JPH08239820A - 拡縮自在な弾性ダムの製造方法 - Google Patents

拡縮自在な弾性ダムの製造方法

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JPH08239820A
JPH08239820A JP35423795A JP35423795A JPH08239820A JP H08239820 A JPH08239820 A JP H08239820A JP 35423795 A JP35423795 A JP 35423795A JP 35423795 A JP35423795 A JP 35423795A JP H08239820 A JPH08239820 A JP H08239820A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体の注入を介して拡縮自在に変形されるゴ
ム製のダムシートから成るチューブ状の弾性ダムにおい
て、ダムシートが人為的に損傷せしめられ弾性ダムの機
能を失うことを防止できるようにした弾性ダムの製造方
法を提供する。 【構成】 ゴム用接着剤を塗布したセラミックス小片の
多数を未加硫ゴムの短尺シート上に散在せしめると共
に、非加硫用プレス型により短尺シート内に埋没せし
め、非加硫状態の保護層用予備シートを得る工程と、未
加硫ゴムシートにより非加硫状態とされた帯状長尺の基
層用予備シートを得る工程と、前記非加硫状態の基層用
予備シートの上に前記非加硫状態の保護層用予備シート
を敷並べた後、加硫用プレス型により基層用予備シート
と保護層用予備シートを加硫一体化してダムシートを成
形する工程と、このダムシートを用いてチューブ状弾性
ダムを製作する工程とから成る構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、取水堰、河口堰、
分流・流量調節水門等に用いられる拡縮自在な弾性ダム
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】灌漑用、上水用、発電用、工業用等の取
水堰や、逆流防止、防砂、防波等の河口堰や、下水用、
遊水池・貯水池用等の分流・流量調節水門等のために、
拡縮自在な弾性ダムが提供されている。
【0003】この弾性ダムは、河川の川床に横断方向に
設置され、流体の注入を介して拡縮自在に変形されるチ
ューブ体から成る。即ち、操作室からチューブ体に空気
又は水等の流体を注入すると、該チューブ体は拡大膨張
して河川の水流を妨げる堰を形成する。一方、操作室か
らの操作によりチューブ体内の流体を排出すると、該チ
ューブ体は収縮してフラットになり、河川の水流を妨げ
ず放流する。
【0004】このため、弾性ダムを形成するチューブ体
は、川床上に設置されチューブ体の底部を構成するシー
ルシートと、このシールシート上に取付けられるゴム製
のダムシートとから成り、ダムシートの両側縁をシール
シートの両側縁に気密的又は水密的に固着され、流体を
注入したとき、ダムシートを起立するように拡大膨張せ
しめる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】弾性ダムの耐用性を保
証するため、前記ダムシートは、キャンバスを複数プラ
イ埋入し、強度の向上に努めている。従って、自然状態
での河川の水流に対しては充分な耐用性を有し、天然の
灌木等が水流に流されて弾性ダムに衝突する程度であれ
ば、ダムシートの僅かな損傷は実用上の支障を来さな
い。
【0006】然しながら、近年、弾性ダムが人為的に損
傷せしめら、所謂パンク或いはバースト事故に至ってい
ることが散見されている。本発明者において原因を追究
したところ、河川において魚釣、船遊び、水遊び等を行
う人々が増加するにつれ、これらの者が故意又は過失に
より、弾性ダムを銛で突いたり、ナイフで切る等、色々
な方法で人為的に破損せしめる場合があることを究明し
た。また、山中の河川においては、狩猟を行うハンター
が銃砲を弾性ダムに向けて砲撃したり、鳥獣類に向けて
発砲された銃弾が流れ弾として弾性ダムにあたり、破損
する場合があることも知見された。
【0007】そして、このような人為的な破損の場合、
ダムシートに裂目や貫通孔を生じ、チューブ体中の流体
が漏洩する結果、本来の弾性ダムの機能を失うという重
大な事故となり、憂慮すべき現状にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、弾性ダムを前
述したような人為的な事故から保護することを目的と
し、チューブ体を構成するダムシートに保護層を設ける
ことを特徴とする。
【0009】このような保護層を提供する方法として
は、例えば、既設又は既製の弾性ダムの外周囲を別体の
保護ネットや保護シートにより被覆することが考えられ
るが、実用上好ましくない。即ち、前述のように、弾性
ダムは、流体の注入を介して拡縮変形自在とされた点に
特色を有するが、別体のネットやシートによって弾性ダ
ムを包囲する構成とした場合、これらのネットやシート
を弾性ダムの拡縮に完全に追従して変形せしめることが
困難になり、前記特色を損なってしまう。また、弾性ダ
ムは、川床の全幅に亘るため、通常は長大のものであ
り、これを現場設置するに際し、同時に別体のネットや
シートを設置することは、作業能率を低下し設置コスト
を増加するため不利である。
【0010】そこで、本発明者は、このような別体のネ
ットやシートではなく、保護層をダムシートに一体成形
することが有利であることを知見した。即ち、ダムシー
トをゴム基層と、該ゴム基層の外面に積層一体化された
弾性保護層との積層構造体に構成することにより、前述
したような問題を生じることなく耐破損性に優れた弾性
ダムを提供することが可能になった。
【0011】ところで、前記弾性保護層は、ダムシート
の可撓性を保証する一方で、前述したような人為的な破
損を阻止するためのものであるから、銛で突いても貫通
せず、更には、ライフル銃で砲撃しても銃弾が貫通しな
いような高強度のものでなければならない。
【0012】このため、本発明者は、可撓性と高強度性
という一見矛盾した二つの要求を満たすため、ダムシー
トの外層を構成する弾性保護層を、多数のセラミックス
小片を埋入したフレキシブルなゴムシート層により構成
することが最も有利であることを知見した。即ち、これ
によりゴムシート層は、全体として可撓性を失わず、従
来と全く同様に弾性ダムの拡縮変形を保証する一方、埋
入されたセラミックス小片により銛や銃弾の貫通を阻止
し且つナイフ等による切裂きを阻止できるものとなる。
この際、多数のセラミックス小片をゴムシート層の平面
方向に隣接しつつ散在して広がるよう埋入することによ
り、ダムシートの全体に保護機能を持たせ局部的な脆弱
部が生じることを防ぐことができた。また、セラミック
ス小片を平面方向にのみ広がらせるだけでなく、ゴムシ
ート層の肉厚内で上下にオーバラップするように散在し
て埋入することにより、銛や銃弾の貫通を確実に阻止す
ることができたものである。
【0013】而して、本発明により製造された弾性ダム
は、河川の川床に横断方向に設置され、流体の注入を介
して拡縮自在に変形されるゴム製のダムシートから成る
チューブ状の弾性ダムにおいて、前記ダムシートは、ゴ
ム基層と、該ゴム基層の外面に積層一体化された弾性保
護層との積層構造体から成り、前記弾性保護層は、多数
のセラミックス小片をアトランダムに埋入したフレキシ
ブルなゴムシート層により構成され、前記セラミックス
小片の多数は、ゴムシート層の平面方向に隣接しつつ散
在して広がると共に、ゴムシート層の肉厚内で上下にオ
ーバラップして散在せしめられて成り、これにより上記
目的を達することができる。
【0014】前述した可撓性と高強度性という二つの要
求を満たすため、本発明の好ましい実施態様において、
セラミックス小片は、直径を約2〜4mm、長さを約2〜
8mmとした細長いほぼ円柱形状とされる。また、弾性保
護層の肉厚を約4〜12mmとする場合、ゴムシート層に
対するセラミックス小片の埋入量を約4kg/m2 〜8kg
/m2 とするのが良い。
【0015】そこで、本発明に係る弾性ダムの製造方法
が特徴とするところは、表面にゴム用接着剤を塗布した
セラミックス小片の多数を未加硫ゴムの短尺シート上に
薄く堆積しつつ散在せしめた後、非加硫用プレス型によ
り短尺シート内にセラミックス小片を埋没せしめ、非加
硫状態の保護層用予備シートを得る工程と、未加硫ゴム
の連続シートにより非加硫状態とされた帯状長尺の基層
用予備シートを得る工程と、前記非加硫状態の基層用予
備シートの上に前記非加硫状態の保護層用予備シートを
順次連続して敷並べた後、加硫用プレス型により基層用
予備シートと保護層用予備シートを加硫一体化してダム
シートを成形する工程と、得られたダムシートを用いて
チューブ状弾性ダムを製作する工程とから成る点にあ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の実施
形態を詳述する。
【0017】(弾性ダムの実施形態)図1及び図2に示
すように、弾性ダム1は、河川2の川床3に横断方向に
設置され、流体の注入を介して拡縮自在に変形されるチ
ューブ体4から成る。このチューブ体4には、川岸に設
置された操作室5から給排管6を介して空気又は水等の
流体が注入及び排出可能とされている。そこで、チュー
ブ体4に流体を注入すると、該チューブ体4は、図1の
ように拡大膨張して河川2の水流を妨げる堰を形成す
る。一方、チューブ体4内の流体を排出すると、該チュ
ーブ体4は、図2のように収縮してフラットになり、河
川2の水流を妨げず放流する。
【0018】図3に示すように、弾性ダム1を形成する
チューブ体4は、川床3上に設置されチューブ体4の底
部を構成するシールシート7と、このシールシート7上
に取付けられるゴム製のダムシート8とから成り、ダム
シート8の両側縁をシールシート7の両側縁に気密的又
は水密的に固着され、流体を注入したとき、ダムシート
8を起立するように拡大膨張せしめる。図例の場合、シ
ールシート7の両側縁をアンカーボルトにより川床3に
固着すると共に、該アンカーボルトに付設された金具に
よりダムシート8の両側縁のフランジ部をシールシート
7上に締着している。
【0019】尚、弾性ダム1のチューブ体4は、図例の
ようなシールシート7とダムシート8の別体構成とする
他、例えば、広幅帯状のダムシート8を円筒状に屈曲さ
せて突き合わせ端縁を焼付固着、接着、或いは金具によ
り締着したような一枚一体構成としても良い。
【0020】前記ダムシート8は、図3のように、ゴム
基層9と、該ゴム基層9の外面に積層一体化された弾性
保護層10との積層構造体から成る。前記ゴム基層9
は、図4(A)に示すように、ゴム層中にキャンバス1
1を複数プライ埋入し一体化している。図例の場合、弾
性ダム1の堰高は約2mであり、ゴム基層9の肉厚は約
4.1mm、キャンバス11は二プライである。然し、弾
性ダム1の堰高が約7mにもなると、ゴム基層9の肉厚
は約16mm、キャンバス11は三プライ以上になる。
【0021】前記弾性保護層10は、図4(A)(B)
に示すように、多数のセラミックス小片12をアトラン
ダムに埋入したフレキシブルなゴムシート層により構成
されている。このセラミックス小片12は、小さな直方
体形状、立方体形状、或いはボール状であっても良い
が、図例のような細長いほぼ円柱形状とされていること
が最も好ましい。図示実施例の場合、セラミックス小片
12は、αーアルミナ、その他のセラミックスから成
り、直径約2〜4mm(最も好ましくは約2mm)、長さ約
2〜8mm(最も好ましくは約4mm)であり、弾性保護層
10の肉厚を約4〜12mmとした場合、セラミックス小
片12の埋入量を約4kg/m2 〜8kg/m2とされてい
る。但し、多数のセラミックス小片12は、全てが同形
同大のものでも良いが、異なる形状と大きさのものを混
ぜ合わせても良い。
【0022】その理由は、セラミックス小片12の寸法
が余りにも大きいと、ダムシート8の膨張変形時に、該
小片12が変形された弾性保護層10のゴムシート層を
突き破る虞れがあり、その反面、セラミックス小片12
の寸法が余りにも小さいと、後述する弾性保護層10の
予備成形時に該小片12がゴムシート層の全体に亘り均
一に散在し難いばかりか、上述した保護機能に劣るから
である。
【0023】また、セラミックス小片12の埋入量が4
kg/m2 未満の場合は、ゴムシート層内で小片12が密
に散在せず粗になって上述した保護機能に欠け、その反
面、8kg/m2 超過の場合は、小片12が過密に散在し
て弾性保護層10の可撓性を満足できなくなるからであ
る。
【0024】図4(B)に示すように、前記セラミック
ス小片12の多数は、ゴムシート層の平面方向に隣接し
つつ散在して広がっており、細長い円柱形状のセラミッ
クス小片12に方向性を持たないので、隣接する小片1
2を前後左右方向に相互に入組状にアトランダムに配し
ている。従って、細い銛の先端や、口径の小さい弾丸が
弾性保護層10の如何なる部分に刺突しても、必ずセラ
ミックス小片12が貫通を阻害する位置に存在してい
る。また、弾性保護層10をナイフ等の刃物により切断
しようとしても、切断線を遮るように必ずセラミックス
小片12が位置している。
【0025】更に、図4(A)に示すように、セラミッ
クス小片12の多数は、ゴムシート層の肉厚内で上下に
オーバラップして散在せしめられている。即ち、図例の
場合、セラミックス小片12の多数が、弾性保護層10
の表面に近い部分において平面方向に広がる第一の層1
3と、該第一の層13の下方に位置する第二の層14
と、更に下方に位置する第三の層15とを形成し、弾性
保護層10の肉厚方向に関して、各層におけるセラミッ
クス小片12の隣接間隔を他の層におけるセラミックス
小片12により塞ぐように配されている。このため、細
い銛の先端や、口径の小さい弾丸が弾性保護層10の表
面から前記第一の層13のセラミックス小片12の隣接
間隔(平面方向に隣接する二つのセラミックス小片12
の間)に刺突され、これらのセラミックス小片12を横
方向に押し退けつつ進入しても、下層14、15におけ
るセラミックス小片12に遮られ進入を阻止されること
になる。
【0026】(製造方法の実施形態)前述した弾性保護
層10を備えたダムシート8は、次の工程により製造す
ることができる。
【0027】(保護層用予備シートの製作工程)先ず、
図5(A)に示すように、準備されたセラミックス小片
12の表面にゴム用接着剤16を塗布し乾燥させる。こ
の接着剤16は、塩化ゴムを溶剤に溶解し、これに反応
性フェノール樹脂を添加したものを主成分としたもので
あり、例えば、ケムロック205及び220の商標の下
で市販されているものがある。この接着剤塗布の方法
は、多数のセラミックス小片12を籠に入れて接着剤中
に浸漬しても良いが、噴霧器により接着剤を多数の小片
12に噴霧付着せしめても良い。尚、塗布された接着剤
16は、自然乾燥される。
【0028】次いで、図5(B)に示すように、前記セ
ラミックス小片12の多数を未加硫ゴムの短尺シート1
7上に薄く堆積しつつ散在せしめる。このセラミックス
小片12の散在量は、前述したような約4kg/m2 〜8
kg/m2 であり、短尺シート17の寸法は、例えば、1
350mm(幅)×2000mm(長さ)、或いは、その他
の適宜寸法とされる。
【0029】その後、図5(C)に示すように、未加硫
ゴムの短尺シート17に多数のセラミックス小片12を
載せた状態で上下金型18、19による非加硫用プレス
型を用いてプレスし、未加硫ゴムの短尺シート17内に
セラミックス小片12を埋没せしめ、肉厚約4〜12mm
程度の非加硫状態の保護用予備シート20を得る。埋没
された多数のセラミックス小片12は、弾性保護層10
について上述したところと同様にアトランダムに配され
る。このプレス工程において、前記未加硫の短尺シート
は、常温でプレスされるだけであり加硫されない。或い
は、非加硫用プレス型を60〜80度(摂氏)に加熱せ
しめれば、ゴムの加硫には至らないが、ゴムを柔軟化せ
しめることにより、短尺シート17の塑性変形によるセ
ラミックス小片12の埋入が容易となる。このように、
非加硫プレス型によりプレスされた保護層用予備シート
20は、ゴム素材を未加硫のままの状態とされる。或い
は離型後に少なくともゴムの焼けと称される程度の自然
加硫による半加硫状態を生起されることはあっても、後
にホットプレスによる本加硫を可能とする「非加硫状
態」のものとされている。
【0030】この保護層用予備シート20は、図6に示
すように、両側縁に位置する断面を傾斜せしめる(図例
の場合、45度の角度で傾斜する)ことにより、接合部
21a、21bを形成される。この傾斜した接合部21
a、21bを形成するためには、前記金型18、19の
内面に該接合部に相当する斜面を付与しておき、前記非
加硫用プレス型によるプレス時に短尺シート17の塑性
変形を介してプレス成形することが好ましいが、保護層
用予備シート20を成形した後、カッター手段により側
縁を斜めに切断することによって形成しても良い。
【0031】(基層用予備シートの製作工程)前記保護
層用予備シート20の製作工程とは別に、上述したダム
シートのゴム基層9を成形するための基層用予備シート
22が製作される。この基層用予備シート22の製作工
程は、従来の弾性ダムにおけるダムシートを製造する中
間工程と同じであるから図示省略しているが、従来と同
様、未加硫ゴムの連続シートによる帯状長尺のものであ
り、内部に必要に応じたプライ数のキャンバス11が埋
入されている。このような基層用予備シート22を製作
する方法としては、必要枚数のキャンバス11の各々を
挟んで未加硫ゴムシートをサンドイッチ状に積層せしめ
ても良いが、或いは、予め未加硫ゴムにより被覆された
所定の肉厚のゴム引布を用い、このようなゴム引布を必
要枚積層することにより製作しても良い。尚、この基層
用予備シート22の肉厚及び幅寸法は、上述したように
目的とする弾性ダムの堰高に応じて決定される。
【0032】この基層用予備シート22も、前記保護層
用予備シート20と同様に、後にホットプレスによる本
加硫を可能とするように「非加硫状態」のままとされ
る。
【0033】(ダムシート成形工程)図6に示すよう
に、前述の非加硫状態とされた基層用予備シート22の
上に、非加硫状態とされた保護層用予備シート20を順
次連続して敷並べる。この際、隣接して敷並べられる保
護層用予備シート20、20は、相互に接続部21a、
21bを重合せしめられる。尚、基層用予備シート22
の上に保護層用予備シート20を敷並べるに際しては、
両予備シート20、22のゴム配合が相互に異なり、後
の加硫工程における加硫進行速度が相互に異なる場合
は、両予備シートの間に別の未加硫ゴムシートを付加し
て介在せしめたり、或いはゴム用接着剤の塗膜を介在せ
しめれば良い。しかし、両予備シート20、22の加硫
進行速度がほぼ同じものである場合は、このような付加
的介在層を有しなくても、後のホットプレスにより両予
備シートは加硫一体化される。
【0034】保護層用予備シート20を順次敷並べられ
た基層用予備シート22は、帯状に連続して連続加硫機
へと送られ、図5(D)に示すように、連続加硫機にお
ける加硫用プレス型の上下型23、24によりホットプ
レスされ、両シート20、22を加硫一体化して上述し
たダムシート8を成形される。
【0035】このホットプレスによる加硫に際し、各保
護層用予備シート20は、接合部21a、21bを加硫
一体化されるので、成形後の弾性保護層10の表面に継
ぎ目や目地を有せず、所謂シームレス状に一体化され
る。また、加硫中の保護層用予備シート20内で、多数
のセラミックス小片12は、ゴム用接着剤16を介して
全周をゴム中に強固に接着せしめられる。
【0036】(弾性ダムの製作工程)このようにして製
造されたダムシート8は、表層に本発明の弾性保護層1
0を積層一体化している他は従来のダムシートと同様で
あるから、従来と同様の方法によりチューブ状に屈曲せ
しめられ、図1〜3に示すような弾性ダム1として用い
られる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、従来と同様に拡縮変形
自在でありながら、銛や銃弾等の人為的な危害によって
も所謂パンク或いはバーストを生じることがない弾性ダ
ムを製造できる効果がある。即ち、多数のセラミックス
小片をアトランダムに埋入したフレキシブルなゴムシー
ト層から構成される弾性保護層が、セラミックス小片の
多数をゴムシート層の平面方向に隣接して散在しつつ広
がらせ、しかも、ゴムシート層の肉厚内で上下にオーバ
ラップして散在せしめているので、何者かが、銛の細い
先端や、口径の小さい銃弾等を弾性保護層の外面に刺突
しようとしたり、ナイフで弾性保護層を切り裂くよう試
みても、このような刺突方向や切り裂き方向に関してセ
ラミックス小片が平面方向と肉厚方向の両方向から遮り
破損を阻止する。このため、可撓性と高強度性の二つの
要求を満たしたダムシートを製造できるものとして頗る
優れている。
【0038】そして、本発明に係る弾性ダムの製造方法
によれば、このような弾性ダムを簡単な方法で製造でき
る効果がある。特に、ダムシートの製造に際し、保護層
用予備シートと、基層用予備シートを何れも非加硫状態
で準備した後、これを重合して加硫一体化するものであ
るから、二回加硫を行う方法の場合のようなゴム劣化に
よる弾性劣化を生じることはなく、所期目的通りのゴム
特性によるダムシートを提供できる。しかも、予備製作
工程において、保護層用予備シートは、多数のセラミッ
クス小片を埋没せしめた短尺なシート状物を簡便に多数
製作した後、これを帯状に連続する基層用予備シート上
に敷並べた後、ダムシート成形工程において加硫一体成
形するものであるから、製造が簡単であり、極めて能率
的にダムシートを製造できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造した弾性ダムの1実施
例を拡大膨張状態にて示す斜視図である。
【図2】本発明の方法により製造した弾性ダムの1実施
例を収縮状態にて示す斜視図である。
【図3】本発明の方法により製造した弾性ダムの1実施
例を示す縦断面図である。
【図4】本発明の方法により製造した弾性ダムの1実施
例におけるダムシートを示しており、(A)は拡大縦断
面図、(B)は平面図である。
【図5】本発明に係る弾性ダムの製造方法におけるダム
シートの製造方法の1実施形態を示しており、(A)は
セラミックス小片に対するゴム用接着剤の塗布工程を示
す斜視図であり、(B)は多数のセラミックス小片を未
加硫ゴムの短尺シートに薄く堆積せしめた状態を示す縦
断面図であり、(C)は冷間プレスにより保護層用予備
シートを成形する状態を示す縦断面図であり、(D)は
熱間プレスにより基層用予備シートと保護層用予備シー
トを加硫一体化してダムシートを成形する状態を示す縦
断面図である。
【図6】本発明に係る弾性ダムの製造方法の1実施形態
における基層用予備シート上に保護層用予備シートを連
続して敷並べる方法を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 弾性ダム 2 河川 3 川床 4 チューブ体 8 ダムシート 9 ゴム基層 10 弾性保護層 12 セラミックス小片 16 ゴム用接着剤 17 未加硫ゴムの短尺シート 20 保護用予備シート 22 基層用予備シート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 河川の川床に横断方向に設置され、流体
    の注入を介して拡縮自在に変形されるゴム製のダムシー
    トから成るチューブ状の弾性ダムを製造する方法におい
    て、表面にゴム用接着剤を塗布したセラミックス小片の
    多数を未加硫ゴムの短尺シート上に薄く堆積しつつ散在
    せしめた後、非加硫用プレス型により短尺シート内にセ
    ラミックス小片を埋没せしめ、非加硫状態の保護層用予
    備シートを得る工程と、未加硫ゴムの連続シートにより
    非加硫状態とされた帯状長尺の基層用予備シートを得る
    工程と、前記非加硫状態の基層用予備シートの上に前記
    非加硫状態の保護層用予備シートを順次連続して敷並べ
    た後、加硫用プレス型により基層用予備シートと保護層
    用予備シートを加硫一体化してダムシートを成形する工
    程と、得られたダムシートを用いてチューブ状弾性ダム
    を製作する工程とから成ることを特徴とする拡縮自在な
    弾性ダムの製造方法。
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CN102747710A (zh) * 2012-07-26 2012-10-24 沈阳第四橡胶(厂)有限公司 一种以聚脂织物为骨架材料制造橡胶坝袋的生产工艺

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