JPH0823541B2 - ガスセンサの湿度依存性改良方法 - Google Patents

ガスセンサの湿度依存性改良方法

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JPH0823541B2
JPH0823541B2 JP349887A JP349887A JPH0823541B2 JP H0823541 B2 JPH0823541 B2 JP H0823541B2 JP 349887 A JP349887 A JP 349887A JP 349887 A JP349887 A JP 349887A JP H0823541 B2 JPH0823541 B2 JP H0823541B2
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▲吉▼展 松浦
敬 高畠
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フイガロ技研株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の利用分野] この発明は、ガスセンサの湿度依存性の改良に関す
る。
[従来技術] 金属酸化物半導体を用いたガスセンサの問題点の1つ
は、湿度依存性に有る。ガスセンサの出力は湿度、特に
絶対湿度により変化し、ガス検出精度の低下が生じる。
この問題は特公昭56−1580号等により指摘され、多数の
研究が報告されている。しかしこれらの研究はサーミス
タ等による回路的補償に集中し、センサ材料の面からの
研究は少ない。そしてガスセンサの湿度依存性を減少さ
せる手法は、未解明である。
[発明の課題] この発明の課題は、ガスセンサの湿度依存性を抑制す
ることに有る。またこの発明の副次的課題は、ガスへの
感度を変えずに湿度依存性を抑制する点に有る。
[発明の構成] この発明では、SnO2を金属酸化物半導体とするガスセ
ンサに、モリブデン酸化物またはタングステン酸化物を
加え、湿度依存性を抑制する。
モリブデンやタングステンの効果は湿度依存性を抑制
する点に有り、ガス感度、即ち空気中とガス中との抵抗
値の比や、各種ガス間の相対感度への影響は少ない。セ
ンサの抵抗値への影響は添加量がSnとの原子比で10%以
下で有れば小さく、それ以上では抵抗値を増大させる。
モリブデンやタングステンの添加量を、Snとの原子比
(アトミックレイシオ)で0.5%,2%,5%,15%として実
験したが、いずれの添加量でも湿度依存性を改善でき
た。現在の所、湿度依存性の改善に関する添加量の下限
は不明である。従ってモリブデンやタングステンの添加
量は広い範囲で変えることができる。好ましい添加量
は、実験に用いた組成の付近という点からは、0.1〜25
%である。なおモリブデン酸化物やタングステン酸化物
の添加量は、Mo/Sn、W/Snの原子比を%単位で示す。次
にセンサの抵抗値を変えないという観点を加味すると、
好ましい添加量は0.1〜10%である。実験に用いた組成
に近く、抵抗値への影響が少ないという点で、最も好ま
しい添加量は0.2〜10%である。
モリブデンやタングステンの同族元素であるクロム
は、センサの抵抗値を増大させると共に、ガス感度を低
下させた。また近接元素であるタンタルはセンサの抵抗
値やガス感度への影響が小さいが、湿度依存性の改善に
は寄与しなかった。これ以外に、ホルミウムHo,デュー
プロセオジウムDy,ガドリニウムGd,カルシウム等に付い
ても実験したが、湿度依存性は改善出来なかった。
モリブデンやタングステンの酸化物はセンサに均一に
添加しても、あるいは不均一に添加しても良い。こよう
な不均一添加の例としては、成型後のセンサにモリブデ
ンやタングステンの溶液を含浸させ、センサの表面部に
は高濃度で、内部には低濃度で添加するものが有る。ま
たモリブデンやタングステンの存在状態は主としてMo
O3,WO3であるが、還元雰囲気により還元される可能性が
あり、不明確である。
金属酸化物半導体はSnO2単味のものに限られ、SnO2
他の金属酸化物半導体との混合物では湿度依存性は改良
されない。
[実施例] ガスセンサの調製 4塩化錫の水溶液をアンモニアで中和し、遠心分離後
に空気中で800℃で3時間焼成してSnO2とした。SnO2
粉砕後に、5塩化モリブデン(MoCl5)の水溶液、ある
いはWO3の濃アンモニア水溶液を加え、混合後に空気中
で600℃で1時間焼成した。モリブデンやタングステン
の添加後のSnO2を粉砕し、成型してガスセンサとした。
センサの形状は、アルミナ管の表面にSnO2の焼結膜を設
け、1対の電極を接続すると共に、アルミナ管にはヒー
タコイルを挿入したものである。なお焼結条件は850℃
で10分間とした。またこのセンサ形状は、フィガロ技研
株式会社のセンサ“TGS813"として周知のものである。
なおモリブデンやタングステンの添加形態には制約は
なく、酸化モリブデンMoO3や酸化タングステンWO3、硫
化モリブデンMoS3、硫化タングステンWS3,等の適宜のも
のを用い得る。またモリブデンやタングステンの添加時
期にも制約はなく、SnO2との共沈で、あるいはセンサの
成型後の含浸で添加しても良い。勿論、モリブデンとタ
ングステンとの混合物を用いても良い。
SnO2には、Pd、Pt、Rh、銀、金等の貴金属触媒、Reや
バナディウム等の経時変化の抑制剤、シリカ等のバイン
ダ、あるいはアルミナ等の骨材を加えても良い。しかし
金属酸化物半導体はSnO2からなるものに限られ、SnO2
他の金属酸化物半導体との混合物は用いることが出来な
い。
測定と結果 測定はいずれも各組成毎に4個のセンサを用い、その
平均値で結果を示す。センサ温度は400℃とした。単味
のSnO2にモリブデンの酸化物やタングステンの酸化物を
加える場合に付いて結果を示すが、PdやPt等の触媒を加
える場合や、シリカ等のバインダを加える場合、あるい
はアルミナ等の骨材を加える場合も、同様に湿度依存性
を抑制できた。
第1図にSnO2単味のものの、イソブタンに対する湿度
依存性を示す。第2図は、Mo/Snの原子比で2%のモリ
ブデンを加えたSnO2の湿度依存性である。また第3図
は、2%の原子比でタングステンを加えた試料の湿度依
存性である。周囲温度を40℃とし、湿度を4%から65%
の範囲で変化させた。湿度20%(20℃65%と同じ絶対湿
度)でイソブタン1000ppmへの抵抗値を基準値Roとし、
これへの抵抗値Rの比を示す。モリブデンやタングステ
ンの添加により、湿度依存性が減少する。
湿度依存性への効果はイソブタン中でのみ生じるもの
ではなく、他のガスに対しても生じる。第4図〜第6図
に、100〜1000ppmのCOへの湿度依存性を示す。周囲温度
を40℃とし、300ppmのCO中での抵抗値を基準に、湿度依
存性を示す。第4図は単味のSnO2の特性、第5図は2%
のモリブデンを加えた試料の特性、第6図は2%のタン
グステンを加えたものの特性である。この場合も、タン
グステンやモリブデンにより、湿度依存性が抑制され
る。
モリブデンやタングステンの効果を、表1に一般的に
示す。
湿度20%で1000ppmのイソブタンや、300ppmのCOに対
する抵抗値を測定し、湿度4%と65%で同じ抵抗値が得
られる濃度を求める。湿度4%での濃度と65%での濃度
の比を湿度依存性とし、比が1で湿度依存性が0とな
る。表の抵抗値は、1000ppmのイソブタンに対する周囲
温度20℃、湿度65%での抵抗値を現す。なおセンサ温度
は400℃とした。
表から明らかなように、湿度依存性に対するモリブデ
ンやタングステンの効果は著しく、イソブタンへの湿度
依存性を1/5程度に、COへの湿度依存性を1/2程度に減少
させる。センサ抵抗への影響はモリブデンでは2%まで
は小さく、タングステンでは10%までは小さい。いずれ
も15%の添加量では、センサをかなり高抵抗化させる。
モリブデンやタングステンの、ガス感度や応答速度へ
の影響は小さい。第7図〜第9図に、各種ガスへの感度
を示す。測定温度は20℃、湿度は65%である。第7図に
単味のSnO2の特性を、第8図に2%のモリブデンを加え
た際の特性を、第9図に2%のタングステンを加えた際
の特性を示す。空気中との抵抗値の比や、相対感度は余
り変わっていない。
金属換算で0.3重量%のPdを加えたSnO2に付いて、モ
リブデンやタングステンによる効果を表2に示す。また
更にシリカバインダやアルミナ骨材を加えた際の結果を
示す。なおPdはモリブデン等の添加前にSnO2に混合し、
センサの製造条件は先の例と同様である。モリブデンや
タングステンの添加量は原子比で2%であり、測定法は
表1と同等である。
他の材料との比較 成型後のガスセンサに種々の添加物を含浸法で添加
し、湿度依存性への影響を調べた。センサの母材は金属
換算で0.3重量%のPdを加えたSnO2とし、添加物の含浸
後に600℃で1時間焼成し、添加物を熱分解した。添加
物はいずれも、Snとの原子比で4%の濃度とした。
タングステンやモリブデンの同族体のクロムの場合、
センサを高抵抗化させると共に、ガス感度も低下させ
る。第7図〜第9図と同じ測定法での結果を表3に示
す。
表4に、各種添加物の湿度依存性への影響を示す。母
材はいずれも0.3%のPdを加えたSnO2で、添加量はSnと
の原子比で4%、測定法は表1と同等である。
なお表は、SnO2にPdを加えると湿度依存性が減少する
ことを示唆している。しかしこれはPd添加に伴う出力の
ガス濃度依存性の増加によるもので、Pdを加えると抵抗
値の湿度変化はより大きくなる。またタンタルはタング
ステンの隣接元素であるが、湿度依存性の改善には寄与
していない。なおタンタルの添加は、センサの感度特性
にも影響していない。
モリブデンやタングステンはSnO2に対して有効である
が、SnO2と他の金属酸化物半導体との混合物には有効で
ない。TiCl4をアンモニアで加水分解し、800℃で焼成し
TiO2とした。SnO2とTiO2とを2:1のモル比で混合し、MoC
l5をSnとTiとの合計量に対し2%の原子比で添加した。
これを600℃で処理し、表1と同様の手法で湿度依存性
を評価した。40℃20%でのイソブタン1000ppmと同じ抵
抗値を与える濃度は、40℃8%では、モリブデン無添加
で2000ppm、モリブデンを添加しても2000ppmであった。
また40℃65%では、モリブデ無添加で200ppm、モリブデ
ンを添加すると300ppmで有った。
[発明の効果] この発明では、ガスセンサの湿度依存性を抑制し、検
出精度を向上させることができる。そして加えたモリブ
デンやタングステンの、センサ感度への影響は小さい。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は、イソブタンに対するガスセンサの特
性図で、第1図は単味のSnO2を用いた従来例の特性図、
第2図はモリブデンをSnとの原子比で2%添加した実施
例の特性図である。また第3図はタングステンを2%添
加した実施例の特性図である。 第4図〜第6図は、COに対するガスセンサの特性図で、
第4図は単味のSnO2を用いた従来例の特性図、第5図は
モリブデンをSnとの原子比で2%添加した実施例の特性
図である。また第6図はタングステンを2%添加した実
施例の特性図である。 第7図〜第9図はガス感度を現す特性図で、第7図は単
味のSnO2を用いた従来例の特性図、第8図はモリブデン
をSnとの原子比で2%添加した実施例の特性図である。
また第9図はタングステンを2%添加した実施例の特性
図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モリブデン酸化物及びタングステン酸化物
    からなる群の少なくとも一員の物質を、SnO2に添加する
    ことを特徴とする、 SnO2からなる金属酸化物半導体を用いたガスセンサの湿
    度依存性改良方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の方法におい
    て、 モリブデン酸化物またはタングステン酸化物の添加量
    を、Mo/SnまたはW/Snの原子比で、0.1〜25%としたこと
    を特徴とする、 ガスセンサの湿度依存性改良方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項記載の方法におい
    て、 前記原子比を0.2〜10%としたことを特徴とする、 ガスセンサの湿度依存性改良方法。
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