニット １ 固定ストッパー ２ プッシャー ３，４ クランプ装置 ６ 制御装置 ７ 駆動機構 ８ 送り螺子 ９ 管長計測器

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数本の金属管の両管端の面取り加工を
   連続的に流れ作業により行う装置において、該面取り加
   工を行う面取りステーションＳ１より上流側に、加工さ
   れる金属管の原管の長さを計測する計測ステーションＳ
   ２を設けたことを特徴とする金属管の管端面取り加工装
   置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の金属管の管端面取り加工
   装置において、一方側の管端側の面取り加工ヘッドは固
   定面取り加工ヘッドＡとし、反対側の管端側の面取り加
   工ヘッドは、管軸方向に位置を移動自在な移動面取り加
   工ヘッドＢとし、計測ステーションＳ２により計測され
   た原管の長さに応じて、当該管が面取りステーションＳ
   １に入る直前に、移動面取り加工ヘッドＢの位置を、自
   動制御により調整せしめるようにしたことを特徴とする
   金属管の管端面取り加工装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載の金属管の管端面取り加工
   装置において、一方の管端側の固定面取り加工ヘッドＡ
   と、反対の管端側の移動面取り加工ヘッドＢを、同一管
   軸上に配置して、一本の管の両管端の面取り加工を同時
   に実施可能としたことを特徴とする金属管の管端面取り
   加工装置。
4. 【請求項４】 請求項１記載の金属管の管端面取り加工
   装置において、該面取り加工を行う面取りステーション
   Ｓ１の上流において、原管の管軸方向に沿って、一方の
   管端側から他端側に向かって、空圧又は液圧によって作
   動されるシリンダ１１によって押しつけるプッシャー２
   を設け、また他端側には、該押しつけられる金属原管を
   受け止める固定ストッパー１を設け、更に該プッシャー
   ２には管長計測器９を取付け、プッシャー２の軸の管軸
   方向への移動量を計測して、原管の長さを計測すべく構
   成したことを特徴とする金属管の管端面取り加工装置。