JP2592576B2 - 撒餌籠への撒餌充填装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、サビキ釣りと称される
釣法で用いられる撒餌籠内に撒餌を充填するための撒餌
籠への撒餌充填装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、サビキ釣りと称される釣法では一
般にアミエビと称される撒餌を充填する撒餌籠が用いら
れるものであり、釣り人は撒餌籠内に撒餌を充填し、こ
の撒餌籠内に充填された撒餌が海中で拡散されることで
魚を寄せるようにして釣りを行うようにしている。とこ
ろで、撒餌籠内に撒餌を充填するにあたっては、従来は
スプーンや指を利用して充填作業を行うようにしている
ものであるが、撒餌に手が触れてしまうために撒餌の臭
いが手に付いたり、充填作業を思うように行うことがで
きない等の問題があり、撒餌を手で触れずに簡易に撒餌
籠内に充填することができるものが従来から望まれてい
る。このため、例えば、図５に示されるようなものも提
供されている。このものは、上面が開口するバケツ３０
の底部に撒餌籠１を落とし込むことができる凹所３１が
凹設されており、凹所３１の周囲には凹所３１と連通す
るように巾狭の複数の溝部３２が設けられており、海水
と共に撒餌イをバケツ３０内に入れ、凹所３１内に撒餌
籠１を落とし込んで上下動させることで撒餌籠１内に撒
餌イが充填されるようになっている。つまり、凹所３１
内に撒餌籠１を落とし込むようにして上下移動させると
図６に示されるように凹所３１内の水が撒餌籠１によっ
て溝部３２を介してバケツ３０の上部に押し出されてバ
ケツ３０内で図中矢印にて示されるように回流が発生
し、この回流によって撒餌籠１内に撒餌イが充填される
ようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来例にあっては、単に回流の作用のみによってバケツ
３０内の水中で順次撒餌籠１内に撒餌イを充填していく
というものであるために、回流を発生させるために何回
も撒餌籠１を上下移動させると一旦撒餌籠１内に入った
撒餌イが撒餌籠１より外に出てしまうようなことがあ
り、撒餌籠１への撒餌イの充填が不確実なものになりや
すいという問題があった。また、撒餌籠１内に充填され
る撒餌イは浮遊した状態で撒餌籠１内に入るために撒餌
籠１内に多量の撒餌イを密に充填することができないと
いう問題があった。

【０００４】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、手で触れたりするようなことなく簡易且つ確
実に撒餌籠内に多量の撒餌を密に充填することができる
撒餌籠への撒餌充填装置を提供しようとするものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、流動状の撒餌イを収納する収納容器Ａ
と、ポンプ作用によって収納容器Ａ内の撒餌イを吸い上
げるポンプ装置Ｂと、ポンプ装置Ｂに接続されると共に
ポンプ装置Ｂにて吸い上げられた撒餌イを吐出する吐出
部Ｃと、上部開口１ａが吐出部Ｃの下方に位置するよう
に撒餌籠１を保持する保持手段Ｄとを備え、撒餌籠１の
把手１ｂが引っ掛けられると共に吐出部Ｃに設けられた
係止フック１５にて上記保持手段Ｄを構成し、受け箱２
の上部に蓋板３を設けて上記収納容器Ａを構成し、吐出
部Ｃの下方に位置すると共に上縁 部が収納容器Ａの蓋板
３よりも下方に位置するようにして受け箱２内に撒餌籠
１を吊り下げ保持する位置に上記係止フック１５を配置
したことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】しかして、ポンプ装置Ｂによって吸い上げられ
た撒餌イは吐出部Ｃより直接撒餌籠１の上部開口１ａよ
り撒餌籠１内に充填されるものであり、ポンプ装置Ｂの
ポンプ作用を数回繰り返すことによって撒餌籠１内に順
次撒餌イを充填していくことができ、手を汚したりする
ようなことなく簡易且つ確実に撒餌イを撒餌籠１内に密
に充填することができる。また、撒餌イの充填時に撒餌
籠１から出る水は蓋板３上に飛散したりするようなこと
なく容器２内に確実に戻される。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を図示された実施例に基づいて
詳述する。撒餌充填装置は、図１に示されるように収納
容器Ａにポンプ装置Ｂ、吐出部Ｃ、保持手段Ｄを設けて
主体が構成されている。収納容器Ａは一般にアミエビと
称される撒餌イを海水と一緒に収納することができるよ
うになったものであり、受け箱２の上面開口に開閉自在
な蓋板３を着脱自在に取付けて主体が構成されている。
受け箱２の側面には受け箱２内の水位を確認するための
水量目印（図示せず）が設けられている。２１は受け箱
２と蓋板３とを着脱自在に連結するための連結部材であ
る。受け箱２の底部には後述するポンプ装置Ｂに設けら
れた吸い込み管１１の下端の位置に向けて下り傾斜する
傾斜面２ａが設けられている。ここで、収納容器Ａを構
成する受け箱２と蓋板３とを内部が見える透明にしてあ
ると内部の撒餌イの状態（量）が蓋板３を開いたりする
ようなことなく確認することができるものである。勿
論、受け箱２及び蓋板３は透明に限られるものではな
く、不透明とされていてもよいものである。

【０００８】ポンプ装置Ｂはポンプ作用によって収納容
器Ａ内に入れられている撒餌イを吸い上げることができ
るようになっており、蓋板３に取付けられている。ここ
で、図示されたものにあっては、ポンプ装置Ｂは蓋板３
に取付けられているものについて示しているが、受け箱
２に取付けるようにしてあってもよいものである。この
ポンプ装置Ｂは図２に示されるように筒体４の底部に逆
止弁５，６を内蔵した流路切り換え部７を設け、筒体４
の上部に筒体４内に収納配置された弁体８を上下動させ
るための把手９を設けて主体が構成されている。把手９
と弁体８とは支持軸１０によって相互に連結されてい
る。流路切り換え部７からは下方に向けて吸い込み管１
１が突設されており、この吸い込み管１１の先部は吸い
込み量を多くすることができるように斜めにカットされ
ている。また、流路切り換え部７からは接続管１２が突
設されており、接続管１２には吐出管１３が連結され、
この吐出管１３によって吐出部Ｃが構成されている。上
記逆止弁５，６は流路切り換え部７より突設された吸い
込み管１１と接続管１２の接続部位にそれぞれ設けられ
ている。吐出部Ｃを構成する吐出管１３は蓋板３の上面
側に突設されており、先部は蓋板３に設けられた開口部
１４に臨んでいる。この開口部１４は撒餌イが入れられ
ることとなる撒餌籠１を出し入れするのに充分な大きさ
とされており、開口部１４内に入れられた撒餌籠１は保
持手段Ｄによって上部開口１ａが吐出部Ｃの下方に位置
するように保持されるようになっている。

【０００９】保持手段Ｄは吐出管１３の先部に設けられ
た係止フック１５によって構成されており、この係止フ
ック１５に撒餌籠１の把手１ｂを引っ掛けることで上部
開口１ａが吐出管１３の下方に位置すると共に収納容器
Ａ内に収納される状態で撒餌籠１が吐出管１３に吊り下
げられるようになっている。ここで、開口部１４には開
閉自在な蓋（図示せず）を設けるようにしてあってもよ
い。２０は釣糸である。

【００１０】しかして、撒餌イが浮遊する程度の海水を
収納容器Ａ内に入れて撒餌イを流動状で収納容器Ａ内に
収納し、使用者は撒餌籠１を開口部１４内に収納すると
共に撒餌籠１の把手１ｂを係止フック１５に引っ掛けて
吐出部Ｃの下方に撒餌籠１を配置し、ポンプ装置Ｂを動
かしてポンプ作用を行わせることによって収納容器Ａ内
の撒餌イが海水と共に吸い上げられて吐出部Ｃより順次
撒餌籠１内に吐出されて充填されるものである。つま
り、図３に示されるようにポンプ装置Ｂの把手９を図中
矢印ａにて示されるように上方に引き上げると逆止弁５
が開いて収納容器Ａ内の海水と共に撒餌イがポンプ装置
Ｂの筒体４内に吸い上げられる。ここで、逆止弁６は吐
出部Ｃ側に向けてのみ開くようになっているので流路切
り換え部７内に吸引力が働いている状態では閉じた状態
となっている。次いで、図４中矢印ｂに示されるように
ポンプ装置Ｂの把手９を下方に押し下げると逆止弁５が
閉じられた状態になると共に逆止弁６が開いて筒体４内
に吸い上げられた撒餌イは海水と共に吐出部Ｃから撒餌
籠１内に吐出される。そして、撒餌籠１内に吐出された
海水と撒餌イは、撒餌イのみが撒餌籠１にて捕捉され、
海水は図中破線矢印にて示されるように収納容器Ａ内に
戻されるものである。つまり、海水の勢いと共に撒餌イ
を撒餌籠１内に吐出させ、海水のみが水切りされて収納
容器Ａ内に戻されるようになっており、海水と共に撒餌
イが撒餌籠１内に勢いよく吐出されることでポンプ装置
Ｂのポンプ作用を数回繰り返すことで撒餌籠１の底部よ
り撒餌イのみが詰まった状態で密に充填されるようにな
っており、ポンプ装置Ｂを動かすだけで撒餌イに触れた
りするようなことなく簡単に撒餌イを撒餌籠１内に密に
充填することができ、使用者が子供であっても手を汚し
たりするようなことなく簡単に撒餌イを撒餌籠１内に密
に充填することができるようになっている。また、撒餌
イが少なくなった場合にはポンプ作用を数回繰り返すこ
とで収納容器Ａ内の撒餌イが撒餌籠１にて捕捉されなが
ら収納容器Ａ内の海水が循環することで収納容器Ａ内の
撒餌イを残ることなく最後まで使い切ることがきるもの
である。しかも、受け箱２の底部には吸い込み管１１に
向けて下り傾斜する傾斜面２ａが設けられているので、
海水中の撒餌イが吸い込み管１１の近傍に集まることと
なり、受け箱２の底の端部に撒餌イが溜まったりするこ
とがないものである。ここで、この撒餌充填装置にあっ
ては、ポンプ装置Ｂ自体によって収納容器Ａ内の撒餌イ
を海水と共に吸い上げる構造であるために収納容器Ａを
高い密閉性のある構造とする必要がない。

【００１１】そして、撒餌イの充填後は係止フック１５
より撒餌籠１の把手１ｂを外して引き上げることで簡単
に取り出すことができるものであり、この撒餌イが充填
された撒餌籠１を海中に投げ込んで釣りを行うものであ
る。上述した実施例にあっては、ポンプ装置Ｂは使用者
が把手９を上下動させることでポンプ作用を行わせるよ
うになった手動式のものである場合を示したが、このも
ののみに限定されるものではなく、電動式のものであっ
てもよいものである。また、ポンプ作用を行わせるにあ
たり、逆止弁５，６によって一方方向に向けて撒餌イを
吸い上げ移動させるようになっているものについて示し
たが、ギヤを用いるようにしたギャードポンプのような
ものであってもよいものである。また、ポンプ装置Ｂの
把手９は支持板９ａ間に支持棒９ｂを架設した構成であ
るものを示しているが、このもののみに限定されるもの
ではなく、要はポンプ作用を行わせるにあたって操作を
行いやすい形状であれば他の形状であってもよいもので
ある。また、図示された実施例にあっては、収納容器Ａ
は角箱状または円筒状である場合を示しているが、この
もののみに限定されるものではなく、角筒状等の他の形
状であってもよい。また、図示していないが、蓋板３の
上に各装置を覆うように覆い蓋（図示せず）を設け、こ
の覆い蓋に設けられた把手を持って撒餌充填装置を持ち
運びできるようにしてあってもよいものである。そし
て、撒餌充填装置を持ち運びする場合には開口部１４に
着脱自在な閉じ蓋を取付けるようにすることが望まし
い。

【００１２】

【発明の効果】本発明は上述のように、流動状の撒餌を
収納する収納容器と、ポンプ作用によって収納容器内の
撒餌を吸い上げるポンプ装置と、ポンプ装置に接続され
ると共にポンプ装置にて吸い上げられた撒餌を吐出する
吐出部と、上部開口が吐出部の下方に位置するように撒
餌籠を保持する保持手段とを備えているので、ポンプ装
置のポンプ作用を数回繰り返すことによって吐出部から
撒餌籠内に順次撒餌を充填していくことができるもので
あり、手で触れたりするようなことなく簡易且つ確実に
撒餌籠内に多量の撒餌を密に充填することができる上に
撒餌籠の把手が引っ掛けられると共に吐出部に設けられ
た係止フックにて保持手段を構成し、受け箱の上部に蓋
板を設けて上記収納容器を構成し、吐出部の下方に位置
すると共に上縁部が収納容器の蓋板よりも下方に位置す
るようにして受け箱内に撒餌籠を吊 り下げ保持する位置
に上記係止フックを配置してあるので、吐出部の下方に
撒餌籠を立てた状態で配置すると共に海水と共に吐出部
より吐出される撒餌を水切りしながら撒餌籠内に密に充
填配置させることを前提としたものにおいて把手を係止
フックに引っ掛けるようにすることで吐出部の下方に吊
り下げるようにして傾いたりするようなことなく安定し
た状態で立てた状態で撒餌籠を配置することができるも
のであり、しかも、撒餌の充填時に撒餌籠から出る水は
蓋板上に飛散したりするようなことなく容器内に確実に
戻されるものであり、吐出部より下方に向けて吐出され
る撒餌を水切りしながら撒餌籠内に安定して順次充填配
置することができ、つまり、撒餌を撒餌籠内に密に入れ
る場合には撒餌籠内に勢いよく海水と共に撒餌を何回も
吐出させることとなるものであるが、このような操作を
した場合に水圧等によって撒餌籠が傾いたりするような
ことが考えられるが、把手を係止フックに係止して吐出
部の下方に吊り下げた状態で撒餌籠を配置してあること
によって水圧等によって撒餌籠が傾いたりするようなこ
となく撒餌籠内に順次撒餌を充填配置することができる
と共に撒餌籠から出る水切りされた海水は蓋板上に飛散
することなく容器内に確実に戻されるものであり、撒餌
籠への撒餌の充填作業を行うにあたって周囲が濡れた
り、汚れたりするようなことなく容易に且つ確実に行う
ことができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す斜視図である。

【図２】同上の断面図である。

【図３】同上の作用を説明する断面図である。

【図４】同上の作用を説明する断面図である。

【図５】従来例を示す平面図である。

【図６】同上の作用を説明する説明図である。

【符号の説明】

Ａ 収納容器 Ｂ ポンプ装置 Ｃ 吐出部 Ｄ 保持手段 イ 撒餌 １ 撒餌籠 １ａ 上部開口１ｂ 把手 ２ 受け箱 ３ 蓋板 １５ 係止フック

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 流動状の撒餌を収納する収納容器と、ポ
   ンプ作用によって収納容器内の撒餌を吸い上げるポンプ
   装置と、ポンプ装置に接続されると共にポンプ装置にて
   吸い上げられた撒餌を吐出する吐出部と、上部開口が吐
   出部の下方に位置するように撒餌籠を保持する保持手段
   とを備え、撒餌籠の把手が引っ掛けられると共に吐出部
   に設けられた係止フックにて上記保持手段を構成し、受
   け箱の上部に蓋板を設けて上記収納容器を構成し、吐出
   部の下方に位置すると共に上縁部が収納容器の蓋板より
   も下方に位置するようにして受け箱内に撒餌籠を吊り下
   げ保持する位置に上記係止フックを配置して成ることを
   特徴とする撒餌籠への撒餌充填装置。