JPH082493Y2 - ばね付き座金 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は例えば建築等において、二部材をボルトとナ
ットで締結する際、ボルト頭と部材間に介在する座金に
関するものである。

〔従来の技術〕

周知のように古くからの座金は、単に方形または円形
の金属板の中央部に挿孔を穿っただけのものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

然るに上記の古くからの座金は、単にボルトを回動し
易くするだけのものであるから、螺着後衝撃や部材の収
縮等があると螺着部が弛緩するに至る憂いがあった。そ
こで、上記の座金上にばねを載置して該ばねを介してボ
ルト締めをすることが考えられるが、単なるばねの載置
では、ボルトの回動に伴ってばねが妄動するので、有効
なボルト締めがなされないのと、衝撃等を受けるとばね
が慴移して弛緩するに至る欠点がある。

〔課題を解決するための手段〕 本考案は、上記従来技術の欠点を解消するためのもの
であり、座金に欠輪状ばねが係着されてなるばね付き座
金であって、上記欠輪状ばねは輪状体の一部が切欠かれ
且つ一端から他端にかけて次第に仰起した形状を有し、
上記座金は平板状の金属板に欠輪状ばねの内径と略同径
の挿孔を形成し、該挿孔の上縁周囲の相対する位置に、
垂直方向に立ち上がるように複数の爪片を突設してな
り、欠輪状ばねを座金上に載置すると共に、爪片の相対
向する位置であって且つ欠輪状ばねの最大仰起部を除く
位置において該爪片を欠輪状ばねの上部に係着し、且つ
該係着状態において欠輪状ばねを回転方向に固定してな
ることを特徴とするばね付き座金、を要旨とする。

〔作用効果〕

本考案のばね付き座金は、上記のように構成したこと
により、ボルトを上記ばねの上面より該座金の挿孔を介
して穿孔部に内に串通し、しかる後、ボルト頭を回動す
ると、該ボルトの下端が部材の裏側に当接したナットと
螺合するに連れてばねは圧縮せられて、斯くして該ばね
の圧縮極限において部材は締結せられる。

本考案のばね付き座金は、欠輪状ばねが座金上に係着
されているので、ばねと座金を別々にボルトに挿通する
手間が省け、ボルト締めの作業性が向上する。

又、本考案のばね付き座金は、欠輪状ばねの最大仰起
部を除く位置において爪片を欠輪状ばねの上部に係着し
該係着状態において欠輪状ばねを回転方向に固定してな
るため、ボルトの回動中も欠輪状ばねが妄動せずに、ボ
ルト締めが常に容易且つ確実に行えると共に、締結後衝
撃を受けたり部材が収縮等してもばねは有効に弾撥力を
発揮し、締結部が妄動してボルトが緩む虞れがない。

又、本考案のばね付き座金は、挿孔の上縁周囲の欠輪
状ばねの内側の相対する位置に設けられた爪片が欠輪状
ばねの上部に係着してばねを回転方向に固定しているか
ら、爪片の数が少なくても欠輪状ばねを座金に確実に固
定することができる。例えば爪片を欠輪状ばねの外側周
囲から垂直方向に立ち上がるように設け、該爪片をばね
の外側から内側に屈曲させて、ばねを座金に係着したの
では、仮に１ヶ所の相対する位置に爪片を２つ設けただ
けでは、爪片の屈曲が不十分であったり欠輪状ばねに力
が加わって爪片が欠輪状ばねの外方に拡がった際に、欠
輪状ばねが爪片から簡単に外れてしまうため、もっと多
くの爪片が必要である。これに対し、本願考案のばね付
き座金は、爪片は少なくとも１ヵ所の相対する位置に２
つあれば、欠輪状ばねに力が加わっても、欠輪状ばねは
内側の相対する２つの爪片に引っ掛かった状態となって
いるので、ばねが座金から簡単に脱落することはない。
又、爪片をばねの外側から挿孔方向に押しつけて係着し
たのでは、欠輪状ばねの切欠かれた端部どうしが接触し
たり重なったりしてばねの機能が損なわれる不具合が生
じる虞れがある。これに対し、本願考案のばね付き座金
では、仮に欠輪状ばねが爪片の係着により挿孔の外方に
拡げられても、切り欠いた部分の端部どうしが離れるだ
けで、ばねとしての機能は損なわれない。

又、本考案のばね付き座金は、平板状の金属板に爪片
が設けられただけの座金と、輪状体が切り欠かれ一端か
ら他端にかけて次第に仰起した形状のばねを用いるだけ
でよく、これらの部品は構造が単純であるため安価であ
り、製造もきわめて容易である。更に、ばね付き座金を
製造するのは、爪片の位置に合わせて欠輪状ばねを座金
の上に載置した後、爪片を欠輪状ばねの上部に係着する
だけの、簡単な作業で良く、部品が安価であることとあ
いまって、ばね付き座金を安価に提供することができ
る。

〔実施例〕

硬質金属より成る、方形または円形の座金１の中央部
の挿孔２における上縁の相対する箇所に爪片３を一体的
に各突設し、且つ該座金１の上面に内径が上記挿孔２と
略同径の平面欠輪状のばね４を載置して、該ばねの基部
に前記各爪片３を屈曲して係着して成るものであって、
なお、図面中５はボルト、５′はボルト頭、６は部材、
７は穿孔部を示した。

【図面の簡単な説明】

図は実施例であって、第１図は本案に係るばね付き方形
座金の斜面図、第２図は本案の他の実施例であるばね付
き円形座金の斜面図、第３図は本案座金を介して部材を
ボルト締めする状態を示す断面図である。 １は座金、２は挿孔、３は爪片、４は欠輪状ばねであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】座金に欠輪状ばねが係着されてなるばね付
   き座金であって、上記欠輪状ばねは輪状体の一部が切欠
   かれ且つ一端から他端にかけて次第に仰起した形状を有
   し、上記座金は平板状の金属板に欠輪状ばねの内径と略
   同径の挿孔を形成し、該挿孔の上縁周囲の相対する位置
   に、垂直方向に立ち上がるように複数の爪片を突設して
   なり、欠輪状ばねを座金上に載置すると共に、爪片の相
   対向する位置であって且つ欠輪状ばねの最大仰起部を除
   く位置において該爪片を欠輪状ばねの上部に係着し、且
   つ該係着状態において欠輪状ばねを回転方向に固定して
   なることを特徴とするばね付き座金。