JPH08239381A - 安定なベンズイミダゾール誘導体金属塩の溶媒和物及びその製造法並びにそれを含有する抗潰瘍剤 - Google Patents

安定なベンズイミダゾール誘導体金属塩の溶媒和物及びその製造法並びにそれを含有する抗潰瘍剤

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JPH08239381A
JPH08239381A JP6667195A JP6667195A JPH08239381A JP H08239381 A JPH08239381 A JP H08239381A JP 6667195 A JP6667195 A JP 6667195A JP 6667195 A JP6667195 A JP 6667195A JP H08239381 A JPH08239381 A JP H08239381A
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benzimidazole
alkali metal
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tetrahydro
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Takao Goto
隆雄 後藤
Shiyuuichirou Yuasa
修一朗 湯浅
Kunihiko Kimura
邦彦 木村
Shigeru Suzuki
滋 鈴木
Yoshiichi Onami
芳一 大波
Hideyuki Hata
英之 畑
Yozo Nishinomiya
洋三 西宮
Kentaro Kojo
健太郎 古城
Senichi Narita
仙一 成田
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Toa Eiyo Ltd
Original Assignee
Toa Eiyo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】安定な(±)2−[(RSs,9SR)−4−
置換−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘ
プタ[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−
ベンズイミダゾールアルカリ金属塩の溶媒和物を提供す
る。 【構成】一般式(1) [式中、硫黄原子及び9位炭素原子がそれぞれRS及び
SR配置であり、Rは低級アルキル基、R1はアルカリ
金属、R2は水素原子又は低級アルキル基を示す]で表
される2−スルフィニル−1H−ベンズイミダゾール誘
導体アルカリ金属塩の溶媒和物、それらの製造方法なら
びに当該溶媒和化合物を有効成分とする抗潰瘍剤。 【効果】当該化合物は、物理化学的安定性に優れ、プロ
トンポンプ阻害作用に基ずく消化性潰瘍治療薬として有
用な化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、胃又は十二指腸潰瘍な
どの消化性潰瘍に対する治療剤として有用な物理化学的
に安定性の高い2−スルフィニル−1H−ベンズイミダ
ゾール誘導体アルカリ金属塩の溶媒和物とその製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般式(A)で表される2−スルフィニ
ル−1H−ベンズイミダゾール誘導体は、胃小包帯ベシ
クル内での塩酸産生に関与するカリウムイオン依存性ア
デノシントリホスファタ−ゼ[(H++K+)ATPア−
ゼ]に対して阻害作用を有し、これら誘導体のあるもの
は、(H++K+)ATPア−ゼ阻害作用に基づく胃酸分
泌抑制作用と胃腸組織に対する細胞保護作用をも併せ持
つことが知られており、新規な抗潰瘍剤として注目され
ている(特開平3−218372号公報)。
【化4】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の2−スルフィニ
ル−1H−ベンズイミダゾール誘導体(A)は、シクロ
ヘプテノピリジン環を有するスルフォキシド化合物であ
るため、その化学構造式から明らかなように硫黄原子と
9位の不斉炭素に由来する2個の不斉中心があり4種の
立体異性体が存在する。これらの立体異性体のそれぞれ
は、エナンチオマーとジアステレオマーの関係にあり、
ジアステレオマーの関係にある2種のラセミ体が存在す
る。特開平3−218372号公報では、これら誘導体
の9位炭素原子及び硫黄原子の立体配置については明確
にされておらず、各々の立体異性体の立体構造と物理化
学的性状とを特定するに至らなかった。また、この種の
スルフォキシド化合物は物理化学的に不安定な化合物で
あり、常温常圧下においても除々に分解が進行する。特
に、胃酸などの酸の存在下では極めて不安定なスルフェ
ナミド体に容易に変換する特性を持っているため、本化
合物の製造や製剤化においては、安定性を確保するため
複雑な操作を必要とし、さらに、医療の場において要求
される製剤の安定性の確保にも問題があった。このた
め、医薬品として適用する場合、安定性を確保するため
の方法、例えば、製剤学的な安定化法の開発が必要であ
り、一方では、医薬品原体として薬理活性を損なうこと
無く高い安定性を示す形の化合物の提供が望まれてい
た。
【0004】本発明者らは、特開平3−218372号
公報に開示されている2−スルフィニル−1H−ベンズ
イミダゾール誘導体(A)について種々検討を進めたと
ころ、硫黄原子及び9位炭素原子の立体配置が、それぞ
れRS,SR及びRS,RS配置でジアステレオマーの
関係にある2種のラセミ体が分離可能であることを明ら
かにした。また、これに伴い2−スルフィニル−1H−
ベンズイミダゾール誘導体(A)の各々のジアステレオ
マーの立体構造と物理化学的性状を特定することができ
た(山田愼一ら、Chemical & Pharmaceutical Bulleti
n,42(8), 1679 (1994).)。これらの事実を基に、さら
に検討を進めた結果、一方のジアステレオマーがより安
定であり、これをアルカリ金属塩、さらには、溶媒和物
に導くことによって極めて安定な2−スルフィニル−1
H−ベンズイミダゾール誘導体アルカリ金属塩の溶媒和
物を見い出すと共に、本溶媒和物が消化性潰瘍治療薬と
して極めて有用であることを明らかにすることにより、
本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明は、一般式
(1)
【化5】 [式中、硫黄原子及び9位炭素原子の立体配置がそれぞ
れRS,SR配置であり、R1は低級アルキル基、R2
アルカリ金属原子、R3は水素原子又は低級アルキル基
を示す]で表される2−スルフィニル−1H−ベンズイ
ミダゾール誘導体アルカリ金属塩の溶媒和物である。一
般式(1)で表される化合物の置換基R1及びR3の低級
アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、n―ブチル、イソブチル、sec―
ブチル、t―ブチル、ペンチル及びヘキシルなどの炭素
数1〜6個のアルキル基が挙げられる。また、R2のア
ルカリ金属原子としては、薬学的に許容されるアルカリ
金属、例えば、リチウム、ナトリウム及びカリウムなど
が挙げられる。
【0006】一般式(1)で表される化合物は、一般式
(2)
【化6】 [式中、硫黄原子及び9位炭素原子の立体配置がそれぞ
れRS,RS配置であり、R1は低級アルキル基を示
す]で表される化合物を、アルカリ金属低級アルコキシ
ドを用いて塩形成及び異性化反応を行い、ついで、一般
式R3OH[R3は水素原子又は低級アルキル基を示す]
で表される溶媒を添加することにより得られる。アルカ
リ金属低級アルコキシドとしては、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、t−
ブトキシカリウム等が用いられる。一般式R3OHで表
される溶媒としては、水及びメタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノー
ル等の低級アルコールが用いられる。
【0007】一般式(2)で示される2−スルフィニル
−1H−ベンズイミダゾール誘導体は、一般式(B)
【化7】 [ 式中、R1 は前記と同義] で表されるスルフィド化合
物を、酸化剤としてm−クロル過安息香酸、過酸化ベン
ゾイルのような有機過酸化物を等量用い、溶媒中で酸化
することにより得られる。溶媒としてはn−ペンタン、
n−ヘキサン、シクロヘキサンのような直鎖状又は環状
の炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレンのような
芳香族系、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素の
ようなハロゲン系溶媒など非極性溶媒が用いられる。
【0008】2−スルフィニル−1H−ベンズイミダゾ
ール誘導体(2)を、アルカリ金属低級アルコキシドを
用いて塩形成及び異性化反応を行うためには、2−スル
フィニル−1H−ベンズイミダゾール誘導体(2)に対
して、1当量以上のアルカリ金属低級アルコキシドを作
用させればよい。すなわち、2−スルフィニル−1H−
ベンズイミダゾール誘導体(2)は、アルカリ金属アル
コキシドなどの塩基が1当量以上存在する場合には、塩
形成と同時にシクロヘプテノピリジン環の9位の不斉炭
素が活性化されるため、容易に異性化することが可能と
なり、ジアステレオマーの関係にある化合物(2)と一
般式(3)で表される化合物それぞれのアルカリ金属ス
ルフィナートアニオンの平衡混合物を与えるが、この平
衡混合物に対して含水エーテルなどの含水エーテル系溶
媒を添加することにより、一般式(3)で表される熱力
学的により安定な一方のジアステレオマーを優先的に生
成させることができる。
【化8】 [式中、硫黄原子及び9位炭素原子の立体配置がそれぞ
れRS,SR配置であり、R1、R2は前記と同義] この異性化反応は、例えば塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素などのようなハロゲン系溶媒中、1.0
2〜5.0当量、好ましくは1.1〜3.0当量のアル
カリ金属アルコキシドを用いて行われ、反応は5分〜1
時間で完結する。さらに、この溶液中にジエチルエーテ
ルなどのエーテル系溶媒を徐々に加えて結晶を析出させ
ることにより、アルカリ金属塩(3)のみが優先的に得
られる。この場合に用いられるアルカリ金属アルコキシ
ドとしては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウ
ムエトキシド、カリウムメトキシド、t−ブトキシカリ
ウム及びそれらの対応するアルコール溶液が挙げられ
る。
【0009】ー般式(3)で表されるジアステレオマー
から誘導したアルカリ金属塩は、種々の溶媒と溶媒和物
を形成する性質を持っており、特に、水またはメタノー
ル、エタノール、n―プロパノール、n―ブタノール、
エタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノプロパ
ノール、アミノブタノールなどの直鎖状の低級アルコー
ルと安定な溶媒和物すなわち、R3 が水素原子または低
級アルキル基である式(1)の化合物を形成する。例え
ば、薬学的に好ましいエタノールの存在下では、2分子
のエタノールと安定な結晶性溶媒和物を形成する。この
エタノール和物の形成は、通常0℃〜溶媒の沸点温度で
行われる。
【0010】また、エタノール和物などのR3 が低級ア
ルキル基である式(1)の化合物は、湿条件下など水分
子の存在下では水分を吸収して容易に水和物を形成する
性質を持っており、例えば、水単独あるいは水分を含ん
だ有機溶媒中で攪拌などの処理を行うと2水和物を形成
し、R3 が水素原子である式(1)の化合物が得られ
る。ここで得られた水和物は製剤学的に極めて安定であ
る。R3 が水素原子である式(1)の化合物の形成に際
して用いられる含水有機溶媒としては、種々の溶媒を用
いることが可能であるが、例えばジエチルエーテル、イ
ソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン
などのエーテル系溶媒又はイソプロピルアルコール、イ
ソブチルアルコール、t―ブチルアルコール、t―アミ
ルアルコールなどの分岐状のアルコール系溶媒を用いる
のが望ましい。これらに対する水分子の置換は、通常0
℃〜溶媒の沸点温度で行われるが、好ましくは氷冷〜室
温下で行われる。しかし、一方のジアステレオマーであ
る2−スルフィニル−1H−ベンズイミダゾール誘導体
(1)において見られた現象とは異なり、もう一方のジ
アステレオマーである2−スルフィニル−1H−ベンズ
イミダゾール誘導体(2)では、アルカリ金属との塩を
形成した後、上記と同様の条件において操作しても溶媒
和物の結晶は得られず、例えば水和物形成による安定化
を図ることはできなかった。このように、極めて安定な
性質を有する本発明の溶媒和物は、一般式(3)で表さ
れるジアステレオマーからのみ製造することができる
が、一般式(2)で表されるもう一方のジアステレオマ
ーでは不可能であった。溶媒和物形成において見られた
この現象の差は硫黄原子及び9位の炭素原子の立体配置
に基づく立体化学的な相互関係や相互作用の差によるも
のと考えられる。
【0011】[化合物の安定性]本発明の化合物のう
ち、代表的な化合物についての安定性を対照化合物の安
定性と比較した試験の結果について以下に詳述する。 試験対象化合物 (±)2−[(RSs,9RS)−4−メトキシ−6,
7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]
ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミ
ダゾール(参考例2:特開平 3−218372号、実
施例75の化合物) (±)2−[(RSs,9RS)−4−メトキシ−6,
7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]
ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミ
ダゾールナトリウム塩(参考例4の化合物) (±)2−[(RSs,9SR)―4−メトキシ−6,
7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]
ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミ
ダゾール ナトリウム塩(参考例5:特開平 3−21
8372号、実施例66の化合物) (±)2−[(RSs,9SR)−4−メトキシ−6,
7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]
ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミ
ダゾール(参考例6の化合物) (±)2−[(RSs,9SR)−4−メトキシ−6,
7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]
ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミ
ダゾール ナトリウム塩2エタノール和物(実施例1の
化合物) (±)2−[(RSs,9SR)−4−メトキシ−6,
7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]
ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミ
ダゾール ナトリウム塩2水和物(実施例3の化合物) (±)2−[(RSs,9SR)−4−エトキシ−6,
7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]
ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミ
ダゾール ナトリウム塩2水和物(実施例6の化合物) (±)2−[(RSs,9SR)−4−(n−ブチルオ
キシ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロ
ヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H
−ベンズイミダゾール ナトリウム塩2水和物(実施例
7の化合物)
【0012】[化合物の安定性試験]参考例2、参考例
4、参考例5、参考例6、実施例1、実施例3、実施例
6及び実施例8の各化合物を開放したガラス瓶に入れ,
40°75%RHの条件下に1箇月間保存した。各化合
物の含量(残存率%)を高速液体クロマトグラフ法によ
り測定した。その結果を表1に示す。
【0013】
【表1】 化合物の安定性試験結果
【0014】以上の結果から、参考例及び実施例の化合
物を各々比較すると明らかなように、硫黄原子及び9位
炭素原子の立体配置がそれぞれRSs,9SR配置であ
るジアステレオマーはRSs,9RS配置のジアステレ
オマーより安定性が高いが、特に本発明の化合物である
アルカリ金属塩2水和物及び2エタノール和物などの溶
媒和物は極めて安定であった。
【0015】このように、本発明の化合物は極めて安定
であったが、これは、本発明の化合物が溶媒和物を形成
することにより良好な結晶性を示し、安定化するためと
考えられる。以下、本発明の代表的な化合物である2水
和物についての熱分析及び粉末粉末X線回折の結果を詳
述する。
【0016】[化合物の熱分析]実施例3の化合物の示
差走査熱量測定(DSC)及び熱重量測定(TG)を行
い,熱挙動を観察した。装置はDSC−50(島津製作
所製)及びTGA−50(島津製作所製)を用い,昇温
速度10℃/分で測定した。DSC及びTGの結果をそ
れぞれ図1及び図2に示した。本化合物のDSCは13
9.3℃及び165.0℃に吸熱ピーク,175.7℃
に発熱ピークを示した。TGは56.0℃〜165.0
℃の間に9.0%の重量の減少が認められ,カールフィ
ッシャー法で測定した水分実測値(9.1%,水2分子
に相当)と一致した。
【0017】[化合物の粉末X線回折]実施例3の化合
物の粉末X線回折を行った。X線発生装置はRU−20
0R(理学電機社製)を用い,Cu―Kα波長のX線に
よる測定を5〜90゜(2θ)まで走査した。結果を図
3に示すように、本化合物は2θ=6.1゜、2θ=1
0.5゜及び2θ=20.7゜に鋭いX線回折ピークを
示し,良好な結晶性を有する化合物であることが確認さ
れた。
【0018】さらに、本発明の化合物の安定性を明らか
にするため、代表的な化合物について製剤化を行い、錠
剤にした場合の安定性について比較検討した。 [製剤の安定性試験]製剤比較例1、2及び製剤実施例
1〜3で得られた錠剤を開放したガラス瓶に入れ、40
°75%RHの条件下に1箇月間保存した。各錠剤の含
量(残存率%)はエタノールで抽出した後、高速液体ク
ロマトグラフ法により測定した。その結果を表2に示
す。
【0019】
【表2】 錠剤の安定性試験結果
【0020】以上の結果から、本発明の化合物を用いて
得られた錠剤、製剤実施例1(実施例3の化合物)、製
剤実施例2(実施例1の化合物)及び製剤実施例3(実
施例3の化合物)の錠剤は、参考例の化合物を用いて得
られた錠剤、製剤比較例1(参考例4の化合物)及び製
剤比較例2(参考例5の化合物)と比較し安定であっ
た。
【0021】本発明の化合物(1)は、極めて強力なプ
ロトンポンプ阻害作用を有しており、長時間に亘って強
力な胃酸分泌抑制作用を示す。このため、各種実験動物
潰瘍モデルを用いた抗潰瘍作用の試験において優れた作
用を示す。例えば、実施例3の化合物の幽門結紮ラット
を用いる胃酸分泌抑制作用の試験においては、強力な抑
制作用が認められ、ED50値は3.1mg/kg(p.
o.)であり、水浸ストレスラット胃潰瘍モデルを用い
た抗潰瘍作用の試験においては、用量依存的な作用が認
められ、ED50値は0.94mg/kg(p.o.)で
あった。また、イヌ(ポーチ犬)を用いた試験において
も、1mg/kg(p.o.)の投与にて有意な胃酸分
泌抑制作用が観察された。このように、いずれの試験に
おいても、経口投与において優れた抗潰瘍作用を示すこ
とが認められたが、一方、本化合物の経口投与による毒
性試験、例えば、ラットを用いる急性毒性試験でのLD
50値は、雄で711mg/kg、雌で610mg/kg
であり、3カ月間に亘る反復投与の毒性試験において
は、5mg/kg以下の投与量で何等毒性学的な異常は
観察されず、安全性は極めて高いことが明らかにされ
た。このように、本発明の化合物は強力な胃酸分泌抑制
作用や抗潰瘍作用を有していることが認められる一方、
安全性は高く、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍
に対する新規な治療薬として有用である。臨床投与量と
しては、患者の状態、例えば、病状の重症度、年齢など
により異なるが、内服投与の場合成人に対し通常1日当
たり1〜300mg、好ましくは、5〜90mgであ
り、投与回数は1日1回又は2〜3回に分けて行うこと
ができる。
【0022】本発明の化合物(1)を主成分として含有
する抗潰瘍剤は、経口又は非経口投与することができ、
それぞれに適した種々の製剤が使用される。経口投与に
適する製剤としては、錠剤,カプセル剤,顆粒剤,細粒
剤などが挙げられ、常法により調製できる。また、所望
によりコーティングを施して腸溶性製剤とすることもで
きる。非経口投与に適する製剤としては注射剤が挙げら
れ、水又は弱アルカリ水溶液に溶解することにより調製
できる。また、凍結乾燥を施して用時溶型の注射剤とす
ることもできる。
【0023】[本発明の効果]一般式(1)で表される
本発明の化合物は、上述したように、溶媒和物を形成す
ることにより良好な結晶性を示し、従来の化合物におい
て問題になっていた物理化学的な不安定性を大幅に改善
した安定性に優れ、実用的に有用な化合物である。斯く
して、本発明の化合物を見い出すことにより、医薬用原
体として製造する際の製造過程や原体の保存における品
質の確保が容易になされるばかりでなく、医薬品として
製剤化する際の製造工程においても品質管理が容易であ
る。さらに、医療の場において求められる医薬製剤の安
定性にも問題がなく、長期間に亘って品質を保証するこ
とが可能となった。また、本発明の化合物における安定
性の向上は、原体製造や製剤化において長時間低温下で
操作する必要もなく、空気中の酸素や水分などによる劣
化に対する特別の手段を講ずる必要がないなど、煩雑な
操作を回避できる効率的な製造を可能する極めて有用な
化合物である。
【0024】
【実施例】以下、参考例、実施例、製剤比較例及び製剤
実施例により本発明の化合物を具体的かつ詳細に説明す
る。 参考例1 2−[4−メトキシ−6,7,8,9−テト
ラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イ
ルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールアルゴン
気流中、9−(ベンズイミダゾール−2−イル)チオ−
4−メトキシ−2,3−シクロヘプテノピリジン14.
0g(43ミリモル)を塩化メチレン80mlに懸濁
し、メタノール4mlを加え完全に溶解したのち、−1
5℃撹拌下にm−クロル過安息香酸8.5g(45ミリ
モル)を少量ずつ加え、同温度で10分間撹拌する。反
応後、飽和炭酸水素ナトリウム洗浄後、溶媒を減圧留去
し、アセトンを加え結晶化すると融点145〜148℃
(分解)の標記化合物が11.6g(78.6%)得ら
れる。ここで得られる化合物は、高速液体クロマトグラ
フ(HPLC)による測定から(±)2−[(RSs,
9RS)−及び(±)2−[(RSs,9SR)−4−
メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シク
ロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−1
H−ベンズイミダゾールの混合物であり、その比率は6
5.2:34.8であることが明らかにされる。 IRνmax(KBr):3068,2972,2932,15
80,1474,1436,1286,1054,10
34,1020,1012,742cm-1 NMR(CDCl3)δ:0.92−2.83(7H,
m),2.95−3.48(1H,m),3.82,
3.88(3H、each S),4.72−5.02
(1H,m),6.71,6.74(1H,each
d,J=6Hz,6Hz),7.08−7.92(4
H,m),8.34(1H,d,J=6Hz). 元素分析(C181932Sとして): 計算値(%);C:63.32;H:5.61;N:1
2.31 測定値(%);C:63.09;H:5.54;N:1
2.19
【0025】参考例2 (±)2−[(RSs,9R
S)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール(特開平 3−21
8372,実施例75の化合物) アルゴン気流中、9−(ベンズイミダゾール−2−イ
ル)チオ−4−メトキシ−2,3−シクロヘプテノピリ
ジン650mg(2.ミリモル)を塩化メチレン25m
lに完全に溶解したのち、−15℃撹拌下に90%m−
クロル過安息香酸448mg(2.07ミリモル)を塩
化メチレンに10mlに溶解した溶液を滴下し加え、同
温度で5分間撹拌する。反応後、飽和炭酸水素ナトリウ
ム洗浄後、溶媒を減圧留去し、塩化メチレン−エーテル
で結晶化すると、融点147〜150℃(分解)の標記
化合物が収率63.5%で得られる。ここで得られる化
合物は、高速液体クロマトグラフ(HPLC)によって
測定すると(±)2−[(RSs,9RS)−4−メト
キシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘ
プタ[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−
ベンズイミダゾールであることが明らかにされる。 IRνmax(KBr):1580,1476,1428,12
86,1268,1054,994,800,746,
446,426cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.07−2.41(7H,
m),2.90−3.30(1H,m),3.82(3
H、s),4.91(1H,d,J=10Hz),6.
72(1H,d,J=6Hz),7.05−7.92
(4H,m),8.32(1H,d,J=6Hz). 元素分析(C181932Sとして): 計算値(%);C:63.32;H:5.61;N:1
2.31 測定値(%);C:63.36;H:5.52;N:1
2.33
【0026】参考例3 (±)2−[(RSs,9R
S)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール アルゴン気流中、9−(ベンズイミダゾール−2−イ
ル)チオ−4−メトキシ−2,3−シクロヘプテノピリ
ジン140g(0.43モル)を脱エタノールクロロホ
ルム4lに溶解し、−15℃撹拌下に90%m−クロル
過安息香酸85.8g(0.45モル)を脱エタノール
クロロホルム800mlに溶解した溶液を−5℃以下に
保ちながら滴下し加え、−5〜−15℃で40分間撹拌
する。この時、RSs,9RS及びRSs,9SRの各
々のジアステレオマーの比率は高速液体クロマトグラフ
(HPLC)上、86:14の比率である。反応後、ト
リエチルアミン210mlを加え塩基性条件下にクロロ
ホルムを減圧留去する。得られる油状の残渣に二硫化炭
素420mlを加え、氷冷下に暫時撹拌し、析出する結
晶を濾取後エーテルで洗浄することにより融点149
(分解)の無色粉末として(±)2−[(RSs,9R
S)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール100.2g(6
8.1%)が得られる。また、二硫化炭素母液を減圧留
去後、塩化メチレンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム
洗浄後、溶媒を減圧留去し得られる残渣に、アセトンを
加え結晶化すると、(±)2−[(RSs,9RS)−
及び(±)2−[(RSs,9SR)−4−メトキシ−
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ
[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾールの混合物(高速液体クロマトグラフ(H
PLC)による測定で約1:1)36.8g(25.0
%)が得られる。
【0027】参考例4 (±)2−[(RSs,9R
S)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩 アルゴン気流中、28%ナトリウムメトキシド154m
g(0.8ミリモル:0.8当量)を塩化メチレン3m
lに懸濁し、室温撹拌下に(±)2−[(RSs,9R
S)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール341mg(1ミリ
モル)を加え1時間撹拌する。その後、エーテルを滴下
し加え、室温で30分間撹拌したのち−30℃で2時間
撹拌する。析出する結晶を濾取し、メタノール不溶物及
びアセトン不溶物を除去したのち溶媒を減圧留去する。
得られるアモルファス状物を塩化メチレン−エーテルで
結晶化後、エタノール−エーテルで再結晶することによ
り融点172〜175℃(分解)の無色粉末として標記
化合物150mg(41.3%)が得られる。ここで得
られる化合物は、高速液体クロマトグラフ(HPLC)
の測定することにより(±)2−[(RSs,9RS)
−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H
−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩である
ことが明らかにされる。 IRνmax(KBr):3416,2932,1580,14
74,1452,1436,1374,1290,12
72,1090,1052,1034,802,746
cm-1 NMR(CDCl3−DMSO−d6)δ:1.05−
2.10(7H,m),2.56−2.98(1H,
m),3.72(3H,s),4.50−4.86(1
H,br),6.42(1H,d,J=6Hz),6.
88−7.33(2H,m),7.46−7.76(2
H,m),8.02(1H,d,J=6Hz).
【0028】参考例5 (±)2−[(RSs,9S
R)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾールナトリウム塩(特開
平 3−218372,実施例66の化合物) アルゴン気流中、28%ナトリウムメトキシド100g
(0.5モル)を乾燥塩化メチレン530mlに懸濁
し、室温撹拌下に2−[4−メトキシ−6,7,8,9
−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−
9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール1
20g(0.35モル)を加え2時間撹拌する。その
後、エーテルを滴下し加え、室温で30分間撹拌したの
ち−30℃で2時間撹拌する。析出する結晶を濾取し、
メタノール不溶物及びアセトン不溶物を除去したのち、
塩化メチレン−エーテルで再結晶すると融点167〜1
75℃(分解)の無色粉末として89.3%の収率で標
記化合物が得られる。ここで得られる化合物は、高速液
体クロマトグラフ(HPLC)によって測定すると、9
6.8%純度の(±)2−[(RSs,9SR)−4−
メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シク
ロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−1
H−ベンズイミダゾールのナトリウム塩であることが明
らかにされる。 IRνmax(KBr):3372,3048,2972,29
28,2856,1586,1474,1298,12
70,1090,1052,1036,820,800
cm-1 NMR(CDCl3−DMSO−d6)δ:1.00−
2.63(7H,m),2.95−3.34(1H,
m),3.82(3H,s),4.75(1H,d,J
=6Hz),6.65(1H,d,J=5Hz),6.
85−7.10(2H,m),7.40−7.65(2
H,m),8.23(1H,d,J=5Hz).
【0029】参考例6 (±)2−[(RSs,9S
R)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール (±)2−[(RSs,9SR)−4−メトキシ−6,
7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]
ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミ
ダゾール ナトリウム塩4.0g(10ミリモル)を塩
化メチレンに溶解し、10%塩化アンモニウム水溶液で
処理した後、塩化メチレン層を無水硫酸マグネシウムで
乾燥し減圧留去する。得られるアモルファス状物をエタ
ノールから再結晶すると融点118〜120℃(分解)
の無色粉末として(±)2−[(RSs,9SR)−4
−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シ
クロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾール2.76g(80.8%)が
得られる。 IRνmax(KBr):3176,3064,2936,15
78,1472,1432,1404,1282,12
68,1052,1036,746,724cm -1 NMR(CDCl3)δ:1.02−2.75(7H,
m),3.13−3.55(1H,m),3.88(3
H、s),4.88(1H,d,J=9Hz),6.7
5(1H,d,J=6Hz),7.08−7.43(2
H,m),7.43−7.90(2H,m),8.34
(1H,d,J=6Hz). 元素分析(C181932Sとして): 計算値(%);C:63.32;H:5.61;N:1
2.31 測定値(%);C:63.19;H:5.50;N:1
2.39
【0030】参考例7 (±)2−[(RSs,9R
S)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩 アルゴン気流中、水酸化ナトリウム3.12g(0.0
78モル)を乾燥エタノール180mlに溶解し、つい
で、乾燥エタノール360mlに溶解した(±)2−
[(RSs,9RS)−4−メトキシ−6,7,8,9
−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−
9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール3
1.37g(0.092モル)の溶液を加え室温で5分
間撹拌する。その後、溶媒を減圧留去し、得られるアモ
ルファス状物を塩化メチレン−エーテルで結晶化後、エ
タノール−エーテルで再結晶することにより(±)2−
[(RSs,9RS)−4−メトキシ−6,7,8,9
−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−
9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールナ
トリウム塩24.8g(74.2%)が得られる。 IRνmax(KBr):3416,2932,1580,14
74,1452,1436,1374,1290,12
72,1090,1052,1034,802,746
cm-1 NMR(CDCl3−DMSO−d6)δ:1.05−
2.10(7H,m),2.56−2.98(1H,
m),3.72(3H,s),4.50−4.86(1
H,br),6.42(1H,d,J=6Hz),6.
88−7.33(2H,m),7.46−7.76(2
H,m),8.02(1H,d,J=6Hz). 元素分析(C18183NaO2Sとして): 計算値(%);C:59.49;H:4.99;N:1
1.56 測定値(%);C:57.03;H:5.01;N:1
1.13
【0031】参考例8 (±)2−[(RSs,9R
S)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール カリウム塩 アルゴン気流中、水酸化カリウム561mg(10ミリ
モル)をエタノール40mlに溶解し、ついで、エタノ
ール40mlに溶解した(±)2−[(RSs,9R
S)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール3.76g(11ミ
リモル)の溶液を加え室温で10分間撹拌する。その
後、溶媒を減圧留去し、得られるアモルファス状物を塩
化メチレン−エーテルで結晶化後、エタノール−エーテ
ルで再結晶することにより融点159〜163℃の無色
粉末として(±)2−[(RSs,9RS)−4−メト
キシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘ
プタ[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−
ベンズイミダゾール カリウム塩2.77g(69.3
%)が得られる。 IRνmax(KBr):3400,2924,1580,14
67,1460,1428,1376,1308,12
88,1264,1082,1058,1030,80
2cm-1 NMR(CDCl3−DMSO−d6)δ:1.00−
2.73(7H,m),3.00−3.45(1H,
m),3.79(3H,s),4.81(1H,b
s),6.52(1H,d,J=6Hz),6.77−
7.06(2H,m),7.32−7.63(2H,
m),8.13(1H,d,J=5Hz).
【0032】参考例9 2−[4−エトキシ−6,7,
8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリ
ジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾ
ール アルゴン気流中、9−(ベンズイミダゾール−2−イ
ル)チオ−4−エトキシ−2,3−シクロヘプテノピリ
ジン794mg(2.07ミリモル)をクロロホルム2
5mlに完全に溶解したのち、−15℃撹拌下に90%
m−クロル過安息香酸448mg(2.07ミリモル)
を塩化メチレンに10mlに溶解した溶液を滴下し加
え、同温度で10分間撹拌する。反応後、飽和炭酸水素
ナトリウム洗浄後、溶媒を減圧留去し、アセトンを加え
結晶化すると、融点112〜118℃(分解)の(±)
2−[(RSs,9RS)−及び(±)2−[(RS
s,9SR)−4−エトキシ−6,7,8,9−テトラ
ヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル
スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの混合物
(高速液体クロマトグラフ(HPLC)70.8:2
9.2)478mg(57.5%)が得られる。 IRνmax(KBr):3128,3060,2976,29
32,2856,1580,1466,1430,14
08,1312,1286,1266,1090,10
78,1052,1024,1004,988,81
2,798,766,744m-1 NMR(CDCl3)δ:0.92−2.63(7H,
m),1.40,1.44(3H,each t,J=
8Hz,8Hz),3.06−3.48(1H,m),
4.07(2H,q,J=8Hz),4.75(1H,
d,J=10Hz),6.73(1H,d,J=6H
z),7.05−7.95(4H,m),8.30(1
H,d,J=6Hz). 元素分析(C192132Sとして): 計算値(%);C:64.20;H:5.96;N:1
1.82 測定値(%);C:64.50;H:5.72;N:1
1.90
【0033】参考例10 (±)2−[(RSs,9R
S)−4−エトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール 参考例3と同様に操作することにより、9−(ベンズイ
ミダゾール−2−イル)チオ−4−エトキシ−2,3―
シクロヘプテノピリジンから52.4%の収率で無色粉
末の標記化合物が得られる。 融点:122℃(分解) IRνmax(KBr):3128,3056,3024,29
76,2932,2860,1708,1580,14
68,1430,1408,1312,1300,12
84,1266,1222,1138,1092,10
52,1024,1006,814,798,744c
-1 NMR(CDCl3)δ:0.98−2.66(7H,
m),1.44(3H,t,J=8Hz),3.16,
3.33(1H,each d,J=7Hz,7H
z),4.07(2H,q,J=8Hz),4.76
(1H,d,J=10Hz),6.73(1H,d,J
=6Hz),7.05−7.95(4H,m),8.3
0(1H,d,J=6Hz). 元素分析(C192132Sとして): 計算値(%);C:64.20;H:5.96;N:1
1.82 測定値(%);C:63.96;H:6.08;N:1
1.72
【0034】参考例11 (±)2−[(RSs,9R
S)−4−エトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩 参考例4と同様に処理することにより、(±)2−
[(RSs,9RS)−4−エトキシ−6,7,8,9
−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−
9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールか
ら91%の収率で標記化合物が無色粉末として得られ
る。 融点:171〜173℃(分解) IRνmax(KBr):3388,3048,2980,29
32,2856,1582,1466,1376,12
92,1272,1112,1088,1052,10
12,802,744cm-1 NMR(acetone−d6)δ:1.22−2.6
6(7H,m),1.40(3H,t,J=8Hz),
3.02−3.48(1H,m),4.08(2H,
q,J=8Hz),4.52−4.78(1H,m),
6.82(1H,d,J=6Hz),6.86−7.0
5(2H,m),7.40−7.65(2H,m),
8.25(1H,d,J=6Hz).
【0035】参考例12 (±)2−[(RSs,9S
R)−4−エトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール 参考例5と同様にして、(±)2−[(RSs,9R
S)−4−エトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾールから標記化合物のナ
トリウム塩を得、これを参考例6と同様に処理すると7
3.5%の収率で標記化合物が無色粉末として得られ
る。 融点:141〜143℃(分解) IRνmax(KBr):3160,2980,2932,28
56,1578,1462,1432,1402,13
04,1280,1268,1076,1040,10
02,812,800,742cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.00−2.80(7H,
m),1.43(3H,t,J=7Hz),3.15−
3.52(1H,m),4.14(2H,q,J=7H
z),4.76−4.98(1H,br),6.86
(1H,d,J=6Hz),7.12−7.37(2
H,m),7,52−7.73(2H,m),8.14
(1H,d,J=6Hz). 元素分析(C192132Sとして): 計算値(%);C:64.20;H:5.96;N:1
1.82 測定値(%);C:64.06;H:6.80;N:1
1.70
【0036】参考例13 (±)2−[(RSs,9R
S)−4−(n−ブチルオキシ)−6,7,8,9−テ
トラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−
イルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール 参考例3と同様にして操作することにより、9−(ベン
ズイミダゾール−2−イル)チオ−4−n―ブトキシ−
2,3―シクロヘプテノピリジンから68.4%の収率
で無色粉末の標記化合物が得られる。 融点:137−139℃(分解) IRνmax(KBr):3056,3016,2960,29
36,2872,2804,1580,1466,14
28,1412,1310,1290,1268,11
38,1080,1046,1002,834,80
2,744cm-1 NMR(CDCl3)δ:0.96(3H,t,J=8
Hz),1.13−2.66(11H,m),3.1
9,3.35(1H,d×2,J=7Hz),4.00
(2H,t,J=8Hz),4.77(1H,d,J=
8Hz),6.73(1H,d,J=6Hz),7.0
5−8.00(4H,m),8.31(1H,d,J=
6Hz). 元素分析(C212532Sとして): 計算値(%);C:65.77;H:6.57;N:1
0.96 測定値(%);C:65.57;H:6.72;N:1
1.08
【0037】参考例14 (±)2−[(RSs,9S
R)−4−(n−ブチルオキシ)−6,7,8,9−テ
トラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−
イルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール 参考例5と同様に操作してして得られナトリウム塩を参
考例6と同様に処理すると標記化合物が無色粉末として
61.9%の収率で得られる。 融点:135〜137℃ IRνmax(KBr):3136,2956,2932,28
72,1578,1460,1432,1408,13
08,1282,1268,1078,1044,10
04,798,744cm-1 NMR(acetone−d6)δ:0.97(3H,
t,J=8Hz),1.20−2.80(11H,
m),3.16−3.34(1H,m),4.08(2
H,t,J=8Hz),4.75−5.02(1H,
m),6.88(1H,d,J=6Hz),7.16−
4.40(2H,m)7.53−7.75(2H,
m),8.17(1H,d,J=6Hz). 元素分析(C212532Sとして): 計算値(%);C:65.77;H:6.57;N:1
0.96 測定値(%);C:65.72;H:6.48;N:1
0.90
【0038】実施例1 (±)2−[(RSs,9S
R)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩2エ
タノール和物 アルゴン気流中、28%ナトリウムメトキシド520g
(2.7モル)を塩化メチレン1530mlに懸濁し、
(±)2−[(RSs,9RS)−4−メトキシ−6,
7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]
ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミ
ダゾール615g(1.8モル)を加え室温で30分間
撹拌する。この時の反応液中のRSs,9RS及びRS
s,9SR配置の各々のジアステレオマーの比率は、高
速液体クロマトグラム(HPLC)で測定すると44:
56の比率である。ついで、室温撹拌下に、エーテル2
lを加え暫時撹拌するとRSs,9SR配置のジアステ
レオマーが優先的に結晶化し始め、この時点で、更にエ
ーテル4.9lを3時間で滴下し加え1時間撹拌後、結
晶を濾取する。得られる結晶のはRSs,9RS及びR
Ss,9SR配置の各々のジアステレオマーの比率は高
速液体クロマトグラフ(HPLC)で測定すると6.
0:91.4の比率である。ここで得られる粗(±)2
−[(RSs,9SR)−4−メトキシ−6,7,8,
9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン
−9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール
ナトリウム塩654.2gを室温撹拌下に20〜25
倍量の乾燥エタノールを加え溶解し、僅かな不溶物を遠
心分離して除去後、減圧下にエタノール半量を留去し、
析出する結晶を濾取すると、融点167℃(分解)の無
色プリズム状晶として(±)2−[(RSs,9SR)
−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H
−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩2エタ
ノール和物623.5g(87.2%)が得られる。 エタノール含量:ガスクロマトグラフ法で測定 計算値:20.23%,実測値:19.40% IRνmax(KBr):3036,2968,2936,15
80,1478,1446,1376,1288,12
68,1248,1056,1044,1012,81
0,738cm-1 NMR(acetone−d6)δ:0.90−2.2
2(7H,m),1.13(6H,t,J=8Hz),
2.22−2.66(1H,m),3.60(4H,
q,J=8Hz),3.88(3H、s),4.63−
4.96(1H,m),6.73−7.10(3H,
m),7.38−7.68(2H,m),8.28(1
H,d,J=6Hz). 元素分析(C18183NaO2S・2C25OHとし
て): 計算値(%);C:58.00;H:6.64;N:
9.22 測定値(%);C:58.20;H:6.45;N:
9.01
【0039】実施例2 (±)2−[(RSs,9S
R)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩2メ
タノール和物 アルゴン気流中、28%ナトリウムメトキシド5.20
g(27ミリモル)を塩化メチレン30mlに懸濁し、
(±)2−[(RSs,9RS)−4−メトキシ−6,
7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]
ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミ
ダゾール6.15g(18ミリモル)を加え室温で30
分間撹拌する。ついで、参考例5と同様に処理し得られ
る粗(±)2−[(RSs,9SR)−4−メトキシ−
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ
[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾール ナトリウム塩を、室温撹拌下に乾燥メ
タノールを用い処理すると、融点174〜176℃(分
解)の無色プリズム状晶として(±)2−[(RSs,
9SR)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒド
ロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩
2メタノール和物6.05g(78.6%)が得られ
る。 IRνmax(KBr):3048,3012,2928,28
52,1582,1476,1452,1382,13
04,1288,1268,1252,1080,10
56,1026,818,802,742cm-1 NMR(acetone−d6)δ:0.95−2.2
0(7H,m),2.25−2.65(1H,m),
3.32(6H,s),3.88(3H、s),4.6
0−4.95(1H,m),6.60−6.98(3
H,m),7.20−7.63(2H,m),8.25
(1H,d,J=6Hz). 元素分析(C18183NaO2S・2CH3OHとし
て): 計算値(%);C:56.19;H:6.13;N:
9.83 測定値(%);C:56.42;H:5.98;N:1
0.05
【0040】実施例3 (±)2−[(RSs,9S
R)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩2水
和物 (1)減圧下、(±)2−[(RSs,9SR)−4−
メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シク
ロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−1
H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩2エタノール和
物295.0g(0.65モル)に炭酸イオンを除去し
た蒸留水150mlを加え、撹拌溶解後、暫時放置する
と、ナトリウム塩2水和物が石膏状に固化する。この固
形物を五酸化リンの存在化に30℃で減圧乾燥すると、
融点157℃(分解)の無色粉末として(±)2−
[(RSs,9SR)−4−メトキシ−6,7,8,9
−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−
9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール
ナトリウム塩2水和物251.0g(97.0%)が得
られる。 水分含量:カールフィシャー法により測定 計算値:9.02%,測定値:9.12% IRνmax(KBr):3432,3048,3012,29
72,2928,2852,1582,1476,14
58,1438,1382,1308,1288,12
68,1250,1086,1056,1020,81
6,802,744,602,518,428cm-1 NMR(acetone−d6)δ:0.95−2.2
1(7H,m),3.87(3H,s),4.66−
5.00(1H,m),6.60−7.03(3H,
m),7.26−7.62(2H,m),8.08−
8.40(1H,d,J=6Hz). 元素分析(C18183NaO2S・2H2Oとして): 計算値(%);C:54.12;H:5.55;N:1
0.52;S:8.03 測定値(%);C:53.93;H:5.42;N:1
0.28;S:7.81
【0041】(2)窒素気流中、(±)2−[(RS
s,9SR)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラ
ヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル
スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウ
ム塩2エタノール和物230.2g(0.51モル)に
含水エーテル(1.2%含水)2.9lを加え、室温中
で5時間懸濁撹拌し、結晶を濾取する。得られる結晶を
含水エーテル洗浄後、五酸化リンの存在化に30℃で減
圧乾燥すると、(±)2−[(RSs,9SR)−4−
メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シク
ロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−1
H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩2水和物18
1.5g(90.0%)が得られる。
【0042】(3)窒素気流中、(±)2−[(RS
s,9SR)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラ
ヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル
スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウ
ム塩2エタノール和物10.0g(22ミリモル)に含
水イソプロピルエーテル130lを加え、室温中で3時
間懸濁撹拌し、ついで、結晶を濾取後、五酸化リンの存
在化に30℃で減圧乾燥すると、(±)2−[(RS
s,9SR)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラ
ヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル
スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウ
ム塩2水和物が定量的に得られる。
【0043】(4)窒素気流中、(±)2−[(RS
s,9SR)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラ
ヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル
スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウ
ム塩2エタノール和物1.0g(2.2ミリモル)に5
%含水イソプロパノール5mlを加え室温下12時間撹
拌する。不溶の結晶を濾取後エーテルで洗浄し、五酸化
リン及び塩化カルシウムの存在下に30℃で減圧乾燥す
ると、(±)2−[(RSs,9SR)−4−メトキシ
−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ
[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾール ナトリウム塩2水和物599mg(6
8.2%)が得られる。
【0044】実施例4 (±)2−[(RSs,9S
R)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール カリウム塩2水和
物 (1)(±)2−[(RSs,9SR)−4−メトキシ
−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ
[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾール682mg(2ミリモル)を水酸化カリ
ウム112mg(2ミリモル)を溶解した乾燥エタノー
ル溶液10mlに溶解し30分間撹拌後、エタノールを
減圧留去する。得られる飴状物を塩化メチレンに溶解し
暫時放置後析出する結晶を濾取する。ここで得られる無
色の結晶をエタノールで処理し実施例3(1)と同様に
して水分子と置換すると融点162〜165℃(分解)
の無色粉末として(±)2−[(RSs,9SR)−4
−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シ
クロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾール カリウム塩2水和物659
mg(82.4%)が得られる。 水分含量:カールフィシャー法により測定 計算値:8.67%,測定値:8.30% IRνmax(KBr):3444,3048,2928,28
56,1580,1474,1438,1372,13
36,1304,1286,1262,1244,11
36,1078,1052,1022,744cm-1 NMR(DMSO−d6)δ:1.00−2.76(7
H,m),3.00−3.45(1H,m),3.79
(3H,s),5.06(1H,d),6.62−6.
90(3H,m),7.23(2H,m),8.08
(1H,d,J=6Hz). 元素分析(C18183KO2S・2H2Oとして): 計算値(%);C:52.02;H:5.34;N:1
0.11 測定値(%);C:52.00;H:5.66;N:1
0.31
【0045】(2)上記した方法で得られる水和物を種
晶とし、(±)2−[(RSs,9RS)−4−メトキ
シ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプ
タ[b]ピリジン−9−イルスルフィニル]−1H−ベ
ンズイミダゾールを用時調製したカリウムメトキシドの
存在下に参考例5と同様にして異性化と塩形成反応を行
い、ついで、水分子置換を行うと(±)2−[(RS
s,9SR)−4−メトキシ−6,7,8,9−テトラ
ヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル
スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール カリウム
塩2水和物が得られる。
【0046】実施例5 (±)2−[(RSs,9S
R)−4−エトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩2エ
タノール和物 実施例1と同様に操作することにより、(±)2−
[(RSs,9RS)−4−エトキシ−6,7,8,9
−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−
9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールか
ら72.8%の収率で標記化合物が無色粉末として得ら
れる。 エタノール含量:ガスクロマトグラフ法で測定 計算値:19.62%,実測値:18.97% 融点:162〜164℃(分解) IRνmax(KBr):2972,2932,1584,14
66,1374,1304,1288,1266,12
48,1056,1026,1012,804,738
cm-1 NMR(acetone−d6)δ:1.00−2.7
0(7H,m),1.12(6H,t,J=7Hz),
1.41(3H,t,J=7Hz),3.57(4H,
q,J=7Hz),4.14(2H,q,J=7H
z),4.66−4.96(1H,br),6.70−
6.96(3H,m),7.28−7.53(2H,
m),8.24(1H,d,J=6Hz). 元素分析(C19203NaO2S・2C25OHとし
て): 計算値(%);C:58.83;H:6.87;N:
8.95 測定値(%);C:88.66;H:6.99;N:
8.67
【0047】実施例6 (±)2−[(RSs,9S
R)−4−エトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィ
ニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウム塩2水
和物 実施例3(2)と同様に操作することにより、(±)2
−[(RSs,9SR)−4−エトキシ−6,7,8,
9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン
−9−イルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール
ナトリウム塩から97.2%の収率で標記化合物が無
色粉末として得られる。 融点:164〜166℃(分解) IRνmax(KBr):3416,2980,2928,15
84,1464,1382,1308,1290,12
68,1250,1088,1054,1024,10
14,802,742cm-1 NMR(acetone−d6)δ:1.00−2.7
0(7H,m),1.43(3H,t,J=7Hz),
3.14−3.46(1H,m),4.14(2H,
q,J=7Hz),4.66−4.94(1H,m),
6.72−6.98(3H,m),7.32−7.53
(2H,m),8.24(1H,d,J=6Hz). 元素分析(C19203NaO2S・2H2Oとして): 計算値(%);C:55.19;H:5.85;N:1
0.16 測定値(%);C:55.20;H:5.80;N:
9.89
【0048】実施例7 (±)2−[(RSs,9S
R)−4−(n−ブトキシ)−6,7,8,9−テトラ
ヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル
スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール ナトリウ
ム塩2水和物 参考例5と同様に、(±)2−[(RSs,9RS)−
4−(n−ブトキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロ
−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフ
ィニル]−1H−ベンズイミダゾールを異性化及び塩形
成反応を行い、ついで、実施例3(1)と同様に処理す
ることで85.3%の収率で標記化合物が無色粉末とし
て得られる。 融点:162℃(分解) IRνmax(KBr):3432,2928,2868,15
80,1458,1396,1382,1372,12
66,1014,742cm-1 NMR(acetone−d6)δ:0.96(3H,
t,J=8Hz),1.20−2.70(11H,
m),3.20−3.35(1H,m),4.00(2
H,t,J=8Hz),4.93(1H,d,J=9H
z),6.82(1H,d,J=6Hz),6.93−
7.16(2H,m)7.45−7.75(2H,
m),8.19(1H,d,J=6Hz). 元素分析(C21243NaO2S・2H2Oとして): 計算値(%);C:57.13;H:6.39;N:
9.52 測定値(%):C:56.90;H:6.52;N:
9.28
【0049】[製剤比較例1]以下に示す成分のうち、
化合物、乳糖、結晶セルロース及びコーンスターチを混
合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの水溶液を
添加して造粒した後、乾燥した。整粒後ステアリン酸マ
グネシウム及びタルクを添加して混合し、ついで、打錠
して錠剤を得た。 参考例4の化合物 無水物として20.0mg 乳糖 適量 結晶セルロース 51.0 コーンスターチ 17.0 ヒドロキシプロピルセルロース 3.4 ステアリン酸マグネシウム 1.7 タルク 1.7 合計(1錠) 170.0
【0050】[製剤比較例2]1錠中下記成分を含有す
る錠剤を製剤比較例1と同様にして調製した。 参考例5の化合物 無水物として20.0mg 乳糖 適量 結晶セルロース 51.0 コーンスターチ 17.0 ヒドロキシプロピルセルロース 3.4 ステアリン酸マグネシウム 1.7 タルク 1.7 合計(1錠) 170.0
【0051】[製剤実施例1]1錠中下記成分を含有す
る錠剤を製剤比較例1と同様にして調製した。 実施例3の化合物 無水物として20.0mg 乳糖 適量 結晶セルロース 51.0 コーンスターチ 17.0 ヒドロキシプロピルセルロース 3.4 ステアリン酸マグネシウム 1.7 タルク 1.7 合計(1錠) 170.0
【0052】[製剤実施例2]1錠中下記成分を含有す
る錠剤を製剤比較例1と同様にして調製した。 実施例1の化合物 脱エタノール物として20.0mg 乳糖 適量 結晶セルロース 51.0 コーンスターチ 17.0 ヒドロキシプロピル セルロース 3.4 ステアリン酸マグネシウム 1.7 タルク 1.7 合計(1錠) 170.0
【0053】[製剤実施例3]以下の成分を混合し,直
接圧縮して錠剤を得た. 実施例3の化合物 無水物として20.0mg 酸化マグネシウム 17.0 スプレードライ乳糖 適量 部分アルファー化デンプン 34.0 ステアリン酸マグネシウム 3.4 タルク 1.7 合計(1錠) 170.0
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3の化合物について行った熱分析の示差
走査熱量測定(DSC)の結果を示すグラフである。
【図2】実施例3の化合物について行った熱重量測定
(TG)の結果を示すグラフである。
【図3】実施例3の化合物について測定した粉末X線回
折の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 235:28) C07M 7:00 (72)発明者 鈴木 滋 福島県福島市飯坂町湯野字田中1 トーア エイヨー株式会社福島研究所内 (72)発明者 大波 芳一 福島県福島市飯坂町湯野字田中1 トーア エイヨー株式会社福島研究所内 (72)発明者 畑 英之 福島県福島市飯坂町湯野字田中1 トーア エイヨー株式会社福島研究所内 (72)発明者 西宮 洋三 福島県福島市飯坂町湯野字田中1 トーア エイヨー株式会社福島研究所内 (72)発明者 古城 健太郎 福島県福島市飯坂町湯野字田中1 トーア エイヨー株式会社福島研究所内 (72)発明者 成田 仙一 埼玉県大宮市天沼町2丁目293ー3 トー アエイヨー株式会社東京研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [式中、硫黄原子及び9位炭素原子の立体配置はそれぞ
    れRS,SR配置であり、R1は低級アルキル基、R2
    アルカリ金属原子、R3は水素原子又は低級アルキル基
    を示す]で表される2−スルフィニル−1H−ベンズイ
    ミダゾール誘導体アルカリ金属塩の溶媒和物。
  2. 【請求項2】 R3が低級アルキル基である請求項1記
    載の2−スルフィニル−1H−ベンズイミダゾール誘導
    体アルカリ金属塩の溶媒和物。
  3. 【請求項3】 R3が水素原子である請求項1記載の2
    −スルフィニル−1H−ベンズイミダゾール誘導体アル
    カリ金属塩の水和物。
  4. 【請求項4】 一般式(2) 【化2】 [式中、硫黄原子及び9位炭素原子の立体配置がそれぞ
    れRS,RS配置であり、R1は低級アルキル基を示
    す]で表される化合物を、アルカリ金属低級アルコキシ
    ドを用いて塩形成及び異性化反応を行い、ついで、一般
    式R3OH[R3は水素原子又は低級アルキル基を示す]
    で表される溶媒を添加することを特徴とする、請求項1
    記載の2−スルフィニル−1H−ベンズイミダゾール誘
    導体アルカリ金属塩の溶媒和物の製造法。
  5. 【請求項5】 一般式(3) 【化3】 [式中、硫黄原子及び9位炭素原子の立体配置がそれぞ
    れRS,SR配置であり、R1は低級アルキル基、R2
    アルカリ金属原子を示す]で表される2−スルフィニル
    −1H−ベンズイミダゾール誘導体アルカリ金属塩を、
    一般式R4OH[R4は低級アルキル基を示す]で表され
    る低級アルコールで処理することを特徴とする、請求項
    2記載の2−スルフィニル−1H−ベンズイミダゾール
    誘導体アルカリ金属塩の溶媒和物の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の2−スルフィニル−1H
    −ベンズイミダゾール誘導体アルカリ金属塩の溶媒和物
    に水を作用させることを特徴とする、請求項3記載の2
    −スルフィニル−1H−ベンズイミダゾール誘導体アル
    カリ金属塩の水和物の製造法。
  7. 【請求項7】 請求項1、請求項2又は請求項3記載の
    化合物を有効成分とする抗潰瘍剤。
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WO1997030988A1 (fr) * 1996-02-21 1997-08-28 Toa Eiyo Ltd. Derives de cycloalcanopyridine, procede de production de ces derives, et medicament contre l'ulcere gastro-duodenal a base de ce compose
JP2008502665A (ja) * 2004-06-17 2008-01-31 シデム ファーマ ソシエテ アノニム S−テナトプラゾールナトリウム塩一水和物及び治療におけるその使用
JP2021502995A (ja) * 2017-11-16 2021-02-04 エルジー・ケム・リミテッド 除草剤組成物

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