JPH08246903A - ガスタービン発電装置およびその制御方法 - Google Patents

ガスタービン発電装置およびその制御方法

Info

Publication number
JPH08246903A
JPH08246903A JP4710195A JP4710195A JPH08246903A JP H08246903 A JPH08246903 A JP H08246903A JP 4710195 A JP4710195 A JP 4710195A JP 4710195 A JP4710195 A JP 4710195A JP H08246903 A JPH08246903 A JP H08246903A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
combustor
air
gas turbine
combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4710195A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyoshi Tsuboi
信義 坪井
Yoshio Sato
美雄 佐藤
Kazuyuki Ito
和行 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP4710195A priority Critical patent/JPH08246903A/ja
Publication of JPH08246903A publication Critical patent/JPH08246903A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 負荷に対応して安定燃焼するように各燃焼器
の燃焼状態を個別に制御すること。 【構成】 燃焼器200を複数の燃焼器202〜232で構成
し、燃焼条件と負荷指令に基づいて稼働すべき燃焼器を
指定し、指定の燃焼器に対する燃料と空気の供給量を燃
料流量制御弁252と空気流量制御弁259で個別に制御す
る。そして、燃焼条件(湿度、温度、圧力、発熱量)に
関する測定結果を負荷指令値と排ガスセンサ280により
計測された燃焼状況に対応づけて記憶し、記憶した値の
最適値を学習し、学習結果を各燃焼器の制御に反映させ
る。 【効果】 安定な燃焼範囲で負荷に対応するので、燃焼
器から排出されるNOxを低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービン発電装置
およびその制御方法に係り、特に、ガスタービン駆動用
のエネルギーを発生する複数の燃焼器の燃料として気体
燃料あるいは液体燃料を用いて発電するに好適なガスタ
ービン発電装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン駆動用のエネルギーを発生
する複数の燃焼器で燃料を燃焼する方式として、燃料と
空気とを異なる噴出口から各燃焼器の燃焼室内に供給
し、燃焼室内で燃料と空気とを混合させながら燃焼させ
る拡散燃焼法が知られている。しかし、この燃焼法で
は、低NOx化を図るには十分でないところから、拡散
燃焼法に代えて、燃料と空気とを予め混合させた後に燃
焼させる予混合燃焼法が検討されている。
【0003】この予混合燃焼法によれば、燃焼の反応領
域を小さくすることができるので、高負荷燃焼できる。
また、空気量に対する燃料量の割合を燃空比と呼ぶこと
にすると、完全燃焼に必要な理論燃空比より燃料の少な
い状態で燃焼させる稀薄予混合燃焼法を用いることによ
り、NOx排出量を低減することができる。この稀薄予
混合燃焼法は、ガスタービンの燃焼器などで採用されつ
つある。
【0004】しかし、予混合燃焼法では、安定に火炎を
形成できる流速範囲が狭く、逆火、吹き消えが生じやす
という問題点がある。このため、ガスタービン燃焼器の
ように、起動から最大負荷まで燃焼量が大きく変化する
燃焼器で予混合燃焼法を用いるときには、負荷が変化し
ても燃料と空気の混合比がNOx排出量の低い一定範囲
内に保たれるように、空気流量を制御する機構が必要と
されている。例えば、米国特許4150539 号に記載されて
いるように、保炎器を燃焼器軸方向に移動させて、空気
流量を制御することが行われている。このような制御を
行うと、ガスタービンの負荷が変化しても安定な予混合
火炎を形成し、かつNOx排出量を少なくすることが可
能である。
【0005】ところが、予混合火炎の安定性とNOx排
出量には、大気中の湿度、温度、燃焼用空気の温度、及
び、燃料の性状、発熱量なども影響することが分かって
きた。例えば、大気中の湿度が高くなるとNOx排出量は
少なくなるが、火炎安定性が低下し失火しやすくなる。
このような大気湿度変化に対応するために、特開平2−3
3419号公報に記載されているように、大気湿度を検知
し、この検知信号により予混合燃焼用バーナへ供給する
空気量を変化させる方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来技
術では大気湿度変化で予混合火炎の安定性やNOx排出
量が変化するため、大気湿度変化に応じて予混合火炎の
燃料量と空気量との比率、いわゆる燃空比を変化させる
必要があることは認識されていたが、どの程度燃空比を
変化させるべきかが定量的には把握されていなかった。
このため、大気湿度、大気温度、燃料組成が同時に変化
すると、低NOxでかつ火炎安定性が良好な最適な燃焼
状態を維持することが困難であった。即ち、従来技術で
は、火炎の燃焼状態を燃空比に基づいてのみ判断してお
り、各燃焼器による燃空比のばらつきや負荷要求の変化
について十分配慮されていなかった。
【0007】本発明の目的は、負荷の状態に応じて火炎
安定性を良好に保つことができるガスタービン発電装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、燃料供給源からの燃料と空気供給源から
の空気とを受けて燃料と空気との混合気を燃焼する複数
の燃焼器と、各燃焼器から排出する排ガスにより駆動す
るガスタービンと、ガスタービンの駆動により発電する
発電機とを備えたガスタービン発電装置において、前記
ガスタービンに供給される排ガスに含まれる特定の物質
の濃度を検出する排ガスセンサと、各燃焼器に関する燃
焼条件を基に燃料量と空気量との比を示す燃空比の指令
値を生成する指令値生成手段と、排ガスセンサの検出出
力とガスタービンの負荷に関する負荷指令を基に稼働す
べき燃焼器の数を算出しこの算出値に応じた燃焼器を指
定する燃焼器指定手段と、燃焼器指定手段の指定による
燃焼器に供給される燃料と空気のうち少なくとも一方の
供給量を指令値に従って制御する燃焼制御手段とを備え
ているガスタービン発電装置を構成したものである。
【0009】ガスタービン発電装置を構成するに際し
て、主構成要素として、以下のものを備えているもので
構成することができる。
【0010】(1)ガスタービンに供給される排ガスに
含まれる特定の物質の濃度を検出する排ガスセンサと、
排ガスセンサの検出出力とガスタービンの負荷に関する
負荷指令を基に稼働すべき燃焼器の数を算出しこの算出
値に応じた燃焼器を指定する燃焼器指定手段と、燃焼器
指定手段の指定による燃焼器に関する燃焼条件を基に燃
料量と空気量との比を示す燃空比の指令値を燃焼器毎に
生成する指令値生成手段と、燃焼器指定手段の指定によ
る燃焼器に供給される燃料と空気のうち少なくとも一方
の供給量を指令値に従って制御する燃焼制御手段とを備
えている。
【0011】(2)ガスタービンに供給される排ガスに
含まれる特定の物質の濃度を検出する排ガスセンサと、
各燃焼器に流入する燃料の発熱量と空気の水分濃度と空
気の温度を含む燃焼条件を基に燃料量と空気量との比を
示す燃空比の指令値を燃焼器毎に生成する指令値生成手
段と、排ガスセンサの検出出力と指令値生成手段の生成
による指令値を各燃焼器の安定燃焼の範囲に対応づけて
記憶する記憶手段と、ガスタービンの負荷に関する負荷
指令と記憶手段の記憶情報を基に稼働すべき燃焼器の数
を算出しこの算出値に応じた燃焼器を指定する燃焼器指
定手段と、燃焼器指定手段の指定による燃焼器に供給さ
れる燃料と空気のうち少なくとも一方の供給量を指令値
に従って制御する燃焼制御手段とを備えている。
【0012】(3)ガスタービンに供給される排ガスに
含まれる特定の物質の濃度を検出する排ガスセンサと、
各燃焼器に関する燃焼条件を基に燃料量と空気量との比
を示す燃空比の指令値を生成する指令値生成手段と、排
ガスセンサの検出出力と指令値生成手段の生成による指
令値を各燃焼器の安定燃焼の範囲に対応づけて記憶する
記憶手段と、排ガスセンサの出力と燃焼条件とを監視し
て記憶手段に記憶された記憶値のうち安定燃焼範囲に含
まれる適正値のみを学習して記憶する学習記憶手段と、
ガスタービンの負荷に関する負荷指令と学習記憶手段の
学習値を基に稼働すべき燃焼器の数を算出しこの算出値
に応じた燃焼器を指定する燃焼器指定手段と、燃焼器指
定手段の指定による燃焼器に供給される燃料と空気のう
ち少なくとも一方の供給量を指令値に従って制御する燃
焼制御手段とを備えている。
【0013】(4)ガスタービンに供給される排ガスに
含まれる特定の物質の濃度を検出する排ガスセンサと、
各燃焼器に流入する燃料の発熱量と空気の水分濃度と空
気の温度を含む燃焼条件を基に燃料量と空気量との比を
示す燃空比の指令値を燃焼器毎に生成する指令値生成手
段と、排ガスセンサの検出出力と指令値生成手段の生成
による指令値を各燃焼器の安定燃焼の範囲に対応づけて
記憶する記憶手段と、排ガスセンサの出力と燃焼条件と
を監視して記憶手段に記憶された記憶値のうち安定燃焼
範囲に含まれる適正値のみを学習して記憶する学習記憶
手段と、ガスタービンの負荷に関する負荷指令と学習記
憶手段の学習値を基に稼働すべき燃焼器の数を算出しこ
の算出値に応じた燃焼器を指定する燃焼器指定手段と、
燃焼器指定手段の指定による燃焼器に供給される燃料と
空気のうち少なくとも一方の供給量を指令値に従って制
御する燃焼制御手段とを備えている。
【0014】さらに、前記各ガスタービン発電装置を構
成するに際しては、各燃焼器は仮想の軸を中心に円環状
に配置されており、燃焼器指定手段は、稼働すべき燃焼
器として、仮想の軸を中心に軸対称の燃焼器を指定して
なるものを用いることが望ましく、また、燃焼制御手段
に与える指令値のうち粗動制御用燃焼器に関する指令値
を微動制御用燃焼器に関する指令値よりも大きい値に修
正する指令値修正手段を備えていると共に、燃焼器指定
手段は、稼働すべき燃焼器を粗動制御用の燃焼器と微動
制御用の燃焼器とに分けて指定してなるものを用いるこ
とが望ましい。さらに、指令値生成手段の生成による指
令値を学習記憶手段の学習値に従って補正する指令値補
正手段を設けたり、各燃焼器は予混合燃焼バーナを備え
ているもので構成したり、学習記憶手段を、各燃焼器に
関する空燃比あるいは混合気の噴出速度と、火炎吹き消
え時、燃焼振動発生時あるいは火炎逆火時との関係を含
む学習値を備えているもので構成したりすることが望ま
しい。
【0015】また、本発明は、ガスタービン発電装置を
制御するために、燃料供給源からの燃料と空気供給源か
らの空気をそれぞれ複数の燃焼器に個別に供給し、燃焼
と空気との混合気を各燃焼器で燃焼し、各燃焼器から排
出する排ガスによりガスタービンを駆動し、ガスタービ
ンの駆動に応じて発電機の発電電力を制御するに際し
て、前記ガスタービンに供給される排ガスに含まれる特
定の物質の濃度を検出し、各燃焼器に関する燃焼条件を
基に燃料量と空気量との比を示す燃空比の指令値を生成
し、排ガス濃度の検出値とガスタービンの負荷に関する
負荷指令を基に稼働すべき燃焼器の数を算出し、この算
出値に応じた燃焼器を指定し、指定の燃焼器に供給され
る燃料と空気のうち少なくとも一方の供給量を指令値に
従って制御することを特徴とするガスタービン発電装置
の制御方法を採用したものである。
【0016】ガスタービン発電装置を制御するに際して
は、ガスタービンに供給される排ガスに含まれる特定の
物質の濃度を検出し、各燃焼器に関する燃焼条件を基に
燃料量と空気量との比を示す燃空比の指令値を生成し、
この指令値と排ガス濃度の検出値を各燃焼器の安定燃焼
範囲に対応づけて記憶し、排ガス濃度の検出値と燃焼条
件とを監視しながら、記憶された記憶値のうち安定燃焼
範囲に含まれる適正値のみを学習して記憶し、ガスター
ビンの負荷に関する負荷指令と記憶学習された学習値を
基に稼働すべき燃焼器の数を算出し、この算出値に応じ
た燃焼器を指定し、指定の燃焼器に供給される燃料と空
気のうち少なくとも一方の供給量を指令値に従って制御
することもできる。
【0017】上記各方法を採用するに際しては、燃空比
の指令値を記憶学習された学習値に従って補正したり、
学習値は、各燃焼器に関する空燃比あるいは混合気の噴
出速度と、火炎吹き消え時、燃焼振動発生時あるいは火
炎逆火時との関係を含むこととしたりすることが望まし
い。
【0018】
【作用】前記した手段によれば、複数個ある燃焼器を燃
焼器ごとに燃料量と空気量のうち少なくとも一方を制御
できる構成として、負荷指令値と燃焼条件を基に稼働す
べき燃焼器の数を管理し、指令の燃焼器に対する空気
量、燃料量を負荷指令値を基に制御するようにしたの
で、発電装置に要求される負荷に対応して、NOxの少
ない、安定した燃焼を継続することが出来る。即ち、複
数の燃焼器(缶)うち稼働する燃焼器の数を負荷に応じ
て制御すると、NOx排出濃度の低減、火炎の吹き消
え、燃焼振動或いは逆火の防止を図ることができる。特
に、予混合燃焼で安定な燃焼を示す負荷領域で燃焼を継
続することができる。さらに、予混合燃焼バーナに流入
する燃料の組成と空気の水分濃度と空気の温度等の燃焼
条件と負荷指令値から配分する燃料量と空気量などの要
因で決まる排ガスのNOx濃度を学習し、学習結果を基
に稼働すべき燃焼器の数を算出したり、稼働すべき燃焼
器に対する空気、燃料の供給量のうち少なくとも一方の
供給量を学習結果を基に補正しているので、各燃焼器を
最適な燃焼状態に保つことができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に従って説明
する。
【0020】図1は、本発明に係るガスタービン発電装
置の一実施例を示す要部構成図、図2は、本発明に係る
火力発電用ガスタービン発電装置の全体構成図、図3は
ガスタービン発電装置の要部ブロック構成図、図4は燃
焼器の具体的内容を説明するための構成図、図5は燃焼
器とガスタービンとの関係を示す系統図である。
【0021】本実施例においては、ガスタービン発電装
置の燃焼器を複数個、例えば、16個の缶で構成し、燃
焼器に対する燃料と空気の供給量のうち少なくとも一方
を缶毎に制御することを特徴としている。さらに、負荷
に対する燃料量、空気量とNOx値を計測し、計測値と
指令値を各燃焼器の安定燃焼範囲に対応づけて記憶し、
記憶した値を基に各燃焼器に関する燃焼条件を設定し、
試運転時に設定した条件が最適値からずれている場合に
は運転を継続していくうちに最適値を学習して、燃焼器
の精度誤差、設計誤差等を暫時修正するようにしたもの
である。以下、装置の具体的内容について説明する。
【0022】図1ないし図5において、ガスタービン発
電装置が設置された火力発電プラントには、圧縮機10
0、燃焼器200、ガスタービン300、発電機400、ボイラ50
0、ホストコンピュータ700、マイクロプロセッサ701、7
103等が設けられており、各部の状態がセンサによって
監視されている。マイクロプロセッサ(全体制御用MP
U-1)701はホストコンピュータ700に対する負荷要求
や予め入力されている基本制御計画に基づいてメモリ領
域707のデータを取り込んで各種の演算を行い、各缶に
対して稼働指令および負荷指令を出力するようになって
いる。一方、マイクロプセッサ(各缶制御用MPU-
2)703は各缶の稼働指令および負荷指令を受けて、各
缶の燃料流量、空気流量を決定し、各流量指令値を出力
するようになっている。
【0023】メモリ領域707は、RAM708、710、RO
M712から構成されており、このメモリ領域707には、燃
焼条件、負荷指令値、燃料量、空気量に対する燃焼結果
を示すNOx値が記憶される。さらに、RAM708には
各缶マップが記憶され、RAM710には起動パターンが記憶
され、ROM712に各缶デフォルト値が記憶されてい
る。ROM712は、各缶マップに対して、試運転時に設
計値を入力しておく領域であり、この領域には、過去の
燃焼器200のデータベースから同型の燃焼器の最適値が
試運転前に入力される。この領域はバックアップのため
に、ROMを用いることが望ましく、RAMを用いた場
合には、簡単に書替が出来ないプロテクトを掛けておく
のが良い。
【0024】メモリ領域707に各種情報を記憶するに際
しては、燃焼条件を複数のゾーンに分け、負荷に対する
燃料量、空気量とNOx値を計測し、計測値と指令値を
各燃焼器の安定燃焼範囲に対応づけてそれぞれの条件ご
とに記憶することとしている。さらに、各部の状態量を
センサで測定し、測定値に従った情報を記憶することと
している。例えば、空気流量制御信号716、燃料流量制御
信号718に従って燃焼器200内で空気と燃料とが混合され
て燃焼されると、このときの燃焼条件となる空気温度は
空気温度センサ282、空気圧力は空気圧力センサ278、空気
湿度は空気湿度センサ286、燃料発熱量は燃料発熱センサ
254で測定され、この測定値が燃焼条件に関する測定値
として各缶マップ708に取り込まれる。また、燃焼器200
に対する空気量、燃料量は空気流量制御信号716、燃料流
量制御信号718が代替値としてマイクロプロセッサ703に
取り込まれる。さらに、このときの燃焼条件と空気量、
燃料量に対する燃焼器200の燃焼状況は排ガスセンサ28
0、あるいは燃空比センサ281で測定され、各測定値が各
缶マップ708に対比して取り込まれる。
【0025】このようにして、燃焼条件と負荷要求に対
する燃焼器200特有の最適な燃料量、空気量の指令値が
各缶マップ708に記憶される。この場合、燃焼条件はそ
れぞれの条件の組合せで無数にあるので、燃焼状況に有
為差のない範囲は同一の条件と見做して取扱う。また、
燃焼条件を設定するための空気温度、湿度等は各センサ
で適宜測定されて、マップ参照のポインタになる。燃焼
条件に変化があった場合にはポインタが直ちに燃焼条件
に対応したマップを参照して流量制御信号に変え、燃料
量、空気量を適正に変えるようにしている。
【0026】燃焼器200は、16個の燃焼器(缶)202〜23
2で構成されており、各燃焼器202〜232が円環状に配置
されている。各燃焼器202〜232には、燃焼タンク244か
ら燃料が供給され、圧縮機(空気圧縮機)100から空気
が供給されるようになっており、燃料量と空気量を各缶
ごとに流量制御できるように、燃料流量制御弁252、空
気流量制御弁259がそれぞれ設けられている。燃料流量
制御弁252、空気流量制御弁259はマイクロプロセッサ70
3からの開度指令信号に従って開閉されるようになって
いる。そして、燃焼状態に応じて稼働される燃焼器が選
択され、選択された燃焼器にのみ燃料と空気が供給され
る。即ち、指定の燃焼器に設けられた燃料流量制御弁25
2、空気流量制御弁259のみが開かれ、それ以外の燃料流
量制御弁252、空気流量制御弁259の弁は閉じられ
るようになっている。ここで、6缶の燃焼器のみが選択
されたときには、例えば、図1のハッチングで示す燃焼
器(缶)202、210、214、218、226、230のみが稼働する
ことになる。ここで、稼働する缶を円周上で適当に配分
しているのはガスタービン300への回転力を平滑化する
ためと、タービン翼への熱バランスのためである。ま
た、タービン300は高速で回転するため、タービン300へ
の回転力、熱バランスへの影響が少ない場合には、稼働
する缶を一部に集中しても良い。この場合、燃焼器間の
火移りがより容易となる。なお、各缶に対する空気量、
燃料量をそれぞれの缶ごとに燃料流量制御弁252、空気
流量制御弁259で制御する代わりに、空気量と燃料量の
うち何れか一方を全体制御して、残りの一方を缶ごとに
燃空比が最適となるように、流量制御する方式とするこ
ともできる。
【0027】また、燃焼器200の空気取り入れ口264は圧
縮機100の出口に接続され、燃焼ガス出口268はガスター
ビン300の入口に接続されている。そして、燃料タンク2
44からの燃料は気化器248で気化され、燃料供給管256に
送られる。この燃料は、燃料流量制御弁252で流量を制
御された後、燃焼器200へ送られる。燃料が送給される
過程で、燃料発熱量は発熱量センサ254で測定され、水
分含有率は水分含有率測定装置249でそれぞれ測定され
る。ここで、使用する燃料がLNGなど沸点の低い燃料
の場合には、燃料タンク244中で燃料の一部が気化し、
燃料タンク244内の圧力が上昇する。このような場合、
燃料タンク244内の圧力を圧力ゲージ246で測定し、燃料
タンク244内の圧力が制限値を越えたときに、燃料タン
ク244内の圧力調整バルブ250を開き、燃料タンク244内
の気体の一部を燃料供給管256へ放出すれば、燃料タン
ク244の破壊を防ぐことができる。また、燃料タンク244
内で気化した気体は沸点の低い成分が多く、通常供給さ
れる燃料の組成とは異なるため、燃料タンク244内の圧
力調整バルブ250を開くと、燃料組成、発熱量が変動す
る。このため、本実施例では、発熱量センサ254は圧力
調整バルブ(安全弁)250の後に設けられている。
【0028】一方、空気270は空気圧縮機100に吸入され
て高圧空気となり、燃焼器200へ送られる。このとき空
気流量センサ284で空気流量が測定され、大気湿度セン
サ286で湿度が測定される。さらに、高圧空気は空気圧
力センサ278で圧力が測定され、空気温度センサ282で温
度が測定される。なお、ここで、大気温度及び湿度と圧
縮機100の特性とから圧縮機100に吸入される空気量が計
算できる場合、また、圧縮機100に吸入される空気量が
一定となるような制御装置が備えられている場合には、
空気流量センサ284は必ずしも必要ではない。
【0029】燃焼器200の各缶202〜232は、図4に示す
ように、外筒261と内筒267から構成され、外筒261と内
筒267との間に複数の孔(図示省略)を介して高圧空気271
が流れ、この高圧空気271が燃焼用空気としてF2予混
合燃焼器260へ供給されている。高圧空気271の一部は内
筒冷却用空気として燃焼室へ供給される。燃焼室の下流
側には稀釈空気量制御装置(図示省略)が設けられてい
る。ガスタービン300の負荷が小さいときには燃焼用空
気の一部は稀釈空気として燃焼器下流側に放出される。
【0030】また、パイロット燃焼用の燃料Fp、拡散
燃焼用の燃料F1、予混合燃焼用の燃料F2の各燃料
は、燃料流量制御弁252を介してパイロットバーナ262、
F1予混合燃焼器266、予混合燃焼器260に供給され、燃
焼用空気と混合された後予混合燃焼燃焼器260等で燃焼
される。予混合燃焼燃焼器260には環状の保炎器273が設
けられており、この保炎器273の作用により、保炎器273
の下流に高温気体の循環流が火種として形成され、この
循環流からの熱により予混合火炎が安定化される。予混
合火炎から発生した気体は、内筒冷却用空気、稀釈空気
と混合されて高温燃焼空気274となり、トランジション
ピース277を経てガスタービン300へ導かれる。そして、
ガスタービン300、ガスタービン300と接続された圧縮機
100、及び発電機400の駆動に伴って、燃焼器200から排
出された高温燃焼空気274はガスタービン300から低温の
燃焼排ガス275となって排出され、排煙脱硝装置(図示省
略)へ導かれる。低温の燃焼排ガス275中の窒素酸化物は
排煙脱硝装置中でアンモニアと反応し、窒素に転換され
る。また、低温の燃焼排ガス275は、廃熱回収ボイラ502
へ導かれる。廃熱回収ボイラ502で発生した蒸気504によ
り蒸気タービン500が駆動される。この蒸気タービン
500は発電機400と接続されており、蒸気タービン500
を駆動した蒸気は復水器508で水となり、再び廃熱回収
ボイラ502へ供給される。なお、ここで廃熱回収ボイラ5
02と排煙脱硝装置の位置は逆でも良い。燃焼排ガス275
は廃熱回収ボイラ502を経て煙突で他のガスタービンか
らの排ガスと混合され、大気中に放出される。
【0031】次に、本実施例の作用を図6のフローチャ
ートに従って説明する。
【0032】まず、燃焼器200を制御するに際して、マ
イクロコンピュータ701は、燃焼条件(空気温度、空気湿
度、空気圧力、空気流量、燃料発熱量)に関する状態量
として各センサの測定値を取り込むと共に、ホストコン
ピュータ700からの負荷要求と発電機400の出力を取り込
み、これらの情報を基に、燃焼器200全体を制御するか
あるいは特定の缶のみを制御するか否かの判定を行う。
この場合、燃焼器200が缶数制御できるもので構成され
ているか否かを判定すると共に、燃焼状態等、その他の
条件から缶数制御を行うか否かを判定する。そして、燃
焼器200全体を制御する判定したときには、各燃焼器200
〜232に関する燃空比対NOxの学習値を抽出するため
に、燃焼条件によるマップBを検索する。
【0033】一方、特定の缶のみを稼働すると判定した
ときには、特定の缶を指定すると共に、指定の缶に関す
る燃空比対NOxの学習値を抽出するために、燃焼条件
によるマップAを検索する。そしてマップBの学習値を
抽出したときには、各燃焼器200〜232に関する燃空比対
NOxの学習値に従って全部の缶に対する空気量と燃料
量を同時に制御する。一方、マップAの学習値を抽出し
たときには、特定の缶、例えば、図1に示すように、燃
焼器202、210、214、218、226、230のみに関する燃空比
対NOxの学習値に従って燃焼器202、210、214、218、
226、230に対する燃料量と空気量を制御する。この場
合、マップの選択を、当初決定することにより、いずれ
か一方のみで運転できる。いずれにしてもマップを参照
しながら燃料量、空気量の制御することができる。そし
て、発電機400の出力が負荷要求にフィードバックされ
て全体制御または缶数制御が行われる。
【0034】このように、本実施例においては、燃焼条
件に関する状態量を計測すると共に、缶ごとに燃料量、
空気量を増減したときのNOx値を計測し、計測値を記
憶し、記憶値に従って学習値を更新するようにしてい
る。このような制御を実行すると、各缶までの流量損失
や各缶の流量制御の特性にバラツキがあっても、缶ごと
に流量制御指令を適当に与えることにより均等化が図れ
る。
【0035】また、前記実施例においては、燃焼条件の
変わる速さを考慮して、燃焼条件のサンプリングタイム
に差を持たせることができる。すなわち、温湿度の変化
はゆるやかであるので、サンプリングを遅く、負荷要求
に対してはサンプリングを速くすることができる。
【0036】図7は、缶数制御を実施したときに、稼働
する燃焼器(缶)の平均負荷率を示したものである。図
7における上の段は燃焼器200全体の出力100パーセ
ントに対する要求負荷であり、時間経過とともに50パ
ーセント、80パーセント、95パーセント、60パー
セント、40パーセントと変化している。従来のよう
に、燃焼器(缶)を全て稼働する制御であると、それぞ
れの缶が要求された負荷率となり、不安定燃焼範囲での
燃焼や、高いNOxを排出する負荷率となる。
【0037】これに対して、図7に示すように、要求負
荷に応じて稼働する缶数を8缶、12缶、16缶、10
缶、6缶で対応すると、それぞれの缶は、図7に示して
いるような負荷率を分担すれば良いことになり、74.
3パーセントから83.3パーセントの範囲の負荷率と
なる。このような負荷範囲では、稼働している缶の燃料
量と空気量は定格の流量に対して、負荷率と同程度の流
量となり、安定燃焼状態であるだけでなく、排出される
NOxも極めて低い状態となる。
【0038】ところで、燃料発熱量は通常遅い変化であ
るが、燃料タンク244の安全弁250が作動したときの燃料
発熱量は高くなる。このため、NOx値は空気中の窒素
が高温にさらされたときに生じるので、発熱量が高い燃
料ガスの場合は一般に燃空比は低くするのが良い。ま
た、この発熱量変化は、安全弁250から燃焼器200までの
配管の長さに依存する時定数を持って、燃焼器200に達
する。この時定数は装置によって固有であるので、安全
弁250の動作を検出して、割込み制御を実行する。そし
て、安全弁250の動作が復帰したら、一定の時定数を持
たせて通常の燃空比の指令値に戻る。ここでは、図示し
ていないが安全弁の動作信号を元に割込みを発生し、時
定数を合わせた燃料流量制御信号718を出力する。な
お、安全弁250の動作信号を使わない手段としては、発
熱量サンプリングタイムを速くすることによる対応も可
能である。
【0039】ここでは、安全弁250の動作に対して、燃
料量を増減する制御について述べたが、空気量を制御し
ても良い。また、安全弁250からのガスを別配管に逃す
ことも有効な手段である。実際には安全弁250が動作し
たとき、あるいは液化天然ガス(LNG)組成の違いを
含めて、燃料発熱量の変化は代表性状として2〜5程度
を表あるいはマップとして準備しておけば十分である。
これにより、燃料発熱量に対応した燃空比を出力でき
る。
【0040】上記実施例では、定格回転時の流量の制御
について述べてきたが、発電機400の起動時には燃焼器2
00に空気を送りこむ圧縮機100の回転数が変化するの
で、圧縮機100の空気圧力が変化する。このため、起動
時の流量制御は定格時とは異なるパターンとする必要が
ある。この場合、起動時には起動パターン710を別途設
けて、起動時の流量制御を行う。この起動パターンとし
ては、空気量、温度、湿度、圧力、燃料発熱量などの燃
焼条件の違い、起動条件の違いを考慮したものを用いる
ことが望ましい。
【0041】ここで、例えば、NOxの値をリアルタイ
ムでフィードバックして、最適な燃空比に制御すること
が考えられるが、排ガスセンサ280の耐熱性を考慮し
て、ガスタービン300の出口に設置して置くのが実用的
である。この場合、燃空比とNOxの実測値には時間的
な遅れがあり、フィードバック制御は困難である。この
場合、オフラインで過去のデータを利用するようにする
ことができる。
【0042】また、一般に、脱硝装置を不要とするには
ガスタービン燃焼器から排出されるNOx濃度が16%
2 換算値で10ppm 以下とする必要があるとされる。
このような場合でも、本実施例における制御を採用する
と、季節変化、燃料組成変化、設置する地域等によるN
Ox排出量の変化を最小にし、常に低NOxで、かつ火
炎安定性を良好に保つことが可能になる。
【0043】図8は、燃焼条件の空気温度が250度か
ら275度、空気湿度が80パーセントから85パーセ
ントで、燃料発熱量が35800カロリーの場合の燃料
量と空気量の割合を変えたときの燃焼状態を示す測定結
果の一例である。燃焼条件は温度、湿度条件とも実験結
果から有為差の無い範囲で複数のグループに分け、各グ
ループを同一条件と見做し、例えば、上記条件の空気温
度Ai=1、空気湿度をAj=1、燃料発熱量をFk=
1としてまとめた。
【0044】さらに、図8は、燃料量と空気量が、安定
して燃焼する範囲、更にNOx量が70ppm以下、1
0ppm以下の燃焼範囲を示している。図8から、同一
空気量では燃料量の少ない方がNOx値が低い結果が得
られ、更に燃料量が少なくなると安定燃焼範囲を外れる
ことが理解される。そして、燃料量、空気量ともに増加
すると発電機の出力が増加する。
【0045】図9は、燃焼条件の空気温度、湿度は図8
と同じで、燃料発熱量が42700カロリーの場合の燃
料量と空気量の割合を変えたときの燃焼状態を示す測定
結果の一例である。燃焼条件は上記した区分けで示す
と、温度Ai=1、空気湿度をAj=1は同じで、燃料
発熱量をFk=10としてまとめた。この図9は、図8
に対して、燃空比の少ない方が低NOx燃焼を示してい
る。
【0046】図10は、燃空比とNOxの関係を示した
ものである。図10(a)は従来の燃焼器の缶ごとに燃
料量、空気量に流量のバラツキがある場合である。理論
燃空比付近では燃焼温度が最大となり、NOx値も高く
なる。この理論燃空比より燃料量を少なく、すなわち燃
空比を小とするとNOx値は低下する。燃料量を減らし
すぎると、燃焼の不安定領域となり、失火する恐れがあ
るので、燃料量はそれより多い範囲に設定する。即ち、
缶ごとにバラツキがあるので、燃焼器全体では排出NO
xはそれらの平均値となり、排出NOxは一定値以下に
できない。
【0047】図10(b)は、缶ごとに燃料量と空気量
を制御できるようにした本発明の測定結果の一つであ
り、この図から、燃空比のバラツキが少なくなって、排
出NOxが、(a)に示す従来のものよりも減少してい
ることが理解される。また、燃焼器の構成上、空気量は
個別に流量制御しない方がコスト面で有利の場合があ
り、流路抵抗のバラツキにより缶ごとに空気量の差が多
少生ずる。この時、各缶の空気量は絶対値を把握するこ
とが難しいので、本発明では燃料量を缶ごとに制御しな
がら排出NOxを測定することにより、缶ごとに適当な
燃料量とすることが出来る。従って、空気量は全体制御
で、燃料量のみを缶ごとに制御して燃空比を均一化する
方式によって、NOxを低減する。
【0048】図11、図12は、横軸は空気流量制御信
号、縦軸は燃料流量制御信号で示した安定燃焼範囲とN
Ox値である。図9、10に示した空気流量、燃料流量
の絶対値を把握することは難しいので、ここでは制御信
号を流量の関数として、安定燃焼範囲、NOx値を測定
した。このように、空気流量、燃料流量の絶対値は把握
出来なくても、流量制御信号を基に燃焼条件と制御信号
を学習しておけば、安定燃焼、低NOx燃焼を実現でき
る。
【0049】図13、図14は、NOx値10ppm以
下の空気流量制御信号と燃料流量制御信号の関係を示し
た。このように流量の絶対値は把握出来なくても流量制
御信号を基に燃焼条件と制御信号を学習しておけば、安
定燃焼、低NOx燃焼を実現できる。
【0050】また、前記実施例においては、空気量、燃
料量を直接制御する説明をしたが、この制御を実行する
流量制御弁へ与える制御電圧あるいは制御電流などの間
接的な値を用いても良い。実際には空気量の絶対値を把
握することは難しく、例えば、流量制御弁の電圧値とN
Ox値等を計測し、計測値をマップ化して制御をするこ
ともできる。
【0051】なお、流量制御弁の電圧値とNOx値等を
計測し、この計測値に従った缶数制御をホストまたはさ
らに上位のコンピュータで行う場合は、マイクロプロッ
セサ701、又は703で各缶それぞれの燃料量流量制御弁25
2、空気量流量制御弁259の開度を制御すれば、一方のマ
イクロプッセサは不要である。
【0052】缶数制御を実行するに際しては、予混合燃
焼バーナを備えた燃焼装置において、該バーナに流入す
る燃空比、また燃料の発熱量(燃料組成)と空気の水分
濃度と空気の温度などの燃焼条件に伴う最適燃空比を学
習し、学習によって得た最適燃空比になるように、バー
ナに供給する燃料と空気のうち少なくとも一方の量を制
御することができる。この場合、火炎の燃焼状態をその
時の大気湿度、温度、燃料組成と合わせて計測し、計測
値を燃焼条件に対応づけて記憶する。この燃焼条件はア
ナログ的に変化し、その組合せは無数にあるので、燃焼
状態に有為差のない燃焼条件範囲を実験的に把握し、そ
の範囲で同一燃焼条件と見做し、その燃焼条件と、燃焼
状態や排ガス濃度を適宜記憶していく、いわゆる学習を
行い、学習値に従った制御を実行すると、燃焼器200の
運転時間が長くなる程、燃焼器200に好適な燃焼条件を
設定することが出来る。
【0053】ところで、燃焼条件のうち、大気湿度や温
度は燃焼器の起動時あるいは要求負荷に対して求められ
る燃空比の変化に対して十分遅い変化を示す。このた
め、大気湿度や温度の条件は、段階的に異なる条件で燃
空比に対するNOxの値を学習し、この学習値に従った
条件で缶毎に起動したり、負荷に対する燃空比を制御し
たりすれば、低NOxで、安定な燃焼を継続できること
になる。
【0054】さらに、学習制御を実行するに際して、空
気過剰の予混合燃焼、特に、好ましくは燃空比1.0以
下、0.046以上の予混合燃焼において、バーナに流
入する燃料の組成と空気の水分濃度と空気の温度及び燃
空比との燃焼条件によって、燃焼器200から排出される
NOxの濃度やCO濃度、或いは火炎吹き消え限界、振
動燃焼の発生限界、火炎の逆火限界等の相関関係を求
め、これらの関係を記憶し、より少ないNOx、CO濃
度の条件を学習したところ、予混合燃焼の安定燃焼範囲
として、以下に示すように、燃空比と負荷割合とがよい
相関を示すことが分かった。
【0055】〔i〕NOx排出量は燃料組成(燃料発熱
量)、及び燃空比、燃焼前の混合気温度及び混合気中の
水分濃度が同じであれば、ほぼ同じである。
【0056】〔ii〕NOx排出量は、同一燃空比では燃
料成分と比較的良い相関を示すので、燃料の物理量、例
えば、比重センサを設け、暫時変化する燃料に対して燃
空比を増減する。
【0057】〔iii〕火炎が吹き消えるときの混合気体
の噴出速度は、燃料組成、混合気中の水分濃度、及び燃
焼前の混合気温度が変化しても、ほぼ同じである。
【0058】〔iv〕振動燃焼が発生するときの混合気体
の噴出速度は、燃料組成、混合気中の水分濃度、及び燃
焼前の混合気温度が変化しても、ほぼ同じある。
【0059】これらのことを踏まえ、大気湿度、温度、
燃料組成の燃焼条件と空気量、燃料量と排ガス量あるい
は火炎画像などによる燃焼状態の変化を計測し、計測値
を記憶する。この場合、燃料量と空気量との比を示す燃
空比と燃焼状態等の計測値とを対応づけて記憶する。さ
らに、安定燃焼で低NOxの燃空比の条件が得られるよ
うに学習値を最適化し、学習結果をマップ化する。ま
た、燃焼条件のうち、大気湿度、温度は、遅い変化であ
るので、燃料組成の変化のみを予測できれば、燃焼状態
を最適に保つために必要な燃空比を予め知ることができ
る。ここで、燃料組成の変化としては、遅い変化と速い
変化があるが、速い変化の場合は燃料タンクの安全弁が
動作したときであり、安全弁の動作検知信号からの時間
遅れで、燃焼器200の空気量を調整すれば対応できる。
一方、遅い変化の場合は燃焼状態を観測するいくつかの
手段により、対応可能である。
【0060】上記の点を考慮した具体的な燃焼状態の制
御方法としては、たとえば以下の方法が可能である。
【0061】(a)負荷に対応して、燃空比に対するN
Ox排出濃度と火炎の安定性を測定し、測定値を記憶す
る。燃焼用空気の湿度、温度、及び燃料組成が変化した
ときの上記燃空比に対するNOx排出濃度と火炎の安定
性を測定し、この測定値をマップとして記憶する。この
マップを基にNOx排出濃度が低くかつ安定性が良好な
火炎が形成されるように、バーナへ供給する燃料と空気
のうち少なくとも一方の供給量を制御する。
【0062】(b)負荷要求に対して燃焼器全体を稼働
したときに、火炎の状態が安定領域から逸脱する場合に
は、稼働する燃焼器の数を減少させることにより、稼働
する燃焼器の負荷率を安定領域に保つ。
【0063】また、学習値をマップ化するに際しては、
予混合燃焼バーナに流入する燃料の組成と空気の水分濃
度と空気の温度等の燃焼条件と負荷指令値から配分する
燃料量と空気量などの要因で決まる排ガスのNOx濃度
を学習し、学習結果をマップ化し、燃焼条件と負荷指令
値からマップを参照して、配分する燃料量と空気量の指
令値を与えるようすることができる。この場合、燃焼条
件、負荷指令値は当然変化するが、変化の速度が異なる
ので、燃焼条件の変化速度に応じて、測定のサンプリン
グタイムを変えることとしている。そして、この速度の
違いをマップ参照の割込みのプライオリティの違いとし
ている。例えば、燃焼条件は燃料発熱量を除いて遅い変
化であるので、サンプリングタイムを遅く、あるいはプ
ライオリティを低くしている。
【0064】また、燃料発熱量は、通常は遅い変化であ
るが、安全弁250が作動したときはインディシャル応答
となる。そこで、安全弁250の動作を検出するセンサの
検出信号を元に一定時間後に燃料発熱量が高くなる条件
を設定する。そして、通常では負荷要求のサンプリング
タイムを速く、あるいはプライオリティを高く設定す
る。
【0065】このような制御方法を採用すると、燃焼条
件を取り込むセンサと時々変わる負荷要求に対して、燃
焼器(缶)の数と個々の燃焼器(缶)に対する空気量と
燃料量の指令を制御の遅れが問題にならない速さで出す
ことができる。これにより、大気湿度、温度、燃料組成
が変化しても常にNOx排出濃度、CO排出濃度を低く
し、かつ火炎の吹き消え、振動或いは逆火が発生しない
ように燃焼状態を制御することができる。
【0066】また、燃焼因果関係で相関の強いNOxと
燃空比(燃料量/空気量)との関係は、実際には流量制
御指令値、流量測定値、流量制御バルブ等の制御電圧
値、電流値、変位量などの計測値があり、乱流状態の流
量検出にはそれぞれに精度の差があるので、これらを比
較して、適当な計測値を利用するのが良い。
【0067】さらに、制御対象とする火炎は、燃料と空
気を予め混合した後に燃焼させる予混合火炎であり、使
用する燃料は気体と液体のいずれでも良く、気体燃料と
してはLNG、LPG、都市ガス等が使用でき、液体燃
料としてはメタノール、ナフサ、エタノール、灯油、軽
油等を使用できる。何れにしても分子中に窒素を殆ど含
まない燃料を使用することが望ましい。窒素の最大含有
量は1%を超えないことが望ましい。
【0068】また、燃焼条件と負荷要求によっては、燃
焼器200から排出されるNOx濃度が予想されるので、
脱硝装置へ供給するアンモニア量を制御することもでき
る。
【0069】さらに、燃焼器の燃料供給量と空気供給量
と排ガスのNOx値の関係は前記した燃焼条件の燃焼用
空気の温度、湿度、及び燃料発熱量をなどと共に記憶し
ておくのが良い。燃焼条件は時間的には遅い変化であ
り、これに比べれば負荷要求の方が早い変化であるのが
普通である。
【0070】一方、ガスタービン発電システムのプラン
トの運転開始時には、他の同型の燃焼器の学習結果をデ
フォルト値として入力しておくのが良い。この値は燃焼
器200が運転を開始すると前記したように学習を開始
し、適宜最適値に書き換えられていくのが良い。これら
の学習は缶ごとに燃料量と空気量のうち少なくとも一方
を個別に制御できるので、缶ごとに最適の燃空比を学習
することが出来る。
【0071】また、起動時には火炎の吹き消え、逆火な
どが起こりやすく、空気量/燃料量は的確な量に制御す
ることが必要である。そして、この起動時の空気量は圧
縮機の回転数が変わっていくので、空気流量の制御は制
御弁の制御指令に対して、比例しない。この起動時に対
しては燃焼条件に対する流量制御指令値を時間的にパタ
ーン化して前記した大気の湿度、温度、燃料の組成など
に対応した起動時のパターンを持つことが出来る。
【0072】ところで、燃焼用空気の温度、湿度、及び
燃料発熱量はアナログ値であり、燃焼条件であるこれら
全てを記憶するのは記憶容量だけの問題ではなく、次の
制御指令を決定するための時間が長くなり、応答性が悪
くなる問題がある。このためそれぞれのアナログ値を一
定範囲ごとにゾーン分割し、代表値として記憶する。こ
の代表値毎にタービンの負荷と燃焼器(缶)に供給する
空気量、燃料量に対応したNOx、効率、燃焼の安定性
を関係づけた学習結果をホストコンピュータに記憶す
る。これらの学習結果はゾーン毎にマップ化しても良
く、表、あるいは数式化して置くこともできる。
【0073】また、学習した燃焼条件のマップ、表、数
式からタービンの要求負荷と燃焼器(缶)に供給する空
気量、燃料量を即座に指令するプログラムと、タービン
の要求負荷に対して稼働する燃焼器(缶)の数を決定す
るプログラム、を上位コンピュータに備えるようにして
もよい。
【0074】さらに、燃焼条件が同一のゾーンであるの
に、従来の学習結果と異なる場合は直ちに訂正をするの
ではなく、その旨ディスプレイに表示して操作員の判断
に委ねるようにしても良い。また、経時変化で変わるよ
うな要因で学習の繰返の再現性が認められる場合には、
自動的にマップ、表、数式を変更するようにしても良
い。
【0075】予混合燃焼器で予混合火炎を形成する燃焼
器(缶)で、本発明の燃焼制御方法を用いると、燃焼に
空気量/燃料量のバラツキが少なくなり、流路抵抗体を
加熱する予混合火炎の温度変化が少ないため、流路抵抗
体の寿命が長くなる。
【0076】また、本発明を実施すると、予混合火炎を
失火させずにNOx排出量を低減できるので、通常のN
Ox規制値で脱硝装置が不要あるいは脱硝装置からの排
出が極めて低いレベルとなる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数個ある燃焼器を燃焼器ごとに燃料量と空気量のうち
少なくとも一方を制御できる構成とし、負荷指令値や学
習値を基に稼働すべき燃焼器の数を管理し、指定の燃焼
器に対する空気量、燃料量を負荷指令値を基に制御する
ようにしたので、発電装置に要求される負荷に対応し
て、NOxの少ない、安定した燃焼を継続することがで
き、NOx排出濃度の低減、火炎の吹き消え、燃焼振動
或いは逆火の防止を図ることができる。特に、予混合燃
焼で安定な燃焼を示す負荷領域で燃焼を継続することが
できる。さらに、予混合燃焼バーナに流入する燃料の組
成と空気の水分濃度と空気の温度等の燃焼条件と負荷指
令値から配分する燃料量と空気量などの要因で決まる排
ガスのNOx濃度を学習し、学習結果を基に稼働すべき
燃焼器の数を算出したり、稼働すべき燃焼器に対する空
気、燃料の供給量のうち少なくとも一方の供給量を学習
結果を基に補正しているので、最適な燃料量と空気量で
各燃焼器をリアルタイムに制御することができ、排出ガ
スの低NOx化が図れると共に、火炎安定性を良好に保
つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すガスタービン装置の要
部構成図である。
【図2】本発明に係る火力発電用ガスタービン発電装置
の全体構成図である。
【図3】図1に示す装置の要部ブロック構成図である。
【図4】燃焼器の具体的内容を説明するための構成図で
ある。
【図5】燃焼器とガスタービンとの関係を示す系統図で
ある。
【図6】図1に示す装置の缶数制御を説明するためのフ
ローチャートである。
【図7】燃焼器の数と負荷率との関係を示す特性図であ
る。
【図8】燃料発熱量が低いときの燃料量/空気量と燃焼
状況との関係を示す特性図である。
【図9】燃料発熱量が高いときの燃料量/空気量と燃焼
状況との関係を示す特性図である。
【図10】(a)は従来例における燃空比とNOxとの
関係を示す特性図であり、(b)は本発明における燃空
比とNOxとの関係を示す特性図である。
【図11】燃料発熱量が高いときの燃料量/空気量制御
信号と燃焼状況との関係を示す特性図である。
【図12】燃料発熱量が高いときの燃料量/空気量制御
信号とNOx実測値との関係を示す特性図である。
【図13】燃料発熱量が低いときの燃料量/空気量制御
信号とNOx実測値との関係を示す特性図である。
【図14】燃料発熱量が高いときの燃料量/空気量制御
信号とNOx実測値との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
100 圧縮機、 200〜232 燃焼器、 254 燃料発熱量センサ、 274 空気圧力センサ、 280 排ガスセンサ、 281 燃空比センサ、 282 空気温度センサ、 300 ガスタービン、 400 発電機、

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料供給源からの燃料と空気供給源から
    の空気とを受けて燃料と空気との混合気を燃焼する複数
    の燃焼器と、各燃焼器から排出する排ガスにより駆動す
    るガスタービンと、ガスタービンの駆動により発電する
    発電機とを備えたガスタービン発電装置において、 前記ガスタービンに供給される排ガスに含まれる特定の
    物質の濃度を検出する排ガスセンサと、各燃焼器に関す
    る燃焼条件を基に燃料量と空気量との比を示す燃空比の
    指令値を生成する指令値生成手段と、排ガスセンサの検
    出出力とガスタービンの負荷に関する負荷指令を基に稼
    働すべき燃焼器の数を算出しこの算出値に応じた燃焼器
    を指定する燃焼器指定手段と、燃焼器指定手段の指定に
    よる燃焼器に供給される燃料と空気のうち少なくとも一
    方の供給量を指令値に従って制御する燃焼制御手段とを
    備えているガスタービン発電装置。
  2. 【請求項2】 燃料供給源からの燃料と空気供給源から
    の空気とを受けて燃料と空気との混合気を燃焼する複数
    の燃焼器と、各燃焼器から排出する排ガスにより駆動す
    るガスタービンと、ガスタービンの駆動により発電する
    発電機とを備えたガスタービン発電装置において、 前記ガスタービンに供給される排ガスに含まれる特定の
    物質の濃度を検出する排ガスセンサと、排ガスセンサの
    検出出力とガスタービンの負荷に関する負荷指令を基に
    稼働すべき燃焼器の数を算出しこの算出値に応じた燃焼
    器を指定する燃焼器指定手段と、燃焼器指定手段の指定
    による燃焼器に関する燃焼条件を基に燃料量と空気量と
    の比を示す燃空比の指令値を燃焼器毎に生成する指令値
    生成手段と、燃焼器指定手段の指定による燃焼器に供給
    される燃料と空気のうち少なくとも一方の供給量を指令
    値に従って制御する燃焼制御手段とを備えているガスタ
    ービン発電装置。
  3. 【請求項3】 燃料供給源からの燃料と空気供給源から
    の空気とを受けて燃料と空気との混合気を燃焼する複数
    の燃焼器と、各燃焼器から排出する排ガスにより駆動す
    るガスタービンと、ガスタービンの駆動により発電する
    発電機とを備えたガスタービン発電装置において、 前記ガスタービンに供給される排ガスに含まれる特定の
    物質の濃度を検出する排ガスセンサと、各燃焼器に流入
    する燃料の発熱量と空気の水分濃度と空気の温度を含む
    燃焼条件を基に燃料量と空気量との比を示す燃空比の指
    令値を燃焼器毎に生成する指令値生成手段と、排ガスセ
    ンサの検出出力と指令値生成手段の生成による指令値を
    各燃焼器の安定燃焼範囲に対応づけて記憶する記憶手段
    と、ガスタービンの負荷に関する負荷指令と記憶手段の
    記憶情報を基に稼働すべき燃焼器の数を算出しこの算出
    値に応じた燃焼器を指定する燃焼器指定手段と、燃焼器
    指定手段の指定による燃焼器に供給される燃料と空気の
    うち少なくとも一方の供給量を指令値に従って制御する
    燃焼制御手段とを備えているガスタービン発電装置。
  4. 【請求項4】 燃料供給源からの燃料と空気供給源から
    の空気とを受けて燃料と空気との混合気を燃焼する複数
    の燃焼器と、各燃焼器から排出する排ガスにより駆動す
    るガスタービンと、ガスタービンの駆動により発電する
    発電機とを備えたガスタービン発電装置において、 前記ガスタービンに供給される排ガスに含まれる特定の
    物質の濃度を検出する排ガスセンサと、各燃焼器に関す
    る燃焼条件を基に燃料量と空気量との比を示す燃空比の
    指令値を生成する指令値生成手段と、排ガスセンサの検
    出出力と指令値生成手段の生成による指令値を各燃焼器
    の安定燃焼範囲に対応づけて記憶する記憶手段と、排ガ
    スセンサの出力と燃焼条件とを監視して記憶手段に記憶
    された記憶値のうち安定燃焼範囲に含まれる適正値のみ
    を学習して記憶する学習記憶手段と、ガスタービンの負
    荷に関する負荷指令と学習記憶手段の学習値を基に稼働
    すべき燃焼器の数を算出しこの算出値に応じた燃焼器を
    指定する燃焼器指定手段と、燃焼器指定手段の指定によ
    る燃焼器に供給される燃料と空気のうち少なくとも一方
    の供給量を指令値に従って制御する燃焼制御手段とを備
    えているガスタービン発電装置。
  5. 【請求項5】 燃料供給源からの燃料と空気供給源から
    の空気とを受けて燃料と空気との混合気を燃焼する複数
    の燃焼器と、各燃焼器から排出する排ガスにより駆動す
    るガスタービンと、ガスタービンの駆動により発電する
    発電機とを備えたガスタービン発電装置において、 前記ガスタービンに供給される排ガスに含まれる特定の
    物質の濃度を検出する排ガスセンサと、各燃焼器に流入
    する燃料の発熱量と空気の水分濃度と空気の温度を含む
    燃焼条件を基に燃料量と空気量との比を示す燃空比の指
    令値を燃焼器毎に生成する指令値生成手段と、排ガスセ
    ンサの検出出力と指令値生成手段の生成による指令値を
    各燃焼器の安定燃焼範囲に対応づけて記憶する記憶手段
    と、排ガスセンサの出力と燃焼条件とを監視して記憶手
    段に記憶された記憶値のうち安定燃焼範囲に含まれる適
    正値のみを学習して記憶する学習記憶手段と、ガスター
    ビンの負荷に関する負荷指令と学習記憶手段の学習値を
    基に稼働すべき燃焼器の数を算出しこの算出値に応じた
    燃焼器を指定する燃焼器指定手段と、燃焼器指定手段の
    指定による燃焼器に供給される燃料と空気のうち少なく
    とも一方の供給量を指令値に従って制御する燃焼制御手
    段とを備えているガスタービン発電装置。
  6. 【請求項6】 指令値生成手段の生成による指令値を学
    習記憶手段の学習値に従って補正する指令値補正手段を
    備えている請求項4または5記載のガスタービン発電装
    置。
  7. 【請求項7】 各燃焼器は仮想の軸を中心に円環状に配
    置されており、燃焼器指定手段は、稼働すべき燃焼器と
    して、仮想の軸を中心に軸対称の燃焼器を指定してなる
    もので構成されていることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5または6記載のガスタービン発電装置。
  8. 【請求項8】 燃焼制御手段に与える指令値のうち粗動
    制御用燃焼器に関する指令値を微動制御用燃焼器に関す
    る指令値よりも大きい値に修正する指令値修正手段を備
    えていると共に、燃焼器指定手段は、稼働すべき燃焼器
    を粗動制御用の燃焼器と微動制御用の燃焼器とに分けて
    指定してなるもので構成されていることを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6または7記載のガスタービ
    ン発電装置。
  9. 【請求項9】 各燃焼器は予混合燃焼バーナを備えて構
    成されている請求項1、2、3、4、5、6、7または
    8記載のガスタービン発電装置。
  10. 【請求項10】 学習記憶手段の学習値は、各燃焼器に
    関する燃空比あるいは混合気の噴出速度と、火炎吹き消
    え時、燃焼振動発生時あるいは火炎逆火時との関係を含
    む請求項4または5記載のガスタービン発電装置。
  11. 【請求項11】 燃料供給源からの燃料と空気供給源か
    らの空気をそれぞれ複数の燃焼器に個別に供給し、燃焼
    と空気との混合気を各燃焼器で燃焼し、各燃焼器から排
    出する排ガスによりガスタービンを駆動し、ガスタービ
    ンの駆動に応じて発電機の発電電力を制御するに際し
    て、 前記ガスタービンに供給される排ガスに含まれる特定の
    物質の濃度を検出し、各燃焼器に関する燃焼条件を基に
    燃料量と空気量との比を示す燃空比の指令値を生成し、
    排ガス濃度の検出値とガスタービンの負荷に関する負荷
    指令を基に稼働すべき燃焼器の数を算出し、この算出値
    に応じた燃焼器を指定し、指定の燃焼器に供給される燃
    料と空気のうち少なくとも一方の供給量を指令値に従っ
    て制御することを特徴とするガスタービン発電装置の制
    御方法。
  12. 【請求項12】 燃料供給源からの燃料と空気供給源か
    らの空気をそれぞれ複数の燃焼器に個別に供給し、燃焼
    と空気との混合気を各燃焼器で燃焼し、各燃焼器から排
    出する排ガスによりガスタービンを駆動し、ガスタービ
    ンの駆動に応じて発電機の発電電力を制御するに際し
    て、 前記ガスタービンに供給される排ガスに含まれる特定の
    物質の濃度を検出し、各燃焼器に関する燃焼条件を基に
    燃料量と空気量との比を示す燃空比の指令値を生成し、
    この指令値と排ガス濃度の検出値を各燃焼器の安定燃焼
    範囲に対応づけて記憶し、排ガス濃度の検出値と燃焼条
    件とを監視しながら、記憶された記憶値のうち安定燃焼
    範囲に含まれる適正値のみを学習して記憶し、ガスター
    ビンの負荷に関する負荷指令と記憶学習された学習値を
    基に稼働すべき燃焼器の数を算出し、この算出値に応じ
    た燃焼器を指定し、指定の燃焼器に供給される燃料と空
    気のうち少なくとも一方の供給量を指令値に従って制御
    することを特徴とするガスタービン発電装置の制御方
    法。
  13. 【請求項13】 燃空比の指令値を、記憶学習された学
    習値に従って補正することを特徴とする請求項12項記
    載のガスタービン発電装置の制御方法。
  14. 【請求項14】 学習値は、各燃焼器に関する燃空比あ
    るいは混合気の噴出速度と、火炎吹き消え時、燃焼振動
    発生時あるいは火炎逆火時との関係を含むことを特徴と
    する請求項12または13記載のガスタービン発電装置
    の制御方法。
JP4710195A 1995-03-07 1995-03-07 ガスタービン発電装置およびその制御方法 Pending JPH08246903A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4710195A JPH08246903A (ja) 1995-03-07 1995-03-07 ガスタービン発電装置およびその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4710195A JPH08246903A (ja) 1995-03-07 1995-03-07 ガスタービン発電装置およびその制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08246903A true JPH08246903A (ja) 1996-09-24

Family

ID=12765795

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4710195A Pending JPH08246903A (ja) 1995-03-07 1995-03-07 ガスタービン発電装置およびその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08246903A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001041055A (ja) * 1999-07-06 2001-02-13 General Electric Co <Ge> ガスタービンにおけるNOx排出量を最適化するための方法及び装置
JP2009216085A (ja) * 2008-02-05 2009-09-24 General Electric Co <Ge> ガスタービンエンジンシステムを運転するための方法及び装置
WO2010035539A1 (ja) * 2008-09-29 2010-04-01 三菱重工業株式会社 ガスタービン制御方法及び装置
US7756626B2 (en) 2006-05-22 2010-07-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Gas turbine output learning circuit and combustion control device for gas turbine having the same
JP2010285955A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ガスタービンの制御装置及び発電システム
EP3109551A1 (en) * 2015-06-25 2016-12-28 Doosan Heavy Industries & Construction Co. Ltd. Control method using vibration control
CN109297314A (zh) * 2017-07-25 2019-02-01 宝钢工程技术集团有限公司 应用于集中排烟式工业炉窑的精确控温装置
JP2019536977A (ja) * 2016-10-25 2019-12-19 ジアン,カイル ガスタービンエンジン
WO2020099468A1 (de) * 2018-11-16 2020-05-22 Volkswagen Aktiengesellschaft Verfahren zur ermittlung einer kraftstoffqualität
JP2020200807A (ja) * 2019-06-12 2020-12-17 三菱重工業株式会社 制御装置、ガスタービン、制御方法及びプログラム

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001041055A (ja) * 1999-07-06 2001-02-13 General Electric Co <Ge> ガスタービンにおけるNOx排出量を最適化するための方法及び装置
US7756626B2 (en) 2006-05-22 2010-07-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Gas turbine output learning circuit and combustion control device for gas turbine having the same
JP2009216085A (ja) * 2008-02-05 2009-09-24 General Electric Co <Ge> ガスタービンエンジンシステムを運転するための方法及び装置
US8406978B2 (en) 2008-09-29 2013-03-26 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Gas turbine control method and device
CN101981294A (zh) * 2008-09-29 2011-02-23 三菱重工业株式会社 燃气轮机控制方法及装置
WO2010035539A1 (ja) * 2008-09-29 2010-04-01 三菱重工業株式会社 ガスタービン制御方法及び装置
KR101256038B1 (ko) * 2008-09-29 2013-04-18 미츠비시 쥬고교 가부시키가이샤 가스 터빈 제어 방법 및 장치
JP2010285955A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ガスタービンの制御装置及び発電システム
EP3109551A1 (en) * 2015-06-25 2016-12-28 Doosan Heavy Industries & Construction Co. Ltd. Control method using vibration control
US10443842B2 (en) 2015-06-25 2019-10-15 DOOSAN Heavy Industries Construction Co., LTD Control method using vibration control
JP2019536977A (ja) * 2016-10-25 2019-12-19 ジアン,カイル ガスタービンエンジン
US11608778B2 (en) 2016-10-25 2023-03-21 Kyle Jiang Gas turbine engine
CN109297314A (zh) * 2017-07-25 2019-02-01 宝钢工程技术集团有限公司 应用于集中排烟式工业炉窑的精确控温装置
WO2020099468A1 (de) * 2018-11-16 2020-05-22 Volkswagen Aktiengesellschaft Verfahren zur ermittlung einer kraftstoffqualität
JP2020200807A (ja) * 2019-06-12 2020-12-17 三菱重工業株式会社 制御装置、ガスタービン、制御方法及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4454153B2 (ja) 触媒による燃焼プロセス用の動的制御システムおよび方法並びにこれらを利用するガスタービンエンジン
CN105745497B (zh) 具有可预测排放监测能力的智能控制方法
CA1268527A (en) Combustion control system
US7269952B2 (en) Method and apparatus for gas turbine dry low NOx combustor corrected parameter control
US5896736A (en) Load rejection rapid acting fuel-air controller for gas turbine
US6725665B2 (en) Method of operation of gas turbine having multiple burners
KR101457695B1 (ko) 가스 터빈의 연소 제어 방법 및 장치
EP2617964B1 (en) Combustor blowout recovery method and system
JP2009052558A (ja) 統合制御弁を有するガスタービンエンジン燃焼器アセンブリ
JP2018091331A (ja) ガスタービンに使用される燃料のための燃料組成を決定するためのシステムおよび方法
US5551227A (en) System and method of detecting partial flame out in a gas turbine engine combustor
EP2079961A1 (en) Modular flare stack and method of flaring waste gas
JPH08246903A (ja) ガスタービン発電装置およびその制御方法
CN113646584A (zh) 预混气体燃烧器的操作方法、预混气体燃烧器和锅炉
CA2642980A1 (en) Assured compliance mode of operating a combustion system
JPH09228853A (ja) ガスタービン燃焼器
US4531905A (en) Optimizing combustion air flow
JPH07224689A (ja) ガスタ−ビン燃焼制御装置及びその制御方法
JP3278923B2 (ja) ガスタービン発電装置、脱硝装置の制御方法及び脱硝装置の制御装置
EP4334643A1 (en) Regulation method of a premix gas burner and control and regulation device for carrying out the method
JPH0552124A (ja) ガスタービン制御装置
JP2004204787A (ja) 動力発生装置の制御装置
JPH11210496A (ja) ガスタービン燃料制御装置
JPH11173112A (ja) 石炭ガス化コンバインドサイクル発電プラント
JPH039032A (ja) ガスタービンの燃料供給制御装置