JPH0824781B2 - 部分洗い装置付洗濯機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、衣類や袖や衿等の部分汚れを落とす部分洗
い装置と、その装置を備えた部分洗い装置付洗濯機に関
するものである。

従来の技術 従来からカッターシャツ等の袖や衿、木綿などのくつ
下等の部分汚れは落ちにくいため、その部分をブラシ等
を用いて手洗いした後に、洗濯機に投入し洗濯すること
が行われていた。

そこで従来の洗濯機では、袖や衿等の部分洗いを行う
部分洗い装置を備えたものがあった。たとえば、実開昭
57−10393号公報に示される洗濯機があった。この洗濯
機の構成を第10図により説明する。洗濯機本体の上部を
覆う天板１の中央部に衣類を投入する開口部２を設けて
いる。また、天板１の前方側で、開口部２の近傍に凹凸
形状をなす洗浄部分４を設けている。天板１の後方に設
け操作部５には各種スイッチを設け、洗濯工程等の設定
を可能としていた。

そして、洗浄部分４により、カッターシャツ等の袖口
あるいは衿等や、くつ下の汚れを部分的にこすり洗いし
た後、開口部２より、カッターシャツ等を洗濯機本体内
の洗濯槽（図示せず）に投入し、操作部５のスイッチを
操作して洗濯をしていた。

発明が解決しようとする課題 しかし、カッターシャツやくつ下などの部分的な汚
れ、特に袖や衿，くつ下のかかと部など局部的に汚れて
いる部分は、汚れが布の繊維に浸透して入っているた
め、単に洗浄部分４に押し当てて洗うだけでは十分に汚
れを落とすことができないという課題を有していた。

本発明は、上記課題に鑑み、部分洗いによる汚れ落と
しを十分なものとすることを目的とする。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明の第１の技術的手
段は、回転駆動部を有する本体と、この本体内の回転駆
動部の駆動軸により回転させられる洗浄用回転体と、こ
の洗浄用回転体の周面で、かつ駆動軸方向に沿って形成
した凸部と、前記洗浄用回転体の周面に近接して配した
洗浄台とを備え、前記凸部は周面の複数箇所に配すると
ともに、前記洗浄用回転体の周面で、かつ前記凸部間に
は回転軸方向に沿ってブラシ体を設け、前記洗浄台と洗
浄用回転体の周面との間に被洗浄物を通過させて、被洗
浄物を凸部およびブラシ体と接触させるようにした部分
洗い装置付洗濯機である。

第２の技術的手段は、洗浄用回転体の周面に設けたブ
ラシ毛の高さを凸部よりも高くしたものである。

第３の技術的手段は、洗浄用回転体の周面の凸部を断
面山形に形設したものである。

第４の技術的手段は、洗浄用回転体の周面に設けたブ
ラシ体の毛の高さを一端側から他端側に向かって変化さ
せたものである。

第５の技術的手段は、洗浄用回転体の周面のブラシ体
と凸部を略螺旋形状に形設したものである。

第６の技術的手段は、上記部分洗い装置を洗濯槽開口
部近傍に設けたものである。

作用 上記第１の技術的手段はよれば、洗浄用回転体を回転
させ、被洗浄物を洗浄用回転体と洗浄台の間に通し、被
洗浄物をブラシ体と凸部に押し当てることによりブラシ
洗いと凸部のたたき洗いを行い、繊維に浸透した汚れを
効果的に洗い出すものである。

第２の技術的手段によれば、洗浄用回転体のブラシ体
の毛の高さが凸部高さより高くすることにより、カッタ
ーシャツなどの袖や衿の布の厚く硬い部分の表面汚れを
ブラシ体で効果的に洗浄できる。また、凸部はくつ下な
ど柔らかい布を洗浄するとき、たたき洗いや、布をしご
く作用を有し洗浄するものである。

第３の技術的手段は、洗浄用回転体の周面の凸形状を
断面山形に形設することにより、木綿など比較的厚いく
つ下などの柔かい布は、回転している山形斜面と洗浄台
の間で圧縮され、山形の頂上ではさまれ頂上を越えると
脱力され手でもみ洗いを行っているのと同様圧縮−脱力
の繰り返しを行い汚れを絞り出す作用を高めている。

第４の技術的手段では、洗浄用回転体の周面のブラシ
体の毛の高さを一端側と他端側とを異らせているため、
部分汚れをしている被洗浄物の布の厚さや、汚れの度合
に合せ、ブラシ洗いの効果を巾広く洗浄を可能にするこ
とができ、毛の高さの低い所は、柔らかい布などを用
い、カッターシャツなどの袖や衿はブラシ洗いの毛の高
い方で洗浄すると効果的である。

第５の技術的手段では、洗浄用回転体の周面のブラシ
体と凸部を略螺旋形状にしているため、洗浄台の内に被
洗浄物を入れると、布に摺接するブラシ体や凸部のねじ
れにより、布の表面に付着した汚れを、回転体により外
へ押し、汚れの再付着の防止と、布の直交繊維方向に対
し傾斜して凸部が摺接するので、布の繊維は菱形に伸ば
され布の奥にしみついた汚れを、布に対し大きくしごく
ことができ、より洗浄効果を上げることができる。

第６の技術的手段では、部分洗い装置を洗濯槽の開口
部近傍に設けているため、洗濯時、布を両手で持つこと
が可能となり、よって布を洗浄用回転体と洗浄台の間に
通し、両手で布を左右に移動させより効果的な洗浄を行
うことができる。

実 施 例 以下、本発明の実施例を説明する。

まず本発明の第１の実施例を第１図および第２図によ
り説明する。図において、６は円柱状の洗浄用回転体
で、その周面には、複数条に植えたブラシ体７があり、
かつ複数個の凸部８が形設されている。この洗浄用回転
体６は、本体９に設けられたモータ10の回転力が減速機
構11,回転軸12を介して伝達され、回転駆動する。洗浄
用回転体６の下方に洗浄台13を設け、洗浄用回転体６と
洗浄台13間に被洗浄物を通過させる。ブラシ体７と凸部
８は、洗浄台13の凹面13aと摺接するように設定してい
る。洗浄台13には洗浄用回転体６へ押し圧すべく弾性支
持のばね14で支えられている。

上記構成の部分洗い装置の洗浄方法について説明す
る。洗浄用回転体６を矢印Ａ方向に回転させ、被洗浄物
14の端部14aを洗浄用回転体６と洗浄台13との凹面13aに
差し込むと、被洗浄物14上面がブラシ体７と凸部８にこ
すられると共に、矢印Ｂ方向に送り出される。この送り
出す速度は、洗浄用回転体６の回転速度により決定する
が、汚れがひどい場合は、被洗浄物14を両手で持ち、送
り出される速度を遅くしたり、洗浄用回転体６の回転と
逆らう様に（矢印Ｂと反対方向に）移動させると、被洗
浄物14の上面をブラシ体７や凸部８のこする回数や、相
対速度を増大させられるため洗浄性能を高めることがで
きる。

次に本発明の第２の実施例を第３図により説明する。
図は洗浄用回転体６を軸方向より正面に見た図である。
洗浄用回転体６のブラシ部の毛の先端7aの外径φａの方
が凸部８の先端8aの外径φｂより大きくし、ｃだけ高い
ブラシ体７にしたものである。

上記構成によると、カッターシャツ等の袖や衿など厚
手の布で、芯が入っている部分の汚れなどはブラシ体７
の洗浄ブラシ洗いを行い、凸部８は、布の圧縮とその脱
力を行うことで、洗剤液等を布に浸透させる作用を行わ
せて洗浄性能を飛躍的に向上させている。

次に、本発明の第３の実施例を第４図により説明す
る。洗浄用回転体６と洗浄台13の間に矢印Ｃの方向より
木綿等からなるくつ下等の柔かい布を入れたとき、凸部
８の山形斜面8aと洗浄台13aの間で圧縮部イを生じ、洗
浄用回転体６は凸部山形の斜面8aに布を摺りながら圧縮
し回転する。その結果、布は、手でもみ洗いを行ったの
と同じ効果を得るものである。

次に第４の実施例を第５図，第６図に示す。この洗浄
用回転体６は、ブラシ体７の毛の高さを一端をｄとして
他端をｅ（ｄ＜ｅ）とし、毛の高さを図のように変化さ
せている。

この構成によると、毛の高さの低い部分では、くつ下
など柔かい布、厚い布を中心に洗浄し、カッターシャツ
などの袖や衿は毛の高さの高い部分で洗浄する。つま
り、ブラシ部７と凸部８での洗浄の使い分けを自由に選
択できるようにしたもので、洗浄する布の種類を数多く
することができる。

次に本発明の第５の実施例を第７図に示す。この洗浄
用回転体６は、ブラシ体７と凸部８を螺旋形状にしたも
のである。

この構成にすると、布の表面汚れを凸部８が螺旋形状
となっているため、前述の洗浄効果以外にねじり方向に
送り出す作用を有し、汚れの再付着を防止する効果をも
有する。また、繊維が直交して織られているものには、
ブラシ体７や凸部８がねじれているため布の目に対し傾
斜してブラシ体７や凸部８が摺接するので、布の繊維は
菱形に伸ばされ布の奥にしみついた汚れも、大きく布を
しごくため洗浄性が向上するものである。

次に、本発明の第６の実施例を第８図に示す。この洗
浄用回転体６は、ブラシ体７と凸部８をそれぞれ分離し
て設けたもので、第１図の本体に取付けた構成で洗浄用
回転体６の凸部８は、主に木綿等の厚手のくつ下や、ジ
ーンズ等の少しこしのある布等の部分洗いに適し、たた
き洗いの効果を得、洗浄性を向上させるものである。ブ
ラシ体７は、カッターシャツなどの袖や衿のブラシ洗い
を効果的に行うものである。たたき洗いは凸部８で、ブ
ラシ洗いはブラシ体７で洗浄することをそれぞれ独立し
て操作できるものである。

次に上述した部分洗い装置を備えた洗濯機の構成を第
９図により説明する。16は上神の部分洗い装置である。
洗濯機本体20内に洗濯兼脱水槽17が収納され、この洗濯
兼脱水槽17の上方に位置する被洗浄物投入用開口部18を
備えた上部枠体19が洗濯機本体20の上部に取り付けられ
ている。また洗浄用回転体６と本体９を備えた部分洗い
装置は、開口部18の後方側壁21に設けられている。この
後方側壁21の後方の上部枠体19内に、この部分洗い装置
本体９を収納し、前後方向に移動可能としている。

被洗浄物を洗浄用回転体６で洗浄する場合、本体が洗
濯機に固定支持されるので布を両手で持ち、洗浄用回転
体６と洗浄台13の間に入れ布を洗浄用回転体６の回転速
度より遅く送ったり、回転方向と逆らう様に布を移動す
ることにより洗浄性を向上させることができる。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、
洗浄用回転体にブラシ体と凸部を設けたことで、布を洗
浄用回転体と洗浄台に入れ布を移動させることにより木
綿等の厚手の布からカッターシャツの袖や衿を効果的に
洗浄できるものである。また、ブラシ体の高さと凸部の
高さを異ならせることにより幅広い衣類の洗浄に対応で
きる。また、凸部の断面を山形状とすることにより手も
み洗い効果を発揮でき、また、ブラシ体の高さを異なら
せることにより汚れの状態に応じて巾広く利用できる。
さらに、ブラシ体と凸部を螺旋状に形成することにより
布の奥の汚れまで洗浄でき、より効果的に洗浄できるも
のである。さらに、部分洗い装置を洗濯機に組み込むこ
とにより、汚れた布を部分洗いし、そのまま洗濯機で丸
洗いを行うと、使用勝手の良い部分洗いを行うことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例における部分洗い装置の
斜視図、第２図は同洗浄用回転体の正面断面図、第３図
は本発明の第２の実施例の洗浄用回転体の正面図、第４
図は本発明の第３の実施例における部分洗い装置の正面
断面図、第５図は本発明の第４の実施例の洗浄用回転体
の断面図、第６図は同斜視図、第７図は本発明の第５の
実施例の洗浄用回転体の斜視図、第８図は本発明の第６
の実施例の洗浄用回転体の斜視図、第９図は本発明の一
実施例における部分洗い装置付洗濯機の要部斜視図、第
10図は従来の洗濯機の上面図である。 ６……洗浄用回転体、７……ブラシ体、８……凸部、９
……本体、10……モータ、11……減速機構、12……回転
軸、13……洗浄台、14……被洗浄物。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転駆動部を有する本体と、この本体内の
   回転駆動部の駆動軸により回転させられる洗浄用回転体
   と、この洗浄用回転体の周面で、かつ駆動軸方向に沿っ
   て形成した凸部と、前記洗浄用回転体の周面に近接して
   配した洗浄台とを備え、前記凸部は周面の複数箇所に配
   するとともに、前記洗浄用回転体の周面で、かつ前記凸
   部間には回転軸方向に沿ってブラシ体を設け、前記洗浄
   台と洗浄用回転体の周面との間に被洗浄物を通過させ
   て、被洗浄物を凸部およびブラシ体と接触させるように
   した部分洗い装置付洗濯機。
2. 【請求項２】洗浄用回転体の周面に設けたブラシ体の毛
   の高さを凸部より高くした請求項１記載の部分洗い装置
   付洗濯機。
3. 【請求項３】洗浄用回転体は、周面の凸部を断面山形に
   形設した請求項１記載の部分洗い装置付洗濯機。
4. 【請求項４】洗浄用回転体の周面に設けたブラシ体の毛
   の高さは、一端側と他端側とで高さを異ならせた請求項
   １記載の部分洗い装置付洗濯機。
5. 【請求項５】洗浄用回転体は、周面のブラシ体と凸部を
   略螺旋形状に形設した請求項１記載の部分洗い装置付洗
   濯機。
6. 【請求項６】請求項１〜５のいずれか１項に記載の部分
   洗い装置を洗濯槽の開口部近傍に設けた部分洗い装置付
   洗濯機。