JPH08240528A - レーザ分光分析装置 - Google Patents

レーザ分光分析装置

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JPH08240528A
JPH08240528A JP4297195A JP4297195A JPH08240528A JP H08240528 A JPH08240528 A JP H08240528A JP 4297195 A JP4297195 A JP 4297195A JP 4297195 A JP4297195 A JP 4297195A JP H08240528 A JPH08240528 A JP H08240528A
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JP
Japan
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laser
wavelength
light
output
sample
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JP4297195A
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English (en)
Inventor
Masanao Morimura
正直 森村
Toshitsugu Ueda
敏嗣 植田
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Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】分光用に回折格子や干渉計を用いることなく、
対象とする物質の吸収波長と一致する複数の波長のレー
ザ光を光源とし、物質の同定と吸光量測定を行うことの
できるレーザ分光分析装置を実現する。 【構成】Nd:YAGと、Nd:YAGの出力光の第2
高調波で励起されるTi:AL23と、Ti:AL23
とNd:YAGの出力光を位相整合させ互いに異なる波
長範囲でレーザ光を射出する複数の非線形結晶と、T
i:AL23とNd:YAGの出力光を複数の非線形結
晶に選択的に入射すると共に当該非線形結晶の出力光を
出射光として取り出す選択手段を備え、出力レーザ光の
波長が可変である波長可変レーザ光源と、試料セルと参
照セルを通過した波長可変レーザ光源の出力光を検出
し、試料ガスで吸収された波長を検出する検出手段を備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光源と非線形結
晶を用いて個々の発振波長と異なる複数の波長を発生さ
せ、この波長の光を使用して物質の吸光量およびそれに
関連するパラメータを測定する分光分析装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】種々の化学物質の分光分析においては、
物質の同定とその吸光量を同時に測定する必要がある。
測定試料が強く吸収する波長の光を得るためには、従来
より回折格子を用いたり、光路差を変えて得た干渉信号
をフーリエ変換してスペクトルを求めるなどの手法が採
用されていた。
【0003】図7に回折格子を用いた従来の分光光度計
の要部構成の一例を示す。光源200からの光は平面鏡
201と楕円鏡202a,202bにより試料光と参照
光とに分けられる。試料光は試料室203の試料空間2
03aに、また参照光は試料室203の参照ガス空間2
03bにそれぞれ導かれ、特定の波長成分が吸収され
る。試料空間203aから出た光は平面鏡204,20
5で反射し、また参照ガス空間203bから出た光は平
面鏡206で反射し、セクター207によって交互に選
択され、楕円鏡208および平面鏡209を経て分光器
210に入射する。
【0004】分光器210において、入力ビームは平面
鏡211および放物面鏡212でそれぞれ反射して回折
格子213に入射する。回折格子213の角度を変える
ことにより反射光の波長が特定され、その光は放物面鏡
212で反射し、楕円鏡214に入り、熱電対215に
集光する。熱電対215に生じる熱起電力から当該波長
の光の強度を測定することができる。
【0005】このような分光光度計では、回折格子の角
度を変化させて測定波長を変え、それぞれの波長におい
て試料光と参照光の2つの光の光量が等しくないときは
両者が等しくなるように参照光側の光学楔(図示せず)
の位置を調整し、その結果から吸収波長と吸光量に関す
る情報を得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな回折格子を用いる方式では、測定波長以外の不要な
光が混入し測定に必要な波長で光強度を高くとれず、そ
の結果測定精度を低下させるという問題があった。ま
た、光路差を変化させ干渉信号をフーリエ変換してスペ
クトルを求める方式においては、光路差を変化させるた
めに移動する反射鏡を高精度に駆動する装置が必要であ
り、複雑な構成になるという欠点があった。
【0007】本発明の目的は、分光用に回折格子や干渉
計を用いることなく、対象とする物質の吸収波長と一致
するスペクトル線幅が狭く輝度の高いレーザ光を連続波
長可変できる光源として物質を同定するために必要な吸
光量測定を行うことのできる感度の高いレーザ分光分析
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本願の第1の発明では、半導体レーザによっ
て励起されるNd:YAGやYLFなどの発振波長が1
μm程度のレーザと、このNd:YAGレーザの出力光
の第2高調波を取り出す第2高調波発生部と、前記第2
高調波で励起されるTi:AL23や色素レーザなどの
波長可変レーザと、この波長可変レーザと波長固定レー
ザの出力光を位相整合させ互いに異なる波長範囲でレー
ザ光を射出する複数の非線形結晶と、前記波長可変レー
ザと波長固定レーザの出力光を前記複数の非線形結晶に
選択的に入射すると共に当該非線形結晶の出力光を出射
光として取り出す選択手段を備え、出力レーザ光の波長
が波長可変レーザの波長域と異なった波長域で可変であ
る波長可変レーザ光源と、試料ガスが充填された試料セ
ルと必要があれば参照用ガスが充填された参照セルを備
えた試料室と、前記試料セルと参照セルを通過した前記
波長可変レーザ光源の出力光の強度を比をとるなどの演
算を行い、試料ガスで吸収された波長を検出する検出手
段を備えたことを特徴とする。
【0009】本願の第2の発明では、少なくとも1つの
主レーザと複数の副レーザからなるレーザ群と、前記主
レーザと副レーザの出力光を受けその2つの入力光の波
長の和および差の波長成分を含む光を出力する複数の非
線形結晶を備えた光源部と、試料ガスが充填された試料
セルと、参照用ガスが充填された参照セルと、前記試料
セルと参照セルを通過した前記光源部の出力光を検出す
る2つの検出器と、前記主レーザを所定の周波数の主パ
ルスで駆動すると共に、前記副レーザを前記主パルスを
分周したパルス信号によりそれぞれ異なるタイミングで
順次駆動するレーザ駆動手段と、前記2つの検出器の出
力を前記主パルスに同期してそれぞれデジタルデータに
変換する2つのアナログ・デジタル変換器と、この2つ
のアナログ・デジタル変換器の出力の差または比を求め
る割算器と、この割算器の出力を順次記憶し波長別のデ
ータとして蓄積するメモリを備えたことを特徴とする。
【0010】
【作用】本願の第1の発明では、波長1064nmのN
d:YAGレーザと波長可変範囲が700〜1200n
mにわたるTi:AL23レーザの2つのレーザを異な
る物質でなる複数の非線形結晶に選択的に入射し、波長
の異なる複数のレーザ光を射出することのできる光源を
用いて、分光分析装置を構成する。このような光源は、
スペクトル幅が狭く、さらに広い範囲で波長が可変であ
り、高感度で分解能の高い分光分析計を実現することが
できる。本願の第2の発明では、主レーザとパルス変調
を受けた複数個の副レーザを用い、主レーザに対して副
レーザを順次に選択励起してレーザ光を非線形結晶に与
えて波長の異なる複数のレーザ光を順次に発生させる。
これにより所定の複数の波長における試料の吸光量を時
間差信号として分離して測定することができる。
【0011】
【実施例】以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。
図1は本発明に係るレーザ分光分析装置の一実施例を示
す構成図である。図において、10は波長可変のレーザ
光源で、その出力光は2分されて試料室20(図6と同
様に試料空間と参照ガス空間がある)に入射される。試
料室20の出力光は検出・表示部30に入り、光学フィ
ルタ31を介して光検出器32でそれぞれ検出される。
検出結果は表示装置33に表示される。
【0012】図2は波長可変レーザ光源の構成図であ
る。図において、11は1064nmの波長のレーザ光
を発生し得る固体レーザ(Nd:YAG)である。な
お、このNd:YAGは1064nmより短い波長の半
導体レーザで励起する。12はNd:YAGレーザの第
2高調波(波長532nm)を取り出す第2高調波発生
部(以下SHGという)、13はTi:Al23レーザ
(Ti:サファイヤレーザ)であり、SHG12が出力
する光によって光励起され、その蛍光スペクトルは70
0〜1200nmにわたって広範囲に分布している。換
言すれば、この範囲で発振できるレーザ光源である。
【0013】図3に本発明の装置に用いるTi:Al2
3レーザの構造の概略を示す。Al 23に比べて屈折
率の十分に低い材料の基板13aを積層した上にレーザ
再結晶化法によりサファイヤ導波路13bを形成したも
ので、導波路の一端をSHG12の出力光で励起すると
導波路の他端より700〜1200nmの波長範囲のレ
ーザ光が発生する。波長可変光源をこのような構造にす
ることにより、低い励起パワーで容易に広波長の光を発
振させることができる。
【0014】14a,14b,14cは反射鏡であり、
Nd:YAGレーザ1の出力光を反射してビーム方向を
90゜曲げる。15a,15b,15cはハーフミラー
であり、Ti:Al23レーザ3の出力光とNd:YA
Gレーザ1の出力光を合波する。17a,17b,17
cは光のビーム方向を90゜曲げる反射鏡である。
【0015】なお、反射鏡14a,14b,14c,1
7a,17b,17cおよびハーフミラー15a,15
b,15cは選択可能に配置され、選択された反射鏡お
よびハーフミラーのみがレーザ光の反射や透過に寄与す
る。
【0016】なお、反射鏡やハーフミラーの選択機構は
図示していないが、例えば選択された反射鏡やハーフミ
ラーは当該光路中に配置し、選択されない反射鏡やハー
フミラーは光路外に移動するような機構としてもよい。
反射鏡、ハーフミラーから成る部分を、ここではTi:
AL23レーザとNd:YAGレーザの出力光を複数の
非線形結晶に選択的に入射すると共に当該非線形結晶の
出力光を出射光として取り出す選択手段という。
【0017】16a,16b,16cは非線形結晶であ
り、ハーフミラーから入力される2つの光(Nd:YA
Gレーザ1の出力光とTi:Al23レーザ3の出力
光)の発振波長に関連した波長の光を出力する。非線形
結晶16aはLiNbO3 で、入力されるNd:YAG
11とTi:AL23レーザ13の出力光を位相整合さ
せて2〜4μmの波長範囲において最も効率よくレーザ
光を出力することができる。非線形結晶16bはCdS
eで、入力されるNd:YAG11とTi:AL23
ーザ13の出力光を位相整合させて4〜11μmの波長
範囲において最も効率よくレーザ光を出力することがて
きる。また非線形結晶16cはAgGaS2 で、同様に
Nd:YAG11とTi:AL23レーザ13の出力光
を位相整合させて11〜25μmの波長範囲において最
も効率よくレーザ光を出力することができる。
【0018】このような構成において、Nd:YAG1
1を半導体レーザで励起し、1064nmの波長のレー
ザ光を発生させる。そしてNd:YAG11の出力光の
中の第2高調波(532nm)をSHG12で取り出
し、この第2高調波でTi:AL23レーザ13を光励
起しレーザ光を発生させる。
【0019】Nd:YAG11の出力(波長1064n
m)とTi:AL23レーザ13の出力(波長700〜
1200nm)を、反射鏡およびハーフミラーを適宜選
択して所望の非線形結晶に入力し、所望の波長のレーザ
光(スペクトル幅は狭い)を発生させる。このレーザ光
は2分されて試料室20の試料ガスと参照ガスがそれぞ
れ充填されたセルに入射される。各セルを通過した出力
光は光学フィルタ31を通して不要な波長がカットされ
検出器32でその光強度が検出される。検出結果(例え
ば周波数と強度の関係)は表示装置33で表示される。
【0020】このような波長可変レーザ光源を用いれ
ば、従来のように回折格子を用いた複雑な分光器を要す
ることなく、簡単な構成でありながら、高感度・高分解
能で吸収波長を検出し試料を同定することができる。な
お、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例
えば非線形結晶の個数は3個に限らず、任意に増減する
ことができる。
【0021】図4は第2の発明に係るレーザ分光分析装
置の実施例を示す構成図である。図4において、100
は周波数が相異なる複数の波長のレーザ光を発生する光
源部である。光源部100は、詳細は後述するが、レー
ザ群すなわち主レーザ101,102と副レーザ103
a,103b,103c,103dを備え、主レーザと
副レーザの各1つを非線形結晶アレイ104に入射して
波形を結合して2つの波長の和および差の波長成分でな
る出力光を発生させ、これをレンズ110で平行光にし
た後可視光カットフィルタ111を通して目的のレーザ
光を出力する。
【0022】121は光源部100から出射されるレー
ザ光を2つに分けるハーフミラー(以下半透鏡とい
う)、122は半透鏡121からの光を反射して基準セ
ル124に入射するための反射鏡である。基準セル12
4には参照ガス(試料とは吸収波長が一致しない物質)
が充填されている。123は試料ガスが充填された試料
セルであり、半透鏡121を通過したレーザ光が入射さ
れる。
【0023】試料セル123および基準セル124から
出た光はそれぞれレンズ125および126で絞られ、
127および128の検出器に導かれる。検出器12
7,128は入射光の強度に対応した電圧信号を出力す
る。129および130はそれぞれアナログデジタル変
換器(以下AD変換器という)であり、主パルス発振器
133から与えられるパルスに同期して入力信号をAD
変換するように構成され、AD変換器129は検出器1
27の出力をデジタル変換し、AD変換器130は検出
器128の出力をデジタル変換する。
【0024】131は割算器であり、AD変換器129
と130の出力の比を求める。132は割算器131の
出力を記憶するメモリであり、パルス分配器136の出
力信号で指定されるアドレスに割算器131の出力を記
憶する。パルス分配器136は例えばシフトレジスタを
用いて分周器134の出力パルスが入力されるごとに増
加するアドレスを生成する。なお、割算器の代りに引算
器を用いてAD変換器の出力の差を求めてもよい。13
7はデータ処理装置であり、メモリ132に記憶したデ
ータから、試料同定用の吸光量を求めるものである。
【0025】主パルス発振器133は、所定の周波数
(周波数f)のパルス信号を発生するもので、そのパル
ス信号は光源部100の主レーザと、AD変換器12
9,130および分周器134に与えられる。なお、主
レーザに与えるパルスは電流パルスとなっている。分周
器134は主パルス発振器133の出力パルスを副レー
ザの個数nに対応して1/n分周(パルス幅は不変)す
るもので、ここでは1/4分周している。
【0026】135は副レーザ駆動用のパルス分配器で
あり、分周器134の出力パルスを受けて図示のように
周波数がf/4であるパルス電流を1/fずつずらせて
出力し、光源部100の4個の副レーザにそれぞれ注入
している。パルス分配器136は、分周器134の出力
パルスをもとに、割算器131の結果をメモリ132に
記憶するときの書き込みアドレスを生成するものであ
る。なお、主パルス発振器133、パルス分配器135
から成る部分をレーザ駆動手段という。
【0027】図5は光源部100の部分構成図である。
図において、101,102は主レーザ、103a〜1
03dは副レーザ、107a〜107dは半透鏡、10
4a〜104dは非線形結晶、105a〜105dはフ
ィルタである。主レーザ101は出力が2分されて半透
鏡107aと107bに入射する。半透鏡107aで反
射した主レーザ101のレーザ光と副レーザ103aか
らの透過光が合波して非線形結晶104aに入る。非線
形結晶104aの出力はフィルタ105aを通して不要
な光がカットされる。半透鏡107b側も同様に主レー
ザ101の出力光と副レーザ103bの出力光が合波し
非線形結晶104bに入り、フィルタ105bを通して
出力される。主レーザ102側についても同様の構成で
あり、非線形結晶104cおよび104dからレーザ出
力が得られる。
【0028】なお、この場合非線形結晶の出力波長λ0
は、入力の主レーザと副レーザの発振波長をそれぞれλ
m ,λs とすると、 λ0 =λm λs /|λm ±λs | で与えられる。そして、主レーザと副レーザの発振波長
およびフィルタでの不要な波長のカットにより、4個の
互いに異なる波長のレーザ光を出力することができる。
なお、非線形結晶の各出力光は、例えば反射鏡で反射す
るなどにより、いずれも同一の出力端から外部に出射さ
れるようになっている。
【0029】このような構成における動作を次に説明す
る。主パルス発振器133から出力される周波数fのパ
ルス信号により主レーザ101,102が駆動されると
共に、パルス分配器135からの位相が1/fだけずれ
た周波数f/4のパルス信号により副レーザ103a〜
103dが順次駆動される。これにより、非線形結晶1
04a〜104dからは副レーザの駆動のタイミングと
同じタイミングで出力光が発生する。
【0030】出力光はそれぞれ異なる波長の組み合わせ
となっているが、これらのうち和または差成分の光を遮
断する可視光カットフィルタ111によって差または和
成分のみを取り出し、この光を半透鏡121および反射
鏡122によって2光路に分割し、それぞれを試料セル
123と試料とは吸収波長が一致しない物質を封入した
基準セル124に入射する。
【0031】各セルの出力光はレンズ125,126で
絞られ、検出器127,128でその光強度が検出さ
れ、パルス発振器133の発振周波数と同期して各AD
変換器129,130でそれぞれデジタル信号に変換さ
れる。割算器131でAD変換器129,130の出力
信号の比を求め、メモリ132に記憶する。メモリ13
2の記憶アドレスは分周器134の出力パルスを受ける
パルス分配器136から与えられる。パルス分配器13
6は分周器134からパルスが加えられるごとに増加す
るアドレスを生成し、このアドレスは駆動される副レー
ザに対応したものである。換言すれば、アドレスは光源
部100の出力光の波長に対応したものである。したが
って、メモリ132には各波長における吸収量が順次記
憶されることになる。
【0032】測定終了後データ処理装置137において
それらの記憶データを必要に応じて処理し、分光分析結
果として出力する。
【0033】なお、半導体レーザの発振波長は活性層の
組成によって決まるが、これを取り囲むクラッド層の格
子定数と整合させる必要があって任意に設定できない。
したがって、主レーザと副レーザの2つの波長を組み合
わせて目的の波長を得ることが難しい場合が多い。その
場合には図6に示すように主レーザ101と副レーザ1
03aの出力光を第1の非線形結晶104aに入射する
ことにより両者の発振波長の和および差の波長を作り、
これをフィルタを介して和の波長を取り出し、これを第
2の非線形結晶104eに第2の副レーザ103bの出
力光と共に入射して、波長を合成する。
【0034】いま、主レーザ101の発振波長をλ1
副レーザ103aの発振波長をλ2とすると、第1の非
線形結晶104aの出力光には波長 λ01=λ1 λ2 /|λ1 ±λ2 | の光が含まれる。次に第2の副レーザ103bの発振波
長をλ3 とすると第2の非線形結晶104eの出力光に
は波長 λ02=λ01λ2 /|λ01±λ2 | の光が含まれることになる。
【0035】これにより試料室への入射波長選択の任意
性が大きくなる。なお、不要な波長の光はすべてフィル
タを通して除去する。また、2つの光を混合する際には
ダイクロイックミラーを用いて吸収をできるだけ少なく
し、非線形結晶への入力パワーの減少を防ぐようにす
る。
【0036】図6においては、主レーザ101の発振波
長λ1 が1300nm、副レーザ103aの発振波長λ
2 が672.68nmであり、第1の非線形結晶104
aからは1300nm,672.68nm,443.3
nm,1394.00nmの波長の光が出力される。
【0037】この出力光をフィルタ142を通して55
0nm以上をカットし、443.3nmのみを第2の非
線形結晶104eに入力する。第2の副レーザ103b
の発振波長を641.454nmとすると、第2の非線
形結晶104eからは、443.3nm、641.45
4nm、262.14nm、1435.00nmの波長
の光が出力される。この出力光をフィルタ145を通し
て800nm以下の波長成分をカットすることにより1
435.00nmの波長のみを取り出し出力することが
できる。
【0038】他方、第1の非線形結晶104aの出力光
をダイクロイックミラー140で分岐し、これを全反射
ミラー141で反射した後、1394nmのバンドパス
フィルタ143およびニュートラルフィルタ146を通
すことにより1394.00nmの波長の光も得ること
ができる。
【0039】なお、半導体レーザの温度を制御するよう
に構成しておけば、吸収波長が環境の変化により数nm
変化しても半導体レーザの温度制御により発振波長を吸
収の中心波長に追随させることができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ス
ペクトル線幅の狭いレーザ光を広い範囲にわたって発生
させることができる。また、分光器を使わないので光源
の光量を100%有効に利用できる。さらに、本発明に
おける第2の発明では、次のような効果がある。 半導体レーザをパルス発振させるため、大きなピーク
パワーが得られ、非線形結晶での光損失があっても十分
大きな出力光が得られる。 複数の半導体レーザの発振波長の和あるいは差を取り
出すことにより、同一の分子の異なる吸収波長に等しい
波長のレーザ光を得ることができ、測定の高度化が可能
となり、しかも信頼性が向上する。 異なる波長に対する吸収量の信号を時間軸上の異なる
点に対応させて取り出すことができる。 機械的に運動する部品がないため、摩耗その他による
故障がなく、長時間安定して使用することができる。 一定周期で繰り返しデータが得られるため、これらを
平均化することにより高精度の測定値が得られる。 吸収波長が環境により数nm変化しても、半導体レー
ザの温度を制御することにより発振波長を吸収の中心波
長に追随させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ分光分析装置の一実施例を
示す構成図
【図2】波長可変レーザ光源の構成図
【図3】Ti:Al23レーザの説明的構造図
【図4】第2の発明に係るレーザ分光分析装置の一実施
例を示す構成図
【図5】光源部100の部分構成図
【図6】光源部の他の実施例構成図
【図7】回折格子を用いた従来の分光光度計の要部構成
図である。
【符号の説明】
10 波長可変レーザ光源 11 Nd:YAGレーザ 12 SHG 13 Ti:AL23 14a,14b,14c,17a,17b,17c 反
射鏡 15a,15b,15c ハーフミラー 16a,16b,16c 非線形結晶 20 試料室 30 検出・表示部 31 光学フィルタ 32 光検出器 33 表示装置 100 光源部 101,102 主レーザ 103a,〜103d 副レーザ 104 非線形結晶アレイ 104a〜104e 非線形結晶 105a〜105d フィルタ 110,125,126 レンズ 111 可視光カットフィルタ 121 半透鏡 122 反射鏡 123 試料セル 124 基準セル 127,128 検出器 129,130 AD変換器 131 割算器 132 メモリ 133 主パルス発振器 134 分周器 135,136 パルス分配器 137 データ処理装置 140,144 ダイクロイックミラー 141 全反射ミラー 142,145 フィルタ 143 バンドパスフィルタ 146 ニュートラルフィルタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体レーザによって励起される発振波長
    が1μm程度の波長固定レーザと、この波長固定レーザ
    の出力光の第2高調波を取り出す第2高調波発生部と、
    前記第2高調波で励起される波長可変レーザと、この波
    長可変レーザと前記波長固定レーザの出力光を位相整合
    させ互いに異なる波長範囲でレーザ光を射出する複数の
    非線形結晶と、前記波長可変レーザと前記波長固定レー
    ザの出力光を前記複数の非線形結晶に選択的に入射する
    と共に当該非線形結晶の出力光を出射光として取り出す
    選択手段を備え、出力レーザ光の波長が波長可変レーザ
    の波長域と異なった波長域で可変である波長可変レーザ
    光源と、 試料ガスが充填された試料セルと必要があれば参照用ガ
    スが充填された参照セルを備えた試料室と、 前記試料セルと参照セルを通過した前記波長可変レーザ
    光源の出力光の強度の比をとるなどの演算を行い、試料
    ガスで吸収された波長を検出する検出手段を具備したレ
    ーザ分光分析装置。
  2. 【請求項2】前記波長固定レーザとして、Nd:YAG
    レーザまたはYLFレーザを使用することを特徴とする
    請求項1記載のレーザ分光分析装置。
  3. 【請求項3】前記波長可変レーザとして、Ti:AL2
    3レーザまたは色素レーザを使用することを特徴とす
    る請求項1記載のレーザ分光分析装置。
  4. 【請求項4】前記複数の非線形結晶として、波長に対応
    してLiNbO3 、CdSeおよびAgGaS2 を使用
    したことを特徴とする請求項1記載のレーザ分光分析装
    置。
  5. 【請求項5】前記波長可変レーザとして、導波路形レー
    ザを使用したことを特徴とする請求項1記載のレーザ分
    光分析装置。
  6. 【請求項6】少なくとも1つの主レーザと複数の副レー
    ザからなるレーザ群と、前記主レーザと副レーザの出力
    光を受けその2つの入力光の波長の和および差の波長成
    分を含む光を出力する複数の非線形結晶を備えた光源部
    と、 試料ガスが充填された試料セルと、 参照用ガスが充填された参照セルと、 前記試料セルと参照セルを通過した前記光源部の出力光
    を検出する2つの検出器と、 前記主レーザを所定の周波数の主パルスで駆動すると共
    に、前記副レーザを前記主パルスを分周したパルス信号
    によりそれぞれ異なるタイミングで順次駆動するレーザ
    駆動手段と、 前記2つの検出器の出力を前記主パルスに同期してそれ
    ぞれデジタルデータに変換する2つのアナログ・デジタ
    ル変換器と、 この2つのアナログ・デジタル変換器の出力の差を求め
    る引算器または比を求める割算器と、 この引算器または割算器の出力を順次記憶し波長別のデ
    ータとして蓄積するメモリを具備し、前記メモリより試
    料ガスの吸収波長を知り得るようにしたことを特徴とす
    るレーザ分光分析装置。
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