JPH08240544A - 曇り点測定方法及び曇り点計 - Google Patents

曇り点測定方法及び曇り点計

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JPH08240544A
JPH08240544A JP6897995A JP6897995A JPH08240544A JP H08240544 A JPH08240544 A JP H08240544A JP 6897995 A JP6897995 A JP 6897995A JP 6897995 A JP6897995 A JP 6897995A JP H08240544 A JPH08240544 A JP H08240544A
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雅之 森
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Abstract

(57)【要約】 【構成】測定対象試料と接液する検出エリアに光を入射
する入射路、及び検出エリアからの散乱光を検出するた
めの複数の出射路から成る導波構造の導波路を具備し、
その導波路に当接して冷却手段または加熱手段を備えて
いることを特徴とする曇り点計及び試料へ光を入射しな
がら測定対象試料を所定の温度範囲で冷却または加熱
し、試料中の析出物の析出による入射光の散乱の変化を
検知することにより曇り点を測定することを特徴とする
曇り点測定方法。 【効果】高精度で高速の曇り点の測定が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、曇り点測定方法並びに
そのために有用な曇り点計に関するものであり、特には
石油業界で軽油などの石油製品及びその他の化学工業液
体製品における、固形分の析出あるいは分離、水分の除
去その他の状態変化による曇りを測定するための曇り点
測定方法および曇り点計に関する。
【0002】
【従来の技術】石油精製工程における製品の一つである
軽油中にはパラフィンが含有されている。パラフィン分
は室温付近で固体であるために軽油中のパラフィン含有
率が上昇すると、冬場の低温条件で軽油の流動性が低下
する。こうした軽油、潤滑油のような石油製品の試料を
規定の方法で冷却していたとき、パラフィンが析出また
は分離して試料容器全体が曇り始める点を曇り点とい
う。可塑剤や界面活性剤においても同様の現象が存在す
る。曇り点測定は冬場の石油製品規格として重要であ
る。この他にも、多くの化学製品において冷却に際して
固体分の析出の測定を必要とする状況が存在する。
【0003】JIS K 2269は原油および石油製品の流動点
並びに石油製品曇り点試験方法を規定している。その曇
り点試験方法の概要に従えば、「試験管にとった45mlの
試料を冷却浴の外管にいれて、規定の方法で冷却する。
試料の温度が1℃下がるごとに試験管を取り出し、試料
底部に曇りが生じたときの温度を曇り点とする。」と記
載されている。さらに、備考として、「自動曇り点試験
器を用いてもよい。ただし、本試験方法によって得られ
た結果との間に有意差のないことをJIS Z 8402によって
確認してから用いる。」と記載されている。試験装置と
して、中央に試料用温度計を垂直にコルク栓により固定
した試験管と該試験管を収容するコルクないしまたはフ
ェルト製の底部円板を備える外管及び冷却溶液用温度計
を装備する冷却浴が用意される。試験管はその周囲に密
着した環状ガスケットを介して外管に出し入れされる。
試験管の周囲に密着した環状ガスケットは外管にゆるく
当接して試験管を外管内で垂直に支持する。試験の手順
は次の通りとされる: (1)試料を予期曇り点より14℃以上高い温度に保つ。 (2)試料を試験管の標線(中央)の高さまで注ぐ。 (3)温度計を付けたコルク栓で試験管を密栓する。こ
のとき、温度計は試験管の中央で直立し、その先端は試
験管の底に触れるようにする。 (4)環状ガスケットを付けた試験管を底部円板を底に
入れた外管に入れる。 (5)試験管を入れた外管を第一冷却浴にいれ、外管が
冷却溶液から25mm以上に出ないように垂直に支持す
る。 (6)試料温度が予期曇り点付近に達したら、1℃下が
るごとに試験管を速やかにしかも試料を動揺させないよ
うに外管からとりだし、試料の底部に曇りが生じたかど
うかを調べ、外管にもどす。 (7)この操作を繰り返して、試料の底部に明らかな曇
りやかすみが最初に認められた時の温度計の読みを記録
する。(試料温度が10℃に達しても曇りが認められない
場合は、試験管をもっと低い温度の第2冷却浴の外管に
移し、さらに試料温度が-7℃に達しても曇りが認められ
ない場合は、試験管をもっと低い温度の第3冷却浴の外
管に移す。) このように、手作業により試験管を注意深く外管に入れ
たりそこから出したりする面倒な操作を何回も反復する
ことを必要とする。米国においても、同様の規定があ
る。
【0004】自動曇り点試験器としては、石油製品の場
合、約50ccのサンプルを納めた容器を冷却槽内に置いて
2℃/分の冷却速度で冷却し、パラフィンの析出状態を光
吸収法あるいは光散乱法で検出している。この自動曇り
点試験方法は、曇り点測定の原理そのものを追従する方
法であるが、サンプル採取容器容量が大きいため被検出
体の温度均一性が必ずしも保証されず、また必要とされ
る室温から-20℃への冷却に時間がかかるため測定時間
が長いことに加えて、サンプルをいちいち大きな容器内
に採取しなければならず、面倒で作業時間および手間の
かかるものであった。ある程度の析出量をもって判定す
る光吸収法あるいは光散乱法での検出は正確性を欠い
た。一回の測定に約60分を要した。本発明の目的は、従
来より簡便にそして迅速に石油製品の曇り点を正確に測
定する新規な技術を開発することである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光を利用した精度の高
い微粒子検出法として、レーザ光の回折や散乱現象を利
用した方法がある。この方法は、例えば、半導体製造工
程で使用される超純水や高純度薬品中の不純物粒子計
測、粉体の粒度分布計測等で採用されている。測定対象
となる粒子に単色、平行ビームのレーザ光を照射する
と、空間的に回折/散乱光の光強度パターンが生じる。
この光強度パターンは、粒子の大きさに依存して変化す
る。例えば光散乱を例にとると、粒子径が入射レーザ光
の波長より大きい場合、散乱光は前方成分が支配的にな
り、粒子から発せられる回折/散乱光は前方の小さい範
囲に集中する(前方散乱)。一方、粒子径がレーザ波長
より小さくなってくると、前方散乱以外に側方、後方散
乱が起きるため、粒子から発せられる回折/散乱光は広
がりをもつ。したがって、測定対象中に光を入射し、出
射光の光強度分布パターンをみることで、微粒子の存在
やその粒子径を知ることができる。
【0006】発明者は、透明なサンプルセルに試料油を
入れてこれに可視レーザ光を入射しつつ、サンプルセル
全体を冷却槽中にて曇り点付近まで冷却してみた。その
結果曇り点において、まず、液体中に発生した析出微粒
子による光散乱が生じ、次に、セルの壁面等に析出物の
付着が起こり、その後これが厚く堆積していき、レーザ
光の透過を妨げるまでになった。また、セルの冷却速度
がはやくなっても、この析出微粒子の発生は一定の温度
において起こることがわかった。故に、初期の微粒子の
出現を検知することで曇り点の測定を精密にできること
がわかった。
【0007】従来のレーザ回折/散乱法に用いられてい
る測定装置は、光強度の強いレーザ光源、レーザ光を平
行ビームにするための光学レンズ(コリメータ)、粒子
群を含む液体等のサンプルを収納するための透明なサン
プルセル、サンプルセルからの出射光の検出を行なうた
めの検出光学系等の部分からなる比較的大型のオフライ
ン計が主に使用されている。このような装置において
は、各種光学系の精密な光軸合わせが必要となる。ま
た、光源からの光はサンプルセルに入射し、そのサンプ
ルセルからの出射光を検出することから、十分な入、出
射光強度の確保が精度良い測定を実現するため重要であ
り、例えば、レーザ光を細く絞るための光学系、サンプ
ルセル/試料界面での散乱防止策等が必要となってく
る。また、石油製品の曇り点測定においては、試料油中
に析出微粒子を生じる温度まで、サンプルセル全体を精
密に温度制御しつつ冷却するための機構を付与する必要
がある。
【0008】本発明者等は、上記のような従来のオフラ
イン測定機のもつ機能をより小型化し、かつ高精度の温
度制御を実現でき、オフラインのみならずオンラインで
も使用できるセンサヘッドを開発すべく検討を重ねた。
その結果、光ファイバを接続した導波路型センサと、冷
却機構または加熱機構の組み合わせがこの目的に最適と
の結論に達し、試作の結果、良好な動作性能を確認し
た。
【0009】すなわち、本発明は、測定対象試料へ光を
入射しながら測定対象試料を所定の温度範囲で冷却また
は加熱し、測定対象試料中の析出物の析出による入射光
の散乱の変化を検知することにより曇り点を測定するこ
とを特徴とする曇り点測定方法であり、測定対象試料と
接液する検出エリアに光を入射する入射路、及び検出エ
リアからの散乱光を検出するための複数の出射路から成
る導波構造の導波路を具備し、その導波路に当接して冷
却手段または加熱手段を備えていることを特徴とする曇
り点計であり、この検出エリアが凹形状であることを特
徴とする曇り点計であって、この冷却手段または加熱手
段がヒートシンク上に載置されたペルチェ素子、循環冷
媒による熱交換器、あるいはクライオスタットであるこ
とを特徴とする曇り点計を提供する。
【0010】この曇り点計は、基板上において交差する
入射路6および複数の出射路7、7'、7"からなる導波構
造の導波路を備えており、試料との接液部は、入射路お
よび出射路の交差点を含んだ領域を凹形状に形成されて
いる(図1)。この曇り点計においては、検出面上の凹形
状部分が検出エリアとなる。即ち、入射光ファイバより
入射し入射路を伝搬してきた入射光は凹形状部分におけ
る入射路端面から該検出エリアへある広がりを持って入
射する。入射光は、曇り点以上では、試料中を透過して
しまう(図1(a))が、試料を冷却していき曇り点に達
し、該検出エリア内に析出微粒子が発生すると、入射光
は光散乱等により出射路に再び入射し検知される(図1
(b))。例えば、光散乱の場合、前方散乱光成分は入射
路と対面方向に配置した出射路に入射し、出射光ファイ
バから検出される。同様にして、側方散乱光成分は入射
路に対して側方に配置した出射路、後方散乱成分は入射
路と同じ側に位置する出射路からそれぞれ検出されるこ
とになる。この出射光を検知することにより、析出微粒
子の存在、つまり曇り点を検出し、かつ、散乱光の前
方、側方、後方成分の光強度分布も測定できる。この時
点の温度は冷却または加熱手段とセンサ基板との接合部
に取り付けた測温体から判読する。
【0011】図2は、本発明に従う曇り点計の具体例の
分解透視図である。曇り点計1は、導波路型センサ2
と、それと接触して配置した冷却または加熱手段3とか
ら構成される(ここでは明示のため分離して示す)。導
波路型センサ2は測定の対象となる軽油等の石油製品そ
の他の化学製品Mに対する凹状検出面(接液面)4を有
している。そして基板5上に、入射路6と複数の出射路
7、7'、7"と、凹状検出面4に形成される光入射端面6a
と光出射端面7aとを形成した導波層9を具備している。
複数の出射路は、入射光の析出微粒子による前方散乱光
成分を検出する入射路6と対面方向に配置した出射路
7"、側方散乱光成分を検出する入射路6に対して側方に
配置した出射路7'、後方散乱成分を検出する入射路6と
同じ側に位置する出射路7からなる。
【0012】この入射路6の入口には入射路6に光を入
射するための入射光ファイバ10及びそれぞれの出射路出
口にはそれぞれの出射路からの出射光を受け取るための
出射光ファイバ11、11'、11"が取り付けられている。入
射光ファイバ10及び出射光ファイバ11、11'、11"はそれ
ぞれの光ファイバ接続ベース12及び光ファイバアレイ接
続ベース12’を介して導波層9における入射路6及び出
射路7、7'、7"にそれぞれ接続される。入射光ファイバ
10は、例えば半導体レーザ光源やHe-Neレーザや半導体
レーザのようなレーザ光源に接続される。出射光ファイ
バ11、11'、11"は光パワーメータなどの適宜の光検出手
段に接続される。
【0013】こうした導波路8は、基板の上に光ファイ
バのコアやクラッドに相当する薄膜を形成して光を導波
させるものであり、(a)リッジ型、(b)埋め込み型、及び
(c)裝荷型等の周知の型式で作製することができる。導
波路の作製には、エピタキシャル成長による方法、CVD
やPVDのような分子、粒子堆積による方法、イオンドー
プによる方法などを用いることができる。本発明におい
ては、SiO2薄膜にGeO2をドープする方法が実用的であ
る。光ファイバ(アレイ)の接続ベース12、12’は、光
ファイバ用の溝を有する基板上に光ファイバを挿通して
熱硬化型や紫外線硬化型樹脂のような接着剤にて貼り付
けることにより形成される。
【0014】冷却手段または加熱手段3は測定時試料及
び導波路型センサを曇り点の検出ができる所定の温度範
囲で冷却または加熱するためのもので導波路型センサに
接触して取り付けられる。冷却手段または加熱手段3
は、例えばヒートシンク上に載置されたペルチェ素子、
循環冷媒による熱交換器、あるいはクライオスタット等
であり、好ましくは、ペルチェ素子として知られるもの
である。これは、II−VI族化合物半導体、即ちBi2Te3
Sb2Te3、Bi2Se3及びこれらの固溶体で、これに不純物を
添加したp型及びn型半導体を接続して構成され、冷却
部と放熱部とを上下に備えているものである。こうした
冷却手段または加熱手段は、クリーニングユニットある
いはサーモモジュールの商品名で市販されている。図2
ではペルチェ素子13を銅製のヒートシンク14上に配置し
たものとして示してある。半導体への通電のための電極
ケーブル17が接続されている。こうした冷却手段または
加熱手段は、可動部がなく、極めて小型であり簡単な構
成で局部冷却が行なえる点で本発明目的に最適である。
使用する導波路構造とペルチェ素子のような小型の局部
的冷却手段または加熱手段との組み合わせが装置の熱容
量を低減し、伝熱の良好な基板を用いることにより温度
制御・計測制御を高めることができる。例えば、ペルチ
ェ素子を2段にカスケード状に組み立てた構造では本発
明に必要とされる30〜-15℃範囲の温度制御を行なうこ
とができる。冷却手段または加熱手段の上面は導波路型
センサと接触して置かれ、その下面は銅板のようなヒー
トシンク上に載置される。但し、導波路型センサ全体を
その他の手段で冷却する冷却手段または加熱手段、例え
ば循環冷媒による熱交換器や圧縮気体を開放する際に生
じる断熱膨張を利用したクライオスタットなどを使用あ
るいは併用することもできる。なお、ペルチェ素子13と
センサ基板5との接合部に熱電対16のような測温体が取
り付けられている。
【0015】接液部の凹形状は、V型のように汚れが溜
まりやすい形状よりも、緩やかな曲線で形成するほうが
良い。図3にこの部分を円の一部にて形成する場合を説
明する。入射、出射導波路の交差点をO、凹形状をなす
円の中心をO'、半径をRとし、OとO'のずれをaとい
うパラメータでそれぞれ表す。接液面の凹形状をなす円
の半径Rは、加工のし易い大きさとして0.5〜数ミリ程
度である。入射路の入射端形状は実際は円弧の一部であ
るが、実際導波路コア径が10μm程度であるのに対し、
接液面の凹形状をなす円の半径Rは1〜数ミリ程度と大
きいので、この入射端形状をその部分における凹形状を
なす円の接線で近似しても構わない。入射路の入射端へ
θ1の角度で入射した光は、θ2なる角度で被測定対象の
液体中に屈折して入射する。導波路コアの屈折率を
1、液体屈折率をn2とするとθ2は、n1×sinθ1=n
2×sinθ2で決まる。この時、θ2>θ1であれば屈折光
は入り、出射導波路の交差点Oよりも内側に進む。この
ように入射側導波路からの光が液中に入る際、屈折によ
りその進路がよりセンサヘッド側(つまり凹形状部分の
内側)へと向かうことにより、単にフラットな形状の端
面からセンサヘッド前面に光を出す場合と比べ、検知エ
リアが出射導波路に近づくから、より散乱光が検出しや
すい状態になる。また、この微小部分の温度のみ制御す
ればよく、温度制御性も向上する。注意すべき点として
は、θ1がθc=arcsin(n2/n1)で求められる臨界角θc
よりも大きいと、入射路の入射端にて全反射が生じ光が
被測定対象の液体中に入らなくなってしまうことであ
る。そのため、曇り点付近における液体の屈折率範囲に
おいて全反射が起きないような、導波路屈折率、a/R
の値にしておく必要がある。なお、導波路の設計に当た
っては、隣接する出射路どうしが互いにモード結合しな
いよう、それぞれの出射端の距離は10μm以上保つよう
に配置する。
【0016】こうして、析出微粒子の発生が起こった時
点を2値(オンーオフ)方式で示す曇り点計が得られ
る。曇り点計を測定すべき石油その他の化学製品に接触
状態としておき、温度制御を迅速に行なうことにより、
連続的に各温度サイクル毎に曇り点の検出が可能であ
る。こうして小型で且つ高速応答が可能な曇り点計が得
られる。従来の方法では1回の測定に約60分を要してい
たのが本発明によるセンサの定常状態では約10秒と非常
に短縮され、極めて効率的な測定を可能ならしめる。ま
た軽油のみならず、その他の石油製品や多くの化学製品
についても本発明を利用した同様の測定を実施すること
ができるし、液体中の微粒子計測や混濁液体の濁度測定
装置としても利用できる。なお、使用する光源として
は、通常出力(数ミリワット以上)の可視〜近赤外レー
ザであれば、散乱光を問題なく検知できる。
【0017】
【実施例】厚さ1mmのシリコン基板上にクラッドとして
厚さ20μmのSiO2(屈折率:1.458)、そしてコアとして
厚さ6μmのSiO2・GeO2(屈折率:1.51)をCVD法により
成膜させて導波路を構成した。フォトリソグラフィー及
び反応性イオンエッチングによりコアのパターン形成を
行ない、厚み6μm、幅6μmの導波路パターンを作製し
た。この上に再度CVD法によりクラッド層(厚さ20μm、
屈折率1.458)を形成し、埋め込み型導波路とした。導
波路は、入射路とし入射角80°のものを1本設けた。出
射路は、入射路と同じ側に入射角70°のものを1本設け
るとともに、接液面と直角方向に1本、凹状形状部分を
はさんで入射路の対面に、低角側から72°、75°、78
°、81°、84°、と3°おきに5本配置した。これら
は、それぞれ後方、測方、前方から散乱光を入れるため
のものであり、図3のように直線にて中心Oで交差する
ようなパターンとなっている。
【0018】導波路形成した基板に紫外線硬化型樹脂で
パイレックス板ガラスを貼り付け、補強板とした。この
基板の前後(接液面と光ファイバとの接続面)をダイシ
ングマシーンにより切断した。この時、接液部とする面
については、入射路と複数の出射路の交差点O上を含む
ように切断を行なった。接液面については、入射、出射
導波路の交差点Oと凹形状をなす円の中心O’のずれを
a、凹形状をなす円の半径をRとすると、a/R=0.75
の凹形状の接液部を形成した。この場合の入射路の入射
端への入射角θ1は47.6°となり、この時の全反射臨界
角は、被測定対象の屈折率が1.50で83°、1.45で74°、
1.40で68°となり、いずれも入射路の入射端への入射角
より大きくなり、入射端において全反射することなく光
は、屈折光として液体中に入る。今回光源としては、波
長677nmの赤色レーザを使用した。これは光導波の様子
が肉眼にて観察しやすく、センサヘッドと光ファイバの
接続が容易になること、曇り点における散乱光の存在が
観察しやすい等の理由からであり、光パワーメータ等を
使用すれば近赤外レーザでも構わない。
【0019】光ファイバとの接続面は、導波路端面を光
学研磨した後、光ファイバを接続した。光ファイバは入
射路接続用にシングルモードファイバ、出射路接続用に
マルチモードファイバ(コア径50μm)を用いた。これ
らの光ファイバを光ファイバアレイの形で一括接続し
た。光ファイバアレイは、シリコンやセラミックスの基
板にダイシングマシーン等による切削でV型の溝を導波
路と等ピッチで形成し、そこに光ファイバを納め、上か
らパイレックスガラスを補強板として接着したものを用
いた。この導波路センサにペルチェ素子を取り付け、30
〜-10℃の温度範囲で4種類の油の曇り点を測定した結
果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】なお、室温から曇り点に至る時間は約10秒
であり、繰り返し測定の結果、±0.1℃以内の精度での
測定が可能であることが確認された。
【0022】
【発明の効果】このように、入射路より凹形状の接液部
に光を入射させながら、接液部を所要の温度範囲で冷却
または加熱しつつ、接液部での試料中の析出粒子による
入射光の散乱光を複数の出射路により検出することで、
高精度、高速の曇り点測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の石油製品に応用した場合の原理を示
した説明図である。(a)は石油製品が曇り点にまだ達し
ておらず入射光が石油製品中を透過している状態、(b)
は析出微粒子の発生により入射光が散乱されその散乱光
が出射路を通して出射ファイバに出力される状態を示し
た説明図である。
【図2】 本発明による曇り点計の一例の分解透視図を
示した図である。
【図3】 接液部の凹形状を円の一部にて形成する場合
の説明図である。(a)は符号の説明、(b)は入射導波路
端の詳細の説明図である。
【符号の説明】
1 :曇り点計 2 :光導波路型センサ 3 :冷却手段または加熱手段 4 :検出面 5 :基板 6 :入射路 6a:入射路から液体への光入射端面 7 :後方散乱光検出用出射路 7':測方散乱光検出用出射路 7":後方散乱光検出用出射路 7a:液体から出射路への光出射端面 8 :導波路 9 :導波層 10 :入射光ファイバ 11 :後方散乱光検出用出射光ファイバ 11':測方散乱光検出用出射光ファイバ 11":後方散乱光検出用出射光ファイバ 12 :接続ベース(光ファイバアレイ) 13 :ペルチェ素子 14 :ヒートシンク 15 :電力ケーブル 16 :熱電対 O :入、出射導波路の交差点 O':凹形状をなす円の中心 R :凹形状をなす円の半径 a :OとO'のずれ θ1:入射路の入射端への光入射角 θ2:被測定対象への屈折光の屈折角

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象試料へ光を入射しながら測定対
    象試料を所定の温度範囲で冷却または加熱し、測定対象
    試料中の析出物の析出による入射光の散乱の変化を検知
    することにより曇り点を測定することを特徴とする曇り
    点測定方法。
  2. 【請求項2】 測定対象試料と接液する検出エリアに光
    を入射する入射路、及び検出エリアからの散乱光を検出
    するための複数の出射路から成る導波構造の導波路を具
    備し、その導波路に当接して冷却手段または加熱手段を
    備えていることを特徴とする曇り点計。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の検出エリアが、凹形状で
    あることを特徴とする曇り点計。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の冷却手段または加熱手段
    が、ヒートシンク上に載置されたペルチェ素子、循環冷
    媒による熱交換器、あるいはクライオスタットであるこ
    とを特徴とする曇り点計。
JP07068979A 1995-03-03 1995-03-03 曇り点測定方法及び曇り点計 Expired - Lifetime JP3130758B2 (ja)

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