JPH0823691A - サーボ系の制御装置 - Google Patents
サーボ系の制御装置Info
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- JPH0823691A JPH0823691A JP6179585A JP17958594A JPH0823691A JP H0823691 A JPH0823691 A JP H0823691A JP 6179585 A JP6179585 A JP 6179585A JP 17958594 A JP17958594 A JP 17958594A JP H0823691 A JPH0823691 A JP H0823691A
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- JP
- Japan
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- speed
- filter
- control device
- phase
- servo system
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- Control Of Position Or Direction (AREA)
- Control Of Velocity Or Acceleration (AREA)
- Control Of Electric Motors In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高いゲインが設定でき、応答性と減衰性に優
れた制御装置を提供する。 【構成】 一自由度の振動特性を負荷とし、モータの速
度をPIあるいはI−P制御するサーボ系の制御装置に
おいて、一巡伝達関数に位相進みフィルタGlead
(s)=(T1 ・s+1)/(T2 ・s+1)(ただ
し、T1 >T2 、T1 、T2 は位相進みフィルタの時定
数、sはラプラス演算子である)を挿入したことを特徴
とするサーボ系の制御装置。
れた制御装置を提供する。 【構成】 一自由度の振動特性を負荷とし、モータの速
度をPIあるいはI−P制御するサーボ系の制御装置に
おいて、一巡伝達関数に位相進みフィルタGlead
(s)=(T1 ・s+1)/(T2 ・s+1)(ただ
し、T1 >T2 、T1 、T2 は位相進みフィルタの時定
数、sはラプラス演算子である)を挿入したことを特徴
とするサーボ系の制御装置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は工作機械、産業用ロボッ
ト、FAなどのサーボに利用されるサーボ系の制御装置
に関する。
ト、FAなどのサーボに利用されるサーボ系の制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のサーボ系では速度制御系にたとえ
ば、特開昭62−77605あるいは技報「安川電機」
第55巻No.3 1991 p.174の3.3
(2)に記載されたようにPIあるいはI−P制御が用
いられている。
ば、特開昭62−77605あるいは技報「安川電機」
第55巻No.3 1991 p.174の3.3
(2)に記載されたようにPIあるいはI−P制御が用
いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のPI
あるいはI−P速度制御系では、負荷が振動特性を有し
ている場合には、この振動特性を不安定にしないような
低いゲインの設定しかできず、制御系の応答が遅くな
る、という問題点があった.図11はサーボ系のブロッ
ク線図である。このサーボ系について、振動特性を考慮
した制御対象の動特性モデルとそのs平面上の極零配置
を図10に示す。ここで ω1 =(K・(1/JM +1
/JL ))1/2 ω2 =((K/JL ))1/2 であり、それぞれ共振および反共振角周波数である。R
eは実軸、Imは虚軸である。図13(a)はPI速度
制御系のブロック線図を示し、図13(b)はI−P速
度制御系のブロック線図を示す。図11(c)は、開ル
ープ伝達関数の極零配置を示す。ここでGV (s)は図
12に示す制御対象の伝達関数である。なお、制御対象
の極零配置はPIとI−P速度制御系で同じである。図
14はPIおよびI−P速度制御系でゲインKvをゼロ
から大きくしていったときの根軌跡を示す。図14
(a)はω2 が1/Ti より十分に大きい場合で、原点
の極である剛体系および振動特性が共に、応答も速くし
かも十分に安定化されることを示している。しかし、剛
体系の応答をより速くしようとして、より小さな積分時
間を設定すると、図14(b)に示すように、振動特性
は十分に安定化されるが、剛体系の極が反共振の零点に
向かい、剛体系が応答も遅く、かつ減衰が小さい振動的
な応答となる。これはサーボ系で好ましくない特性であ
る。そこで本発明は、高いゲインが設定でき、応答性と
減衰性に優れた制御装置を提供することを目的とする.
あるいはI−P速度制御系では、負荷が振動特性を有し
ている場合には、この振動特性を不安定にしないような
低いゲインの設定しかできず、制御系の応答が遅くな
る、という問題点があった.図11はサーボ系のブロッ
ク線図である。このサーボ系について、振動特性を考慮
した制御対象の動特性モデルとそのs平面上の極零配置
を図10に示す。ここで ω1 =(K・(1/JM +1
/JL ))1/2 ω2 =((K/JL ))1/2 であり、それぞれ共振および反共振角周波数である。R
eは実軸、Imは虚軸である。図13(a)はPI速度
制御系のブロック線図を示し、図13(b)はI−P速
度制御系のブロック線図を示す。図11(c)は、開ル
ープ伝達関数の極零配置を示す。ここでGV (s)は図
12に示す制御対象の伝達関数である。なお、制御対象
の極零配置はPIとI−P速度制御系で同じである。図
14はPIおよびI−P速度制御系でゲインKvをゼロ
から大きくしていったときの根軌跡を示す。図14
(a)はω2 が1/Ti より十分に大きい場合で、原点
の極である剛体系および振動特性が共に、応答も速くし
かも十分に安定化されることを示している。しかし、剛
体系の応答をより速くしようとして、より小さな積分時
間を設定すると、図14(b)に示すように、振動特性
は十分に安定化されるが、剛体系の極が反共振の零点に
向かい、剛体系が応答も遅く、かつ減衰が小さい振動的
な応答となる。これはサーボ系で好ましくない特性であ
る。そこで本発明は、高いゲインが設定でき、応答性と
減衰性に優れた制御装置を提供することを目的とする.
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、本発明は一自由度の振動特性を負荷とし、モータの
速度をPIあるいはI−P制御するサーボ系の制御装置
において、一巡伝達関数に位相進みフィルタGlead
(s)=(T1 ・s+1)/(T2 ・s+1)(ただ
し、T1 >T2 、T1 、T2 は位相進みフィルタの時定
数、sはラプラス演算子である)を挿入したことを特徴
とする。また、ω2 を反共振角周波数、Ti を積分時間
とするとき、反共振の零点s=jω2 と、PIあるいは
I−P制御の零点s=−1/Ti 、位相進みフィルタの
零点s=−1/T1 および極s=−1/T2 とのなす角
φ1 =arctan(ω2 、Ti )、φ2 =arcta
n(ω2 、T1 )、φ3 =arctan(ω2 、T2 )
がφ1 +φ2 −φ3 ≒π/2なる位相条件を満たすよう
に設定されたことを特徴とする。さらに、ω1 を共振角
周波数とするとき、振動特性の極s=jω1 と、PIあ
るいはI−P制御の零点s=−1/Ti 、位相進みフィ
ルタの零点s=−1/T1 および極s=−1/T2 との
なす角φ1 ’=arctan(ω1 、Ti )、φ’2 =
arctan(ω1 、T1 )、φ’3 =arctan
(ω1 、T2 )がφ’1 +φ’2 −φ’3 ≒π/2なる
位相条件を満たすように設定されたことを特徴とするも
のである。また、速度指令あるいは速度の絶対値と設定
可能な限界速度とを比較し、限界速度以上であれば位相
進みフィルタを、限界速度未満であれば一次遅れフィル
タを速度制御系の一巡伝達関数に挿入し、速度制御系を
マイナ−ル−プとして組み込むように位置制御を行うこ
とを特徴とするものである。そして、位置制御系の偏差
の絶対値|e|に関し、関数f(|e|)をあらかじめ
定義し、a=f(|e|)とするとき、制御系の一巡伝
達関数に挿入する位相進みフィルタの伝達関数を(aT
1 ・s+1)/((1−a)T2 ・s+1)としたこと
を特徴とし、位置決め開始時点から位置決め完了時点ま
では位相進みフィルタを、いったん位置決め完了した後
は一次遅れフィルタあるいは二次遅れフィルタを速度制
御系の一巡伝達関数に挿入することを特徴とするもので
ある。
め、本発明は一自由度の振動特性を負荷とし、モータの
速度をPIあるいはI−P制御するサーボ系の制御装置
において、一巡伝達関数に位相進みフィルタGlead
(s)=(T1 ・s+1)/(T2 ・s+1)(ただ
し、T1 >T2 、T1 、T2 は位相進みフィルタの時定
数、sはラプラス演算子である)を挿入したことを特徴
とする。また、ω2 を反共振角周波数、Ti を積分時間
とするとき、反共振の零点s=jω2 と、PIあるいは
I−P制御の零点s=−1/Ti 、位相進みフィルタの
零点s=−1/T1 および極s=−1/T2 とのなす角
φ1 =arctan(ω2 、Ti )、φ2 =arcta
n(ω2 、T1 )、φ3 =arctan(ω2 、T2 )
がφ1 +φ2 −φ3 ≒π/2なる位相条件を満たすよう
に設定されたことを特徴とする。さらに、ω1 を共振角
周波数とするとき、振動特性の極s=jω1 と、PIあ
るいはI−P制御の零点s=−1/Ti 、位相進みフィ
ルタの零点s=−1/T1 および極s=−1/T2 との
なす角φ1 ’=arctan(ω1 、Ti )、φ’2 =
arctan(ω1 、T1 )、φ’3 =arctan
(ω1 、T2 )がφ’1 +φ’2 −φ’3 ≒π/2なる
位相条件を満たすように設定されたことを特徴とするも
のである。また、速度指令あるいは速度の絶対値と設定
可能な限界速度とを比較し、限界速度以上であれば位相
進みフィルタを、限界速度未満であれば一次遅れフィル
タを速度制御系の一巡伝達関数に挿入し、速度制御系を
マイナ−ル−プとして組み込むように位置制御を行うこ
とを特徴とするものである。そして、位置制御系の偏差
の絶対値|e|に関し、関数f(|e|)をあらかじめ
定義し、a=f(|e|)とするとき、制御系の一巡伝
達関数に挿入する位相進みフィルタの伝達関数を(aT
1 ・s+1)/((1−a)T2 ・s+1)としたこと
を特徴とし、位置決め開始時点から位置決め完了時点ま
では位相進みフィルタを、いったん位置決め完了した後
は一次遅れフィルタあるいは二次遅れフィルタを速度制
御系の一巡伝達関数に挿入することを特徴とするもので
ある。
【0005】
【作用】位相進みフィルタを挿入した速度制御系のブロ
ック線図を図1および2に示す。図1(a)はPI速度
制御系で前向きループに挿入した場合であり、図2
(b)はPI速度制御系でフィードバックループに挿入
した場合である。さらに、図2(a)はI−P速度制御
系で前向きループに挿入した場合であり、図2(b)は
I−P速度制御系でフィードバックループに挿入した場
合である。 いずれの場合も速度制御系の極零配置およ
び根軌跡は等しくなる。図3(a)は位相進みフィルタ
を挿入したPIおよびI−P速度制御系の極零配置であ
る。位相進みフィルタを挿入し、 T2 <T1 およびT2 <Ti であるとき、それらの根軌跡は図3(b)に示すよう
に、Ti の設定に関わらず剛体系および振動特性を、位
相進みフィルタのない場合と比較して格段に、応答も速
く、減衰性つまり安定性の良い特性に設定できる。たと
えば図3(b)の四角・×マークのような設定が可能と
なる。
ック線図を図1および2に示す。図1(a)はPI速度
制御系で前向きループに挿入した場合であり、図2
(b)はPI速度制御系でフィードバックループに挿入
した場合である。さらに、図2(a)はI−P速度制御
系で前向きループに挿入した場合であり、図2(b)は
I−P速度制御系でフィードバックループに挿入した場
合である。 いずれの場合も速度制御系の極零配置およ
び根軌跡は等しくなる。図3(a)は位相進みフィルタ
を挿入したPIおよびI−P速度制御系の極零配置であ
る。位相進みフィルタを挿入し、 T2 <T1 およびT2 <Ti であるとき、それらの根軌跡は図3(b)に示すよう
に、Ti の設定に関わらず剛体系および振動特性を、位
相進みフィルタのない場合と比較して格段に、応答も速
く、減衰性つまり安定性の良い特性に設定できる。たと
えば図3(b)の四角・×マークのような設定が可能と
なる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明する.位
相進みフィルタの具体的な設計条件を提示する。まず剛
体系の極を反共振の零点に向かわせず、実軸上に収束さ
せる条件である。積分時間Ti 、位相進みフィルタの時
定数T1 、T2 (T1 >T2 )とする。二つの零点s=
−1/Ti 、s=−1/T1 および極s=−1/T2 と
反共振の零点s=jω2 とのなす角度をそれぞれφ1 、
φ2 、φ3 とするとき、 φ1 =arctan(ω2 ・Ti ) φ2 =arctan(ω2 ・T1 ) φ3 =arctan(ω2 ・T2 ) であるが、(φ1 +φ2 −φ3 )がほぼπ/2という条
件(位相条件1)を満たすように設計すると、剛体系は
必ず実軸上に収束し、応答も速く、減衰性も良い速度制
御系が実現できる。図4は位相条件1を示す図である。
次に、振動特性を最も安定化する条件を提示する。二つ
の零点s=−1/Ti、s=−1/T1 および極s=−
1/T2 と振動特性の極s=jω1 とのなす角をそれぞ
れφ1 ’、φ2 ’、φ3 ’とするとき、 φ1 ’=arctan(ω1 ・Ti ) φ2 ’=arctan(ω1 ・T1 ) φ3 ’=arctan(ω1 ・T2 ) であるが、(φ1 ’+φ2 ’−φ3 ’)がほぼπ/2と
いう条件(位相条件2)を満たすように設計すると、振
動特性は最も安定化される条件となり、応答も速く、減
衰性も良い速度制御系が実現できる。図5は位相条件2
を示す図である。図1に示したようなサーボ系を実現す
るには、まず以上に示した位相進みフィルタを挿入した
速度制御系を構成し、適切な位相条件とゲインおよびパ
ラメータを設定し、高応答・高減衰の速度制御系を実現
し、この速度制御系に位置のフィードバック制御ループ
を付加すれば良い。ディジタルサーボ系では位置の量子
化の影響が大きく、偏差の大きさにより位相進みフィル
タのパラメータを可変にする必要がある。これを実現す
る位置制御系のブロック線図を図6に示す。ここでブロ
ック15は位置偏差の絶対値の非線形関数で、|e|を
入力とし、可変パラメータaを出力とするもので、 a=f(|e|) である。ブロック16は可変パラメータaにより特性を
可変とする位相進みフィルタであり、その伝達関数は Glead(s)=(aT1 ・s+1)/((1−a)
・T2 ・s+1) である。このような可変パラメータ位相進みフィルタに
より、ディジタルサーボ系でも、位置偏差の大きさに依
らず常に高応答かつ高安定なサーボ系を実現することが
できる。位相進みフィルタの実現例を述べる。図7はオ
ペアンプ、キャパシタンス、抵抗を用いたアナログ回路
の例である。図8はディジタル演算による位相進みフィ
ルタの実現例である。uは入力、yが出力であり、iは
サンプル時刻である。17は1サンプルの遅延メモリ、
18、19はフィルタの特性を決定するパラメータであ
る。Tsはサンプリング周期である。ディジタルのばあ
いには、ディジタルハード回路での実現も、ソフトウェ
アプログラムによる実現も可能である。ディジタルの場
合は、パラメータ18および19を可変パラメータとす
ることで可変パラメータ位相進みフィルタを容易に実現
できる。ディジタルサーボ系では、停止時を含めた極低
速のときの安定条件とこれ以上の速度のときとの安定条
件が異なる。極低速時には、量子化誤差の影響が大き
く、位相進みフィルタより一次遅れフィルタの方が安定
化し易いことがある。このような場合、図9に示すよう
に、速度指令あるいは速度絶対値と設定可能な限界速度
とを比較する判定回路と、これに連動する切換スイッ
チ、および位相進みフィルタ(T1 s+1)/(T2 s
+1)と一次遅れフィルタ1/(Tf s+1)(Tf は
フィルタ時定数)とを設け、限界速度以上であれば、ス
イッチ端子1を接続して位相進みフィルタを、未満であ
ればスイッチ端子2を接続して一次遅れ速度制御系の一
巡伝達関数に挿入する。位置決め状態を判定する位置決
め判定回路を設け、図10に示すように、位置決め開始
時点から、位置決め完了時点までは、スイッチ端子1を
接続して位相進みフィルタを、いったん位置決め完了し
た後はスイッチ端子2を接続して一次遅れフィルタ1/
(Tf s+1)あるいは二次遅れフィルタ1/(Tf 1
s+1)( Tf 2 s+1)(Tf 1 、Tf 2 はフィル
タ時定数)を速度制御系の一巡伝達関数に挿入する。
相進みフィルタの具体的な設計条件を提示する。まず剛
体系の極を反共振の零点に向かわせず、実軸上に収束さ
せる条件である。積分時間Ti 、位相進みフィルタの時
定数T1 、T2 (T1 >T2 )とする。二つの零点s=
−1/Ti 、s=−1/T1 および極s=−1/T2 と
反共振の零点s=jω2 とのなす角度をそれぞれφ1 、
φ2 、φ3 とするとき、 φ1 =arctan(ω2 ・Ti ) φ2 =arctan(ω2 ・T1 ) φ3 =arctan(ω2 ・T2 ) であるが、(φ1 +φ2 −φ3 )がほぼπ/2という条
件(位相条件1)を満たすように設計すると、剛体系は
必ず実軸上に収束し、応答も速く、減衰性も良い速度制
御系が実現できる。図4は位相条件1を示す図である。
次に、振動特性を最も安定化する条件を提示する。二つ
の零点s=−1/Ti、s=−1/T1 および極s=−
1/T2 と振動特性の極s=jω1 とのなす角をそれぞ
れφ1 ’、φ2 ’、φ3 ’とするとき、 φ1 ’=arctan(ω1 ・Ti ) φ2 ’=arctan(ω1 ・T1 ) φ3 ’=arctan(ω1 ・T2 ) であるが、(φ1 ’+φ2 ’−φ3 ’)がほぼπ/2と
いう条件(位相条件2)を満たすように設計すると、振
動特性は最も安定化される条件となり、応答も速く、減
衰性も良い速度制御系が実現できる。図5は位相条件2
を示す図である。図1に示したようなサーボ系を実現す
るには、まず以上に示した位相進みフィルタを挿入した
速度制御系を構成し、適切な位相条件とゲインおよびパ
ラメータを設定し、高応答・高減衰の速度制御系を実現
し、この速度制御系に位置のフィードバック制御ループ
を付加すれば良い。ディジタルサーボ系では位置の量子
化の影響が大きく、偏差の大きさにより位相進みフィル
タのパラメータを可変にする必要がある。これを実現す
る位置制御系のブロック線図を図6に示す。ここでブロ
ック15は位置偏差の絶対値の非線形関数で、|e|を
入力とし、可変パラメータaを出力とするもので、 a=f(|e|) である。ブロック16は可変パラメータaにより特性を
可変とする位相進みフィルタであり、その伝達関数は Glead(s)=(aT1 ・s+1)/((1−a)
・T2 ・s+1) である。このような可変パラメータ位相進みフィルタに
より、ディジタルサーボ系でも、位置偏差の大きさに依
らず常に高応答かつ高安定なサーボ系を実現することが
できる。位相進みフィルタの実現例を述べる。図7はオ
ペアンプ、キャパシタンス、抵抗を用いたアナログ回路
の例である。図8はディジタル演算による位相進みフィ
ルタの実現例である。uは入力、yが出力であり、iは
サンプル時刻である。17は1サンプルの遅延メモリ、
18、19はフィルタの特性を決定するパラメータであ
る。Tsはサンプリング周期である。ディジタルのばあ
いには、ディジタルハード回路での実現も、ソフトウェ
アプログラムによる実現も可能である。ディジタルの場
合は、パラメータ18および19を可変パラメータとす
ることで可変パラメータ位相進みフィルタを容易に実現
できる。ディジタルサーボ系では、停止時を含めた極低
速のときの安定条件とこれ以上の速度のときとの安定条
件が異なる。極低速時には、量子化誤差の影響が大き
く、位相進みフィルタより一次遅れフィルタの方が安定
化し易いことがある。このような場合、図9に示すよう
に、速度指令あるいは速度絶対値と設定可能な限界速度
とを比較する判定回路と、これに連動する切換スイッ
チ、および位相進みフィルタ(T1 s+1)/(T2 s
+1)と一次遅れフィルタ1/(Tf s+1)(Tf は
フィルタ時定数)とを設け、限界速度以上であれば、ス
イッチ端子1を接続して位相進みフィルタを、未満であ
ればスイッチ端子2を接続して一次遅れ速度制御系の一
巡伝達関数に挿入する。位置決め状態を判定する位置決
め判定回路を設け、図10に示すように、位置決め開始
時点から、位置決め完了時点までは、スイッチ端子1を
接続して位相進みフィルタを、いったん位置決め完了し
た後はスイッチ端子2を接続して一次遅れフィルタ1/
(Tf s+1)あるいは二次遅れフィルタ1/(Tf 1
s+1)( Tf 2 s+1)(Tf 1 、Tf 2 はフィル
タ時定数)を速度制御系の一巡伝達関数に挿入する。
【0007】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、振
動特性を有するサーボ系に関し、速度制御系に位相進み
フィルタを挿入し、そのパラメータを特定の条件に設定
することで、従来より格段に高応答かつ高安定の速度お
よび位置サーボ系を実現できる。さらにこの方法は簡単
な位相進みフィルタの付加のみで実現できることから、
経済的な効果も高い、という効果がある.
動特性を有するサーボ系に関し、速度制御系に位相進み
フィルタを挿入し、そのパラメータを特定の条件に設定
することで、従来より格段に高応答かつ高安定の速度お
よび位置サーボ系を実現できる。さらにこの方法は簡単
な位相進みフィルタの付加のみで実現できることから、
経済的な効果も高い、という効果がある.
【図1】位相進みフィルタを挿入したPI速度制御系
【図2】位相進みフィルタを挿入したI−P速度制御系
【図3】位相進みフィルタを挿入したPIおよびI−P
速度制御系の極零配置と根軌跡
速度制御系の極零配置と根軌跡
【図4】位相条件1
【図5】位相条件2
【図6】位置偏差の関数として位相進みフィルタのパラ
メータを可変する位置サーボ系のブロック線図
メータを可変する位置サーボ系のブロック線図
【図7】アナログ回路による位相進みフィルタの実現を
示す図
示す図
【図8】ディジタル演算による位相進みフィルタの実現
を示す図
を示す図
【図9】限界速度前後でのフィルタ切り換えを説明する
図
図
【図10】位相決め完了前後でのフィルタ切り換えを説
明する図
明する図
【図11】サーボ系のブロック線図
【図12】制御対象の動特性モデルを示す図
【図13】(a)PI速度制御系 (b)I−P速度制御系 (c)開ループ伝達関数の極零配置
【図14】PIおよびI−P速度制御系の根軌跡
1 制御対象 2 機構 3 モータ 4 位置および速度検出器 5 位置制御コントローラ 6 速度制御コントローラ 7 パワーアンプ 8 速度演算器 9 位置指令 r 10 位置 x 11 速度 v 12 速度指令 vr 13 電流指令 ir 14 電流 i 15 位置偏差の非線形関数 16 可変パラメータ位相進みフィルタ 17 1サンプル遅延メモリ 18、19 位相進みフィルタのパラメータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05D 3/12 306 S 13/62 Q
Claims (7)
- 【請求項1】 一自由度の振動特性を負荷とし、モータ
の速度をPIあるいはI−P制御するサーボ系の制御装
置において、 一巡伝達関数に位相進みフィルタGlead(s)=
(T1 ・s+1)/(T2 ・s+1)(ただし、T1 >
T2 、T1 、T2 は位相進みフィルタの時定数、sはラ
プラス演算子である)を挿入したことを特徴とするサー
ボ系の制御装置。 - 【請求項2】 ω2 を反共振角周波数、Ti を積分時間
とするとき、反共振の零点s=jω2 と、PIあるいは
I−P制御の零点s=−1/Ti 、位相進みフィルタの
零点s=−1/T1 および極s=−1/T2 とのなす角
φ1 =arctan(ω2 、Ti )、φ2 =arcta
n(ω2 、T1 )、φ3 =arctan(ω2 、T2 )
がφ1 +φ2 −φ3 ≒π/2なる位相条件を満たすよう
に設定されたことを特徴とする請求項1記載のサーボ系
の制御装置。 - 【請求項3】 ω1 を共振角周波数とするとき、振動特
性の極s=jω1 と、PIあるいはI−P制御の零点s
=−1/Ti 、位相進みフィルタの零点s=−1/T1
および極s=−1/T2 とのなす角φ1 ’=arcta
n(ω1 、Ti )、φ’2 =arctan(ω1 、
T1 )、φ’3 =arctan(ω1 、T2 )がφ’1
+φ’2 −φ’3 ≒π/2なる位相条件を満たすように
設定されたことを特徴とする請求項1記載のサーボ系の
制御装置。 - 【請求項4】 速度指令あるいは速度の絶対値と設定可
能な限界速度とを比較し、限界速度以上であれば位相進
みフィルタを、限界速度未満であれば一次遅れフィルタ
を速度制御系の一巡伝達関数に挿入したことを特徴とす
る請求項1ないし3のいずれかに記載のサ−ボ系の制御
装置。 - 【請求項5】 速度制御系をマイナ−ル−プとして組み
込むように位置制御を行うことを特徴とする、請求項1
ないし4のいずれかに記載のサーボ系の制御装置。 - 【請求項6】 位置制御系の偏差の絶対値|e|に関
し、関数f(|e|)をあらかじめ定義し、a=f(|
e|)とするとき、制御系の一巡伝達関数に挿入する位
相進みフィルタの伝達関数を(aT1 ・s+1)/
((1−a)T2 ・s+1)としたことを特徴とする、
請求項5記載のサ−ボ系の制御装置。 - 【請求項7】 位置決め開始時点から位置決め完了時点
までは位相進みフィルタを、いったん位置決め完了した
後は一次遅れフィルタあるいは二次遅れフィルタを速度
制御系の一巡伝達関数に挿入することを特徴とする、請
求項5記載のサ−ボ系の制御装置。
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JP17958594A JP3381880B2 (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | サーボ系の制御装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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