JPH08240189A - ロータリコンプレッサ - Google Patents

ロータリコンプレッサ

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JPH08240189A
JPH08240189A JP4444795A JP4444795A JPH08240189A JP H08240189 A JPH08240189 A JP H08240189A JP 4444795 A JP4444795 A JP 4444795A JP 4444795 A JP4444795 A JP 4444795A JP H08240189 A JPH08240189 A JP H08240189A
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JP
Japan
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cylinder
welding
welding plate
plate
rotary
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JP4444795A
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English (en)
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Hirokazu Iizuka
博計 飯塚
Kouji Satodate
康治 里舘
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Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ロータリ式圧縮機構を密閉ケースに安定的にロ
ーコストで固定し、圧縮機効率の低下を防止できるロー
タリコンプレッサを提供することにある。 【構成】ロータリコンプレッサ10は、電動機12によ
り駆動されるロータリ式圧縮機構13を密閉ケース11
内に収容する。この密閉ケース11に圧縮機構13のシ
リンダ22を固定する。ロータリ式圧縮機構13は、シ
リンダ22の外周面に密閉ケース11への溶接固定部2
2a〜22cを複数箇所設ける。各溶接固定部22a〜
22cの少なくとも一部を溶接用板24で構成する。こ
の溶接用板24をシリンダ外周面から外側方に突出する
ように下駄を履かせて設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種冷凍機械や冷蔵
庫,空気調和機等の冷凍サイクルに使用されるロータリ
コンプレッサに係り、特にロータリ式圧縮機構のシリン
ダを密閉ケースに固定させるタイプのロータリコンプレ
ッサに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のロータリコンプレッサは冷凍シ
ョーケースのような各種冷凍機械や冷蔵庫,空気調和機
等に組み込まる冷凍サイクルに用いられる。このロータ
リコンプレッサは電動機により駆動されるロータリ式圧
縮機構を密閉ケース内に収容しており、ロータリ式圧縮
機構で圧縮された冷媒を密閉ケース内を経て冷凍サイク
ルに吐出させるようになっている。
【0003】従来のロータリコンプレッサ1は、図5に
示すように、ロータリ式圧縮機構2を構成するシリンダ
(シリンダブロック)3やメインベアリング4,サブベ
アリング5を鋳造による型成形で製造している。メイン
ベアリング4およびサブベアリング5により電動機6か
らの回転シャフト7を回転自在に支持し、この回転シャ
フト7のクランク部7aに軸装されるローラピストン8
をシリンダ3内に収容してロータリ式圧縮機構2が組み
立てられる。
【0004】そして、このロータリ式圧縮機構2のシリ
ンダ3にサポートフレーム9を固定し、このサポートフ
レーム9を密閉ケース1a内に圧入し、溶接にて固定す
ることにより、ロータリ式圧縮機構2を密閉ケース1a
に固定している。
【0005】また、ロータリ式圧縮機構をサポートフレ
ーム9を介して密閉ケース1aに固定する代りに、ロー
タリ式圧縮機構2を構成する鋳物製シリンダを密閉ケー
スに直接溶接にて固定し、ロータリ式圧縮機構を密閉ケ
ースに固定したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ロータリ式圧縮機構2
を密閉ケース1aにサポートフレーム9を介して固定し
たロータリコンプレッサ1では、ロータリ式圧縮機構2
を組み立てた後に、この圧縮機構2にサポートフレーム
9をボルト締め等で固定させる組立作業が必要となり、
ロータリ式圧縮機構2の組付作業数が増加し、組付作業
に手間が掛かったり、部品点数が多く、部品管理が面倒
でコストアップの要因となっていた。
【0007】また、ロータリ式圧縮機構の鋳物製シリン
ダを密閉ケースに溶接にて複数箇所で直接固定したロー
タリコンプレッサでは、鋳造によるシリンダの鋼性が強
く、剛性が大きいため、このシリンダを密閉ケースに溶
接にて固定させると、シリンダは溶接による熱歪みの影
響を受け、強度的に弱いブレード溝に寸法変形が生じる
おそれがある。
【0008】このブレード溝の寸法変形による悪影響を
防止するために、ブレード溝とブレードとのクリアラン
スを大きくとる必要があるが、ブレードとブレード溝と
のクリアランスを大きくとると、メカロスが生じ、ロー
タリコンプレッサの圧縮機効率を低下させる問題があっ
た。
【0009】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、ロータリ式圧縮機構を密閉ケースに安定的に
ローコストで固定し、圧縮機効率の低下を防止できるロ
ータリコンプレッサを提供することを目的とする。
【0010】また、本発明の他の目的は、シリンダ溶接
歪みに起因するブレード溝の寸法変形を防止したロータ
リコンプレッサを提供するにある。
【0011】さらに、本発明の他の目的は、溶接用板を
シリンダ鋳造時に一体に組み込んでシリンダとの接合力
を高め、シリンダの生産性を向上させたロータリコンプ
レッサを提供するにある。
【0012】さらにまた、本発明の他の目的は、シリン
ダと溶接用板との接合強度を向上させ、溶接用板がシリ
ンダから外れにくいロータリコンプレッサを提供するに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係るロータリコ
ンプレッサは、上述した課題を解決するために、請求項
1に記載したように、電動機により駆動されるロータリ
式圧縮機構を密閉ケース内に収容し、この密閉ケースに
圧縮機構のシリンダを固定したロータリコンプレッサに
おいて、前記シリンダの外周面に密閉ケースへの溶接固
定部を複数箇所設け、上記溶接固定部の少なくとも一部
を溶接用板で構成し、この溶接用板をシリンダ外周面か
ら外側方に突出するように下駄を履かせて設けたもので
ある。
【0014】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係るロータリコンプレッサは、請求項2に記載し
たように、ロータリ式圧縮機構のシリンダを鋳造による
型成形で構成し、前記シリンダに形成されるブレード溝
を跨ぐ両側の溶接固定部のうち一方に溶接用板を用いた
ものである。
【0015】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係るロータリコンプレッサは、請求項3に記載
したように、溶接用板は断面コ字状の鋼板で構成し、溶
接用板の両側支持脚部をシリンダ鋳造時にシリンダに組
み込んで一体に型成形したり;請求項4に記載したよう
に、溶接用板の両側支持脚部は漸次拡開あるいは縮小す
るように角度を持たせたものである。
【0016】
【作用】本発明に係るロータリコンプレッサにおいて
は、ロータリ式圧縮機構の外周部に密閉ケースへの溶接
固定部を複数箇所設け、上記溶接固定部の少なくとも一
部を溶接用板で構成し、この溶接用板をシリンダ外周面
から外側方に突出するように下駄を履かせて設けたの
で、ロータリ式圧縮機構を密閉ケースに固定させるサポ
ートフレームが不要となり、ロータリ式圧縮機構のシリ
ンダを密閉ケースに直接溶接にて固定させることがで
き、組付固定作業が簡素化され、コストダウンを図るこ
とができる一方、ローコストで安定的に溶接固定させる
ことができる。
【0017】ロータリ式圧縮機構のシリンダを密閉ケー
スに直接溶接にて固定しても、溶接用板は下駄を履かせ
て外側方に突出し、この溶接用板を密閉ケースに溶接に
て固定することにより、シリンダ溶接歪みに起因する変
形を溶接用板の変形で吸収でき、ブレード溝に寸法変形
を生じさせるのを防止することができ、ブレード溝はブ
レードとのクリアランスを適正に保つように精度よく加
工できるので、圧縮機効率を損うことがなく、充分に維
持できる。
【0018】特に、シリンダに形成されるブレード溝を
跨ぐ両側に形成される溶接固定部のうち一方に溶接用板
を用いることにより、剛性の大きなシリンダに溶接歪み
に伴うブレード溝の寸法変形が生じる前に、溶接用板の
変形でブレード溝の寸法変形の発生を有効的に抑えるこ
とができ、ブレード溝の寸法変形が万一生じても最小限
に抑えることができる。
【0019】また、溶接用板は断面コ字状の鋼板で構成
され、シリンダ鋳造時にシリンダに組み込まれて一体成
形されるので、シリンダ外周部に溶接用板を後付けで取
り付ける作業が不要となり、シリンダと溶接用板の接合
力を高めて生産性が向上し、量産に適したものとなる。
【0020】さらに、溶接用板に備えられる両側の支持
脚部が漸次拡開したり、縮小するように角度を持たせる
ことで、溶接用板とシリンダとの接合力(結合力)をよ
り一層高めることができる。溶接用板の支持脚部の拡開
や縮小は一側の脚部の折曲角を大きくしたり、小さくす
ることにより形成しても、また、支持脚部をノコギリ歯
や波形のように凹凸加工して形成したものも含む。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係るロータリコンプレッサの
一実施例について添付図面を参照して説明する。
【0022】図1は本発明に係るロータリコンプレッサ
の一例を示す縦断面図である。このロータリコンプレッ
サは、冷凍ショーケース等の冷凍機械や冷蔵庫,空気調
和機等に備えられる冷凍サイクルに組み込まれる。
【0023】ロータリコンプレッサ10は縦型をなし、
コンプレッサケースとしての密閉ケース11内上部に電
動機12が、この電動機12により駆動されるロータリ
式圧縮機構13が下部にそれぞれ収容される。電動機1
2は密閉ケース11内に圧入して固定されるステータ1
5とこのステータ15内に収容されるロータ16とから
構成される。ロータ16は出力シャフトである回転シャ
フト17に軸装され、回転自在に支持される。電動機1
2は電源端子18を電源に接続し、通電することにより
回転駆動される。
【0024】電動機12のロータ16を支持する回転シ
ャフト17はロータリ式圧縮機構13のメインベアリン
グ20とサブベアリング21により回転自在に支持され
る。メインベアリング20とサブベアリング21はシリ
ンダ(シリンダブロック)22を両側から挟むようにし
て設けられ、締付ボルト23等の固定具で一体に組み立
てられる。シリンダ22は密閉ケース11に溶接にて直
接固定される。
【0025】一方、シリンダ22はその外周部に周方向
に所定の間隔をおいた溶接固定部20a,20b,20
cが複数箇所、例えば3箇所形成される。複数箇所の溶
接固定部20a〜20cのうち少なくとも一部には、溶
接用板24が設けられる。溶接用板24は断面コ字状の
薄肉鋼板で形成され、シリンダ22の外周面より外側方
に突出するように下駄を履かせて設けられ、新しいシリ
ンダ外周面の一部を構成する。
【0026】断面コ字状の溶接用板24は密閉ケース2
2の内面に接合して溶着される溶接接合部24aとこの
溶接接合部24aを外側方に下駄を履かせた状態に保持
する両側の支持脚部24bとを有し、支持脚部24bは
シリンダ鋳造時にシリンダ22に埋設され、シリンダ2
2と一体に型成形される。したがって、シリンダ22を
鋳造により型成形した後、溶接用板24を後付け作業で
シリンダ22に固定させる作業が不要となり、作業が簡
素化される。
【0027】溶接用板24は、シリンダ22の後述する
ブレード溝27を跨ぐ両側の溶接固定部22a,22c
のうち一方に設けられる。両側の溶接固定部22a,2
2cの双方に溶接用板24を設けてもよい。この溶接用
板24は、ブレード溝27に対応するシリンダ外周面を
溶接固定部22dに構成し、この部分に設けてもよい。
ブレード溝27に対応するシリンダ外周面は、通常密閉
ケース11の内周側に係合する位置合せ用係合面として
形成されている。
【0028】また、ロータリ式圧縮機構13のシリンダ
22内には図1および図2に示すように、シリンダボア
により画成されるシリンダ室25が形成され、このシリ
ンダ室25にローラピストン26が収容される。ローラ
ピストン26は回転シャフト17のクランク部17aに
軸装され、回転シャフト17の回転駆動に伴い、シリン
ダ室25内を転動しつつ偏心回転せしめられ、コンプレ
ッサ作用をするようになっている。
【0029】ロータリ式圧縮機構13は、図3に示すよ
うに、シリンダボアの内周面(シリンダ内周面)より半
径方向外方に延びるブレード溝27が形成され、このブ
レード溝27にブレード28がローラピストン26を押
圧するようにばね付勢されて収容され、このブレード2
8によりシリンダ室25内には吸込側と圧縮側チャンバ
25a,25bに区画される。上記シリンダ22にはブ
レード溝27を挟んだ両側に吸込口30と吐出口31が
それぞれ形成される。
【0030】吸込口30は図1に示すように、吸込パイ
プ32を介してアキュムレータ33に接続され、このア
キュムレータ33で気液分離されたガス冷媒がシリンダ
室25の吸込側チャンバ25aに吸い込まれるようにな
っている。
【0031】また、吐出口31はリードバルブ等の吐出
弁機構35を介して吐出室36に連通され、シリンダ室
25の圧縮側チャンバ25bで圧縮された冷媒が吐出さ
れるようになっている。吐出室36は図2および図3に
示すようにシリンダ22内に画成される。吐出室26の
外周側は開口しているが、この開口は制振鋼板製等のチ
ャンバカバー37により閉塞される。チャンバカバー3
7はシリンダ22の外周側からプレート製の押えスプリ
ング38によりワンタッチで装着され、シリンダ22の
係止爪39に掛止めされる。
【0032】シリンダ22の吐出室36にはサブマフラ
ー室40に通じる吐出室出口孔41が穿設されており、
サブマフラー室40はシリンダ22に形成される連絡孔
43を介してメインマフラー室44に連通される。上記
吐出室出口孔41および連絡孔43はシリンダ軸線とほ
ぼ平行になるようにシリンダ22に穿設される一方、メ
インマフラー室44およびサブマフラー室40はメイン
ベアリング20およびサブベアリング21にそれぞれ外
側から装着されるベアリングカバー45,46により画
成される。各ベアリングカバー45,46はメインベア
リング20およびサブベアリング21に締付ボルト23
等で共締めされ、固定される。
【0033】メインマフラー室44はメインベアリング
20に形成されたポート47を介して密閉ケーシング1
1内に連通される。しかして、シリンダ室25で圧縮さ
れた冷媒は吐出口31から吐出弁機構35を経て吐出室
36内に吐出される。吐出された冷媒は続いてサブマフ
ラー室40およびメインマフラー室44に順次案内され
て多段階にマフラー作用を受け、冷媒の圧力脈動が平滑
化されて密閉ケーシング11内に案内され、密閉ケーシ
ング11の頂部に設けられた吐出パイプ55を経て外部
に吐出される。
【0034】ところで、ロータリ式圧縮機構13を構成
するシリンダ22やメインベアリング20,サブベアリ
ング21は鋳物材を鋳造にて型成形して構成される。こ
のうち、シリンダ22を鋳造にて型成形する際、予め成
形された溶接用板24および弁座板50を図示しない鋳
型内に組み込んで鋳造することにより、シリンダ鋳物と
溶接用板24および弁座板50とがシリンダ鋳造時に接
合されて一体化される。その際、溶接用板24および弁
座板50は図3に示すようにシリンダ外周面およびシリ
ンダ内周面(シリンダボアの内周面)の一部を構成する
ように鋳型に組み込まれて鋳造され、溶接用板24およ
び弁座板組込式シリンダ22が製造される。
【0035】溶接用板24および弁座板50は例えば
0.5mm〜3mm程度の板厚の薄肉鋼板で形成される一
方、弁座板50には吐出口31が形成される。溶接用板
24および弁座板50を構成する鋼板には、ニッケル
(Ni)成分が3重量%(wt%)以上含まれている。
【0036】溶接用板および弁座板組込式シリンダ22
を型成形する際、シリンダ鋳物は溶湯温度が約1450
℃付近で鋳造されるが、溶接用板24および弁座板50
にNi成分を含ませることにより、鋳造時に溶接用板2
4や弁座板50のNi成分が溶けてシリンダ鋳物に融合
し、シリンダ鋳物と一体となった接合力の大きな結合が
可能となる。このため、シリンダ鋳物と溶接用板24お
よび弁座板50の接合部分が一体化して高強度の結合と
なり、多量生産に適し、生産性の高い弁座板組込式シリ
ンダの製造が可能となる。
【0037】一方、溶接用板24および弁座板50はN
iを3wt%以上含ませる代りに、溶接用板24の少な
くとも支持脚部24bや弁座板50の板表面にニッケル
(Ni)メッキを施してもよい。この場合にも、溶接用
板24や弁座板50を組み込んでシリンダ鋳物を鋳造す
る際に、Ni成分が溶出して融合して融合化が図れ、シ
リンダ鋳物と溶接用板24および弁座板50とが一体化
される。
【0038】他方、溶接用板24および弁座板50は融
点が約1890℃のクロム(Cr)を10wt%以上含
むステンレス鋼板を用いてもよい。このステンレス鋼板
を使用することにより、鋳造時における溶接用板24お
よび弁座板50の熱変形が極めて小さいので、溶接用板
24および弁座板50を精度よく組み込んで一体化さ
せ、弁座板組込式シリンダを精度よく製造でき、多量生
産に適したものとなる。
【0039】また、溶接用板および弁座板組込式シリン
ダ22は、図3に示すように構成され、溶接用板24お
よび弁座板50はシリンダ22に一体に組み付けられ
る。その際、弁座板50のブレード溝27側がほぼL字
状に折曲され、このL字状折曲部がブレード溝27の溝
側壁の一部を構成している。弁座板50のL字状折曲部
の先端はブレード溝27の途中で終端しているが、ブレ
ード溝27と吐出室36とは弁座板50で仕切られてい
る。吐出室36とブレード溝27との仕切を強度の大き
な弁座板50で構成できるので、吐出口31を図3に示
すブレード28側に極めて接近させることができる。吐
出口31をブレード28側に接近させても、シリンダ2
2の機械的・物理的強度を損うことがないので、弁座板
50の薄肉構造と相俟ってトップクリアランスを減少さ
せることができ、圧縮効率の向上を図ることができる。
【0040】また、シリンダ22の吐出口31は弁座板
50に形成され、従来のロータリコンプレッサのよう
に、シリンダ22の鋳物部に吐出口を形成した場合に比
べ、トップクリアランスを形成する吐出口部の体積を小
さくできるので、圧縮効率を従来のロータリコンプレッ
サより大幅に改善できる。例えば、ロータリコンプレッ
サで通常用いられる成績係数(COP)表示で同型タイ
プのものを比較すると10%以上の改善が可能となる。
【0041】さらに、溶接板および弁座板組込式シリン
ダ22は溶接用板24がシリンダ外周面の一部を、ま
た、弁座板50がシリンダ内周面の一部を構成するよう
に組み込まれ、弁座板50の吐出側(シリンダ半径方向
外側)に吐出室36が形成されるので、シリンダ22に
形成される吐出室36の容積を大きくすることができ
る。吐出室36はシリンダ22外周側が開放され、この
開口を介して吐出弁機構35が挿入されて吐出室36内
に収容され、固着ねじ51等の固定具で吐出室に固定さ
れる。
【0042】吐出弁機構35には逆止弁機構として例え
ばリードバルブ機構が用いられ、このリードバルブ機構
は吐出口31を開閉可能に覆うバルブプレート52とバ
ルブプレート52の開閉をガイドするバルブガイド53
を共締めにより固定して構成される。
【0043】吐出室36の開口側はチャンバカバー37
により覆われて閉塞される一方、チャンバカバー37は
プレート状の押えばね38によりシリンダ22の係止爪
39にワンタッチ式に装着され、保持される。また、吐
出室36にはシリンダ軸線とほぼ平行に吐出室出口孔4
1が穿設されており、この吐出室出口孔41を介して吐
出室36はサブマフラー室40に連通される。シリンダ
22には鋳造により吐出室36が形成されるので、吐出
室36を後加工により成形することがない一方、吐出室
36が鋳造時に成形されるので、吐出室出口孔41の穿
設は容易となる。
【0044】しかして、溶接用板・弁座板組込式シリン
ダ22は、弁座板50の吐出側に大きなボリュームを有
する吐出室36が形成され、この吐出室36は吐出室出
口孔41を除いてほぼ密閉構造に構成される。このた
め、吐出室36内に発生する圧縮冷媒の圧力脈動に起因
する騒音を、吐出室36のマフラー作用(ボリューム)
で封じ込めることができ、ロータリコンプレッサ10外
部に騒音振動が伝達されるのを有効的に防止できる。同
型タイプのロータリコンプレッサでは、従来より騒音レ
ベルを3dB以上低減させることが可能である。
【0045】また、溶接用板・弁座板組込式シリンダ2
2は弁座板50のブレード溝27と反対側が途中から図
3に示すように、シリンダ内周面から離れる方向に折曲
される。すなわち、シリンダ内周面におけるシリンダ鋳
物と弁座板50との境界部Aからシリンダ内周面の外方
を向くように境界面Bが斜めに延設されており、この境
界面Bは境界部Aを通るシリンダ内周面の外接面Cと所
要の角度α、例えば鋭角に交差している。これにより、
交差部分のシリンダ鋳物角度βを大きくとることがで
き、シリンダ鋳物と弁座板50との結合強度を境界部A
付近において向上させて安定化させ、シリンダ鋳物の欠
落を防止することができる。したがって、良好な品質の
弁座板組込式シリンダを提供できる。
【0046】また、図3に示すように、溶接用板24お
よび弁座板50を組み込んで鋳造によりシリンダ22を
一体成形し、溶接用板24がシリンダ外周面の一部を、
弁座板50が吐出口31を形成してシリンダ内周面の一
部を構成することにより、ロータリ式圧縮機構13を密
閉ケース11内に安定的に組み付けて固定させることが
でき、ロータリコンプレッサ10の作動により、シリン
ダ室25内の圧力は、ローラピストン26の回転により
圧縮側チャンバ25bが次第に高圧になり、ブレード2
8は圧縮側チャンバ25bよりブレード側面に矢印方向
の作用力Fを受ける。ブレード28の作用力Fは、ブレ
ード溝27の2箇所の摺動面D点およびE点で主に支え
ることになる。
【0047】その際、ブレード28からの作用力Fを受
けるブレード溝27の摺動面は、耐摩耗性に優れた鋳物
材で構成され、弁座板50のL字状折曲部でブレード2
8の作用力Fを受けない。このため、弁座板組込式シリ
ンダ22ひいてはロータリコンプレッサ10の信頼性を
低下させることなく、コンプレッサ性能を改善すること
ができる。
【0048】ところで、このロータリコンプレッサ10
においては、ロータリ式圧縮機構13に溶接用板24お
よび弁座板50を組み込んで鋳造した溶接用板・弁座板
組込式シリンダ22を備え、このシリンダ22の外周面
に複数箇所の溶接固定部22a,22b,22cを設
け、この溶接固定部22a〜22cを密閉ケース11に
嵌合させて溶接したので、ロータリ式圧縮機構13を密
閉ケース11に直接溶接して固定させることができ、従
来のサポートフレームが不要となる。
【0049】また、ロータリ式圧縮機構13のシリンダ
22に形成される溶接固定部22a,22b,22cの
うち、図3に示すように、ブレード溝27を跨ぐ両側の
溶接固定部22a,22cの一方に薄肉鋼板製の溶接用
板24を下駄を履かせて設け、溶接用板24の溶接接合
部24aをシリンダ外周部より間隔をおいて外側方に突
出させている。この溶接接合部24aでシリンダ外周面
の一部を構成して密閉ケース11に溶接に固定させたの
で、溶接による熱歪みを溶接用板24の変形で吸収する
ことができる。
【0050】鋳造製シリンダ22は鋼性が強く、剛性が
大きいために、シリンダ22を密閉ケース11に溶接に
て固定させると、剛性の小さな弱いブレード溝27部分
に寸法変化が生じ易い。しかし、このロータリコンプレ
ッサ10では、溶接用板24がブレード溝27より剛性
が弱いため、ブレード溝部の変形前に、ブレード溝部よ
り小さな力で変形する。したがって、溶接用板24をブ
レード溝27を跨ぐ両側の溶接固定部の一方22aに下
駄を履かせて設けることにより、溶接時の熱歪みを溶接
用板24の変形が吸収し、ブレード溝27の寸法変形を
有効に防止、あるいは極めて小さくすることができる。
【0051】したがって、シリンダ22のブレード溝2
7を正確に精度よく加工すれば、鋳物製シリンダ22を
密閉ケース11に溶接にて固定しても、ブレード溝27
が寸法変形するのを防止でき、ブレード溝27とブレー
ド28とのクリアランスを適正に保つことができ、圧縮
機効率を低下させることなく、圧縮機効率の維持を充分
に図ることができる。
【0052】また、このロータリコンプレッサ10で
は、ロータリ式圧縮機構13に弁座板50を組み込んで
鋳造した弁座板組込式シリンダ22を備えたので、圧縮
機構13のシリンダ室25で圧縮された冷媒は吐出口3
1から吐出弁機構35を介して吐出室36に吐出され、
ここでマフラー作用を受け、圧力脈動が軽減される。
【0053】吐出室36に吐出された冷媒は、続いて吐
出室出口孔41を通ってサブマフラー室40に案内さ
れ、その後、連絡孔43を介してメインマフラー室44
に導かれ、このメインフマフラー室44から密閉ケース
11内に案内される。各マフラー室40,44で多段階
のマフラー作用を受けて吐出冷媒の圧力脈動が平滑化さ
れ、密閉ケース11内で高圧の吐出冷媒の圧力が均一化
される。密閉ケース11内の吐出冷媒は圧力脈動が解消
され、均一化された状態で吐出パイプ55から図示しな
い冷凍サイクル等の外部に吐出される。
【0054】本発明の一実施例の説明においては、溶接
用板24を断面コ字状の鋼板で構成した例を示したが、
この溶接用板は図4に示すように両側の支持脚部が漸次
拡開あるいは縮小するように角度を持たせてもよい。
【0055】図4(A)は溶接用板60の両側支持脚部
60bがテーパ状に拡開する例を、図4(B)は溶接用
板61の支持脚部61bが釣鐘状に拡開する例を、図4
(C)は溶接用板62の支持脚部62bが漸次縮小する
例をそれぞれ示す。
【0056】溶接用板60〜62の両側支持脚部61b
〜62bを漸次拡開したり、縮小させることにより、溶
接用板60〜62と鋳物製シリンダ22との接合力(結
合力)をより一層高めることができる。
【0057】溶接用板の支持脚部の拡開や縮小は、一側
の支持脚部の折曲角度を他側より大きくしたり、小さく
することにより形成しても、また、支持脚部にノコギリ
歯状や波形状等のジグザグ状の凹凸を形成することによ
り、溶接用板を構成してもよい。また、溶接用板の支持
脚部の先端を外側あるいは内側に折曲してフランジを形
成したり、支持脚部の先端に球状等の種々の形状の膨大
部を形成することにより、鋳物製シリンダ22との結合
力を高めてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係るロー
タリコンプレッサにおいては、ロータリ式圧縮機構の外
周部に密閉ケースへの溶接固定部を複数箇所設け、上記
溶接固定部の少なくとも一部を溶接用板で構成し、この
溶接用板をシリンダ外周面から外側方に突出するように
下駄を履かせて設けたので、ロータリ式圧縮機構を密閉
ケースに固定させる取付フレームが不要となり、ロータ
リ式圧縮機構のシリンダを密閉ケースに直接溶接にて固
定させることができ、組付固定作業が簡素化され、コス
トダウンを図ることができる一方、ローコストで安定的
に溶接固定させることができる。
【0059】ロータリ式圧縮機構のシリンダを密閉ケー
スに直接溶接にて固定しても、溶接用板は下駄を履かせ
て外側方に突出し、この溶接用板を密閉ケースに溶接に
て固定することにより、シリンダ溶接歪みに起因する変
形を溶接用板の変形で吸収でき、ブレード溝に寸法変形
を生じさせるのを防止することができ、ブレード溝はブ
レードとのクリアランスを適正に保つように精度よく加
工できるので、圧縮機効率を損うことがなく、充分に維
持できる。
【0060】特に、シリンダに形成されるブレード溝を
跨ぐ両側に形成される溶接固定部のうち一方に溶接用板
を用いることにより、剛性の大きなシリンダに溶接歪み
に伴う変形は、溶接用板の変形で吸収でき、ブレード溝
の寸法変形の発生を有効的に抑えることができ、ブレー
ド溝の寸法変形が万一生じても最小限に抑えることがで
きる。
【0061】また、溶接用板は断面コ字状の鋼板で構成
され、シリンダ鋳造時にシリンダに組み込まれて一体成
形されるので、シリンダ外周部に溶接用板を後付けで取
り付ける作業が不要となり、シリンダと溶接用板の接合
力を高めて生産性が向上し、量産に適したものとなる。
【0062】さらに、溶接用板に備えられる両側の支持
脚部が漸次拡開したり、縮小するように角度を持たせる
ことで、溶接用板とシリンダとの接合力(結合力)をよ
り一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロータリコンプレッサの一実施例
を示す縦断面図。
【図2】図1のロータリコンプレッサに組み込まれるロ
ータリ型圧縮機構を示す断面図。
【図3】図1のIII −III 線に沿う平断面図。
【図4】(A),(B)および(C)は本発明に係るロ
ータリコンプレッサのロータリ型圧縮機構に組み込まれ
る溶接用板の変形例をそれぞれ示す図。
【図5】従来のロータリコンプレッサを示す縦断面図。
【符号の説明】
10 ロータリコンプレッサ 11 密閉ケース 12 電動機 13 ロータリ式圧縮機構 15 ステータ 16 ロータ 17 回転シャフト 17a クランク部 20 メインベアリング 21 サブベアリング 22,22A シリンダ(溶接用板・弁座板組込式シリ
ンダ) 24 溶接用板 24a 溶接接合部 24b 支持脚部 25 シリンダ室 26 ローラピストン 27 ブレード溝 28 ブレード 30 吸込孔 31 吐出孔 33 アキュムレータ 35 吐出弁機構 36 吐出室 37 チャンバカバー 38 押えスプリング 40 サブマフラー室 41 吐出室出口孔 43 連絡孔 44 メインマフラー室 45,46 ベアリングカバー 50 弁座板 52 バルブプレート 53 バルブガイド 55 吐出パイプ 60,61,62 溶接用板 60b,61b,62b 支持脚部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機により駆動されるロータリ式圧縮
    機構を密閉ケース内に収容し、この密閉ケースに圧縮機
    構のシリンダを固定したロータリコンプレッサにおい
    て、前記シリンダの外周面に密閉ケースへの溶接固定部
    を複数箇所設け、上記溶接固定部の少なくとも一部を溶
    接用板で構成し、この溶接用板をシリンダ外周面から外
    側方に突出するように下駄を履かせて設けたことを特徴
    とするロータリコンプレッサ。
  2. 【請求項2】 ロータリ式圧縮機構のシリンダを鋳造に
    よる型成形で構成し、前記シリンダに形成されるブレー
    ド溝を跨ぐ両側の溶接固定部のうち一方に溶接用板を用
    いた請求項1に記載のロータリコンプレッサ。
  3. 【請求項3】 溶接用板は断面コ字状の鋼板で構成し、
    溶接用板の両側支持脚部をシリンダ鋳造時にシリンダに
    組み込んで一体に型成形した請求項1または2に記載の
    ロータリコンプレッサ。
  4. 【請求項4】 溶接用板の両側支持脚部は漸次拡開ある
    いは縮小するように角度を持たせた請求項3に記載のロ
    ータリコンプレッサ。
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