JPH08242912A - 物品の重力を利用する布体掛け止め手段 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、方向性起毛布体の係合力と物品の重
力とを利用して、衣類繊維に物品を掛け止めする事を目
的とする。 【構成】本発明の布体掛け止め手段は、芯材となる台板
上に方向性起毛布体を装着し、其の台板の他面に所定厚
み、所定幅の弾力性物質層を介するか又は介せず、係合
又は接着素子を装着した構造より成り、此を物品の一面
に固着又は取り外し自在に取り付けて、其の物品の重力
と起毛の係止力とで、所定の織物面上に物品を掛け止め
する様に構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、物品の重力を利用して
その表面に接着、縫合或は係止された方向性を持つ起毛
布体に依り、対向する繊維物質面上に当該物品を掛け止
めする手段に関し、特に此の種掛け止め手段の裏面に弾
力性物質層を装着して物品を掛け止めすると同時に、此
の面に加わる圧力に依って或る程度の面膨張又は面収縮
を可能とする掛け止め手段に係り、其の目的とするとこ
ろは、衣類等のずれ落ち或いはめくれ上がりを防止する
と供に、体形の変化に適応し得る衣類寸法の余裕を付与
せんとするものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、此の種掛け止め又は係止手段とし
ては、ホツク、ボタン、金属ファスナー、ベルクロファ
スナー等多数提案され、販売されている。本発明も此の
種係止手段と略同等の目的に使用されるものである。

【０００３】

【発明が解決せんとする課題】総じて、上記諸種の掛け
止め手段は、いずれも相対する雌雄係止素子を必要と
し、此等両素子の嵌合、噛合、係合等に依って、物品を
掛け止めする事を特徴とし、いずれか一方の素子だけで
は用をなさず、従って衣服えの使用に於ては、両者を掛
け止め対称面に夫々装着せねばならない欠点がある。

【０００４】

【課題を解決する為の手段】本発明に於ては、一方の掛
け止め素子又は係止素子、換言すれば雄型掛け止め素子
のみで上記した従来の係止手段と等しい作用を持った掛
け止め手段を提供せんとするものであり、特に方向性起
毛素子を利用し、其の起毛素子の掛け止め基体となる衣
服繊維間えの食い込みと、其の素子の装着基体となる物
品の重力との相乗作用で、衣服と前記素子装着物品とを
掛け止めし、前者のめくれ上がりと後者のずれ落ちとを
防止する如く構成したものである。

【０００５】又一方、弾力性物質を介して装着基体とな
る物品上に固着又は取り外し自在に装着する事に依り、
前記掛け止め基体となる衣服と重力的に掛け止め出来る
と同時に、装着基体ともなる物品、例えばズボン或はス
カートの寸法上の余裕を付与する事が出来る様に構成し
たものである。此の様にして本発明の布体掛け止め手段
は、従来のベルクロファスナー手段と異なり、雄型掛け
止め又は係止素子のみで装着基体とする物品の重力の作
用のもとに、掛け止め基体たる衣服に固く係止され得る
係合手段を提供する。

【０００６】

【発明の作用】此の様にして本発明の布体掛け止め手段
は、従来のベルクロファスナー等と異なり、其の起毛特
に一方向性起毛面が相対する掛け止め基体の衣服の織目
繊維間に係合すると同時に、被掛け止め物品例えばズボ
ンの重力に依り、確固として前者の織目無いに食い込ん
で前者のめくり上がり、後者のずれ落ちを防止する如く
作用する。

【０００７】又一方では、起毛布体の台板上に装着され
た弾力性物質は、適度な圧迫力を起毛面から与えると同
時に、其の弾力性に依って、着用者の若干の体形変化に
対応し得る如く収縮し且つ膨張する事が出来る一方、取
り付け部即ちウエスト部の発汗水分を吸収し得る効果も
備えている。

【０００８】更に、携帯品のボケット等からのずれ落ち
防止に於ては、此の起毛方向を上記物品の場合と逆方向
に揃えれば、落下せんとする携帯品の重力で掛け止め基
体のポケット内の布体に強く引っ掛かり、其の脱落を防
止する事が可能となる。

【０００９】

【実施例】本発明の一般的な布体掛け止め手段（１）
は、図１に示す如く、芯材又は台座（７）上に、被覆縫
合されるか或は接着された一方向性起毛布体（２）（以
下起毛布体と記載する）の裏面に、ベルクロ（登録商
標）ファスナー（８）を縫合するか或は接着した構成よ
り成り、前記起毛布体の起毛（３）（３）．．を織物横
糸（４）（４）．．．，縦糸（５）（５）．．．間の微
細空間（６）（６）．．内に圧入係合させ、例えば前記
ベルクロファスナー、両面テープ等の取り付け手段
（８）に依って係合装着された衣料物品例えばズボン
（９）の矢印方向の自重に依り、前記織物繊維（４）
（４）．．に確実に掛け止めされる様に構成されてい
る。勿論此の場合、掛け止めされるべき物品（９）が軽
量である場合は、単なる係り止能力のある起毛布体で良
いが、スボンの如き重量物品では、前記起毛布体は逆起
毛布体であるのが好ましい。

【００１０】此の様な布体掛け止め手段（１）は又、図
２及び図３の如く、起毛布体台座（７）と前記ベルクロ
ファスナー等の取り付け手段（８）との間に、弾力性物
質層又は帯（１０）を介在させて、体形の変化にともな
う物品例えばズボン（９）えの適応性を確保する様に構
成する事も可能である。以下に上記２種類の掛け止め手
段（１）（１）の使用例を図４及び図５の繊維物質即ち
ズボン（１１）及びスカート（１３）を参照して説明す
る。

【００１１】先ず図５には、上記弾力性物質（１０）の
装着されていない掛け止め手段（１）の使用例が示され
ているが、此の例に於ては、スカート（１３）のウェス
トベルト部（１４）の内側部に取り外し自在に又は取り
外し不能に装着している。此の掛け止め手段（１１）
は、図１に示す台座（７）の裏面に少なくとも１個の両
面テープ、ベルクロファスナー（８）又はホック（図示
せず）等の係止素子を装着し、此を着用してファスナー
又はジッパー（１５）を緊締した場合、起毛（３）
（３）．．は、ジッパー（１５）に依る圧迫とスカート
の自重とに依って、上着繊維（４）（５）の織り目
（６）（６）．．内に固く食い込み、スカート（１３）
のずれ落ちと上着のまくれ上がりとを防止する。勿論、
上記係り止め手段（１）は、縫合、接着に依ってウエス
ト部に固着しても良いが、掛け止め素子共々洗濯に依っ
て劣化しない材料を選択すべきである。

【００１２】図４には、図３の掛け止め手段（１）
（１）．．のズボン（１１）えの適用例が示されてい
る。本例に於ては、図３の弾性物質層（１０）をウェス
トベルト部（１２）の内側部全体にわたり帯状に固着
し、其の上層に固着又は取り外し自在に少なくとも１個
以上、好ましくは２個の細長い掛け止め手段（１）
（１）を適当な距離を置いて取り付けたものである。此
の様な構成に於て、ジッパー（１１）を緊締して着服し
た場合、前例と同様起毛（３）（３）．．は、ジッパー
の締め付力とズボンの自重とに依って、上着の繊維織り
目内に固く食い込んで、ズボンのずれ落ちと上着のめく
れ上がりとを防止する。

【００１３】一方、本例に於ける弾性物質層（１０）
は、其の適当な弾撥力で起毛（３）（３）．．が上着繊
維目に食い込む押圧力を与えているが、着用者の体形の
変化、例えば腹部の肥満又は痩減に依っても収縮又は膨
張して、多少スボンの寸法を融通し且つ調節し得る能力
を持っている。更に又、発汗作用に於ては、汗吸収作用
も呈し、腹部の保温等の効果も有している。勿論、此の
弾性物質層（１０）は、掛け止め手段（１）と同じ寸法
としても良いが、最も注意せねばならない事は、洗濯の
繰り返しに依っても劣化しない弾力性物質、例えば適当
厚み、適当幅のフェルト等を使用するのが好ましい。

【００１４】図７及び図８には、更に他の実施態様が示
されている。此の態様では、財布（１６）及び定期入れ
（１７）の面上に、上記ズボン等の場合と逆方向に起毛
した布体掛け止め手段（１）を固着した物品が示されて
いる。此の場合に於ては、ポケットに収納された物品の
重力方向とは逆方向に起毛されているので、ポケットに
挿入する時は自由に入り、脱落時には起毛が繊維織り目
に食込んで、其のずれ落ちを防止する如く作用してい
る。

【００１５】以上、本発明の典型的な実施例を説明した
が、本発明の掛け止め手段は此等の物品以外にも様々な
物品又は手段例えばハンガー、ディスプレー等に利用す
る事も出来、又土記定期入れ等は、簡単な衣服のごみ取
り用のブラッシュとしても利用出来る等、極めて広い利
用面、応用面を備えている。

【００１６】

【発明の効果】本発明の布体掛け止め手段は、上記の如
き構成及び作用に依って、以下の如き優れた諸効果を備
えている。 （１）一方向性起毛布体を衣類の掛け止め素子として利
用するのでベルクロファスナーの如く雌雄両係止素子を
必要とせず経済的である。 （２）ズホン、スカートのベルト代わりに使用すれば、
ウェストの締めつけ及び圧迫感がなく、すっきりとして
ファッション的である。 （３）ズホンのずれ落ち、上着のはみ出しが防げる。 （４）弾性物質層又は帯を併用すれば、或る程度の体形
の変化に着衣が対応出来て経済的である。 （５）弾性物質層の多孔性の為、汗を良く吸収する。 （６）諸種の携帯品に取り付けて脱落、紛矢を防止する
と同時に、着衣のゴミ取りブラッシュとしても利用でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の布体掛け止め手段の拡大図で、織物
布に係合した場合を示す縦断面図である。

【図２】 本発明の布体掛け止め手段の一実施態様を示
す平面図である。

【図３】 図２の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿って切断した断
面図である。

【図４Ａ】 本発明の布体掛け止め手段をウェスト部内
側に装着したベルトレスズボンを示す図面である。

【図４Ｂ】 図４Ａの本発明の布体掛け止め手段取り付
け位置及び状態を示す拡大説明図である。

【図５Ａ】 本発明の布体掛け止め手段を女性用スカー
トのウェスト部に取り付た他の実施態様を示す図面であ
る。

【図５Ｂ】 図４Ａの本発明の布体掛け止め手段取り付
け位置及び状態を示す拡大説明図である。

【図６】 本発明の布体掛け止め手段を弾性物質帯上に
装着して図４の如くベルト代わりに使用する実施態様を
示す正面図である。

【図７】 本発明の布体掛け止め手段を取り付けた財布
を示す、斜視図である。

【図８】 本発明の布体掛け止め手段を取り付けた定期
券入れを示す正面図である。

【符合の説明】

（１） 布体掛け止め手段 （２） 一方向性起毛布体 （３） 起毛 （４） 織物横糸 （５） 織物縦糸 （６） 織物微細空間 （７） 台座 （８） ベルクロファスナー （９） 衣料物品

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】物品の表面に接着、縫合或は係止される一
   面を備えた弾力性物質層の他面に、自重に依って繊維物
   質上に掛け止めされる方向生起毛布体の裏面を装着した
   事を特徴とする物品の重力を利用する布体掛け止め手
   段。
2. 【請求項２】上記弾力性物質層が物品の表面に固着又は
   着脱自在とされるベルト状の層を呈し、少なくとも１個
   の上記起毛布体が固着又は着脱自在に装着されている事
   を特徴とする請求項１記載の布体掛け止め手段。
3. 【請求項３】上記弾力性物質層の代わりに適当な硬さを
   備えた台板を充当し、その台板の一面に接着テープ或は
   布体ファスナーを装着した事を特徴とする請求項１記載
   の布体掛け止め手段。
4. 【請求項４】上記物品が衣類である事を特徴とする上記
   請求項１乃至３各項記載の布体掛け止め手段。
5. 【請求項５】上記物品が財布、パスポート等の携帯品で
   ある事を特徴とする上記請求項１乃至３各項記載の布体
   掛け止め手段。