JPH08240230A - 自動車用機械式自動トランスミッション装置 - Google Patents

自動車用機械式自動トランスミッション装置

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JPH08240230A
JPH08240230A JP7045935A JP4593595A JPH08240230A JP H08240230 A JPH08240230 A JP H08240230A JP 7045935 A JP7045935 A JP 7045935A JP 4593595 A JP4593595 A JP 4593595A JP H08240230 A JPH08240230 A JP H08240230A
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JP
Japan
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clutch
fluid
supply
control means
automatic transmission
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Withdrawn
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JP7045935A
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English (en)
Inventor
Kazunori Konjiki
一憲 金色
Shinji Yamada
信二 山田
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、トラックやバス等の大型車に用い
て好適の機械式自動トランスミッション装置に関し、燃
費低下や設備コストの増加を抑制しながら、摩擦クラッ
チの微妙な断接動作をショックを招くことなく円滑に且
つ確実に行なえるようすることを目的とする。 【構成】 エンジン3とトランスミッション2との間に
トルク断接用クラッチ装置1をそなえ、該トルク断接用
クラッチ装置1が、摩擦クラッチ20と、該摩擦クラッ
チ20を駆動するクラッチアクチュエータと、該クラッ
チアクチュエータの作動をシフト制御と連動させて制御
しうるクラッチ制御手段と、該摩擦クラッチ20と並列
的に設けられて該摩擦クラッチ20の切り離し時にトル
クを伝達しうる流体クラッチ21とをそなえるように構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トラックやバス等の大
型車に用いて好適の、機械式自動トランスミッション装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のトラック・バス業界においては、
長距離便の増加やドライバの高齢化により労働環境改善
の必要性が強まり、運転装置に対する操作容易化、自動
化の要求が高まっている。この要求に対する対応の一つ
にトランスミッションの自動化がある。
【0003】乗用車においては、トルクコンバータ式オ
ートマチック車が多く用いられているが、大型トラック
・バスにおける自動変速システムは、大型車用のトルク
コンバータ式オートマチックトランスミッションのコス
トが高いこと、および燃費がマニュアルトランスミッシ
ョン車に比べて劣ることが原因で、操作面でのメリット
が大きいにもかかわらず市場に受け入れられていない。
【0004】一方、近年の電子制御技術分野の発達によ
り、マニュアル車のトルク伝達装置を電子制御化して、
人間操作と近いレベルの動作を機械に行なわせる自動変
速システムが考えられ、提供されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のシステムでは、次のような課題がある。ま
ず、マニュアル式のクラッチをそなえたシステムでは、
ドライバーのテクニックにより接続ショックの発生を防
止しているが、電子制御式においては、固体摩擦式のク
ラッチを、電子制御による所要動作で接断することにな
り、発進や変速等の過渡時において、クラッチ接続ショ
ックを発生することが予想される。
【0006】すなわち、電子制御によってはその制御動
作について、人間の感覚による微妙な調整動作を実現す
ることが困難であり、加えて、接続により伝達されるト
ルクが大きいため、その動作精度の差が大きく影響す
る。したがって、電子制御によるクラッチ接続時のショ
ック防止は困難な課題である。
【0007】また、伝達トルクの小さい微動走行が困難
であるという課題もある。すなわち、バスやトラック等
におけるクラッチはその伝達トルクが大きく、大きなト
ルクの断接を目標にして設計されており、小さい伝達ト
ルクの調整は困難であって、渋滞時等における微動走行
において頻繁にクラッチの接断を行なう状況では、円滑
な運転を行なうことができない。
【0008】このような課題を解消するものとして、例
えば実開平2−14866号公報にも開示されている
が、図6に示すようなクラッチ装置が提案されている。
この装置では、エンジン3とトランスミッション2との
間に、摩擦クラッチ(固体摩擦式クラッチ装置)101
と流体クラッチ(トルクコンバータ)102とが直列的
に介装されており、所要時において流体クラッチ102
によるトルク伝達が行なわれるとともに、所定状態に達
するとロックアップ機構103による流体クラッチ10
2のロックが行なわれ、摩擦クラッチ101による効率
の良いトルク伝達が行なわれるように構成されている。
【0009】しかしながら、このような従来の機構によ
る場合には、発進時や微動走行時において流体クラッチ
102による接続状態の微調整を行なえるようになるも
のの、摩擦クラッチ101と流体クラッチ102とが直
列的に装備されているため、流体クラッチ102は常時
回転を行なわざるを得ない。したがって、流体クラッチ
102が作動油をかき回して攪拌損失が発生するととも
に、慣性力による損失も発生して、燃費が悪化を招来す
る。
【0010】また、流体クラッチ102は、エンジン3
からトランスミッション2へ伝達すべきトルクに対応し
た容量で装備されるため、設備コストが大幅に増加する
問題点もある。本発明は、このような課題に鑑み創案さ
れたもので、燃費低下や設備コストの増加を抑制しなが
ら、摩擦クラッチの微妙な断接動作をショックを伴うこ
となく円滑に且つ確実に行なえるようにした、機械式自
動トランスミッション装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の機械式自動トランスミッション装置は、エン
ジンからの出力回転を変速するトランスミッションと、
該エンジンと該トランスミッションとの間に設けられた
トルク断接用クラッチ装置とをそなえた自動車用機械式
自動トランスミッション装置において、該トランスミッ
ションが、使用変速段を切り換えるギヤシフト手段と、
該ギヤシフト手段の作動を制御するシフト制御手段とを
そなえ、該トルク断接用クラッチ装置が、摩擦クラッチ
と、該摩擦クラッチを駆動するクラッチアクチュエータ
と、該クラッチアクチュエータの作動を該シフト制御手
段による制御と連動させて制御しうるクラッチ制御手段
と、該摩擦クラッチと並列的に設けられて該摩擦クラッ
チの切り離し時にトルクを伝達しうる流体クラッチとを
そなえていることを特徴としている。
【0012】請求項2記載の本発明の機械式自動トラン
スミッション装置は、請求項1記載の構成において、該
摩擦クラッチのエンジン側部材に結合された入力軸と、
該入力軸と同軸上に配置され該摩擦クラッチのトランス
ミッション側部材に結合された出力軸とをそなえるとと
もに、該入力軸に第1の歯車機構を介して接続された副
入力軸と、該副入力軸と同軸上に配置され該出力軸に第
2の歯車機構を介して接続された副出力軸とをそなえ、
該流体クラッチが、該副入力軸と該副出力軸との間に介
設されていることを特徴としている。
【0013】請求項3記載の本発明の機械式自動トラン
スミッション装置は、請求項1又は2記載の構成におい
て、該流体クラッチ内の作動流体を給排する作動流体給
排手段と、該作動流体給排手段の作動を制御する給排制
御手段とをそなえていることを特徴としている。請求項
4記載の本発明の機械式自動トランスミッション装置
は、請求項3記載の構成において、該給排制御手段が、
自動車の発進時に該作動流体給排手段を通じて該流体ク
ラッチ内に該作動流体を供給させるように構成されてい
ることを特徴としている。
【0014】請求項5記載の本発明の機械式自動トラン
スミッション装置は、請求項4記載の構成において、該
自動車の発進時における該給排制御手段による該流体ク
ラッチ内への該作動流体の供給制御時に、該クラッチ制
御手段が該摩擦クラッチの係合を開始して該係合を次第
に強化していくように該クラッチアクチュエータの作動
を制御するよう構成されていることを特徴としている。
【0015】請求項6記載の本発明の機械式自動トラン
スミッション装置は、請求項3又は4記載の構成におい
て、該給排制御手段が、該自動車の微速走行時に該流体
クラッチ内に該作動流体を供給させるように構成されて
いることを特徴としている。請求項7記載の本発明の機
械式自動トランスミッション装置は、請求項5又は6記
載の構成において、該自動車の微速走行時における該給
排制御手段による該流体クラッチ内への該作動流体の供
給制御時に、該クラッチ制御手段が該摩擦クラッチの係
合を半クラッチ状態に調整されるように該クラッチアク
チュエータの作動を制御するよう構成されていることを
特徴としている。
【0016】請求項8記載の本発明の機械式自動トラン
スミッション装置は、請求項2〜7のいずれかに記載の
構成において、該流体クラッチに、該副入力軸側から該
副出力軸側へのみトルク伝達を行なうワンウェイクラッ
チが介装されていることを特徴としている。
【0017】
【作用】上述の請求項1記載の本発明の機械式自動トラ
ンスミッション装置では、エンジンからの出力回転は、
トランスミッションで変速されるが、変速段の切り換え
時等には、該エンジンと該トランスミッションとの間に
設けられたトルク断接用クラッチ装置が作動して、エン
ジンからトランスミッションへの出力伝達が断接され
る。つまり、該トランスミッションでは、シフト制御手
段によってギヤシフト手段が作動を制御され、該トラン
スミッションの使用変速段が切り換えられるが、この
時、該トルク断接用クラッチ装置では、クラッチ制御手
段がクラッチアクチュエータの作動を該シフト制御手段
による制御と連動するように制御されて、該クラッチア
クチュエータが摩擦クラッチを駆動して、使用変速段の
切り換え開始前に該摩擦クラッチを切り離し、切り換え
完了後に該摩擦クラッチを接続する。この摩擦クラッチ
の切り離し時には、該摩擦クラッチと並列的に設けられ
た流体クラッチが、トルクを伝達しうるため、該摩擦ク
ラッチの接続がショックを伴わずに滑らかに行なわれる
ようになる。
【0018】上述の請求項2記載の本発明の機械式自動
トランスミッション装置では、該トルク断接用クラッチ
装置の該摩擦クラッチの接続時には、エンジンからの出
力回転は、入力軸から該摩擦クラッチのエンジン側部材
へ入力されて、このエンジン側部材と摩擦結合するトラ
ンスミッション側部材へと伝達されて、該トランスミッ
ション側部材に結合された出力軸へ出力される。
【0019】また、該トルク断接用クラッチ装置の該摩
擦クラッチの切り離し時には、該入力軸に第1の歯車機
構を介して接続された副入力軸から、該流体クラッチを
経て、流体を介してトルク伝達されながら、該副入力軸
と同軸上に配置された副出力軸から第2の歯車機構を介
して該出力軸へと出力される。上述の請求項3記載の本
発明の機械式自動トランスミッション装置では、給排制
御手段の制御を通じて、作動流体給排手段により、該流
体クラッチ内の作動流体が給排される。該流体クラッチ
内に作動流体が供給されれば、該流体クラッチがこの作
動流体を通じてトルク伝達を行ない、該流体クラッチ内
の作動流体が排出されれば、該流体クラッチによるトル
ク伝達は行なわれなくなる。
【0020】上述の請求項4記載の本発明の機械式自動
トランスミッション装置では、自動車の発進時には、該
給排制御手段が該作動流体給排手段を通じて該流体クラ
ッチ内に該作動流体を供給させるので、該流体クラッチ
がこの供給された作動流体を通じてトルク伝達を行なえ
るようになり、この流体クラッチが発進時のトルク伝達
が滑らかに行なわれる。
【0021】上述の請求項5記載の本発明の機械式自動
トランスミッション装置では、該自動車の発進時には、
該給排制御手段により該流体クラッチ内へ該作動流体が
供給されるように制御され、同時に、該クラッチ制御手
段が該摩擦クラッチの係合を開始して該係合を次第に強
化していくように該クラッチアクチュエータの作動を制
御する。このため、該流体クラッチによるトルク伝達か
ら該摩擦クラッチによるトルク伝達へと滑らかに切り換
わる。
【0022】上述の請求項6記載の本発明の機械式自動
トランスミッション装置では、該自動車の微速走行時に
は、該給排制御手段が該流体式クラッチ内に該作動流体
を供給させるのて、該流体クラッチがこの供給された作
動流体を通じてトルク伝達を行なえるようになり、この
流体クラッチが微速走行時のトルク伝達が滑らかに行な
われる。
【0023】上述の請求項7記載の本発明の機械式自動
トランスミッション装置では、該自動車の微速走行時に
は、該給排制御手段により該流体式クラッチ内へ該作動
流体が供給されるように制御され、同時に、該クラッチ
制御手段が該クラッチアクチュエータの作動を制御して
該摩擦クラッチの係合を半クラッチ状態に調整する。こ
のため、適宜該流体クラッチによるトルク伝達を利用し
ながら円滑にトルク伝達が行なわれる。
【0024】上述の請求項8記載の本発明の機械式自動
トランスミッション装置では、該流体クラッチに介装さ
れたワンウェイクラッチが、該副入力軸側から該副出力
軸側へのみトルク伝達を行ない、該副出力軸側から該副
入力軸側へのトルク伝達、即ち、該流体クラッチの入力
系が出力系の負荷になるようなトルク伝達は行なわな
い。したがって、該流体クラッチが、該摩擦クラッチの
出力軸側から入力軸側へのトルク伝達を妨げることな
く、該流体クラッチによるトルク伝達が行なわれる。
【0025】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例について説
明する。図1〜図5は本装置の一実施例としての自動車
用機械式自動トランスミッション装置を示すもので、図
1はその要部構成を模式的に示す縦断面図、図2はその
作動流体給排手段に関する要部構成を模式的に示す縦断
面図、図3は本装置を装備される自動車の制御系の要部
構成を示す模式的ブロック図、図4,図5はいずれも本
装置を装備される自動車の制御特性を示すタイムチャー
トである。
【0026】本装置は図1,図2に示すように構成さ
れ、図3のブロック図に示すようにしてトラックやバス
等の自動車に装備されている。ここで、図3のシステム
構成について説明すると、トルク断接用クラッチ装置
(以下、クラッチという)1及びトランスミッション2
が、それぞれマニュアル車と同様の、乾式の単板摩擦ク
ラッチ(摩擦クラッチ)及び同期噛み合い式トランスミ
ッションで構成されている。
【0027】エンジン3は、そのインジェクションポン
プ4を電子ガバナコントロールユニット5からの制御信
号で制御することにより、所望の運転状態に保たれるよ
うに構成されている。そして、クラッチ1およびトラン
スミッション2の操作は、クラッチアクチュエータとし
ての空気圧式アクチュエータ6およびギヤシフト手段と
してのギヤシフトユニット15で行なうようになってお
り、そのエア源としては、ブレーキ作動用の空気圧源を
利用している。
【0028】すなわち、ブレーキ作動用の空気圧源とし
てメイン用エアタンク7が設けられており、エアマスタ
8,9を介しホイールシリンダ10,11へ作動エアを
供給してその作動を行なわせるように構成されている。
これらは、図示しないブレーキバルブにより制御される
が、坂道発進時には、坂道発進補助ブレーキ用マグネッ
トバルブ12,13の動作により自動的な制動が行なわ
れるように構成されている。
【0029】そして、これらの制動系における作動エア
は、エマージェンシ用エアタンク14によりバックアッ
プされている。さらに、制動系の作動エアは、空気圧式
アクチュエータ6およびギヤシフトユニット15に供給
されるようになっており、それぞれの動作により所要の
運転状態が実現されるように構成されている。
【0030】そして、空気圧式アクチュエータ6および
ギヤシフトユニット15の動作は、機械式自動トランス
ミッション用コントロールユニット16により制御され
るようになっている。コントロールユニット16には、
アクセルペダル17の踏込量(以下、アクセル開度とい
う),セレクタ18のセレクト信号,プッシュボタン1
9による坂道発進補助ブレーキ信号がそれぞれ入力され
るとともに、電子ガバナコントロールユニット5からエ
ンジン回転数,クラッチ1からクラッチ回転数,トラン
スミッション2からトランスミッションギヤ位置および
車速がそれぞれ入力されるように構成されている。
【0031】コントロールユニット16は、所要のマイ
クロコンピュータをそなえており、上記の各検出信号に
基づいて、クラッチ1及びトランスミッション2の制御
を行うように、クラッチ制御機能(クラッチ制御手段)
16Aと、トランスミッション制御機能(トランスミッ
ション制御手段)16Bとをそなえている。そして、こ
のコントロールユニット16では、電子ガバナコントロ
ールユニット5へアクセル信号を出力するとともに、ク
ラッチ制御手段16Aからクラッチ1へクラッチ断接制
御信号を、トランスミッション制御手段16Bからギヤ
シフトユニット15へトランスミッションギヤ位置信号
を、その他の制動系へも所要の制御信号を、それぞれ出
力するようになっている。なお、図3中の39はエマジ
ェンシスイッチボックスである。
【0032】ところで、本装置では、運転者の意志はす
べてアクセル開度およびセレクタ18の位置により伝達
されるように構成されており、エンジン始動後セレクタ
18を「D」(Drive)レンジまたは「Pw」(P
ower)レンジに設定すると、ギヤは「2nd」に入
り、この状態でアクセルペダル17を踏み込むと、発進
動作が始まるようになっている。
【0033】この発進動作には、クラッチ1の結合動作
が伴うが、このクラッチ1の結合にかかるクラッチ制御
は、発進操作がショックなく円滑に行なえるように、ア
クセル開度に対応してエンジン制御と連動して行われる
ようになっている。そして、この後の走行時にも、アク
セル開度に対応してクラッチ制御やシフト(変速段切り
換え)制御が、エンジン制御と連動して行われるように
なっている。このため、これらの制御系には、アクセル
開度に対応した変速段の選択データやクラッチストロー
クデータに関するマップ等が記憶されており、このよう
なマップ等を用いて、クラッチ制御やシフト制御やエン
ジン制御が相互に連動して行なわれるようになってい
る。
【0034】ところで、クラッチ1はマニュアル車と同
じ固体摩擦式クラッチとしての乾式単板クラッチを使用
されているが、マニュアル車のクラッチブースタに代え
て、電気−空気圧サーボのクラッチアクチュエータ6が
装備されている。そして、クラッチアクチュエータ6
は、コントロールユニット16のクラッチ制御手段16
Aからの制御信号により接用と断用との2系統4個の電
磁弁(図示せず)を開閉して制御を行なうように構成さ
れている。
【0035】また、発進時や変速時のクラッチ1の微調
整は、電磁弁を短周期に開閉するデューティ制御により
行なわれるように構成されており、デューティ比を調整
することにより、クラッチアクチュエータ6の作動速度
を調整したり前述のクラッチストローク自体を制御した
りできるように構成されている。ここで、クラッチ1の
構造に着目すると、図1に示すように構成されており、
摩擦クラッチ20と流体クラッチ(トルクコンバータ)
21とが、トルク伝達経路として並列的に設けられて、
流体クラッチ21が所定の条件下で作動流体を介してト
ルクを伝達しうるように構成されている。
【0036】つまり、摩擦クラッチ20の入出力軸22
に対してカウンタシャフト23が並設されており、流体
クラッチ21はこのカウンタシャフト23の途中に介装
されている。すなわち、摩擦クラッチ20の入出力軸2
2は、エンジン3側に連結された入力軸22Aとトラン
スミッション2側に連結された出力軸22Bとからな
る。摩擦クラッチ20の入力軸22Aには、互いに噛合
するギヤ24,25を介して、カウンタシャフト23の
入力軸(副入力軸)23Aが連結されている。また、摩
擦クラッチ20の出力軸22Bには、互いに噛合するギ
ヤ26,27を介して、カウンタシャフト23の出力軸
(副出力軸)23Bが連結されている。そして、流体ク
ラッチ21はこれらの副入力軸23Aと副出力軸23B
との間に介装されているのである。
【0037】したがって、入力軸22Aから摩擦クラッ
チ20を介して出力軸22Bへ出力されるトルク伝達経
路の他に、入力軸22Aからギヤ24,ギヤ25,カウ
ンタシャフト23、ギヤ27及びギヤ26を介して出力
軸22Bへ出力されるトルク伝達経路が並列している。
また、摩擦クラッチ20の結合時には、摩擦クラッチ2
0の入力軸22Aと出力軸22Bとは等速回転するが、
この摩擦クラッチ20の結合時に、流体クラッチ21側
のカウンタシャフト23の入出力軸23A,23Bも互
いに等速で回転するように、ギヤ24とギヤ25とのギ
ヤ比と、ギヤ27とギヤ26とのギヤ比との関係が設定
されている。
【0038】したがって、摩擦クラッチ20が結合して
いなければ、エンジン3からの出力回転は、入力軸22
A,ギヤ24,ギヤ25,カウンタシャフト23の入力
軸23B,流体クラッチ21,カウンタシャフト23の
出力軸23B,ギヤ27,ギヤ26,出力軸22Bのル
ートにより、流体クラッチ21を介して、トランスミッ
ション側へ伝達されるようになっている。
【0039】さらに、流体クラッチ21には、その出力
側タービン29と出力軸23Bとの間にワンウェイクラ
ッチ28が介装されており、出力軸22Bの回転数が、
流体クラッチ21におけるトルク伝達動作による出力側
タービン29の回転数を超えた場合には、出力軸23B
が、流体クラッチ21とは関係なく自由に回転できるよ
うになっている。
【0040】ところで、流体クラッチ21は、トルク伝
達媒体としての作動流体(ここでは作動油が用いられる
ので、以下、作動油という)の伝達ロスによって、エン
ジントルクをトランスミッション側へ伝達する時(駆動
時)には、通常、入力軸23Aの回転速度よりも出力軸
23B側(出力側タービン29)の回転速度の方が低く
なる。これに対して、逆にトランスミッション側からエ
ンジン側へトルクが伝達される時(エンジンブレーキ
時)には、通常、出力軸23B側(出力側タービン2
9)の回転速度よりも入力軸23Aの回転速度の方が低
くなる。
【0041】したがって、摩擦クラッチ20が結合する
と、流体クラッチ21の入力軸23Aと出力軸23Bと
は等速回転するが、この時、車両が駆動状態ならば、出
力側タービン29の回転速度は入力軸23Aよりも低い
ため、出力側タービン29と出力軸23Bとの間のワン
ウェイクラッチ28が空転側に作動して、出力側タービ
ン29とは関係なく出力軸23Bが回動するようになっ
ている。
【0042】一方、摩擦クラッチ20が結合した時に車
両がエンジンブレーキ駆動状態ならば、出力側タービン
29の回転速度は入力軸23Aよりも高くなろうとする
ため、ワンウェイクラッチ28が連結側に作動して、出
力側タービン29と出力軸23Bとが一体的に回動す
る。そして、流体クラッチ21内の作動油が機械ブレー
キやエンジンブレーキによる制動をアシストするよう制
動力としてはたらくようになっている。
【0043】ところで、クラッチ制御手段16Aでは、
アクセル開度に応じてクラッチアクチュエータ6の作動
を制御するが、本装置では、この制御のうち、車両の発
進時の制御と微動時の制御とに特徴がある。つまり、発
進時には、エンジン始動後又は車両の一端停止後に、変
速ギヤを「2nd」へ入れるのに先立ってクラッチ1の
摩擦クラッチ20を切り離し、変速ギヤが「2nd」へ
入れられたらクラッチ1の摩擦クラッチ20を切り離
し、クラッチストロークが待機状態を保持し、さらに、
アクセルペダル17が踏み込まれたら、クラッチストロ
ークが待機状態から接合状態へ次第に進行するよう行な
われるようになっている。
【0044】この発進時のアクセルペダル17の踏込に
際しては、アクセルペダル踏込前には、エンジンはアイ
ドル状態であって、クラッチ1は摩擦クラッチ20を切
り離されて流体クラッチ21のみが出力軸側と連結した
状態となり、流体クラッチ21内の作動油がエンジンか
らの出力回転を吸収して発進待機の状態となる。そし
て、アクセルペダル17を踏み込むと、エンジンの出力
回転が増加し始めて、まず、流体クラッチ21において
作動油を介してトルクの伝達が行なわれはじめる。
【0045】ついで、クラッチアクチュエータ6が作動
して、クラッチストロークが待機状態から接合状態へ進
行すると、摩擦クラッチ20では、入力軸22Aと出力
軸22Bとの間でスリップを生じながらトルクを伝達す
るようになる。そして、この摩擦クラッチ20を通じて
入力軸22Aと出力軸22Bとの回転速度差が次第に減
少して、やがて摩擦クラッチ20が完全に結合し、入力
軸22Aと出力軸22Bとが一体回転するようになる。
駆動時には、流体クラッチ21では出力軸23Bの回転
速度が入力軸23Aに比べて低いので、この摩擦クラッ
チ20の係合への過程で、流体クラッチ21を主体とし
たトルク伝達状態から、流体クラッチ21と摩擦クラッ
チ20とが協働した状態を経て、摩擦クラッチ20を主
体としたトルク伝達状態へと移行するようになっている
のである。
【0046】また微動走行時には、変速ギヤは「2n
d」に保持され、クラッチ1の摩擦クラッチ20のクラ
ッチストロークが半クラッチ状態(発進待機の状態と完
全結合の状態との中間状態で、摩擦クラッチ20が滑り
係合する状態)となるような制御を行なうようになって
いる。すなわち、コントロールユニット16では、車速
Vが所定値V0以下で且つアクセル開度ACが所定値A
C0以下の場合に微動走行と判定して、変速ギヤを「2
nd」に保持して、クラッチ1の摩擦クラッチ20のク
ラッチストロークを発進待機の状態と完全結合の状態と
の中間状態に制御する。これにより、微動走行時には、
摩擦クラッチ20と流体クラッチ21とで伝達トルクが
分担されるようになっている。勿論この時にも、アクセ
ル開度ACが増加するとクラッチストロークも増加され
アクセル開度ACが減少するとクラッチストロークも減
少されるというように、アクセル開度ACの変化に応じ
て摩擦クラッチ20のクラッチストロークも調整される
ようになっている。
【0047】さらに、流体クラッチ21には、所定条件
下では流体クラッチ21内に作動油を供給させて、所定
条件下以外では流体クラッチ21内から作動油を排出さ
せることができる、作動流体給排手段(以下、作動油給
排機構という)30が付設されている。作動油給排機構
30は図2に示すように構成されており、作動油給排管
32を介し流体クラッチ21内と連通する作動油タンク
31が設けられ、作動油タンク31内には所要量の作動
油が滞留している。
【0048】作動油タンク31は、エア配管34、電磁
弁35およびエア配管37を介しエア源(図示略)に連
結されており、作動油タンク31内へのエア源からのエ
ア供給により、作動油タンク31内の作動油を押圧し
て、流体クラッチ21内へ供給できるようになってい
る。また、流体クラッチ21内と電磁弁35とがエア配
管33を介し連結されており、電磁弁35の動作により
作動油タンク31内と流体クラッチ21内とを連通させ
うるように構成されている。
【0049】そして、電磁弁35は、その弁体36の変
位により、エア配管34とエア配管37との連通状態
と、エア配管33とエア配管37との連通状態とを切り
替え得るように構成されている。すなわち、エア配管3
4とエア配管37との連通状態において作動油タンク3
1内へエアを供給し、作動油タンク31内の作動油を流
体クラッチ21内に供給し、エア配管33とエア配管3
7との連通状態において作動エアを流体クラッチ21内
へ供給するように構成されている。
【0050】そして、電磁弁35の切り替えは、コント
ロールユニット16のクラッチ制御手段16Aからの制
御信号により行なわれるように構成されている。ここで
は、クラッチ制御手段16Aでは、発進時及び微動走行
時のみ流体クラッチ21内に作動油を供給するよう、電
磁弁35の切替を制御するようになっている。つまり、
発進時においては、クラッチ制御手段16Aでは、入力
される車速情報から車両の停止を判定することで、制御
を開始する。即ち、例えばエンジン始動後又は車両の走
行後の一時停止後党の車両の停止中には、流体クラッチ
21に作動油を速やかに供給する。
【0051】ただし、まずはじめは、流体クラッチ21
内に適当なレベルまで作動油を供給して流体クラッチ2
1内を満杯(100%供給)とはしない。この時、流体
クラッチ21内に供給する作動油量は、車両のクリープ
現象を回避できる最大限の量(発進待機油量)とする。
即ち、車両の停止時には、アクセルペダルが踏み込まれ
るまではエンジンはアイドル運転であるが、流体クラッ
チ21内の作動油を満杯にすると、流体クラッチ21に
よるトルク伝達が行なわれてクリープ現象が生じるた
め、これを回避できる程度に、流体クラッチ21内へ供
給する作動油を制限するのである。しかも、この後、流
体クラッチ21内へ僅かに作動油を供給するだけで流体
クラッチ21によるトルク伝達が行なわれるように、こ
のクリープ現象を回避できる範囲内で可能な限り多い量
を発進待機油量としているのである。
【0052】そして、アクセルペダルが踏み込まれた時
点で、流体クラッチ21内に作動油を満杯(100%供
給)まで供給して、最もトルクを伝達しうる状態にす
る。この後に、摩擦クラッチ20が完全係合したら、流
体クラッチ21内の作動油を排出するようになってい
る。なお、摩擦クラッチ20が完全係合したか否かは、
クラッチ1の入出力の回転速度情報から判定できる。
【0053】また、微動走行は、前述のように、車速V
が所定値V0以下で且つアクセル開度ACが所定値AC
0以下の場合に判定されるが、この場合には、アクセル
ペダルの踏込量に応じて、流体クラッチ21内へ供給す
る作動油量が調整される。つまり、微動走行時には、ア
クセルペダルの踏込量が0のときに、供給作動油量を発
進待機油量として、アクセルペダルの踏込量に応じて供
給作動油量をこの発進待機油量よりも増大させるように
なっている。
【0054】本発明の一実施例としての自動車用機械式
自動トランスミッション装置は、上述のように構成され
るので、以下のように動作する。まず、車両の発進時の
動作を図4を参照して説明すると、発進時には、はじめ
は車速Vは0であり当然第2の所定値V2以下なので、
まず、時点a1で、クラッチ制御手段16Aが、クラッ
チアクチュエータ6を制御して、クラッチ1の摩擦クラ
ッチ20を切り離す。切り離しが完了したら(時点a
2)、ついで、時点a3で、トランスミッション制御手
段16Aが、ギヤシフトユニット15を制御して、変速
ギヤを「2nd」へ入れるとともに、クラッチ制御手段
16Aが、弁体36を図2に示すような状態とする。こ
れにより、エア配管34とエア配管37とが連通して、
流体クラッチ21内に作動油が供給される。ただし、こ
の時には、流体クラッチ21内への作動油供給は発進待
機油量までとする。これにより、停止時の車両のクリー
プ現象を回避しながら、流体クラッチ21は作動直前状
態で待機することになる。
【0055】この後、時点a4で、クラッチ制御手段1
6Aは、クラッチアクチュエータ6を通じて摩擦クラッ
チ20のクラッチストロークを発進待機状態とする。こ
の待機状態では摩擦クラッチ20は係合寸前であるが、
まだ係合してはいない。ここまでの動作が、アクセルペ
ダル17の踏込前に行なわれる。そして、アクセルペダ
ル17が踏み込まれると(時点a5)、流体クラッチ2
1内が満杯(100%供給)となるように作動油が供給
させる。これにより、クラッチ1では流体クラッチ21
がトルクを伝達しうる状態となる。実際のエンジン3の
回転速度上昇はアクセルペダル17の踏込に対してタイ
ムラグがあるため、時点a5よりも遅れて時点a6で行
なわれる。このようにしてエンジン3の回転速度が上昇
すると、これに応じて、流体クラッチ21では流体(作
動油)を介しながらトルク伝達を行なうようになる。こ
の時には、ワンウェイクラッチ28がトルク伝達側に作
動する。
【0056】クラッチ制御手段16Aでは、このエンジ
ン3の回転速度が上昇したら、発進待機状態の摩擦クラ
ッチ20のクラッチストロークが接合側となるように駆
動する。この摩擦クラッチ20の駆動は、例えばエンジ
ン回転速度の閾値Ne1を設定しておき、検出したエン
ジン回転速度がこの閾値Ne1を越えた時点a7で開始
される。
【0057】クラッチアクチュエータ6が作動して、ク
ラッチストロークが待機状態から接合状態へ進行する
と、摩擦クラッチ20では、入力軸22Aと出力軸22
Bとの間でスリップを生じながら、流体クラッチ21と
協働してトルクを伝達するようになる。これにより、時
点a8でクラッチ1の出力軸22Bが実質的に回転しは
じめてこの回転速度がほぼ線型に増大していって、入力
軸22Aと出力軸22Bとの回転速度差が次第に減少し
ながら、やがて時点a9で入力軸22Aと出力軸22B
との回転速度差がほぼ0となり、この後の時点a10
で、摩擦クラッチ20が完全結合する。これにより、入
力軸22Aと出力軸22Bとが完全に一体回転するよう
になる。
【0058】この駆動時には、流体クラッチ21では出
力軸23Bの回転速度が入力軸23Aに比べて低いの
で、この摩擦クラッチ20の係合への過程で、流体クラ
ッチ21を主体としたトルク伝達状態から、流体クラッ
チ21と摩擦クラッチ20とが協働した状態を経て、摩
擦クラッチ20を主体としたトルク伝達状態へと移行す
る。
【0059】また、この過程で、流体クラッチ21で
は、出力側タービン29が、入力軸23Aから作動油を
介して伝達される回転速度よりも高速で回動するため、
ワンウェイクラッチ28が滑り側に作動し出力軸22B
が空転するようになり、流体クラッチ21内の作動油の
粘性抵抗が、摩擦クラッチ20によるトルク伝達の抵抗
になるのを低減される。
【0060】そして、このようにして、入力軸22Aと
出力軸22Bとの速度が等しく(又はほぼ等しく)なっ
たら、流体クラッチ21内の作動油は全て排出される。
こうして、摩擦クラッチ20の結合に際して、流体クラ
ッチ21による円滑なトルク伝達が利用されるので、ク
ラッチ回転速度は全体として直線状に増加していき、発
進時の摩擦クラッチ20の結合がショックを伴うことな
く滑らかに行なわれる。
【0061】しかも、摩擦クラッチ20の結合後に、流
体クラッチ21内の作動油が排出されるため、流体クラ
ッチ21内の粘性抵抗によるエネルギロスを回避するこ
とができる。そして、上述のような一連の発進動作が完
了したのちの通常走行時(微動走行を除く走行時)に
は、流体クラッチ21内には作動油が供給されず、流体
クラッチ21内がエアのみの状態になって、この後の走
行時には、流体クラッチ21内の流体粘性によるエネル
ギ損失も回避されるようになる。
【0062】また、前述のように、車速Vが所定値V0
以下で且つアクセル開度ACが所定値AC0以下の場合
に微動走行と判定されるが、この微動走行時には、図5
に示すように、変速ギヤは「2nd」に保持され、クラ
ッチ1の摩擦クラッチ20のクラッチストロークが半ク
ラッチ状態(発進待機の状態と完全結合の状態との中間
状態)に制御され、流体クラッチ21内への作動油供給
も制御されるようになっている。
【0063】すなわち、コントロールユニット16で
は、車速Vが所定値V0以下で且つアクセル開度ACが
所定値AC0以下の場合に微動走行と判断して、変速ギ
ヤを「2nd」に保持して、アクセル開度ACに応じ
て、クラッチ1の摩擦クラッチ20のクラッチストロー
クを発進待機の状態と完全結合の状態との間で制御す
る。また、流体クラッチ21内の作動油量もアクセル開
度ACに応じて発進待機の状態と満杯(100%)の状
態との間で給排制御する。
【0064】例えば、図5に示す時点b1よりも前のよ
うに、微動走行時に、アクセル開度ACが0であれば、
クラッチ1の摩擦クラッチ20のクラッチストロークは
発進待機状態とされ、流体クラッチ21内の作動油量も
発進待機状態とされる。そして、図5に示す時点b1
で、アクセルペダルを踏み込んでアクセル開度ACが与
えられると、クラッチ1の摩擦クラッチ20のクラッチ
ストロークは発進待機状態よりもアクセル開度ACに応
じて増大され、流体クラッチ21内の作動油量も発進待
機状態よりもアクセル開度ACに応じて増大される。
【0065】これにより、アクセル開度ACが増加する
とクラッチストロークや流体クラッチ21内の作動油量
が増加制御され、アクセル開度ACが減少するとクラッ
チストロークや流体クラッチ21内の作動油量も減少制
御されるというように、アクセル開度ACの変化に応じ
て摩擦クラッチ20のクラッチストローク及び流体クラ
ッチ21内の作動油量が調整されるようになる。
【0066】このようにして、微動走行時には、摩擦ク
ラッチ20と流体クラッチ21とで伝達トルクを分担し
ながら、アクセル開度に応じて、摩擦クラッチ20及び
流体クラッチ21によるトルク伝達量を増減させ、摩擦
クラッチ20の滑りを伴う半クラッチ係合によるトルク
伝達をアシストするようにして流体クラッチ21による
流体を介した滑らかなトルク伝達が行なわれるので、ク
ラッチ回転速度が急変する状況を回避され、微動走行を
スムースにしかもドライバの意思を反映させながら行な
うことができる。
【0067】このように、本装置によると、発進時や微
動走行時におけるクラッチ接続について、接続ショック
が回避されるため、通常のトルクコンバータに近い運転
フィーリングが得られるようになる。また、発進時や微
動走行時以外は、流体クラッチ21内の作動油が除去さ
れるので、駆動トルクの伝達に際して流体クラッチ21
によるトルク伝達ロスが回避されて、燃費向上効果が得
られる。
【0068】さらに、流体クラッチ(トルクコンバー
タ)は、発進時及び微動走行時のみに用いているので、
この流体クラッチ(トルクコンバータ)の最大伝達トル
ク容量はエンジンの全出力トルクに比べて十分に小さな
ものでよく、例えば全出力トルクの三分の一程度に設定
することも可能となる。したがって、最小限の設備コス
ト増加で、上記のような利点(発進時や微動走行時にお
けるクラッチ接続をスムースに行なえる利点)を得られ
る。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の機械式自動トランスミッション装置によれば、エ
ンジンからの出力回転を変速するトランスミッション
と、該エンジンと該トランスミッションとの間に設けら
れたトルク断接用クラッチ装置とをそなえた自動車用機
械式自動トランスミッション装置において、該トランス
ミッションが、使用変速段を切り換えるギヤシフト手段
と、該ギヤシフト手段の作動を制御するシフト制御手段
とをそなえ、該トルク断接用クラッチ装置が、摩擦クラ
ッチと、該摩擦クラッチを駆動するクラッチアクチュエ
ータと、該クラッチアクチュエータの作動を該シフト制
御手段による制御と連動させて制御しうるクラッチ制御
手段と、該摩擦クラッチと並列的に設けられて該摩擦ク
ラッチの切り離し時にトルクを伝達しうる流体クラッチ
とをそなえるという構成により、流体クラッチによるト
ルク伝達を利用しながらクラッチ接続時のショックを回
避しうるようになり、通常の流体クラッチ利用による自
動変速機に近い運転フィーリングが得られるようにな
る。
【0070】請求項2記載の本発明の機械式自動トラン
スミッション装置によれば、請求項1記載の構成におい
て、該摩擦クラッチのエンジン側部材に結合された入力
軸と、該入力軸と同軸上に配置され該摩擦クラッチのト
ランスミッション側部材に結合された出力軸とをそなえ
るとともに、該入力軸に第1の歯車機構を介して接続さ
れた副入力軸と、該副入力軸と同軸上に配置され該出力
軸に第2の歯車機構を介して接続された副出力軸とをそ
なえ、該流体クラッチが、該副入力軸と該副出力軸との
間に介設されるという構成により、容易で且つ確実に流
体クラッチによるトルク伝達を利用できるようになり、
大きなコスト増を招くことなく、クラッチ接続時のショ
ックを回避しうるようになる。
【0071】請求項3記載の本発明の機械式自動トラン
スミッション装置によれば、請求項1又は2記載の構成
において、該流体クラッチ内の作動流体を給排する作動
流体給排手段と、該作動流体給排手段の作動を制御する
給排制御手段とをそなえるという構成により、該流体ク
ラッチ内に作動流体が必要な時にはこの作動流体を供給
し、該流体クラッチ内の作動流体が不要な時にはこの作
動流体を排出することで、該流体クラッチ特有の円滑に
トルク伝達を行なえる長所を利用しながら、この一方
で、該流体クラッチ特有のトルク伝達ロスを招くという
短所を回避できるようになる。
【0072】請求項4記載の本発明の機械式自動トラン
スミッション装置によれば、請求項3記載の構成におい
て、該給排制御手段が、自動車の発進時に該作動流体給
排手段を通じて該流体クラッチ内に該作動流体を供給さ
せるように構成されることにより、自動車の発進時に、
該流体クラッチ特有の円滑にトルク伝達を行なえる長所
を利用しながら、発進時にも、クラッチ接続時のショッ
クを回避しうるようになり、通常の流体クラッチ利用に
よる自動変速機に近い発進時の運転フィーリングが得ら
れるようになる。
【0073】請求項5記載の本発明の機械式自動トラン
スミッション装置によれば、請求項4記載の構成におい
て、該自動車の発進時における該給排制御手段による該
流体クラッチ内への該作動流体の供給制御時に、該クラ
ッチ制御手段が該摩擦クラッチの係合を開始して該係合
を次第に強化していくように該クラッチアクチュエータ
の作動を制御するよう構成されることにより、自動車の
発進時に、クラッチ接続時のショックを回避して、通常
の流体クラッチ利用による自動変速機に近い運転フィー
リングが得られるようになる。
【0074】請求項6記載の本発明の機械式自動トラン
スミッション装置によれば、請求項3又は4記載の構成
において、該給排制御手段が、該自動車の微速走行時に
該流体クラッチ内に該作動流体を供給させるように構成
されることにより、クラッチ接続を滑らかに行ないにく
い微速走行時にも、作動流体を介したトルク伝達によ
り、クラッチ接続時のショックを回避しながら走行でき
るようになり、通常の流体クラッチ利用による自動変速
機に近い運転フィーリングが得られるようになる。
【0075】請求項7記載の本発明の機械式自動トラン
スミッション装置によれば、請求項5又は6記載の構成
において、該自動車の微速走行時における該給排制御手
段による該流体クラッチ内への該作動流体の供給制御時
に、該クラッチ制御手段が該摩擦クラッチの係合を半ク
ラッチ状態に調整されるように該クラッチアクチュエー
タの作動を制御するよう構成されることにより、クラッ
チ接続を滑らかに行ないにくい微速走行時にも、作動流
体を介したトルク伝達と摩擦クラッチの半クラッチ係合
によるトルク伝達とにより、クラッチ接続時のショック
を回避しながら走行できるようになり、通常の流体クラ
ッチ利用による自動変速機に近い運転フィーリングが得
られるようになる。
【0076】請求項8記載の本発明の機械式自動トラン
スミッション装置によれば、請求項2〜7のいずれかに
記載の構成において、該流体クラッチに、該副入力軸側
から該副出力軸側へのみトルク伝達を行なうワンウェイ
クラッチが介装されるという構成により、流体クラッチ
が摩擦クラッチによるトルク伝達の妨げとならないよう
にしながら、流体クラッチにより摩擦クラッチによるト
ルク伝達を補助できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての自動車用機械式自動
トランスミッション装置の要部構成を模式的に示す縦断
面図である。
【図2】本発明の一実施例としての自動車用機械式自動
トランスミッション装置の作動流体油給排手段の要部構
成を模式的に示す縦断面図である。
【図3】本発明の一実施例としての自動車用機械式自動
トランスミッション装置を装備される自動車の制御系の
要部構成を示す模式的ブロック図である。
【図4】本発明の一実施例としての自動車用機械式自動
トランスミッション装置を装備される自動車の発進時の
制御特性を示すタイムチャートであり、(A)は変速ギ
ヤ段の選択状態を、(B)はアクセル開度を、(C)は
トルクコンバータ供給油量を、(D)はクラッチストロ
ークを、(E)はエンジン回転速度及びクラッチの出力
側回転速度を、それぞれ示している。
【図5】本発明の一実施例としての自動車用機械式自動
トランスミッション装置を装備される自動車の微動走行
時の制御特性を示すタイムチャートであり、(A)は変
速ギヤ段の選択状態を、(B)はアクセル開度を、
(C)はトルクコンバータ供給油量を、(D)はクラッ
チストロークを、(E)はエンジン回転速度及びクラッ
チの出力側回転速度を、それぞれ示している。
【図6】従来例としてのロックアップクラッチ付き自動
車用自動トランスミッション装置を模式的に示す縦断面
図である。
【符号の説明】
1 トルク断接用クラッチ装置(クラッチ) 2 トランスミッション 3 エンジン 4 インジェクションポンプ 5 電子ガバナコントロールユニット 6 クラッチアクチュエータとしての空気圧式アクチュ
エータ 7 ブレーキ作動用の空気圧源としてメイン用エアタン
ク 8,9 エアマスタ 10,11 ホイールシリンダ 12,13 坂道発進補助ブレーキ用マグネットバルブ 14 エマージェンシ用エアタンク 15 ギヤシフト手段としてのギヤシフトユニット 16 機械式自動トランスミッション用コントロールユ
ニット 16A クラッチ制御手段 16B トランスミッション制御手段 17 アクセルペダル 18 セレクタ 19 プッシュボタン 20 摩擦クラッチ 21 流体クラッチ(トルクコンバータ) 22 摩擦クラッチ20の入出力軸 22A 入力軸 22B 出力軸 23 カウンタシャフト 23A カウンタシャフト23の入力軸(副入力軸) 23B カウンタシャフト23の出力軸(副出力軸) 24,25,26,27 ギヤ 28 ワンウェイクラッチ 29 出力側タービン 30 作動流体給排手段としての作動油給排機構 31 作動油タンク 32 作動油給排管 33,34 エア配管 35 電磁弁 36 弁体 37 エア配管 38 スプリング 39 エマジェンシスイッチボックス

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの出力回転を変速するトラ
    ンスミッションと、該エンジンと該トランスミッション
    との間に設けられたトルク断接用クラッチ装置とをそな
    えた自動車用機械式自動トランスミッション装置におい
    て、 該トランスミッションが、使用変速段を切り換えるギヤ
    シフト手段と、該ギヤシフト手段の作動を制御するシフ
    ト制御手段とをそなえ、 該トルク断接用クラッチ装置が、摩擦クラッチと、該摩
    擦クラッチを駆動するクラッチアクチュエータと、該ク
    ラッチアクチュエータの作動を該シフト制御手段による
    制御と連動させて制御しうるクラッチ制御手段と、該摩
    擦クラッチと並列的に設けられて該摩擦クラッチの切り
    離し時にトルクを伝達しうる流体クラッチとをそなえて
    いることを特徴とする、機械式自動トランスミッション
    装置。
  2. 【請求項2】 該摩擦クラッチのエンジン側部材に結合
    された入力軸と、該入力軸と同軸上に配置され該摩擦ク
    ラッチのトランスミッション側部材に結合された出力軸
    とをそなえるとともに、該入力軸に第1の歯車機構を介
    して接続された副入力軸と、該副入力軸と同軸上に配置
    され該出力軸に第2の歯車機構を介して接続された副出
    力軸とをそなえ、 該流体クラッチが、該副入力軸と該副出力軸との間に介
    設されていることを特徴とする、請求項1記載の機械式
    自動トランスミッション装置。
  3. 【請求項3】 該流体クラッチ内の作動流体を給排する
    作動流体給排手段と、該作動流体給排手段の作動を制御
    する給排制御手段とをそなえていることを特徴とする、
    請求項1又は2記載の機械式自動トランスミッション装
    置。
  4. 【請求項4】 該給排制御手段が、自動車の発進時に該
    作動流体給排手段を通じて該流体クラッチ内に該作動流
    体を供給させるように構成されていることを特徴とす
    る、請求項3記載の機械式自動トランスミッション装
    置。
  5. 【請求項5】 該自動車の発進時における該給排制御手
    段による該流体クラッチ内への該作動流体の供給制御時
    に、該クラッチ制御手段が該摩擦クラッチの係合を開始
    して該係合を次第に強化していくように該クラッチアク
    チュエータの作動を制御するよう構成されていることを
    特徴とする、請求項4記載の機械式自動トランスミッシ
    ョン装置。
  6. 【請求項6】 該給排制御手段が、該自動車の微速走行
    時に該流体クラッチ内に該作動流体を供給させるように
    構成されていることを特徴とする、請求項3又は4記載
    の機械式自動トランスミッション装置。
  7. 【請求項7】 該自動車の微速走行時における該給排制
    御手段による該流体クラッチ内への該作動流体の供給制
    御時に、該クラッチ制御手段が該摩擦クラッチの係合を
    半クラッチ状態に調整されるように該クラッチアクチュ
    エータの作動を制御するよう構成されていることを特徴
    とする、請求項5又は6記載の機械式自動トランスミッ
    ション装置。
  8. 【請求項8】 該流体クラッチに、該副入力軸側から該
    副出力軸側へのみトルク伝達を行なうワンウェイクラッ
    チが介装されていることを特徴とする、請求項2〜7の
    いずれかに記載の機械式自動トランスミッション装置。
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