JPH0824518B2 - 撒餌篭への撒餌充填装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、サビキ釣りと称される
釣法で用いられる撒餌籠内に撒餌を充填するための撒餌
籠への撒餌充填装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、サビキ釣りと称される釣法では一
般にアミエビと称される撒餌を充填する有底筒状の撒餌
籠が用いられるものであり、釣り人は撒餌籠内に撒餌を
充填し、この撒餌籠内に充填された撒餌が海中で拡散さ
れることで魚を寄せるようにして釣りを行うようにして
いる。ところで、撒餌籠内に撒餌を充填するにあたって
は、従来はスプーンや指を利用して充填作業を行うよう
にしているものであるが、撒餌に手が触れてしまうため
に撒餌の臭いが手に付いたり、充填作業を思うように行
うことができない等の問題があり、撒餌を手で触れずに
簡易に撒餌籠内に充填することができるものが従来から
望まれている。このため、例えば、図８に示されるよう
なものも提供されている。このものは、上面が開口する
バケツ３０の底部に撒餌籠１を落とし込むことができる
凹所３１が凹設されており、凹所３１の周囲には凹所３
１と連通するように巾狭の複数の溝部３２が設けられて
おり、海水と共に撒餌イをバケツ３０内に入れ、凹所３
１内に撒餌籠１を落とし込んで上下動させることで撒餌
籠１内に撒餌イが充填されるようになっている。つま
り、凹所３１内に撒餌籠１を落とし込むようにして上下
移動させると図９に示されるように凹所３１内の水が撒
餌籠１によって溝部３２を介してバケツ３０の上部に押
し出されてバケツ３０内で図中矢印にて示されるように
回流が発生し、この回流によって撒餌籠１内に撒餌イが
充填されるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来例にあっては、単に回流の作用のみによってバケツ
３０内の水中で順次撒餌籠１内に撒餌イを充填していく
というものであるために、回流を発生させるために何回
も撒餌籠１を上下移動させると一旦撒餌籠１内に入った
撒餌イが撒餌籠１より外に出てしまうようなことがあ
り、撒餌籠１への撒餌イの充填が不確実なものになりや
すいという問題があった。また、撒餌籠１内に充填され
る撒餌イは浮遊した状態で撒餌籠１内に入るために撒餌
籠１内に多量の撒餌イを密に充填することができないと
いう問題があった。

【０００４】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、手で触れたりするようなことなく簡易且つ確
実に撒餌籠内に多量の撒餌を密に充填することができる
撒餌籠への撒餌充填装置を提供しようとするものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、海水と共に撒餌イを収納する密閉型の
収納容器Ａと、収納容器Ａ内に空気を送り込むポンプ装
置Ｂと、ポンプ装置Ｂのポンプ作用に伴って海水と共に
撒餌イを吐出する吐出部Ｃと、上部開口１ａが吐出部Ｃ
の下方に位置するように撒餌籠１を保持する保持手段Ｄ
と、吐出部Ｃより吐出された海水を収納容器Ａ内に返送
する返送管路Ｅとを備え、撒餌籠１の把手１ｂが引っ掛
けられると共に吐出部Ｃに設けられた係止フック１６に
て上記保持手段Ｄを構成したものである。

【０００６】

【作用】しかして、ポンプ装置Ｂによって収納容器Ａ内
に空気が送り込まれると内部圧力の上昇に伴って収納容
器Ａ内に収納されている撒餌イが海水と共に吐出部Ｃよ
り撒餌籠１内に吐出されるものであり、撒餌イは海水と
共に吐出部Ｃより直接撒餌籠１の上部開口１ａより撒餌
籠１内に充填されるものであり、ポンプ装置Ｂのポンプ
作用を数回繰り返すことによって撒餌籠１内に順次撒餌
イを充填していくことができ、手を汚したりするような
ことなく簡易且つ確実に撒餌イを撒餌籠１内に密に充填
することができる。そして、撒餌籠１内には撒餌イのみ
が捕捉されて撒餌イと共に吐出部Ｃより吐出される海水
は撒餌籠１を通過し、この撒餌籠１を通過する海水は返
送管路Ｅより収納容器Ａ内に戻される。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を図示された実施例に基づいて
詳述する。撒餌充填装置は、図１乃至図４に示されるよ
うに収納容器Ａにポンプ装置Ｂ、吐出部Ｃ、保持手段
Ｄ、返送管路Ｅを設けて主体が構成されている。収納容
器Ａは一般にアミエビと称される撒餌イを海水と一緒に
収納することができるようになったものであり、受け箱
２の上面開口に開閉自在な蓋体３を取付けて主体が構成
されており、蓋体３を閉じることで内部を密閉状態とす
ることができるようになっている。この蓋体３の一端は
受け箱２の一端に軸着されており、他端には操作つまみ
３ａが設けられ、この操作つまみ３ａを介して蓋体３を
開閉操作できるようになっている。ここで、収納容器Ａ
を構成する受け箱２と蓋体３とを内部が見える透明にし
てあると内部の撒餌イの状態（量）が蓋体３を開いたり
するようなことなく確認することができるものである。
勿論、受け箱２及び蓋体３は透明に限られるものではな
く、不透明とされていてもよいものである。受け箱２内
には図５に示されるように内筒４が設けられており、内
筒４の上縁に当接される蓋体３の内面には蓋体３を閉じ
た場合に内部の気密を保つためのパッキン５が設けられ
ている。内筒４の底部には中央に向けて下り傾斜する傾
斜面４ａが設けられており、中央下端縁には接続管６が
接続されている。接続管６は内筒４と受け箱２との間を
通って受け箱２の上部より受け箱２外に突出させられて
おり、接続管６の先部には逆Ｕ字状の吐出管７が設けら
れている。この吐出管７によって吐出部Ｃが形成されて
いる。

【０００８】蓋体３に取付けられたポンプ装置Ｂはポン
プ作用によって内筒４の内部の圧力を上昇させることが
できるようになっており、内筒４の内部の圧力が上昇す
ることによって内筒４内に入れられている撒餌イを海水
と共に接続管６を介して吐出部Ｃより吐出させることが
できるようになっている。ここで、図示されたものにあ
っては、ポンプ装置Ｂは蓋体３に取付けられているもの
について示しているが、受け箱２に取付けるようにして
あってもよいものである。このポンプ装置Ｂは有底筒状
の受け筒８内に押しボタン９を上下動自在に収納配置し
て主体が構成されており、押しボタン９と受け筒８の底
板８ａとの間にはコイルスプリングのようなバネ材１０
が収納配置されている。受け筒８の下部外周面にはネジ
部１１が設けられており、このネジ部１１を蓋体３に設
けられたネジ孔１２に螺着することによって受け筒８は
蓋体３に取付けられている。受け筒８の底板８ａには通
孔１３が穿設されており、押しボタン９には押しボタン
９の上下面に貫通する貫通孔９ａが設けられている。貫
通孔９ａの下端には逆止弁１４が設けられており、押し
ボタン９を下降移動させた場合には貫通孔９ａを閉じた
状態となり、バネ材１０によって押しボタン９が上昇移
動する場合には貫通孔９ａを開くようになっている。こ
こで、押しボタン９は上昇移動した場合に受け筒８より
抜け落ちたりしないように上昇時には受け筒８より抜け
落ちない所定位置で止まるようになっている。

【０００９】吐出部Ｃを構成する吐出管７の下方には受
け筒１５が設けられており、受け筒１５内には撒餌籠１
が入れられるようになっている。この受け筒１５は上部
側が下部側よりも大径となっていて撒餌籠１を斜め上方
からであっても入れやすいようになっており、受け筒１
５内に入れられる撒餌籠１は保持手段Ｄによって上部開
口１ａが吐出部Ｃの下方に位置するように保持されるよ
うになっている。

【００１０】保持手段Ｄは吐出管７の先部に設けられた
係止フック１６によって構成されており、この係止フッ
ク１６に撒餌籠１の把手１ｂを引っ掛けることで上部開
口１ａが吐出管７の下方に位置すると共に受け筒１５内
に収納される状態で撒餌籠１が吐出管７に吊り下げられ
るようになっている。１７は釣糸である。受け筒１５の
底部からは収納容器Ａ内に向けて返送管路Ｅが設けられ
ており、受け筒１５に受けられる海水は返送管路Ｅによ
って収納容器Ａ内に戻されるようになっている。内筒４
内に突出する返送管路Ｅの端部には逆止弁１８が設けら
れており、この逆止弁１８は返送管路Ｅ内の海水を内筒
４内の戻す方向に向けてのみ開くようになっている。こ
こで、図示された実施例にあっては、受け筒１５は返送
管路Ｅによって支持されているものを示しているが、受
け箱２の外面より支持突片（図示せず）を突設し、この
支持突片を受け筒１５に連結して受け筒１５の取付強度
の向上を図るようにしてもよい。

【００１１】しかして、撒餌イが浮遊する程度の海水を
撒餌イと共に収納容器Ａ内に入れて撒餌イを流動状で収
納容器Ａ内に収納し、使用者は撒餌籠１を受け筒１５内
に収納すると共に撒餌籠１の把手１ｂを係止フック１６
に引っ掛けて吐出部Ｃの下方に撒餌籠１を配置し、ポン
プ装置Ｂを動かしてポンプ作用を行わせることによって
収納容器Ａ内の撒餌イが海水と共に吐出部Ｃより順次撒
餌籠１内に吐出されて充填されるものである。つまり、
図６に示されるようにポンプ装置Ｂの押しボタン９を図
中矢印ａにて示されるように下方に押し込むと逆止弁１
４が閉じた状態で押しボタン９が下降移動することで受
け筒８内の空気が通孔１３から内筒４の上部空間内に押
し出され、これによって内筒４の内部の圧力が上昇して
内筒４内の海水と共に撒餌イが接続管６と吐出管７を介
して撒餌籠１内に吐出される。ここで、返送管路Ｅに設
けられる逆止弁１８は内筒４内に向けてのみ開くように
なっているので、押しボタン９の押し下げ動作時には閉
じた状態となっており、内筒４内部の圧力が返送管路Ｅ
より外部に抜けるようなことはない。そして、撒餌籠１
内に吐出された海水と撒餌イは、撒餌イのみが撒餌籠１
にて捕捉され、海水は図中破線矢印にて示されるように
撒餌籠１を通過して受け筒１５内に流れ出るものであ
る。つまり、海水の勢いと共に撒餌イを撒餌籠１内に吐
出させ、海水のみが水切りされて撒餌イのみが撒餌籠１
内に入れられることとなるものであり、海水と共に撒餌
イが撒餌籠１内に勢いよく吐出されることでポンプ装置
Ｂのポンプ作用を数回繰り返すことで撒餌籠１の底部よ
り撒餌イのみが詰まった状態で密に充填されるようにな
っており、ポンプ装置Ｂを動かすだけで撒餌イに触れた
りするようなことなく簡単に撒餌イを撒餌籠１内に密に
充填することができ、使用者が子供であっても手を汚し
たりするようなことなく簡単に撒餌イを撒餌籠１内に密
に充填することができるようになっている。

【００１２】次いで、押しボタン９より手を離すと図７
に示されるようにバネ材１０のバネ力によって押しボタ
ン９は上昇移動する。ここで、押しボタン９が上昇移動
するにあたって、逆止弁１４が開いて図中矢印ｂにて示
されるように受け筒８内に外部空気が流入する。また、
押しボタン９より手を離して内筒４内の圧力が抜けた状
態となると同時に返送管路Ｅの端部に設けられている逆
止弁１８が開いて受け筒１５にて受けられた撒餌籠１を
通過した海水は返送管路Ｅより内筒４内に再度戻される
ようになっている。つまり、海水のみが循環するように
なっており、撒餌イが少なくなった場合にはポンプ作用
を数回繰り返すことで収納容器Ａ内の撒餌イが撒餌籠１
にて捕捉されながら収納容器Ａ内の海水が循環すること
で収納容器Ａ内の撒餌イを残ることなく最後まで使い切
ることが出来るものである。しかも、内筒４の底部には
接続管６の入口部分に向けて下り傾斜する傾斜面４ａが
設けられているので、海水中の撒餌イが接続管６の入口
部分の近傍に集まることとなり、受け箱２の底の端部に
撒餌イが溜まったりすることがないものである。

【００１３】そして、撒餌イの充填後は係止フック１６
より撒餌籠１の把手１ｂを外して引き上げることで簡単
に取り出すことができるものであり、この撒餌イが密に
充填された撒餌籠１を海中に投げ込んで釣りを行うもの
である。

【００１４】上述した実施例にあっては、ポンプ装置Ｂ
は使用者が押しボタン９を上下動させることでポンプ作
用を行わせるようになった手動式のものである場合を示
したが、このもののみに限定されるものではなく、操作
スイッチの操作によって電動ポンプにて内筒４内に所定
量の空気を送り込むようになった電動式のものであって
もよいものである。

【００１５】また、蓋体３は一端が軸着され、この軸着
部分を支点として開閉させるようになったものについて
示したが、蓋体３の内側に設けられたネジ部（図示せ
ず）を受け箱２の上端外周面に設けられたネジ部（図示
せず）に螺着して直接取付けるようになったネジ止め式
であってもよいものである。また、図示された実施例に
あっては、収納容器Ａは円筒状である場合を示している
が、このもののみに限定されるものではなく、角筒状等
の他の形状であってもよい。また、図示していないが、
蓋体３の上にポンプ装置Ｂを覆うように覆い蓋（図示せ
ず）を設け、この覆い蓋に設けられた把手を持って撒餌
充填装置を持ち運びできるようにしてあってもよいもの
である。また、受け箱２より外方に突出する接続管６及
び返送管路Ｅを途中で分離可能に構成しておくことで、
持ち運び時には受け箱２より接続管６や返送管路Ｅが突
出しない状態として持ち運ぶことができるものであり、
使用場所で組み立てるようにすることで持ち運び時に接
続管６や返送管路Ｅが邪魔になったり、他の部材に引っ
掛けたりして変形または破損するのを防止することがで
きるものである。

【００１６】

【発明の効果】本発明は上述のように、海水と共に撒餌
を収納する密閉型の収納容器と、収納容器内に空気を送
り込むポンプ装置と、ポンプ装置のポンプ作用に伴って
海水と共に撒餌を吐出する吐出部と、上部開口が吐出部
の下方に位置するように撒餌籠を保持する保持手段と、
吐出部より吐出された海水を収納容器内に返送する返送
管路とを備えているので、ポンプ装置のポンプ作用によ
って吐出部から撒餌籠内に海水と共に撒餌を吐出させる
ことができ、撒餌のみが撒餌籠にて捕捉されて海水は撒
餌籠を通過することで撒餌のみを撒餌籠内に底部側から
順次充填していくことができるものであり、手で触れた
りするようなことなく簡易且つ確実に撒餌籠内に多量の
撒餌を密に充填することができるものである。また、撒
餌と共に吐出される海水は返送管路によって順次収納容
器内に戻されるようになっており、収納容器内に何度も
海水を入れるような必要がないものである。また、撒餌
籠の把手が引っ掛けられると共に吐出部に設けられた係
止フックにて保持手段を構成してあるので、吐出部の下
方に撒餌籠を立てた状態で配置することを前提としたも
のにおいて把手を係止フックに引っ掛けるようにするこ
とで吐出部の下方に吊り下げるようにして傾いたりする
ようなことなく安定した状態で立てた状態で撒餌籠を配
置することができるものであり、しかも、吐出部より下
方に向けて吐出される撒餌を撒餌籠内に安定して順次充
填配置することができ、つまり、撒餌を撒餌籠内に密に
入れる場合には撒餌籠内に勢いよく海水と共に撒餌を何
回も吐出させることとなるものであるが、このような操
作をした場合に水圧等によって撒餌籠が傾いたりするよ
うなことが考えられるが、把手を係止フックに係止して
吐出部の下方に吊り下げた状態で撒餌籠を配置してある
ことによって水圧等によって撒餌籠が傾いたりするよう
なことなく撒餌籠内に順次撒餌を充填配置することがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す斜視図である。

【図２】同上の正面図である。

【図３】同上の側面図である。

【図４】同上の平面図である。

【図５】同上の断面図である。

【図６】同上の作用を示す断面図である。

【図７】同上の作用を示す断面図である。

【図８】従来例を示す平面図である。

【図９】同上の作用を説明する説明図である。

【符号の説明】

Ａ 収納容器 Ｂ ポンプ装置 Ｃ 吐出部 Ｄ 保持手段 Ｅ 返送管路 イ 撒餌 １ 撒餌籠 １ａ 上部開口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 海水と共に撒餌を収納する密閉型の収納
   容器と、収納容器内に空気を送り込むポンプ装置と、ポ
   ンプ装置のポンプ作用に伴って海水と共に撒餌を吐出す
   る吐出部と、上部開口が吐出部の下方に位置するように
   撒餌籠を保持する保持手段と、吐出部より吐出された海
   水を収納容器内に返送する返送管路とを備え、撒餌籠の
   把手が引っ掛けられると共に吐出部に設けられた係止フ
   ックにて上記保持手段を構成して成ることを特徴とする
   撒餌籠への撒餌充填装置。